JP2006310633A - 基板処理装置、基板処理方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所望のエッチング角度を容易に設定することができると共に、コストを低減することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】 エッチング処理装置1は、半導体デバイス用のウエハWを収容する真空処理室2と、該真空処理室2内においてウエハWに対向するように配置された誘導結合プラズマ(ICP)ソース4と、ウエハW及びICPソース4の間に配置される遮蔽板5とを備え、遮蔽板5の貫通孔11は、ICPソース4の直下以外の箇所において開口する。
【選択図】 図1
【解決手段】 エッチング処理装置1は、半導体デバイス用のウエハWを収容する真空処理室2と、該真空処理室2内においてウエハWに対向するように配置された誘導結合プラズマ(ICP)ソース4と、ウエハW及びICPソース4の間に配置される遮蔽板5とを備え、遮蔽板5の貫通孔11は、ICPソース4の直下以外の箇所において開口する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、基板処理装置、基板処理方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
従来より、基板としての半導体デバイス用のウエハに施される基板処理として、ウエハの表面をイオンでエッチングする反応性イオンエッチング(以下、「RIE」という。)処理が行われている。
RIE処理では、ウエハに対向する空間に導入された処理ガスをプラズマ化してイオンを発生させ、さらに、ウエハを載置した下部電極に高周波電力を印加することによって生じた自己バイアス電位によって該イオンを加速し、該イオンをウエハの表面に衝突させることにより、ウエハの表面を物理的にエッチングして該ウエハの表面に溝(トレンチ)等を形成する。このとき、加速されたイオンは所定の方向に進むため、ウエハの表面も所定の方向に沿ってエッチングされていく。このようなRIE処理では、通常、ウエハの表面に対して垂直にトレンチが形成されていた。
近年、半導体チップを積層して形成する集積回路のサイズの縮小が強く求められており、半導体チップの積層の自由度を増す観点から、半導体チップにおいて3次元的な配線の実現が強く求められている。すなわち、半導体チップのベースとなるウエハにおいて、ウエハの表面に対して斜めにエッチング(以下、「斜方向エッチング」という。)することが強く求められている。
また、トレンチの底部にイオンを打ち込むイオンインプラント処理において、イオンを斜方向から打ち込む方法が知られているが、この方法では打ち込むイオンの進行方向がトレンチの深さ方向に対して斜めになるため、イオンがトレンチの側面に打ち込まれ、該側面が劣化する。そこで、イオンがトレンチの側面に打ち込まれるのを防止するため、斜方向エッチングによってトレンチをウエハの表面に対して斜めに形成することも求められている。
これに対応して、近年、斜方向エッチングを実現する手段として、プラズマのイオンの進行方向に対してウエハを斜めに支持する支持台を備え、ウエハの表面を斜めにエッチングするプラズマエッチング装置(例えば、特許文献1参照。)や、傾斜可能なダイポールリングマグネットを備え、該ダイポールリングマグネットを傾けてウエハに対して斜めの磁界を印加することによってウエハに対して斜めにイオンを入射するプラズマ表面処理装置(例えば、特許文献2参照。)が開発されている。
特開昭57−164986号公報
特開平7−94475号公報
しかしながら、上述したプラズマエッチング装置やプラズマ表面処理装置では、斜方向エッチングにおけるエッチング角度を所望の値に設定する場合、それぞれ支持台又はダイポールリングマグネットの傾斜角度を変更する必要があり、所望のエッチング角度を容易に設定することができないという問題がある。また、上述したプラズマエッチング装置やプラズマ表面処理装置のいずれも構成が複雑になるためコストが上昇するという問題もある。
本発明の目的は、所望のエッチング角度を容易に設定することができると共に、コストを低減することができる基板処理装置、基板処理方法、プログラム及び記憶媒体を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の基板処理装置は、基板に対向するプラズマ発生源を備える基板処理装置において、前記基板及び前記プラズマ発生源の間に配置される遮蔽部材を備え、前記プラズマ発生源はプラズマを放射状に拡散し、前記遮蔽部材は、前記放射状に拡散されたプラズマの一部を通過させる貫通孔を有することを特徴とする。
請求項2記載の基板処理装置は、請求項1の基板処理装置において、前記遮蔽部材において、前記通過孔は前記プラズマの発散方向が前記基板の表面に対して垂直となる場所以外において開口することを特徴とする。
請求項3記載の基板処理装置は、請求項1又は2記載の基板処理装置において、前記プラズマ発生源及び前記遮蔽部材は前記基板に対して一体的に移動することを特徴とする。
請求項4記載の基板処理装置は、請求項1又は2記載の基板処理装置において、前記遮蔽部材は前記プラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動することを特徴とする。
請求項5記載の基板処理装置は、請求項1又は2記載の基板処理装置において、前記プラズマ発生源は前記遮蔽部材に対する相対位置を変更しながら移動することを特徴とする。
請求項6記載の基板処理装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板処理装置において、前記遮蔽部材は電気的にフローティングしていることを特徴とする。
請求項7記載の基板処理装置は、請求項6記載の基板処理装置において、前記遮蔽部材は導体であることを特徴とする。
