JP2006311140A - 携帯端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表示部を有した第2筐体を第1筐体に回動可能に支持してお互いに当接せず、この第2筐体の表示部を見易い角度に容易に調整可能な携帯端末を提供する。
【解決手段】 本発明による携帯端末は、第1筐体1及び第2筐体2を相互に連結し且つ回動及び揺動可能に支持するヒンジ部10を備えた携帯端末であって、ヒンジ部10は、第1筐体1又は第2筐体2の何れか一方に固着された軸部11を有する球面カム部12と、第1筐体1又は第2筐体2の何れか他方に固着され球面カム部12を回転自在に受けるカム受部16とからなり、この球面カム部12及びカム受部16が、第2筐体2を第1筐体1に当接させないように構成する。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明による携帯端末は、第1筐体1及び第2筐体2を相互に連結し且つ回動及び揺動可能に支持するヒンジ部10を備えた携帯端末であって、ヒンジ部10は、第1筐体1又は第2筐体2の何れか一方に固着された軸部11を有する球面カム部12と、第1筐体1又は第2筐体2の何れか他方に固着され球面カム部12を回転自在に受けるカム受部16とからなり、この球面カム部12及びカム受部16が、第2筐体2を第1筐体1に当接させないように構成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、携帯端末に係り、より詳細には、例えば、携帯電話機などの携帯情報端末に採用され、第1筐体及び第2筐体を相互に連結し回動及び揺動可能に支持して撮影を容易にするヒンジ部を備えた携帯端末に関する。
近年、撮像装置は、例えば、携帯電話機に代表される携帯端末に採用され、飛躍的な機能向上により、単なる通話専用の携帯型電話のみならずデジタルカメラのような使い方も重要視されている。また、携帯性の利便さから小型化が急速に進む一方で表示部の大型化等が進んでおり、これに対応する筐体構造として、撮像部が設けられた第1筐体と、この撮像部により撮像された画像を表示できる表示部が設けられた第2筐体とに各々分けて別筐体とし、その2つの別筐体を揺動自在に結合した構造がよく知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−134212号公報
前述した構造による従来の携帯端末を、図12を参照して説明する。図12は、このような2つの別筐体を回動自在に結合した従来の携帯端末の一実施形態を示す外観図である。図12に示すように、従来の携帯端末の一実施形態は、携帯電話機として用いたものであって、撮像部(レンズ:図示せず)が設けられた第1筐体41と、この撮像部により撮像された画像を表示する表示部46が設けられた第2筐体42と、該第1筐体41及び第2筐体42を相互に連結し且つ第2筐体42を回動及び揺動可能に支持するヒンジ部50とを備えている。また、第1筐体41には送話器43及び操作部44を有し、第2筐体42には受話器45を各々備えている。
ここで、ヒンジ部50は、第1筐体41の操作部44を配置した配置面から突出して設けており、図12に示した矢印G方向に回転させる回転機構(スイブル機構)と、この回転機構に第2筐体42の一端を回転可能に支持させて他端を図12に示した矢印H方向に回転させて折り畳み式に開閉させる開閉機構(チルト機構)とにより形成されている。例えば、第2筐体42は、第1筐体41の上部でヒンジ部50の回転機構により矢印G方向に表示部46を360°回転でき、且つ、この回転する全周囲に対して開閉機構により矢印H方向に折り畳み式に開閉するように形成されている。従って、第1筐体41に第2筐体42を重ねて折り畳む際には、表示部46を操作部44側に伏せた状態と、表示部46を表面に露出させた状態との2つの状態に各々折り畳むことができる。また、第1筐体41は、送話器43及び操作部44を配置した裏側に被写体に向ける撮像部(図示せず)を配置しており、これにより表示部46を見ながら撮影可能に形成されている。
このような構成からなる従来の携帯端末の一実施形態は、通常、画像又は動画を撮影する場合、表示部46を表面に露出させた状態で折り畳み、撮像部(レンズ)側を被写体に向けることで、その裏側で露出した表示部46を見ながら撮影することも可能である。
しかしながら、従来の携帯端末においては、図12に示したように、第2筐体42が開閉機構により開閉した状態で、更に、回転機構により360°回動するため、この回動時に第1筐体41と第2筐体42とが当接する可能性が高いという不具合があった。
また、撮像部を背面に搭載した構成では、例えば人込みの中で前列の頭越しに筐体を高く上げたハイアングル状態で表示部46を見ながら撮影する場合、前述した表示部46を表面に露出させて折り畳んだ状態では、高く上げた表示部46の画面が見難いという不具合があった。一般に静止画の撮影においては、表示部46を見なくても連写機能等による複数枚の画像の中から最適な画像のみを選び保存することで対応をしているユーザーも見られたが、本来は表示部46を見ながらの撮影が求められており、さらに動画となれば表示部46を見ながらでなければ、事実上撮影はできなくなってしまう。
また、微妙なフレーミングが必要なマクロ撮影、または2次元バーコードやQRコードの読み取りにおいても、表示部46が見にくい位置で撮影しなければならない事がしばしばあった。
さらに、車内でTV電話等のハンズフリー通話を行う場合において、第1筐体41を固定した状態で第2筐体42の表示部46を見やすい角度に調整しなければならず、第2筐体42の表示部46が図12に示した矢印I方向に回転しないため調整が困難であった。
また、撮像部を背面に搭載した構成では、例えば人込みの中で前列の頭越しに筐体を高く上げたハイアングル状態で表示部46を見ながら撮影する場合、前述した表示部46を表面に露出させて折り畳んだ状態では、高く上げた表示部46の画面が見難いという不具合があった。一般に静止画の撮影においては、表示部46を見なくても連写機能等による複数枚の画像の中から最適な画像のみを選び保存することで対応をしているユーザーも見られたが、本来は表示部46を見ながらの撮影が求められており、さらに動画となれば表示部46を見ながらでなければ、事実上撮影はできなくなってしまう。
