JP2006310287A - 腐蝕防止方法、腐蝕防止装置、信号処理装置および制御ユニット - Google Patents

腐蝕防止方法、腐蝕防止装置、信号処理装置および制御ユニット Download PDF

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Kazuhiro Komatsu
和弘 小松
Tomohide Kasame
知秀 笠目
Yasushi Onishi
康司 大西
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Abstract


【課題】 腐蝕防止電流の過剰に通電することを抑制する腐蝕防止方法、腐蝕防止装置、信号処理装置および制御ユニットを提供する。
【解決手段】 接点14に接続される検出導電路17に可変インピーダンス手段22が電気的に接続される。可変インピーダンス手段22は、腐蝕防止電流IAを検出導電路17に通電する低インピーダンスと、接続検出電流IBを検出導電路17に通電する高インピーダンスとに切替え可能に構成される。比較切替部12は、検出導電路17の電位と腐蝕電位VXおよび回復電位VRと比較し、この比較結果に基づいて、可変インピーダンス手段22を切替える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接点の腐蝕を除去するための腐蝕防止電流を通電して接点の腐蝕を除去し、接点の腐蝕を防止する腐蝕防止方法、腐蝕防止装置、信号処理装置および制御ユニットに関する。
本発明において、「腐蝕防止電流」とは、接点の腐蝕を除去するための電流と同義である。
スイッチの接点の接続状態を検出可能な装置では、接点の腐蝕に起因するスイッチの抵抗の増加にともなう接続状態の誤判定および誤動作が問題となっている。近年、接点の腐蝕を除去すべく腐蝕防止装置が実用に供されている。
図1は、従来の技術の接点腐蝕防止装置1を概略示す回路図である。接点腐蝕防止装置1は、接地されるスイッチ2の接点3と電子制御部4とを電気的に接続する検出導電路5の電位と所定電位VXとをコンパレータ6が比較する。コンパレータ6は、検出導電路5の電位が所定電位VXより大きいことを検出すると、接点3の腐蝕を検出する。接点3の腐蝕を検出すると、コンパレータ6は、その出力をLoにし、検出導電路5に抵抗7と並列して電気的に接続され、かつ電源8に電気的に接続されるスイッチング素子9を端子間が導通する導通状態に切替えて、腐蝕を除去するための腐蝕防止電流を接点3に通電する。
図2は、経過時間に対する検出導電路5の電位の変化を示すグラフである。図3は、経過時間に対するコンパレータ6の出力変化を示すグラフである。図2は、縦軸が電位、横軸が時間を示し、図3は、縦軸がコンパレータ6の出力のHiおよびLo、横軸が時間を示す。接点腐蝕防止装置1では、接点3の腐蝕が進行すると、検出導電路5の電位が上昇する。検出導電路5の電位が所定電位VXより大きくなると、コンパレータ6は、その出力をLoにし、スイッチング素子9を導通状態に切替え、検出導電路5に腐蝕防止電流を通電し、接点3の腐蝕を除去させる。接点3の腐蝕を除去すると、検出導電路5の電位が下降する。検出導電路5の電位が所定電位VXより小さくなると、コンパレータ6は、その出力をHiにして、スイッチング素子9を、端子間が非導通な非導通状態にする。これによって抵抗7を介して接点の接続状態を検出するための腐蝕防止電流より小さい接続検出電流が検出導電路5に通電される(たとえば特許文献1参照)。
特開2002−343171号公報
従来の技術の接点腐蝕防止装置1では、接点3の腐蝕の除去、すなわち接点の抵抗の低減は、接点腐蝕防止装置1が設けられる装置(以下、単に「装置」と称する)の誤判定および誤動作を防止するための目的で行われている。コンパレータ6は、接点3の腐蝕を検出すると、検出導電路5の電位が所定電位VXより小さくなるまで、検出導電路に腐蝕防止電流を通電させて、接点3の腐蝕を除去する。換言すると、検出導電路5の電位が所定電位VXより小さくなる抵抗(以下、「所定抵抗」と称する)まで接点3の腐蝕の除去を継続する。接点3の抵抗が所定抵抗より大きい状態であっても、装置の誤動作および誤判定を防止できる程度に腐蝕が除去されている。つまり接点腐蝕防止装置1では、腐蝕防止電流を過剰に通電して、接点3の腐蝕を除去し、接点3の抵抗を低減させている。腐蝕防止電流の通電は、装置が誤判定および誤動作する可能性があり、その通電時間を短くすることが望ましい。このように腐蝕防止電流が過剰に通電されることによって、接点腐蝕防止装置の寿命が短くなる。
本発明の目的は、腐蝕防止電流の過剰に通電することを抑制する腐蝕防止方法、腐蝕防止装置、信号処理装置および制御ユニットを提供することである。
本発明(1)は、被検出値を、接点の腐蝕を判定するための腐蝕スレッショルドおよび接点の回復を判定するための回復スレッショルドと比較して、接点の腐蝕および回復を検出し、
接点の腐蝕を検出すると、腐蝕防止電流を前記接点に電気的に接続される検出導電路に通電し、
接点の回復を検出すると、前記接点の接続状態を検出するための電流を前記検出導電路に通電することを特徴とする接点腐蝕防止方法である。
また本発明(2)は、接点に接続される検出導電路と、
前記検出導電路に接続される可変インピーダンス手段であって、腐蝕防止電流を前記検出導電路に通電する低インピーダンスと前記接点の接続状態を検出するための電流を前記検出導電路に通電する高インピーダンスとを切替え可能な可変インピーダンス手段と、
被検出値を、接点の腐蝕を判定するための腐蝕スレッショルドおよび接点の回復を判定するための回復スレッショルドと比較し、その比較結果に基づいて前記可変インピーダンス手段を切替える比較切替手段とを含むことを特徴とする接点腐蝕防止装置である。
また本発明(3)は、前記可変インピーダンス手段は、
前記検出導電路に接続される高インピーダンスのインピーダンス手段と、
インピーダンス手段と並列して前記検出導電路に接続され、端子間が導通する導通状態と、端子間が非導通する非導通状態とを切替可能な低インピーダンスのスイッチング素子とを備えることを特徴とする。
また本発明(4)は、前記被検出値は前記検出導電路の電位であり、
前記腐蝕スレッショルドは、前記検出導電路の電位と比較して、接点の腐蝕を判定し得る腐蝕電位であり、
前記回復スレッショルドは、前記検出導電路の電位と比較して、接点の回復を判定し得る回復電位であることを特徴とする。
また本発明(5)は、前記被検出値は、前記検出導電路の電位および前記検出導電路を流れる電流量であり、
前記腐蝕スレッショルドは、前記検出導電路の電位と比較して、接点の腐蝕を判定し得る腐蝕電位であり、
前記回復スレッショルドは、前記検出導電路に通電される腐蝕防止電流の電流量と比較して、接点の回復を判定し得る回復電流量であることを特徴とする。
また本発明(6)は、前記比較検出手段は、前記検出導電路の電位に基づいて、前記回復電位が変動する機能を有することを特徴とする。
また本発明(7)は、(1)前記検出導電路に腐蝕防止電流が通電される時間が予め定められる時間以上、および(2)前記検出導電路に通電される腐蝕防止電流の電流量が予め定められる電流量以上の少なくともいずれか一方を充足すると、通電を規定の休止時間休止させる休止手段をさらに含むことを特徴とする。
また本発明(8)は、接点に接続される検出導電路と、
前記検出導電路に接続される可変インピーダンス手段であって、腐蝕防止電流を前記検出導電路に通電する低インピーダンスと前記接点の接続状態を検出するための電流を前記検出導電路に通電する高インピーダンスとを切替え可能な可変インピーダンス手段と、
被検出値を、接点の腐蝕および回復を判定するための腐蝕回復スレッショルドと比較し、その比較結果に基づいて前記可変インピーダンス手段を切替える比較切替手段と、
(1)前記検出導電路に腐蝕防止電流が通電される時間が予め定められる時間以上、および(2)前記検出導電路に通電される腐蝕防止電流の電流量が予め定められる電流量以上の少なくともいずれか一方を充足すると、通電を規定の休止時間休止させる休止手段とを含むことを特徴とする接点腐蝕防止装置である。
また本発明(9)は、前記検出導電路に腐蝕防止電流を通電する通電動作の回数、および休止手段が通電を休止させる休止動作の回数の少なくともいずれか一方を計数する計数手段と、
前記計数手段の計数結果が規定回数以上になると、腐蝕防止電流を停止する停止手段とをさらに含むことを特徴とする。
また本発明(10)は、腐蝕防止電流の通電を休止する休止動作がなされると、前記接点の入力インピーダンスを下げるインピーダンス低下手段をさらに含むことを特徴とする。
また本発明(11)は、腐蝕防止電流の通電を休止する休止動作および腐蝕防止電流の通電を停止する停止動作のうち少なくともいずれか一方がなされると、前記接点の入力インピーダンスを下げるインピーダンス低下手段をさらに含むことを特徴とする。
また本発明(12)は、接点は、スイッチの接点であり
インピーダンス手段は、抵抗器であり、
スイッチング素子は、電界効果型トランジスタであり、
比較切替手段は、ヒステリシスを有するコンパレータであることを特徴とする。
また本発明(13)は、接点に接続される検出導電路と、
接点の腐蝕を検出する腐蝕検出手段と、
腐蝕検出手段の検出結果に基いて、接点の腐蝕を除去するための腐蝕防止電流を検出導電路に通電する腐蝕防止電流通電手段であって、腐蝕防止電流を予め定められる通電時間通電すると、腐蝕防止電流の通電を予め定められる休止時間休止する腐蝕防止電流通電手段とを含むことを特徴とする接点腐蝕防止装置である。
また本発明(14)は、接点の電気的な接続状態を判定するための論理判定電流を検出導電路に通電する論理判定電流腐蝕防止電流通電手段と、
検出導電路の電圧を検出し、この検出結果に基いて接点の電気的な接続状態を判定する接点論理判定手段とをさらに含み、
論理判定電流通電手段は、腐蝕防止電流の通電が休止している休止状態において、論理判定電流を検出導電路に通電し、
接点論理判定手段は、休止状態に検出導電路の電圧を検出し、この検出結果に基いて接点の電気的な接続状態を判定することを特徴とする。
また本発明(15)は、前記接点腐蝕防止装置を備え、接点論理判定手段の判定結果を出力する信号処理装置である。
また本発明(16)は、前記信号処理装置と制御手段とを備え、
制御手段は、信号処理装置から出力される判定結果に基いて制御することを特徴とする制御ユニットである。
また本発明(17)は、接点の腐蝕を検出し、その検出結果に基いて、接点に腐蝕を除去するための腐蝕防止電流を通電する腐蝕防止電流通電方法であって、
予め定められる通電時間、腐蝕防止電流を通電すると、腐蝕防止電流の通電を予め定めれる休止時間休止することを特徴する腐蝕防止電流通電方法である。
本発明(1)によれば、被検出値を腐蝕スレッショルドおよび回復スレッショルドと比較し、接点の腐蝕および回復を検出する。接点の腐蝕を検出すると、接点に接続される検出導電路に腐蝕防止電流を通電する。接点の回復を検出すると、接点の接続状態を検出するための電流を検出導電路に通電する。これによって接点の腐蝕および回復を別個に検出でき、接点の接続状態を検出可能な状態まで回復した接点に、過剰な腐蝕防止電流を通電することを抑制できる。それ故、誤動作および接点の接続状態の誤判定の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できるので、従来の技術の接点腐蝕防止装置より寿命を長くできる。
本発明(2)によれば、可変インピーダンス手段を低インピーダンスに切替えると、腐蝕防止電流を検出導電路に通電し、可変インピーダンス手段を高インピーダンスに切替えると、接点の接続状態を検出するための電流を検出導電路に通電する。比較切替手段は、被検出値を、腐蝕スレッショルドおよび回復スレッショルドと比較し、その比較結果に基づいて可変インピーダンス手段を切替える。これによって接点の腐蝕および回復を別個に検出でき、接点の接続状態を検出可能な状態まで回復した接点に、過剰な腐蝕防止電流を通電することを抑制できる。それ故、接点の接続状態の誤判定および接点腐蝕防止装置が配設される装置(以下、単に「装置」と称する)の誤動作の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できるので、従来の技術の接点腐蝕防止装置より寿命を長くできる。
本発明(3)によれば、インピーダンス手段とスイッチング素子とが並列して検出導電路に接続される。スイッチング素子を導通状態に切替えることによって、可変インピーダンス手段を低インピーダンスに切替え、スイッチング素子を非導通状態に切替えることによって、可変インピーダンス手段を高インピーダンスに切替える。これによって低インピーダンスおよび高インピーダンスに切替え可能な可変インピーダンス手段を実現できる。
本発明(4)によれば、腐蝕スレッショルドは、被検出値である検出導電路の電位と比較して、接点の腐蝕を判定し得る腐蝕電位である。回復スレッショルドは、被検出値である検出導電路の電位と比較して、接点の回復を判定し得る回復電位である。これによって検出導電路の電位と腐蝕電位および回復電位との比較によって、接点の腐蝕および回復の判定を実現できる。
本発明(5)によれば、腐蝕スレッショルドは、被検出値に含まれる検出導電路の電位と比較して、接点の腐蝕を判定し得る腐蝕電位である。回復スレッショルドは、被検出値に含まれる検出導電路の電流量と比較して、接点の回復を判定し得る回復電流量である。これによって検出導電路の電位および電流量と腐蝕電位および回復電流量との比較によって、接点の腐蝕および回復の判定を実現できる。
本発明(6)によれば、比較切替手段は、検出導電路の電位に基づいて、回復電位を変動させる。これによって画一的に回復電位を決定する場合に比べて、検出導電路に通電される過剰な腐蝕防止電流を抑制できる。それ故、接点の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生をさらに抑制できる。また腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置の寿命を長くできる。
本発明(7)によれば、休止手段は、(1)腐蝕防止電流が通電される時間が予め定めれる時間以上、および(2)腐蝕防止電流の電流量が予め定められる電流以上の少なくともいずれか一方を充足すると、通電を規定の休止時間休止させる。しがたって腐蝕防止電流の通電を休止時間休止させることによって、長時間継続して腐蝕防止電流が流れることを抑制できる、すなわち腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できる。それ故、接点の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生をさらに抑制できる。また腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できるので、さらに長くできる。
本発明(8)によれば、可変インピーダンス手段を低インピーダンスに切替えると、腐蝕防止電流を検出導電路に通電し、可変インピーダンス手段を高インピーダンスに切替えると、接点の接続状態を検出するための電流を検出導電路に通電する。比較切替手段は、被検出値を、腐蝕回復スレッショルドと比較し、その比較結果に基づいて可変インピーダンス手段を切替える。(1)腐蝕防止電流が通電される時間が予め定めれる時間以上、および(2)腐蝕防止電流の電流量が予め定められる電流以上の少なくともいずれか一方を充足すると、休止手段によって通電を規定の休止時間休止させる。しがたって腐蝕防止電流の通電を休止時間休止させることによって、長時間継続して腐蝕防止電流が流れることを抑制できる、すなわち腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できる。それ故、接点の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置の寿命を長くできる。
本発明(9)によれば、腐蝕防止電流を通電する通電動作の回数および休止手段が通電を休止させる休止動作の回数のうち少なくともいずれか一方が、計数手段によって計数される。計数結果が規定回数以上になると、停止手段によって腐蝕防止電流の通電が停止される。これによって通電動作および休止動作の繰返しによって、検出導電路に腐蝕防止電流が累積して過剰に通電されることを抑制できる。それ故、接点の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生をさらに抑制できる。また腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置の寿命をさらに長くできる。
また接点などの故障にともなう接点の腐蝕の誤判定の場合、従来の技術の接点腐蝕防止装置では、過剰な腐蝕防止電流の通電が継続し続ける。これによって接点などの故障に連動して、従来の技術の接点腐蝕防止装置が故障する。本実施の形態の接点腐蝕防止装置では、通電動作の回数が停止回数以上になると、腐蝕防止電流の通電が停止し、接点などの故障に連動して接点腐蝕防止装置が故障することを防止できる。
本発明(10)によれば、腐蝕防止電流の通電を休止する休止動作がなされると、インピーダンス低下手段によって接点の入力インピーダンスを下げる。これによって停止動作がなされても、検出導電路にノイズが発生することを抑制できる。
本発明(11)によれば、休止動作および停止動作のいずれか一方がなされると、インピーダンス低下手段によって接点の入力インピーダンスを下げる。これによって休止動作がなされても、検出導電路にノイズが発生することを抑制できる。
本発明(12)によれば、接点がスイッチの接点である。インピーダンス手段が抵抗器である。スイッチング素子が電界効果型トランジスタである。比較切換手段がヒステリシスを有するコンパレータである。このような構成を用いることによって、接点腐蝕防止装置を実現できる。
本発明(13)によれば、腐蝕防止電流通電手段は、腐蝕検出手段が接点の腐蝕を検出すると、検出導電路を介して接点に腐蝕防止電流を通電する。腐蝕防止電流通電手段は、腐蝕防止電流を予め定められる通電時間通電すると、休止時間の間、腐蝕防止電流の通電を休止する。これによって検出導電路に腐蝕防止電流が累積して過剰に通電されることを抑制できる。それ故、接点の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置の寿命をさらに長くできる。
