JP2006308523A - 電気泳動用マイクロチップのマイクロチャンネル内のコーティング方法および該方法によりコーティングが施された電気泳動用マイクロチップ - Google Patents

電気泳動用マイクロチップのマイクロチャンネル内のコーティング方法および該方法によりコーティングが施された電気泳動用マイクロチップ Download PDF

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Abstract

【課題】 複数のチャンネル構造が存在し、電気浸透流が安定的に制御されるべきマイクロチップ、特にDGGE用マイクロチップのチャンネル内壁のコーティング方法等を提供する。
【手段】 本発明は、少なくとも2つのマイクロチャンネルを用いて生体分子を分離する電気泳動用マイクロチップにおいて、前記少なくとも2つのマイクロチャンネルの内壁にコーティングを施す方法であって、電気泳動が行われる前に、前記少なくとも2つのマイクロチャンネルの内壁を少なくとも1種のポリマーで均一にコーティングする工程を含むことを特徴とするコーティング方法に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気泳動用マイクロチップのマイクロチャンネル内のコーティング方法、および該方法によりマイクロチャンネル内がコーティングされた電気泳動用マイクロチップに関し、より詳しくは、電気泳動が行われる前段階で、少なくとも2つのマイクロチャンネル内に電気浸透流を安定させるためにポリマーの均一なコーティングを施す工程を含む方法等に関する。
1990年代の初めに、マンツが化学分析、生化学分析に必要な全ての要素を1枚のチップ上に組み込む微小化学分析装置、いわゆるマイクロタス(μTAS)の概念を提唱して以降、様々なタイプのマイクロタスが開発されてきた。
マイクロタスは様々な化学反応や分析を1枚のチップ上で行うため、様々な物質を移動、混合させるための溶液操作が重要な要素となっている。この溶液操作のために有用な手段が電気浸透流を用いた溶液の移動である。電気浸透流とは、電解質溶液を充填したマイクロチップの微細流路(マイクロチャンネル)内に電場をかけることによって電解質溶液が溶媒を伴って移動する現象である。電気浸透流の特長は、電解質が溶媒を伴って移動するために、荷電した物質だけではなく、電荷的に中性の物質も移動させることができるという点である。
電気浸透流の速度(veo)はチャンネル内の誘電率εと粘性率η、内壁表面のゼータ電位ζと電場の強さEの関数として次のSmoluchowski式で与えられる。
ここで、チャンネル内壁表面の荷電状態を変化させることにより、ゼータ電位が変化し、電気浸透流の速度がコントロールされる。
マイクロタスにおいて、電気浸透流は電荷的性質における全ての物質を運搬することができる点で重要であるが、この電気浸透流にはいくつかの問題が存在する。最も大きな問題として電気浸透流の強さがチャンネル内壁表面の電荷状態に依存し、非常に不安定であるということが挙げられる。例えばマイクロタスの基板としてしばしば用いられるガラス基板においては、チャンネルに分析用の媒体を流通させることにより、媒体中の成分がガラス表面に非特異的に吸着し、チャンネル内壁表面の電荷状態が徐々に変化することが知られている。このため、チャンネル内壁面に親水性ポリマーのコーティングを施すことにより、電気浸透流を抑制して流速の安定化を図ることが検討されている。
一方、荷電した物質に電位を与え、物質がもつ電荷により移動させる方法に電気泳動がある。電気泳動は核酸やタンパク質などの生体分子を分離・精製あるいは分析する手段として、電解質溶液を充填したアガロースやポリアクリルアミドなどのゲルや微細管(キャピラリー)に電場をかけ、その中で荷電物質を移動させ、移動速度の違いにより荷電物質を分離する手法である。