請求項8記載の基板処理装置は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板処理装置において、前記基板を載置する載置台を備え、前記載置台は低電力が印加されることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項9記載の基板処理方法は、基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法であって、前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散ステップを有することを特徴とする。
請求項10記載の基板処理方法は、請求項9記載の基板処理方法において、前記プラズマ発生源及び前記遮蔽部材が前記基板に対して一体的に移動するプラズマ発生源移動ステップを有することを特徴とする。
請求項11記載の基板処理方法は、請求項9記載の基板処理方法において、前記遮蔽部材が前記プラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動する遮蔽部材移動ステップを有することを特徴とする。
請求項12記載の基板処理方法は、請求項9記載の基板処理方法において、前記プラズマ発生源が前記遮蔽部材に対する相対位置を変更しながら移動するプラズマ発生源移動ステップを有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項13記載のプログラムは、基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散モジュールと、前記プラズマ発生源及び前記遮蔽部材が前記基板に対して一体的に移動するプラズマ発生源移動モジュールとを有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項14記載のプログラムは、基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散モジュールと、前記遮蔽部材が前記プラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動する遮蔽部材移動モジュールとを有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項15記載の記憶媒体は、基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散モジュールと、前記プラズマ発生源及び前記遮蔽部材が前記基板に対して一体的に移動するプラズマ発生源移動モジュールとを有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項16記載の記憶媒体は、基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散モジュールと、前記遮蔽部材が前記プラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動する遮蔽部材移動モジュールとを有することを特徴とする。
請求項1記載の基板処理装置によれば、基板及びプラズマ発生源の間に配置される遮蔽部材を備え、プラズマ発生源はプラズマを放射状に拡散し、遮蔽部材は、放射状に拡散されたプラズマの一部を通過させる貫通孔を有する。発散されたプラズマのうち、貫通孔を通過したプラズマは所定の角度で基板の表面に衝突するので、遮蔽部材を配置するだけで、基板の表面を所定の角度に沿ってエッチングすることができる。また、プラズマの発散方向は場所によって変わるので、貫通孔の位置を変更するだけで通過するプラズマの発散方向を変更することができる。したがって、所望のエッチング角度を容易に設定することができると共に、コストを低減することができる。
請求項2記載の基板処理装置によれば、遮蔽部材において、通過孔はプラズマの発散方向が基板の表面に対して垂直となる場所以外において開口するので、貫通孔を通過したプラズマの発散方向を確実に基板の表面に対して斜めにすることができ、もって斜方向エッチングを容易に実現することができる。
請求項3記載の基板処理装置及び請求項10記載の基板処理方法によれば、プラズマ発生源及び遮蔽部材が基板に対して一体的に移動するので、基板の表面における複数箇所に同一発散方向のプラズマを入射することができ、もって、基板の表面の複数箇所において同一傾斜角度のトレンチを形成することができる。
請求項4記載の基板処理装置及び請求項11記載の基板処理方法によれば、遮蔽部材はプラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動するので、基板の表面における複数箇所に互いに異なる発散方向のプラズマを入射することができ、もって、基板の表面の複数箇所において互いに異なる傾斜角度のトレンチを形成することができる。
請求項5記載の基板処理装置及び請求項12記載の基板処理方法によれば、プラズマ発生源は処理遮蔽部材に対する相対位置を変更しながら移動するので、基板の表面の或る箇所にプラズマを入射する際、該入射するプラズマの発散方向を変更することができ、もって、深さ方向に関して途中から傾斜角が変わるトレンチを形成することができる。
請求項6記載の基板処理装置によれば、遮蔽部材は電気的にフローティングしているので、貫通孔を通過するプラズマの発散方向が乱れるのを防止することができ、もって、所望のエッチング角度を確実に設定することができる。
請求項7記載の基板処理装置によれば、遮蔽部材は導体であるので、遮蔽部材が帯電しても該遮蔽部材を接地させることによって電荷を容易に除去することができ、貫通孔を通過するプラズマの発散方向が乱れるのを確実に防止することができ、もって、所望のエッチング角度をより確実に設定することができる。