本発明(14)によれば、論理判定電流通電手段は、休止状態に検出導電路に論理判定電流が通電される。接点論理判定手段は、休止状態における検出導電路の電圧を検出し、この検出結果に基いて接点の電気的な接続状態を判定している。休止状態に接点の電気的な接続状態を判定するので、接点の腐蝕除去動作と接点の電気的な接続状態の判定動作とを分離することができ、論理判定電流によって接点の電気的な接続状態を判定することができる。これによって接点が腐蝕している場合であっても、腐蝕防止電流の電流値と異なる所望の電流値の論理判定電流によって接点の電気的な接続状態を判定することができる。
本発明(15)によれば、接点論理判定手段の判定結果を出力する信号処理装置を実現することができる。
本発明(16)によれば、接点腐蝕防止装置を備える制御ユニットを実現することができる。
本発明(17)によれば、腐蝕防止電流を予め定められる通電時間通電すると、休止時間の間、腐蝕防止電流の通電を休止する。これによって検出導電路に腐蝕防止電流が累積して過剰に通電されることを抑制できる。それ故、接点の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流の過剰な通電を抑制できるので、装置の寿命をさらに長くできる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。また実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図4は、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10を概略示す回路図である。図5は、比較切替部12の出力特性を示すグラフである。図5は、縦軸が比較切替部の出力信号のレベルを示し、横軸が電位を示す。接点腐蝕防止装置10は、スイッチ13またはコネクタに含まれる接点14の接続状態を検出する装置に設けられる。接点腐蝕防止装置10は、接点14の腐蝕および回復を検出する。接点腐蝕防止装置10は、接点14の腐蝕を検出すると、接点14の腐蝕を除去するための腐蝕防止電流IAを通電し、腐蝕する接点14の回復を検出すると、腐蝕防止電流IAの通電を止める。接点腐蝕防止装置10は、接点14の腐蝕を除去し、接点14の抵抗を低減するための装置である。接点腐蝕防止装置10は、スイッチ13またはコネクタを含む電子機器、たとえば電子制御装置
(Electronic Control Unit;略称ECU)に含まれる。接点腐蝕防止装置10は、スイッチ13、電源15およびマイコン16に電気的に接続される。
スイッチ13は、スイッチ13をONにすると接点14を含む2つの端子間の電気的な接続状態(以下、単に「接点14の接続状態」と称する)を閉状態に、スイッチ13をOFFにすると接点14の接続状態を開状態に切替可能に構成される。スイッチ13は、接点14が接点腐蝕防止装置10に電気的に接続され、接点14と異なる端子が接地される。スイッチ13は、ONに切替えられると、2つの端子間が電気的に接続されて接点14が接地される。スイッチ13は、OFFに切替えられると、2つの端子間が電気的に切り離される。
電源15は、接点14の接続状態をマイコン16に論理判定させるための定電圧である電源電圧VBを接点腐蝕防止装置10に供給する機能を有する。電源15は、接点腐蝕防止装置10の外部から接点腐蝕防止装置10に定電圧を供給する定圧電源である。電源15は、低電位側が接地され、高電位側が接点腐蝕防止装置10に接続される。電源15は、たとえば、14Vである。マイコン16は、スイッチ13の接続状態を論理判定する機能を有する。
接点腐蝕防止装置10は、検出導電路17、電源導電路18、抵抗器19、スイッチング素子20、基準電圧源21および比較切替部12を含む。検出導電路17は、導電材料から成り、その一端がスイッチ13の接点14に電気的に接続され、他端がマイコン16に電気的に接続される。電源導電路18は、導電材料から成り、その一端に電源15が電気的に接続される。インピーダンス手段である抵抗器19は、その一端が検出導電路17の接点14とマイコン16との間に電気的に接続され、他端が電源導電路18の他端に電気的に接続される。抵抗器19は、電源15の電源電圧VBによって、マイコン16が接点14の接続状態を論理判定するための接続検出電流IBを検出導電路17に通電可能に構成される。接続検出電流IBは、たとえば1mAである。
スイッチング素子20は、抵抗器19より低インピーダンスであって、電源導電路18および検出導電路17にそれぞれ電気的に接続される2つの端子を含む。スイッチング素子20は、これらの端子間を導通する導通状態および非導通する非導通状態に切替える機能を有する。スイッチング素子20は、具体的には、pチャンネルMOSFETトランジスタによって構成される。スイッチング素子20は、一方の端子であるドレイン20aが電源導電路18に、他方の端子であるソース20bが検出導電路17に、抵抗器19と並列して電気的に接続される。スイッチング素子20は、ドレイン20aとソース20bとが導通する導通状態で電源15の電源電圧VBによって、接点14の腐蝕を除去するための腐蝕防止電流IAを検出導電路17に通電する機能を有する。腐蝕防止電流IAは、接続検出電流IBより大電流であり、たとえば20mAである。
本実施の形態では、抵抗器19とスイッチング素子20とを含めて可変インピーダンス手段22と称する。可変インピーダンス手段22は、スイッチング素子20を非導通状態にすると、高インピーダンスになり、抵抗器19を介して検出導電路17に接続検出電流IBを通電する。可変インピーダンス手段22は、スイッチング素子20を導通状態にすると、低インピーダンスになり、スイッチング素子20を介して検出導電路17に腐蝕電流を通電する。
基準電圧源21は、第1分圧抵抗器23と第2分圧抵抗器24とを直列に電気的に接続して構成される分圧抵抗回路である。ただし、基準電圧源21は、分圧抵抗回路に限定されず、分圧回路であってもよく、基準電圧を供給可能な構成であればよい。基準電圧源21は、第1分圧抵抗器23側の一端が電源導電路18のスイッチング素子20より電源15側に電気的に接続され、第2分圧抵抗器24側の他端が接地される。
比較切替手段である比較切替部12は、いわゆるヒステリシスコンパレータであり、コンパレータ25とヒステリシス抵抗器26とを含む。比較切替部12は、ヒステリシス抵抗器26の一端および他端がコンパレータ25の非反転入力端子25aおよび出力端子25bに電気的にそれぞれ接続されて構成される。比較切替部12は、反転入力端子25cが検出導電路17に電気的に接続され、非反転入力端子25aが第1分圧抵抗器23と第2分圧抵抗器24との間に電気的に接続され、出力端子25bが出力導電路27を介してスイッチング素子20のゲート20cに電気的に接続される。
比較切替部12は、検出導電路17の電位(以下、単に「検出電位」と称する)と腐蝕電位VXおよび回復電位VRとを比較する機能を有する。比較切替部12は、図5に示すように、検出電位が上昇し腐蝕電位VXより大きくなると、出力信号をハイレベル(以下、単に「Hi」と称する)からローレベル(以下、単に「Lo」と称する)に切替え、検出電位が下降し回復電位VRより小さくなると、出力信号をLoからHiに切替える機能を有する。腐蝕スレッショルドである腐蝕電位VXは、基準電圧源21から非反転入力端子25aに供給される基準電位であり、たとえば1Vである。基準電位は、第1分圧抵抗器23および第2分圧抵抗器24の電源電圧VBを分圧することによって得られる。回復スレッショルドである回復電位VRは、ヒステリシス抵抗器26で決定される電位であり、たとえば4Vである。腐蝕電位VXは、回復電位VRより大きい電位を有する。
比較切替部12は、出力信号によってスイッチング素子20の導通状態および非導通状態を切替える機能を有する。具体的には、比較切替部12は、スイッチング素子20にHiの出力信号を入力して、スイッチング素子20を非導通状態に切替え、スイッチング素子20にLoの出力信号を入力して、スイッチング素子20を導通状態に切替える機能を有する。
マイコン16は、検出電位に基づいて接点14の接続状態を論理判定する機能を有する。換言すると、マイコン16は検出導電路17から入力される信号(以下、単に「入力信号」と称する)に基づいて接点14の接続状態を論理判定する機能を有する。具体的には、マイコン16は、入力信号のLoおよびHiを判定し、Loの場合、接点14の接続状態が閉状態であると判定し、Hiの場合、接点14の接続状態が開状態であると判定する。
腐蝕電位VXは、接点14の腐蝕を判定し得る電位であり、回復電位VRは、接点14の回復を判定し得る電位である。具体的には、腐蝕電位VXは、検出導電路17に接続検出電流IBが通電される際、マイコン16が接点14の腐蝕に起因して接点14の接続状態を誤判定する可能性がある電位VU以下に設定される。回復電位VRは、腐蝕防止電流IAが通電される際この電位まで下降すると、接続検出電流IBが通電される際、マイコン16が、接点14の接続状態を確実に判定する電位に設定される。
図6は、経過時間に対する検出電位V0の変化を示すグラフである。図7は、経過時間に対する比較切替部12の出力変化を示すグラフである。図6は、縦軸が電位を示し、横軸が時間を示す。図7は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が時間を示す。以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10の動作について説明する。スイッチ13がOFFの状態では、被検出値である検出電位V0が電源電圧VBになる(0≦t<t0)。このとき、検出電位V1が腐蝕電位VXより高いので、出力信号がLoになる。マイコン16は、検出電位V0に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
スイッチ13をONに切替える(t=t0)と、接点14が接地され、検出電位V0が電位VAになる(t0≦t<t1)。検出電位V0が回復電位VRより低くなり、出力信号がHiになる。出力信号がHiになると、スイッチング素子20が非導通状態になる。これによって検出導電路17に抵抗器19を介して接続検出電流IBに通電され、マイコン16は、検出電位V0に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕が開始する(t=t1)と、接点14の腐蝕に起因する接点14の抵抗の増加が生じ、検出電位V0が上昇する(t1≦t<t2)。検出電位V0の電位が上昇し腐蝕電位VXより大きくなる(t=t2)と、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって、検出導電路17には、腐蝕防止電流IAが通電され、検出電位V0が上昇する(t2≦t<t3)。接点14の腐蝕の除去動作が始まる(t=t3)と、検出電位V0が下降する(t3≦t<t4)。検出電位V0が下降し回復電位VRより小さくなる(t=t4)と、出力信号がHiになり、スイッチング素子20が非導通状態になる。これによって抵抗器19を介して検出導電路17に接続検出電流IBが通電され(t4≦t)る。これによってマイコン16は、検出電位V0に基づいて、接点14の接続状態を論理判定する。
以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10が奏する効果について説明する。本実施の形態の接点腐蝕防止装置10によれば、検出電位V0を腐蝕電位VXおよび回復電位VRと比較し、接点14の腐蝕および回復を検出する。接点14の腐蝕を検出すると、検出導電路17に腐蝕防止電流IAを通電する。接点14の回復を検出すると、接続検出電流IBを検出導電路17に通電する。これによって接点14の腐蝕および回復を別個に検出でき、接点14の接続状態を論理判定可能な状態まで回復した接点14に、過剰な腐蝕防止電流IAを通電することを抑制できる。それ故、接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、従来の技術の接点腐蝕防止装置10より寿命を長くでき、マイコン16の寿命も長くできる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10によれば、可変インピーダンス手段22を低インピーダンスに切替えると、腐蝕防止電流IAを検出導電路17に通電し、可変インピーダンス手段22を高インピーダンスに切替えると、接続検出電流IBを検出導電路17に通電する。比較切替部12は、検出電位V0を、腐蝕電位VXおよび回復電位VRと比較し、その比較結果に基づいて可変インピーダンス手段22を切替える。これによって接点14の腐蝕および回復を別個に検出でき、接点14の接続状態を検出可能な状態まで回復した接点14に、過剰な腐蝕防止電流IAを通電することを抑制できる。それ故、接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、従来の技術の接点腐蝕防止装置10より寿命を長くでき、マイコン16の寿命も長くできる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10によれば、抵抗器19とスイッチング素子20とが並列して検出導電路17に接続される。スイッチング素子20を導通状態に切替えることによって、可変インピーダンス手段22を低インピーダンスに切替え、スイッチング素子20を非導通状態に切替えることによって、可変インピーダンス手段22を高インピーダンスに切替える。これによって低インピーダンスおよび高インピーダンスに切替え可能な可変インピーダンス手段22を実現できる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10によれば、腐蝕電位VXは、検出電位V0と比較して、接点14の腐蝕を判定し得る。回復電位VRは、検出電位V0と比較して、接点14の回復を判定し得る。これによって検出電位V0と腐蝕電位VXおよび回復電位VRとの比較によって、接点14の腐蝕および回復の判定を実現できる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10によれば、腐蝕防止電流IAが通電される際この電位まで下降すると、接続検出電流IBが通電される際、マイコン16が、接点14の接続状態を判定可能な電位に設定される。したがって接点腐蝕防止装置10は、過剰な腐蝕防止電流IAを通電させることを抑制する上、マイコン16が確実に接点14の接続状態を論理判定可能な状態まで接点14を回復させることができる。したがってマイコン16の誤判定および誤動作を抑制できる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10によれば、ヒステリシス抵抗器26の抵抗を調整するだけで、回復電位VRを変更することができる。回復電位VRは、接点14の材質、状態および接点14が配設される環境によって異なる。したがって接点14の材質、状態および環境などに合わせて前記抵抗を変更することによって、接点腐蝕防止装置10の誤判定および誤動作をさらに抑制することができる。
図8は、実施の第2の形態の接点腐蝕防止装置10Aを概略示す回路図である。接点腐蝕防止装置10Aは、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10と構成が類似している。接点腐蝕防止装置10Aは、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10にさらに電流検出回路40および接地スイッチング素子30を含み、マイコン16が接点腐蝕防止装置10Aに含まれる。
電流検出回路40は、電源導電路18において、スイッチング素子20と電源15との間に介在する。電流検出回路40は、マイコン16Aに電気的に接続される。電流検出回路40は、電源導電路18に電流が通電されているか否かを検出する機能を有する。電流検出回路40は、電源導電路18に電流が通電されているか否かをマイコン16Aに伝送する機能を有する。
休止手段であるマイコン16Aは、さらに電源15に電気的に接続され、出力導電路27のスイッチング素子20と比較切替部12との間に電気的に接続される。マイコン16Aは、実施の第1の形態のマイコン16と同様の機能を有する。マイコン16Aは、出力信号を取得し、電源導電路18に電流が通電され、かつLoの出力信号が出力されている時間、すなわち腐蝕防止電流IAが継続して通電される通電時間を計数する機能をさらに有する。マイコン16Aは、通電時間が予め定められる駆動時間T1以上になると、電源15の電圧供給を休止時間T2休止して腐蝕防止電流IAの通電を休止する機能を有する。本実施の形態では、駆動時間T1と休止時間T2とが同一であり、たとえば10μsecである。ただし駆動時間T1と休止時間T2とが同一であることに限定されず、異なってもよい。
インピーダンス低下手段である接地スイッチング素子30は、たとえばpチャンネルMOSFETトランジスタであり、ドレイン30aが検出導電路17の抵抗器19より接点14側に電気的に接続され、ソース30bが接地され、ゲート30cがマイコン16Aに電気的に接続される。接地スイッチング素子30は、ゲート30cに入力される信号に基づいて、ドレイン30aとソース30bとを導通状態および非導通状態に切替える機能を有する。接地スイッチング素子30は、それを導通状態にすることによって接点14の入力インピーダンスを低下するために配設される。マイコン16Aは、電源15からの供給を休止すると、ゲート30cに信号を入力し、接地スイッチング素子30を導通状態に切替え、電源15が電圧を供給すると、接地スイッチング素子30を非導通状態に切替える機能を有する。