この電気泳動をマイクロチップ上で行うものにマイクロチップ電気泳動があり、核酸やタンパク質などの生体分子を分析対象とする。マイクロチップ電気泳動では一般的にポリアクリルアミドなどのポリマーを用いてチャンネル表面をコーティングする。コーティングの理由としては電気浸透流の抑制やチャンネル表面への生体分子の吸着防止などが挙げられる。生体分子のマイクロチップ電気泳動におけるコーティング条件として電気浸透流を形成させる条件は求められていないため、一般的なマイクロチップ電気泳動は電気浸透流が全く発生しない条件で行われる。よって、一般的なマイクロチップ電気泳動に施されるコーティング状態においては、電荷的性質が異なるものを含む全ての物質を運搬することはできない。
同様に、キャピラリーを用いた電気泳動でも電気浸透流を形成させる条件は求められていないため、電気浸透流が全く発生しないコーティングをキャピラリー内壁に形成させる。従って、一般的なキャピラリーを用いた電気泳動のためのコーティング条件においても、電荷的性質が異なるものを含む全ての物質を運搬することはできない。
ところで、マイクロチップ電気泳動においても、電気浸透流を利用する場合がある。その一例として、本件出願人が開発したマイクロチップ変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(マイクロチップDGGE)がある(非公開特許文献1)。
変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)とは、2本鎖DNAを塩基配列の違いにより分離する方法である。DGGEは、DNAの変異検出や一塩基多型(SNPs)の検出などに利用されているだけでなく、近年は活性汚泥法やメタン発酵のような有機性排水・廃棄物処理プロセスにおいて、あるいは微生物を用いて汚染土壌・地下水を浄化修復するバイオレメディエーションなどにおいて活躍する微生物群集の構造解析などに利用されている。DGGEの欠点は、高スループットの解析には向かないこと、大型の恒温槽を必要とし、装置全体が大型になることなどが挙げられる。これらDGGEおよびマイクロタスの利点を組み合わせたものがマイクロチップDGGEである。
このマイクロチップDGGEでは、マイクロチップ上で変性剤濃度勾配を形成し、この変性剤濃度勾配に導入された2本鎖DNAを塩基配列の違いに応じて迅速に分離可能である。マイクロチップ内に変性剤濃度勾配を形成する方法は、異なる変性剤濃度の2種類の流体をマイクロチャンネル内で輸送し、混合することである。変性剤は電荷的に中性であるため、その輸送には電気浸透流を用いるのが非常に有効である。
このマイクロチップ上に変性剤濃度勾配を形成させるためには安定的で再現性の高い、さらにはその流速をコントロールできる電気浸透流の存在が不可欠となる。つまり、マイクロチップDGGEを実施するためには、電気浸透流を抑制することで安定化させながらも、ある程度電気浸透流が発生する条件にするためのチャンネル内壁面のコーティング状態が非常に重要となる。
さらに、マイクロチップDGGEのようなマイクロタスの実施にあたり、1つのチップ上に複数の交差するチャンネル(例えば、分離用チャンネルと試料導入用チャンネル)を形成し、それぞれのチャンネルの用途に応じて溶液の流れを独立に制御することがしばしば行われる。この場合は、それぞれのチャンネルにおいて電気浸透流の強度を独立に、且つ正確に制御できることが極めて重要である。
従来、キャピラリー電気泳動やマイクロチップ電気泳動において電気浸透流を抑制するひとつの方法として、チャンネル内壁に吸着し得る親水性ポリマーを分離媒質に加えることで内壁にコーティングを形成させつつ電気泳動分離を行う方法が提案されている(上記の特許文献1参照)。
また、Ikiらはタンパク質キャピラリー電気泳動の分野において電気泳動前に予めキャピラリー内に親水性ポリマーを充填し、酸性条件下で物理的吸着によるコーティングを行い、分離能の改善が認められたことを報告している(上記の非特許文献1参照)。
非公開特許文献1
特願2003-392302号
特許3122846号公報 Journal of Chromatography A, 731(1996) 273-282