請求項8記載の基板処理装置によれば、基板を載置する載置台を備え、載置台は低電力が印加されるので、該載置台に発生するDCバイアスによってプラズマを基板に向けて引き込むことができる一方、該発生するDCバイアスは低電力の印加に起因して低電圧であるため、貫通孔を通過するプラズマの発散方向が乱れるのを防止することができ、もって、所望のエッチング角度を確実に設定することができる。
請求項9記載の基板処理方法によれば、基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、プラズマ発生源がプラズマを放射状に発散する。これにより、放射状に発散されたプラズマの一部が貫通孔を通過し、該貫通孔を通過したプラズマは所定の角度で基板の表面に衝突するので、遮蔽部材を配置するだけで、基板の表面を所定の角度に沿ってエッチングすることができる。また、プラズマの発散方向は場所によって変わるので、貫通孔の位置を変更するだけで通過するプラズマの発散方向を変更することができる。したがって、所望のエッチング角度を容易に設定することができると共に、コストを低減することができる。
請求項13記載のプログラム及び請求項15記載の記憶媒体によれば、基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、プラズマ発生源がプラズマを放射状に発散する。これにより、放射状に発散されたプラズマの一部が貫通孔を通過し、該貫通孔を通過したプラズマは所定の角度で基板の表面に衝突するので、遮蔽部材を配置するだけで、基板の表面を所定の角度に沿ってエッチングすることができる。また、プラズマの発散方向は場所によって変わるので、貫通孔の位置を変更するだけで通過するプラズマの発散方向を変更することができる。したがって、所望のエッチング角度を容易に設定することができると共に、コストを低減することができる。さらに、プラズマ発生源及び遮蔽部材が基板に対して一体的に移動するので、基板の表面における複数箇所に同一発散方向のプラズマを入射することができ、もって、基板の表面の複数箇所において同一傾斜角度のトレンチを形成することができる。
請求項14記載のプログラム及び請求項16記載の記憶媒体によれば、基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、プラズマ発生源がプラズマを放射状に発散する。これにより、放射状に発散されたプラズマの一部が貫通孔を通過し、該貫通孔を通過したプラズマは所定の角度で基板の表面に衝突するので、遮蔽部材を配置するだけで、基板の表面を所定の角度に沿ってエッチングすることができる。また、プラズマの発散方向は場所によって変わるので、貫通孔の位置を変更するだけで通過するプラズマの発散方向を変更することができる。したがって、所望のエッチング角度を容易に設定することができると共に、コストを低減することができる。さらに、遮蔽部材はプラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動するので、基板の表面における複数箇所に互いに異なる発散方向のプラズマを入射することができ、もって、基板の表面の複数箇所において互いに異なる傾斜角度のトレンチを形成することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る基板処理装置について説明する。
図1は、本実施の形態に係る基板処理装置としてのエッチング処理装置の概略構成を示す図であり、図1(A)はエッチング処理装置の断面図であり、図1(B)は図1(A)における線I−Iに沿う断面図である。
図1において、エッチング処理装置1は、半導体デバイス用のウエハ(基板)Wを収容する真空処理室2と、該真空処理室2内に配置され、ウエハWを載置する載置台3と、該載置台3に載置されたウエハWに対向するように真空処理室2内に配置された誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、以下、単に「ICP」という。)ソース4(プラズマ発生源)と、ウエハW及びICPソース4の間に配置される遮蔽板5(遮蔽部材)と、真空処理室2に接続されたTMP(Turbo Molecular Pump)6と、真空処理室2内に処理ガスを供給する処理ガス供給部(図示しない)とを備える。
ICPソース4は、直方体状の絶縁体7と、該絶縁体7の内部に配置される1ループ型のコイル8と、該コイル8に接続された第1の高周波電源9とを有し、第1の高周波電源9はコイル8に高周波電力を印加する。また、ICPソース4は、コイル8を流れる電流によって発生する誘導電界において放電し、これにより、真空処理室2内に供給された処理ガスをプラズマ化してイオンを発生させる。本実施の形態では、放電の安定性及びイオンの高密度化の観点から、図1(A)において、ICPソース4をウエハWの上方約40mmに配置している。
載置台3には第2の高周波電源10が接続され、第2の高周波電源10は、例えば、低電力の13.56MHzの高周波を載置台3に印加する。電力を印加された載置台3に発生したDCバイアスは、ICPソース4によって発生したイオンを載置台3に載置されたウエハWへ向けて引き込む。
図2は、図1におけるICPソースが塩素(Cl2)ガスから発生させるイオンの速度分布のシミュレーション結果を示す図であり、図3は、図1におけるICPソースがアルゴン(Ar)ガスから発生させるイオンの速度分布のシミュレーション結果を示す図である。なお、両図において、説明のために遮蔽板5は省略され、且つICPソース4やウエハWの寸法及び位置関係は図1のそれらと異なる。
図2及び図3から分かるように、イオンはICPソース4の直下におけるイオン発生箇所12において発生し、該イオン発生箇所12から略放射状に拡散するが、ラジカル等との衝突(collision)等の影響を受けるため、一様には分散せず、ICPソース4から離れるに従ってイオンの発散方向は変化する。具体的には、ウエハWの表面(以下、「ウエハ表面」という。)に対してイオン発生箇所12とほぼ同じ高さのイオンは、ウエハ表面と略平行方向に向けて拡散するが、イオン発生箇所12よりウエハ表面に近づくに従ってウエハ表面と略垂直となる方向に向けて拡散する。そして、ウエハ表面近傍では殆ど全てのイオンがウエハ表面と略垂直に拡散するが、ウエハ表面近傍において、ICPソース4から離れるにつれてイオンの発散方向とウエハ表面に対する垂直方向とがなす角度が大きくなる、すなわち、イオンの発散方向は場所によって変化する。
