JP2006309115A - 立体映像装置 - Google Patents

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一雄 鈴木
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Abstract

【課題】 眼鏡や特殊なディスプレイを用いないで立体視を提供する従来の方式では凹面鏡を用いて観察者の右眼と左眼の各々に共役な位置に映写機を対応させる方式がある。その場合観察者が左右に僅かに動くと観察者に見える映像が大きく動くため、映写機の位置を動きに追従させる必要があった。本発明は装置の一部を観察者の動きに追従させる必要のない方式を提供する。
【解決手段】 集光型スクリーンSを用い、平面図上で右眼の共役位置近傍に十分大きな光路制御物をおいて視線を右眼用画面に導き、同様に左眼の視線を左眼用画面に導く。さらに画面を大きくして映像の動きを抑える。また画面からの光をS上に結像させて映像の動きを止める。さらに眼の移動に伴い視差の異なる画像に次々と移行する方式で眼の可動範囲を広げる。
【選択図】 図1

Description

本発明は立体映像装置に関する。
観察者の右眼に見せるための映像と左眼に見せるための映像を表示して立体映像を提供する方式には眼鏡を要する方式(例えば特許文献1参照)と要しない方式がある。眼鏡を要しない方式として視差バリア方式(例えば、特許文献2及び非特許文献1参照。)およびレンティキュラ方式(例えば、非特許文献1参照。)があり、またシャープのツインLCD方式がある(例えば、非特許文献1参照。)。さらに大型凹面鏡や大型凸レンズを用いる方式がある(例えば、特許文献3および非特許文献2参照。)。また二鏡式ステレオビュアーがある(非特許文献3参照。)。また再帰性反射材を利用した立体視が知られている。(例えば、特許文献4および特許文献5および非特許文献2参照。)
特開平08−334845号公報 特開2001−091898号公報 特開平10−268231号公報 特開平10−186522号公報 特公平05−014882号公報 3D Display Systems DR Nick Holliman,Department of Computer Science,University of Durham,Science Laboratories,South Road,Durham,DH1 3QJ.November 8,2002 (http://www.dur.ac.uk/computer.science/research/technical−reports/2002/tech−report_05_02.pdf)
Figure 2006309115
ステレオグラム・3Dの原理6 (http://www2.aimnet.ne.jp/nakahara/3dart/3genri6.html)
偏光を利用した従来の方式では眼鏡を必要とする。眼鏡を用いない方式のうち、レンティキュラ方式や視差バリア方式に関しては立体視用の特別なディスプレイの製作が必要であり高価なものとなる。すなわち第一に眼鏡や立体視用の特別なディスプレイを必要とするという問題がある。また従来の大型凸レンズや大型凹面鏡を用いる方式は映写機と観察者の眼を共役位置にとるが、映写機の口径は一般的なディスプレイに比して非常に小さいため眼の位置が左右に僅かでも動けば映写機は共役位置から外れるので、映像を提供し続けるためには映写機が追従して動く必要が生じるがその追従の速さには限界があり、また高価な技術が必要となる。すなわち第二に観察者の眼の位置が僅かでも動けば映像を見続けることが困難になるという問題がある。またシャープのツインLCD方式や二鏡式ステレオビュアー方式も同じ問題がある。
本発明の目的は、眼鏡や立体映像用の特殊なディスプレイを用いることなく立体視を実現し、観察者の眼が左右方向に小さく動いても装置の一部を追従させることなく立体視を保つ立体映像装置を提供することにある。
請求項1に記載の本発明は、集光型スクリーンSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、Sの横方向を左右方向またX軸方向とおき、Sの中央Soからの半画角が30度以下でなおかつSoからの距離がSの最短観察距離Loより大きい点の一つPMを定め、PMの右側に20mm以上35mm以下離れた点の一つをERとしPMの左側に20mm以上35mm以下離れた点の一つをELとし、さらにSに関しERと共役な点をCERとしELと共役な点をCELと定め、CERとCEL間の距離をDCEと呼ぶとき、上記光路制御物はMRとMLからなり、上記ディスプレイは1つ以上のディスプレイからなり右眼用画像DRおよび左眼用画像DLを別々の位置に表示し、ERとSoを結ぶ光路の延長上にMRを配置しその後の光路の延長上にDRを配置しこの光路を右光軸と呼び、ELとSoを結ぶ光路の延長上にMLを配置しその後の光路の延長上にDLを配置しこの光路を左光軸と呼び、しかもMRがCER近傍上に位置しMLがCEL近傍上に位置し、MRの横幅が50mmと右拡散値の和以上かつDCEの80%と右拡散値の和以上あり同時にMLの横幅が50mmと左拡散値の和以上かつDCEの80%と左拡散値の和以上あり、これによりERからDRの像が見え同時にELからDLの像が見え、これらDRの像とDLの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であることを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、集光型スクリーンSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、上記光路制御物はレンズを用いるが凹面鏡を用いず、Sの横方向を左右方向またX軸方向とおき、Sの中央Soからの半画角が30度以下でなおかつSoからの距離がSの最短観察距離Loより大きい点の一つPMを定め、PMの右側に20mm以上35mm以下離れた点の一つをERとしPMの左側に20mm以上35mm以下離れた点の一つをELとし、さらにSに関しERと共役な点をCERとしELと共役な点をCELと定め、CERとCEL間の距離をDCEと呼ぶとき、上記光路制御物はMRとMLからなり、上記ディスプレイは1つ以上のディスプレイからなり右眼用画像DRおよび左眼用画像DLを別々の位置に表示し、ERとSoを結ぶ光路の延長上にMRを配置しその後の光路の延長上にDRを配置しこの光路を右光軸と呼び、ELとSoを結ぶ光路の延長上にMLを配置しその後の光路の延長上にDLを配置しこの光路を左光軸と呼び、しかもMRがCER近傍上に位置しMLがCEL近傍上に位置し、MRの横幅が60mmと右拡散値の和以上かつDCEの80%と右拡散値の和以上あり同時にMLの横幅が60mmと左拡散値の和以上かつDCEの80%と左拡散値の和以上あり、これによりERからDRの像が見え同時にELからDLの像が見え、これらDRの像とDLの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、少なくともMRの中央を通るDRからの光がMRにより進行方向を変えられているか、あるいはMLの中央を通るDLからの光がMLにより進行方向を変えられており、DR及びDLの各々のX軸方向の幅がDCEより大きいことを特徴とする。
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、少なくともMRの中央を通るDRからの光がMRにより進行方向を変えられているか、あるいはMLの中央を通るDLからの光がMLにより進行方向を変えられており、DR及びDLの各々のX軸方向の幅が65mmより大きいことを特徴とする。
請求項5に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、X軸方向に関するMRの焦点距離がDRの光をS上に結像させる値であり、同時にX軸方向に関するMLの焦点距離がDLの光をS上に結像させる値であることを特徴とする。
請求項6に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、MRがDRからの光をX軸方向に関して結像させる点とMRとの距離がMRからSまでの距離の83%以上125%以下であり、同時にMLがDLからの光をX軸方向に関して結像させる点とMLとの距離がMLからSまでの距離の83%以上125%以下であることを特徴とする。
請求項7に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、Sが2つの焦点をもつ回転楕円面型凹面鏡であり、Sの2焦点をA、Bとおくとき、PMをA、Bどちらか一方の位置とすることを特徴とする。
請求項8に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、DRの光がERに達する光路に関してMRが映像の横方向のピントと縦方向のピントを一致させるような横方向の焦点距離と縦方向の焦点距離を有し、DLの光がELに達する光路に関してMLが映像の横方向のピントと縦方向のピントを一致させるような横方向の焦点距離と縦方向の焦点距離を有することを特徴とする。
請求項9に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、閾値THを0以上65mm以下の値とし、Sと観察者間の距離を測定し、SとPM間の距離と測定された値との差がTH以上である場合にその差をTH以下に縮めるようにPM、ER、ELの設定値を更新し、これによりERの共役点CERの位置を更新し同時にELの共役点CELの位置を更新し、そしてMRとCERの距離を更新前後で一定になるようにMRを移動し同時にMLとCELの距離を更新前後で一定になるようにMLを移動し、以上のことを自動で行うことを特徴とする。
請求項10に記載の本発明は、請求項9に記載のものにおいて、仮にSからMRとMLに至る光路上におかれた別の光路制御物の配置を変えずにCERの位置とCELの位置を更新したときのCERの移動量をDISRとしCELの移動量をDISLとおくとき、実際にはSからMRとMLに至る光路上におかれた別の光路制御物の配置を上記測定された値に基づいて変えることにより、CERの移動量を0以上DISR未満に変え同時にCELの移動量を0以上DISL未満に変えることを特徴とする。
請求項11に記載の本発明は、請求項9に記載のものにおいて、Sと観察者の距離を測定する際に観察者からの光がSによって映される像を分析して測定することを特徴とする。
請求項12に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、上記画像表示用のディスプレイは1台でありDRとDLを並べた画像を表示することを特徴とする。
請求項13に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、右眼用画像DRの視界と左眼用画像DLの視界が被写体の中心付近を共有しているが、それより右側はDRだけが有しておりそれより左側はDLだけが有している映像を使用することを特徴とする。
請求項14に記載の本発明は、集光型スクリーンSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、Sの横方向を左右方向またX軸方向とおき、Sの中央Soからの半画角が30度以下でなおかつSからの距離がSの最短観察距離Loより大きい点の一つPMを定め、Sに関しPMと共役な点をCPMとおくとき、上記光路制御物MはCPM上に配置され、さらにMは3個以上の部分M1、M2、…Mnからなり、M1の左端の位置をCP0とおきCP0の共役点をP0とおき、1からnまでの各kに対して、Mkの右端の位置をCPkとおきCPkの共役点をPkとおき、Mkの中央の位置をCQkとおきCQkの共役点をQkとおき、CPnとCP0のX座標の差をPnとP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくとき、CPnとCP0のX座標の差の絶対値は130mmにRTを乗じた値より大きく、2からn−1までの各kに対してCPkとCPk−1のX座標の差の絶対値は70mmにRTを乗じた値未満であり、上記ディスプレイは1つ以上のディスプレイからなり画像D1、D2、…Dnを別々の位置に表示し、1からnまでの各kに対して、QkとSoを結ぶ光路の延長がMkに達した後の延長上にDkを配置しこの光路を光軸kと呼び、これにより観察者の左眼が位置すると想定する位置ELがPk−1からPkの間にある時ELからDkの像が見え、そしてDk−1の像とDkの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であるD1、D2、…Dnを用いることを特徴とする。
請求項15に記載の本発明は、集光型スクリーンSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、上記光路制御物はレンズを用いるが凹面鏡を用いず、Sの横方向を左右方向またX軸方向とおき、Sの中央Soからの半画角が30度以下でなおかつSからの距離がSの最短観察距離Loより大きい点の一つPMを定め、Sに関しPMと共役な点をCPMとおくとき、上記光路制御物MはCPM上に配置され、さらにMは3個以上の部分M1、M2、…Mnからなり、M1の左端の位置をCP0とおきCP0の共役点をP0とおき、1からnまでの各kに対して、Mkの右端の位置をCPkとおきCPkの共役点をPkとおき、Mkの中央の位置をCQkとおきCQkの共役点をQkとおき、CPnとCP0のX座標の差をPnとP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくとき、CPnとCP0のX座標の差の絶対値は195mmにRTを乗じたより大きく、2からn−1までの各kに対してCPkとCPk−1のX座標の差の絶対値は70mmにRTを乗じた値未満であり、上記ディスプレイは1つ以上のディスプレイからなり画像D1、D2、…Dnを別々の位置に表示し、1からnまでの各kに対して、QkとSoを結ぶ光路の延長がMkに達した後の延長上にDkを配置しこの光路を光軸kと呼び、これにより観察者の左眼が位置すると想定する位置ELがPk−1からPkの間にある時ELからDkの像が見え、そしてDk−1の像とDkの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であるD1、D2、…Dnを用いることを特徴とする。
請求項16に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、各Mkは凸レンズと平面鏡と凹レンズを用いており、QkとSoを結ぶ光路を延長するとまず凸レンズUk次に平面鏡Vk次に凹レンズWkを通過した後Dkに向かう構造を有し、このときVkはk毎にその面の方向を替えていることを特徴とする。
請求項17に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、Mkが光軸kの進行方向を変えており、DkのX軸方向の幅が65mmより大きいことを特徴とする。
請求項18に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、X軸方向に関するMkの焦点距離がDkの光をS上に結像させる値であることを特徴とする。