しかしながら、親水性ポリマーを分離媒質に加える方法に関し、我々はそのような分離媒質をDGGE用マイクロチップのチャンネルへ充填し、核酸の分離を試みたところ、電気浸透流がほとんどない状態になったか、核酸が試料導入用チャンネルと交差する分離用チャンネルに導入できないか、あるいは電気浸透流が非常に不安定となり、導入された核酸試料が分離用チャンネルの壁面方向へ移動するため適正に分離できなかった。つまり、DGGE用マイクロチップに見られるように互いに交差する2つマイクロチャンネルを持つ装置では、その複雑なチャンネル構造を流れる電気浸透流を厳密に制御することが要求されるが、特許文献1に記載の方法は、そのような電気浸透流の制御に有効なコーティングを形成できなかった。
また、Ikiらの実験は、1本のチャンネルからなるキャピラリー内のコーティングを行ったものであり、DGGE用マイクロチップに見られるような複雑なチャンネル構造を持つマイクロチップにおけるコーティングには対応していない。すなわち、少なくとも2つのチャンネルが存在するマイクロチップ上では、1ヶ所からコーティング剤を流しながらコーティングを行うと、チャンネルの長さや形状により、通りやすいチャンネルは良くコーティングされ、通りにくいチャンネルはコーティングされにくくなる。このような差違が生じるため、全チャンネル内に均一なコーティングを実現することは難しい。コーティングが不均一であれば、チャンネル内壁のゼータ電位にばらつきが生じるため、電気浸透流の強さにもばらつきが生じる。その結果、マイクロチップDGGEでは、核酸の移動速度にばらつきが生じ、安定的に試料が導入できないあるいは分離能が低下するなどの問題が発生する。
以上述べたように、単一の流路で電気泳動を行うキャピラリー電気泳動や、チップ上で電気泳動のみを行うマイクロチップ電気泳動とは異なり、チップ上に複数のチャンネルが存在し、さらには様々な分析を実施するマイクロタス、特にマイクロチップDGGEにおいて、電気浸透流を抑制することで液体挙動を安定化させながらも、ある程度電気浸透流が発生する条件にするためのチャンネルコーティングは極めて難しい。ポリマーを分離媒質に加えるだけの従来のコーティング方法では電気浸透流がほとんどない状態になるか、試料の導入ができないか、あるいは分離ができないという問題があった。また、複数のチャンネル内を均一にコーティングすることも極めて困難であった。
本発明は、上記の問題に鑑みて、複数のチャンネル構造が存在し、電気浸透流が安定的に制御されるべきマイクロチップ、なかでも2本鎖DNAの塩基配列の違いに応じた分離を実現するために有用なマイクロチップDGGEのチャンネル内壁のコーティング方法、およびそのようなコーティング方法により製造されたマイクロチップを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、我々は種々のコーティング方法を検討した結果、上記Ikiらの方法を改善し、コーティングを行う際に流体の流れを制御することで、2本以上のチャンネルが存在するマイクロチップにおける均一なコーティングを実現することができ、本発明に至った。
すなわち、本発明は、少なくとも2つのマイクロチャンネルを用いて生体分子を分離する電気泳動用マイクロチップにおいて、前記少なくとも2つのマイクロチャンネルの内壁にコーティングを施す方法であって、
電気泳動が行われる前に、前記少なくとも2つのマイクロチャンネルの内壁を少なくとも1種のポリマーで均一にコーティングする工程を含むことを特徴とするコーティング方法を提供する。
本法に使用される前記少なくとも1種のポリマーは、水溶性ポリマーであるとよく、さらには電気浸透流を抑制する作用を持つポリマーであるとよい。
本法では、前記コーティング工程において、少なくとも2つのマイクロチャンネル内の液体の流れを各々独立に制御する機構を用いて、前記ポリマーを含有する溶剤をマイクロチャンネル内に各々独立に流すことによりコーティングを行うことができる。
本法は、前記電気泳動が、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動であるマイクロチップのコーティングに特に好適である。この態様では、前記コーティング工程において、変性剤濃度勾配が形成される分離用マイクロチャンネルと、該分離用マイクロチャンネルと交差する試料導入用マイクロチャンネルとにコーティングを施すことができる。