なお、イオン発生箇所12の直下においては、イオンはウエハ表面からの高さに拘わらず、ウエハ表面に垂直となるように拡散する。
また、図2及び図3を比較して分かるように、ガス種によってもイオンの発散方向は変化する。
図1(A)及び図1(B)に戻り、遮蔽板5は、電気的にフローティングされた矩形の平板状の導体からなり、該遮蔽板5を貫通するスリット状の貫通孔11を有する。この遮蔽板5には、図示しない配線及びスイッチが接続され、これらによって所望のタイミングで遮蔽板5を接地することが可能に構成されている。
また、遮蔽板5はウエハWから10〜20mm離れて、ウエハWに平行且つ対向するように配置されるが、このとき、貫通孔11は、図1(A)におけるICPソース4の直下(イオン発生箇所12の直下)以外の箇所、すなわち、図1(B)において、平面視にてICPソース4と重ならない(オーバーラップしない)箇所において開口する。なお、遮蔽板5に開口する貫通孔は1つに限られず、遮蔽板5に複数の貫通孔が開口していてもよい。また、遮蔽板5を構成する材料も、導体に限らず、絶縁体であってもよい。
TMP6は、後述する斜方向エッチング処理において真空処理室2内を排気して所定の圧力まで減圧する。
なお、上述したエッチング処理装置1の各構成要素の動作は、エッチング処理装置1に接続された制御部、例えば、コンピュータ(図示しない)によって制御される。
次に、図1のエッチング処理装置1が行う斜方向エッチングについて説明する。
図4は、図1のエッチング処理装置が行う斜方向エッチングの原理を説明するための図である。なお、図4では、説明のためにICPソース4、遮蔽板5及びウエハWの寸法及び位置関係は図1のそれらと異なる。
上述したように、ウエハ表面近傍において、ICPソース4から離れるにつれてイオンの発散方向が変化する。したがって、ウエハ表面近傍において、ウエハW及びICPソース4の間に遮蔽板5を介在させた場合、遮蔽板5の表面近傍においても、ICPソース4から離れるにつれてイオンの発散方向が変化する。
ここで、図4に示すように、遮蔽板5において、ICPソース4の直下に貫通孔11c、貫通孔11cからICPソース4から離れる方向に所定の距離だけ移動した箇所に2つの貫通孔11b,11d、貫通孔11bからさらにICPソース4から離れる方向に所定の距離だけ移動した箇所に貫通孔11a、及び貫通孔11dからさらにICPソース4から離れる方向に所定の距離だけ移動した箇所に貫通孔11eを形成した場合、各貫通孔11a〜11eはICPソース4によって拡散されたイオンの一部を通過させるが、上述したように、ICPソース4から離れるにつれてイオンの発散方向が変化するので、各貫通孔11a〜11eを通過するイオンの発散方向は互いに異なる。なお、貫通孔11cはICPソース4の直下に開口し、ICPソース4の直下(イオン発生箇所12の直下)では、上述したように、イオンはウエハ表面に垂直となるように拡散する。
具体的には、貫通孔11c,11d,11eの順に従って、各通過孔を通過したイオンの発散方向とウエハ表面に対する垂直方向とがなす角度が大きくなる。このとき、各通過孔を通過したイオンは、その発散方向に沿ってウエハ表面に衝突し、該表面をエッチングするので、貫通孔11d及び11eを通過したイオンはウエハ表面を斜めにエッチングする。また、貫通孔11eを通過したイオンによって形成されるトレンチ13eの傾斜角度(トレンチの深さ方向とウエハ表面に対する垂直方向とがなす角度)は、貫通孔11dを通過したイオンによって形成されるトレンチ13dの傾斜角度よりも大きくなる。
また、同様に、貫通孔11c,11b,11aの順に従って、各通過孔を通過したイオンの発散方向とウエハ表面に対する垂直方向とがなす角度が大きくなり、貫通孔11b及び11aを通過したイオンはウエハ表面に衝突し、該表面を斜めにエッチングする。また、貫通孔11aを通過したイオンによって形成されるトレンチ13aの傾斜角度は、貫通孔11bを通過したイオンによって形成されるトレンチ13bの傾斜角度よりも大きくなる。
なお、貫通孔11cを通過したイオンによって形成されるトレンチ13cの傾斜角度はウエハ表面に対して直角をなす。
以上より、エッチング処理装置1においてウエハ表面を斜めにエッチングしたいときは、遮蔽板5において貫通孔11c以外の貫通孔を形成すればよい。これに対応して、図1のエッチング処理装置1では、遮蔽板5において貫通孔11をICPソース4の直下(イオン発生箇所12の直下)以外の箇所において開口させることにより、斜方向エッチングを実現する。
次に、エッチング処理装置1が実行する斜方向エッチング処理について説明する。
この斜方向エッチング処理は、該処理に対応するプログラムに応じてエッチング処理装置1に接続されたコンピュータが実行する。
この斜方向エッチング処理は、該処理に対応するプログラムに応じてエッチング処理装置1に接続されたコンピュータが実行する。
まず、エッチングされていないウエハWを搬送アーム(図示しない)によって真空処理室2内へ搬入し、載置台3上に載置する。
次いで、TMP6によって真空処理室2を所定の圧力まで減圧し、遮蔽板5を、ウエハW及びICPソース4の間において、貫通孔11がICPソース4の直下以外の箇所において開口する、すなわち、イオンの発散方向がウエハ表面に対して垂直となる場所以外において開口するように、配置する。
