JP2006311187A - アンテナ支持装置、船舶レーダ装置 - Google Patents

アンテナ支持装置、船舶レーダ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】船舶の傾きを補償するようアンテナを支持すると共に、当該アンテナの指向性最大方向の仰角を調整可能としたアンテナ支持装置、当該アンテナ支持装置とそれに支持されるアンテナとを備える船舶レーダ装置を提供する。
【解決手段】2軸傾斜計50は、船舶レーダ用アンテナ10を支持する支持台の姿勢角を測定し、その値を制御量算出部76に入力する。目標支持台姿勢角算出部82は、仰角入力部80に入力された目標指向性仰角θと船舶レーダ用アンテナ10の指向性の方位角を表す支持台面内指向性方向φとに基づいて、支持台が目標とすべき姿勢角を算出し、その値を制御量算出部76に入力する。支持台駆動部74は、制御量算出部76の制御によって、ロール補償軸回転部40およびピッチ補償軸回転部42を駆動する。これによって、船舶レーダ用アンテナ10の指向性仰角が目標指向性仰角θに調整される。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶に搭載されるアンテナ支持装置、当該アンテナ支持装置とそれによって支持されるアンテナとを備える船舶レーダ装置に関する。
船舶レーダ装置に搭載される船舶レーダ用アンテナは、指向性に空間的分布を有するため、船舶の揺れによって水平方向の電磁波の放射電力や水平方向から到来する電磁波の受信電力が変動し、それに伴ってレーダの物標探知能力が変動する。船舶の揺れに対する船舶レーダ装置の物標探知能力の変動をできる限り安定化させるため、船舶レーダ用アンテナには鉛直面内指向性のビーム幅が比較的大きいものが用いられる。ここで、鉛直面内指向性とは、船舶レーダ用アンテナの水平面内指向性が最大となる方向における鉛直面内での指向性をいう。本明細書では、水平面内指向性および鉛直面内指向性のいずれも、大地に固定して定義された座標系における、船舶レーダ用アンテナが船舶に搭載された状態での指向性空間分布として定義するものとする。また、ビーム幅は、指向性最大方向への放射電力に対して半分の電力を以て放射される2つの方向がなす角度で定義され、電力半値幅とも呼ばれる。
船舶レーダにおいては、船舶のロール角あるいはピッチ角が±10度であるときの物標探知性能が定められている。この規格を満足するため、船舶の重力ポテンシャルが安定している状態、すなわち船舶が傾いていない状態において、船舶レーダ用アンテナの鉛直面内指向性の最大方向が水平となるよう船舶レーダ用アンテナを搭載した場合、船舶が鉛直面内で10度傾いた状態で水平方向に放射される電力が、物標の探知性能を満足できる程度である必要がある。そのため、船舶レーダ用アンテナの鉛直面内指向性のビーム幅は20度以上であることが好ましいとされている。鉛直面内指向性のビーム幅が大きければ、船舶が傾いた場合の水平方向への電磁波の放射電力および水平方向の電磁波の受信電力が、物標探知能力が維持される程度に保証されるため、船舶が揺れた場合の水平方向の物標探知能力が著しく低下することはない。
一般に、アンテナから指向性最大方向に放射される電磁波の電力密度および指向性最大方向から到来する電磁波の受信電力は、ビーム幅が大きい程小さくなる。したがって、船舶の揺れに対処するために船舶レーダ用アンテナの鉛直面内指向性のビーム幅をあまりにも大きくしてしまうと、船舶が傾いていない場合の水平方向への物標探知能力が低下してしまうおそれがある。
このような問題を解決するため、船舶の傾きを補償するアンテナ支持装置に船舶レーダ用アンテナを取り付けた水平支持型レーダシステム7が従来から用いられており、図7にその構成を示す。また、図8に水平支持型レーダシステム7を構成するアンテナ支持装置8および船舶レーダ用アンテナ10の斜視図を、図9にそれを上方から見た図を示す。