また、微妙なフレーミングが必要なマクロ撮影、または2次元バーコードやQRコードの読み取りにおいても、表示部46が見にくい位置で撮影しなければならない事がしばしばあった。
さらに、車内でTV電話等のハンズフリー通話を行う場合において、第1筐体41を固定した状態で第2筐体42の表示部46を見やすい角度に調整しなければならず、第2筐体42の表示部46が図12に示した矢印I方向に回転しないため調整が困難であった。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、表示部を有した第2筐体を第1筐体に回動又は揺動可能に支持してお互いに当接させず、第2筐体の表示部を見易い角度に容易に調整可能な携帯端末を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、第1筐体及び第2筐体を相互に連結し且つ回動及び揺動可能に支持するヒンジ部を備えた携帯端末であって、ヒンジ部は、第1筐体又は第2筐体の何れか一方に固着された軸部を有する球面カム部と、第1筐体又は第2筐体の何れか他方に固着され球面カム部を回転自在に受けるカム受部とからなり、この球面カム部及びカム受部が、第2筐体を第1筐体に当接させないように構成する。
ここで、球面カム部には、第1筐体に対する第2筐体の回動及び揺動方向につき、法線をなす第1軸線を中心にした回動方向に規制する第1ガイド溝と、この第1軸線と交わる第2軸線を中心にした回動方向に規制し第1ガイド溝と交差する第2ガイド溝と、この第1ガイド溝及び該第2ガイド溝を相互に連結する第3ガイド溝とが設けられており、カム受部には、第1ガイド溝、第2ガイド溝、及び第3ガイド溝に嵌合する接触子を設けることが好ましい。また、第2ガイド溝が第1ガイド溝又は第3ガイド溝と交差する部分には、接触子を係止する係止穴を設けることが好ましい。また、係止穴は、球面カム部の中心を挟んで一対をなし、これらの間で、第1筐体に対する第2筐体の揺動方向につき、第1軸線及び第2軸線の双方と交わる方向を中心に球面カム部を回動するための第3軸線を形成することが好ましい。また、第1ガイド溝は、第2筐体が第1筐体と重なる領域において、第1軸線を中心に回動する第2筐体を、第1筐体から離す方向に導く持ち上げガイド部を含むことが好ましい。また、接触子は、球面カム部の求心方向に往復動することにより、電気的に接続又は切断するように構成されており、係止穴は、接触子との嵌合状態により、この接触子を電気的に接続する位置又は切断する位置の何れかに配置することが好ましい。
以上説明した通り、本発明による携帯端末を用いれば次の効果が得られる。
(1)ヒンジ部により第1筐体に対する第2筐体の動作を規制しているため、お互いの筐体を当接させることがなく回動及び揺動でき、塗装の剥がれ、キズなどの原因を確実に防止できる。
(2)カメラ撮影の際、撮影者の正面以外の位置に第2筐体を保持した状態(例えば、ハイアングル、ローアングル)であっても、表示部を容易に調整して確認しながら撮影することができる。特に、動画撮影の際には、表示部を容易に揺動させて目的の映像を見易い位置で確認できるため安心して使用できる。
(3)表示部の角度を容易に調整できるため、マクロ撮影の際には微妙なフレーミングが可能となり、撮影者の見やすい位置で使用できる。これにより、2次元バーコードやQRコードの読み取りもミスなく撮ることができる。
(4)また、角度を瞬時に調整できるため、車内でTV電話等のハンズフリー通話の際にも、第1筐体を固定した後に、第2筐体の表示部を見やすい角度に調整することが容易になり非常に使いやすい。
(5)さらに、ヒンジ部は、カム受部に球面カム部を保持させるシンプルな構造であるため、従来技術のような特殊な筐体構造(ヒンジ部構造)が不要で簡単な構造になり、筐体どうしの位置調整(特に当接させない調整)も容易になる。
(1)ヒンジ部により第1筐体に対する第2筐体の動作を規制しているため、お互いの筐体を当接させることがなく回動及び揺動でき、塗装の剥がれ、キズなどの原因を確実に防止できる。
(2)カメラ撮影の際、撮影者の正面以外の位置に第2筐体を保持した状態(例えば、ハイアングル、ローアングル)であっても、表示部を容易に調整して確認しながら撮影することができる。特に、動画撮影の際には、表示部を容易に揺動させて目的の映像を見易い位置で確認できるため安心して使用できる。
(3)表示部の角度を容易に調整できるため、マクロ撮影の際には微妙なフレーミングが可能となり、撮影者の見やすい位置で使用できる。これにより、2次元バーコードやQRコードの読み取りもミスなく撮ることができる。
(4)また、角度を瞬時に調整できるため、車内でTV電話等のハンズフリー通話の際にも、第1筐体を固定した後に、第2筐体の表示部を見やすい角度に調整することが容易になり非常に使いやすい。
(5)さらに、ヒンジ部は、カム受部に球面カム部を保持させるシンプルな構造であるため、従来技術のような特殊な筐体構造(ヒンジ部構造)が不要で簡単な構造になり、筐体どうしの位置調整(特に当接させない調整)も容易になる。
次に、添付図面を参照して本発明による携帯端末の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による携帯端末の第1の実施形態を示す外観図であり、図1(a)は第2筐体2の回転位置が90度での斜視図を、図1(b)は第2筐体2の回転位置が90度での側面図を各々示している。また、図2は、図1に示したヒンジ部10の内部構造を示す図である。また、図3は、図2に示した球面カム部12のガイド溝13を詳細に示す拡大図であり、図3(a)は表面での配置状態を、図3(b)は法線に応じた配置状態を各々示している。また、図4は、図2に示した係止穴14の配置状態を示す図であり、図4(a)は図2に示した第1軸線Xの上方から見た上面図を、図4(b)は図2に示した第2軸線Yの側方から見た側面図を各々示している。また、図5は、図4に示した係止穴14の各配置位置を示す図である。また、図6は、図2に示した接触子18のスイッチ機能を示す図であり、図6(a)は係止穴14が深い状態を、図6(b)は係止穴14が浅い状態を各々示している。また、図7は、図1に示した携帯端末の動作を示す動作説明図であり、図7(a)は第2筐体2が回転0度の状態を、図7(b)は第2筐体2が回転90度の状態を、図7(c)は第2筐体2が回転180度の状態を各々示している。また、図8は、図7に示した各回動位置に対応するヒンジ部10の状態を示した図であり。図8(a)は回転0度の状態を、図8(b)は回転90度の状態を、図8(c)は回転180度の状態を各々示している。また、図9は、図3に示したヒンジ部13の第3ガイド溝13cを介した動作を示す図であり、図9(a)は接触子18がP(180,−30)の係止穴14に係合した状態を、図9(b)は接触子18が第1ガイド溝13aに移動した状態を、図9(c)は接触子18がP(90,0)の係止穴14に係合した状態を各々示している。また、図10は、本発明による携帯端末の第2の実施形態を示す図であり、図10(a)は第2筐体22が回転90度の状態を、図10(b)は第2筐体22が傾斜30度の状態を各々示している。また、図11は、本発明による携帯端末の第3の実施形態を示す図であり、図11(a)は第2筐体22が傾斜していない状態を、図10(b)は第2筐体22が傾斜した状態を各々示している。
