JP2006311650A - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 待機電源出力を供給する第1の電源36と、主電源出力を供給する第2の電源37と、第1および第2の電源のそれぞれのスイッチング制御回路6,26の間に備えられ、第1の電源の制御回路6の駆動用電圧を第2の電源の制御回路26へ供給し得る給電制御装置38と、給電制御装置38に接続され、待機時に外部信号により第2の電源の制御回路26への駆動用電圧の供給を遮断して第2の電源37を停止させるスイッチ装置23とを備えたスイッチング電源装置1であって、補助抵抗14がスイッチ23を介して第1の電源36の出力端子間に接続され、補助抵抗14が、スイッチ23の閉開に応じて第1の電源36の出力端子間において接続または開放されるよう構成されたものとする。
【選択図】 図1
Description
それらの機器では大抵、何らかの省エネルギー対策が施されているが、その内の1つに、定格負荷に最適化されたスイッチング電源のほかに、待機動作に特化したスイッチング電源回路を別途備える二電源方式というものがある。この待機電源回路では、回路定数、使用部品その他の回路設計が待機負荷に合せて最適化されている。
交流電源から各電源回路への接続は、まず交流電源P側に、それぞれ待機電源回路および主電源回路となる第1のスイッチング電源回路36および第2のスイッチング電源回路37へ電力を供給する共通の整流・平滑回路として整流回路2となる全波整流ダイオードが接続され、その整流出力プラス側端子は、平滑回路3となる平滑コンデンサのプラス極側に接続されている。
さらに、平滑回路3のプラス極側は、第1のスイッチング電源回路36のプラス端子と、第2のスイッチング電源回路37のプラス端子とに接続されている。一方、整流回路2の整流出力マイナス側端子は、平滑回路3のマイナス極側に接続されているほか、さらに、第1のスイッチング電源回路36のマイナス端子と、第2のスイッチング電源回路37のマイナス端子とに接続されている。
第1のスイッチング電源回路36および第2のスイッチング電源回路37は、それぞれ待機負荷15および定格負荷33に最適化されたものであって、各回路の出力側には必要に応じて待機負荷15および定格負荷33が接続されている。
第1のスイッチング電源回路36は、交流入力が入ると常時動作するが、第2のスイッチング電源回路37は、外部からの主電源出力オン/オフ制御信号(=外部オン/オフ制御信号)により、第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26の駆動用電圧をスイッチ装置たる2次側スイッチ23で遮断し、それによってスイッチング制御回路26の発振を停止させ、第2のスイッチング電源回路37自体の動作を停止させることができるよう構成されている。
補助巻線9、整流回路たる整流ダイオード8および平滑回路たるコンデンサ7は、第1のスイッチング電源回路36のスイッチング制御回路6駆動用の補助電源39を構成する。スイッチング制御回路6の駆動電圧は、コンデンサ7または補助電源39の電圧V1で表わされる。
一般的に、回路定数を適切に設定することにより、第1のスイッチング電源回路36の出力側端子間に待機負荷15が接続されていれば、このとき2次側回路に電流が流れると同時にトランス11およびその補助巻線9に電圧が発生し、補助電源39に第1のスイッチング電源36のスイッチング制御回路6が動作できる最低電圧が確保されるよう構成されている。
スイッチ回路38は、第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26への給電制御装置を構成しており、2次側スイッチ23がオンとなり、スイッチ回路38のトランジスタ18がオンとなれば、第2のスイッチング電源37のスイッチング制御回路26にも電圧V1と同じ電圧が供給され得る一方、トランジスタ18がオフとなれば、スイッチング制御回路26に駆動用電圧は供給されず、第2のスイッチング電源回路37は動作しない。このスイッチング制御回路26の駆動電圧は、このスイッチング制御回路26の動作用補助電源となるコンデンサ27の電圧V2で表わされる。
しかるに、上記の構成からなるスイッチング電源回路においては、第1のスイッチング電源回路36の2次側出力には、第2のスイッチング電源37のスイッチング制御回路26が起動、動作するのに十分な電圧を得るため、常時第1の抵抗14が接続されていた。