船舶レーダ用アンテナ10は図8のようにアンテナ支持装置8に支持されており、あらゆる方向の物標を探知するため、アンテナ回転制御部46の制御によってほぼ鉛直方向と平行な軸を中心に回転する。レーダ送受信部12は、船舶レーダ用アンテナ10を介して電磁波を送信し、物標において反射して船舶レーダ用アンテナ10に到来した電磁波を受信する。測距部14は電磁波が船舶レーダ用アンテナ10と物標との間を往復する時間を測定し、船舶レーダ用アンテナ10から物標までの距離を測定する。そして、測定された距離と電磁波の送受信方向とに基づいて物標の位置を測定する。電磁波の送受信方向は、アンテナ回転制御部46から制御情報を取得することにより認識される。
アンテナ支持装置8が船舶レーダ用アンテナ10を支持する構成について図7から図9を参照して説明する。船舶レーダ用アンテナ10は支柱20および支柱回転部22を介して支持台24に取り付けられている。支柱回転部22は、アンテナ回転制御部46によって回転状態がフィードバック制御され、支柱20を軸に船舶レーダ用アンテナ10を回転させるためのトルクを与える。船舶レーダ用アンテナ10の指向性のうち支持台24の支柱取り付け面26に平行な面内での指向性を、水平面内指向性と区別して支持台面内指向性とする。また、支持台面内指向性の最大方向における、支柱20を軸とする回転軸を含む平面内での指向性を、鉛直面内指向性と区別して支柱面内指向性とする。支持台面内指向性の最大方向は、支持台24に定義された互いに直交するロール補償軸とピッチ補償軸とからなる座標平面のピッチ補償軸とのなす角度φで表す。以下、この角度を支持台面内指向性方向φとする。支持台面内指向性φは、ロール補償軸とピッチ補償軸とからなる座標平面上に定義された船舶レーダ用アンテナ10の指向性方位角であると捉えることができる。船舶レーダ用アンテナ10が支柱20を軸にして回転する場合には、支持台面内指向性方向φは回転と共に変化することとなる。また、支持台面内指向性方向φは、支柱回転部22が備える支柱軸エンコーダ(図示せず)によって読み取られアンテナ回転制御部46に入力される。アンテナ回転制御部46は、入力された支持台面内指向性方向φに基づいて、水平支持型レーダシステム7が物標探知を行う方向に船舶レーダ用アンテナ10の支持台面内指向性の最大方向が向けられているか否かを検出しつつ、支柱回転部22の回転状態のフィードバック制御を行う。
支持台24は、ロール補償軸の周りに回転可能なようにトルク伝達軸32aおよびトルク伝達軸32bを介してピッチ補償軸回転枠28に取り付けられる。また、ピッチ補償軸回転枠28は、ピッチ補償軸の周りに回転可能なようにトルク伝達軸34aおよびトルク伝達軸34bを介して支持装置筐体30に取り付けられる。そして、支持装置筐体30はアンテナ支持装置8を船舶に設けられた支持装置取り付け面60に固定する。
支持台24のロール補償軸周りのトルクは、ピッチ補償軸回転枠28に固定されたロール補償軸回転部40aおよび40bによって、ピッチ補償軸回転枠28のピッチ補償軸周りのトルクは、支持装置筐体30に固定されたピッチ補償軸回転部42aおよび42bによって与えられる。
支柱取り付け面26をロール補償軸を中心に回転させる場合の傾斜角すなわち支持台ロール角、およびピッチ補償軸回転枠28をピッチ補償軸を中心に回転させる場合の傾斜角すなわち支持台ピッチ角は、支持台取り付け面26に固定して設けられた2軸傾斜計50によって測定されその数値が制御量算出部72に入力される。2軸傾斜計50としては、ロール補償軸方向およびピッチ補償軸方向の加速度を測定することによって支持台ロール角および支持台ピッチ角を測定するもの等を適用することができる。
次に、アンテナ支持装置8の動作について図7および図8を参照して説明する。2軸傾斜計50は、支持台ロール角および支持台ピッチ角を計測して、その値を制御量算出部72に入力する。支持台ロール角および支持台ピッチ角は、支持台24の水平面に対する姿勢角を表すものと考えることができる。すなわち、支持台ロール角および支持台ピッチ角が零に保たれている状態は、船舶の傾きがロール補償軸回転部40およびピッチ補償軸回転部42によって相殺され、支持台24が水平に保たれている状態であるといえる。