図1に示すように、本発明による携帯端末の第1の実施形態は、携帯電話機として用いたものであって送話器3及び操作部4を有してアンテナ7(図1(b)参照)を配置することで携帯電話機の送受信処理を可能にするとともに撮像部(レンズ:図示せず)が設けられた第1筐体1と、この撮像部により撮像された画像を表示する表示部6及び受話器5が設けられた第2筐体2と、この第1筐体1及び第2筐体2を相互に連結し且つ第2筐体2を第1筐体1と対向した状態のまま第1筐体1の法線(図2参照)を中心にして回動及び揺動可能に支持するヒンジ部10とを備えている。このヒンジ部10は、図2に示すように、第1筐体1又は第2筐体2の何れか一方(図2では第2筐体2)に固着されて棒状に延在する軸部11が一体に形成された球面カム部12と、第1筐体1又は第2筐体2の何れか他方(図2では第1筐体1)に固着されて球面カム部12を回動自在に受けるカム受部16とからなり、この球面カム部12及びカム受部16が、第2筐体2を第1筐体1に当接させないように回動するいわゆるリボルバー式に構成されている。
ここで、ヒンジ部10は、図2に示すように、カム受部16の側面に貫通穴(図示せず)が設けられ、この貫通穴内にスプリングなどの弾性部材17が挿入固定されており、この弾性部材17の先端には貫通穴の直径より大きいボール状の接触子18が取り付けられている。また、ヒンジ部10は、球面カム部12の表面に凹状のガイド溝13が形成されており、このガイド溝13に前述した接触子18が嵌合することで、球面カム部12の動作を規制するように形成されている。ところで、ヒンジ部10は、法線を中心にした回動及び揺動により動作しており、具体的には、図2示した第1筐体1を基準に、上方に延在する第1軸線Xを中心にした回動と、この両側に直交して延在する第2軸線Yを中心にした回動と、長手方向の第3軸線Zを中心にした回動との3つの動作に分解することができる。そして、球面カム部12には、第1筐体1に対する第2筐体2の回動及び揺動方向につき、図3(a)に示すように、法線をなす第1軸線Xを中心にした回動方向に規制する第1ガイド溝13aと、この第1軸線Xと直交する位置の第2軸線Yを中心にした回動方向に規制し第1ガイド溝13aと交差する第2ガイド溝13bと、この第1ガイド溝13a及び第2ガイド溝13bを相互に連結する第3ガイド溝13cとが設けられ、この第1ガイド溝13a、第2ガイド溝13b、及び第3ガイド溝13cに、図2に示したカム受部16の接触子18を嵌合して規制するように形成されている。
即ち、第1の実施形態では、第1筐体1に第2筐体2を重ねて閉じた状態(図7(a)参照)から、該第2筐体2をヒンジ部10により、第1筐体1に対向した状態のまま図2に示した第1軸線Xを中心とした回転と、この回転した位置で第2筐体2を更に第2軸線Yを中心として第1筐体1に対して傾ける回転と、この傾斜状態から第1軸線Xを中心に第2筐体2を回転させた時のみ第3ガイド溝13cを介して第1ガイド溝13aまで(傾斜していない状態まで)戻る回転との3つの回転を可能に形成されている。
この際、図3(a)に示した第2ガイド溝13bが、第1ガイド溝13a又は第3ガイド溝13cと交差する部分には、接触子18(図2参照)が嵌って係止する深い係止穴14が複数設けられている。この係止穴14は、図3(b)に示すように、第1ガイド溝13aと第2ガイド溝13bとが交差する部分に設けられ、球面カム部12の中心Oを挟んで一対をなしており、これらの間(球面カム部12の前後間)において、図2に示した第1筐体1に対する第2筐体2の揺動方向につき、第1軸線X及び第2軸線Yの双方と直交する方向(筐体の長手方向)に回動を規制するための第3軸線Zを形成できるように配置されている。そして、このような構造では、図2に示した弾性部材17の弾性力を適宜変えることで係止め及び解除時のクリック感を容易に調整することが可能である。また、接触子18は、球面カム部12の求心方向に往復動することにより、電気的に接続又は切断するように構成されており、図3に示した係止穴14は、接触子18との嵌合状態により、この接触子18を電気的に接続する位置又は切断する位置の何れかに配置され、電気的なオン・オフを可能(図6参照)に設けられている。さらに、第1ガイド溝13aは、第2筐体2が回転して第1筐体1と重なる領域において、第1軸線Xを中心に回動する第2筐体2を、第1筐体1から離す方向に導く、図3(a)に示した持ち上げガイド部13aaを含んで形成されている。
以下、このガイド溝13及び係止穴14について具体的に説明する。まず、係止穴14について説明すると、球面カム部12の表面には、図4(a)に示すように、球面カム部12の最大外径部である第1ガイド溝13a(図4(b)参照)に沿って回転0度、回転90度、及び回転180度の各3箇所に係止穴14が各々形成されている。即ち、第1の実施形態では、第1ガイド溝13aに沿った第1軸線X(図2参照)を中心とする回動において、回動位置が回転0度、回転90度、及び回転180度の3位置間に停止しながら半回転するように形成されている。また、回転0度、回転90度、及び回転180度の各位置には、図4(b)に示すように、ここでは第1ガイド溝13aと縦方向に直交する第2ガイド溝13bがあり、この第2ガイド溝13bに沿って第2軸線Y(図2参照)を中心とする回動方向に、前述した3箇所の係止穴14を含め、各5箇所(計15箇所)の係止穴14が配列するように形成されている。この第2ガイド溝13bの縦方向の各5箇所は、第1ガイド溝13aと直交する3箇所の交点が第2ガイド溝13bにおける傾斜0度に相当し、該傾斜0度を中心として、上下に傾斜15度、更に上下に傾斜30度の5箇所に各々設定されている。
