JP2006309527A - 盗難防止システム - Google Patents
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Abstract
【課題】盗難防止対象物の異常な動き検知し、担当者による書類等の閲覧や正常な移動と盗難者による書類等の無断閲覧や異常な移動とを区別し、盗難を防止する。
【解決手段】本発明の一態様は、盗難防止対象物4にセンサユニット2を装着し、当該センサユニット2とセンタ装置1とが通信自在に構成された盗難防止システムであり、センサユニット2が加速度センサ251を有し、センタ装置1が、上記加速度データが所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内にない場合には所定時間以上経過した場合、或いは上記加速度データの2重積分値が所定の閾値を超えた場合に盗難防止対象物に異常が発生したものと判定するセンサデータ収集処理部15を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の一態様は、盗難防止対象物4にセンサユニット2を装着し、当該センサユニット2とセンタ装置1とが通信自在に構成された盗難防止システムであり、センサユニット2が加速度センサ251を有し、センタ装置1が、上記加速度データが所定範囲内にあるか否かを判断し、所定範囲内にない場合には所定時間以上経過した場合、或いは上記加速度データの2重積分値が所定の閾値を超えた場合に盗難防止対象物に異常が発生したものと判定するセンサデータ収集処理部15を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、加速度センサの出力に基づいて盗難防止対象物の異常を検知し、盗難を防止する盗難防止システムに関する。
従来、加速度センサを用いた盗難防止システムについては種々の提案がなされている。
例えば特許文献1では、通常動かされることのない書類等の物品の盗難を検知するために、加速度センサを物品に装着させ、加速度センサの計測値が一定値を超えた場合に盗難であるものと判定し、盗難情報を送信する技術が開示されている。
特開平10−111991号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、通常は動かされることのない物品の盗難を目的としていることから、その構成では正当権限者が適宜閲覧や移動を行なうこともあり得る物品等について正常な移動と盗難とを区別して判断することはできない。
本発明の目的とするところは、書類や物品等といった盗難防止対象物の正当権限者による正当な閲覧や正常な移動と、盗難者による無断閲覧や異常な移動とを区別しつつ、異常の発生を検出し、盗難を防止することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様では、盗難防止対象物に装着したセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成され、当該盗難防止対象物の盗難を防止する盗難防止システムであって、加速度センサと、当該加速度センサにより計測された加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する通信手段とを有するセンサユニットと、上記加速度データの絶対値が所定値を2回以上超えたか否かを判断し、2回以上超えた場合において所定値を超えた時間間隔の合計が閾値以上の場合には盗難防止対象物に異常が発生したものと判定する盗難判定手段を有するセンタ装置と、を具備することを特徴とする盗難防止システムが提供される。
本発明の第2の態様では、盗難防止対象物に装着したセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成され、当該盗難防止対象物の盗難を防止する盗難防止システムであって、加速度センサと、当該加速度センサにより計測された加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する通信手段とを有するセンサユニットと、上記加速度データの絶対値が所定値を2回以上超えたか否かを判断し、2回以上超えた場合において所定値を超えた時の時間間隔内で当該加速度データの値を時間積分し、当該積分値が所定の閾値以上である場合には盗難防止対象物に異常が発生したものと判定する盗難判定手段を有するセンタ装置と、を具備することを特徴とする盗難防止システムが提供される。