請求項19に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、MkがDkからの光をX軸方向に関して結像させる点とMkとの距離がMkからSまでの距離の91%以上111%以下であることを特徴とする。
請求項20に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、Sが2つの焦点をもつ回転楕円面型凹面鏡であり、Sの2焦点をA、Bとおくとき、PMをA、Bどちらか一方の位置とすることを特徴とする。
請求項21に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、上記ディスプレイDkの光がQkに達する光路に関して上記光路制御物Mkが映像の横方向のピントと縦方向のピントを一致させるような横方向の焦点距離と縦方向の焦点距離を有することを特徴とする。
請求項22に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、閾値THを0以上65mm以下の値とし、Sと観察者間の距離を測定し、SとPM間の距離と測定された値との差がTH以上である場合にその差をTH以下に縮めるようにPMの設定値を更新し、これによりPMの共役点CPMの位置を更新しそこに上記光路制御物Mを移動し、以上のことを自動で行うことを特徴とする。
請求項23に記載の本発明は、請求項22に記載のものにおいて、仮にSからMに至る光路上におかれた別の光路制御物の配置を変えずにCPMの位置を更新したときのCPMの移動量をDISPMとおくとき、実際にはSからMに至る光路上におかれた別の光路制御物の配置を上記測定された値に基づいて変えることにより、CPMの移動量を0以上DISPM未満に変えることを特徴とする。
請求項24に記載の本発明は、請求項22に記載のものにおいて、Sと観察者の距離を測定する際に観察者からの光がSによって映される像を分析して測定することを特徴とする。
請求項25に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、上記画像表示用のディスプレイは1台でありD1、D2、…Dnを並べた画像を表示することを特徴とする。
請求項26に記載の本発明は、請求項14に記載のものにおいて、画像Dkの視界と画像Dk−1の視界が被写体の中心付近を共有しているが、それより右側はDkだけが有しておりそれより左側はDk−1だけが有している映像を使用することを特徴とする。
請求項27に記載の本発明は、スクリーンUSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、上記スクリーンUSは複数の集光型スクリーンS1、S2、…Smからなり、kによらない点PM、ER、ELを定めておき、1からmの各kについてSkをスクリーンSとして請求項1に記載の立体映像を行うことを特徴とする。
請求項28に記載の本発明は、スクリーンUSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、上記スクリーンUSは複数の集光型スクリーンS1、S2、…Smからなり、kによらない点PMを定めておき、1からmの各kについてSkをスクリーンSとして請求項14に記載の立体映像を行うことを特徴とする。
請求項1に記載の本発明の立体映像装置によれば、眼鏡や立体映像用の特殊なディスプレイを用いることなく、観察者がその右眼をERの位置におき左眼をELの位置に置くと立体映像を提供し、さらに観察者の両眼が左右方向に幅50mmにわたって任意に動いても装置の一部をその動きに追従させることなく立体視が保たれる。
請求項2に記載の本発明の立体映像装置によれば、眼鏡や立体映像用の特殊なディスプレイを用いることなく、観察者がその右眼をERの位置におき左眼をELの位置に置くと立体映像を提供し、さらに観察者の両眼が左右方向に幅60mm、但し条件によっては50mm、にわたって任意に動いても装置の一部をその動きに追従させることなく立体視が保たれる。さらに光路制御物として凹面鏡よりもレンズを用いる方が収差を抑える設計の自由度があるという利点がある。
請求項3に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を小さく抑える。
請求項4に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を小さく抑える。
請求項5に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動をほぼ100%除く。
請求項6に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を約80%以上除く。同時に映像の結像位置をSから少しずらすことにより映像がスクリーンから浮き上がった様に見せることと、逆に映像がスクリーンの奥にある様に見せることを選択できる。
請求項7に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、広い視野角にわたって収差を小さく抑えつつSから上記光路制御物までの光路長を長くとることができる。そのため画質を保ちつつ上記光路制御物を観察者から離して煩わしく感じさせなくでき、さらに上記光路制御物が凹面鏡の場合は反射の際の収差を小さく抑え、また上記光路制御物がレンズの場合はレンズに要求されるFナンバーを緩和して設計の自由度をもたせることにより性能向上に役立つ。
請求項8に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、乱視の人が見る映像と同様のボヤケを取り除いた鮮明な映像を提供できる。
請求項9に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、観察者が前後に移動しても立体映像を保つ。
請求項10に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項9の効果に加え、MR、ML、上記ディスプレイが移動する距離を無くすか小さくする。
請求項11に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項9の効果に加え、Sを映像再生のためだけでなく距離測定にも利用して資源を節約できる。そしてカメラのオートフォーカス技術を利用できるので部品の調達が容易である。
請求項12に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、1台のディスプレイで立体映像を提供し資源を節約できる。さらにその結果必要な再生装置が1台で済みメディアも1つで済む点でも資源の節約になる。
請求項13に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、観察者の視野を十分保ちつつディスプレイの大きさを節約し、より重要な画面の中央部に情報量をより多く用いる。
請求項14に記載の本発明の立体映像装置によれば、眼鏡や立体映像用の特殊なディスプレイを用いることなく、観察者がその両眼をPMの近くに置くと立体映像を提供し、さらに観察者の両眼が左右方向に幅65mmにわたって任意に動いても装置の一部をその動きに追従させることなく立体視が保たれる。
請求項15に記載の本発明の立体映像装置によれば、眼鏡や立体映像用の特殊なディスプレイを用いることなく、観察者がその両眼をPMの近くに置くと立体映像を提供し、さらに観察者の両眼が左右方向に幅130mmにわたって任意に動いても装置の一部をその動きに追従させることなく立体視が保たれる。さらに光路制御物として凹面鏡よりもレンズを用いる方が収差を抑える設計の自由度があるという利点がある。
請求項16に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、Dkのサイズを十分大きくすることにより、観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を小さく抑える。
請求項17に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を小さく抑える。
請求項18に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動をほぼ100%除く。特に一方の眼に観察されるDkの像が眼の移動によってDk−1かDk+1に変わる瞬間の映像位置の跳びを除くため眼の動きによって滑らかに異なる視差に移行する。
請求項19に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を約90%以上除く。特に一方の眼に観察されるDkの像が眼の移動によってDk−1かDk+1に変わる瞬間の映像位置の跳びを除くため眼の動きによって滑らかに異なる視差に移行する。同時に映像の結像位置をSから少しずらすことにより映像がスクリーンから浮き上がった様に見せることと、逆に映像がスクリーンの奥にある様に見せることを選択できる。
請求項20に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、広い視野角にわたって収差を小さく抑えつつSから上記光路制御物までの光路長を長くとることができる。そのため画質を保ちつつ上記光路制御物を観察者から離して煩わしく感じさせなくでき、また上記光路制御物がレンズの場合はレンズに要求されるFナンバーを緩和して設計の自由度をもたせることにより性能向上に役立つ。
請求項21に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、乱視の人が見る映像と同様のボヤケを取り除いた鮮明な映像を提供できる。
請求項22に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、観察者が前後に移動しても立体映像を保つ。
請求項23に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項22の効果に加え、Mと上記ディスプレイが移動する距離を無くすか小さくする。
請求項24に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項22の効果に加え、Sを映像再生のためだけでなく距離測定にも利用して資源を節約できる。そしてカメラのオートフォーカス技術を利用できるので部品の調達が容易である。
請求項25に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、1台のディスプレイで立体映像を提供し資源を節約できる。さらにその結果必要な再生装置が1台で済みメディアも1つで済む点でも資源の節約になる。
請求項26に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、観察者の視野を十分保ちつつディスプレイの大きさを節約し、より重要な画面の中央部に情報量をより多く用いる。
請求項27に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項1の効果に加え、装置をコンパクトにできる。
請求項28に記載の本発明の立体映像装置によれば、上記請求項14の効果に加え、装置をコンパクトにできる。
本発明では光路制御物とは光の反射または屈折により光路を制御する物を指す。すなわち鏡、レンズおよびプリズムは光路制御物に分類される。集光型スクリーンとは光の反射または屈折により集光性がある物を指す。すなわち凹面鏡、凸レンズおよび再帰性反射物は集光型スクリーンに分類される。そして本発明では
数1
で表される楕円柱の一部の内側が鏡面である鏡は凹面鏡に分類され、楕円柱型凹面鏡と呼ぶ。さらにフレネルレンズまたはそれと同じ形状のものの表面を金属蒸着することで光学的に同様の鏡を作れるのでこれも楕円柱型凹面鏡に分類する。さらに
数2
で表される楕円面の一部の内側が鏡面である鏡も凹面鏡に分類され、楕円面型凹面鏡と呼ぶ。特にa、bおよびcのうちの2つが等しいときは回転楕円面型凹面鏡と呼ぶ。さらにフレネルレンズまたはそれと同じ形状のものの表面を金属蒸着することで光学的に同様の鏡を作れるのでこれらも対応する同じ分類に含める。
数1
で表される形状は特にaとbが等しいとき円柱の側面となる。
数2
で表される形状は特にa、bおよびcが等しいとき球面となる。楕円柱型凹面鏡には数学的な意味での焦点が2つありこれらをA、Bとおくと、aとbが等しい時はA、Bは重なって1つになる。実際にはA、Bは各々Z軸方向に延びた線分をなすがZが0のときの点で代表する。回転楕円面型凹面鏡は数学的な意味での焦点が2つありこれらをA、Bとおく。ただしSと焦点間に鏡などを挿入すると焦点の位置は光学的に計算された別の位置に移動するとして扱う。またcがa、bに比してかなり大きい場合楕円柱型に模した焦点の定め方をすることもある。a、bおよびcが等しい時はA、Bは重なって1つになる。これとは別に凹面鏡は、正面からそれに平行光をあてたときに集光する点という意味での焦点をもつ。このときの焦点距離をfSとおくと、凹面鏡Sの最短観察距離LoをfSと定める。Sとの距離がLoより大きければその点から発した光はSで反射した後に共役点付近に集められる。尚、点PのSの中央Soからの半画角とは、PとSoを結んだ直線とSoにおけるSの法線とのなす角を表す。
数1
/a + y/b = 1
数2
/a + y/b + z/c=1
図1は、本発明の一実施の形態による立体映像装置の平面図であり、図2は側面図である。ここでX軸は左右方向をY軸は奥行き方向をZ軸は高さ方向を示し、図中に各軸と原点Oが示されている。以下図面にしたがってその構成を説明する。101はスクリーンSでありaを300mm、bを298.2mmとしたときの
数1
で表される楕円柱WSの一部であり、xが−94から94mmの範囲でzが−39から39mmの範囲である。よってz=0の平面とWSの交線が描く楕円形の2つの焦点A、Bの間隔が66mmとなり人の両眼間距離程度となる。左眼が位置すると想定する位置ELつまり104aを焦点Aの100mm真上に、右眼が位置すると想定する位置ERつまり104bを焦点Bの100mm真上におき、PMはAとBの中点とおく。なお両眼間距離は個人差があるため観察者に合わせてERの位置をPMから右側に20mm以上35mm以下離れた別の点に変更しELの位置をPMから左側に20mm以上35mm以下離れた別の点に変更しても以下に示す方法と効果に影響はない。PMのSの中央Soからの半画角は約18度でSからの距離はfSの約2倍となる。そしてSはZ軸方向には集光性がないがX軸方向にはあるため平面図上でELの共役点CELが存在し焦点B上である。それで焦点Bの100mm真下の位置でCELを代表する。同様にCERは焦点Aの100mm真下とする。よってDCEは66mmとなる。102aは左眼用画像DLの表示部でありこの映像はCELに位置する光路制御用の鏡MLつまり103aで反射された後スクリーン101で反射されてELつまり104aにおいて知覚される。図1にはELとSの左端を結ぶ光路とその延長およびELとSの右端を結ぶ光路とその延長が描かれている。同様に102bは右眼用画像DRの表示部でありこの映像はCERに位置する光路制御用の鏡MRつまり103bで反射された後スクリーン101で反射されてERつまり104bにおいて知覚される。このとき102aはサイズが横190mm縦222mmの一般家庭に普及しているタイプのディスプレイであり左光軸に対して垂直に置かれ、102bも同様のディスプレイであり右光軸に対して垂直に置かれる。ここで左光軸とはELとSoを結ぶ光路とそのDLへの延長を指し、右光軸とはERとSoを結ぶ光路とそのDRへの延長を指す。今左光軸はELからSoを通りMLの中央を経てDLの中央に達している。右光軸はERからSoを通りMRの中央を経てDRの中央に達している。さらに図2に示すように101は102a,102bの上方にあり、101と103a,103bとの間隔は約300mmであり、102aと103aおよび102bと103bとの間隔は共に約250mmである。このとき103aと103bの形状をZ軸方向には真っ直ぐであるが、X−Y方向に半径236mmの円形の弧をなしており弧の長さが70mmでZ方向の長さは157mmである。図2にはEL又はERとSの上端を結ぶ光路とその延長およびEL又はERとSの下端を結ぶ光路とその延長が描かれている。