ここで、第1の実施形態では、以下複数の係止穴14の位置を区別して表示するため、図5に示すように、回転0度で傾斜0度をP(0,0)、回転90度で傾斜0度をP(90,0)、回転180度で傾斜0度をP(180,0)等のように、括弧内の左値に第1軸線Xを中心に回動した回転角度を、括弧内の右値に第2軸線Yを中心に回動した傾斜角度を各々記載して表示する。また、この傾斜角度は、第1ガイド溝13aの傾斜0度を中心とした上側(第1筐体1に対して第2筐体2を押下げる傾斜方向)を「−」とし、下側(第1筐体1に対して第2筐体2を持ち上げる傾斜方向)を「+」として表示する。
ところで、係止穴14は、図5に示したように、P(0,0)に交差する第2ガイド溝13bでは第1筐体1と第2筐体2とが対向して重なる状態(図7(a)参照)にあり、この重なる方向に押下げる傾斜はできないため、持ち上げる方向にP(0,0)、P(0,15)、及びP(0,30)の3箇所のみを有し、押し下げる方向のP(0,−15)及びP(0,−30)が不要なため前述した計15箇所は2つ減って全体で計13箇所になる。また、第1の実施形態では、第2ガイド溝13bに沿って第2軸線Yを中心に回動させる傾斜角度を、傾斜0度、±傾斜15度、±傾斜30度の5段階とし、最大傾斜角度を±傾斜30度としたが、これに限定するものではなく、最大傾斜角度を増やす又は係止穴14を増やして5段階以上に細かく設定してもよい。
一方、ガイド溝13の第3ガイド溝13cについて説明すると、図5に示したように、第1ガイド溝13aと直交する第2ガイド溝13bの上下に設けた±傾斜15度、±傾斜30度の係止穴14から延在しており、この係止穴14から両側にほぼ対称に延在して第1ガイド溝13aまで延びて連結するように形成されている。ここで、第3ガイド溝13cは、第2筐体2を傾斜させた際に傾斜を戻すために用いられ、逆に傾斜させる場合には第2ガイド13bを用いており、そのため第2ガイド溝13bから延在して第1ガイド溝13aに連結した位置に係止穴14を設けていない。即ち、第1の実施形態では、第2筐体2を傾斜させた場合に、その状態のまま第1軸線X(図2参照)を中心に回動させたときのみ、第3ガイド溝13cを介して自然に傾斜が戻るように形成されている。
また、第1ガイド溝13aには、第2筐体2の裏側に第1筐体1を重ねて操作部4を閉塞した状態(図7(a)参照)と、第2筐体2を回動させて操作部4を露出させた状態(図7(b)参照)との間で回動する場合、第1筐体1に第2筐体2が当接しないように、第2筐体2が第1筐体1から離れるように規制する湾曲した持ち上げガイド部13aa(図3又は5参照)が設けられている。この持ち上げガイド部13aaは、図5に示したように、第1ガイド溝13aのP(0,0)とP(90,0)との係止穴14間に設けられ、この間の第1ガイド溝13aを下側(第1筐体1に対して第2筐体2を持ち上げる傾斜方向)に湾曲させることで形成されている。このように第2筐体2は、第1筐体1に最も近接して重なる回動時に、持ち上げガイド部13aaによりお互いが離れるように規制され、当接を確実に防止できる。
また、第1ガイド溝13aには、第2筐体2の裏側に第1筐体1を重ねて操作部4を閉塞した状態(図7(a)参照)と、第2筐体2を回動させて操作部4を露出させた状態(図7(b)参照)との間で回動する場合、第1筐体1に第2筐体2が当接しないように、第2筐体2が第1筐体1から離れるように規制する湾曲した持ち上げガイド部13aa(図3又は5参照)が設けられている。この持ち上げガイド部13aaは、図5に示したように、第1ガイド溝13aのP(0,0)とP(90,0)との係止穴14間に設けられ、この間の第1ガイド溝13aを下側(第1筐体1に対して第2筐体2を持ち上げる傾斜方向)に湾曲させることで形成されている。このように第2筐体2は、第1筐体1に最も近接して重なる回動時に、持ち上げガイド部13aaによりお互いが離れるように規制され、当接を確実に防止できる。
ここで、球面カム部12の表面に形成するガイド溝13と係止穴14とは、以下のような深さ関係により形成されている。まず、球面カム部12の表面には、第2筐体2を所定の各揺動角度で係止する深い係止穴14を複数形成される。そして、図5に示した球面カム部12の最大外形部(傾斜0度の位置)に沿ってP(0,0)、P(90,0)、P(180,0)の係止穴14を結ぶように、係止穴14の深さより浅い第1ガイド溝13aが形成される。また、この傾斜0度の第1ガイド溝13aを中心として、上下に直交して配列した±傾斜15度及び±傾斜30度の係止穴14を結ぶように、前述した第1ガイド溝13aより浅い第2ガイド溝13bが形成される。更に、第2ガイド溝13b上の係止穴14から両側に延在して第1ガイド溝13aに直接連結するように、第1ガイド溝13aより浅く第2ガイド溝13bとほぼ同じ深さの第3ガイド溝13cが形成される。即ち、探さの関係は、係止穴14>第1ガイド溝13a>第2ガイド溝13b及び第3ガイド溝13cになるように形成されている。
そして、このようなガイド溝13は、図2に示したカム受部16内で付勢した接触子18が当接することで、溝に沿って球面カム部12の動作を規制する。この際、接触子18は、前述したように電気的にオン・オフする構造を有しており、詳しくはガイド溝13に沿って摺動して係止穴14に嵌って係止されると、オン状態になり複数の機能のうち所定機能を選択してアプリケーション(例えば、カメラ撮影用のもの)を起動するスイッチ機能の役割を含んだ構造に形成されている。即ち、接触子18は、図6(a)に示すように、カム受部16に弾性部材17により付勢した状態で設置され、この弾性部材17の下端両側に離間して一対に設けた電極16aと、この電極16aに接続して弾性部材17の付勢する先端近傍まで延在した一対の端子16bとを各々備えている。そして、接触子18は、図6(a)に示した溝の深い係止穴14に嵌って係止されると、この係止穴14側に嵌入して端子16bに接触せずスイッチとしてオン状態になり、携帯電話機の所定機能が選択されてアプリケーションが起動するように形成されている。