この第1の抵抗14は、第1のスイッチング電源回路36の出力側端子間に待機負荷15とは別個に接続された補助抵抗であり、2次側回路に十分な電流を流してトランス11およびその補助巻線9に十分な電圧が発生するようにして補助電源39の電圧V1を余裕をもって確保し、それによって第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26の起動電圧を賄おうとするものである。
しかしながら、この第1の抵抗14には、交流入力が入ると待機時および主電源動作時を問わず常に電流が流れることとなるため、上記の回路では、常時第1の抵抗14で無駄な電力を消費し続ける結果となる。このような無駄な電力消費は、微小な待機電力とはいえ、長期的な見地からは決して無視することができるものではなく、その是正が強く求められていた。
第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26を起動する必要のない待機時には、この第1の抵抗14の接続を解放して第1の抵抗14に常時電流が流れることを防止し、それによって待機時の消費電力を低減できることを見出し、本発明を完成した。
補助抵抗が前記スイッチ装置を介して第1のスイッチング電源回路の出力端子間に接続されており、前記補助抵抗が、前記スイッチ装置の閉成または開成に応じて第1のスイッチング電源回路の出力端子間において接続または開放されるよう構成されたことを特徴とするものである。
第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26を起動する必要のない待機時には、この第1の抵抗14の接続を解放して第1の抵抗14に常時電流が流れるのを防止することができ、待機時の無駄な電力消費を従来より低減することが可能になる。
後述するとおり、本発明の一実施例によれば、交流入力が入り、常時動作している第1のスイッチング電源のみが動作し、2次側出力電力が1Wの場合において、その消費電力を従来例に比べ約0.2W低減でき、省エネルギー効果が確認できた。
なお、以下の説明では、上述した図3に示すものと同一構成要素には同一の符号を付して説明するものとする。
図1は、本発明の一実施例によるスイッチング電源装置の回路図である。
本実施例のスイッチング電源装置1は、図3に示す従来例同様、待機電源回路と主電源回路に共通の整流回路と平滑回路を有するものである。
交流電源から各電源回路への接続について説明すると、まず交流電源P側に、それぞれ待機電源回路および主電源回路となる第1のスイッチング電源回路36および第2のスイッチング電源回路37へ電力を供給する共通の整流・平滑回路として整流回路2となる全波整流ダイオードが接続され、その整流出力プラス側端子は、平滑回路3となる平滑コンデンサのプラス極側に接続されている。
さらに、平滑回路3のプラス極側は、第1のスイッチング電源回路36のプラス端子と、第2のスイッチング電源回路37のプラス端子とに接続されている。一方、整流回路2の整流出力マイナス側端子は、平滑回路3のマイナス極側に接続されているほか、さらに、第1のスイッチング電源回路36のマイナス端子と、第2のスイッチング電源回路37のマイナス端子とに接続されている。第1のスイッチング電源回路36および第2のスイッチング電源回路37は、それぞれ待機負荷15および定格負荷33に最適化されたものであって、各回路の出力側には必要に応じて待機負荷15および定格負荷33が接続されている。
なお、第1のスイッチング電源回路36および第2のスイッチング電源回路37は、定電圧制御回路17,35を備えており、負荷側の状況に応じて、それぞれ1次側のスイッチング素子5,25を制御して、定電圧源として機能し得るよう構成されている。符号16,34は、1次側と2次側を電気的に絶縁するためのフォトカプラである。
すなわち、第1のスイッチング電源回路36は、始動用抵抗24、コンデンサ7および逆流阻止ダイオード8からなる始動回路を有しており、交流入力が入ると、始動用抵抗24を通ってコンデンサ7への充電が行われ、それによって第1のスイッチング電源回路36のスイッチング制御回路6の駆動用電圧が確保されてスイッチング制御回路6を起動するよう構成されている。第1のスイッチング電源回路36は、そのような順序を経て動作を開始するが、定常状態では、トランス11の補助巻線9に誘起される電圧を平滑および整流してスイッチング制御回路6の駆動用電圧を確保している。
補助巻線9、整流回路たる整流ダイオード8および平滑回路たるコンデンサ7は、第1のスイッチング電源回路36のスイッチング制御回路6駆動用の補助電源39を構成する。スイッチング制御回路6の駆動電圧は、平滑コンデンサ7または補助電源39の電圧V1で表わされる。