さらにDRとDLは視差のあるステレオ立体視用の画像であるが各々左右反転し縦方向に283%に拡大し横方向に83%に縮小して表示する。
この形態では第一に眼鏡や立体映像用の特殊なディスプレイを用いずに立体映像を提供している。さらに観察者の眼が左右方向に66mm未満で動いても装置の一部をその動きに追従させることなく立体視が保たれる。以下に理由を示す。楕円にはその一方の焦点から発した光は楕円面で反射して他方の焦点に達するという性質があるため、平面図において焦点Aに位置するELからS上の任意点を結びそれを延長した光路は焦点Bに位置するMLに達する。その後反射してDLに達するようにMLの向き及びDLの位置を定めてある。よってELからS上にDLの像を見るがDRの像を見ない。同様にしてERからS上にDRの像を見るがDLの像を見ないので立体視を実現する。さらに焦点AのX座標は約−33mmであるがそこから左右に最大33mm移動して−66から0mmまでの範囲にELが位置しても、ELからS上の任意点を結びそれを逆にたどって延長した光路がML上から外れないようにMLの幅を70mmにしてある。MRについても同様である。ここで観察者の両眼間距離は66mmと仮定した。よって観察者の眼が左右方向に66mm未満で動いても立体視が保たれる。
第二に観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を小さく抑えている。その理由を以下に説明する。図1において左眼が位置すると想定する位置ELつまり104aから見える視野を示す2つの光路を逆に追って考慮する。もし光路制御用の鏡103aがないならば102aを移動して図3に示す102aの位置に置くことができ、あるいは従来技術の考えに沿って映写機の1インチほどの小さなディスプレイを105に示す位置に置く事もできる。このときELつまり104aが10mm左に動いて104cに示す位置に移動すると視野を示す光路が図4に示すように変わる。このとき102aの各画素とELを結ぶ光路が102aの法線となす角も変わるが、普及しているタイプのディスプレイでは各画素から発する光の進行方向に広がりがあるため104cにおいても102aからの光を見続けることができる。さらに図中のd1で示される幅に入る光路が102aの外に出るがこれは視野全体の約10%である一方、図中のd2で示される幅に入る光路が105の外に出るがこれは視野全体の約50%を占める。このように従来技術の小さなディスプレイを用いる考え方より102aに示す大きなディスプレイの方が眼が左右方向に動くことにより生じる視野の移動が小さい。同様に右眼の方も大きなディスプレイを用いた方が良い。この時さらに図1において103bがないならば102bを移動して図5に示す102bの位置に置くことになり、102aと102bが重なる部分が使用できなくなってしまう。したがって102aと102bの幅は最大で65mmとなり十分な大きさとならない。ところが図6に示すようにCELにMLをおくなら光路の進行方向を変えて102aと102bが重ならないようにできる。図6の106がMLでありプリズムを用いている。つまり少なくともMLがCELにあり光路の進行方向を変えるかあるいはMRがCERにあり光路の進行方向を変えることにより65mmより大きいサイズの102aと102bを用いることができる。本形態ではML、MRは凹面鏡であり図1に示す通りである。よって102aと102bのサイズを十分大きくして、眼が左右方向に動くことにより生じる映像の動きを小さく抑えている。この原理は電車に乗って景色を見る際に近景は速く移動するが遠景はゆっくり移動する現象に似ているため本発明では遠景原理と呼ぶ。
本形態ではMLをCEL上にMRをCER上に置いたが必ずしもそのようにする必要はない。それで以下にMLとMRの位置を変える方法を説明する。図5の実線の矢印はELからSの右端を結んだ後の光路WLRとELからSの左端を結んだ後の光路WLLを示し、破線の矢印はERからSの右端を結んだ後の光路WRRとERからSの左端を結んだ後の光路WRLを示し、WLLとWRRの交点をCEFと呼び、WLRとWRLの交点をCEBと呼ぶ。そこでCEFとCELを結びそこからCEBを結びこの線分上のどこかに光路制御物MLをおき、MLがWLLとWLRに挟まれるすべての光路を横切ればELから見る視野全体をカバーできる。そのために必要なMLの横幅はELの移動許容量50mmにさらに
数3
に示す左拡散値を加えた値となる。ここでTHLは図5に示すようにCELからSを見た画角である。一方MRはCEFからCERを結びさらにその延長を含む半直線上のどこかにおき必要なMRの横幅は同様にERの移動許容量50mmにさらに
数4
に示す右拡散値を加えた値となる。ここでTHRは図5に示すようにCERからSを見た画角である。このようにすればELからS上の各点を結びそれを延長した光路はMLを通るがMRは通らずその延長上にDLを配置することが可能である。同時にERからS上の各点を結びそれを延長した光路はMRを通るがMLは通らずその延長上にDRを配置することが可能である。しかもEL、ERが左右50mmにわたって移動してもML、MRの横幅が十分あるためこの関係が保持される。すなわち観察者の眼が左右方向に50mm未満で動いても装置の一部をその動きに追従させることなく立体視が保たれる。また同様にCEFとCERを結びそこからCEBを結びこの線分上のどこかにMRをおきそのサイズをERの移動許容量50mmにさらに右拡散値を加えた値とし、一方MLはCEFからCELを結びさらにその延長を含む半直線上のどこかにおきそのサイズをELの移動許容量50mmにさらに左拡散値を加えた値としても同じ効果がある。またAMを51mm以上65mm以下の数として上記50mmをAMに変更すればELおよびERのの移動許容量がAMに広がる。例えばAMを60mmとできる。しかし両眼間距離約65mmを超えることはできない。本発明ではCEF−CEL−CEBと結ぶ範囲をCEL近傍と呼ぶ。同様にCEF−CER−CEBと結ぶ範囲をCER近傍と呼ぶ。なおさらに一般にDCEが65mmより大きい場合ではCEL上にあるMLの幅がDCEの80%あることはELの移動許容量が約50mmであることに対応する。
数3
左拡散値 = 2×(MLとCEL間の距離)×Tan(THL/2)
数4
右拡散値 = 2×(MRとCER間の距離)×Tan(THR/2)
このときDLとDRの表示が重ならないようにする方法は2通りに分けられる。1つの方法を図7に例示する。図7でWLLとWLRの間に描かれた光路は左光軸であり、これはMLつまり108aの中央を通りMLによって進行方向を変えられていない。同様に右光軸はMRつまり108bの中央を通りMLによって進行方向を変えられていない。しかし光軸以外の光路はMLにより各々広く拡散しないように抑えられているためあるいはMLとDLの距離が短いため、またMRにより各々広く拡散しないように抑えられているためあるいはMRとDRの距離が短いため、DLを表示するディスプレイ107aとDRを表示するディスプレイ107bは重ならない。そしてDRとDLの幅はDCEと同程度になる。もうひとつの方法は図6と図1に例示したように左光軸または右光軸の少なくとも一方の進行方向を変える方法である。この方法によりDCEよりずっと大きいサイズの102aと102bを用いることができ、よって遠景原理を効果的に用いることができる。すなわち少なくともMLをCEL近傍に置いて左光軸の進行方向を変えるか、MRをCER近傍に置いて右光軸の進行方向を変えることにより十分大きなディスプレイを用いてDLとDRを表示することにより、眼が左右方向に動くことにより生じる映像の動きを小さく抑えられる。これにより102aと102bの幅はDCEより大きくできるが、DCEが65mmとなる場合を一つの基準と考えると、この方式は102aと102bの幅を特に65mm以上にすることを可能にする方式と言える。
さらにこの形態では眼が上下方向にある程度動いても画質が急激に劣化することはない。なぜならこの装置ではZ方向には光の収束性がないためである。
またMR及びMLがZ軸方向のピントとX軸方向のピントを一致させる機能を有するため乱視の人が見ると同様のボヤケを取り除いた鮮明な映像を提供する。なぜならDLから発した光はELに達するまでにZ軸方向には集光性がないのに対し、X軸方向にはSの集光性を受けているためピントが異なっている。MLがX軸方向に円形の弧をなしてSの作用を打ち消すことでピントを一致させている。X軸方向の光の収束性に関するチャートを図26に実線で示す。ここでは鏡の反射による向きの変化を除き各要素の形状等も略してあり、本形態を規定するためではなく単に説明を助けるための図として示した。破線は観察者からの見かけ上の想像線を表しまたZ軸方向に関する場合の線と一致する。MRについても同様である。
またこの図において104aと101の距離をある程度変化させても映像の見かけの距離が伸びる程度の影響しかないことがわかる。よってこの形態は眼の前後の動きによる影響も小さく抑えた方法である。さらにこの図に見るようにDLの光は一度Sの近くで収束している。その結像点のMLからの距離は約200mmでMLとS間の距離の約67パーセントである。これは後述するキャンセル原理により眼の左右の動きにより生じる映像の移動の約50%を除去すると考えられる。さらにこの図に見るように映像の見かけ上の位置はSより約550mm後方であるので、映像に奥行きを感じさせる効果を伴う。
またこの実施例においてSの形状の式におけるbの値を298.2mmから300mmに変更して実施しても同様の効果が得られる。この場合Sは円柱となり焦点AとBは一致して一つになるがEL、ERの位置は変更せずに実施する。この場合変更量が僅かであるためそれによる大きな画質劣化は生じず、Sの製作は楕円柱の場合より容易になる。
またこの形態において
数1
の形状の楕円柱型凹面鏡をSとして用いたが、フレネルレンズまたはそれと同じ形状のものの表面を金属蒸着することで光学的に同様の鏡を作り、Sをこれと置き換えても同様の効果が得られる。またこの形態において103aの向きを変えることにより102bの映像が103aで反射されさらにSで反射され104aで知覚されるようにできる。このとき同時に103bの向きを変えることにより102aの映像が103bで反射されさらにSで反射され104bで知覚されるようにする。
またこの形態は2視差のみ用いて単純であるがそのため安価に製作できSも柱状で加工しやすい点で優れている。ユーザーにとってはすでに所有のディスプレイに本装置の他の部分を取り付けるだけで装置を完成できるため非常に手軽に立体映像を楽しめる。
図8は、本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図である。ここでX軸は左右方向をY軸は奥行き方向をZ軸は高さ方向を示し、図中にX軸、Y軸と原点Oが示されている。以下図面にしたがってその構成を説明する。801はスクリーンSでありaを300mm、bを298.2mm、cを1212mmとしたときの
数2
で表される楕円面WSの一部であり、Xが−94から94mmの範囲でZが−57から57mmの範囲である。よってX−Y平面すなわちZ=0の平面とWSの交線が描く楕円形の2つの焦点A、Bの間隔は66mmとなり人の両眼間距離程度となる。ELつまり804aをAの真上100mmに、ERつまり804bをBの真上100mmにおく。PMはAとBの中点とおく。PMのSの中央Soからの半画角は約18度でSからの距離はfSの約2倍となる。そしてSのX軸方向の集光性からELの共役点CELは平面図上で焦点B上である。しかしZ方向の集光性が小さいので前の実施例と同様に焦点Bの100mm真下の位置でCELを代表する。同様にCERは焦点Aの100mm真下とする。よってDCEは66mmとなる。802aはDLの表示部でありこの映像はCELに位置するMLつまり803aで反射された後スクリーン801で反射されてELつまり804aにおいて知覚される。図8にはELとSoを結ぶ光路とその延長である左光軸が描かれている。同様に802bはDRの表示部でありこの映像はCERに位置するMRつまり803bで反射された後スクリーン801で反射されてERつまり804bにおいて知覚される。このとき802aと802bはサイズが横370mm縦222mmの市販の17インチワイド液晶ディスプレイ1台を左右に分割して得たものであり両者の間に24mmの何も表示しない帯を設ける。さらに801は802a,802bの上方にあり、801と803a,803bとの間隔は約300mmであり、802aと803aおよび802bと803bとの間隔は約250mmである。このとき803aと803bの形状をZ軸方向には真っ直ぐであるが、X−Y方向に半径250mmの円形の弧をなしており弧の長さが70mmでZ方向の長さは174mmである。
さらにDRとDLは視差のあるステレオ立体視用の画像であるが各々左右反転し縦方向に193%に拡大し横方向に83%に縮小して表示する必要がありまた歪を取り除く必要がある。それで次のような歪補正をDRとDLに施しておく。すなわち縦横10mm間隔のグリッド模様の画像GPを左右反転し縦方向に193%に拡大し横方向に83%に縮小して802aに表示しELからS上に見えるその像を撮影しそのグリッド上の各格子点の位置を計測し、GPの各格子点の理想位置からの移動量を求める。格子点以外の点は補完してGPがELに見えるときにGP上の各点に加わる歪を関数として求める。そしてDLにその逆関数を施しさらに左右反転し縦方向に193%に拡大し横方向に83%に縮小して補正済みDLとして用いる。DRについても同様にする。あるいは次のような歪補正をDRとDLに施す。すなわちDLを映写機によりELの位置からSにむけて映し102a上の像を撮影して補正済みDLとして用いる。DRについても同様にする。そして補正済みのDLとDRが802aと802b上に並ぶ状態の1枚の画像データをこの1台のディスプレイに表示する。映像が動画の場合はコマ毎にこのようにDLとDRを並べた1枚の画像を作成する。したがってこの映像を媒体から再生する際は立体映像でない通常の方法ですることになる。媒体はハードディスクやDVDやビデオなどの媒体を用いる。
この形態はSをZ方向に湾曲して拡大機能をもたせている点で最初の実施例と異なるが、最初の実施例と同様の作用が働き同様の効果がある。すなわちこの形態では第一に眼鏡や立体映像用の特殊なディスプレイを用いずに立体映像を提供している。さらに観察者の眼が左右方向に66mm未満で動いても装置の一部をその動きに追従させることなく立体視が保たれる。第二に観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を小さく抑えている。またMR及びMLがZ軸方向のピントとX軸方向のピントを一致させる機能を有するため乱視の人が見ると同様のボヤケを取り除いた鮮明な映像を提供する。