さらに本法は、電気泳動後、前記マイクロチャンネルからコーティングを除去し、次いで該マイクロチャンネルの内壁に前記少なくとも1種のポリマーによるコーティングを再生する工程を含むとしてもよい。
本発明は他の側面において、少なくとも2つのマイクロチャンネルを用いて生体分子を分離する電気泳動用マイクロチップであって、
電気泳動が行われる前に、前記少なくとも2つのマイクロチャンネルの内壁が少なくとも1種のポリマーで均一にコーティングされることを特徴とする電気泳動用マイクロチップを提供する。
本発明のマイクロチップのコーティングに使用される前記少なくとも1種のポリマーは、水溶性ポリマーであるとよく、さらには電気浸透流を抑制する作用を持つポリマーであるとよい。
本発明のマイクロチップのコーティングにおいて、前記少なくとも2つのマイクロチャンネル内の液体の流れを各々独立に制御する機構を使用して前記コーティングを施すことができる。
本発明のマイクロチップは、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動用である場合に好適である。この態様では、電気泳動が行われる前にコーティングされる少なくとも2つのマイクロチャンネルには、変性剤濃度勾配が形成される分離用マイクロチャンネルと、該分離用マイクロチャンネルと交差する試料導入用マイクロチャンネルとが含まれる。
本発明によれば、各マイクロチャンネルの内壁に形成されたポリマーの均一コーティングにより電気浸透流が安定的に抑制されるので、電気泳動のための一連の工程、つまり試料導入から分離まで、安定かつ適正な流体挙動が得られる。
特に本発明は、電気浸透流を抑制するが、電気浸透流を完全に失うことがないため、DNA変性剤のような電荷的に中性の物質も移動させることができ、DGGEに必要不可欠な変性剤濃度勾配を形成するDGGE用マイクロチップに好適である。
また、少なくとも2つのマイクロチャンネル内の液体の流れを各々独立に制御する機構を用いてポリマー含有溶剤をマイクロチャンネル内に各々独立に流すコーティング工程を含む本法によれば、複数のマイクロチャンネルを有するマイクロチップにおいても、簡易に均一コーティングを施すことができ、位置による電気浸透流の速度のばらつきを回避することができる。
また、マイクロチャンネルからコーティングを除去し、次いで該マイクロチャンネルの内壁に前記コーティングを再生する工程を含む本法によれば、マイクロチップを繰り返し使用できるので、マイクロチップの長寿命化を簡便に図ることができる。
発明を実施するための形態
以下、DGGE用マイクロチップのためのコーティング方法を例にとって、図面を参照しつつ本発明の一形態を説明する。
DGGE用マイクロチップの構成
図1は、DGGE用マイクロチップの概略構造を示す模式図である。このマイクロチップは、核酸の変性剤の濃度勾配が形成される分離用マイクロチャンネル1と、これに交差する試料導入用マイクロチャンネル2と、核酸変性剤を異なる濃度で含有する2種類の緩衝液A,Bを試料導入用マイクロチャンネル1に導入するための2つの変性剤導入用チャンネル1a,1bと、各チャンネルの導入口または排出口としての複数のリザーバ3とにより構成されている。
上記のようなマイクロチップは、当該技術分野における常法に従って製造することができる。フォトリソグラフィー加工技術を使用して、1枚のガラス基板上に所定のチャンネル溝を形成し、他の一枚のガラス基板にチャンネルの導入口および排出口に対応するリザーバ孔を穿設し、これら2枚の基板を張り合わせることによりマイクロチップ本体を製造することができる。本発明に使用される基板の材質は、ガラス、石英、プラスチック、シリコン樹脂などから適宜選択することができる。使用される基板は、本発明によるコーティングによって有効に電気浸透流が抑制される材質のもの、典型的にはガラスが好ましいが、これに限定されない。マイクロチャンネルのサイズ(幅・深さ)は、典型的には1nm〜1000μm好ましくは1μm〜500μmより好ましくは10μm〜100μmである。
