JP2006312365A - 作業機のトラックフレーム - Google Patents

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Toshiaki Urashima
俊明 浦島
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Abstract

【課題】 油圧ショベル1などのクローラ5を有する作業機において、クローラ5の着脱を容易にすることである。
【解決手段】 本発明のトラックフレーム7Aは前端と後端にアイドラ輪9と駆動スプロケット8を有する作業機のトラックフレームを前後に分割し、アイドラ輪9を有する側の分割フレーム7aを縦軸15aを中心に回動可能に枢支したものである。分割フレーム7aを外側に回動させることによって、クローラ5の着脱が容易にできる。
【選択図】 図1

Description

本発明は油圧ショベルなどの作業機のトラックフレームの構造に関する。
図6はいわゆる後方小旋回型の油圧ショベルの側面図である。図において、1は油圧ショベル、2は下部走行体、3は上部旋回体、4はブーム式のアタッチメント、5はクローラ、6はキャノピーである。図7は下部走行体の斜視図である。下部走行体2は旋回装置などを内蔵したカーボディ6の両側面にトラックフレーム7を取り付け、トラックフレーム7には前端と後端にアイドラ輪9と駆動スプロケット8を取り付けてなり、アイドラ輪9と駆動スプロケット8などの輪体にクローラ5を懸回して構成されている。
次に、クローラ5を懸回し、かつ、クローラ5に十分な張力を付与する装置について説明する。図8はクローラに張力を付与する装置の説明図であり、(A)は斜視図、(B)は1部断面斜視図である。図において、10はスプリング、11はグリースシリンダ、11aはピストン、11bはOリング、11cはバックアップリング、12はアイドラフォーク、13はグリースの逆流を防ぐチェックバルブ、14はグリースニップルである。グリースガンを用いて、グリースニップル14、チェックバルブ13を経て、グリースシリンダ11内にグリースを送り込み、ピストン11aを伸長させることによってクローラ5に十分な張力を付与する。
次に、クローラ5の着脱について説明する。図9、図10はクローラ5を外すときの説明図である。まず、図9(A)に示すように、上部旋回体3を横向きにして、アタッチメント4を地面を押すように押し下げると、下部走行体2の片側が浮き上がるので、カーボディ6の下に台をあてがう。次に、図9(B)、(C)に示すチェックバルブ13を、グリースシリンダの中のグリースが漏れ出る程度に徐々に緩める。この際急に緩めると、高圧のグリースが飛び出すことがあり危険である。グリースが出ると、クローラ5の張力が緩むので、図10(A)に示すように、バールをアイドラ輪9とクローラ5の間に差し込み、クローラ5を手前に引くように、バールを押し下げながら、クローラ5を図10(A)の矢印の方向にゆっくりと回転させて、クローラ5をアイドラ輪9から外す。図10(B)はクローラ5がアイドラ輪9から外れた状態を示している。クローラ5を取り付けるには上記と反対の手順で行う。
以上の説明とは直接関係は無いが、特許文献1には油圧ショベルのトラックフレームに関する発明が開示されている。この発明はトラックフレームを前側半分と後側半分に分割し、各半分を水平な軸を介して揺動自在に軸支し、悪路走行の場合に対応して、油圧ショベルの居住性、操作性を改善するものである。
特開2000−142500
クローラ5はゴム製で丸く作られており、剛性が大きいので、その着脱はかなり困難である。着脱を容易にするためには、グリースシリンダ11のストロークを、張力を付与するために必要なもの以外に着脱のために必要なもの付加することが要求される。そして着脱のために必要なストロークは非常に大きい。クローラ5を外すときに漏れ出したグリースは産廃として処理しなければならず、その費用もかなり大きい。