そして用いたディスプレイは市販の17インチワイド液晶ディスプレイであり、1台のディスプレイでDRとDLを表示しているため資源を節約している。一方それが原因で図8に示す様に左光軸が802aの面に垂直にならないため、ELに見えるDLの像に歪が生じる。また別の理由で歪が生じうる。しかし生じる歪の分を逆に歪ませてDLおよびDRを表示するので、歪のない立体映像を提供できる。また右眼用画像と左眼用画像を並べて一枚の画像データとしているため、立体映像でない通常の映像を扱うのと同様に1つの再生装置でデータを読み込みディスプレイに表示するので映像を再生する装置およびメディアが1つですみ資源を節約する。
尚Sの形状を表す式のa,b,cの値がすべて異なるためSの製作は楕円柱の場合より難しくなる。しかしbの値をaと同じ300mmに変更しても大きな画質変化はないと考えられ、この場合は回転楕円体の一部となり製作しやすい。
またこの形態において
数2
の形状の楕円面型凹面鏡をSとして用いたが、フレネルレンズまたはそれと同じ形状のものの表面を金属蒸着することで光学的に同様の鏡を作り、Sをこれと置き換えても同様の効果が得られる。
またこの形態においてMLを図9に示すような光路制御物に替えることができる。この場合DLは右側に移動する。DLからの光はシリンドリカルな凹レンズ901を通過した後平面鏡902で反射しシリンドリカルな凸レンズ903を経てスクリーンSにむかう。こうすると凹面鏡を用いた場合よりも像面湾曲と他の収差を小さくするよう設計する自由度が生じる。MRについても同様であり、したがってDRは左側に移動しDRとDLは切り離して各1台のディスプレイを用いる。一例として901の焦点距離−75mm、903の焦点距離75mm、間隔100mmとする。
またこの形態において、SのX方向の湾曲を真っ直ぐか緩やかな任意の曲面に変え、Sを鏡面でなくX方向に再帰性反射特性を有するものに替えることができる。これは望ましくはS上に映される映像の画素間隔より短い間隔でX方向に繰り返す合わせ鏡により作れる。そしてDLを802bが表示しDRを802aが表示するように変える。これにより802aに映される映像は803aで反射し801で再帰性反射した後804bの位置で知覚される。同様に802bに映される映像は803bで反射し801で再帰性反射した後804aの位置で知覚される。このようにしても上述と同様の効果が得られる。すなわちこの形態では第一に眼鏡や立体映像用の特殊なディスプレイを用いずに立体映像を提供している。さらに観察者の眼が左右方向に66mm未満で動いても装置の一部をその動きに追従させることなく立体視が保たれる。第二に観察者の眼が左右方向に動くことにより生じる観察される映像の移動を小さく抑えている。
図10は、本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図であり、図11は側面図である。ここでX軸は左右方向をY軸は奥行き方向をZ軸は高さ方向を示し、図中に各軸と原点0が示されている。以下図面にしたがってその構成を説明する。1001はスクリーンSでありaを1200mm、bを2000mm、cを1200mmとしたときの
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で表される楕円面WSの一部であり、Xが−622から622mm、Yが1710から2000mm、Zが0から622mmの範囲である。よってWSの2つの焦点A、Bの間隔は3200mmとなり、焦点Aの座標は(0,1600,0)、焦点Bの座標は(0,−1600,0)となる。PMを焦点Aにおく。1004aはELでありPMの左33mmの位置に、1004bはERでありPMの右33mmの位置におく。PMのSの中央Soからの半画角は約17度でSからの距離はfSの約1.1倍となる。1002aはDLの表示部でありこの映像はMLつまり1003aで反射された後スクリーン1001で反射されてELつまり1004aにおいて知覚される。図中S−80、S−60、S−40、S−20、S0、S20、S40、S60、S80は各々Zが0でのS上の点であり、各点と焦点Aを結ぶ線分とY軸のなす角が−80、−60、−40、−20、0、20、40、60、80度であることを示し、これらの点とELを結ぶ光路を逆に追った光路が図に描かれており、見易さのためS−40とS80を通る光路のみDLに至るまで延長して描かれている。同様に1002bはDRの表示部でありこの映像はMRつまり1003bで反射された後スクリーン1001で反射されてERつまり1004bにおいて知覚される。CELは焦点Bから297mm右に位置しCERは焦点Bから297mm左に位置し、よってDCEは594mmである。MLがCEL上にありMRがCER上にあり、そのその接合部に焦点Bがある。また1002aと1002bは各々サイズが横566mm縦377mmであり市販の30インチワイドディスプレイの一部を用いる。そして1003aと1003bの形状を半径2572mmの球面の一部とし、縦と横のサイズが660mmである。またS−40とELを結ぶ光路を逆に追った光路がDLの左端に達し、S80とELを結ぶ光路を逆に追った光路がDLの右端に達するようにMLつまり1003aの左右の向きを調整する。そしてS40とERを結ぶ光路を逆に追った光路がDRの右端に達し、S−80とERを結ぶ光路を逆に追った光路がDRの左端に達するようにMRつまり1003bの左右の向きを調整する。なお図には省略してあるがZが−377以上0以下、Xが0、Yが−1600から400の範囲に黒い仕切り板を入れてありELがS上のS−40とS−80の間を見た場合DRの像が見えないようにし、ERがS上のS40とS80の間を見た場合DLの像が見えないようする。
さらに1002aの表示面とX軸のなす角をTXとしZ軸とのなす角をTZとし微調整できるように作る。そしてS上に35個の代表点Siを定め、ELからSiを結びそれを延長した各光路に関してDL、ML、Si、ELの間の距離とMLで反射するときの入射角を算出しそれに基づきDLからの光が結像する点のS面からの距離を算出し、それが最小となるTXとTZを求めるとTXは3度TZも3度となり、そのように調整する。1002bについても同じ値を使う。またDRの左側部分2/3とDLの右側部分2/3は視差のあるステレオ立体視用の画像の関係であるが各々上下左右反転して表示する。これによりS上ではS−40からS40の範囲ではDRとDLの像がステレオの関係で見え、S−80からS−40の範囲ではDRの像のみが見え、S40からS80の範囲ではDLの像のみが見える。
この形態では第一に眼鏡や特殊なディスプレイを用いることなく市販の30インチワイドディスプレイ2台により立体映像を実現している。しかも観察者の両眼が左右方向に幅50mmにわたって動いても立体視が保たれる。さらに幅60mmにわたって動いても立体視が保たれる。以下にその理由を示す。まず焦点AとPMの距離は0mmであるので、この楕円面の長径と短径に比して焦点AとELおよびAとERの間隔が非常に小さい。よって楕円面がもつ性質つまりその一方の焦点から発した光は楕円面で反射して他方の焦点に達するという性質がほぼ完全に働く。よってELからS上のS−40からS80の範囲にある任意の点を結ぶ光路を延長して追うとML上に達する。そしてMLからDLに達するようにMLの向きとDLの位置が決められている。よってELからS上にDLの像を見る。同様にしてERからS上にDRの像を見るので立体視を実現する。さらにELのX座標は約−33mmであるがそこから左右に最大25mm移動して−58から−8mmまでの範囲にELが位置しても、ELからS上のS−40からS80の範囲にある任意点を結びそれを逆にたどって延長した光路はML上に達するようにMLに幅を持たせてある。すなわちDCEの80%は475mmであり、左拡散値は0である。よってMLの横幅660mmは50mmと左拡散値の和以上かつDCEの80%と左拡散値の和以上である。同様にMRの横幅660mmは50mmと右拡散値の和以上かつDCEの80%と右拡散値の和以上である。また上記50mmを60mmに置き換えても成り立つ。
またこの形態において観察者が前後に移動した場合を想定して例えばELのY座標を4mm減らす。この状態ではCELのY座標は最大324mm増すことになる。一方THLは約15度であるので左拡散値は
数3
より約85mmとなる。よってDCEの80%と左拡散値の和は560mmであり、この値よりMLの横幅660mmの方が大きい。そしてMLはCEL近傍上にある。ERとMRについても同様である。よってこの状態でも眼が左右に50mmの幅にわたって動いても概ね立体視を保つと考えられる。さらに60mmの幅でも概ね立体視を保つと考えられる。ただし厳密に収差まで考慮するとSの周辺部に関してはML上に現れる収差の影響が大きいため前後の移動量によっては視野をS−40からS40に限定した形態にして用いる。
第二に観察者の眼が左右方向に動くことによって生じる観察される映像の移動をほぼ100%除いている。その理由を以下に説明する。ELつまり1004aが33mm左に移動した場合を考慮する。移動の前にELからS上の点SPを見る光路を逆に追ってDLつまり1002a上の点DPに達する様子を図12に実線で示す。移動の後にELからS上の同一点SPを見る光路を逆に追うとやはり点DPに達する。その様子を図中に破線で示す。なぜならMLつまり1003aの焦点距離がDLの光をS上で結像させる値にしてあるため、図に見るようにSPからでた実線と破線はML上の異なる点で反射してもその後DL上で収束するからである。すなわちDLとMLの距離2000mmの逆数とMLとSの距離約3600mmの逆数の和の逆数は1286mmとなるが、これは半径2572mmの球面MLの焦点距離に等しい。実際にELのX座標が−33mmである場合にELからS上の各点S−40、S−20、S0、S20、S40、S60、S80を結ぶ光路を逆に追ってMLを経た後1002a上に到達した点をD−40、D−20、D0、D20、D40、D60、D80として作図により求め、この光路のMLつまり1003aと1002a間の様子を図13に示す。またELが左に33mm移動してX座標が−66mmである場合の光路の様子を図14に示す。比較すると各光路はML上では大きく300mm程まで移動するにもかかわらずDL上では移動が観測されなかった。このようにしてこの原理はDLを表示するディスプレイの大きさと関係なく働き眼の左右方向の動きをMLの働きによりキャンセルするものである。ERの左右の動きに関してもELのときと同様である。本記述ではこの作用をキャンセル原理と呼ぶことにする。
なおELが焦点Aに一致している場合は各光路を逆に追うとすべての光路は一点Bに集まった後等角度間隔でDL上に投影された点にD−40、D−20、D0、D20、D40、D60、D80を得るがこのとき収差はゼロである。ところが上記の原理によればELのX座標が−33mmの場合に得たD−40、D−20、D0、D20、D40、D60、D80の位置も先の場合と一致する。よって上記の原理は、特にELが楕円の焦点近傍にある本形態のような場合に適用されるならば、ELが焦点から少し外れてもそれにより生じる収差を補正してELからDLの映像が見えることを意味する。一方収差によりML上ではこの各光路の位置はばらつく。
次にSの形状を座標が(0,2000,0)の位置においてこの楕円面と同じ曲率をもつ半径720mmの球面に置き換えた場合の各光路を同様に作図で求め、ELのX座標が−33mmの場合を図15に示し、ELのX座標が−66mmの場合を図16に示す。D上の各点の間隔が図13の場合のようにほぼ等間隔に並んでいるので収差による歪がよく補正されたことを示している。一方でML上では各光路の位置は図13の場合より大きくばらつくが、これは本形態のSに用いる場合には球面の方が先述の楕円面より収差が大きいためである。図15ではD80の光路がMLから外れ、図16ではさらにD60の光路がMLから外れ、これは映像のその部分がELからは見えなくなることを意味する。ここで図中の破線は想像線であり実際にはないことを示す。よって楕円面は球面に置き換えたものより優れており、必要とするMLのサイズを小さく抑える効果がある。しかし同時にこのことは、視野を制限すれば球面で代用できることも示している。本形態では特に長径と短径の差を大きくし、Sに近い方の焦点にPMを置くことにより、ELからSを広視野角で見えるようにする一方でその光路の延長がML、MRで反射する際の入射角を0度に近づけて反射で生じる収差を抑える目的で楕円面を利用している。というのはMLの各光路に対する焦点距離は入射角の余弦に比例すると考えられるため入射角が一定以上になるとMLの像面湾曲が大きくなり映像の周辺部においてS上で結像しなくなるからである。
またこの形態ではDLからELに送られる映像はS上のS−40からS80であり、一方DRからERに送られる映像はS上のS−80からS40である。よって右眼用画像DRの視界と左眼用画像DLの視界が映像の被写体の中心付近を共有しているが、それより右側はDRだけが有しておりまたそれより左側はDLだけが有している。この表示の仕方は人の視覚の特徴と調和した方法であるため大きな違和感を生じさせない。なぜなら人が物を見るとき視界の右端付近は左眼には見えておらず左端付近は右眼には見えていないからである。これにより観察者の視野を十分広く保ちつつディスプレイの大きさを節約し、ディスプレイの画素をより重要な中央部に多く振り向けている。この原理は後に示す3視差以上の立体映像にも用いることができるのは明らかである。
DRおよびDLの各X方向の幅566mmはDCEより小さい。したがってMLを同じ焦点距離をもつレンズ群に替え、左光軸の進行方向を変えずに光路をDLに導くようにDLをレンズ群の後ろに移動できる。それでも上に述べたようにMLつまり1003aの焦点距離がDLの光をS上で結像させる値にしてあるため、眼の左右方向の動きによる影響を除く。つまり遠景原理とキャンセル原理は互いに独立した別の原理であり必ずしも両方を同時に使う必要はない。またMLの縦と横のサイズが660mmと大きいためレンズ群よりも凹面鏡を用いる方が製作が容易でありその点では光路制御物としてレンズより凹面鏡の方が優れている。
この形態では前述のようにDLからの光の結像点がS上にある。このときのMLとSの距離をMSとおくとMRとSの距離もMSである。またPMとSの距離をPSとおく。このときこの形態を以下に示すように変形した形態の実施も有用である。すなわちDLとDRの位置をY方向に僅かに移動してDLからの光の結像点がSの少し手前あるいは後ろに来るように調整する。この時のMLから結像点までの距離のMSに対する比率をRFとおく。ELからS上にある点SP1に映る映像を見たとして、ELが左右に移動した後にELから同じ映像をS上の点SP2に見たとする。SP1のX座標をH1、SP2のX座標をH2、ELのX方向への移動量をE2とおくと、眼の左右の動きによる映像の移動量H2−H1は
数5
で表される。例としてRFが1より小さいときの各変数の関係を把握する助けとして図27にチャートを示す。このチャートはMLおよびSにおける反射を屈折に置換えまたSの形状も省略しており、構成物間の距離の相対的な大きさは実際と異なり、本形態を例示するための図ではない。PMから出る実線でかかれた折れ線はPMにELがある時SP1に見る光がたどった光路を示す。破線はELが移動した後に同じ映像を見るときの光路を示す。この式はRFが1に近い程キャンセル原理の効果により映像の移動量が小さくなることを示す。RFを無限大にした時のH2−H1の値を基準値とし、それに対する比率で移動量の減少を評価することとする。すなわち映像の移動量の除去率RRMを