制御量算出部72は、2軸傾斜計50から入力される支持台ロール角および支持台ピッチ角の値が零となるよう、支持台ロール角制御量および支持台ピッチ角制御量を算出して支持台駆動部74に入力する。支持台駆動部74は、支持台ロール角制御量および支持台ピッチ角制御量に従って、ロール補償軸回転部40およびピッチ補償軸回転部42を駆動制御する。
このように、図8および図9のアンテナ支持装置8を用いた図7の水平支持型レーダシステム7では、支持台24が水平に維持されるため、支持台24に支柱20を介して固定された船舶レーダ用アンテナ10の指向性の大地に対する空間分布が一定に保たれる。そのため、鉛直面内指向性のビーム幅を細くしても、船舶のロール角あるいはピッチ角が±10度であるときの物標探知性能についての規格を満足することができる。また、鉛直面内指向性のビーム幅を細くすることで、船舶レーダ用アンテナ10から鉛直面内指向性最大方向に放射される電磁波の電力密度および鉛直面内指向性最大方向から到来する電磁波の受信電力を大きくすることができ、水平方向の物標探知能力をさらに向上させることができる。ここで、鉛直面内指向性のビーム幅をどれだけ細くすることができるかは、支持台ロール角および支持台ピッチ角の制御可能な範囲に依存する。
なお、次の文献には、支持台ロール角および支持台ピッチ角を2軸傾斜計ではなく、GPS受信機によって算出するアンテナ支持装置に関する技術が開示されている。
特開2002−139561号公報
図7の水平支持型レーダシステム7は、支持台24を水平に維持することで鉛直面内指向性のビーム幅を細くしてアンテナ利得を上げ、物標探知性能を向上せしめたものである。船舶が港を離れ通常の運航状態にある場合には、従来のビーム幅を比較的大きくしたレーダシステムに比して遠方の船舶や岩等の障害物を探知することができる。ところが、水平支持型レーダシステム7では支持台24を水平に維持した上でビーム幅を細くしているため、船舶が入港して接岸する際に、埠頭に衝突しないよう水平面より下方を探知することが困難となる。このような問題は、水平支持型レーダシステム7をレーダマストの高い大型の船舶に搭載した場合には特に顕著となる。
本発明はこのような問題に対してなされたものであり、船舶の傾きを補償するようアンテナを支持すると共に、当該アンテナの指向性最大方向の仰角を調整可能としたアンテナ支持装置、当該アンテナ支持装置とそれに支持されるアンテナとを備える船舶レーダ装置を提供する。
本発明は、指向性に空間的分布を有するアンテナを支持し、船舶に搭載されるアンテナ支持装置であって、前記アンテナの鉛直面内指向性が最大となる鉛直面内指向性最大方向を船舶の傾きに応じて補償し、鉛直面内指向性最大方向と水平面とのなす角である指向性仰角を調整可能としたことを特徴とする。
また、本発明は、指向性に空間的分布を有するアンテナを支持し、船舶に搭載されるアンテナ支持装置であって、アンテナを駆動するアンテナ駆動部と、前記アンテナの水平面に対する姿勢角を測定するアンテナ姿勢角測定部と、前記アンテナの鉛直面内指向性が最大となる鉛直面内指向性最大方向が水平面との間になす角の目標値である目標指向性仰角を取得し、アンテナ姿勢角測定部が測定した姿勢角と目標指向性仰角とに基づいて前記アンテナ駆動部を制御する駆動制御部と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るアンテナ支持装置と、当該アンテナ支持装置に支持されるアンテナと、を備える船舶レーダ装置は、海上に存在する物と上空の降水粒子のいずれかを探知する構成とすることが好適である。
本発明によれば、船舶の傾きを補償するようアンテナを支持すると共に、当該アンテナの指向性最大方向の仰角を調整可能なアンテナ支持装置を実現することができる。また、本発明に係るアンテナ支持装置をレーダシステムに適用した実施形態においては、アンテナの鉛直面内指向性のビーム幅を細くして物標探知能力を向上させると共に、探知しようとする領域に適合するよう仰角範囲を自由に調整することができる。