次いで、処理ガス供給部から、例えば、四フッ化ケイ素(SiF4),酸素ガス(O2),アルゴンガス(Ar)及び四フッ化炭素(CF4)の単独、又は組み合わせからなる処理ガスを真空処理室2内に供給する。さらに、ICPソース4のコイル8に第1の高周波電源9から高周波電力を印加し、ICPソース4によって該ICPソース4近傍の処理ガスをプラズマ化してイオンを発生させる。該イオンは発散し、その一部が遮蔽板5の貫通孔11を通過し、さらにウエハ表面に到達する。ウエハ表面に到達したイオンはその発散方向に沿ってウエハ表面をエッチングする。
その後、エッチングによって形成されたトレンチが所定の深さに到達したとき、コイル8及び設置台3への高周波電力の印加を停止し、本処理を終了する。
なお、上述した斜方向エッチング処理では、ウエハWを載置台3に載置した後、遮蔽板5をウエハW及びICPソース4の間に配置するようにしたが、遮蔽板5を初めからウエハW及びICPソース4の間に配置していてもよい。
本発明者が、図1のエッチング処理装置1において、処理ガスとして塩素ガスを用いてウエハ表面に斜方向エッチングを施したところ、ICPソース4の直下からICPソース4から離れる方向に20mmオフセットした箇所において形成されたトレンチの傾斜角は約8.0°であり、図2の塩素ガスから発生したイオンの速度分布のシミュレーションにおける同位置のイオンの発散方向とウエハ表面に対する垂直方向とがなす角度(約10°)とよく一致していた。
本実施の形態に係る基板処理装置によれば、ウエハW及びICPソース4の間に配置される遮蔽板5を備え、ICPソース4はイオンを拡散し、遮蔽板5は、ICPソース4の直下(イオン発生箇所12の直下)以外の箇所において開口する貫通孔11を有する。
ICPソース4から発散されたイオンのうち、貫通孔11を通過したイオンはその発散方向に沿ってウエハ表面に衝突し、該表面をエッチングするので、遮蔽板5を配置するだけで、ウエハ表面をイオンの発散方向に沿って斜めにエッチングすることができる。また、遮蔽板5の表面近傍においてICPソース4から離れるにつれてイオンの発散方向が変化するので、貫通孔11の位置を変更するだけで通過するイオンの発散方向を変更してエッチング角度を変更することができる。したがって、所望のエッチング角度を容易に設定することができると共に、コストを低減することができる。
また、貫通孔11はICPソース4の直下以外の箇所において開口するので、貫通孔11を通過したイオンの発散方向を確実にウエハ表面に対して斜めにすることができ、もって斜方向エッチングを容易に実現することができる。
さらに、遮蔽板5は電気的にフローティングしている導体からなるので、貫通孔11を通過するイオンの発散方向が乱れるのを防止することができ、さらに、遮蔽板5が帯電しても遮蔽板5を接地させることによって電荷を容易に除去することができ、もって、所望のエッチング角度を確実に設定することができる。
また、載置台3には低電力の高周波が印加されるが、このとき発生するDCバイアスは低電力に起因して低電圧であるため、該DCバイアスよって貫通孔11を通過するイオンの発散方向が乱れるのを防止することができ、もって、所望のエッチング角度を確実に設定することができる。したがって、上述したエッチング処理装置1は、ウエハ表面に形成されたポリシリコン層等の斜方向エッチングに適しており、処理ガスとしては、上述した処理ガスの他、フッ素、塩素、臭素等のハロゲンガスを用いるのが好ましい。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る基板処理装置について説明する。
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、 ICPソース4及び遮蔽板5がウエハWに対して平行且つ一体的に移動する点で上述した第1の実施の形態と異なるのみである。したがって、基板処理装置の構成については説明を省略し、以下に第1の実施の形態と異なる作用についてのみ説明を行う。
図5は、本実施の形態に係る基板処理装置としてのエッチング処理装置が実行する斜方向エッチング処理の工程図である。この斜方向エッチング処理も、該処理に対応するプログラムに応じてエッチング処理装置1に接続されたコンピュータが実行する。
図5において、まず、ウエハWを真空処理室2に搬入して載置台3に載置した後、ICPソース4及び遮蔽板5をウエハWに対して平行且つ一体的に移動して、遮蔽板5における貫通孔11をウエハ表面における第1の所望の位置(最初に斜方向エッチングを施したい位置)に対向させる。
次いで、処理ガス供給部から処理ガスを真空処理室2内に供給し、コイル8及び設置台3に高周波電力を印加し、ICPソース4によって該ICPソース4近傍の処理ガスをプラズマ化してイオンを発生させる。該イオンは発散し、その一部が遮蔽板5の貫通孔11を通過し、さらにウエハ表面における第1の所望の位置に到達する。該イオンはその発散方向に沿ってウエハ表面をエッチングし、第1の所望の位置において、傾斜角度がイオンの発散方向に沿うトレンチ13fを形成する(図5(A))。
その後、トレンチ13fが所定の深さに到達したとき、コイル8及び載置台3への高周波電力の印加を停止し、ICPソース4及び遮蔽板5をウエハWに対して平行且つ一体的に移動して、遮蔽板5における貫通孔11をウエハ表面における第2の所望の位置(次に斜方向エッチングを施したい位置)に対向させる。
次いで、上述と同様の処理ガスの供給、イオンの発生を行い、第2の所望の位置において、傾斜角度がイオンの発散方向に沿うトレンチ13gを形成する。このときのICPソース4(イオン発生箇所12)及び遮蔽板5における貫通孔11の相対的な位置関係は、トレンチ13f形成時の位置関係と変わらないので、トレンチ13gの傾斜角度はトレンチ13fの傾斜角度と同一となる(図5(B))。
その後、トレンチ13gが所定の深さに到達したとき、コイル8及び載置台3への高周波電力の印加を停止し、ICPソース4及び遮蔽板5をウエハWに対して平行且つ一体的に移動して、遮蔽板5における貫通孔11をウエハ表面における第3の所望の位置(さらに続いて斜方向エッチングを施したい位置)に対向させる。