数6
で表す。この式からRRMが80%以上になるのはRFが約0.83以上1.25以下のときで、RRMが90%以上になるのはRFが約0.91以上1.11以下のときとなる。またさらにRRMが95%以上になるのはRFが約0.95以上1.05以下のときとなる。さらにRFが1未満の場合はこの効果に加えて結像点が観察者から見てSの後ろにあるため映像に奥行き感が生じ特に遠景を表すのに適する。RFが1より大きい場合はこの効果に加えて結像点が観察者から見てSの手前にあるため映像が手前に飛び出すように見え特に近景を表すのに適する。映像の種類によりこれらを選ぶことができる。なおDLとDRを移動する替わりにMLとMRを移動したりその焦点距離を変えたりSを移動しても同様の効果を得るのは明らかである。また何%以上の除去が望ましいかは観察者の主観によるところが大きいが2視差の場合通常80%、本形態のようにMSのPSに対する比が大きいときでも90%あれば十分と考える。
数5
H2−H1 =((1−RF)/RF)×(MS/PS)×E2
数6
RRM = (1−|1−RF|/RF)×100%
図17は、本発明の他の実施形態による立体映像装置の側面図である。図中にY軸とZ軸および原点Oを示す。X軸は左右方向であり紙面の法線方向である。図18は要部の平面図である。以下図面にしたがってその構成を説明する。1701はスクリーンSでありaを1229mm、bを1229mm、cを1350mmとしたときの
数2
で表される楕円面WSの一部であり、Xが−330から330mmの範囲としまたスクリーンの縦幅を396mmとする。よってWSの上側の焦点Aと原点Oの間隔は558mmとなる。図中のA点は焦点Aの位置を示しここをPMと定める。PMのSoからの半画角は約20度であり、Soからの距離は900mmでこれはSの焦点距離の約1.4倍である。PMと共役な点CPMはもう1つの焦点Bの位置にあり、それは平面鏡1707がなければAと原点対称の点つまり図中のC点となる。しかし1707と平面鏡1706と平面鏡1705が光路を変える結果CPMは図中のB点となる。図に示すようにここに光路制御物1703をおく。光路制御物1703はX軸方向に並べた4つのレンズ系であり各々サイズは横130mm縦194mmである。したがってM1の左端の位置CP0はB点から260mm左にあり、M1の右端の位置CP1はB点から130mm左にあり、M2の右端の位置CP2はB点にあり、M3の右端の位置CP3はB点から130mm右にあり、M4の右端の位置CP4はB点から260mm右にある。CP0の共役点P0はA点から約130mm左にあり、CP1の共役点P1はA点から約65mm左にあり、CP2の共役点P2はA点にあり、CP3の共役点P3はA点から約65mm右にあり、CP4の共役点P4はA点から約130mm右にある。CP4とCP0のX座標の差をP4とP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくと、RTは2となる。MのサイズすなわちCP4とCP0のX座標の差は520mmとなり、130mmにRTを乗じた値260mmより大きい。また195mmにRTを乗じた値390mmより大きい。M2のサイズすなわちCP2とCP1のX座標の差は130mmであり、70mmにRTを乗じた値140mmより小さい。M3についても同様である。また1から4の各kについて、CPk−1とCPkの中点にMkのレンズとしての中心をおきCQkとする。よってQkはPk−1とPkの中点となる。そして図18に示すように1703の4つのレンズ系M1、M2、M3、M4の各々の正面にディスプレイ1702の4つの映像D1、D2、D3、D4が置かれ、D1からの光はM1を通過しD2からの光はM2、D3からの光はM3、D4からの光はM4を通過する。各々の領域のサイズは横130mm縦78mmである。この1702と1703からなる要部の構成をAタイプの4視差投光アレイと呼ぶことにする。その後これらの光は1705、1706、1707、1701を経て各々P0とP1の間、P1とP2の間、P2とP3の間、P3とP4の間に達する。1703と1702の間隔は293mmである。B点からSoまでの距離は1800mmである。1から4までの各kについて、Mkの焦点距離は252mmであり、したがってDkからの光がMkによって結像する位置はほぼS上となる。さらに左眼の想定位置ELと右眼の想定位置ERを側面図上で焦点Aの位置に置き図中に1704で示す。ELの位置と焦点Aの左32.5mmの位置とのX座標の差をSFTとおくとERの位置と焦点Aの右32.5mmの位置とのX座標の差もSFTとなる。ここで観察者の両眼間距離として65mmを標準値として用いた。以下でSFTの単位はmmであるが省略して記す。なおEL又はERの縦方向の視野を示す光路を図に描いた。これは図中の眼の位置1704から光路を逆にたどって1702上にどのように達するかを示すものである。1709は外枠であり上面は透明である。
1702は複数台のディスプレイで構成することもできるが、この形態では1台で済ます。このときD1、D2、D3、D4を表示する4つの領域は1台のディスプレイに表示する一枚の画像の中に並ぶ4つの部分領域として提供される。その結果再生装置1708は立体映像でない通常の映像を扱うのと変わらずに映像をDVDやHDやビデオテープなどのメディアから再生してディスプレイに送る。さらにD1の画像とD2の画像は視差のあるステレオ立体視の関係であり、D2とD3の関係、D3とD4の関係も視差のあるステレオ立体視の関係となっており、各々上下左右反転して表示する。なおこのときD1とD3、D2とD4、D1とD4の関係も必然的に視差のあるステレオ立体視の関係となる。
一方観察者の両眼がA点にあるときは観察者の顔からの光は1701により点Bに結像しハーフミラー1710で反射した光は1711上にも結像する。ところが観察者が前後に移動するとその像はピントが合わなくなりそれをフォーカス分析部1711が計測して観察者がA点から前方に移動した量EFBを算出する。観察者の顔は左右にある程度移動しうるためフォーカス分析部に左右2つのAF検出器を備えておく。この各々はカメラのオートフォーカス機能ですでに知られている位相差検出方式によるAF検出器である。そして計測時に光量の多い一方が選ばれ位相差検出をおこなう。すなわちSを通して結像する光束を左右に分かれるように2つのセパレーターレンズで受け再結像させCCDラインセンサー上の離れた位置にできる2つの像の距離からEFBを算出する。次にEFBの絶対値があらかじめ定めた閾値20mm以上であればPMを新たにA点の前方EFBの点に更新する。よってCPMはB点より後方に移動するがその値を算出しDISPMとおく。ところがSからMに至る光路上におかれた別の光路制御物1705と1706をDISPMの半分の量だけ図の矢印の方向に平行移動することで光路長が調節されCPMはB点にとどまる。一方1702からの光が1701上またはその近くで結像する状態を保つように変更された光路長にあわせて1702も移動する。あるいは1702の替わりに1703が移動しそこがCPMとなるようその分1705と1706の移動量を調整する。
またAタイプの4視差投光アレイを以下に示すBタイプの4視差投光アレイに入れ替える形態も実施できる。図19はその正面図であり図20は側面図である。ディスプレイ1905aからの光は平面鏡1904aで反射し凹レンズ1902aを通過し平面鏡1903aで反射し凸レンズ1901aを通過しスクリーンに向かう。1905b、1905c、1905dからの光も同様であるが左から奇数番目は上側に配置され偶数番目は下側に配置される。1901の4つの凸レンズの各々は焦点距離252mmでサイズが横130mm縦130mmである。1902の4つの凹レンズの各々は焦点距離−252mmでサイズが横130mm縦130mmである。1901と1902の光学的距離は150mmで1902と1905の光学的距離は330mmである。
この形態では第一に眼鏡や特殊なディスプレイを用いずに立体映像を実現している。しかも観察者の両眼が左右方向に幅65mmにわたって動いても立体視が保たれる。さらに幅130mmにわたって動いても立体視が保たれる。以下にその理由を示す。SFTの範囲を−97.5から97.5とする。このときELとERは共に焦点Aからの距離が130mm以内であり、これは楕円面を表す式のa、b、cの値に比して非常に小さい。よって楕円面がもつ性質つまりその一方の焦点から発した光は楕円面で反射して他方の焦点に達するという性質がほぼ完全に働く。よってSFTが−97.5から−32.5のときELからS上の各点を結ぶ光路を近長して追うと1703のM1に達しその後1702のD1に達する。一方ERからS上の各点を結ぶ光路を延長して追うと1703のM2に達しその後1702のD2に達する。SFTが−32.5から32.5のとき同様にELにM2とD2が対応し、ERにM3とD3が対応する。さらにSFTが32.5から97.5のとき同様にELにM3とD3が対応し、ERにM4とD4が対応する。よってこの形態では195mmの幅にわたって眼が左右に動いても立体視が保たれる。一般にはMkのサイズはkにより変わってもよく、kが1,2,3,4に対してMkのサイズが70mmにRTを乗じた値より小さいという基準を満たしていれば両眼間距離が70mm以上の人が用いればELが見る1702の映像DiとERが見る1702の映像Djが異なることを保証する。例えばさらにMkのサイズが40mmにRTを乗じた値より小さいならば両眼間距離が40mm以上の人に立体視が保証できる。またMのサイズが130mmにRTを乗じた値より大きいならば両眼間距離が65mmの人は眼を65mmにわたって左右に動かしても立体視が保たれる。この値は視差数2の場合の最大値である。さらにMのサイズが195mmにRTを乗じた値より大きいならば眼を130mmにわたって左右に動かしても立体視が保たれる。
第二に観察者の眼が左右に動いても装置の一部をその動きに追従させずにその動きにより生じる観察される映像の移動をほぼ100%除く。その理由を以下に示す。まずSFTが−97.5から−32.5の場合はELからS上の点を結ぶ光路を逆に追うとM1に達しその後D1上に達する。このときSFTがこの範囲内で変動してもELから見るD1の映像は移動しない。なぜならM1の焦点距離がD1の光をS上に結像させる値であるため前述のキャンセル原理が働くからである。このときERから見るD2の映像も同様に移動しない。SFTが−32.5から32.5のときも同様で、SFTが32.5から65のときも同様である。このように通過するレンズ系が変わらない間はSFTの値が変化しても見える映像の移動がないため、SFTがさらに変化して通過するレンズ系が隣のレンズ系に替わった瞬間の映像の跳びも無くなり、ただ視差だけの変化となるので続けて観賞し易いという効果が生じる。これはキャンセル原理が3つ以上の視差を用いるこの方法に対して特に生じさせる新たな効果である。一例としてSFTが0、−25、−50、−75と変化したときの様子を図21に示す。ここではELとSの左端を結ぶ光路とELからSの右端を結ぶ光路、ERとSの左端を結ぶ光路とERからSの右端を結ぶ光路の各々を逆に追った光路の延長が描かれている。また観察者の眼が上下に−48mmから48mm以内で動いても同様にキャンセル原理により映像の移動を除いている。なお1702のディスプレイの横幅を1703のレンズ系の横幅と共に任意に縮めることができまた等間隔である必要はない。
ここでMkとDkの距離かMkの焦点距離を変えて、Dkの光が結像する点とMkの距離がMkからSまでの距離の91%以上111%以下で用いることも有用である。前述したようにこれは眼の移動により生じる映像の移動の約90%以上を除く。このように視差数が3以上の場合は眼の移動により生じる隣のレンズ系に替わった瞬間の映像の跳びを抑える必要があるため高い除去率が望ましい。さらにDkの光が結像する点とMkの距離がMkからSまでの距離の95%以上105%以下で用いることはより良い。これは眼の移動により生じる映像の移動の約95%以上を除く。同時に映像の結像位置をSから少しずらすことにより映像がスクリーンから浮き上がった様に見せることと、逆に映像がスクリーンの奥にある様に見せることを選択できる。
またD1、D2、D3、D4を並べた1つの画像を1つのディスプレイで表示するため再生装置も1台でメディアも1つで済むので節約になる。また4台の再生装置で同期をとりながら別々に読み込む手間をなくす効果がある。
また観察者の前後の動きに対して1705と1706が移動して光路長を調節するため、1703を観察者の両眼と共役の位置に保てる。これにより観察者の前後の動きがあってもEL及びERから1702上への光路を設計どおりに保ち立体視を保つ。さらにその際Mとディスプレイが移動しなければならない距離を無くすか小さくする。またSを映像再生のためだけでなく距離測定にも利用して資源を節約する。そしてカメラのオートフォーカス技術を利用できるので部品の調達が容易である。さらにキャンセル原理との組み合わせの結果観察者は前後左右にある程度動けるため快適に映像を見ることができる。
さらに平面鏡1707をSと1703の間に導入したので装置の構成要素を観察者から離して邪魔に感じさせない効果がある。さらに1703に凹面鏡ではなくレンズ系を用いたことで収差を調整するための設計上の自由度を得ている。特に1703による1702の結像面の像面湾曲がSの湾曲に近くなるようレンズを調整できる。今Sの中央での曲率は1/1242mmと考えられる。一方レンズ系が屈折率1.7の単レンズならばペッツバール和は1/504mmとなる。しかしカメラレンズと同様に例えばトリプレットを用いればペッツバール和を約0.4倍に下げて1/1242mmにできる。
またこの形態ではレンズのFナンバーは約2である。もしSの形状を変えてSの中央がらB点までの距離を900mmにするとCPMからSを見る画角が大きくなる。そのためMkを通過する光路を逆にたどってDkの内部に収めるためにMkに要求されるレンズの焦点距離が短くなりレンズのFナンバーが約1を必要とし実際に厳しい条件となる。よってこの形態のように視野角の広い映像を提供するにはAからSの中央までの距離よりSの中央からBまでの距離がかなり長い設定が有効であり、その場合前述の形態で示したように円よりも広い視野角に渡って収差が小さい楕円形が有効である。一方視野を制限すれば円も有用である。
またBタイプの4視差投光アレイを用いる場合はディスプレイのサイズを大きくできるため前述の遠景原理を効かして眼の動きにより生じる映像の動きを小さく抑えることができる。サイズを特に65mmより大きくでき、65mmにRTを乗じた値より大きくできる。このときキャンセル原理と併用することもできる。
また平面鏡1707を凸面鏡に替えることで1707とB点の光学距離をのばしELから逆に追った光路が1703を通過するときの入射角を小さくし1703のレンズのFナンバーを大きくすることもできる。このときさらに凸面鏡が前後に可動とし、1705と1706の移動と連動して光路長とピントを調節することもできる。
またこの形態において
数2