本実施例においても、回路定数を適切に設定することにより、第1のスイッチング電源回路36の出力側端子間に待機負荷15が接続されていれば、2次側回路に電流が流れると同時に、トランス11およびその補助巻線9に電圧が発生し、補助電源39に第1のスイッチング電源36のスイッチング制御回路6が動作できる最低電圧が確保されるよう構成されている。
スイッチ回路38は、第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26への給電制御装置を構成しており、2次側スイッチ23がオンとなり、スイッチ回路38のトランジスタ18がオンとなれば、第2のスイッチング電源37のスイッチング制御回路26にも電圧V1と同じ電圧が供給され得る一方、トランジスタ18がオフとなれば、スイッチング制御回路26に駆動用電圧は供給されず、第2のスイッチング電源回路37は動作しない。このスイッチング制御回路26の駆動電圧は、このスイッチング制御回路26の動作用補助電源となるコンデンサ27の電圧V2で表わされる。
スイッチ回路38の1次側の一端側は、第1のスイッチング電源回路36のスイッチング制御回路6からスイッチ回路38のPNP形トランジスタ18のエミッタに接続される。このトランジスタ18のコレクタ側は、第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26に接続される。一方、トランジスタ18のベースは、抵抗20およびフォトカプラ21を介してスイッチ回路38の1次側の他端側と繋がっており、整流回路2および補助電源39の平滑コンデンサ7のマイナス極側に接続される。
本実施例では、第1の抵抗14は、第1のスイッチング電源回路36の2次側出力端のプラス側と2次側スイッチ23の一端の間に接続されている。図3に示す従来例同様、この第1の抵抗14は、第1のスイッチング電源回路36の出力側端子間に待機負荷15とは別個に接続されるものであり、2次側回路に十分な電流を流してトランス11およびその補助巻線9に十分な電圧が発生するようにして補助電源39の電圧V1を余裕をもって確保し、それによって第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26の起動電圧を賄おうとするものである。
次に、上記構成からなる本実施形態のスイッチング電源回路1の概略動作について、図1の回路図および図2のタイミングチャートを基に説明する。図2は、2次側スイッチ23、第1のスイッチング電源36のスイッチング制御回路6動作用補助電源電圧V1、および第2のスイッチング電源37のスイッチング制御回路26動作用補助電源電圧V2の動作状態を、本発明の一実施例のものと従来例のものとで比較したタイミングチャートである(A:本発明、B:従来例)。
従って、本実施例によれば、第1のスイッチング電源回路36のみが動作する待機状態においては、第1のスイッチング電源回路36の補助電源39の電圧V1を、第1のスイッチング電源回路36のスイッチング制御回路6が動作できる最小の電圧とすることができ、それによって待機時における動作消費電力を最小として省エネルギー効果を得ることが可能になる(図2Aおよび図2Bの電圧V1の図参照)。
さらにこのとき、2次側スイッチ23をオンすると同時に、第1の抵抗14が、2次側スイッチ23により第1のスイッチング電源36の2次側出力端子間に負荷として接続される。
これにより、第1のスイッチング電源回路36の2次側回路に十分な電流が流れてトランス11およびその補助巻線9に十分な電圧が発生して第1のスイッチング電源36の補助電源39の電圧V1は上昇し、スイッチ回路38を通して第2のスイッチング電源回路37のスイッチング制御回路26およびその動作用電源となるコンデンサ27に、スイッチング制御回路26が起動し動作するのに十分な電圧を供給する(図2Aの電圧V2の図参照)。
しかるに、上記構成からなる本実施例のスイッチング電源回路によれば、上記のとおり第2のスイッチング電源37を動作させるときには、スイッチング制御回路26が起動し、動作するのに十分な電圧V2を供給して、第2のスイッチング電源37を安定してオンすることができる。
一方、外部からの主電源出力オン/オフ制御信号を通じて2次側スイッチ23がオンされ、第2のスイッチング電源37を動作させるときには、2次側スイッチ23をオンすると同時に、第1の抵抗14が、2次側スイッチ23により第1のスイッチング電源36の2次側出力端子間に負荷として接続されるので、第1のスイッチング電源36の補助電源電圧V1が上昇し、スイッチング制御回路26およびその動作用電源となるコンデンサ27に、スイッチング制御回路26が起動し動作するのに十分な電圧V2を供給して、第2のスイッチング電源37を安定してオンすることができる。