図9は、経過時間に対する検出電位V1の変化を示すグラフである。図10は、経過時間に対する比較切替部12の出力変化を示すグラフである。図9は、縦軸が電位を示し、横軸が時間を示す。図10は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が時間を示す。以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10Aの動作について説明する。スイッチ13がOFFの状態では、検出電位V1が電源電圧VBになる(0≦t<t10)。検出電位V1が腐蝕電位VXより高いので、出力信号がLoになる。電流検出回路40は、電源導電路18に電流が通電されていないことをマイコン16Aに伝送する。マイコン16Aは、検出電位V1に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。スイッチ13をONに切替える(t=t10)と、接点14が接地され、検出電位V1が電位VAになる(t10≦t<t11)。電流検出回路40は、電源導電路18に電流が通電されていることをマイコン16Aに伝送する。検出電位V1が回復電位VRより低くなり、出力信号がHiになる。出力信号がHiになると、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に抵抗器19を介して接続検出電流IBに通電される。これによってマイコン16Aは、検出電位V1に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕が開始する(t=t11)と、接点14の腐蝕に起因する接点14の抵抗の増加が生じ、検出電位V1が上昇する(t11≦t<t12)。検出電位V1の電位が上昇し腐蝕電位VXより大きくなる(t=t12)と、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって、検出導電路17には、腐蝕防止電流IAが通電され、検出電位V1が上昇する(t12≦t<t13)。接点14の腐蝕の除去動作が始まる(t=t13)と、検出電位V1が下降する(t13≦t<t14)。
通電時間が駆動時間T1以上になる(t=t14)と、電流検出回路40が電源導電路18に電流が通電されていることを検出しているので、マイコン16Aは、腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止させる(t14≦t<t15)。腐蝕防止電流IAの通電を休止することによって、出力信号がHiになる。このときマイコン16Aは、接地スイッチング素子30を導通状態に切替えて、接点14の入力インピーダンスを低下させる。休止時間T2が経過後、マイコン16Aは、電源15からの電圧供給を再開する(t=15)。
接点14の腐蝕除去の進行度合いによって、接点14が回復する場合と接点14が回復しない場合とが生じる。これらの場合、互いに電圧供給再開後の接点腐蝕防止装置10Aの動作が異なる。したがって以下では、2つの場合にわけて接点腐蝕防止装置10Aの動作について説明する。
接点14の腐蝕の除去によって接点14が回復した場合、電圧供給再開すると、検出電位V1が回復電位VRより小さくなり比較切替部12が接点14の回復を検出する。これによって出力信号がHiになり(t14≦t<t15の実線)、スイッチング素子20が非導通状態に維持されて、検出導電路17に接続検出電流IBが通電される(t15≦tの実線)。これによってマイコン16Aは、検出電位V1に基づいて、接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕の除去によって接点14が回復しない場合、電圧供給再開すると、検出電位V1が回復電位VRより大きく、比較切替部12が接点14の腐蝕を検出する。これによって出力信号がLoになり(t14≦t<t15の1点鎖線)、スイッチング素子20が導通状態に切替えられ、検出導電路17に腐蝕防止電流IAが通電される(t15≦tの1点鎖線)。腐蝕防止電流IAを再度通電させることによって、さらに接点14の腐蝕を除去する動作を継続して接点14を回復させる。
本実施の接点腐蝕防止装置10Aによれば、マイコン16Aは、通電時間が駆動時間T1以上になると、通電を休止時間T2休止させる。しがたって腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止させることによって、長時間継続して腐蝕防止電流IAが流れることを抑制できる、すなわち腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できる。それ故、接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生をさらに抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置10Aの寿命をさらに長くできる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Aは、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10と同様の効果を奏する。
図11は、実施の第3の形態の接点腐蝕防止装置10Bの経過時間に対する検出導電路17の電流の変化を示すグラフである。図12は、経過時間に対する検出電位V2の変化を示すグラフである。図13は、経過時間に対する比較切替部12Bの出力変化を示すグラフである。図11は、縦軸が電流を示し、横軸が時間を示す。図12は、縦軸が電位を示し、横軸が時間を示す。図13は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が時間を示す。接点腐蝕防止装置10Bは、実施の第2の形態の接点腐蝕防止装置10Aと構成が類似している。接点腐蝕防止装置10Bは、第2の実施の形態の接点腐蝕防止装置10Aにおいて、比較切替部12Bがコンパレータ25のみで構成され、マイコン16Bがさらに異なる機能を有する。
比較切替部12Bは、コンパレータ25によって構成される。比較切替部12Bは、検出電位と腐蝕回復電位VMとを比較する機能を有する。比較切替部12Bは、検出電位が腐蝕回復電位VMより大きくなると、出力信号をHiからLoに切替え、検出電位が腐蝕回復電位VMより小さくなると、出力信号をLoからHiに切替える機能を有する。腐蝕回復スレッショルドである腐蝕回復電位VMは、基準電圧源21から非反転入力端子25aに供給される基準電位であり、たとえば1Vである。腐蝕回復電位VMは、接点14の腐蝕および回復を判定し得る電位である。具体的には、腐蝕回復電位VMは、検出導電路17に接続検出電流IBが通電される際、マイコン16Bが、接点14の腐蝕に起因する接点14の接続状態を誤判定する電位VU以下に設定される。腐蝕回復電位VRは、接点14の腐蝕および回復を検出可能な基準電位は、第1分圧抵抗器23および第2分圧抵抗器24の電源電圧VBを分圧することによって得られる。比較切替部12Bは、第2の実施の形態の比較切替部12と同様に出力信号によってスイッチング素子20の導通状態および非導通状態を切替える機能を有する。
マイコン16Bは、実施の第2の形態のマイコン16Aと同様の機能を有し、さらに以下のような機能を有する。マイコン16Bは、腐蝕防止電流IAを駆動時間T1通電する通電動作と、電源15からの電圧供給を休止時間T2休止する休止動作とを切替えて繰返す機能を有する。
以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10Bの動作について説明する。スイッチ13がOFFの状態では、検出電位V2が電源電圧VBになる(0≦t<t20)。検出電位V2が腐蝕回復電位VMより高いので、出力信号がLoになる。電流検出回路40は、電源導電路18に電流が通電されていないことをマイコン16Bに伝送する。マイコン16Bは、検出電位V2に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。スイッチ13をONに切替える(t=t20)と、接点14が接地され、検出電位V2が電位VAになる(t20≦t<t21)。電流検出回路40は、電源導電路18に電流が通電されていることをマイコン16Bに伝送する。検出電位V2が腐蝕回復電位VMより低くなり、出力信号がHiになる。出力信号がHiになると、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に抵抗器19を介して接続検出電流IBに通電される。マイコン16Bは、検出電位V2に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕が開始する(t=t21)と、接点14の腐蝕に起因する接点14の抵抗の増加が生じ、検出電位V2が上昇する(t21≦t<t22)。検出電位V2の電位が上昇し腐蝕回復電位VMより大きくなる(t=t22)と、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって検出導電路17には、腐蝕防止電流IAが通電され、検出電位V2が上昇する(t22≦t<t23)。接点14の腐蝕の除去動作が始まる(t=t23)と、検出電位V2が下降する(t23≦t<t24)。
通電時間が駆動時間T1以上になる(t=t24)と、電流検出回路40が電源導電路18に電流が通電されていることを検出しているので、マイコン16Bは、腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止させる(t24≦t<t25)。腐蝕防止電流IAの通電を休止することによって、出力信号がHiになる。このときマイコン16Bは、接地スイッチング素子30を導通状態に切替えて、接点14の入力インピーダンスを低下させる。休止時間T2が経過後、マイコン16Bは、電源15からの電圧供給を再開する(t=25)。電圧供給を再開すると、検出電位V1が腐蝕回復電位VMより高いので、出力信号がLoとなる。これによってスイッチング素子20が導通状態になり、検出導電路17に腐蝕防止電流IAが通電される。このようにマイコン16Bが通電動作と休止動作とを繰返し、図11に示すようにパルス状の腐蝕防止電流IAを検出導電路17に通電させる(t25≦t<t28)。パルス状の腐蝕防止電流IAを通電し、検出電位V2が腐蝕回復電位VMより小さくなる(t=t28)と、出力信号がHiになり、スイッチング素子20が非導通状態になる。これによって抵抗器19を介して検出導電路17に接続検出電流IBが通電され(t28≦t)、マイコン16Bは、検出電位V2に基づいて、接点14の接続状態を論理判定する。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Bによれば、可変インピーダンス手段22を低インピーダンスに切替えると、腐蝕防止電流IAを検出導電路17に通電し、可変インピーダンス手段22を高インピーダンスに切替えると、接続検出電流IBを検出導電路17に通電する。比較切替部12Bは、検出電位V2を、腐蝕回復電位VMと比較し、その比較結果に基づいて可変インピーダンス手段22を切替える。通電時間が駆動時間T1以上になると、マイコン16Bによって通電を休止時間T2休止させる。しがたって腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止させることによって、長時間継続して腐蝕防止電流IAが流れることを抑制できる、すなわち腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できる。それ故、接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置10Bの寿命を長くできる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Bによれば、通電動作と休止動作とを繰返して接点14の腐蝕を除去する。これによって継続的に腐蝕防止電流IAが通電される場合より、検出導電路17に過剰な腐蝕防止電流IAが通電されることを抑制できる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置によれば、腐蝕防止電流の通電を休止する休止動作がなされると、接地スイッチング素子30によって接点14の入力インピーダンスを下げる。これによって停止動作がなされても、検出導電路17にノイズが発生することを抑制できる。
図14は、実施の第4の形態の接点腐蝕防止装置10Cを概略示す回路図である。接点腐蝕防止装置10Cは、実施の第3の形態の接点腐蝕防止装置10Bと構成が類似している。接点腐蝕防止装置10Cは、実施の第3の形態の接点腐蝕防止装置10Bに、さらにタイマ31を含み、マイコン16Cがさらに異なる機能を有する。
計数手段であるタイマ31は、マイコン16Cと出力導電路27との間に介在し、これらに電気的に接続される。タイマ31は、Loの出力信号が比較切替部12Bから出力される回数を計数する機能を有する。換言すると、タイマ31は、通電動作の回数を計数する機能を有する。タイマ31は、マイコン16Cに通電動作の回数を伝送可能に構成される。またタイマ31は、予め定められる時間の間、出力信号の出力レベルが切替わらない場合、通電動作の回数をリセットする機能を有する。
停止手段であるマイコン16Cは、実施の第3の形態の接点腐蝕防止装置10Bのマイコン16Bと同様の機能を有し、さらに以下のような機能を有する。マイコン16Cは、通電動作の回数が規定回数である予め定められる停止回数以上になると、電源15の電圧供給を停止する機能を有する。電源15の電圧供給が停止すると、電源15は、たとえば利用者が手動で電圧供給を再開しなければ供給されないように構成される。
図15は、経過時間に対する検出導電路17の電流の変化を示すグラフである。図16は、経過時間に対する検出電位V3の変化を示すグラフである。図17は、経過時間に対する比較切替部12Bの出力変化を示すグラフである。図15は、縦軸が電流を示し、横軸が時間を示す。図16は、縦軸が電位を示し、横軸が時間を示す。図17は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が時間を示す。以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10Cの動作について説明する。スイッチ13がOFFの状態では、検出電位V3が電源電圧VBになる(0≦t<t30)。検出電位V3が腐蝕回復電位VMより高いので、出力信号がLoになる。マイコン16Cは、検出電位V3に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。スイッチ13をONに切替える(t=t30)と、接点14が接地され、検出電位V3が電位VAになる(t30≦t<t31)。検出電位V3が腐蝕回復電位VMより低くなり、出力信号がHiになる。出力信号がHiになると、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に抵抗器19を介して接続検出電流IBに通電される。これによってマイコン16Cは、検出電位V3に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕が始まる(t=t31)と、接点14の腐蝕に起因する接点14の抵抗の増加が生じ、検出電位V3が上昇する(t31≦t<t32)。検出電位V3の電位が上昇し腐蝕回復電位VMより大きくなる(t=t32)と、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって検出導電路17には、腐蝕防止電流IAが通電され、検出電位V3が上昇する(t32≦t<t33)。接点14の腐蝕の除去動作が始まる(t=t33)と、検出電位V3が下降する(t33≦t<t34)。
腐蝕防止電流IAが検出導電路17に通電されると、マイコン16Cは、接点14の回復が比較切替部12Bで検出されるまで、通電動作と休止動作を複数回繰返し、図15に示すようにパルス状の腐蝕防止電流IAを検出導電路17に通電させる(t34≦t<t35)。通電動作の回数が停止回数より大きくなるまでに、接点14の回復が検出される場合については、実施の第3の形態の接点腐蝕防止装置10Bと同様の動作であり、その動作の説明を省略する。以下では、通電動作の回数が停止回数以上になるまで、接点14の回復が検出されない場合について説明する。
マイコン16Cは、通電動作の回数が停止回数以上になると(t=36)と、腐蝕防止電流IAを通電後、電源15の電圧供給を停止する。この際、マイコン16Cは、接地スイッチング素子30を導通させ、接点14の入力インピーダンスを低下させる。なお、腐蝕防止電流の通電後に限定されず、腐蝕防止電流の通電前に電源15の電圧供給を停止してもよい。
接点14の腐蝕は、一定量の腐蝕防止電流IAを通電した後に、一定時間放置することによって除去される場合がある。たとえば、接点14の開閉動作を繰返すことによって剥離除去される場合がある。この場合、電源15からの電圧供給を再開する(t=37)と、出力信号がHiに維持され、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に接続検出電流IBが通電される(t37≦tの実線)。これによってマイコン16Cは、検出電位V3に基づいて、接点14の接続状態を論理判定する。また接点14などの故障、たとえばスイッチ13の接触不良の場合、電源15からの電圧供給を再開する(t=37)と、検出電位V3が腐蝕回復電位VMより小さくならず、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって腐蝕防止電流IAが再び通電される(t37≦t)。電源の電圧供給を再開して、検出電位接点14の腐蝕に起因する電位上昇か、スイッチ13の故障に起因する電位上昇かを判別することができる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Cによれば、腐蝕防止電流IAを通電する通電動作の回数が、タイマ31によって計数される。通電動作の回数が停止回数以上になると、マイコン16Cによって電源15の電圧供給を停止し、腐蝕防止電流IAの通電が停止される。これによって通電動作および休止動作の繰返しによって、検出導電路17に腐蝕防止電流IAが累積して過剰に通電されることを抑制できる。それ故、接点腐蝕防止装置10Cの接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生をさらに抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置10Cの寿命をさらに長くできる。