の形状の楕円面型凹面鏡をSとして用いたが、フレネルレンズまたはそれと同じ形状のものの表面を金属蒸着することで光学的に同様の鏡を作り、Sをこれと置き換えても同様の効果が得られる。
なおこの形態は4視差に限らず2以上の任意の視差で作れることは明らかである。特に2視差に変えた形態としても上に述べた作用と効果があり有効である。例えば観察者が前後に移動しても立体視を保つ方法は2視差にそのまま使える。楕円の有効性や、光路制御物としてレンズが凹面鏡より優れている点に関することも2視差の形態にそのまま使える。
図22は、本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図である。以下図面にしたがってその構成を説明する。以下この形態では長さの単位は表示がない場合はmmであるとする。原点Oを図中に示す。紙面の左右方向がX軸方向で、紙面の縦方向がY軸方向で、紙面の法線方向がZ軸方向である。2201はスクリーンSでありaを1000、bを1000、cを1000としたときの
数2
で表される球面WSの一部でありY軸とのなす角が−20度から20度の範囲にある。またXが−364から364の範囲で、Zが−273から273の範囲にある。PMの座標は(0,0,20)でありCPMの座標は(0,0,−20)である。PMのSoからの半画角は約1度であり、Soからの距離はSの焦点距離の約2倍である。2202a、2202b、2202c、2202dは各々ディスプレイであり左から順にD1、D2、D3、D4である。これらは通常の拡散反射するスクリーンであるが、原点Oを中心とする半径2500mmの球面の一部でZ座標が−733から633の範囲にある。Y軸とのなす角の範囲は各々110度から70度、65度から25度、−25度から−65度、−70度から−110度である。2205a、2205b、2205c、2205dは映写機であり各々D1、D2、D3、D4に映像を映し出す。これら映写機の投写レンズはこれらの球面上で焦点が合う様に像面湾曲するレンズとする。2203はCPM上におかれた4枚の平面鏡からなる光路制御物Mであり、左から順にM1、M2、M3、M4である。各々の法線方向とY軸とのなす角は45度、22.5度、−22.5度、−45度である。M1とM4のサイズは縦60横120であり、M2とM3のサイズは縦60横60である。P0はM1の左端の位置CP0とほぼ原点対称の位置にある。1から4のkに対して、PkはMkの右端の位置CPkとほぼ原点対称の位置にあり、QkはMkの中央の位置CQkとほぼ原点対称の位置にある。CP4とCP0のX座標の差をP4とP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくとRTは1である。CP4とCP0のX座標の差の絶対値は280となり、130にRTを乗じた値より大きくまた195にRTを乗じた値より大きい。CP2とCP1のX座標の差の絶対値およびCP3とCP2のX座標の差の絶対値は55となり、70mmにRTを乗じた値未満である。1からnまでの各kに対して、QkとSoを結ぶ光路の延長がMkに達した後の延長上にDkがありこの光路を光軸kと呼ぶ。図には光軸3およびD3が映写機2205cにより映される様子が描かれている。ここで2204は左眼の想定位置ELを表す。これによりELがPk−1からPkの間にある時ELからDkの像が見え、そしてDk−1の像とDkの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であるD1、D2、…Dnを用いる。なお図22においては見易さのため各部分の相対的な大きさを変えて描かれている。
この形態では第一に眼鏡や特殊なディスプレイを用いずに立体映像を実現している。しかも観察者の両眼が左右方向に幅65mmにわたって動いても立体視が保たれる。さらに幅130mmにわたって動いても立体視が保たれる。その理由となる原理は図17を用いた前述の実施例と同じである。第二に眼の左右方向の動きがあっても装置の一部をその動きに追従させずにその動きによる映像の動きを小さく抑えている。その理由は図1を用いた最初の実施例で説明した遠景原理による。さらに本形態ではS上の任意点SPとELを結ぶ光路を延長して追いM上の点をMP、D上の点をDPと置くとき、ELとSPの距離が約1000となりSPの位置によらず一定となる。さらにSPとMPの距離およびMPとDPの距離の和が約3500となりSPの位置によらず一定となる。そしてMは平面鏡で集光性がないため入射角による収差がない。このためディスプレイ上の映像が結像する面はELから約420の距離にある球面となり見やすく、またSから飛び出して見えるので映像に迫力がある。
この形態でD1、D2、D3、D4の形状を平面に変え、これらに映像を映している映写機の投写レンズを通常のものに戻して実施することもできる。この場合映像が結像する面が周辺部で僅かに4mm程後退するがほぼ同じ効果を保つことができる。
本発明では凸レンズは集光型スクリーンに分類される。典型的な凸レンズおよびそれと光学的に同様なフレネルレンズは凸レンズに分類される。さらに一方向にのみ凸であるシリンドリカルレンズおよびこれと光学的に同様なフレネルレンズも凸レンズに分類する。凸レンズの最短観察距離Loをその焦点距離と定める。縦と横で焦点距離が異なる場合は観察者の左右方向の焦点距離とする。Sとの距離がLoより大きければその点から発した光はSで反射した後に少なくとも左右方向に関して共役点付近に集められる。さらにレンズを複数用いて全体として上記分類に入る物も凸レンズとみなす。この場合原則として全体としての合成された焦点距離と主点からの距離でLoを考える。
図23は、本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図であり紙面の上方向が観察者の右方向を示しX軸とし、紙面の左方向が観察者の前方でありY軸とし、紙面の法線方向をZ軸とする。原点Oを2301の中心とする。以下図面にしたがってその構成を説明する。以下この形態では長さの単位はmmとする。2301はスクリーンSであり焦点距離200横幅80縦幅60の凸レンズでありその中心Soが原点Oにある。PMの座標を(0,−400,0)とする。よってPMのSoからの半画角は0度でSからの距離はSの焦点距離の2倍である。PMの共役点CPMの座標は(0,400,0)となる。2302及び2303はAタイプの6視差投光アレイのディスプレイと光路制御物Mである。ディスプレイ2302は横幅360縦幅45であり横方向に6分割して6つの連続した視差のある映像D1、D2、D3、D4、D5、D6を各々上下左右反転して表示する。つまりD1とD2は視差のあるステレオ映像であり、同様にD2とD3、D3とD4、D4とD5、D5とD6も各々互いに視差のあるステレオ映像の関係にある。これら6つの映像は並べられて1つの映像として表示するようにし、その1つの映像は1つの再生装置から再生される。この図では再生装置は省略されている。光路制御物Mつまり2303は横方向に6つのレンズ系M1、M2、M3、M4、M5、M6を並べた物で各レンズ系の焦点距離は80でサイズは横50縦60であり、Mの中央がCPM上にある。M1の左端の座標CP0は(150,400,0)でありその共役点P0はほぼ(−150,−400,0)である。1から6までのkに対して、Mkの右端の座標CPkは(150−50×k,400,0)でありその共役点Pkはほぼ(−150+50×k,−400,0)であり、Mkの中心の座標CQkはCPk−1とCPkの中点であり、その共役点QkはPk−1とPkのほぼ中点である。2304はEL又はERを表しP0からP6の範囲に位置することを想定する。CP6とCP0のX座標の差をP6とP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくと、RTは1となる。CP6とCP0のX座標の差は300となり130にRTを乗じた値より大きい。また195にRTを乗じた値より大きい。2から5までのkに対してCPkとCPk−1のX座標の差は50であり、70にRTを乗じた値より小さい。2305は焦点距離200横幅180縦幅135の凸レンズである。2306は焦点距離200横幅130縦幅98の凹レンズである。この投光アレイから出た光は2305,2306,2301を経てEL及びERに達する。EL又はERの視野を示す光路の一例が図に描かれている。これは図中の眼の位置2304から光路を逆にたどって2302上のどの部分からの光を知覚するかを例示するものである。今図中のDT1、DT2、DT3、DT4、DT5は各々100、367、0、33、400である。よってDkからの光はMkを通過してほぼS上に結像する。
一方2307はハーフミラー及びフォーカス分析部である。観察者の顔からの光が2301、2306、2305を通った後ハーフミラーで分けられてフォーカス分析部に達して結像する位置が測定される。上述の設定ではELはSからの距離が400であるので観察者の顔からの光は光路制御物M上で結像し同時にフォーカス分析部で結像する。ところが観察者が前後に移動するとその像はピントが合わなくなりそれをフォーカス分析部が計測し観察者が前方に移動した量EFBを算出する。その方法は図17を用いた形態の場合と同じである。次にEFBの絶対値があらかじめ定めた閾値10以上であればPMを新たにこれまでの位置の前方EFBの点に更新する。よってCPMは以前より後方に移動するがその量をDISPMとおく。単純に2303と2302をDISPMだけ後方に平行移動することでも立体映像を維持することができる。その場合はELからSの右端を結びその光路の延長とELからSの左端を結びその光路の延長とがM上でなす角NAが変化する。これは観察者が見る映像の拡大率の変化となるので小さく抑えることが望ましい。それでNAの変化およびCPMの位置の変化をより小さく抑えるために2305と2306の間隔を変化させる方法をとる。つまりこの間隔DT3が大きくなればNAが大きくなることを利用する。1例としてEFBが100であるつまりDT5が300であるとするとDISPは200となるがこのとき、DT2を428、DT3を67、DT4を33とすればよい。一方2302からの光が2301上で結像する状態を保つようにDT1も同時に調整することが望ましく、そのためにはDT1を92とする。この新しい状態でもPMのSからの距離はSの焦点距離の約1.5倍ある。ただしSを2301と2306と2305から構成されるレンズ系とみなした場合はその合成された焦点距離と主点からの距離で考えて約1.8倍となる。CPMの座標は(0,528,0)となる。0から6までのkに対して、CPkは(150−50×k,528,0)に更新され、Pkはほぼ(−117+39×k,−300,0)に更新される。Mkの中心の座標CQkはCPk−1とCPkの中点であり、その共役点QkはPk−1とPkのほぼ中点である。EL又はERは更新されたP0からP6の範囲に位置することを想定する。CP6とCP0のX座標の差をP6とP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくと、RTは1.28となる。CP6とCP0のX座標の差は300であり130にRTを乗じた値より大きい。また195にRTを乗じた値より大きい。2から5までのkに対してCPkとCPk−1のX座標の差は50であり、70にRTを乗じた値より小さい。
この形態では第一に眼鏡や特殊なディスプレイを用いずに立体映像を実現している。しかも観察者の両眼が左右方向に幅65にわたって動いても立体視が保たれる。さらに幅130にわたって動いても立体視が保たれる。第二に観察者の眼が左右に動いても装置の一部をその動きに追従させずにその動きにより生じる観察される映像の移動をほぼ100%除く。その理由となる原理は前述の図17を用いた形態の場合と同じである。なぜなら凸レンズの集光性は凹面鏡の集光性と同様の作用があるからである。すなわち1から5までのkに対して、ELがPk−1とPkの間にある時ELとS上の各点を結ぶ光路の延長はMkを通りDkに達する。一方ERはELの約65右にあるためMk+1を通りDk+1に達するかまたはMk+2を通りDk+2に達する。ところがDkとDk+1の像およびDkとDk+2の像は互いに視差のあるステレオの関係にあるため立体視が実現する。そしてP0とP6の距離は130より大きく、さらに195より大きい。よってこの立体視の関係は65の幅にわたり保たれ、さらに130の幅にわたり保たれる。さらに1から6までのkに対してDkからの光がS上で結像するようにMkの焦点距離が定められているため前述のキャンセル原理が成り立ち、眼の移動により生じる映像の移動がほぼ100%除かれ、眼の移動に伴い通過するレンズ系が変化したときの映像位置の跳びもなくなる。さらにZ方向に関しても同じ原理により眼の移動により生じる映像の移動がほぼ100%除かれる。また用いる投光アレイがBタイプであればキャンセル原理だけでなく前述の遠景原理も効果的に利用できる。
さらに、ここでMkとDkの距離かMkの焦点距離を変えて、Dkの光が結像する点とMkの距離がMkからSまでの距離の91%以上111%以下で用いることも有用である。Dkの光が結像する点とMkの距離がMkからSまでの距離の95%以上105%以下で用いることも有用である。その理由と生じる効果も前述と同じである。またこの形態ではディスプレイと再生装置とメディアが1つで済むので節約となる。さらに観察者の眼のY座標が−300から−400の範囲において観察者が前後に動いても、フォーカス分析部の測定に基づき自動でDT2、DT3、DT4を変えて2303を観察者の両眼と共役な位置に保つので立体視を保つ。その際DT5が短くなるとDT3を大きくすることで観察者が見る映像の拡大率の変化を小さく抑える。さらにDT1も合わせて変えれば2302からの光が2301上で結像しキャンセル原理を保つようにできる。またSを映像再生のためだけでなく距離測定にも利用して資源を節約する。そしてカメラのオートフォーカス技術を利用できるので部品の調達が容易である。さらにキャンセル原理との組み合わせの結果観察者は前後左右にある程度動けるため快適に映像を見ることができる。また2303に凹面鏡ではなくレンズ系を用いたことで収差を調整するための設計上の自由度を得ている。
またこの実施例で用いられているレンズの一部を特にフレネルレンズにすることができる。特に2301、2306、2305のサイズが大きい方が映像の視野を広くするので望ましい。フレネルレンズはサイズを大きくしてもレンズ厚が薄いため、視野の広い装置を設計しやすいという効果がある。
尚この方法で投光アレイの視差数、レンズやディスプレイのサイズ、投光アレイのタイプを変えた様々な形態でも同様の作用と効果をもたらしうることは明らかである。特に2視差に変えた形態としても上に述べた作用と効果があり有効であるがその際M1とM2の横幅を1.5倍にしD1とD2の横幅も1.5倍にする。
またこの実施例で用いられているレンズのすべてを左右方向にのみ集光性のあるシリンドリカルレンズに置き換えた形態も可能である。すなわち各レンズのZ軸方向の焦点距離のみ∞に変える。そしてディスプレイの縦幅及びMの縦幅を200に変える。さらに図1を用いた実施形態と同様に考えてMの各レンズのX軸方向に関する焦点距離を72に変更する。これにより上下方向の集光性がないために生じる左右方向のピントと上下方向のピントの不一致を解消する。さらにディスプレイに表示する各映像の上下反転を止め、各映像をZ軸方向のみ拡大する。例えばDT5が400の場合は拡大率を2.25倍としDT5が300の場合は拡大率を3.07倍とする。このシリンドリカルレンズも特にフレネルレンズにすることができる。