本発明の第3の態様では、盗難防止対象物に装着したセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成され、当該盗難防止対象物の盗難を防止する盗難防止システムであって、加速度センサと、当該加速度センサにより計測された加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する通信手段とを有するセンサユニットと、上記加速度データの絶対値が所定値を2回以上超えたか否かを判断し、2回以上超えた場合において所定値を超えた時間間隔の合計が閾値以上の場合には盗難防止対象物に異常が発生したものと判断し、所定値を超えた時間間隔の合計が閾値以下の場合には、所定値を超えた時の時間間隔内で当該加速度データの値を時間積分し、当該積分値が所定の閾値以上である場合には盗難防止対象物に異常が発生したものと判定する盗難判定手段を有するセンタ装置と、を具備することを特徴とする盗難防止システムが提供される。
本発明によれば、書類や物品等といった盗難防止対象物の正当権限者による正当な閲覧や正常な移動と、盗難者による無断閲覧や異常な移動とを区別しつつ、異常の発生を検出し、盗難を防止する盗難防止システムを提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
この実施の形態に係る盗難防止システムは、関係者が書類閲覧や物品確認等のために物品等を動かす正常な動きと、盗難者が一時的に盗み出し不正に閲覧等する異常な動きとを区別し、後者の場合に盗難情報をセンタ装置に送信し、警告を行なうものである。
即ち、本システムは、書類や物品等が移動することにより当該書類や物品等の盗難防止対象物に装着された加速度センサの計測値が一定値を超えたときから一定値を超える時間が閾値以上を経過している場合、或いは更に加速度センサの計測値を2重積分することにより算出される移動距離が閾値を超えている場合、及び双方の場合に異常な動きが発生したものと判定し、盗難情報をセンタ装置に送信し、警告を行なうものである。尚、2重積分は、書類や物品等の盗難防止対象物が静止状態から動き始めた移動距離、つまり書類や物品等を盗難者が不正に閲覧等するために持ち歩いた距離に相当する。
(第1の実施の形態)
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る盗難防止システムの概念図を示し説明する。
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る盗難防止システムの概念図を示し説明する。
この盗難防止システムでは、盗難防止を図る対象である書類や物品等である盗難防止対象物4にセンサユニット2を装着しており、当該センサユニット2がセンタ装置1と通信自在に構成されている。尚、センタ装置1とセンサユニット2とが中継器を介して通信を行うように構成してもよいことは勿論である。
図1のセンタ装置1は、アンテナ部11と、信号分配部12、受信部13、送信部14、センサデータ収集処理部15、センサ制御部16とで構成されている。
そして、このセンサデータ収集処理部15の詳細な構成は図2に示される。
即ち、センサデータ収集処理部15は、加速度データ記憶部111と、データ平均化処理部112と、盗難判定部113、警告部114とで構成されている。
このような構成において、アンテナ部11は、センサ制御部16からの制御信号を送信する送信アンテナ機能とセンサユニット2からのセンシング信号を受信する受信アンテナ機能とを有する。この両機能の切り換えはアンテナ部11に接続されたサーキュレータ等からなる信号分配部12が行う。受信部13は、センサユニット2から無線ネットワークやアンテナ部11を介して送信された無線信号を受信した後、当該無線信号を復調し、この復調により得られるセンシング信号をセンサデータ収集処理部15へ出力する。
送信部14は、センサ制御部16から出力された制御信号を変調した後、無線信号に変換し、この無線信号をアンテナ部11から無線ネットワークを介してセンサユニット2に向けて送信することになる。このセンサ制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)を備えたものであり、センサユニット2によるセンシング開始やセンシング周期に関する指令を含む制御信号を出力する。
センサデータ収集処理部15は、受信したセンシング信号から盗難防止対象物4の状態(正常/異常)を判定する部分である。本実施の形態では、盗難防止対象物4の状態を検出することで盗難等の緊急事態の発生を検知するのが目的なので、センタ装置1は、センサユニット2からのセンシング信号を継続して受信する。受信部13から加速度データとしてのセンシング信号を受信すると、センサデータ収集処理部15内では、この加速度データを加速度データ記憶部111に一時記憶する。次に、記憶されている加速度データを適宜読み出し、データ平均化処理部112において移動平均等の手法によりデータの平均化を行う。ここでの平均化処理は不要な成分を除外するために行われるものであり、状態の検出に必須の処理ではないことは勿論である。次に、平均化された加速度データに基づいて、盗難判定部113が詳細は後述するようにして、盗難防止対象物4の状態より盗難等の緊急事態が発生しているか否かを判定する。そして、盗難等が発生したものと判断された場合には、後段の警告部114が音声等により警告を行う。このとき、警告部114に通信機能をもたせ、外部の緊急対策本部に通信で警告信号を発し、当該外部にてあわせて警告を行うようにしてもよいことは勿論である。また、この警告は、上記音声出力以外にランプ等の点灯、表示モニタ上での警告表示等によることとしてもよい。