図1に本発明の第1の実施形態に係る仰角調整可能型レーダシステム1の構成を、図2に仰角調整可能型レーダシステム1を構成するアンテナ支持装置2および船舶レーダ用アンテナ10の斜視図を示す。図7および図8の水平支持型レーダシステム7およびアンテナ支持装置8と同一の構成部については同一の符号を付してその説明を省略する。
仰角調整可能型レーダシステム1では、仰角入力部80において操作者によって指定された目標指向性仰角θが得られるよう、船舶レーダ用アンテナ10の指向性仰角が制御される。ここで指向性仰角とは、図2に示すように鉛直面内指向性が最大となる方向と水平面とのなす角をいう。
図7の水平支持型レーダシステム7では、2軸傾斜計50が測定する支持台ロール角および支持台ピッチ角の値が零となるよう、ロール補償軸回転部40およびピッチ補償軸回転部42を駆動制御している。本実施形態に係る仰角調整可能型レーダシステム1では、2軸傾斜計50が測定した支持台ロール角と目標支持台姿勢角算出部82が算出した目標支持台ロール角rtとが一致するよう、そして2軸傾斜計50が測定した支持台ピッチ角と目標支持台姿勢角算出部82が算出した目標支持台ピッチ角ptとが一致するよう、ロール補償軸回転部40およびピッチ補償軸回転部42を駆動制御する。
目標支持台姿勢角算出部82は、仰角入力部80から目標指向性仰角θを、アンテナ回転制御部46から支持台面内指向性方向φを取得し、目標支持台ロール角rtおよび目標支持台ピッチ角ptを(1)式に従って算出する。
(数1)
t=θcosφ,pt=θsinφ (1)
ただし、|sinθ−θ|≪ε、|cosθ−1|≪εが成立するものとしている。ここに、εはロール補償軸回転部40およびピッチ補償軸回転部42の角度制御分解能である。(1)式は指向性仰角と支持台24の姿勢角との関係を表すものである。厳密にはより複雑な座標変換の式で表されるが、本実施形態においては目標指向性仰角θが|sinθ−θ|および|cosθ−1|が角度制御分解能より十分小さいとみなせる範囲の値であるため、迅速な計算処理を実現するためにこのような近似式を用いている。なお、指向性仰角と支持台24の姿勢角との関係を規定するために、厳密な座標変換の式を用いても本発明の目的を達成できることはいうまでもない。
制御量算出部76は、2軸傾斜計50が測定した支持台ロール角から目標支持台ロール角rtを減算して支持台ロール角制御量を、2軸傾斜計50が測定した支持台ピッチ角から目標支持台ピッチ角ptを減算して支持台ピッチ角制御量を算出し、支持台駆動部74に入力する。支持台駆動部74は、支持台ロール角制御量および支持台ピッチ角制御量に従って、ロール補償軸回転部40およびピッチ補償軸回転部42を駆動制御する。
仰角調整可能型レーダシステム1では、このような制御によって支持台24が(1)式に従った姿勢角に維持されるため、船舶が揺れによって傾いた場合であっても、指向性仰角を操作者の指定した目標指向性仰角θに維持することができる。これによって、船舶が入港して接岸する際には指向性仰角を調整することで、埠頭に衝突しないよう水平面より下方を探知することが可能となる。また、船舶によって船舶レーダ用アンテナ10を取り付ける高さは異なるが、指向性仰角を任意に調整することが可能であるため、船舶レーダ用アンテナ10の取り付けに際して支柱面内指向性を厳密に考慮する必要がなく、取り付け作業が容易となる。さらに、仰角調整可能型レーダシステム1は、浮標の位置を確認するためにも好適である。例えば漁船を操縦する者は、投網した位置を確認するために、その位置に設けられた識別浮標を遠方から探知する必要がある。一方、網の状態を確認するために当該識別浮標に接近する際には、接近するにつれ見かけ上水平面より下方に移動する識別浮標を探知する必要がある。このような場合でも、漁船を操縦する者は、指向性仰角を調整することで識別浮標の位置を容易に確認することができる。