本発明では再帰性反射物は集光型スクリーンに分類される。再帰性反射物は通常縦方向と横方向の両方に再帰性反射する。この特性は一例として直径50μm程度の透明球を布に埋め込んだり表面に塗料と混ぜて塗布したりして作られることが知られている。球の替わりにキューブコーナーレンズが用いられることもある。また横方向にのみ再帰性がある反射物も再帰性反射物に分類する。これは望ましくはS上に映される映像の画素間隔より短い間隔で横方向に繰り返す合わせ鏡により作られることが知られている。再帰性反射物Sに関しては最短観察距離Loを0とおいて扱う。実用上はSをその正面から観察し近づいたときにS全体で再帰性を保つ限界距離以上から観察することが望ましい。その場合はその点から発した光はSのどの点に達してもそこで再帰的に反射した後に少なくとも左右方向に関して共役点付近に集められる。そうでない場合は再帰性を利用できるS上の領域が制限される。
図24は、本発明の他の実施形態による立体映像装置の側面図であり紙面の上方向が観察者の上方向でありZ軸とし、紙面の左方向が観察者の前方でありY軸とし、紙面の法線方向が観察者の右方向でありX軸とする。原点Oは2401の中心におく。以下図面にしたがってその構成を説明する。以下この形態では長さの単位はmmである。2401は横600縦300のスクリーンSでありX軸方向にもZ軸方向にも再帰性反射特性を有する再帰性反射物である。その中心Soが原点Oにある。PMの座標を(0,−800,0)とする。よってPMのSoからの半画角は0度である。2402及び2403はAタイプの10視差投光アレイのディスプレイと光路制御物Mである。ディスプレイ2402は横幅1300縦幅60であり横方向に10分割して10個の連続した視差のある映像D1、D2、…D10を各々上下左右反転して表示する。つまりDk−1とDkは視差のあるステレオ映像である。これらの映像は並べられて1つの映像として表示するようにし、その1つの映像は1つの再生装置から再生される。この図では再生装置は省略されている。光路制御物Mつまり2403は横方向に10個のレンズ系M1、M2、…M10を並べた物で各レンズ系の焦点距離は234でサイズは横120縦200である。2405は焦点距離800横幅320縦幅160の凹レンズであり、その中心は(0,−200,−200)にある。2406はハーフミラーである。この投光アレイから出た光は平面鏡2407、2405を経て2406で反射しさらに2401で再帰性反射し2406を透過して2404に達する。よってPMの共役点CPMの座標は(0,100,−700)となり、そこにMの中央がおかれる。2404からの視野を示す光路が図に描かれている。これは図中の2404から光路を逆にたどって2402上のどの部分からの光を知覚するかを例示するものである。M1の左端の座標CP0は(−600,100,−700)でありその共役点P0はほぼ(−300,−800,0)である。1から10までのkに対して、Mkの右端の座標CPkは(−600+120×k,100,−700)でありその共役点Pkはほぼ(−300+60×k,−800,0)であり、Mkの中心の座標CQkはCPk−1とCPkの中点であり、その共役点QkはPk−1とPkのほぼ中点である。2404はEL又はERを表しP0からP10の範囲に位置することを想定する。CP10とCP0のX座標の差をP10とP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくと、RTは2となる。CP10とCP0のX座標の差は1200となり130にRTを乗じた値より大きい。また195にRTを乗じた値より大きい。2から9までのkに対してCPkとCPk−1のX座標の差は120であり、70にRTを乗じた値より小さい。今2402と2403の距離は300でありよってDkからの光はMkを通過してほぼS上に結像する。
一方2408は赤外線を用いた距離計測器であり、Sと観察者の顔の距離を計測する。今その距離は800であるが観察者が前方に移動するとその移動量EFBを算出する。その方法は多くのオートフォーカス付きカメラが用いている赤外線による距離計測方法と同じである。次にEFBの絶対値があらかじめ定めた閾値30以上であればPMを新たにこれまでの位置の前方EFBの点に更新する。よってCPMは以前より前方に移動するがその量をDISPMとおく。単純に2403と2402をDISPMだけ前方に平行移動することでも立体映像を維持することができる。しかしこの形態では2405を平行移動してCPMの位置の変化を無くす方法を例示する。つまり1例としてEFBが−100であるつまり2404のSからの距離が900になったとするとDISPは−533となる。しかしこのとき、2405を138下げて(0,−200,−338)の位置に移動すればCPMの位置は以前の位置と一致するのでMを移動する必要はない。さらに望ましくは今2402と2403の距離を約7延ばして307としDkからの光がMkを通過してほぼS上に結像する状態を完全に保つ。この新しい状態でもCPkおよびCQkに変化はない。Pkはほぼ(−328+65.6×k,−900,0)に更新される。QkはPk−1とPkのほぼ中点である。EL又はERは更新されたP0からP10の範囲に位置することを想定する。CP10とCP0のX座標の差をP10とP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくと、RTは1.83となる。CP10とCP0のX座標の差は1200であり130にRTを乗じた値より大きい。また195にRTを乗じた値より大きい。2から9までのkに対してCPkとCPk−1のX座標の差は120であり、70にRTを乗じた値より小さい。
この形態では第一に眼鏡や特殊なディスプレイを用いずに立体映像を実現している。しかも観察者の両眼が左右方向に幅65にわたって動いても立体視が保たれる。さらに幅130にわたって動いても立体視が保たれる。第二に観察者の眼が左右に動いても装置の一部をその動きに追従させずにその動きにより生じる観察される映像の移動をほぼ100%除く。その理由となる原理は前述の図17を用いた形態の場合と同じである。すなわち1から10までのkに対して、ELがPk−1とPkの間にある時ELとS上の各点を結ぶ光路の延長はMkを通りDkに達する。一方ERはELの約65右にあるためMk+1を通りDk+1に達するかまたはMk+2を通りDk+2に達する。ところがDkとDk+1の像およびDkとDk+2の像は互いに視差のあるステレオの関係にあるため立体視が実現する。そしてP0とP10の距離は130より大きく、さらに195より大きい。よってこの立体視の関係は65の幅にわたり保たれ、さらに130の幅にわたり保たれる。さらに1から10までのkに対してDkからの光がS上で結像するようにMkの焦点距離が定められているため前述のキャンセル原理が成り立ち、眼の移動により生じる映像の移動がほぼ100%除かれ、眼の移動に伴い通過するレンズ系が変化したときの映像位置の跳びもなくなる。さらにZ方向に関しても同じ原理により眼の移動により生じる映像の移動がほぼ100%除かれる。
さらに、ここでMkとDkの距離かMkの焦点距離を変えて、Dkの光が結像する点とMkの距離がMkからSまでの距離の91%以上111%以下で用いることも有用である。Dkの光が結像する点とMkの距離がMkからSまでの距離の95%以上105%以下で用いることも有用である。その理由と生じる効果も前述と同じである。また用いる投光アレイがBタイプであればキャンセル原理だけでなく前述の遠景原理も効果的に利用できる。またこの形態ではディスプレイと再生装置とメディアが1つで済むので節約となる。さらに観察者の眼のY座標が−800から−900の範囲において観察者が前後に動いても、2408の測定に基づき自動で2405の位置を変えて2403を観察者の両眼と共役な位置に保つので立体視を保つ。さらに2402と2403の距離も合わせて変えれば2402からの光が2401上で結像しキャンセル原理を保つようにできる。さらにキャンセル原理との組み合わせの結果観察者は前後左右にある程度動けるため快適に映像を見ることができる。また2303に凹面鏡ではなくレンズ系を用いたことで収差を調整するための設計上の自由度を得ている。
またこの実施例で用いられているレンズの一部を特にフレネルレンズにすることができる。特に2405のサイズが大きい方が映像の視野を広くするので望ましい。フレネルレンズはサイズを大きくしてもレンズ厚が薄いため、視野の広い装置を設計しやすいという効果がある。
尚この方法で投光アレイの視差数、レンズやディスプレイのサイズ、投光アレイのタイプを変えた様々な形態でも同様の作用と効果をもたらしうることは明らかである。特に2視差に変えた形態としても上に述べた作用と効果があり有効である。さらにP0とP10の間に2人の観察者が位置すれば2人で同時に映像を楽しめる。その際D6からD10の映像をD1からD5の映像と同じ物になるよう変更すると全く同じ映像を楽しめる。
図25は、本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図であり紙面の上方向が観察者の右方向を示しX軸とし、紙面の左方向が観察者の前方でありY軸とし、紙面の法線方向をZ軸とする。原点Oを2501bの中心とする。図面にX軸とY軸と原点Oを示す。以下図面にしたがってその構成を説明する。以下この形態では長さの単位はmmとする。2501a、2501b、および2501cは各々焦点距離2000横幅1000縦幅1000のフレネル凸レンズでありスクリーンとして用いられる。その中心の座標は各々(970,−171,0)、(0,0,0)および(−970,−171,0)である。PMの座標を(300,−4000,0)としそこに観察者2502が位置すると想定する。2503a、2503b、および2503cは各々4視差投光アレイであり、その光路制御部は焦点距離205横幅60縦幅150のレンズを4枚並べたものであり、そのディスプレイ部は横幅60縦幅150の部分領域を4つ並べたものであり、各レンズと各部分領域は216離して向かい合うようにおかれる。2503aは2501aに関してPMと共役の位置(1694,3964,0)にその光路制御部の中心をおく。2503bは2501bに関してPMと共役の位置(−300,4000,0)にその光路制御部の中心をおく。2503cは2501cに関してPMと共役の位置(−2240,3658,0)にその光路制御部の中心をおく。さらに別の観察者2504が座標(−300,−4000,0)に位置しそこをPM2と呼ぶ。2505a、2505b、および2505cは各々上記と同形の4視差投光アレイである。2505aは2501aに関してPM2と共役の位置(2240,3658,0)にその光路制御部の中心をおく。2505bは2501bに関してPM2と共役の位置(300,4000,0)にその光路制御部の中心をおく。2505cは2501cに関してPM2と共役の位置(−1694,3964,0)にその光路制御部の中心をおく。よってPMの各スクリーンからの距離はその焦点距離より大きく、PMの各スクリーンからの半画角は30度以下である。PM2についても同様である。各投光アレイの4つの映像は互いに視差のあるステレオ映像の関係にある。さらに2503aの映像と2503bの映像と2503cの映像は1つの映像を左右に1/3ずつ分割した関係であるので観察者はこの3つをつなげた映像を見る。2505a、2505bと2505cの映像は各々2503a、2503bと2503cの映像と同一である。
この形態では第一に眼鏡や特殊なディスプレイを用いずに立体映像を実現している。しかも観察者の両眼が左右方向に幅65にわたって動いても立体視が保たれる。さらに幅130にわたって動いても立体視が保たれる。第二に観察者の眼が左右に動いても装置の一部をその動きに追従させずにその動きにより生じる観察される映像の移動をほぼ100%除く。その理由となる原理は前述の図23を用いた形態の場合と同じである。この形態ではRTは約1であり、P0とP4の距離は240である。
スクリーンを1つ使う場合は視野を広げることによりスクリーンと光路制御物で用いるレンズのFナンバーに対する要求が高くなる。しかしこの形態ではスクリーンを複数使うことでこの要求を軽減する効果がある。よって各スクリーンの焦点距離を短くしてSとMとの距離を短くとることが可能になり、よって装置をコンパクトにする利点がある。またこの形態では複数の観察者に同時に立体映像を見てもらえる。原理的にはスクリーンの数を2以上の任意の数に増やせることは明らかである。原理的には観察者の数を2以上の任意の数に増やせることは明らかである。原理的には投光アレイの視差数を2以上の任意の数に増やせることは明らかである。なお、この形態は特に視差数2の投光アレイでも行えるのでその例としても有効である。
尚上述の実施例の多くはスクリーンSおよび光路制御物に集光性があるため別の人が意図せずSおよび光路制御物の周囲でカメラフラッシュをたきちょうど共役点付近に人が居合わせた場合失明させるなどの危険があるのでこの危険を避ける別の対策を設ける必要がある。特にSおよび光路制御物が楕円面の場合のように2次元的な集光性がある場合は注意が必要である。
本発明の一実施の形態による立体映像装置の平面図である。 図1に示した立体映像装置の側面図である。 本発明の原理を説明する平面図である。 本発明の原理を説明する平面図である。 本発明の原理を説明する平面図である。 本発明の原理を説明する平面図である。 本発明の原理を説明する平面図である。 本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図である。 他の実施形態による要部の平面図である。 本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図である。 図10に示した立体映像装置の側面図である。 本発明の原理を説明する平面図である。 図10に示した立体映像装置の要部の光路図である。 図10に示した立体映像装置の要部の光路図である。 図10に示した形態を変えたときの要部の光路図である。 図10に示した形態を変えたときの要部の光路図である。 本発明の他の実施形態による立体映像装置の側面図である。 図17に示した立体映像装置の要部の平面図である。 他の実施形態による要部の正面図である。 図19に示した要部の側面図である。 本発明の原理を説明するチャートである。 本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図である。 本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図である。 本発明の他の実施形態による立体映像装置の側面図である。 本発明の他の実施形態による立体映像装置の平面図である。 図1に示した形態を説明するチャートである。 本発明の原理を説明するチャートである。
101 スクリーンS
102a 左眼用画像DLの表示部
103a 光路制御用の鏡ML
104a 左眼が位置すると想定する位置EL
102b 右眼用画像DRの表示部
103b 光路制御用の鏡MR
104b 右眼が位置すると想定する位置ER
105 小さなディスプレイ
106 プリズム
107a DLを表示するディスプレイ
107b DRを表示するディスプレイ
108a ML
108b MR
801 スクリーンS
802a DLの表示部
803a ML
804a EL
802b DRの表示部