一方、図1示されるように、センサユニット2は、アンテナ部21とセンシング信号送信部22、センサ駆動信号受信部23、センサ駆動制御部24、センサ本体25、バッテリ26とを備える。
ここで、図3にはセンサユニット2の構成要素であるセンサ駆動制御部24とセンサ本体25との詳細な構成を示し説明する。この図3に示すように、センサ本体25は加速度センサ251を有する。一方、センサ駆動制御部24は、中央処理装置(CPU)243と、記憶部242、クロック信号発生部245、AD変換部241、サーバ・プログラミング・インターフェース(SPI)244とで構成されている。
このような構成において、クロック信号発生部245は、CPU243のクロック制御信号に基づいて所定周期のクロック信号を発生する。記憶部242は、CPU243により実行されるプログラムや設定データ等を記憶している。CPU243は、センサ本体25の加速度センサ251を始めとして、センシング信号送信部22、センサ駆動信号受信部23を駆動制御するもので、上述したセンタ装置1から送られてくるセンシング開始やセンシング周期等の指令の内容を不図示のメモリに記憶する。
CPU243は、この保存された指令と記憶部242に記憶された設定データに基づいてクロック制御信号を生成してクロック信号発生部245に出力する。クロック信号発生部245より発生されるクロック信号により、駆動信号として、センシング開始及びセンシング周期に関する信号を生成する。AD変換部241は、CPU243からの制御信号により駆動される加速度センサ251からの加速度データをデジタル信号に変換するもので、CPU243よりSPI244を介してセンシング信号として出力する。
なお、CPU243から加速度センサ251に供給する駆動信号としてはスタンバイ信号が用いられる。加速度センサ251は、スタンバイ信号が“H”レベルになるとセンシングを行う動作状態となり、”L“レベルになると非動作状態、つまり電力消費量の少ないスタンバイ状態となる。バッテリ26は、例えばボタン型リチウム電池からなり、DC電圧を、センサ本体25、センサ駆動制御部24、センシング信号送信部22、及びセンサ駆動信号受信部23に駆動電源として供給する。
図4にはセンサユニット2の構成要素であるセンシング信号送信部22とセンサ駆動信号受信部23の詳細な構成を示し説明する。
この図4に示すように、センシング信号送信部22は、SPI221とデジタル信号制御部222、信号変調部223、混合部224、電力増幅部225、送受信信号分配部226とを備えている。また、センサ駆動信号受信部23は、水晶発振器232と位相安定化回路234、電圧制御形発振器236、低雑音増幅部238、混合部237、信号復調部235、デジタル信号制御部233、SPI231とを備えている。
このような構成において、センシング信号送信部22は、センサ駆動制御部24からのセンシング信号をSPI221を介してデジタル信号制御部222に取り込み、信号変調部223でデジタル変調、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調し、混合部224にて電圧制御型発信器236の出力と混合した所定周波数に変換してセンシングデータを作成し、当該センシングデータを電力増幅部225で電力増幅し、送受信信号分配部226よりアンテナ部21を介して、センタ装置1に向け送信させる。
一方、センサ駆動信号受信部23は、センタ装置1から送られた無線信号をアンテナ部21で受信すると、送受信信号分配部226で分配し、低雑音増幅部238でフィルタリングした後、混合部237に取り込む。そして、当該混合部237にて、無線信号を電圧制御型発振器236の出力と混合した所定周波数に変換した後、信号復調部235でデジタル復調し、このデジタル復調により得られた制御信号をデジタル信号制御部233よりSPI231を介してセンサ駆動制御部24に供給する。
以下、本実施の形態に係る盗難防止システムによる特徴的な作用を説明する。
この実施の形態に係る盗難防止システムでは、加速度センサ251の加速度データ(計測値)が予め定められた閾値を超えてから所定時間以上経過した場合、或いは加速度センサ251の加速度データの2重積分値が予め定められた所定値を超えた場合、或いは双方の場合に盗難であると判定することを特徴とする。
以下、これら各動作について詳述する。