接点14などの故障にともなう接点14の腐蝕の誤判定の場合、従来の技術の接点腐蝕防止装置10Cでは、過剰な腐蝕防止電流IAの通電が継続し続ける。これによって接点14などの故障、たとえばスイッチ13の接触不良に連動して、従来の技術の接点腐蝕防止装置10Cが故障する。本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Cでは、通電動作の回数が停止回数以上になると、腐蝕防止電流IAの通電が停止し、接点14などの故障に連動して接点腐蝕防止装置10Cが故障することを防止できる。また電源15の電圧供給を再開することによって、接点14の腐蝕か接点14などの故障かを判別することが可能となる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Cによれば、腐蝕防止電流IAの通電を停止する停止動作がなされると、接地スイッチング素子30によって接点14の入力インピーダンスを下げる。これによって停止動作がなされても、検出導電路17にノイズが発生することを抑制できる。
図18は、実施の第5の形態の接点腐蝕防止装置10Dを概略示す回路図である。図19は、比較切替部12Dの出力特性を示すグラフである。図19は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が電位を示す。接点腐蝕防止装置10Dは、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10と構成が類似している。
比較切替部12Dは、コンパレータ25とコンデンサ32によって構成される。コンデンサ32は、その一端がコンパレータ25の反転入力端子25cに、他端がコンパレータ25の非反転入力端子25aに電気的に接続される。比較切替部12Dは、検出電位と腐蝕電位VXおよび回復電位VRとを比較する機能を有する。比較切替部12Dは、検出電位が腐蝕電位VXより大きくなると、出力信号をHiからLoに切替える機能を有する。比較切替部12Dは、検出電位が回復電位VRより小さくなると、出力信号をLoからHiに切替える機能を有する。比較切替部12Dは、検出電位が上昇すると、コンデンサ32が充電される。これによって比較切替部12Dは、検出電位が腐蝕電位VXより大きくなると、コンデンサ32が非反転入力端子25aの電位を上昇させるので、回復電位VRを変動させる、具体的には、回復電位VRを上昇させる機能を有する(図19)。比較切替部12Dは、実施の第1の形態の比較切替部12Dと同様にスイッチング素子20を導通状態および非導通状態に切替える機能を有する。
図20は、経過時間に対する検出電位V4の変化を示すグラフである。図21は、経過時間に対する比較切替部12Dの出力変化を示すグラフである。図20は、縦軸が電位を示し、横軸が時間を示す。図21は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が時間を示す。以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10Dの動作について説明する。スイッチ13がOFFの状態では、検出電位V4が電源電圧VBになり(0≦t<t40)、出力信号がLoになる。マイコン16は、検出電位V4に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。スイッチ13をONに切替える(t=t40)と、接点14が接地され、検出電位V4が電位VAになり(t40≦t<t41)、出力信号がHiになる。出力信号がHiになると、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に接続検出電流IBが通電される。マイコン16は、検出電位V4に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕が始まる(t=t41)と、検出電位V4が上昇する(t41≦t<t42)。検出電位V4の電位が上昇し腐蝕電位VXより大きくなる(t=t42)と、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって検出導電路17に腐蝕防止電流IAが通電され、検出電位V4が上昇する(t42≦t<t43)。検出電位V4の上昇に連動して回復電位VRも上昇する。接点14の腐蝕の除去動作が始まる(t=t43)と、検出電位V4が下降する(t43≦t<t44)。検出電位V4が回復電位VRより小さくなる(t=t44)と、出力信号がHiになり、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に接続検出電流IBが通電される(t44≦t)。これによってマイコン16は、検出電位V4に基づいて、接点14の接続状態を論理判定する。
以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10Dが奏する効果について説明する。本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Dによれば、比較切替部12Dは、検出電位V4に基づいて、回復電位VRを変動させる。これによって画一的に回復電位VRを決定する場合に比べて、検出導電路17に通電される過剰な腐蝕防止電流IAを抑制できる。それ故、接点腐蝕防止装置10Dの接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生をさらに抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置10Dの寿命を長くできる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Dによれば、回復電位VRは、コンデンサ32の放電によって上昇するので、検出電位の上昇に対して遅延して上昇が開始し、かつ検出電位より大きい電位に設定されない。それ故、検出電位の減少を確実に検出できる、すなわち接点14の腐蝕の除去の開始を確実に検出することができる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Dによれば、検出電位V4に応じて回復電位VRが変動する。腐蝕防止電流IAが通電される際に検出される検出電位V4は、接点14の腐蝕状況およびスイッチ13の構成などによって異なる。それ故、画一的に回復電位VRを決定すると、過剰な腐蝕防止電流IAが通電される可能性がある。検出電位V4に応じて回復電位VRが変動することによって、さらに過剰な腐蝕防止電流IAの通電を抑制できる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Dによれば、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10と同様の効果を奏する。
図22は、実施の第6の形態の接点腐蝕防止装置10Eを概略示す回路図である。接点腐蝕防止装置10Eは、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10と構成が類似している。具体的には、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10では、スイッチ13が検出導電路17に対して接地側、すなわちローサイド側に配設されているけれども、実施の第6の形態の接点腐蝕防止装置10Eでは、スイッチ13が検出導電路17に対して電源15側、すなわちハイサイド側に介在する。
検出導電路17は、一端が電源15に、他端がマイコン16に電気的に接続される。スイッチ13は、検出導電路17に介在し、接点14が電源15側に電気的に接続される。抵抗器19およびスイッチング素子20は、これらの一端が検出導電路17に並列して電気的に接続され、他端が接地される。基準電圧源21の一端は、検出導電路17の電源15と接点14との間に電気的に接続され、他端が接地される。比較切替部12Dは、反転入力端子25cが検出導電路17のスイッチング素子20よりマイコン16側に、非反転入力端子25aが基準電圧源21に、出力端子25bがスイッチング素子20のゲート20cに電気的に接続される。スイッチング素子20には、nチャンネルMOSFETトランジスタが用いられる。
本実施の形態のようにスイッチ13がハイサイド側に配設されると、腐蝕電位VXが回復電位VRより高く設定される。すなわち、実施の第1の形態に対して、腐蝕電位VXと回復電位VRとが反転している。具体的には、比較切替部12は、検出電位が下降し腐蝕電位VXより小さくなると、出力信号をLoからHiに切替え、検出電位が上昇し回復電位VRより大きくなると、出力信号をHiからLoに切替える機能を有する。比較切替部12は、出力信号がHiになるとスイッチング素子20を導通状態に切替え、出力信号がLoになると非導通状態を切替える機能を有する。マイコン16は、入力信号のLoおよびHiを判定し、入力信号がLoの場合、接点14の接続状態が閉状態であると判定し、入力信号がHiの場合、接点14の接続状態が開状態であると判定する。
図23は、経過時間に対する検出電位V5の変化を示すグラフである。図24は、経過時間に対する比較切替部12の出力変化を示すグラフである。図23は、縦軸が電位を示し、横軸が時間を示す。図24は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が時間を示す。以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10Eの動作について説明する。スイッチ13がOFFの状態では、検出電位V5が電位VAになり(0≦t<t50)、出力信号がHiになる。マイコン16は、検出電位V5に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。スイッチ13をONに切替える(t=t50)と、接点14が接地され、検出電位V5が電源電圧VBになり(t50≦t<t51)、出力信号がLoになる。出力信号がLoになると、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に接続検出電流IBに通電される。マイコン16は、検出電位V5に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕が始まる(t=t51)と、検出電位V5が下降する(t51≦t<t52)。検出電位V5の電位が下降し腐蝕電位VXより小さくなる(t=t52)と、出力信号がHiになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって腐蝕防止電流IAが通電され、検出電位V5が下降する(t52≦t<t53)。接点14の腐蝕の除去動作が始まる(t=t53)と、検出電位V5が上昇する(t53≦t<t54)。検出電位V5が上昇し回復電位VRより大きくなる(t=t54)と、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が非導通状態になる。これによって接続検出電流IBが通電され(t54≦t)、マイコン16は、検出電位V5に基づいて、接点14の接続状態を論理判定する。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Eによれば、スイッチ13がハイサイド側に配設される。これによってスイッチ13がローサイド側だけでなく、ハイサイド側に配設されても、接点腐蝕防止装置10Eを実現できる。
本実施の第2〜第5の形態の接点腐蝕防止装置10Eでは、スイッチ13がローサイド側に配設されているけれども、ハイサイド側に配設しても、各実施の形態において同様の効果を奏する。本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Eでは、スイッチ13が1つだけれども、これに限定されず、複数のスイッチ13が配設されてもよい。また本実施の形態では、スイッチ13が含まれているけれども、コネクタであってもよい。
また本実施の形態では、タイマ31は、通電動作の回数だけを計数するけれども、休止動作の回数を計数してもよい。これによってマイコン16C,16Dは、休止動作の回数が停止回数以上になると、電源15の電圧供給を停止させることができる。またタイマ31が通電動作の回数および休止動作の回数の両方を計数してもよい。マイコン16C,16Dは、通電動作および休止動作の回数のうち少なくとも一方の回数が停止回数以上になると、電源15の電圧供給を停止させることができる。これらは、マイコン16C,16Dが通電動作の回数に基づいて電源15の電圧供給を停止させる場合と同様の効果を奏する。
図25は、実施の第7の形態の接点腐蝕防止装置10Fを概略示す回路図である。接点腐蝕防止装置10Fは、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10と構成が類似している。接点腐蝕防止装置10Fは、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10にさらに接地スイッチング素子30を含み、マイコン16Fが接点腐蝕防止装置10Fに含まれる。
接点腐蝕防止装置10Fでは、コンパレータ25の出力端子25bがマイコン16Fに電気的に接続される。休止手段であるマイコン16Fは、さらにスイッチング素子20のゲート20cに電気的に接続される。マイコン16Fは、実施の第1の形態のマイコン16と同様の機能を有し、さらに以下の機能を有する。マイコン16Fは、出力信号を取得し、出力信号に基づいてスイッチング素子20の導通状態および非導通状態を切替える機能を有する。具体的には、マイコン16Fは、Loの出力信号を取得すると、スイッチング素子20にLoの信号を入力して、スイッチング素子20を導通状態に切替える機能を有する。マイコン16Fは、Hiの出力信号を取得すると、スイッチング素子20にHiの信号を入力して、スイッチング素子20を非導通状態に切替える機能を有する。
マイコン16Fは、Loの出力信号が出力されている時間、すなわち腐蝕防止電流IAが継続して通電される通電時間を計数する機能をさらに有する。マイコン16Fは、通電時間が駆動時間T1以上になると、スイッチング素子20にHiの信号を休止時間T2伝送し、スイッチング素子20を非導通状態に切替える機能を有する。換言すると、マイコン16Fは、通電時間が駆動時間T1以上になると、腐蝕防止電流IAの通電を休止し、接続検出電流IBを通電する機能を有する。マイコン16Fは、休止時間T2が経過すると、Loの信号をスイッチング素子20に伝送し、スイッチング素子20を導通状態に切替える機能を有する。
図26は、経過時間に対する検出電位V6の変化を示すグラフである。図27は、経過時間に対する比較切替部12の出力変化を示すグラフである。図26は、縦軸が電位を示し、横軸が時間を示す。図27は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が時間を示す。以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10Fの動作について説明する。スイッチ13がOFFの状態では、検出電位V6が電源電圧VBになる(0≦t<t60)。検出電位V6が腐蝕電位VXより高いので、出力信号がLoになる。マイコン16Fは、検出電位V6に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。スイッチ13をONに切替える(t=t60)と、接点14が接地され、検出電位V6が電位VAになる(t60≦t<t61)。検出電位V6が回復電位VRより低くなり、出力信号がHiになる。出力信号がHiになると、マイコン16Fは、スイッチング素子20を非導通状態に切替え、検出導電路17に抵抗器19を介して接続検出電流IBを通電する。これによってマイコン16Fは、検出電位V1に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕が開始する(t=t61)と、接点14の腐蝕に起因する接点14の抵抗の増加が生じ、検出電位V6が上昇する(t61≦t<t62)。検出電位V6の電位が上昇し腐蝕電位VXより大きくなる(t=t62)と、出力信号がLoになり、マイコン16Fは、スイッチング素子20を導通状態に切替える。これによって、検出導電路17には、腐蝕防止電流IAが通電され、検出電位V6が上昇する(t62≦t<t63)。接点14の腐蝕の除去動作が始まる(t=t63)と、検出電位V6が下降する(t63≦t<t64)。
通電時間が駆動時間T1以上になる(t=t64)と、マイコン16Fは、腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止し、接続検出電流IBを通電する(t64≦t<t65)。このときマイコン16Fは、接地スイッチング素子30を導通状態に切替えて、接点14の入力インピーダンスを低下させる。休止時間T2が経過後、マイコン16Fは、Loの信号をスイッチング素子20に伝送する(t=65)。
接点14の腐蝕除去の進行度合いによって、接点14が回復する場合と接点14が回復しない場合とが生じる。これらの場合、互いに腐蝕防止電流IAの通電再開後の接点腐蝕防止装置10Fの動作が異なる。したがって以下では、2つの場合にわけて接点腐蝕防止装置10Fの動作について説明する。
接点14の腐蝕の除去によって接点14が回復した場合、腐蝕防止電流IAの通電を再開すると、検出電位V1が回復電位VRより小さくなり比較切替部12が接点14の回復を検出する。これによって出力信号がHiになり(t65≦tの実線)、スイッチング素子20が非導通状態に維持されて、検出導電路17に接続検出電流IBが通電される(t65≦tの実線)。これによってマイコン16Fは、検出電位V6に基づいて、接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕の除去によって接点14が回復しない場合、腐蝕防止電流IAの通電を再開すると、検出電位V6が回復電位VRより大きく、比較切替部12が接点14の腐蝕を検出する。これによって出力信号がLoになり(t65≦tの1点鎖線)、スイッチング素子20が導通状態に切替えられ、検出導電路17に腐蝕防止電流IAが通電される(t65≦tの1点鎖線)。腐蝕防止電流IAを再度通電させることによって、さらに接点14の腐蝕を除去する動作を継続して接点14を回復させる。