次いで、上述と同様の処理ガスの供給、イオンの発生を行い、第3の所望の位置において、傾斜角度がイオンの発散方向に沿うトレンチ13hを形成する。このトレンチ13hの傾斜角度もトレンチ13fの傾斜角度と同一となる(図5(C))。
以降、同様の動作を繰り返し、所望の数のトレンチを形成し終えると、本処理を終了する。
図5の斜方向エッチング処理によれば、ICPソース4及び遮蔽板5がウエハWに対して平行且つ一体的に移動するので、ウエハ表面における複数箇所(第1の所望の位置、第2の所望の位置、第3の所望の位置)に同一発散方向のイオンを到達させることができ、もって、ウエハ表面の複数箇所において傾斜角度が同一のトレンチ(13f,13g,13h)を形成することができる。
また、本実施の形態に係る基板処理装置では、ICPソース4及び遮蔽板5の移動距離を調節するだけで、隣接するトレンチの距離を容易に変更することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る基板処理装置について説明する。
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、 遮蔽板5がICPソース4に対する相対位置を変更しながら移動する点で上述した第1の実施の形態と異なるのみである。したがって、基板処理装置の構成については説明を省略し、以下に第1の実施の形態と異なる作用についてのみ説明を行う。
図6は、本実施の形態に係る基板処理装置としてのエッチング処理装置が実行する斜方向エッチング処理の工程図である。この斜方向エッチング処理も、該処理に対応するプログラムに応じてエッチング処理装置1に接続されたコンピュータが実行する。
図6において、まず、ウエハWを真空処理室2に搬入して載置台3に載置した後、遮蔽板5がICPソース4に対する相対位置を変更しながら移動して、遮蔽板5における貫通孔11をウエハ表面における第1の所望の位置(最初に斜方向エッチングを施したい位置)に対向させる。
次いで、処理ガス供給部から処理ガスを真空処理室2内に供給し、コイル8及び設置台3に高周波電力を印加してICPソース4によってイオンを発生させる。該イオンは発散し、その一部が遮蔽板5の貫通孔11を通過し、さらにウエハ表面における第1の所望の位置に到達する。該イオンはその発散方向に沿ってウエハ表面をエッチングし、第1の所望の位置において、傾斜角度がイオンの発散方向に沿うトレンチ13iを形成する(図6(A))。
その後、トレンチ13iが所定の深さに到達したとき、コイル8及び載置台3への高周波電力の印加を停止し、遮蔽板5がICPソース4に対する相対位置を変更しながら移動して、遮蔽板5における貫通孔11をウエハ表面における第2の所望の位置(次に斜方向エッチングを施したい位置)に対向させる。
次いで、上述と同様の処理ガスの供給、イオンの発生を行い、第2の所望の位置において、傾斜角度がイオンの発散方向に沿うトレンチ13jを形成する。このときのICPソース4(イオン発生箇所12)及び遮蔽板5における貫通孔11の相対的な位置関係は、トレンチ13i形成時の位置関係と変わるため、貫通孔11を通過するイオンの一部の発散方向もトレンチ13i形成時において貫通孔11を通過するイオンの一部の発散方向と異なり、その結果、トレンチ13jの傾斜角度はトレンチ13iの傾斜角度と異なる(図6(B))。
その後、トレンチ13jが所定の深さに到達したとき、コイル8及び載置台3への高周波電力の印加を停止し、さらに、遮蔽板5がICPソース4に対する相対位置を変更しながら移動して、遮蔽板5における貫通孔11をウエハ表面における第3の所望の位置(さらに続いて斜方向エッチングを施したい位置)に対向させる。
次いで、上述と同様の処理ガスの供給、イオンの発生を行い、第3の所望の位置において、傾斜角度がイオンの発散方向に沿うトレンチ13kを形成する。このときのICPソース4(イオン発生箇所12)及び遮蔽板5における貫通孔11の相対的な位置関係は、トレンチ13i,13j形成時の位置関係と変わるため、貫通孔11を通過するイオンの一部の発散方向もトレンチ13i,13j形成時において貫通孔11を通過するイオンの一部の発散方向と異なり、その結果、トレンチ13kの傾斜角度はトレンチ13i,13jの傾斜角度と異なる(図6(C))。
以降、同様の動作を繰り返し、所望の数のトレンチを形成し終えると、本処理を終了する。
図6の斜方向エッチング処理によれば、遮蔽板5がICPソース4に対する相対位置を変更しながら移動するので、ウエハ表面における複数箇所(第1の所望の位置、第2の所望の位置、第3の所望の位置)に互いに異なる発散方向のイオンを到達させることができ、もって、ウエハ表面の複数箇所において互いに異なる傾斜角度のトレンチ(13i,13j,13k)を形成することができる。
次に、本発明の第4の実施の形態に係る基板処理装置について説明する。
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、ICPソース4が遮蔽板5に対する相対位置を変更しながら移動する点で上述した第1の実施の形態と異なるのみである。したがって、基板処理装置の構成については説明を省略し、以下に第1の実施の形態と異なる作用についてのみ説明を行う。
図7は、本実施の形態に係る基板処理装置としてのエッチング処理装置が実行する斜方向エッチング処理の工程図である。この斜方向エッチング処理も、該処理に対応するプログラムに応じてエッチング処理装置1に接続されたコンピュータが実行する。
図7において、まず、ウエハWを真空処理室2に搬入して載置台3に載置した後、遮蔽板5における貫通孔11がICPソース4の直下に配置されるように、遮蔽板5を移動させて、遮蔽板5をウエハ表面と平行に配置する。
次いで、処理ガス供給部から処理ガスを真空処理室2内に供給し、コイル8及び設置台3に高周波電力を印加してICPソース4によってイオンを発生させる。該イオンは発散し、その一部が遮蔽板5の貫通孔11を通過し、さらにウエハ表面に入射する。ここで、貫通穴11はICPソース4の直下において開口するため、該貫通孔11を通過したイオンの発散方向は遮蔽板5に対して垂直であり、該イオンはウエハ表面を垂直にエッチングし、トレンチ13lを形成する(図7(A))。