仰角調整可能型レーダシステム1では、船舶が入港した場合等の船舶の環境に応じて指向性仰角が水平面より下方となるよう調整することとしている。このように指向性仰角が下方に調整された場合において探知すべき物標までの距離は、指向性仰角が水平方向を向いている場合におけるそれよりも短いことを前提としている。したがって、指向性仰角を水平面より下方となるように調整した場合には、想定される物標までの距離が短くなった分、仰角調整可能型レーダシステム1が送信する電磁波の電力を小さくすることが可能である。そこで、仰角入力部80に入力された目標指向性仰角θの値に従って送信電力を自動的に調整する構成としておけば、自動的に仰角調整可能型レーダシステム1の送信電力が節約されることとなる。図1に示す構成では、レーダ送受信部12が仰角入力部80から目標指向性仰角θに関する情報を取得し、当該目標指向性仰角θに応じて送信電力を調整することとすればよい。
また、探知すべき物標までの距離が短くなった場合には、それだけ測距分解能を向上させる必要がある。仰角調整可能型レーダシステム1がパルス電磁波を送受信する方式を用いている場合には、送受信するパルス電磁波のパルス長によって測距分解能が定まる。そのため、目標指向性仰角θに応じて送受信するパルス電磁波のパルス長を調整する構成としておけば、操作者が目標指向性仰角θに応じてパルス長を設定する煩わしさを払拭することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る一軸仰角調整可能型レーダシステム3について説明する。本実施形態は、支持台24を支持装置筐体30に固定し、船舶レーダ用アンテナ10に定義された1つの軸周りの回転による傾斜角を制御する構成としたものである。図1の仰角調整可能型レーダシステム1では、ロール補償軸回転部40およびピッチ補償軸回転部42を制御することによって支持台24の姿勢角を水平に維持している。この場合、支持台ピッチ角および支持台ロール角を制御するための2系統の機構が必要とされるため、構成がやや複雑となる。
先述のように船舶レーダ用アンテナ10については、支持台面内指向性と支柱面内指向性とが定義されており、図1の仰角調整可能型レーダシステム1では、水平面内指向性が支持台面内指向性と一致するよう、そして鉛直面内指向性が支柱面内指向性と一致するよう支持台24の姿勢角を制御しているものと捉えることができる。
しかしながら、支柱面内指向性最大方向を軸として回転しても鉛直面内指向性が大きく変化しないようなアンテナを船舶レーダ用アンテナ10として適用する場合には、必ずしも2つの軸周りの方向の傾斜を制御する必要はなく、1つの軸周りの回転による傾斜角を制御するのみで十分実用に耐え得るものと考えられる。そこで、本実施形態では、支持台24を支持装置筐体30に固定し、船舶レーダ用アンテナ10に設けられた、支柱20と垂直な1つの軸周りの回転による傾斜角を制御する構成とする。
図3に一軸仰角調整可能型レーダシステム3の構成を示す。また、図4(a)に一軸仰角調整可能型レーダシステム3を構成するアンテナ支持装置4および船舶レーダ用アンテナ10の斜視図を、図4(b)および(c)に船舶レーダ用アンテナ10の正面図および側面図を、図5にアンテナ支持装置4および船舶レーダ用アンテナ10を上方から見た図を示す。図4に示す一軸仰角調整可能型レーダシステム3の構成は、図1に示す仰角調整可能型レーダシステム1からロール補償軸周りの制御に関する構成部分を除去し、ピッチ軸回転部42をアンテナ仰角調整部48に、2軸傾斜計50を傾斜計52に置き換えたものである。一軸仰角調整可能型レーダシステム3の構成部のうち仰角調整可能型レーダシステム1と同一のものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