一方、接触子18は、係止穴14に比べて浅いガイド溝13(第1ガイド溝13a、第2ガイド溝13b、第3ガイド溝13c)に係合すると、この浅いガイド溝13により押されて一対の端子16bに接触する構造になっている。この際、接触子18は、導電体により形成され、離間した端子16bどうしを電気的に接続するとともに、この端子16bを介して一対の電極16aを導通させスイッチとしてオフ状態になり、アプリケーションの起動を終了するように形成されている。
ここで、係止穴14に比べてガイド溝13を浅く形成した実施例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、各係止穴14の深さを変えることも可能である。このように各係止穴14の深さを変える場合、図6(a)に示した深い係止穴14に対し、図6(b)に示すように、浅い係止穴14を別途設けることで、この浅い係止穴14に嵌った接触子18は押されて一対の端子16bに接触する。従って、接触子18は、前述したように離間した端子16bどうしを電気的に接続し、この端子16bを介して一対の電極16aを導通させスイッチとしてオフ状態になり、アプリケーションの起動を終了させることができる。
一方、接触子18は、係止穴14に比べて浅いガイド溝13(第1ガイド溝13a、第2ガイド溝13b、第3ガイド溝13c)に係合すると、この浅いガイド溝13により押されて一対の端子16bに接触する構造になっている。この際、接触子18は、導電体により形成され、離間した端子16bどうしを電気的に接続するとともに、この端子16bを介して一対の電極16aを導通させスイッチとしてオフ状態になり、アプリケーションの起動を終了するように形成されている。
ここで、係止穴14に比べてガイド溝13を浅く形成した実施例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、各係止穴14の深さを変えることも可能である。このように各係止穴14の深さを変える場合、図6(a)に示した深い係止穴14に対し、図6(b)に示すように、浅い係止穴14を別途設けることで、この浅い係止穴14に嵌った接触子18は押されて一対の端子16bに接触する。従って、接触子18は、前述したように離間した端子16bどうしを電気的に接続し、この端子16bを介して一対の電極16aを導通させスイッチとしてオフ状態になり、アプリケーションの起動を終了させることができる。
次に、このように形成された本発明による携帯端末の第1の実施形態を用いた動作について図7及び図8を参照して詳細に説明する。図7に示すように、本発明による携帯端末の第1の実施形態では、前述したように第1軸線Xを中心とした回動時に回転0度、回転90度、及び回転180度の3位置で停止して使用可能としている。尚、この3位置の回動位置において、これに限定するものではなく、例えば、回動位置が回転270度(−90°)や、これらの中間位置においても有効である。
まず、回動位置が回転0度の場合、図7(a)に示すように、第2筐体2の裏側に第1筐体1を重ねて操作部4(図7(b)参照)を閉塞した携帯電話機における待ち受け状態であって、容易に持運びでき、不用意に操作部4を押下しないように第1筐体1と第2筐体2とをお互い重ねて閉状態にする。また、例えばカメラ付き携帯電話機では、このような筐体を重ねた状態でデジタルカメラのような撮影スタイルが想定されるため、この場合、第1筐体1の背面に設けた撮像部(レンズ:図示せず)を被写体に向け、第2筐体2の表示部6を見ながら撮影する。また、ヒンジ部10では、図8(a)に示すように、接触子18がP(0,0)の位置にある係止穴14に嵌合しており、第2筐体2を第1筐体1に対して第2軸線Y(図2参照)を中心とする回動により持ち上げるように傾け、このP(0,0)の位置からP(0,15)及びP(0,30)の位置まで3段階に変位させて角度を調整する。即ち、デジタルカメラのような撮影スタイル時には、筐体を重ねた状態で第1筐体1に対して第2筐体2の一端を持ち上げて0〜30度の範囲内で傾斜角度を調整して撮影する。
まず、回動位置が回転0度の場合、図7(a)に示すように、第2筐体2の裏側に第1筐体1を重ねて操作部4(図7(b)参照)を閉塞した携帯電話機における待ち受け状態であって、容易に持運びでき、不用意に操作部4を押下しないように第1筐体1と第2筐体2とをお互い重ねて閉状態にする。また、例えばカメラ付き携帯電話機では、このような筐体を重ねた状態でデジタルカメラのような撮影スタイルが想定されるため、この場合、第1筐体1の背面に設けた撮像部(レンズ:図示せず)を被写体に向け、第2筐体2の表示部6を見ながら撮影する。また、ヒンジ部10では、図8(a)に示すように、接触子18がP(0,0)の位置にある係止穴14に嵌合しており、第2筐体2を第1筐体1に対して第2軸線Y(図2参照)を中心とする回動により持ち上げるように傾け、このP(0,0)の位置からP(0,15)及びP(0,30)の位置まで3段階に変位させて角度を調整する。即ち、デジタルカメラのような撮影スタイル時には、筐体を重ねた状態で第1筐体1に対して第2筐体2の一端を持ち上げて0〜30度の範囲内で傾斜角度を調整して撮影する。
また、回動位置が回転90度の場合、図7(b)に示すように、第2筐体2が回動して操作部4が露出して使用可能であり、主に撮影者が片手で筐体を把持して表示部6を見ながら操作部4を操作して撮影することが可能である。この場合、ヒンジ部10では、図8(b)に示すように、接触子18がP(90,0)の係止穴14に嵌合しており、この係止穴14の位置を、第2軸線Y(図2参照)を中心とする回動によりP(90,0)の位置からP(90,±15)、P(90,±30)の位置まで5段階に変位させ、第2筐体2の傾く角度を最大−30〜30度の範囲内で傾斜角度を調整して撮影する。
さらに、回動位置が回転180度の場合、図7(c)に示すように、第2筐体2を回動させて第1筐体1の操作部4を完全に露出させており、携帯電話機における受話器5及び送話器3による通話が可能で、且つ、前述した撮影者が片手で筐体を把持して表示部6を見ながら操作部4の操作により撮影できる。この際、ヒンジ部10では、図8(c)に示すように、接触子18がP(180,0)の係止穴14に嵌合しており、この係止穴14の位置を、第2軸線Y(図2参照)を中心とする回動によりP(180,0)の位置からP(180,±15)、P(180,±30)の位置まで5段階に変位させ、第2筐体2を最大−30〜30度の傾斜角度まで調整しながら撮影する。