803b MR
804b ER
901 シリンドリカルな凹レンズ
902 平面鏡
903 シリンドリカルな凸レンズ
1001 スクリーンS
1002a DLの表示部
1003a ML
1004a EL
1002b DRの表示部
1003b MR
1004b ER
1701 スクリーンS
1702 ディスプレイ
1703 光路制御物
1704 左眼の想定位置ELと右眼の想定位置ER
1705 平面鏡
1706 平面鏡
1707 平面鏡
1708 再生装置
1709 外枠
1710 ハーフミラー
1711 フォーカス分析部
1901a,b,c,d 凸レンズ
1902a,b,c,d 凹レンズ
1903a,b,c,d 平面鏡
1904a,b,c,d 平面鏡
1905a,b,c,d ディスプレイ
2201 スクリーンS
2202a,b,c,d ディスプレイ
2203 光路制御物M
2204 左眼の想定位置EL
2205a,b,c,d 映写機
2301 スクリーンS
2302 6視差投光アレイのディスプレイ
2303 6視差投光アレイの光路制御物M
2304 EL又はER
2305 凸レンズ
2306 凹レンズ
2307 ハーフミラー及びフォーカス分析部
2401 スクリーンS
2402 Aタイプの10視差投光アレイのディスプレイ
2403 Aタイプの10視差投光アレイの光路制御物M
2404 EL又はER
2405 凹レンズ
2406 ハーフミラー
2407 平面鏡
2408 距離計測器
2501a,b,c スクリーン
2502 観察者
2503a,b,c 4視差投光アレイ
2504 別の観察者
2505a,b,c 4視差投光アレイ

Claims (28)

  1. 集光型スクリーンSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、Sの横方向を左右方向またX軸方向とおき、Sの中央Soからの半画角が30度以下でなおかつSoからの距離がSの最短観察距離Loより大きい点の一つPMを定め、PMの右側に20mm以上35mm以下離れた点の一つをERとしPMの左側に20mm以上35mm以下離れた点の一つをELとし、さらにSに関しERと共役な点をCERとしELと共役な点をCELと定め、CERとCEL間の距離をDCEと呼ぶとき、上記光路制御物はMRとMLからなり、上記ディスプレイは1つ以上のディスプレイからなり右眼用画像DRおよび左眼用画像DLを別々の位置に表示し、ERとSoを結ぶ光路の延長上にMRを配置しその後の光路の延長上にDRを配置しこの光路を右光軸と呼び、ELとSoを結ぶ光路の延長上にMLを配置しその後の光路の延長上にDLを配置しこの光路を左光軸と呼び、しかもMRがCER近傍上に位置しMLがCEL近傍上に位置し、MRの横幅が50mmと右拡散値の和以上かつDCEの80%と右拡散値の和以上あり同時にMLの横幅が50mmと左拡散値の和以上かつDCEの80%と左拡散値の和以上あり、これによりERからDRの像が見え同時にELからDLの像が見え、これらDRの像とDLの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であることを特徴とする立体映像装置。
  2. 集光型スクリーンSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、上記光路制御物はレンズを用いるが凹面鏡を用いず、Sの横方向を左右方向またX軸方向とおき、Sの中央Soからの半画角が30度以下でなおかつSoからの距離がSの最短観察距離Loより大きい点の一つPMを定め、PMの右側に20mm以上35mm以下離れた点の一つをERとしPMの左側に20mm以上35mm以下離れた点の一つをELとし、さらにSに関しERと共役な点をCERとしELと共役な点をCELと定め、CERとCEL間の距離をDCEと呼ぶとき、上記光路制御物はMRとMLからなり、上記ディスプレイは1つ以上のディスプレイからなり右眼用画像DRおよび左眼用画像DLを別々の位置に表示し、ERとSoを結ぶ光路の延長上にMRを配置しその後の光路の延長上にDRを配置しこの光路を右光軸と呼び、ELとSoを結ぶ光路の延長上にMLを配置しその後の光路の延長上にDLを配置しこの光路を左光軸と呼び、しかもMRがCER近傍上に位置しMLがCEL近傍上に位置し、MRの横幅が60mmと右拡散値の和以上かつDCEの80%と右拡散値の和以上あり同時にMLの横幅が60mmと左拡散値の和以上かつDCEの80%と左拡散値の和以上あり、これによりERからDRの像が見え同時にELからDLの像が見え、これらDRの像とDLの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であることを特徴とする立体映像装置。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、少なくともMRの中央を通るDRからの光がMRにより進行方向を変えられているか、あるいはMLの中央を通るDLからの光がMLにより進行方向を変えられており、DR及びDLの各々のX軸方向の幅がDCEより大きいことを特徴とする立体映像装置。
  4. 請求項1に記載のものにおいて、少なくともMRの中央を通るDRからの光がMRにより進行方向を変えられているか、あるいはMLの中央を通るDLからの光がMLにより進行方向を変えられており、DR及びDLの各々のX軸方向の幅が65mmより大きいことを特徴とする立体映像装置。
  5. 請求項1に記載のものにおいて、X軸方向に関するMRの焦点距離がDRの光をS上に結像させる値であり、同時にX軸方向に関するMLの焦点距離がDLの光をS上に結像させる値であることを特徴とする立体映像装置。
  6. 請求項1に記載のものにおいて、MRがDRからの光をX軸方向に関して結像させる点とMRとの距離がMRからSまでの距離の83%以上125%以下であり、同時にMLがDLからの光をX軸方向に関して結像させる点とMLとの距離がMLからSまでの距離の83%以上125%以下であることを特徴とする立体映像装置。
  7. 請求項1に記載のものにおいて、Sが2つの焦点をもつ回転楕円面型凹面鏡であり、Sの2焦点をA、Bとおくとき、PMをA、Bどちらか一方の位置とすることを特徴とする立体映像装置。
  8. 請求項1に記載のものにおいて、DRの光がERに達する光路に関してMRが映像の横方向のピントと縦方向のピントを一致させるような横方向の焦点距離と縦方向の焦点距離を有し、DLの光がELに達する光路に関してMLが映像の横方向のピントと縦方向のピントを一致させるような横方向の焦点距離と縦方向の焦点距離を有することを特徴とする立体映像装置。
  9. 請求項1に記載のものにおいて、閾値THを0以上65mm以下の値とし、Sと観察者間の距離を測定し、SとPM間の距離と測定された値との差がTH以上である場合にその差をTH以下に縮めるようにPM、ER、ELの設定値を更新し、これによりERの共役点CERの位置を更新し同時にELの共役点CELの位置を更新し、そしてMRとCERの距離を更新前後で一定になるようにMRを移動し同時にMLとCELの距離を更新前後で一定になるようにMLを移動し、以上のことを自動で行うことを特徴とする立体映像装置。
  10. 請求項9に記載のものにおいて、仮にSからMRとMLに至る光路上におかれた別の光路制御物の配置を変えずにCERの位置とCELの位置を更新したときのCERの移動量をDISRとしCELの移動量をDISLとおくとき、実際にはSからMRとMLに至る光路上におかれた別の光路制御物の配置を上記測定された値に基づいて変えることにより、CERの移動量を0以上DISR未満に変え同時にCELの移動量を0以上DISL未満に変えることを特徴とする立体映像装置。
  11. 請求項9に記載のものにおいて、Sと観察者の距離を測定する際に観察者からの光がSによって映される像を分析して測定することを特徴とする立体映像装置。
  12. 請求項1に記載のものにおいて、上記画像表示用のディスプレイは1台でありDRとDLを並べた画像を表示することを特徴とする立体映像装置。
  13. 請求項1に記載のものにおいて、右眼用画像DRの視界と左眼用画像DLの視界が被写体の中心付近を共有しているが、それより右側はDRだけが有しておりそれより左側はDLだけが有している映像を使用することを特徴とする立体映像装置。
  14. 集光型スクリーンSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、Sの横方向を左右方向またX軸方向とおき、Sの中央Soからの半画角が30度以下でなおかつSからの距離がSの最短観察距離Loより大きい点の一つPMを定め、Sに関しPMと共役な点をCPMとおくとき、上記光路制御物MはCPM上に配置され、さらにMは3個以上の部分M1、M2、…Mnからなり、M1の左端の位置をCP0とおきCP0の共役点をP0とおき、1からnまでの各kに対して、Mkの右端の位置をCPkとおきCPkの共役点をPkとおき、Mkの中央の位置をCQkとおきCQkの共役点をQkとおき、CPnとCP0のX座標の差をPnとP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくとき、CPnとCP0のX座標の差の絶対値は130mmにRTを乗じた値より大きく、2からn−1までの各kに対してCPkとCPk−1のX座標の差の絶対値は70mmにRTを乗じた値未満であり、上記ディスプレイは1つ以上のディスプレイからなり画像D1、D2、…Dnを別々の位置に表示し、1からnまでの各kに対して、QkとSoを結ぶ光路の延長がMkに達した後の延長上にDkを配置しこの光路を光軸kと呼び、これにより観察者の左眼が位置すると想定する位置ELがPk−1からPkの間にある時ELからDkの像が見え、そしてDk−1の像とDkの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であるD1、D2、…Dnを用いることを特徴とする立体映像装置。
  15. 集光型スクリーンSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、上記光路制御物はレンズを用いるが凹面鏡を用いず、Sの横方向を左右方向またX軸方向とおき、Sの中央Soからの半画角が30度以下でなおかつSからの距離がSの最短観察距離Loより大きい点の一つPMを定め、Sに関しPMと共役な点をCPMとおくとき、上記光路制御物MはCPM上に配置され、さらにMは3個以上の部分M1、M2、…Mnからなり、M1の左端の位置をCP0とおきCP0の共役点をP0とおき、1からnまでの各kに対して、Mkの右端の位置をCPkとおきCPkの共役点をPkとおき、Mkの中央の位置をCQkとおきCQkの共役点をQkとおき、CPnとCP0のX座標の差をPnとP0のX座標の差で割った値の絶対値をRTとおくとき、CPnとCP0のX座標の差の絶対値は195mmにRTを乗じたより大きく、2からn−1までの各kに対してCPkとCPk−1のX座標の差の絶対値は70mmにRTを乗じた値未満であり、上記ディスプレイは1つ以上のディスプレイからなり画像D1、D2、…Dnを別々の位置に表示し、1からnまでの各kに対して、QkとSoを結ぶ光路の延長がMkに達した後の延長上にDkを配置しこの光路を光軸kと呼び、これにより観察者の左眼が位置すると想定する位置ELがPk−1からPkの間にある時ELからDkの像が見え、そしてDk−1の像とDkの像が視差のあるステレオ立体視用の映像であるD1、D2、…Dnを用いることを特徴とする立体映像装置。
  16. 請求項14に記載のものにおいて、各Mkは凸レンズと平面鏡と凹レンズを用いており、QkとSoを結ぶ光路を延長するとまず凸レンズUk次に平面鏡Vk次に凹レンズWkを通過した後Dkに向かう構造を有し、このときVkはk毎にその面の方向を替えていることを特徴とする立体映像装置。
  17. 請求項14に記載のものにおいて、Mkが光軸kの進行方向を変えており、DkのX軸方向の幅が65mmより大きいことを特徴とする立体映像装置。
  18. 請求項14に記載のものにおいて、X軸方向に関するMkの焦点距離がDkの光をS上に結像させる値であることを特徴とする立体映像装置。
  19. 請求項14に記載のものにおいて、MkがDkからの光をX軸方向に関して結像させる点とMkとの距離がMkからSまでの距離の91%以上111%以下であることを特徴とする立体映像装置。
  20. 請求項14に記載のものにおいて、Sが2つの焦点をもつ回転楕円面型凹面鏡であり、Sの2焦点をA、Bとおくとき、PMをA、Bどちらか一方の位置とすることを特徴とする立体映像装置。
  21. 請求項14に記載のものにおいて、上記ディスプレイDkの光がQkに達する光路に関して上記光路制御物Mkが映像の横方向のピントと縦方向のピントを一致させるような横方向の焦点距離と縦方向の焦点距離を有することを特徴とする立体映像装置。
  22. 請求項14に記載のものにおいて、閾値THを0以上65mm以下の値とし、Sと観察者間の距離を測定し、SとPM間の距離と測定された値との差がTH以上である場合にその差をTH以下に縮めるようにPMの設定値を更新し、これによりPMの共役点CPMの位置を更新しそこに上記光路制御物Mを移動し、以上のことを自動で行うことを特徴とする立体映像装置。
  23. 請求項22に記載のものにおいて、仮にSからMに至る光路上におかれた別の光路制御物の配置を変えずにCPMの位置を更新したときのCPMの移動量をDISPMとおくとき、実際にはSからMに至る光路上におかれた別の光路制御物の配置を上記測定された値に基づいて変えることにより、CPMの移動量を0以上DISPM未満に変えることを特徴とする立体映像装置。
  24. 請求項22に記載のものにおいて、Sと観察者の距離を測定する際に観察者からの光がSによって映される像を分析して測定することを特徴とする立体映像装置。
  25. 請求項14に記載のものにおいて、上記画像表示用のディスプレイは1台でありD1、D2、…Dnを並べた画像を表示することを特徴とする立体映像装置。
  26. 請求項14に記載のものにおいて、画像Dkの視界と画像Dk−1の視界が被写体の中心付近を共有しているが、それより右側はDkだけが有しておりそれより左側はDk−1だけが有している映像を使用することを特徴とする立体映像装置。
  27. スクリーンUSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、上記スクリーンUSは複数の集光型スクリーンS1、S2、…Smからなり、kによらない点PM、ER、ELを定めておき、1からmの各kについてSkをスクリーンSとして請求項1に記載の立体映像を行うことを特徴とする立体映像装置。
  28. スクリーンUSと光路制御物と画像表示用のディスプレイを用いる立体映像装置であり、上記スクリーンUSは複数の集光型スクリーンS1、S2、…Smからなり、kによらない点PMを定めておき、1からmの各kについてSkをスクリーンSとして請求項14に記載の立体映像を行うことを特徴とする立体映像装置。
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JP2021047440A (ja) * 2015-12-07 2021-03-25 国立大学法人宇都宮大学 表示装置及び空中像の表示方法
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