本実施の接点腐蝕防止装置10Fによれば、マイコン16Fは、通電時間が駆動時間T1以上になると、腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止させる。しがたって腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止させることによって、長時間継続して腐蝕防止電流IAが流れることを抑制できる、すなわち腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できる。それ故、接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生をさらに抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置10Fの寿命をさらに長くできる。
本実施の接点腐蝕防止装置10Fによれば、マイコン16Fは、通電時間が駆動時間T1以上になると、腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止し、接続検出電流IBを通電する。したがって電源15を休止させることなく、待機電圧を供給する状態で腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Fは、実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10と同様の効果を奏する。
図28は、実施の第8の形態の接点腐蝕防止装置10Gを概略示す回路図である。接点腐蝕防止装置10Gは、実施の第2の形態の接点腐蝕防止装置10Fと構成が類似している。接点腐蝕防止装置10Gは、第2の実施の形態の接点腐蝕防止装置10Fにおいて、比較切替部12Fが比較切替部12Bに代わり、タイマ31が検出導電路27に介在し、マイコン16Gがさらに異なる機能を有する。
マイコン16Gは、実施の第7の形態のマイコン16Fと同様の機能を有し、さらに以下のような機能を有する。マイコン16Gは、腐蝕防止電流IAを駆動時間T1通電する通電動作と、腐蝕防止電流IAを休止時間T2休止し、接続検出電流IBを通電する休止動作とを切替えて繰返す機能を有する。マイコン16Gは、電源15に電気的に接続され、通電動作の回数が停止回数以上になると、電源15の電圧供給を停止する機能を有する。
図29は、接点腐蝕防止装置10Gの経過時間に対する検出導電路17の電流の変化を示すグラフである。図30は、経過時間に対する検出電位V7の変化を示すグラフである。図31は、経過時間に対する比較切替部12Bの出力変化を示すグラフである。図29は、縦軸が電流を示し、横軸が時間を示す。図30は、縦軸が電位を示し、横軸が時間を示す。図31は、縦軸が出力信号のレベルを示し、横軸が時間を示す。以下では、このようにして構成される接点腐蝕防止装置10Gの動作について説明する。スイッチ13がOFFの状態では、検出電位V7が電源電圧VBになる(0≦t<t70)。検出電位V7が腐蝕回復電位VMより高いので、出力信号がLoになる。マイコン16Gは、検出電位V7に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。スイッチ13をONに切替える(t=t30)と、接点14が接地され、検出電位V7が電位VAになる(t70≦t<t71)。検出電位V7が腐蝕回復電位VMより低くなり、出力信号がHiになる。出力信号がHiになると、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に抵抗器19を介して接続検出電流IBに通電される。これによってマイコン16Cは、検出電位V7に基づいて接点14の接続状態を論理判定する。
接点14の腐蝕が始まる(t=t71)と、接点14の腐蝕に起因する接点14の抵抗の増加が生じ、検出電位V7が上昇する(t71≦t<t72)。検出電位V7の電位が上昇し腐蝕回復電位VMより大きくなる(t=t72)と、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって検出導電路17には、腐蝕防止電流IAが通電され、検出電位V7が上昇する(t72≦t<t73)。接点14の腐蝕の除去動作が始まる(t=t73)と、検出電位V7が下降する(t73≦t<t74)。
腐蝕防止電流IAが検出導電路17に通電されると、マイコン16Gは、接点14の回復が比較切替部12Bで検出されるまで、通電動作と休止動作を複数回繰返し、図31に示すようにパルス状の腐蝕防止電流IAを検出導電路17に通電させる(t74≦t<t75)。通電動作の回数が停止回数より大きくなるまでに、接点14の回復が検出される場合については、実施の第7の形態の接点腐蝕防止装置10Fと同様の動作であり、その動作の説明を省略する。以下では、通電動作の回数が停止回数以上になるまで、接点14の回復が検出されない場合について説明する。
マイコン16Gは、通電動作の回数が停止回数以上になると(t=76)と、腐蝕防止電流IAを通電後、電源15の電圧供給を停止する。この際、マイコン16Gは、接地スイッチング素子30を導通させ、接点14の入力インピーダンスを低下させる。なお、腐蝕防止電流IAの通電後に限定されず、腐蝕防止電流の通電前に電源15の電圧供給を停止してもよい。
接点14の腐蝕は、一定量の腐蝕防止電流IAを通電した後に、一定時間放置することによって除去される場合がある。たとえば、接点14の開閉動作を繰返すことによって剥離除去される場合がある。この場合、電源15からの電圧供給を再開する(t=77)と、出力信号がHiに維持され、スイッチング素子20が非導通状態になり、検出導電路17に接続検出電流IBが通電される(t77≦tの実線)。これによってマイコン16Gは、検出電位V7に基づいて、接点14の接続状態を論理判定する。また接点14などの故障、たとえばスイッチ13の接触不良の場合、電源15からの電圧供給を再開する(t=77)と、検出電位V7が腐蝕回復電位VMより小さくならず、出力信号がLoになり、スイッチング素子20が導通状態になる。これによって腐蝕防止電流IAが再び通電される(t77≦t)。電源の電圧供給を再開して、検出電位接点14の腐蝕に起因する電位上昇か、スイッチ13の故障に起因する電位上昇かを判別することができる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Gによれば、可変インピーダンス手段22を低インピーダンスに切替えると、腐蝕防止電流IAを検出導電路17に通電し、可変インピーダンス手段22を高インピーダンスに切替えると、接続検出電流IBを検出導電路17に通電する。比較切替部12Bは、検出電位V7を、腐蝕回復電位VMと比較し、その比較結果に基づいて可変インピーダンス手段22を切替える。通電時間が駆動時間T1以上になると、マイコン16Gによって腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止させ、接続検出電流IBを通電する。しがたって腐蝕防止電流IAの通電を休止時間T2休止させることによって、長時間継続して腐蝕防止電流IAが流れることを抑制できる、すなわち腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できる。それ故、接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生を抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置10Gの寿命を長くできる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Gによれば、通電動作と休止動作とを繰返して接点14の腐蝕を除去する。これによって継続的に腐蝕防止電流IAが通電される場合より、検出導電路17に過剰な腐蝕防止電流IAが通電されることを抑制できる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Gによれば、腐蝕防止電流IAを通電する通電動作の回数が、タイマ31によって計数される。通電動作の回数が停止回数以上になると、マイコン16Gによって電源15の電圧供給を停止し、腐蝕防止電流IAの通電が停止される。これによって通電動作および休止動作の繰返しによって、検出導電路17に腐蝕防止電流IAが累積して過剰に通電されることを抑制できる。それ故、接点腐蝕防止装置10Cの接点14の接続状態の誤判定および装置の誤動作の発生をさらに抑制できる。また腐蝕防止電流IAの過剰な通電を抑制できるので、接点腐蝕防止装置10Gの寿命をさらに長くできる。
接点14などの故障にともなう接点14の腐蝕の誤判定の場合、従来の技術の接点腐蝕防止装置10Gでは、過剰な腐蝕防止電流IAの通電が継続し続ける。これによって接点14などの故障、たとえばスイッチ13の接触不良に連動して、従来の技術の接点腐蝕防止装置10Gが故障する。本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Gでは、通電動作の回数が停止回数以上になると、腐蝕防止電流IAの通電が停止し、接点14などの故障に連動して接点腐蝕防止装置10Gが故障することを防止できる。また電源15の電圧供給を再開することによって、接点14の腐蝕か接点14などの故障かを判別することが可能となる。
本実施の形態の接点腐蝕防止装置10Gによれば、第7の実施の形態の接点腐蝕防止装置10Fと同様の効果を奏する。
本実施の形態では、通電時間に基づいて休止動作を行っているけれども必ずしもこれに限定されない。たとえばマイコン16C,16Dが検出導電路17に通電される腐蝕防止電流IAの電流量を計数可能に構成する。具体的には、腐蝕防止電流IAの電流値を検出し、この電流値を時間で積分することによって電流量の計数が実現される。マイコン16C,16Dは、計数される総電流量が休止電流量Q1以上になると、電源15の電圧供給を休止する機能を有する。これによって検出導電路17に通電さえる電流量に基づいて、電源15の電圧供給を休止させることができる。それ故、過剰な腐蝕防止電流IAが検出導電路17に通電されることを抑制できる。また(1)通電時間が駆動時間T1以上になるおよび(2)計数される総電流量が休止電流量Q1以上になるのうち少なくとも一方の条件を充足することによって、電源15の電圧供給を休止する機能をマイコン16C,16Dが有していてもよい。
本実施の形態では、回復スレッショルドは、回復電位VRであるけれども、必ずしもこれに限定されない。たとえば検出導電路17に通電される腐蝕防止電流IAの総電流量が回復電流量QRより小さいか否かで、接点14の回復を検出してもよい。回復電流量QRは、腐蝕する接点14を回復させるのに必要な電流量である。具体的には、マイコン16C,16Dが検出導電路17に通電される腐蝕防止電流IAの電流値を検出し、この電流値を時間積分することによって総電流量の計数を実現できる。マイコン16C,16Dは、回復電流量QR以上の電流量を検出すると、スイッチング素子20を非導通状態に切替える機能を有する。これによって回復電位VR以外のスレッショルドであっても、接点14の回復を検出することが実現できる。
本実施の形態では、可変インピーダンス手段22は、抵抗器19とスイッチング素子20とを含んで構成されるけれども、必ずしもこのような構成に限定されない。可変インピーダンス手段22は、可変抵抗器であってもよい。具体的には、リレーなどを用いて比較切替部12の出力信号に基づいて可変抵抗器の抵抗を切替可能に構成することによって実現できる。
本実施の形態では、接地スイッチング素子30のソース30bが接地されているけれども、必ずしこのような構成に限定されない。たとえばソース30bがプルアップ抵抗に接続されていてもよく、接点の入力インピーダンスを低下させるものであればよい。
図32は、実施の第9の実施の形態の信号処理装置120を備えるECU140の電気的な構成を示すブロック図である。図33は、信号処理装置120の電気回路を示す回路図である。接点腐蝕防止装置を含む信号処理装置120は、スイッチング素子121に電気的に接続され、スイッチング素子121の接点121aの腐蝕を除去するために、腐蝕防止電流を前記接点121aに通電可能に構成される。スイッチング素子121の接点121aは、スイッチング素子121の2つの端子を接触させたときの接点を意味する。信号処理装置120は、制御ユニットである電子制御ユニット(略称:ECU)140に含まれる。ECU140は、さらにマイコン192を含み、たとえば自動車などの車両に搭載されている。マイコン192には、油圧ソレノイドなどのアクチュエータ193に電気的に接続され、マイコン192は、アクチュエータ193を制御する機能を有する。信号処理回路120およびマイコン192には、図示しない電源が電気的に接続されている。マイコン192は、信号処理装置120を介してスイッチング素子121に電気的に接続されている。信号処理装置120は、スイッチング素子121の接点21aの接続状態、すなわち接点論理を判定し、この判定結果をマイコン192に出力する装置である。マイコン192は、スイッチング素子121の接点121aの接続状態に基いて、アクチュエータ193を制御し、車両の駆動などを行う。スイッチング素子121は、たとえばオーバドライブスイッチであり、スイッチをオンにするとマイコン192がアクチュエータ193である変速油圧ソレノイドを駆動制御する。ただしスイッチング素子121は、オーバドライブスイッチに限定されず、ブレーキスイッチ、ハザードスイッチであってもよく、またスイッチング素子に限定されず、コネクタであってもよい。アクチュエータ193も、変速油圧ソレノイドに限定するものでない。車両には、これらスイッチおよびアクチュエータが含まれている。信号処理装置120は、ECU140に含まれるものに限定されず、電化製品などに搭載される制御ユニットに含まれてもよい。信号処理装置120には、集積回路(信号処理回路)122とシリーズ抵抗123とが含まれている。
集積回路122は、入力される電気信号に基いて処理を行い、電気信号を出力する回路である。集積回路122は、基本的に、電源ライン124、検出導電路125、論理判定電流通電手段126、腐蝕防止電流通電手段127、サージ保護手段128、腐蝕検出手段129、接点論理判定手段130および発振手段131を含む。
電源ライン124は、図示しない電源に電気的に接続されている。集積回路122は、入力端子132を備え、入力端子132がシリーズ抵抗123を介して、スイッチング素子121に電気的に接続されている。検出導電路125は、入力端子132に電気的に接続されている。
論理判定電流通電手段126は、電源ライン124に供給される電流に基いて、検出導電路125に、論理判定電流を供給する回路である。論理判定電流とは、スイッチング素子121の接点121aの電気的な接続状態、つまり接点論理を判定するためにスイッチング素子121に通電する電流である。論理判定電流通電手段126は、論理判定電流通電部141と論理判定電流調整部142とを備える。論理判定電流通電部141は、電源ライン124と検出導電路125との間に並列的に接続されている。論理判定電流通電部141は、いわゆる電界効果トランジスタ(略称:FET)であり、ソースが電源ライン124に、ドレインが検出導電路125に電気的に接続され、基板がソースに電気的に接続されている。以下においてFETは、特に記載がなければ、デプレションモードおよびエンハンスメントモードのいずれのFETであってもよい。ただしFETに限定されず、バイポーラトランジスタであってもよい。論理判定電流通電部141のドレインと検出導電路125との間には、ダイオード143が電気的に介在し、電流が検出導電路125から電源ライン124に逆流することを阻止している。
論理判定電流調整部142は、電源ライン124から検出導電路125に、論理判定電流通電部141を介して流れる電流の電流値を、調整する機能を有する。論理判定電流調整部142は、電源ライン124を流れる電流の電流値に基いて、論理判定電流通電部141のゲートに印加する電圧を調整し、論理判定電流通電部141の電流を調整する機能を有する。本実施の形態では、論理判定電流調整部142は、2つのFET142a,142bと、コンパレータ142cと、調整部分圧回路142dとを含んで構成される。ただし論理判定電流調整部142はこのような構成に限定されない。
2つのFET142a,142bは、電源ライン124と接地との間に、直列的に接続される。電源ライン124側のFET142a(以下では、「上流側FET142a」と称する場合がある)は、ソースが電源ライン124に、ドレインが接地側のFET142b(以下では、「下流側FET142b」と称する場合がある)ドレインに電気的に接続されている。さらに上流側FET142aのゲートは、上流側FET142aのドレイン、および論理判定電流通電部141のゲートに電気的に接続されている。下流側FET142bは、ソースが抵抗200を介して接地されている。
オペアンプ142cは、反転入力端子が下流側FET142bのソースに電気的に接続され、非反転入力端子が調整部分圧回路142dに電気的に接続されている。オペアンプ142cの出力端子は、下流側FET142bのゲートに電気的に接続されている。調整部分圧回路142dは、いわゆる分圧回路であり、電源ライン124に電気的に接続されて、接地されている。調整部分圧回路142dは、電源ライン124に印加される電圧を分圧して、その分圧された制限電圧V1をオペアンプ142cの非反転入力端子に印加するように構成されている。制限電圧V1は、たとえば7Vである。