先ず、図5のフローチャートを参照して、加速度センサ251の計測値の変化の時間経過に基づく盗難防止動作について説明する。
動作を開始すると、センタ装置1では、センサユニット2の加速度センサ251の計測値、つまり加速度データをセンシング信号として、アンテナ部11を介して受信部13が受信する(ステップS1)。そして、この加速度データをセンサデータ収集処理部15の加速度データ記憶部111が一時記憶する(ステップS2)。続いて、データ平均化処理部112がこの加速度データの平均化を行い(ステップS3)、この平均化された加速度データを所定の時間毎に分割して盗難判定部113に含まれる不図示の記憶部に記憶する(ステップS4)。そして、盗難判定部113は、この分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えたか否かを判断する(ステップS5)。
このステップS5において、分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えない場合には、盗難判定部113は異常が発生していないものと判断し、上記ステップS2に戻り上記動作を繰り返す。一方、分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えた場合には、盗難判定部113は加速度データが最初に所定値を超えた時と最後に所定値を超えた時との時間間隔が所定値を超えたか否かを判断する(ステップS6)。このステップS6において、加速度データが最初に所定値を超えた時と最後に所定値を超えた時との時間間隔が所定値を超えたと判断した場合には、警告部114が盗難発生警報を発し(ステップS7)、動作を終了する。一方、この時間間隔が所定値を超えないと判断した場合には、盗難判定部113は、正常に閲覧されているものと判断し(ステップS8)、上記ステップS2に戻り上記動作を繰り返す。
次に図6のフローチャートを参照して、加速度センサ251の計測値、つまり加速度データの2重積分値に基づく盗難防止動作について説明する。
動作を開始すると、センタ装置1では、センサユニット2の加速度センサ251の計測値、つまり加速度データをセンシング信号として、アンテナ部11を介して受信部13が受信する(ステップS11)。そして、この加速度データをセンサデータ収集処理部15の加速度データ記憶部111が一時記憶する(ステップS12)。続いて、データ平均化処理部112がこの加速度データの平均化を行い(ステップS13)、この平均化された加速度データを所定の時間毎に分割して盗難判定部113に含まれる不図示の記憶部に記憶する(ステップS14)。そして、盗難判定部113は、この分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えたか否かを判断する(ステップS15)。
このステップS15において、分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えない場合には、盗難判定部113は異常が発生していないものと判断し上記ステップS12に戻り上記動作を繰り返す。一方、分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えた場合には、加速度データが最初に所定値を超えた時と最後に所定値を超えた時の時間間隔内で時間に関する2重積分値を算出する(ステップS16)。加速度の時間積分により速度が算出され、当該速度を積分することにより移動距離が算出されるが、2重積分値とは、この移動距離に相当する。つまり、センサユニット2が装着された物品等の盗難防止対象物4の移動距離に相当する。
そして、盗難判定部113は、この2重積分値が予め定められた閾値(一定値)を超えるか否かを判断する(ステップS17)。ここで、保管されているものを正当権限のある者が正常に閲覧する場合は、保管している室内で確認する場合が通常であり、移動距離は当該保管部屋の広さの範囲内であることが予想される。これに対して、保管している室外に持ち出されたりする場合には、当該保管部屋の広さを超えた移動がなされることが予想される。そこで、このような正常な移動、異常な移動を区別し、後者の場合に盗難者による不正な移動であるものと判断すべく、加速度データの値の2重積分値を算出して、盗難防止対象物4の移動距離を判断の要素としているのである。このような観点から正常な移動と異常な移動とを適正に区別できるように上記閾値は定められる。
こうして、2重積分値が閾値を超える場合には、異常な移動、つまり盗難が発生したものとして、警告部114が盗難発生警報を出力し(ステップS18)、本動作を終了することになる。一方、2重積分値が閾値を超えない場合には、正常な移動、つまり正当権限のある者による正常な閲覧であるものと判断し(ステップS19)、上記ステップS2に戻り引き続き盗難防止対象物4のモニタリングを継続することになる。