ここで、図7(c)に示した回動位置が回転180度の状態は、例えば、図12に示した従来の携帯端末における第1筐体と第2筐体とを開いた開放状態に相当する。この従来の携帯端末では、第1筐体に対して第2筐体を閉じる傾斜は可能であるが、第2筐体が安定して開いた状態に保持させる傾斜は筐体を完全にほぼ180°開いた状態のみであり、その途中の傾斜角度で固定することは困難であった。また、この従来の携帯端末とは異なる折り畳み式の端末でも、開いた途中の傾斜角度で使用することが可能であるが、例えば、被写体を追いながらの撮影等で筐体を動かしたりした際に、傾斜の角度がズレたり、時には筐体が閉じてしまったりと非常に不安定な構造であった。これに対し、本発明による携帯端末の第1の実施形態では、第1筐体1に対して第2筐体2を回転180度の位置まで回転させる場合、前述した5段階に変位させて途中の傾斜角度でも係止できるため、操作者が意図する良好な角度に調整できる。
次に、このような第1の実施形態における第3ガイド溝13cを介した動作について、図9を参照して詳細に説明する。例えば、図7(c)に示したように第1筐体1に対して第2筐体2を回転180度の位置に回転し、且つ第2筐体2を持ち上げて傾斜−30度の位置まで傾斜させた状態から、図7(b)に示した回転90度の位置まで戻す動作について説明する。
まず、回転180度、傾斜−30度の状態では、図9(a)に示すように、接触子18が球面カム部16のP(180,−30)の係止穴14に係合しており、ここからP(90,0)の位置まで戻す場合、一旦、第1ガイド溝13aの位置まで戻した後、P(90,0)の係止穴14まで回転させて戻す動作が考えられる。この場合、第2ガイド溝(図示せず)に沿ってP(180,−15)を介してP(180,0)の第1ガイド溝13aまで戻すことも可能であるが、図9(a)に示した矢印B方向の第3ガイド溝13cを介すことで、図9(b)に示すようにP(90,0)の係止穴14に近接した第1ガイド溝13aまで瞬時に到達できる。この矢印B方向の第3ガイド溝13cを介す場合には、P(180,−30)の係止穴14に係合した状態で、第1軸線X(図2参照)を中心に第2筐体2を回動させることで、第3ガイド溝13cを介すことができる。その後、図9(b)に示した矢印C方向に回転させることで、図9(c)に示すように、接触子18を球面カム部16のP(90,0)の係止穴14まで移動させることができる。即ち、第1の実施形態では、球面カム部16に第1ガイド溝13aと第2ガイド溝13bとを設けるとともに、これらを連結する更なる第3ガイド溝13cを設けることで、第2筐体2の傾斜を瞬時に直して表示部4を見やすい角度に素早く調整でき非常に使いやすく形成している。
まず、回転180度、傾斜−30度の状態では、図9(a)に示すように、接触子18が球面カム部16のP(180,−30)の係止穴14に係合しており、ここからP(90,0)の位置まで戻す場合、一旦、第1ガイド溝13aの位置まで戻した後、P(90,0)の係止穴14まで回転させて戻す動作が考えられる。この場合、第2ガイド溝(図示せず)に沿ってP(180,−15)を介してP(180,0)の第1ガイド溝13aまで戻すことも可能であるが、図9(a)に示した矢印B方向の第3ガイド溝13cを介すことで、図9(b)に示すようにP(90,0)の係止穴14に近接した第1ガイド溝13aまで瞬時に到達できる。この矢印B方向の第3ガイド溝13cを介す場合には、P(180,−30)の係止穴14に係合した状態で、第1軸線X(図2参照)を中心に第2筐体2を回動させることで、第3ガイド溝13cを介すことができる。その後、図9(b)に示した矢印C方向に回転させることで、図9(c)に示すように、接触子18を球面カム部16のP(90,0)の係止穴14まで移動させることができる。即ち、第1の実施形態では、球面カム部16に第1ガイド溝13aと第2ガイド溝13bとを設けるとともに、これらを連結する更なる第3ガイド溝13cを設けることで、第2筐体2の傾斜を瞬時に直して表示部4を見やすい角度に素早く調整でき非常に使いやすく形成している。
以上、本発明による携帯端末の第1実施形態によると、以下のような効果を得ることができる。
(1)ヒンジ部10の接触子18を球面カム部12のガイド溝13に当接させた構造により、第1筐体1と第2筐体2とが当接しないように規制しているため、お互い当接することがなく、塗装の剥がれ、キズなどの原因を確実に防止できる。
(2)カメラ撮影の際、撮影者の正面以外の位置に筐体を保持した状態(例えば、ハイアングル、ローアングル)であっても、表示部6を有した第2筐体2の角度を容易に調整して確認しながら撮影できる。特に、動画撮影の際には、表示部を容易に揺動させて目的の映像を見易い位置で確認できるため安心して使用できる。
(3)表示部6の角度を容易に調整できるため、マクロ撮影の際には微妙なフレーミングが可能となり、撮影者の見やすい位置で使用できる。これにより、2次元バーコードやQRコードの読み取りもミスなく撮ることができる。
(4)また、角度を瞬時に調整できるため、車内でTV電話等のハンズフリー通話の際にも、第2筐体2を固定した後に、第1筐体1の表示部6を見やすい角度に調整することが容易になり非常に使いやすい。
(5)さらに、ヒンジ部10は、カム受部16に球面カム部12を保持させるシンプルな構造であるため、従来技術のような特殊な筐体構造(ヒンジ部構造)が不要で簡単な構造になり、筐体どうしの位置調整(特に当接させない調整)も容易になる。
(1)ヒンジ部10の接触子18を球面カム部12のガイド溝13に当接させた構造により、第1筐体1と第2筐体2とが当接しないように規制しているため、お互い当接することがなく、塗装の剥がれ、キズなどの原因を確実に防止できる。
(2)カメラ撮影の際、撮影者の正面以外の位置に筐体を保持した状態(例えば、ハイアングル、ローアングル)であっても、表示部6を有した第2筐体2の角度を容易に調整して確認しながら撮影できる。特に、動画撮影の際には、表示部を容易に揺動させて目的の映像を見易い位置で確認できるため安心して使用できる。
(3)表示部6の角度を容易に調整できるため、マクロ撮影の際には微妙なフレーミングが可能となり、撮影者の見やすい位置で使用できる。これにより、2次元バーコードやQRコードの読み取りもミスなく撮ることができる。