腐蝕防止電流通電手段127は、スイッチング素子121の接点121aに腐蝕防止電流を通電する機能を有する。腐蝕防止電流は、スイッチング素子121の接点121aの腐蝕を除去可能な電流であり、信号処理において伝送される電気信号の電流値よりはるかに大きい電流値の電流である。腐蝕防止電流の電流値は、論理判定電流より大きい電流値に設定されている。腐蝕防止電流は、たとえば15mAであり、論理判定電流は、たとえば1.5mAである。本実施の形態では、腐蝕防止電流通電手段127は、npn型トランジスタであり、コレクタが電源ライン124に電気的に接続され、エミッタが検出導電路125に電気的に接続されている。ただしnpn型のトランジスタに限定されず、pnp型のトランジスタであってもよい。
腐蝕防止電流通電手段127のエミッタとベースとが、電流値制限抵抗144を介して電気的に接続されており、接点論理判定時の腐蝕防止電流を抑制する。腐蝕防止電流通電手段127のエミッタと検出導電路125との間には、逆流防止手段145が介在している。本実施の形態では、逆流防止手段145は、ダイオードであり、アノードが腐蝕防止電流通電手段127に、カソードが検出導電路125に電気的に接続されており、入力端子132に印加される電圧が上昇した場合に電源ライン24への流入電流を抑制する。腐蝕防止電流通電手段127は、シリーズ抵抗23によって制限された腐蝕防止電流を供給する機能を有する。
サージ吸収手段であるサージ保護手段128は、入力端子132に印加されるサージ、すなわち集積回路122に印加されるサージを吸収する機能を有する。サージ保護手段128は、2つのツェナーダイオードを直列的に接続されて構成され、その一端が検出導電路125に電気的に接続され、他端が接地されている。2つのツェナーダイオードは、互いにカソードが電気的に接続され、一方のツェナーダイオードのアノードが検出導電路125に電気的に接続され、他方のツェナーダイオードのアノードが接地されている。ただし、サージ保護手段128の構成は、このような構成に限定されない。
腐蝕検出手段129は、検出導電路125の電圧に基いて、腐蝕防止電流通電状態と接点論理判定状態とを切換える回路である。腐蝕防止電流通電状態は、たとえばスイッチであり、発振手段31からのIPULSE信号のオンオフに同期して、スイッチがオンオフするものであって、入力端子132を介してスイッチング素子121の接点121aに腐蝕防止電流を通電している状態であり、接点論理判定状態は、入力端子132を介してスイッチング素子121の接点121aに論理判定電流を通電している状態である。腐蝕検出手段129には、電圧比較部151と腐蝕除去信号生成部152と、通電可否検出部153とが含まれる。
電圧比較部151は、検出導電路125の電圧と予め定められる基準駆動電圧V2とを比較し、スイッチング素子121の接点121aの腐蝕を検出する機能を有する。電圧比較部151は、コンパレータ151aと比較部分圧回路151bとを含む。コンパレータ151aは、非反転入力端子が検出導電路125に電気的に接続され、反転入力端子が比較部分圧回路151bに電気的に接続される。さらにコンパレータ151aは、その出力端子が腐蝕除去信号生成部152に電気的に接続されている。比較部分圧回路151bは、いわゆる分圧回路であり、電源ライン124に印加される電圧を分圧して基準駆動電圧V2を生成し、コンパレータ151aの反転入力端子に基準駆動電圧V2を印加する機能を有する。基準駆動電圧V2は、たとえば4.2Vであり、腐蝕防止電流を通電させるか否かを判定するための基準電圧である。本実施の形態では、比較部分圧回路151bは、2つの抵抗が直列的に電気的に接続され、その一端が電源ライン124に、他端が接地されている。
腐蝕除去信号生成部152は、腐蝕除去信号を生成する回路である。腐蝕除去信号は、腐蝕防止電流通電状態と接点論理判定状態とを切換えるタイミングを与えるための信号である。本実施の形態では、腐蝕除去信号生成部152は、AND回路が含まれている。腐蝕除去信号生成部152は、その一方の入力端子に電圧比較部151の出力端子、すなわちコンパレータ151aの出力端子が電気的に接続され、他方の入力端子に発振手段131が電気的に接続されている。腐蝕除去信号生成部152の出力端子は、通電状態切換部154に電気的に接続されている。通電状態切換部154は、腐蝕除去信号生成部152から出力される腐蝕除去信号に基いて、電源ライン124と電流制限抵抗144との間の導通状態を切換可能に構成されている。
接点論理判定手段130は、検出導電路125の電圧、すなわち入力端子132の電圧に基いて、スイッチング素子121の接点121aの接点論理を、間歇的に判定する機能を有する。本実施の形態では、接点論理判定手段130は、接点論理判定部161と判定結果出力部162とを有する。接点論理判定部161は、コンパレータ161aと判定部分圧回路161bとを含む。
コンパレータ161aは、非反転入力端子に検出導電路125が電気的に接続され、反転入力端子に判定部分圧回路161bが電気的に接続されている。コンパレータ161aの出力端子には、判定結果出力部162が電気的に接続されている。判定部分圧回路161bは、いわゆる分圧回路であり、電源ライン124に印加される電圧を分圧して接点論理基準電圧V3を生成し、コンパレータ161aの反転入力端子に接点論理基準電圧V3を印加する機能を有する。接点論理基準電圧V3は、たとえば7Vであり、論理判定電流を通電したときに、スイッチング素子121の接点121aが接続されているか否かを判定するための基準電圧である。本実施の形態では、判定部分圧回路161bは、2つの抵抗が直列的に電気的に接続され、その一端が電源ライン124に、他端が接地されている。
判定結果出力部162は、接点論理判定状態における、スイッチング素子121の接点121aの接点論理を出力する機能を有する。本実施の形態では、判定結果出力部162は、D型フリップフロップを含み、一方の入力端子であるD端子が接点論理判定部161の出力端子、つまりコンパレータ161aの出力端子に、他方の入力端子であるCLK端子に発振手段131が電気的に接続されている。判定結果出力部162の出力端子であるQ端子が、マイコンに電気的に接続されている。判定結果出力部162は、CLK端子に入力されるFFCLK信号に基いて、D端子に入力される信号をQ端子から出力する。
図34は、発振手段131から発振されるIPLUSE信号165およびFFCLK信号166の変化のタイミングを示す図である。図34は、横軸が経過時間であり、縦軸がHiレベルおよびLoレベルを示している。タイミング信号生成手段である発振手段131は、いわゆる発振回路であり、IPLUSE信号165およびFFCLK信号166を発振可能に構成されている。発振手段131は、たとえば発振回路によって構成される。ただし発振回路に限定されず、中央演算処理装置(Central Processing Unit:略称CPU)であってもよい。タイミング信号であるIPLUSE信号165は、図34(a)に示すように、周期的に信号レベルがHiおよびLoに切換わる信号であり、発振手段131から腐蝕除去信号生成部152の他方の入力端子に伝送され入力される。
発振手段131と判定結果出力手段162との間には、Delay回路191が介在している。FFCLK信号166は、周期的に信号レベルがHiおよびLoに切換わる信号であり、図34(b)に示すように、発振手段131から出力されるIPLUSE信号165がLoレベルに立ち下がったことを、すなわち通電状態切換手段29のスイッチがオフ状態になったことをトリガとして、数μsの安定期間を経過後に、LoレベルからHiレベルに立ち上がる信号である。FFCLK信号166は、判定結果出力部162のCLK端子に伝送され入力される。
本実施の形態では、IPLUSE信号165およびFFCLK信号166は、その周期を数百μsである。IPLUSE信号165は、HiおよびLoレベルが数十μs毎に切換わるデューティー比が50%の信号である。FFCLK信号166は、そのデューティー比が10%の信号である。デューティー比は、1周期のうちHiレベルの信号が発振される期間の占める割合である。ただし周期に限定されず、デューティー比も50%および10%に限定されない。
電源ライン124、検出導電路125、論理判定電流通電手段126、腐蝕防止電流通電手段127、サージ保護手段128、腐蝕検出手段129、接点論理判定手段130、発振回路131および入力端子132を含む回路が信号処理回路である腐蝕防止回路164に相当し、本実施の形態では、集積回路122に腐蝕防止回路164が含まれている。
シリーズ抵抗123は、集積回路122とスイッチング素子121との間に、直列的に接続される抵抗である。シリーズ抵抗は、数kΩであり、たとえば1kΩであり、接点21aの腐蝕を除去するような腐蝕防止電流が流れるように設定されているとともに、スイッチング素子に腐蝕防止電流が通電する際、集積回路122内に印加する電圧、具体的には、検出導電路125に印加される電圧を低減させる機能と、検出導電路125に信号処理回路22の外部から印加されるサージを低減し、前記サージに起因するサージ破壊を抑制する機能とを有する。シリーズ抵抗123は、前記2つの機能を達成する抵抗である。したがって1つのシリーズ抵抗23だけで、腐蝕防止電流の電流値が設定され、かつサージ低減値が設定される。
以下では、スイッチング素子121の2つの接点を接触させた場合の、信号処理装置120の動作および接点論理を判定する動作を説明する。まず検出導電路125が接点論理基準電圧V3未満であると、Loレベルの信号がコンパレータ151aから腐蝕除去信号生成手段152に入力される。腐蝕除去信号生成部152は、Loレベルの信号を通電状態切替部154に出力する。通電状態切換部154は、Loレベルの信号に基いて、電源ライン124と電流制限抵抗144との間を非導通状態に切替える。このように非導通状態になると、論理判定電流通電手段126によって、電源ライン124から検出導電路125に論理判定電流が供給される。この論理判定電流は、論理判定電流調整部142によって、その電流値が調整されている。
具体的には、まず下流側FET142bのソースの電圧が制限電圧V1未満であるので、オペアンプ142cからHiレベルの信号が出力され、下流側FET142bのソース−ドレイン間が導通される。これによって論理判定電流が流れると、電源ライン124から上流側および下流側FET142a,142bならびに抵抗200を通る電流が流れる。このように電流が流れることによって、下流側FET142bのソースの電圧が制限電圧V1以上になると、オペアンプ142cからLoレベルの信号が出力され、下流側FET142bのソース−ドレイン間を流れる電流量が制限される。これによって上流側FET142aのドレインと下流側FET142bのドレイン間に印加する電圧が低下する。このような電圧の低下にともなって、論理判定電流通電部141のゲートに印加する電圧が減少し、論理判定電流通電部141のソース−ドレイン間を流れる論理判定電流の電流値が減少する。このようにして電源ライン124から上流側および下流側FET142a,142bならびに抵抗200を通って接地に流れる電流の電流値に基いて、論理判定電流の電流値を制限している。つまり抵抗200の抵抗値によって、論理判定電流の電流値の上限値を設定することができ、電源ライン124の電圧の電圧値が異常に大きくなり、論理判定電流の電流値が大きくなることを抑制できる。これによってサージ破壊を抑制できる。
次にスイッチング素子121の接点の腐蝕が進行すると、検出導電路125の電圧が上昇する。検出導電路125の電圧が上昇し、基準駆動電圧V2以上になると、コンパレータ151aからHiレベルの信号が出力され、腐蝕除去信号生成部152の一方の入力端子に入力される。腐蝕除去信号生成部152の他方の入力端子には、発振手段131から出力されるIPLUSE信号165が入力されている。このIPLUSE信号165がHiレベルになると、腐蝕除去信号生成部152の出力端子から腐蝕除去信号が通電状態切換部154に出力する。通電状態切換部154は、この腐蝕除去信号に基いて、電源ライン124と電流制限抵抗144との間を導通させる。このように通電状態切換部154の導通状態が切換わると、腐蝕防止電流通電手段127によって、検出導電路125に腐蝕防止電流が供給され、通電状態切換部154、電流値制限手段146およびシリーズ抵抗123を介してスイッチング素子121の接点121aに腐蝕防止電流が通電される。このようにHiレベルのIPULSE信号165が発振手段131から出力されると、腐蝕防止電流がスイッチング素子121に通電される腐蝕防止電流通電状態になる。このときシリーズ抵抗23を介しているので、腐蝕防止電流の電流値が、予め定められる電流値を越えないように制限されている。
この状態において、発振手段131からLoレベルのIPULSE信号165が腐蝕除去信号生成部152が入力されると、コンパレータ151aからHiレベルの信号があっても、腐蝕除去信号生成部152は、通電状態切替部154にLoレベルの信号を出力する。通電状態切換部154は、Loレベルの信号に基いて、電源ライン124と電流制限抵抗144との間を非導通状態に切替える。つまり接点腐蝕状態が検出されている間も常時通電しているわけではなく、IPULSE信号165に同期して通電・非通電が繰返される。このように非導通状態になると、論理判定電流通電手段126によって、電源ライン124から検出導電路125に論理判定電流が供給される。論理判定電流は、検出導電路125を介してスイッチング素子121の接点121aおよびコンパレータ161aの非反転入力端子に通電される。コンパレータ161aは、検出導電路125の電圧が接点論理基準電圧V3以上か否かを判定する。検出導電路125の電圧が接点論理基準電圧V3以上であれば、コンパレータ161aは、スイッチング素子121の接点121aが接続されていないと判定し、接点論理判定部161の出力は、判定結果出力部162のD端子に入力されるHiレベルの信号を出力する。この信号は、判定結果出力部162のD端子に入力される。検出導電路125の電圧が接点論理基準電圧V3未満であれば、コンパレータ161aは、スイッチング素子121の接点121aが接続されていると判定し、マイコン192にLoレベルの信号を出力する。この信号は、判定結果出力部162のD端子に入力される。このようにして接点論理を判定する。
判定結果出力部162は、発振手段131から発振されるFFCLK信号166がLoレベルからHiレベルに切換わると、D端子に入力される信号と同レベルの信号を、すなわち接点論理の判定結果をQ端子から出力する。FFCLK信号166は、Delay回路191によって、IPULSE信号165がLoレベルのとき、一時的にLoレベルからHiレベルに切替わる。したがって検出導電路125に論理判定電流が供給されているときに、判定結果出力部162から接点論理を表す電気信号が出力される。このように発振手段131からLoレベルのIPULSE信号165が出力されると、スイッチング素子121の接点121aの接点論理を判定する接点論理判定状態になる。
以下では、このような構成を有する信号処理装置120が奏する効果について説明する。本実施の形態の信号処理装置120によれば、スイッチング素子121の接点121aと入力端子132との間にシリーズ抵抗123を介在させることによって、腐蝕防止電流の電流値を決定する抵抗、および集積回路122の破壊を抑制するための抵抗の機能をシリーズ抵抗123に兼ね備えさせることができ、かつ信号処理装置120の部品点数を低減することができる。これによって信号処理装置120の構成を簡単化することができる。さらに前記2つの抵抗の機能をシリーズ抵抗123に兼ね備えさせることによって、熱源を少なくすることができる。
また信号処理装置120は、サージによってサージ保護手段128が破壊した場合、入力端子に印加する電圧を低減させ、シリーズ抵抗123によって集積回路122のサージ破壊を抑制することができる。したがってシリーズ抵抗123を設けることによって、安全性を高めることができる。さらにこのような腐蝕防止電流の電流値を決定するためのシリーズ抵抗123をディスクリート部品として設けるので、発熱量が大きな発熱源を、複数の発熱源を備える集積回路122の外部に配置することができ、集積回路122の発熱を抑制できる。
本実施の形態の信号処理装置120によれば、腐蝕防止電流を通電し腐蝕を除去する期間と、論理判定電流を通電し接点論理を判定する期間とを分離することによって、腐蝕防止電流より電流値が小さい論理判定電流によってスイッチング素子121の接点121aの接点論理を判定できる。このように論理判定電流を通電することによって、抵抗値の大きなシリーズ抵抗を介在させても、検出導電路125に印加される電圧の上昇を検出し、接点論理を判定することができる。これによって抵抗値の大きなシリーズ抵抗123をスイッチング素子121の接点121aと入力端子132との間に介在させ、前記2つの機能を兼ね備えさせても、良好にスイッチング素子121の接点121aの接点論理を判定することができる。
本実施の形態の信号処理装置120によれば、シリーズ抵抗123として大きな抵抗値の抵抗を用いることができる。これによって入力端子132に印加する電圧を低減させ、集積回路122のサージ破壊を抑制することができる。したがってシリーズ抵抗123を設けることによって、安全性を高めることができる。
本実施の形態の信号処理装置120によれば、腐蝕防止電流通電状態と接点論理判定状態とを周期的に切換え、スイッチング素子121の接点121aの接点論理を定期的に判定することが実現される。
本実施の形態の信号処理装置120によれば、判定結果出力部162によって接点論理判定状態における判定結果を出力するので、出力に腐蝕防止電流通電状態における判定結果と接点論理判定状態における判定結果とが混在せず、スイッチング素子121の接点121aの接点論理を判定することが容易である。
本実施の形態の信号処理装置120によれば、判定結果出力部162は、FFCLK信号166に基いて、出力される。FFCLK信号166は、IPLUSE信号165がHiからLoレベルに切替わる、つまり接点論理判定状態に切替ってから遅延時間経過後に、LoからHiレベルに切替える、つまり判定結果を出力させる。遅延時間を設けることによって、腐蝕防止電流を通電停止後に検出導電路125に残存する電荷を可及的に取除き、接点論理の誤判定を抑制している。
本実施の形態の信号処理装置120によれば、腐蝕防止機能を有する集積回路122とシリーズ抵抗123とを有する制御ユニット140を実現することができる。