船舶レーダ用アンテナ10は、そのフランジ48bに固定された仰角回転軸48aを介してアンテナ仰角調整部48に取り付けられる。仰角回転軸48aは支柱取り付け面26と平行となるようアンテナ仰角調整部48に取り付けられるため、船舶レーダ用アンテナ10の支柱面内指向性最大方向と支柱取り付け面26とのなす角は、アンテナ仰角調整部48が、仰角回転軸48aにトルクを与えることによって調整することができる。
アンテナ仰角調整部48は、支柱20、および支柱回転部22を介して支持台24に取り付けられる。また、支持装置筐体30は支持台24を固定し、アンテナ支持装置4を支持装置取り付け面60に固定する。支柱回転部22は、アンテナ回転制御部46によって回転状態がフィードバック制御され、支柱20を軸に船舶レーダ用アンテナ10を回転させるためのトルクを与える。また、支持台24は回転部等を介さず支持装置筐体30に固定されていることから、支柱取り付け面26と支持装置取り付け面60の姿勢角は一致する。
また、船舶レーダ用アンテナ10には指向性最大方向の傾斜角が測定できるよう傾斜計52が設けられている。これによって、船舶レーダ用アンテナの支柱面内指向性最大方向と水平面とのなす角、すなわち指向性仰角が測定され、その数値が制御量算出部96に入力される。
次に、アンテナ支持装置4の動作について図3および図4を参照して説明する。傾斜計52は、船舶レーダ用アンテナ10の指向性仰角を測定し、その値を制御量算出部96に入力する。一方、仰角入力部80からは目標指向性仰角θが制御量演算部96に読み込まれる。制御量算出部96は、傾斜計52から入力された指向性仰角から目標指向性仰角θを減算して指向性仰角制御量を算出し、支持台駆動部94に入力する。そして、支持台駆動部94は、指向性仰角制御量に従ってアンテナ仰角調整部48を駆動制御する。
一軸仰角調整可能型レーダシステム3では、このような制御によって操作者の指定した目標指向性仰角θが実現されるよう、船舶レーダ用アンテナ10の姿勢角が制御される。これによって、船舶が揺れによって傾いた場合であっても指向性仰角を操作者の指定した値に維持することができ、水平面より下方を探知することが可能となる。また、指向性仰角を調整することが可能なレーダシステムを簡単な構成で実現することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る仰角自動調整型レーダシステム5について説明する。本実施形態は、第1の実施形態に係る仰角調整可能型レーダシステム1に、船舶が入港したか否かを判断する手段を設け、船舶が入港したと判断された場合には、自動的に指向性仰角が水平面より下方となるよう設定されるものである。
図6に第3の実施形態に係る仰角自動調整型レーダシステム5の構成を示す。図7と同一の構成部については同一の符号を付してその説明を省略する。船舶に搭載された測位装置100は、船舶が位置する緯度および経度を測定して入港判定部104に入力する。測位装置100としては、GPS衛星等の測位衛星から信号を受信することで自らの地球上の位置を測定する衛星測位装置等を適用することができる。入港判定部104は、入力された緯度および経度に基づいて港位置座標データベース102を参照し、船舶が港の中に存在するか否かを判定する。港位置座標データベース102は港の領域を示す緯度および経度を記憶させたものであり、これを参照することで、緯度および経度が示す位置が港の領域内にあるか否かを判定することができる。
入港判定部104が、船舶が港の外に存在すると判定した場合には、目標指向性仰角θとして港の外において船舶を通常運航するのに最適な指向性仰角θo、例えば0度が入力される。一方、船舶が港内に存在すると判定した場合には、目標指向性仰角θとして港内において船舶を運航するのに最適な指向性仰角θiが入力される。
このような構成によって、船舶が入港したか否かに基づいて目標指向性仰角θが自動的に調整されるため、操作者は、船舶が入港したか否かを監視した上で目標指向性仰角θを指定する必要がなくなる。