上記比較は、交流入力が入り、常時動作している待機電源回路となる第1のスイッチング電源回路36のみが動作している状態で行ったものであり、両者とも同一仕様の回路を用い、同一条件の下で行った。
以上、本発明を一実施例に基づき詳細に説明したが、本発明は上記実施例に記載の構成に限定されず、種々の設計変更が可能である。
例えば、待機電源回路および主電源回路として用いられる第1のスイッチング電源回路36および第2のスイッチング電源回路37については、上記実施例記載の構成に限られず種々の形式のものを用い得る。スイッチング電源回路の回路形式の一例としては、フォワード形やフライバック形、または種々のブリッジ構成の絶縁形コンバータのほか、昇圧形、降圧形、昇降圧形等の非絶縁形チョッパ回路等が挙げられるが特に限定はない。これらのスイッチング電源回路にソフトスイッチング技術が適用されているか否かについても特に限定されない。非絶縁形コンバータの場合、制御回路の1次側と2次側を本実施例のようにフォトカプラで絶縁することは不要となる。第1のスイッチング電源回路および第2のスイッチング電源回路を制御するための定電圧制御回路についても、本発明の構成に必須というものではなく、必要に応じて適宜改変を加えたり、省略して構わない。
また、第1のスイッチング電源回路または第2のスイッチング電源回路の前段に、力率改善回路を接続する構成であっても構わない。さらに、第1のスイッチング電源回路または第2のスイッチング電源回路の制御方式についても特に限定はなく、周波数制御、デューティー制御、位相制御等種々のものを用い得る。
また、本実施例では第1のスイッチング電源回路36と第2のスイッチング電源回路37に共通の整流回路と平滑回路を設ける構成としたが、これに限定されず、第1のスイッチング電源回路と第2のスイッチング電源回路に互いに独立した整流回路と平滑回路を備える構成としても構わない。
整流回路の形式についても、上記実施形態では全波整流ダイオードとしてダイオードブリッジを使用する構成としたが、最も単純な整流ダイオード1基を用いた単相半波整流回路等、整流回路の形式はこれに限られない。さらに、整流回路を構成するダイオードの全部または一部をサイリスタ等のスイッチング素子に置き換え、制御整流を行い得る構成としても構わない。
2 整流回路
3 平滑回路
4、28 一次巻線
5、25 スイッチング素子(NPNトランジスタ)
6、26 スイッチング制御回路
7、13、27、32 コンデンサ
8,12,31 ダイオード
9 補助巻線
10、30 二次巻線
11、29 トランス
14 第1の抵抗
15、33 負荷抵抗
16、21、34 フォトカプラ
17、35 定電圧制御回路
18 トランジスタ(PNPトランジスタ)
19、20、22、24 抵抗
23 2次側スイッチ
36 第1のスイッチング電源回路
37 第2のスイッチング電源回路
38 スイッチ回路(給電制御装置)
39 補助電源
P 交流電源
Claims (2)
- 待機電源出力を供給する第1のスイッチング電源回路と、
主電源出力を供給する第2のスイッチング電源回路と、
第1のスイッチング電源回路のスイッチング制御回路と第2のスイッチング電源回路のスイッチング制御回路の間に備えられ、第1のスイッチング電源回路のスイッチング制御回路の駆動用電圧を第2のスイッチング電源回路のスイッチング制御回路へ供給し得る給電制御装置と、
前記給電制御装置に接続され、待機時に外部オン/オフ制御信号により第2のスイッチング電源回路のスイッチング制御回路への駆動用電圧の供給を遮断して第2のスイッチング電源回路を停止させるスイッチ装置とを備えたスイッチング電源装置であって、
補助抵抗が前記スイッチ装置を介して第1のスイッチング電源回路の出力端子間に接続されており、
前記補助抵抗が、前記スイッチ装置の閉成または開成に応じて第1のスイッチング電源回路の出力端子間において接続または開放されるよう構成されたことを特徴とするスイッチング電源装置。 - 第1のスイッチング電源回路が、トランスによって1次側と2次側が電気的に絶縁された絶縁形のスイッチング電源回路からなり、
第1のスイッチング電源回路のスイッチング制御回路の駆動用電圧が、前記トランスに設けられた補助巻線と、整流回路と、平滑回路とからなる補助電源より供給されるものであることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
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