本実施の形態の信号処理装置120によれば、腐蝕となり得る状態が検出されている間も、通電・非通電させることにより、腐蝕があるときに常時通電させている場合に比べて無駄に電流を消費させることなく、効率よく腐蝕を防止することができる。
図35は、実施の第10の形態の信号処理装置120Aの電気回路を示す回路図である。実施の第10の形態の信号処理装置120Aは、実施の第9の形態の信号処理装置120と構成が類似している。したがって実施の第10の形態の信号処理装置120Aの構成について、実施の第9の形態の信号処理装置120の構成と異なる点について説明し、同一の点については同一の符号を付して、その説明については省略する。信号処理装置120Aには、集積回路122Aとシリーズ抵抗123とが含まれている。集積回路122Aには、基本的に、電源ライン124、検出導電路125、論理判定電流通電手段126、腐蝕防止電流通電手段127、サージ保護手段128、腐蝕検出手段129、接点論理判定手段130A、発信回路131Aおよび入力端子132を含む腐蝕防止回路164Aが含まれている。
接点論理判定手段130Aは、接点論理判定部161を含み、入力端子との間に減電圧部170とが介在する。減電圧部170は、アナログ−ディジタルコンバータのサンプルホールドと等価の回路を有し、検出導電路125に流れる電流のうち高周波成分を保持し、電圧を低減する機能を有する。減電圧部170は、コンパレータ170aとコンデンサ170bと基準電源170cとを含む。コンパレータ170bの非反転入力端子に検出導電路125が電気的に接続されている。コンデンサ170bは、コンパレータ170aの非反転入力端子に対して並列に検出導電路125に接続され、接地されている。基準電源170cは、コンパレータ170aの反転入力端子に電気的に接続され、コンパレータ170aの非反転入力端子に基準電圧を印加している。コンパレータ170aの出力端子は、接点論理判定部161のコンパレータ161aの非反転入力端子に電気的に接続されている。
発振手段131Aは、デューティー比が、たとえば10%のIPLUSE信号を腐蝕除去信号生成部152に与える。ただしデューティー比が10%のIPLUSE信号に限定されず、10%以下でもよく、高周波成分を含むIPLUSE信号であればよい。このようにして与えられるIPLUSE信号に基いて、腐蝕防止電流が検出導電路125に供給される。
以下では、減電圧部170および接点論理判定手段130Aの動作について説明する。検出導電路125に論理判定電流が流れると、コンデンサ170bを充電するとともに、コンパレータ170aの非反転入力端子に電圧が印加される。コンパレータ170aは、印加される電圧、すなわち検出導電路125の電圧と基準電圧とを比較する。
検出導電路125の電圧が基準電圧以上の場合、コンパレータ170aからHiレベルの電気信号が出力され、接点論理判定部161の非反転入力端子に入力される。このHiレベルの電気信号の電圧値は、接点論理基準電圧V3より大きく設定され、コンパレータ170aからHiレベルの電気信号が出力されると、接点論理判定部161のコンパレータ161aからHiレベルの電気信号、すなわち接続されていないことを表す信号が出力される。
検出導電路125の電圧が基準電圧未満の場合、コンパレータ170aからLoレベルの電気信号が出力され、接点論理判定部161の非反転入力端子に入力される。このLoレベルの電気信号の電圧値は、接点論理基準電圧V3より小さく設定され、コンパレータ170aからLoレベルの電気信号が出力されると、接点論理判定部161のコンパレータ161aからLoレベル、すなわち接続されていることを表す信号が出力される。
さらに腐蝕防止電流が検出導電路125に流れると、コンデンサ170bが充電される。デューティー比が、たとえば10%の高周波成分を含むIPLUSE信号が発振されているので、腐蝕防止電流の通電時間が短い。したがって腐蝕防止電流によってコンデンサ170bを充分に充電できず、コンパレータ170aの非反転入力端子に印加される電圧が増加しない、すなわち低減される。このように非反転入力端子に印加される電圧が低減されるので、スイッチング素子21の接点21aが接続されており、腐蝕防止電流が通電されるとき、コンパレータ170aは、出力端子からLoレベルの電気信号を、常時出力する。したがって腐蝕防止電流によって接点論理を判定することがなく、腐蝕防止電流通電状態において、接点論理判定部161が接点論理を判定することが阻止されている。
本実施の形態の信号処理装置120Aによれば、腐蝕防止電流通電状態において、減電圧部170によって、電圧を低減することができる。この低減された電圧に基いて、接点腐蝕判定部161がスイッチング素子121の接点121aの接点論理を判定するので、低電圧の領域でスイッチング素子121の接点121aの接点論理を判定することができる。これによって腐蝕防止電流のような大電流が流れて、スイッチング素子121の接点121aの接点論理に高電圧が印加されているときに、前記接点121aの接点論理が判定される。したがって接点論理の誤判定を抑制でき、スイッチング素子121の接点121aの接点論理を判定が容易になる。
本実施の形態の信号処理装置120Aによれば、実施の第9の形態の信号処理装置120と同様の構成によって、実施の第9の形態の信号処理装置120と同様の効果を奏する。
図36は、実施の第11の形態の信号処理装置120Bの電気回路を示す回路図である。実施の第11の形態の信号処理装置120Bは、実施の第9の形態の信号処理装置120と構成が類似している。したがって実施の第10の形態の信号処理装置120Bの構成について、実施の第9の形態の信号処理装置120の構成と異なる点について説明し、同一の点については同一の符号を付して、その説明については省略する。信号処理装置120Bには、集積回路122Bとシリーズ抵抗123とが含まれている。集積回路122Bには、基本的に、電源ライン124、検出導電路125、論理判定電流通電手段126、腐蝕防止電流通電手段127、サージ保護手段128、腐蝕検出手段129、接点論理判定手段130B、発振手段131Aおよび入力端子132を含む腐蝕防止回路164Bが含まれている。
接点論理判定手段130Bは、接点論理判定部161を含み、入力端子132との間にローパスフィルタ171が介在する。ローパスフィルタ171は、検出導電路125と接点論理判定部161の非反転入力端子との間に介在している。ローパスフィルタ171は、本実施の形態では、抵抗171aとコンデンサ171bとを含む。このようなローパスフィルタ171を介在させることによって、通電時間が短い腐蝕防止電流は、ローパスフィルタ171で阻止され、接点論理判定部161に到達しない。したがって腐蝕防止電流が通電されている状態では、接点論理を判定することが阻止される。これによって腐蝕防止電流通電状態において接点論理が判定されることを阻止し、接点論理判定状態でのみ接点論理の判定が行われる。これによって接点論理を判定することが容易である。
図37は、実施の第12の形態の信号処理装置120Cの電気回路を概略的に示す回路図である。実施の第12の形態の信号処理装置120Cは、実施の第9の形態の信号処理装置120と構成が類似している。したがって実施の第10の形態の信号処理装置120Cの構成について、実施の第9の形態の信号処理装置120の構成と異なる点について説明し、同一の点については同一の符号を付して、その説明については省略する。信号処理装置120Cは、実施の第9の形態の信号処理装置120に対して、スパーク吸収手段173が設けられている。腐蝕防止回路164Cには、腐蝕防止回路164に対してスパーク吸収手段173がさらに含まれている。
スパーク吸収手段173は、接点論理判定状態と腐蝕防止電流通電状態とを切換える際、つまり論理判定電流から腐蝕防止電流に通電する電流を切換えるときに発生するスパークを吸収する機能を有する。スパークとは、電流の電流値を急激に変化させたときに、瞬間的に発生する異常電流である。スパーク吸収手段173は、論理判定電流通電手段126および腐蝕防止電流通電手段129と検出導電路125との各接点174,175の間に設けられている。
スパーク吸収手段173は、抵抗173aとコンデンサ173bとを有する。抵抗173aは、検出導電路125に介在し、コンデンサ173bは、抵抗173aより上流側に検出導電路125に並列に接続され、接地されている。このようにして構成されるスパーク吸収手段173は、コンデンサ173bによって、検出導電路125に発生するスパークを吸収する。これによってスパークに起因する集積回路122Cの破壊を防止することができる。さらに本実施の形態の信号処理装置120によれば、スパークを吸収することによって、放出電界強度の悪化を抑制できる。
以下では、実施の第13の形態の信号処理装置120Dについて、図33を参照しつつ説明する。実施の第13の形態の信号処理装置120Dは、実施の第9の形態の信号処理装置120と構成が類似している。したがって実施の第13の形態の信号処理装置120Dの構成について、実施の第9の形態の信号処理装置120の構成と異なる点について説明し、同一の点については同一の符号を付して、その説明については省略する。信号処理装置120Dの集積回路122Dは、複数の腐蝕防止回路164を含む。さらに詳細に説明すると、集積回路122Dには、複数のチャンネルが設けられる、すなわち複数の入力端子132が形成されている。集積回路122Dには、各チャンネル毎に腐蝕防止回路164が形成されている。さらに詳細に説明すると、各腐蝕防止回路164は、電源ライン124および接点論理判定手段130を共有している。集積回路122Dでは、各腐蝕防止回路164が接点論理判定手段130を共有するために、マルチプレクサ(略称:MPX)181が設けられている。MPX181は、各腐蝕防止回路164の検出導電路125に電気的に接続され、その出力が接点論理判定部161の非反転入力端子に電気的に接続されている。MPX181は、接点論理判定部161の非反転入力端子と電気的に接続する検出導電路125を、複数の検出導電路125のうちいずれか1つの検出導電路125に切換える機能を有する。
発振手段131Dは、たとえばCPUであり、IPLUSE信号165、FFCLK信号166および切替信号182を発振可能に構成される。発振手段131Dは、各腐蝕防止回路164の腐蝕除去信号生成部152にIPLUSE信号165を伝送し、判定結果出力部162のCLK端子にFFCLK信号166を伝送する。これによって各腐蝕防止回路164に含まれる通電状態切換手段129は、発振手段131Dから出力されるIPLUSE信号165に基いて、腐蝕防止電流通電状態と接点論理判定状態とを切換える。また発振手段131Dは、さらにMPX181に切替信号182を伝送する。MPX181は、発振手段131Dから出力される切替信号182に基いて、接続する検出導電路125をいずれかの検出導電路125に切換える。
図38は、発振手段131Dから発振されるIPLUSE信号165、FFCLK信号166および切替信号182の変化のタイミングを示す図である。図38は、横軸が経過時間であり、縦軸がHiレベルおよびLoレベルを示している。切替信号182は、IPLUSE信号165に対してHiおよびLoレベルを反転した信号である。MPX182は、切替信号182のレベルがLoからHiに切替ると、接続する検出導電路125を切換える。これによって接点論理判定手段130に電気的に接続される検出導電路125が周期的に切替わる、すなわち接点論理判定手段130に電気的に接続されるスイッチング素子121を周期的に切換えることができる。これによって複数のスイッチング素子121が形成される集積回路122Dであっても、各スイッチング素子121の接点121aの接点論理を判定することができる。
本実施の形態の信号処理装置120Dによれば、各腐蝕防止回路164に含まれる通電状態切換手段129は、発振手段131Dが生成するIPULSE信号165に基いて、腐蝕電流通電状態と接点論理判定状態とを切替える。したがって通電状態切換手段129毎に発振手段131Dを構成する必要がなく、構成を簡単にすることができる。
また本実施の形態の信号処理装置120Dによれば、複数の腐蝕防止回路164が1つの接点論理判定手段130を共有するので、集積回路122Dに複数の腐蝕防止回路164を構成する場合、その部品点数を低減でき、構成を簡単にすることができる。
図39は、発振手段131Dから発振される第2の形態の電気信号の変化のタイミングを示す図である。図39は、横軸が経過時間であり、縦軸がHiレベルおよびLoレベルを示している。発振手段131Dは、3つのIPLUSE信号165a,165b,165cと、FFCLK信号166と、切替信号182を発振可能に構成されている。本実施の形態では、説明の便宜上3つのIPLUSE信号が伝送される場合について説明するけれども、4つ以上であってもよく2つであってもよい。発振手段131Dは、3つのIPLUSE信号165a,165b,165cを互いに異なる腐蝕防止回路164の腐蝕除去信号生成部152に出力している。3つのIPLUSE信号165a,165b,165cは、互いに異なるタイミングで、LoレベルからHiレベルおよびLoレベルからHiレベルに周期的に切替わる。本実施の形態では、3つのIPLUSE信号165a,165b,165cは、互いに異なる時間にHiレベルとなっており、たとえばデューティー比が17%である。切替信号182は、その電圧レベルが、3つのIPLUSE信号165a,165b,165cの電圧レベルと反転するように生成され発振される。具体的には、3つのIPLUSE信号165a,165b,165cのうちいずれかのIPLUSE信号165a,165b,165cがHiレベルになると、切替信号182がLoレベルになる。また3つのIPLUSE信号165a,165b,165cがLoレベルになると、切替信号182がHiレベルになる。したがってMPX181は、いずれかの腐蝕防止回路164が腐蝕防止電流通電状態から接点論理判定状態に切替ると、接続する検出導電路125を切替る。この切換える検出導電路125を、腐蝕防止電流通電状態から接点論理判定状態に切替わった腐蝕防止回路164に含まれる検出導電路125にすることによって、腐蝕防止電流が接点論理判定手段130に通電することを阻止できる。
本実施の形態の信号処理装置120によれば、少なくとも1つの通電状態切換手段129が、他の通電状態切換手段129と異なるタイミングで、腐蝕防止電流通電状態に切換える。これによって同時に複数の腐蝕防止回路164に腐蝕防止電流が通電されることを阻止することができ、同時に複数の腐蝕防止回路164で発熱し、電磁波を発生することを阻止できる。複数の腐蝕防止回路164のうち少なくとも1つの信号処理回路において、他の信号処理回路と異なるタイミングで発熱させ、電磁波を発生させるので、異常発熱を抑制し、放射電界強度の悪化を抑制できる。
本実施の形態の信号処理装置120Dによれば、電圧比較部151の検出結果に基いて、腐蝕防止電流の電流値を変化させることができる。たとえばスイッチング素子の接点の腐蝕が進んでいる場合、腐蝕防止電流の電流値を大きくして腐蝕の除去を促進し、スイッチング素子の接点の腐蝕が除去されていれば、腐蝕防止電流の電流値を小さくして信号処理回路における発熱を抑制することができる。
発振手段131をCPUによって構成し、IPLUSE信号165およびFFCLK信号166のデューティー比を変更可能に構成してもよい。たとえば入力手段を設け、CPUに指令を与え、前記デューティー比を変更させるように構成させればよい。
図40は、発振手段131Dから発振される第3の形態の電気信号の変化のタイミングのを示す図である。図40は、横軸が経過時間であり、縦軸がHiレベルおよびLoレベルを示している。図40に示すように3つのIPLUSE信号165a,165b,165cのデューティー比を83%とし、互いに異なる時間にLoレベルになる。切替信号182は、3つのIPLUSE信号165a,165b,165cのうちいずれかのIPLUSE信号165a,165b,165cがLoレベルになると、切替信号182がHiレベルになる。また3つのIPLUSE信号165a,165b,165cがHiレベルになると、切替信号182がLoレベルになる。さらにMPX181が切換える検出導電路125を、腐蝕防止電流通電状態から接点論理判定状態に切替わった腐蝕防止回路164に含まれる検出導電路125にすることによって、腐蝕防止電流が接点論理判定手段130に通電することを阻止しつつ、接点論理を判定しない状態において、継続的に腐蝕防止電流を通電することができ、効率的に腐蝕防止電流の通電と接点論理の判定を行うことができる。
図41は、実施の第7の形態の信号処理装置120Fに含まれる腐蝕防止電流通電手段127Fおよび通電状態切換手段129Fの電気回路を概略的に示す回路図である。実施の第7の形態の信号処理装置120Fは、実施の第1の形態の信号処理装置120と、腐蝕防止電流通電手段127および通電状態切替手段129の構成が異なる。信号処理装置120Fについては、腐蝕防止電流通電手段127の構成についてだけ説明する。腐蝕防止電流通電手段127Fは、スイッチング素子121の接点121aに通電する腐蝕防止電流の電流値を変えるための回路である。具体的には、腐蝕防止電流通電手段127Fは、第1通電手段197と、第2通電手段198と、第3通電手段199とを有する。
第1通電手段197は、スイッチング素子121の接点121aに電流値I1の腐蝕防止電流を通電する機能を有する。電流値I1は、接点論理判定電流より大きい電流値に設定されている。本実施の形態では、第1通電手段197は、npn型トランジスタ197aと電流値制限抵抗197bとを含む。npn型トランジスタ197aは、エミッタとベースとが電流値制限抵抗197bを介して電気的に接続されており、接点論理判定時の腐蝕防止電流を抑制する。またnpn型トランジスタ197aは、コレクタが電源ライン124に電気的に接続され、エミッタが導電路125に電気的に接続されている。ただしnpn型のトランジスタに限定されず、pnp型のトランジスタであってもよい。
npn型トランジスタ197aのエミッタと導電路125との間には、逆流防止手段145が介在している。本実施の形態では、逆流防止手段145は、ダイオードであり、アノードが第1通電手段127Fに、カソードが導電路125に電気的に接続されており、入力端子132に印加される電圧が上昇した場合に電源ライン124への流入電流を抑制している。