(4)また、角度を瞬時に調整できるため、車内でTV電話等のハンズフリー通話の際にも、第2筐体2を固定した後に、第1筐体1の表示部6を見やすい角度に調整することが容易になり非常に使いやすい。
(5)さらに、ヒンジ部10は、カム受部16に球面カム部12を保持させるシンプルな構造であるため、従来技術のような特殊な筐体構造(ヒンジ部構造)が不要で簡単な構造になり、筐体どうしの位置調整(特に当接させない調整)も容易になる。
ところで、球面カム部の動作をガイド溝により規制する第1の実施形態を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ヒンジ部のカム受部上端に、球面カム部から延在する軸部を当接させて傾斜角度を規制することも可能である。このようにカム受部に軸部を当接させて規制する本発明による携帯端末の第2の実施形態は、図10に示すように、携帯電話機として用いるものであって、送話器及び操作部を有してアンテナ(図示せず)を配置することで携帯電話機の送受信処理を可能にするとともに撮像部(レンズ:図示せず)が設けられた第1筐体1と、この撮像部により撮像された画像を表示する表示部及び受話器(図示せず)が設けられた第2筐体2と、この第1筐体1及び第2筐体2を相互に連結し且つ第2筐体2を第1筐体1と対向した状態のまま第1筐体1の法線を中心にして回動及び揺動可能に支持するヒンジ部20とを備えている。
このヒンジ部20は、図10(a)に示すように、第2筐体2に固着されて棒状に延在する軸部21に一体に形成された球面カム部22と、第1筐体1に固着されて球面カム部22を回転自在に受けるカム受部26とにより形成されている。また、軸部21の中心に沿って筒状の貫通した細孔(図示せず)が設けてあり、この細孔に第1筐体1と第2筐体2とを電気的に接続した線材(図示せず)を挿入できるように設けられている。
このヒンジ部20は、図10(a)に示すように、第2筐体2に固着されて棒状に延在する軸部21に一体に形成された球面カム部22と、第1筐体1に固着されて球面カム部22を回転自在に受けるカム受部26とにより形成されている。また、軸部21の中心に沿って筒状の貫通した細孔(図示せず)が設けてあり、この細孔に第1筐体1と第2筐体2とを電気的に接続した線材(図示せず)を挿入できるように設けられている。
ここで、ヒンジ部20は、カム受部26に弾性部材で付勢した接触子、及び球面カム部22の表面にガイド溝を形成しておらず、図10(b)に示すように、カム受部26の上端外周Dに球面カム部22から延在する軸部21を当接させることで、第1筐体1に対して第2筐体2を傾斜させる角度を規制する。従って、第2の実施形態は、カム受部26の上端外周Dに規制された角度内で、第2筐体2を自由に回動できる点で、第1実施形態とは大きく異なっている。
このように本発明による携帯端末の第2の実施形態によると、カム受部26の上端外周Dで規制して第1筐体1に当接することなく第2筐体2を自由に回動できるため、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、第1の実施形態に比べて溝の規制がなく第2筐体2を自由に回動できるため、送話器と受話器との調整で好適な位置が得られ、音声がクリアで使いやすくなる。
また、このように球面カム部の動作をガイド溝や軸部の当接により規制する実施形態に限定されるものではなく、例えば、ヒンジ部の各部品の位置関係に応じて規制することも可能である。この各部品の位置関係に応じて規制する本発明による携帯端末の第3の実施形態は、図11に示すように、送話器及び操作部を有してアンテナ(図示せず)を配置することで携帯電話機の送受信処理を可能にするとともに撮像部(レンズ:図示せず)が設けられた第1筐体1と、この撮像部により撮像された画像を表示する表示部及び受話器(図示せず)が設けられた第2筐体2と、この第1筐体1及び第2筐体2を相互に連結し且つ第2筐体2を第1筐体1と対向した状態のまま第1筐体1の法線を中心にして回動及び揺動可能に支持するヒンジ部30とを備えている。このヒンジ部30は、第2筐体2から棒状に延在する軸部31と該1軸部31の先端に球形状の球面カム部32とが一体に設けられ、この球面カム部32を第1筐体1に回動可能に保持するカム受部36を有して構成されている。
ここで、ヒンジ部30は、第1及び第2の実施形態とは異なり、第1筐体1に対向する第2筐体2の傾きを規制した最大傾斜角度(図11(b)参照)をθ、第1筐体1の操作部を配置した面Fからカム受部36内に保持した球面カム部32の中心までの距離をE、第1筐体1の操作部を配置した面Fから上部で対向する第2筐体2までの間隔をL、第2筐体2の幅をAとした場合、L≧(1/cosθ−1)X+A/2tanθの関係式を満たすようにθ、E、L、Aの各値を調整して設定するように形成されている。
即ち、図11(a)に示した第1筐体1の面Fから球面カム部32の中心(傾斜支点)までの距離Eと、第2筐体2から第1筐体1までの間隔Lとが、図11(b)に示したように最大傾斜角度θまで傾斜した時、E+L=E/cosθ+A/2tanθで表すことができ、この場合のLを求めることでL=E/cosθ+A/2tanθ−Eとなり上記間隔Lの関係式を導くことができる。この際、上記間隔Lの関係式においてL≧とする理由は、図11(a)に示した間隔Lを短く設定してしまうと、図11(b)に示した最大傾斜角度θまで傾斜する前に第1筐体1と第2筐体2とが接触してしまうため、本実施形態ではL≧(1/cosθ−1)E+A/2tanθの位置関係としている。従って、この関係式を満たすことで、第1筐体1と第2筐体2とが当接(接触)することなく、θ、E、L、Aの各値を自由に調整することができる。
即ち、図11(a)に示した第1筐体1の面Fから球面カム部32の中心(傾斜支点)までの距離Eと、第2筐体2から第1筐体1までの間隔Lとが、図11(b)に示したように最大傾斜角度θまで傾斜した時、E+L=E/cosθ+A/2tanθで表すことができ、この場合のLを求めることでL=E/cosθ+A/2tanθ−Eとなり上記間隔Lの関係式を導くことができる。この際、上記間隔Lの関係式においてL≧とする理由は、図11(a)に示した間隔Lを短く設定してしまうと、図11(b)に示した最大傾斜角度θまで傾斜する前に第1筐体1と第2筐体2とが接触してしまうため、本実施形態ではL≧(1/cosθ−1)E+A/2tanθの位置関係としている。従って、この関係式を満たすことで、第1筐体1と第2筐体2とが当接(接触)することなく、θ、E、L、Aの各値を自由に調整することができる。