次に、図7のフローチャートを参照して、加速度センサ251の計測値の変化の時間経過、及び加速度データの2重積分値に基づく盗難防止動作について説明する。
動作を開始すると、センタ装置1では、センサユニット2の加速度センサ251の計測値、つまり加速度データをセンシング信号として、アンテナ部11を介して受信部13が受信する(ステップS21)。そして、この加速度データをセンサデータ収集処理部15の加速度データ記憶部111が一時記憶する(ステップS22)。続いて、データ平均化処理部112がこの加速度データの平均化を行い(ステップS23)、この平均化された加速度データを所定の時間毎に分割して盗難判定部113に含まれる不図示の記憶部に記憶する(ステップS24)。そして、盗難判定部113は、この分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えたか否かを判断する(ステップS25)。
このステップS25において、分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えない場合には、盗難判定部113は異常が発生していないものと判断し上記ステップS22に戻り上記動作を繰り返す。一方、分割された時間間隔内で加速度データの絶対値が2回以上所定値を超えた場合には、盗難判定部113は加速度データが最初に所定値を超えた時と最後に所定値を超えた時との時間間隔が所定値を超えたか否かを判断する(ステップS26)。このステップS26において、加速度データが最初に所定値を超えた時と最後に所定値を超えた時との時間間隔が所定値を超えたと判断した場合、警告部114が盗難発生警報を発し(ステップS27)、動作を終了する。
一方、この時間間隔が所定値を超えないと判断した場合には、加速度データが最初に所定値を超えた時と最後に所定値を超えた時の時間間隔内で時間に関する2重積分値を算出する(ステップS28)。加速度の時間積分により速度が算出され、当該速度を積分することにより移動距離が算出されるが、2重積分値とは、この移動距離に相当する。つまりセンサユニット2が装着された物品等の盗難防止対象物4の移動距離に相当する。
そして、盗難判定部113は、この2重積分値が予め定められた閾値(一定値)を超えるか否かを判断する(ステップS29)。ここで、保管されているものを正当権限のある者が正常に閲覧する場合は、保管している室内で確認する場合が通常であり、移動距離は当該保管部屋の広さの範囲内であることが予想される。これに対して、保管している室外に持ち出されたりする場合には、当該保管部屋の広さを超えた移動がなされることが予想される。そこで、このような正常な移動、異常な移動を区別し、後者の場合に盗難者による不正な移動であるものと判断すべく、加速度データの値の2重積分値を算出して、盗難防止対象物4の移動距離を判断の要素としているのである。このような観点から正常な移動と異常な移動とを適正に区別できるように上記閾値は定められる。
こうして、2重積分値が閾値を超える場合には、異常な移動、つまり盗難が発生したものとして、警告部114が盗難発生警報を出力し(ステップS30)、本動作を終了することになる。一方、2重積分値が閾値を超えない場合には、正常な移動、つまり正当権限のある者による正常な閲覧であるものと判断し(ステップS31)、上記ステップS2に戻り引き続き盗難防止対象物4のモニタリングを継続することになる。
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態に係る盗難防止システムによれば、盗難防止対象物4に装着されたセンサユニット2の加速度センサ251の加速度データが一定値を超える時間が予め定められた所定値以上経過した場合、或いは加速度データの2重積分値、つまり盗難対象物4の移動距離が所定の閾値を超えた場合、及びこれら双方の判断結果に基づいて、当該盗難防止対象物4が不正目的で移動されている状況を検知し、センタ装置1側にて警告を発するので盗難を防止することができる。
(第2の実施の形態)
この第2の実施の形態に係る盗難防止システムは、センサユニット100を図8に示されるように構成したものである。即ち、この構成では、センサ駆動信号受信部23が除かれている。この場合には、対応するセンタ装置1の構成から送信部14、センサ制御部16は除かれることになる。つまり、センサユニット100は、センタ装置1からのセンサ駆動信号を受信することなく、自立的に駆動し、加速度データをセンシング信号としてセンタ装置1に送信することになる。この場合、センサユニット100の加速度センサ251の駆動は、センサ駆動制御部24により実施される。