第2通電手段198は、スイッチング素子121の接点121aに電流値I2の腐蝕防止電流を通電する機能を有する。電流値I2は、電流値I1より小さく接点論理判定電流より大きい電流値に設定されている。本実施の形態では、第2通電手段198は、npn型トランジスタ198aと電流値制限抵抗198bと抵抗器198cとを含む。npn型トランジスタ198aは、エミッタとベースとが電流値制限抵抗198bを介して電気的に接続されており、接点論理判定時の腐蝕防止電流を抑制する。またnpn型トランジスタ198aは、コレクタが電源ライン124に電気的に接続され、エミッタが抵抗器198cの一端に電気的に接続されている。電流値制限抵抗198bと抵抗器198cとは、並列に接続されている。ただしnpn型のトランジスタに限定されず、pnp型のトランジスタであってもよい。第2通電手段198の抵抗器198cの他端は、逆流防止手段145に電気的に接続され、逆流防止手段145を介して導電路125に電気的に接続されている。
第3通電手段199、スイッチング素子121の接点121aに電流値I3の腐蝕防止電流を通電する機能を有する。電流値I3は、電流値I2より小さく接点論理判定電流より大きい電流値に設定されている。本実施の形態では、第3通電手段199は、npn型トランジスタ199aと抵抗器199bとを含む。npn型トランジスタ199aは、エミッタとベースとが電流値制限抵抗199bを介して電気的に接続されており、接点論理判定時の腐蝕防止電流を抑制する。またnpn型トランジスタ199aは、コレクタが電源ライン124に電気的に接続され、エミッタが抵抗器199cの一端に電気的に接続されている。電流値制限抵抗199bと抵抗器199cとは、並列に接続されている。ただしnpn型のトランジスタに限定されず、pnp型のトランジスタであってもよい。抵抗器199cの他端は、逆流防止手段145に電気的に接続され、逆流防止手段145を介して導電路125に電気的に接続されている。第3通電手段199の抵抗器199cは、第2通電手段198の抵抗器198cより大きな抵抗値に設定されている。
通電状態切換手段129Fは、腐蝕防止電流通電状態と接点論理判定状態とを切換えるとともに、腐蝕防止電流の電流値を切換えるための回路である。通電状態切換手段129Fは、第1切換手段129aと、第2切換手段129bと、第3切換手段129cとを含む。第1〜第3切換手段129a〜129cは、たとえばスイッチであり、発振手段31からのIPULSE信号のオンオフに同期してスイッチがオンオフするものである。
第1切換手段129aは、第1通電手段197の電流値制限抵抗197bに直列に電気的に接続され、その一端が電源ライン124に、他端が電流制限抵抗197bに電気的に接続される。第1切換手段129aには、第1通電手段197のnpn型トランジスタ197aのベースが電流制限抵抗197bと並列的に接続されている。
第2切換手段129bは、第2通電手段198の電流値制限抵抗198bに直列に電気的に接続され、その一端が電源ライン124に、他端が電流制限抵抗198bに電気的に接続される。第2切換手段129bには、第2通電手段198のnpn型トランジスタ198aのベースが電流制限抵抗199bと並列的に接続されている。
第3切換手段129cは、第3通電手段199の電流値制限抵抗199bに直列に電気的に接続され、その一端が電源ライン124に、他端が電流制限抵抗199bに電気的に接続される。第3切換手段129cには、第3通電手段199のnpn型トランジスタ199aのベースが電流制限抵抗199bと並列的に接続されている。
さらにマイコン192が発振手段31に電気的に接続され、マイコン192は、接点論理判定手段30から出力される判定結果に基いて、スイッチング素子121の接点121aの腐蝕の進行状況を判定し、いずれの第1〜第3通電手段129a〜129cに発振手段31から腐蝕除去信号を伝送すべきかを決定する機能を有する。具体的には、マイコン192は、予め定められる3つの閾値を有し、判定結果、具体的には出力される電圧値が前記3つの閾値のうちいずれの閾値を越えているかを判定する。越えている閾値の数に基いて、スイッチング素子121の接点121aの腐蝕の進行状況を判定し、いずれの第1〜第3通電手段129a〜129cに発振手段31から腐蝕除去信号を伝送すべきかを決定し、決定される第1〜第3通電手段129a〜129cに腐蝕除去信号を伝送する。
このようにして構成される腐蝕防止電流通電手段127Fおよび通電状態切替手段129Fの動作について説明する。マイコン192が腐食の進行状況がかなり進んでいる第1状態の場合、発振手段31から第1切替手段129aに腐蝕除去信号が伝送する。第1切替手段129aは、この信号に基いて、電源ライン124と電流制限抵抗197bとの間を導通する。これによってnpn型トランジスタ197aのコレクタ−エミッタ間が導通し、電流値I1の腐蝕防止電流がスイッチング素子121の接点121aに通電される。
マイコン192が第1状態より腐蝕の進行していない場合、発振手段31から第2切替手段129bに腐蝕除去信号を伝送する。第2切替手段129bは、この信号に基いて、電源ライン124と電流制限抵抗198bとの間を導通する。これによってnpn型トランジスタ198aのコレクタ−エミッタ間が導通し、電流値I2の腐蝕防止電流がスイッチング素子121の接点121aに通電される。
マイコン192が第2状態より腐蝕の進行していない場合、発振手段31から第3切替手段129cに腐蝕除去信号が伝送されると、第3切替手段129cは、この信号に基いて、電源ライン124と電流制限抵抗199bとの間を導通する。これによってnpn型トランジスタ199aのコレクタ−エミッタ間が導通し、電流値I3の腐蝕防止電流がスイッチング素子121の接点121aに通電される。
このようにマイコン192は、判定結果に基いてスイッチング素子121の接点121aの腐蝕の進行状態を検出し、腐蝕の進行状態に応じて、スイッチング素子121の接点121aに通電する腐蝕防止電流の電流値を決定する。
本実施の形態の信号処理装置120Fによれば、発振手段31から腐蝕除去信号を伝送する通電手段を第1〜第3通電手段129a〜129cのうちから選択することによって、3つの異なる電流値I1,I2,I3の腐蝕防止電流を通電することができる。
また本実施の形態の信号処理装置120Fによれば、接点論理判定手段30の判定結果に基いて、腐蝕防止電流の電流値を変化させることができる。たとえばスイッチング素子121の接点121aの腐蝕が進んでいる場合、腐蝕防止電流の電流値を大きくして腐蝕の除去を促進し、スイッチング素子121の接点121aの腐蝕が除去されていれば、腐蝕防止電流の電流値を小さくして信号処理回路における発熱を抑制することができる。
本実施の形態では、接点論理判定状態の場合についてだけ、判定結果を出力させているけれども、腐食防止電流通電状態においても、検出導電路125の電圧値を検出し、この検出された電圧値に基いて、地絡および短絡などを検出し、ダイアグ検出させてもよい。
本実施の形態では、実施の第9の形態の腐蝕防止回路164が複数設けられる場合について説明しているけれども、実施の第10、第11および第12の形態の腐蝕防止回路164A,164B,164Cが複数設けられる集積回路であってもよい。
本実施の形態では、スイッチング素子121の接点がLoサイドに配置されているけれども、Hiサイドに配置されてもよい。
従来の技術の接点腐蝕防止装置1を概略示す回路図である。 経過時間に対する検出導電路5の電位の変化を示すグラフである。 経過時間に対するコンパレータ6の出力変化を示すグラフである。 実施の第1の形態の接点腐蝕防止装置10を概略示す回路図である。 比較切替部12の出力特性を示すグラフである。 経過時間に対する検出電位V0の変化を示すグラフである。 経過時間に対する比較切替部12の出力変化を示すグラフである。 実施の第2の形態の接点腐蝕防止装置10Aを概略示す回路図である。 経過時間に対する検出電位V1の変化を示すグラフである。 経過時間に対する比較切替部12の出力変化を示すグラフである。 実施の第3の形態の接点腐蝕防止装置10Bの経過時間に対する検出導電路17の電流の変化を示すグラフである。 経過時間に対する検出電位V2の変化を示すグラフである。 経過時間に対する比較切替部12Bの出力変化を示すグラフである。 実施の第4の形態の接点腐蝕防止装置10Cを概略示す回路図である。 経過時間に対する検出導電路17の電流の変化を示すグラフである。 経過時間に対する検出電位V3の変化を示すグラフである。 経過時間に対する比較切替部12Bの出力変化を示すグラフである。 実施の第5の形態の接点腐蝕防止装置10Dを概略示す回路図である。 比較切替部12Dの出力特性を示すグラフである。 経過時間に対する検出電位V4の変化を示すグラフである。
経過時間に対する比較切替部12Dの出力変化を示すグラフである。 実施の第6の形態の接点腐蝕防止装置10Eを概略示す回路図である。 経過時間に対する検出電位V5の変化を示すグラフである。 経過時間に対する比較切替部12の出力変化を示すグラフである。 実施の第7の形態の接点腐蝕防止装置10Fを概略示す回路図である。 経過時間に対する検出電位V6の変化を示すグラフである。 経過時間に対する比較切替部12の出力変化を示すグラフである。 実施の第8の形態の接点腐蝕防止装置10Gを概略示す回路図である。 接点腐蝕防止装置10Gの経過時間に対する検出導電路17の電流の変化を示すグラフである。 経過時間に対する検出電位V7の変化を示すグラフである。 経過時間に対する比較切替部12Bの出力変化を示すグラフである。 実施の第9の実施の形態の信号処理装置120を備えるECU140の電気的な構成を示すブロック図である。 実施の第9の実施の形態の信号処理装置120の電気回路を示す回路図である。 発振手段131から発振されるIPLUSE信号165およびFFCLK信号166の変化のタイミングを示す図である。 実施の第10の形態の信号処理装置120Aの電気回路を示す回路図である。 実施の第11の形態の信号処理装置120Bの電気回路を示す回路図である。 実施の第12の形態の信号処理装置120Cの電気回路を概略的に示す回路図である。 発振手段131Dから発振されるIPLUSE信号165、FFCLK信号166および切替信号182の変化のタイミングを示す図である。 発振手段131Dから発振される第2の形態の電気信号の変化のタイミングを示す図である。 発振手段131Dから発振される第3の形態の電気信号の変化のタイミングを示す図である。
実施の第7の形態の信号処理装置120Fに含まれる腐蝕防止電流通電手段127Fおよび通電状態切換手段129Fの電気回路を概略的に示す回路図である。
符号の説明
10 接点腐蝕防止装置
12 比較切替部
14 接点
16 マイコン
17 検出導電路
19 抵抗器
20 スイッチング素子
22 可変インピーダンス手段
30 接地スイッチング素子
120 信号処理装置
121 スイッチング素子
126 論理判定電流通電手段
127 腐蝕防止電流通電手段
129 通電状態切換手段
130 接点論理判定手段
140 電子制御ユニット
191 可変インピーダンス手段

Claims (17)

  1. 被検出値を、接点の腐蝕を判定するための腐蝕スレッショルドおよび接点の回復を判定するための回復スレッショルドと比較して、接点の腐蝕および回復を検出し、
    接点の腐蝕を検出すると、腐蝕防止電流を前記接点に電気的に接続される検出導電路に通電し、
    接点の回復を検出すると、前記接点の接続状態を検出するための電流を前記検出導電路に通電することを特徴とする接点腐蝕防止方法。
  2. 接点に接続される検出導電路と、
    前記検出導電路に接続される可変インピーダンス手段であって、腐蝕防止電流を前記検出導電路に通電する低インピーダンスと前記接点の接続状態を検出するための電流を前記検出導電路に通電する高インピーダンスとを切替え可能な可変インピーダンス手段と、
    被検出値を、接点の腐蝕を判定するための腐蝕スレッショルドおよび接点の回復を判定するための回復スレッショルドと比較し、その比較結果に基づいて前記可変インピーダンス手段を切替える比較切替手段とを含むことを特徴とする接点腐蝕防止装置。
  3. 前記可変インピーダンス手段は、
    前記検出導電路に接続される高インピーダンスのインピーダンス手段と、
    インピーダンス手段と並列して前記検出導電路に接続され、端子間が導通する導通状態と、端子間が非導通する非導通状態とを切替可能な低インピーダンスのスイッチング素子とを備えることを特徴とする請求項2に記載の接点腐蝕防止装置。
  4. 前記被検出値は前記検出導電路の電位であり、
    前記腐蝕スレッショルドは、前記検出導電路の電位と比較して、接点の腐蝕を判定し得る腐蝕電位であり、
    前記回復スレッショルドは、前記検出導電路の電位と比較して、接点の回復を判定し得る回復電位であることを特徴とする請求項2または3に記載の接点腐蝕防止装置。
  5. 前記被検出値は、前記検出導電路の電位および前記検出導電路を流れる電流量であり、
    前記腐蝕スレッショルドは、前記検出導電路の電位と比較して、接点の腐蝕を判定し得る腐蝕電位であり、
    前記回復スレッショルドは、前記検出導電路に通電される腐蝕防止電流の電流量と比較して、接点の回復を判定し得る回復電流量であることを特徴とする請求項2または3に記載の接点腐蝕防止装置。
  6. 前記比較検出手段は、前記検出導電路の電位に基づいて、前記回復電位が変動する機能を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の接点腐蝕防止装置。
  7. (1)前記検出導電路に腐蝕防止電流が通電される時間が予め定められる時間以上、および(2)前記検出導電路に通電される腐蝕防止電流の電流量が予め定められる電流量以上の少なくともいずれか一方を充足すると、腐蝕防止電流の通電を規定の休止時間休止させる休止手段をさらに含むことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つに記載の接点腐蝕防止装置。
  8. 接点に接続される検出導電路と、
    前記検出導電路に接続される可変インピーダンス手段であって、腐蝕防止電流を前記検出導電路に通電する低インピーダンスと前記接点の接続状態を検出するための電流を前記検出導電路に通電する高インピーダンスとを切替え可能な可変インピーダンス手段と、
    被検出値を、接点の腐蝕および回復を判定するための腐蝕回復スレッショルドと比較し、その比較結果に基づいて前記可変インピーダンス手段を切替える比較切替手段と、
    (1)前記検出導電路に腐蝕防止電流が通電される時間が予め定められる時間以上、および(2)前記検出導電路に通電される腐蝕防止電流の電流量が予め定められる電流量以上の少なくともいずれか一方を充足すると、腐蝕防止電流の通電を規定の休止時間休止させる休止手段とを含むことを特徴とする接点腐蝕防止装置。
  9. 前記検出導電路に腐蝕防止電流を通電する通電動作の回数、および休止手段が通電を休止させる休止動作の回数の少なくともいずれか一方を計数する計数手段と、
    前記計数手段の計数結果が規定回数以上になると、通電を停止する停止手段とをさらに含むことを特徴とする請求項7または8に記載の接点腐蝕防止装置。
  10. 腐蝕防止電流の通電を休止する休止動作がなされると、前記接点の入力インピーダンスを下げるインピーダンス低下手段をさらに含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の接点腐蝕防止装置。
  11. 腐蝕防止電流の通電を休止する休止動作および通電を停止する停止動作のうち少なくともいずれか一方がなされると、前記接点の入力インピーダンスを下げるインピーダンス低下手段をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の接点腐蝕防止装置。
  12. 接点は、スイッチの接点であり
    インピーダンス手段は、抵抗器であり、
    スイッチング素子は、電界効果型トランジスタであり、
    比較切替手段は、ヒステリシスを有するコンパレータであることを特徴とする請求項3に記載の接点腐蝕防止装置。
  13. 接点に接続される検出導電路と、
    接点の腐蝕を検出する腐蝕検出手段と、
    腐蝕検出手段の検出結果に基いて、接点の腐蝕となり得る状態にある場合に接点の腐蝕を除去するための腐蝕防止電流を検出導電路に通電する腐蝕防止電流通電手段であって、接点の腐蝕となり得る状態にある場合に腐蝕防止電流を予め定められる通電時間通電すると、腐蝕防止電流の通電を予め定められる休止時間休止する腐蝕防止電流通電手段とを含むことを特徴とする接点腐蝕防止装置。
  14. 接点の電気的な接続状態を判定するための論理判定電流を検出導電路に通電する論理判定電流腐蝕防止電流通電手段と、
    検出導電路の電圧を検出し、この検出結果に基いて接点の電気的な接続状態を判定する接点論理判定手段とをさらに含み、
    論理判定電流通電手段は、腐蝕防止電流の通電が休止している休止状態において、論理判定電流を検出導電路に通電し、
    接点論理判定手段は、休止状態に検出導電路の電圧を検出し、この検出結果に基いて接点の電気的な接続状態を判定することを特徴とする請求項13に記載の接点腐蝕防止装置。
  15. 請求項13または14に記載の接点腐蝕防止装置を備え、接点論理判定手段の判定結果を出力する信号処理装置。
  16. 請求項15に記載の信号処理装置と制御手段とを備え、
    制御手段は、信号処理装置から出力される判定結果に基いて駆動装置を制御することを特徴とする制御ユニット。
  17. 接点の腐蝕を検出し、その検出結果に基いて、接点に腐蝕を除去するための腐蝕防止電流を通電する腐蝕防止電流通電方法であって、
    予め定められる通電時間、腐蝕防止電流を通電すると、腐蝕防止電流の通電を予め定めれる休止時間休止することを特徴する腐蝕防止電流通電方法。
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