以上では、主に、水平方向の物標あるいは水平方向より下方の物標の探知を行うものとして、本発明の実施形態について説明した。しかしながら、第1の実施形態および第2の実施形態においては、操作者が仰角入力部80において任意の目標指向性仰角θを指定することができる。したがって、目標指向性仰角θを上方に向けることとすれば、降水粒子の観測を行うこともできる。観測は次のようにして行うことが好適である。目標指向性仰角θが一定であるという条件の下、支持台面内指向性方向φを変化させつつ降水粒子の分布を測定した仰角一定分布を測定する。そして、異なる複数の目標指向性仰角θについて仰角一定分布を測定することで、上空のあらゆる方向における降水粒子の分布を取得する。船舶の運航に際しては、天候の変化を観測することは重要であり、この観点からも、第1の実施形態あるいは第2の実施形態に係るレーダシステムは船舶搭載用として好適であるといえる。
仰角調整可能型レーダシステムの構成を示す図である。 仰角調整可能型レーダシステムを構成するアンテナ支持装置および船舶レーダ用アンテナの斜視図である。 一軸仰角調整可能型レーダシステムの構成を示す図である。 一軸仰角調整可能型レーダシステムを構成するアンテナ支持装置および船舶レーダ用アンテナの構成を示す図である。 一軸仰角調整可能型レーダシステムを構成するアンテナ支持装置および船舶レーダ用アンテナを上方から見た図である。 仰角自動調整型レーダシステムの構成を示す図である。 水平支持型レーダシステムの構成を示す図である。 水平支持型レーダシステムを構成するアンテナ支持装置および船舶レーダ用アンテナの斜視図である。 水平支持型レーダシステムを構成するアンテナ支持装置および船舶レーダ用アンテナを上方から見た図である。
符号の説明
1 仰角調整可能型レーダシステム、2,4,8 アンテナ支持装置、3 一軸仰角調整型レーダシステム、5 仰角自動調整型レーダシステム、7 水平支持型レーダシステム、10 船舶レーダ用アンテナ、12 レーダ送受信部、14 測距部、20 支柱、22 支柱回転部、24,44 支持台、26 支柱取り付け面、28 ピッチ補償軸回転枠、30 支持装置筐体、32a,32b,34a,34b トルク伝達軸、40,40a,40b ロール補償軸回転部、42,42a,42b ピッチ補償軸回転部、46 アンテナ回転制御部、48 アンテナ仰角調整部、48a 仰角回転軸、48bフランジ、50 2軸傾斜計、52 傾斜計、60 支持装置取り付け面、72,76,96 制御量算出部、74,94 支持台駆動部、80 仰角入力部、82 目標支持台姿勢角算出部、100 測位装置、102 港位置座標データベース、104 入港判定部。

Claims (3)

  1. 指向性に空間的分布を有するアンテナを支持し、船舶に搭載されるアンテナ支持装置であって、
    前記アンテナの鉛直面内指向性が最大となる鉛直面内指向性最大方向を船舶の傾きに応じて補償し、鉛直面内指向性最大方向と水平面とのなす角である指向性仰角を調整可能としたことを特徴とするアンテナ支持装置。
  2. 指向性に空間的分布を有するアンテナを支持し、船舶に搭載されるアンテナ支持装置であって、
    アンテナを駆動するアンテナ駆動部と、
    前記アンテナの水平面に対する姿勢角を測定するアンテナ姿勢角測定部と、
    前記アンテナの鉛直面内指向性が最大となる鉛直面内指向性最大方向が水平面との間になす角の目標値である目標指向性仰角を取得し、アンテナ姿勢角測定部が測定した姿勢角と目標指向性仰角とに基づいて前記アンテナ駆動部を制御する駆動制御部と、
    を含むことを特徴とするアンテナ支持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアンテナ支持装置と、
    前記アンテナ支持装置に支持されるアンテナと、
    を備える船舶レーダ装置であって、
    海上に存在する物と上空の降水粒子のいずれかを探知することを特徴とする船舶レーダ装置。
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