この第2の実施の形態に係る盗難防止システムは、センサユニット100を図8に示されるように構成したものである。即ち、この構成では、センサ駆動信号受信部23が除かれている。この場合には、対応するセンタ装置1の構成から送信部14、センサ制御部16は除かれることになる。つまり、センサユニット100は、センタ装置1からのセンサ駆動信号を受信することなく、自立的に駆動し、加速度データをセンシング信号としてセンタ装置1に送信することになる。この場合、センサユニット100の加速度センサ251の駆動は、センサ駆動制御部24により実施される。
このほか、第2の実施の形態の特徴的な作用については、前述した第1の実施の形態と同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
以上、本発明の第1及び第2の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、加速度データを2重積分して、当該積分値に基づいて異常な移動、つまり盗難を検知していたが、これに限定されず、加速度データを積分し、速度を算出し、当該速度の情報に基づいて異常な移動、つまり盗難発生の有無を検知するようにしてもよいことは勿論である。この場合は、例えば一定速度以上で移動している時間が所定時間以上継続している場合に盗難が発生しているものと検知すればよい。
さらに、例えば、センタ装置1側のセンサデータ収集処理部15の構成をセンサユニット2内に実装し、センサユニット2の内部で盗難防止対象物4の異常の発生の有無を検出し、その結果に基づいてセンサユニット2自身による警告等を実施するように構成することも可能であることは勿論である。或いは、センサユニット2の内部に加速度データを記憶する記憶部を設け、事後的に当該記憶部に記憶されている加速度データを読み出し、不正発生の有無を確認するようにしてもよいことは勿論である。
さらに、2軸、3軸の加速度センサを採用し当該2軸、3軸の加速度センサの出力を処理し、盗難判定が可能なように構成することは可能である。
1…センタ装置、2…センサユニット、3…中継器、4…盗難防止対象物、11…アンテナ部、12…信号分配部、13…受信部、14…送信部、15…センサデータ収集処理部、16…センサ制御部、21…アンテナ部、22…センシング信号送信部、23…センシング信号受信部、24…センサ駆動制御部、25…センサ本体、26…バッテリ、251…加速度センサ。
Claims (3)
- 盗難防止対象物に装着したセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成され、当該盗難防止対象物の盗難を防止する盗難防止システムであって、
加速度センサと、当該加速度センサにより計測された加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する通信手段とを有するセンサユニットと、
上記加速度データの絶対値が所定値を2回以上超えたか否かを判断し、2回以上超えた場合において所定値を超えた時間間隔の合計が閾値以上の場合には盗難防止対象物に異常が発生したものと判定する盗難判定手段を有するセンタ装置と、
を具備することを特徴とする盗難防止システム。 - 盗難防止対象物に装着したセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成され、当該盗難防止対象物の盗難を防止する盗難防止システムであって、
加速度センサと、当該加速度センサにより計測された加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する通信手段とを有するセンサユニットと、
上記加速度データの絶対値が所定値を2回以上超えたか否かを判断し、2回以上超えた場合において所定値を超えた時の時間間隔内で当該加速度データの値を時間積分し、当該積分値が所定の閾値以上である場合には盗難防止対象物に異常が発生したものと判定する盗難判定手段を有するセンタ装置と、
を具備することを特徴とする盗難防止システム。 - 盗難防止対象物に装着したセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成され、当該盗難防止対象物の盗難を防止する盗難防止システムであって、
加速度センサと、当該加速度センサにより計測された加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する通信手段とを有するセンサユニットと、
上記加速度データの絶対値が所定値を2回以上超えたか否かを判断し、2回以上超えた場合において所定値を超えた時間間隔の合計が閾値以上の場合には盗難防止対象物に異常が発生したものと判断し、所定値を超えた時間間隔の合計が閾値以下の場合には、所定値を超えた時の時間間隔内で当該加速度データの値を時間積分し、当該積分値が所定の閾値以上である場合には盗難防止対象物に異常が発生したものと判定する盗難判定手段を有するセンタ装置と、
を具備することを特徴とする盗難防止システム。
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