次いで、トレンチ13lが所定の深さに達したとき、ICPソース4が遮蔽板5に対して図中矢印の方向に沿って所定の距離だけ移動する。このとき、遮蔽板5は移動しないので、貫通孔11はトレンチ13lに対向したままであるが、該貫通孔11を通過するイオンの発散方向は、ICPソース4が貫通孔11に対して移動したために、上述した(A)における発散方向に対して傾斜する。したがって、貫通孔11を通過したイオンはトレンチ13lに斜めに入射し、トレンチ13lをウエハ表面に対して斜めに形成していく(図7(B))。
次いで、トレンチ13lが次の所定の深さに達したとき、ICPソース4が再度、遮蔽板5に対して図中矢印の方向に沿って所定の距離だけ移動する。このときも、遮蔽板5は移動しないので、貫通孔11はトレンチ13lに対向したままであるが、該貫通孔11を通過するイオンの発散方向は、上述した(B)における発散方向に対してさらに傾斜する。したがって、貫通孔11を通過したイオンはトレンチ13lに、上述した(B)におけるイオンよりもさらに斜めに入射し、トレンチ13lをウエハ表面に対してさらに斜めに形成していく(図7(C))。
その後、トレンチ13lの深さが所望の深さに達すると、本処理を終了する。このとき、形成されたトレンチ13lは深さ方向に関して途中から傾斜角が変更されたものになる。
図7の斜方向エッチング処理によれば、ICPソース4は遮蔽板5に対する相対位置を変更しながら移動するので、ウエハ表面にプラズマを入射する際、該入射するプラズマの発散方向を変更することができ、もって、深さ方向に関して途中から傾斜角が変わるトレンチ13lを形成することができる。
上述した各実施の形態に係る基板処理装置では、処理されるウエハWが半導体デバイス用のウエハであったが、処理される基板はこれに限られず、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)やFPD(Flat Panel Display)等のガラス基板であってもよい。
また、各実施の形態に係る基板処理装置では、プラズマ発生源としてICPソースを用いたが、イオンを発散させるプラズマ発生源であれば、本発明に係る基板処理装置に用いることができる。
なお、上述した各実施の形態に係る基板処理装置では、処理ガスの種類やRIEを施すウエハ表面における層の種類に応じてコイル8及び載置台3への高周波電力の印加時間や、ICPソース4及び遮蔽板5の移動速度を設定するようにしてもよい。これにより、処理ガス等の種類が変わってもスループットを最適に維持することができる。
本発明の目的は、上述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、コンピュータに供給し、コンピュータのCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した各実施の形態の機能を実現することになり、プログラムコード及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムコードを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムコードは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることによりコンピュータに供給されてもよい。
また、CPUが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記各実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
上記プログラムコードの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
W ウエハ
1 エッチング処理装置
2 真空処理室
3 載置台
4 ICPソース
5 遮蔽板
6 TMP
7 絶縁体
8 コイル
9 第1の高周波電源
10 第2の高周波電源
11,11a,〜11e 貫通孔
12 イオン発生箇所
13a〜13l トレンチ
1 エッチング処理装置
2 真空処理室
3 載置台
4 ICPソース
5 遮蔽板
6 TMP
7 絶縁体
8 コイル
9 第1の高周波電源
10 第2の高周波電源
11,11a,〜11e 貫通孔
12 イオン発生箇所
13a〜13l トレンチ
Claims (16)
- 基板に対向するプラズマ発生源を備える基板処理装置において、
前記基板及び前記プラズマ発生源の間に配置される遮蔽部材を備え、
前記プラズマ発生源はプラズマを放射状に拡散し、前記遮蔽部材は、前記放射状に拡散されたプラズマの一部を通過させる貫通孔を有することを特徴とする基板処理装置。 - 前記遮蔽部材において、前記通過孔は前記プラズマの発散方向が前記基板の表面に対して垂直となる場所以外において開口することを特徴とする請求項1の基板処理装置。
- 前記プラズマ発生源及び前記遮蔽部材は前記基板に対して一体的に移動することを特徴とする請求項1又は2記載の基板処理装置。
- 前記遮蔽部材は前記プラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動することを特徴とする請求項1又は2記載の基板処理装置。
- 前記プラズマ発生源は前記遮蔽部材に対する相対位置を変更しながら移動することを特徴とする請求項1又は2記載の基板処理装置。
- 前記遮蔽部材は電気的にフローティングしていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記遮蔽部材は導体であることを特徴とする請求項6記載の基板処理装置。