本発明は従来技術のかかる問題点に鑑み案出されたものであり、トラックフレームを前後に分割し、アイドラ輪を有する側の分割フレームを縦軸を中心に回動可能に枢支し、クローラを着脱するときには、分割フレームを外側に回動させることによって、着脱を容易にするとともに、グリースシリンダのストロークを小さくし、グリースの漏れ出す量を減少させることを目的とする。なお、本発明は、分割フレームを水平に回動させる点で、特許文献1とは構成が異なり、作用効果も異なる。
上記目的を達成するため、本発明の作業機のトラックフレームは前端と後端にアイドラ輪と駆動スプロケットを有する作業機のトラックフレームを前後に分割し、アイドラ輪を有する側の分割フレームを縦軸を中心に回動可能に枢支したものである。
次に本発明の作用を説明する。クローラを取り外すには、まず、上部旋回体を横向きにして、アタッチメントを押し下げると下部走行体の片側が浮き上がるので、カーボディの下に台をあてがう。次に、チェックバルブをグリースシリンダの中のグリースが漏れ出る程度に徐々に緩める。グリースが出ると、クローラの張力が緩む。次に、カーボディと分割フレームとを固定しているボルトを外し、分割フレームを縦軸を中心に手動で外側に回動させる。そうするとアイドラ輪と駆動スプロケットとの間の距離が短くなる。その状態を維持し、駆動スプロケットをゆっくり回転させて、クローラをゆっくりと回転させると、クローラはアイドラ輪から外れて、クローラの取り外しが完了する。クローラを取り付けるには逆の手順で行えばよい。
このようにクローラの着脱を容易にするため、トラックフレームを前後に分割し、アイドラ輪を有する側の分割フレームを縦軸を中心に回動可能に枢支し、着脱の時には分割フレームを外側に回動させるようにしたので、クローラに張力を与えるためのグリースシリンダのストロークを小さくすることができてコスト削減が可能になるだけでなく、漏れ出したグリースを産廃として処理する費用も削減できるなどの優れた効果がある。
以下本発明の1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の作業機のトラックフレームを有する下部走行体の平面図であり、一方のクローラを取り外した状態を示しており、(A)はアイドラ輪を有する側の分割フレームが固定された状態を示し、(B)はアイドラ輪を有する側の分割フレームが外側に回動された状態を示している。図2は、本発明の作業機のトラックフレームを有する下部走行体の拡大斜視図であり、(A)はアイドラ輪を有する側の分割フレームが固定された状態を示し、(B)はアイドラ輪を有する側の分割フレームが外側に回動された状態を示している。図3は、本発明の作業機のトラックフレームを有する油圧ショベルの斜視図であり、(A)は外側から見た状態を示し、(B)は内側から見た状態を示している。図4は、本発明の作業機のトラックフレームを有する油圧ショベルにおいて、アイドラ輪を有する側の分割フレームが外側に回動された状態を示しており、(A)はクローラがまだ付いている状態を示し、(B)はクローラが取り外された状態を示している。図5は、本発明の作業機のトラックフレームを有する下部走行体において、アイドラ輪を有する側の分割フレームが外側に回動された状態の分解斜視図である。これらの図において、図6ないし図10を用いて従来技術として説明したものと同じ部分には同一の符号を付しており、重複した説明は省略する。
図1ないし図5において、7Aは本発明の作業機のトラックフレームであり、アイドラ輪9を有する側の分割フレーム7aと、駆動スプロケット8を有する側の分割フレーム7bとからなる。駆動スプロケット8を有する側の分割フレーム7bはカーボディ6に固定されている。アイドラ輪9を有する側の分割フレーム7aは縦軸を中心に回動可能に枢支されており、以下詳細に説明する。
分割フレーム7aは図5に示すように、縦軸15aを有するヒンジ15によって枢支されている。ヒンジ15は、分割フレーム7bの前端に固定された管15bと、管15bを上下から挟むように分割フレーム7aの後端に固定された1対の管15cと、それらの管に嵌入される縦軸15aとからなる。15dは縦軸15aが管15bから抜けないように固定するボルトであり、15eはボルト15dに螺合するナットである。