このように本発明による携帯端末の第3の実施形態によると、第1筐体1と第2筐体2とを当接することなく球面カム部32の角度を規制して揺動させるリボルバー式の構造に形成しているため、第1及び第2実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、第1及び第2実施形態に比べてヒンジ部30における各部品のθ、E、L、Aの値を自由に設定でき、筐体の構造または意匠的な外観(外形)を容易に調整できる。
以上、本発明による携帯端末の実施の形態を詳細に説明したが、本発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、携帯電話機としての携帯端末の実施の形態を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、PDAなどの携帯情報端末にも適用可能である。
また、第1筐体と第2筐体とが当接しないようにヒンジ部における軸部の長さを一定の長さに設けた実施の形態を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、軸部の長さが第1筐体を傾斜させたい場合にのみL≧(1/cosθ−1)E+A/2tanθとなる関係式を有効にすればよく、第2筐体に対向する第1筐体が近接及び離間する方向に伸縮可能に設けることも可能である。この場合、傾斜させたい場合にのみ軸部を伸長して第一筐体を引き出して使用し、携帯端末を使用しない場合や傾斜が不要な場合は支軸部を縮めて第1筐体を沈めておくことで、携帯性、収納性、操作性を確保することも可能である。
例えば、携帯電話機としての携帯端末の実施の形態を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、PDAなどの携帯情報端末にも適用可能である。
また、第1筐体と第2筐体とが当接しないようにヒンジ部における軸部の長さを一定の長さに設けた実施の形態を詳細に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、軸部の長さが第1筐体を傾斜させたい場合にのみL≧(1/cosθ−1)E+A/2tanθとなる関係式を有効にすればよく、第2筐体に対向する第1筐体が近接及び離間する方向に伸縮可能に設けることも可能である。この場合、傾斜させたい場合にのみ軸部を伸長して第一筐体を引き出して使用し、携帯端末を使用しない場合や傾斜が不要な場合は支軸部を縮めて第1筐体を沈めておくことで、携帯性、収納性、操作性を確保することも可能である。
1 第1筐体
2 第2筐体
3 送話器
4 操作部
5 受話器
6 表示部
7 アンテナ
10 ヒンジ部
11 軸部
12 球面カム部
13 ガイド溝
13a 第1ガイド溝
13b 第2ガイド溝
13c 第3ガイド溝
13d 持ち上げガイド部
14 係止穴
16 カム受部
17 弾性部材
18 接触子
2 第2筐体
3 送話器
4 操作部
5 受話器
6 表示部
7 アンテナ
10 ヒンジ部
11 軸部
12 球面カム部
13 ガイド溝
13a 第1ガイド溝
13b 第2ガイド溝
13c 第3ガイド溝
13d 持ち上げガイド部
14 係止穴
16 カム受部
17 弾性部材
18 接触子
Claims (6)
- 第1筐体及び第2筐体を相互に連結し且つ回動及び揺動可能に支持するヒンジ部を備えた携帯端末であって、
前記ヒンジ部は、前記第1筐体又は前記第2筐体の何れか一方に固着された軸部を有する球面カム部と、前記第1筐体又は前記第2筐体の何れか他方に固着され該球面カム部を回転自在に受けるカム受部とからなり、該球面カム部及び該カム受部が、前記第2筐体を前記第1筐体に当接させないように構成されていることを特徴とする携帯端末。 - 前記球面カム部には、前記第1筐体に対する前記第2筐体の回動及び揺動方向につき、前記法線をなす第1軸線を中心にした回動方向に規制する第1ガイド溝と、該第1軸線と交わる第2軸線を中心にした回動方向に規制し該第1ガイド溝と交差する第2ガイド溝と、該第1ガイド溝及び該第2ガイド溝を相互に連結する第3ガイド溝とが設けられており、
前記カム受部には、前記第1ガイド溝、前記第2ガイド溝、及び前記第3ガイド溝に嵌合する接触子が設けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯端末。 - 前記第2ガイド溝が前記第1ガイド溝又は前記第3ガイド溝と交差する部分には、前記接触子を係止する係止穴が設けられていることを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
- 前記係止穴は、前記球面カム部の中心を挟んで一対をなし、これらの間で、前記第1筐体に対する前記第2筐体の揺動方向につき、前記第1軸線及び前記第2軸線の双方と交わる方向を中心に前記球面カム部を回動するための第3軸線を形成することを特徴とする請求項3記載の携帯端末。
- 前記第1ガイド溝は、前記第2筐体が前記第1筐体と重なる領域において、前記第1軸線を中心に回動する前記第2筐体を、前記第1筐体から離す方向に導く持ち上げガイド部を含むことを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の携帯端末。
- 前記接触子は、前記球面カム部の求心方向に往復動することにより、電気的に接続又は切断するように構成されており、
前記係止穴は、前記接触子との嵌合状態により、該接触子を電気的に接続する位置又は切断する位置の何れかに配置することを特徴とする請求項3〜5の何れかに記載の携帯端末。
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JP2005130487A JP2006311140A (ja) | 2005-04-27 | 2005-04-27 | 携帯端末 |
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2005
- 2005-04-27 JP JP2005130487A patent/JP2006311140A/ja active Pending
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