- 前記基板を載置する載置台を備え、前記載置台は低電力が印加されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法であって、
前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散ステップを有することを特徴とする基板処理方法。 - 前記プラズマ発生源及び前記遮蔽部材が前記基板に対して一体的に移動するプラズマ発生源移動ステップを有することを特徴とする請求項9記載の基板処理方法。
- 前記遮蔽部材が前記プラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動する遮蔽部材移動ステップを有することを特徴とする請求項9記載の基板処理方法。
- 前記プラズマ発生源が前記遮蔽部材に対する相対位置を変更しながら移動するプラズマ発生源移動ステップを有することを特徴とする請求項9記載の基板処理方法。
- 基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散モジュールと、
前記プラズマ発生源及び前記遮蔽部材が前記基板に対して一体的に移動するプラズマ発生源移動モジュールとを有することを特徴とするプログラム。 - 基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散モジュールと、
前記遮蔽部材が前記プラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動する遮蔽部材移動モジュールとを有することを特徴とするプログラム。 - 基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、
前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散モジュールと、
前記プラズマ発生源及び前記遮蔽部材が前記基板に対して一体的に移動するプラズマ発生源移動モジュールとを有することを特徴とする記憶媒体。 - 基板に対向するプラズマ発生源と、該プラズマ発生源及び前記基板の間に配置され且つ貫通穴を有する遮蔽部材とを備える基板処理装置において、前記基板にプラズマ処理を施す基板処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記プログラムは、
前記プラズマ発生源がプラズマを放射状に拡散するプラズマ発散モジュールと、
前記遮蔽部材が前記プラズマ発生源に対する相対位置を変更しながら移動する遮蔽部材移動モジュールとを有することを特徴とする記憶媒体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005132588A JP2006310633A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | 基板処理装置、基板処理方法、プログラム及び記憶媒体 |
US11/410,120 US8821683B2 (en) | 2005-04-28 | 2006-04-25 | Substrate processing apparatus and method, and program and storage medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005132588A JP2006310633A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | 基板処理装置、基板処理方法、プログラム及び記憶媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006310633A true JP2006310633A (ja) | 2006-11-09 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005132588A Withdrawn JP2006310633A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | 基板処理装置、基板処理方法、プログラム及び記憶媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006310633A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008204862A (ja) * | 2007-02-21 | 2008-09-04 | Toyota Motor Corp | 燃料電池の製造方法および燃料電池 |
KR20160047399A (ko) * | 2014-10-21 | 2016-05-02 | 램 리써치 코포레이션 | 게이트-올-어라운드 구조체를 생성하기 위한 이온 빔 에칭의 사용 |
US12029133B2 (en) | 2020-02-26 | 2024-07-02 | Lam Research Corporation | Ion beam etching with sidewall cleaning |
-
2005
- 2005-04-28 JP JP2005132588A patent/JP2006310633A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR20160047399A (ko) * | 2014-10-21 | 2016-05-02 | 램 리써치 코포레이션 | 게이트-올-어라운드 구조체를 생성하기 위한 이온 빔 에칭의 사용 |
KR102525801B1 (ko) * | 2014-10-21 | 2023-04-25 | 램 리써치 코포레이션 | 게이트-올-어라운드 구조체를 생성하기 위한 이온 빔 에칭의 사용 |
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