6aはカーボディ6の前側側面に固着されたブラケットである。油圧ショベル1の走行時には、分割フレーム7aの内側の側面が上記ブラケット6aにボルト20によって固定されている。20aはブラケット6aに穿設されたバカ孔であり、20bは分割フレーム7aの内側の側面に穿設され、ボルト20に螺合するネジ孔である。
次に、この実施形態の作用を説明する。クローラ5を取り外すには、まず、上部旋回体3を横向きにして、アタッチメント4を地面を押すように押し下げると、下部走行体2の片側が浮き上がるので、カーボディ6の下に台をあてがう。次に、チェックバルブ13をグリースシリンダ11の中のグリースが漏れ出る程度に徐々に緩める。グリースが出ると、クローラ5の張力が緩む。次に、カーボディ6と分割フレーム7aとを固定しているボルト20を外し、分割フレーム7aを縦軸15aを中心に手動で外側に回動させる。そうするとアイドラ輪9と駆動スプロケット8との間の距離が短くなる。その状態を維持し、駆動スプロケット8をゆっくり回転させて、クローラ5をゆっくりと回転させると、アイドラ輪9と駆動スプロケット8とはそれぞれの面が互いに同一平面上に無いので、クローラ5はアイドラ輪9から外れて、クローラ5の取り外しが完了する。クローラ5を取り付けるには逆の手順で行えばよい。
このようにクローラ5の着脱を容易にするため、トラックフレーム7Aを前後に分割し、アイドラ輪9を有する側の分割フレーム7aを縦軸15aを中心に回動可能に枢支し、着脱の時には分割フレーム7aを外側に回動させるようにしたので、クローラ5に張力を与えるためのグリースシリンダ11のストロークを小さくすることができてコスト削減が可能になるだけでなく、クローラ5の取り外し時に漏れ出したグリースを産廃として処理する費用も削減できるなどの効果がある。
本発明は以上説明した実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。たとえば、作業機は油圧ショベルであるとして説明したが、クローラ式のクレーンなどであってもよい。
本発明の作業機のトラックフレームを有する下部走行体の平面図であり、一方のクローラを取り外した状態を示しており、(A)はアイドラ輪を有する側の分割フレームが固定された状態を示し、(B)はアイドラ輪を有する側の分割フレームが外側に回動された状態を示している。 本発明の作業機のトラックフレームを有する下部走行体の拡大斜視図であり、(A)はアイドラ輪を有する側の分割フレームが固定された状態を示し、(B)はアイドラ輪を有する側の分割フレームが外側に回動された状態を示している。 本発明の作業機のトラックフレームを有する油圧ショベルの斜視図であり、(A)は外側から見た状態を示し、(B)は内側から見た状態を示している。 本発明の作業機のトラックフレームを有する油圧ショベルにおいて、アイドラ輪を有する側の分割フレームが外側に回動された状態を示しており、(A)はクローラがまだ付いている状態を示し、(B)はクローラが取り外された状態を示している。 本発明の作業機のトラックフレームを有する下部走行体において、アイドラ輪を有する側の分割フレームが外側に回動された状態の分解斜視図である。 後方小旋回型の油圧ショベルの側面図である。 下部走行体の斜視図である。 クローラに張力を付与する装置の説明図であり、(A)は斜視図、(B)は1部断面斜視図である。 クローラ5を外すときの説明図である。 クローラ5を外すときの説明図である。
符号の説明
1 油圧ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 アタッチメント
5 クローラ
6 カーボディ
7A トラックフレーム
7a 分割フレーム
7b 分割フレーム
8 駆動スプロケット
9 アイドラ輪
11 グリースシリンダ
13 チェックバルブ
15a 縦軸

Claims (1)

  1. 前端と後端にアイドラ輪と駆動スプロケットを有する作業機のトラックフレームを前後に分割し、アイドラ輪を有する側の分割フレームを縦軸を中心に回動可能に枢支したことを特徴とする作業機のトラックフレーム。
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