各マイクロチャンネルにはリザーバを介して図示しない電極が接続されており、緩衝液で満たされたチャンネル内はかけられる電場に応じて電気浸透流および/または電気泳動が生じるようになっている。マイクロチップDGGEの一例では、変性剤含有緩衝液Aおよび変性剤不含有緩衝液Bが、分離用マイクロチャンネル1内にそれぞれの変性剤導入用チャンネル1a,1bから導入されて混合される。ここで変性剤導入用チャンネル1a,1bからの各流量を制御し、緩衝液Aおよび緩衝液Bを変動する割合で混合することにより分離用マイクロチャンネル1内に変性剤濃度勾配を形成することができる。
一方、試料導入用マイクロチャンネル2からは核酸試料を含む緩衝液が導入される。試料導入用マイクロチャンネル2の一端のリザーバに充填された核酸試料は、変性剤濃度勾配が形成された分離用マイクロチャンネル1との交差部分を横切るように他端のリザーバまで流れ、その結果、核酸試料が分離用マイクロチャンネル1内との交差部分に充填される。次いで分離用マイクロチャンネル1に電気泳動のための電場がかけられると、分離用マイクロチャンネル1内の核酸試料は、負に電荷しているため変性剤濃度勾配内を移動して分離される。すなわち、変性剤濃度勾配内の核酸の移動距離は、各核酸分子の2本鎖が解離し得る変性剤濃度に依存するので、塩基配列が異なる核酸は、変性剤濃度勾配中で異なる移動距離を生じる。
なお、上記DGGE用マイクロチップは本発明を適用できる一例であり、本発明は、他のあらゆるタイプのマイクロチップに適用し得る。例えば、試料導入用マイクロチャンネルの本数や接続方法、変性剤濃度勾配の形成方法または電気泳動方向等に関して別の構成や手順を有するマイクロチップであっても、電気浸透流を利用する少なくとも2つのマイクロチャンネルを有し、本法のコーティングにより電気浸透流が有効に制御されるならば、本発明の範囲内である。
DGGE用マイクロチップにおけるチャンネルコーティング
本発明のコーティング法では、電気泳動による分離が行われる前、より厳密には変性剤濃度勾配の形成および試料の導入に先立ち、分離用マイクロチャンネルおよび試料導入用マイクロチャンネルの双方の内壁全体に、電気浸透流を抑制する作用を持つポリマーを均一に吸着させる。本発明では、前記コーティング工程を電気泳動分離工程とは別途独立に行うことにより、充分に制御されたコーティング状態をもたらす。コーティングが行われた後、上記したように変性剤濃度勾配の形成、試料の導入および電気泳動の一連の分離工程が行われる。
本発明に使用されるポリマーには、チャンネル内壁に吸着する性質を有するポリマー、典型的にはガラス面(シリカ)に吸着する水溶性吸着ポリマー、例えば、セルロース誘導体(ヒドロキシエチルセルロースなど)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリオール類(ポリグリセリン)および、多糖類(デキストラン、アガロースまたはプルランなど)からなる群から選ばれる。
本法による典型的なコーティング工程では、前記のポリマーをHCl等の溶剤に溶解させ、ポリマー含有溶剤、すなわちコーティング剤として使用できる。コーティング剤をチャンネル内に流入または充填させることにより、チャンネル内壁に薄いポリマー層からなるコーティングを形成することができる。
本法の好ましい態様では、少なくとも2つのマイクロチャンネルをそれらの内壁全体にわたり均一にコーティングするために、コーティング工程におけるコーティング剤の流れが制御される。その好ましい例は、複数のマイクロチャンネル内のコーティング剤の流れを各々独立に制御する機構を用いて、各チャンネルを順次コーティングする方法である。例えば、コーティングする1つのチャンネル以外の端点(リザーバ)をフタ等で密閉し、1つのチャンネルのみにポリマー含有媒体の流れを生じさせる。こうしてマイクロチャンネルの1つ1つにコーティング剤をあまねく行きわたらせることができ、チャンネル表面全体に均一なコーティングを施すことができる。またこの方法に限らず、複数のポンプで各々のチャンネルが同じ流量となるようにコーティング剤を流してもよい。さらに、流しながらコーティングするのではなく、コーティング剤を全チャンネル内に充填したまま静置するという別の方法を使用してもよい。
本法の好ましい他の態様では、電気泳動後にチャンネルからコーティングを除去し、再度、チャンネルにポリマーをコーティングする、コーティングの再生工程を含む。この方法によれば、分離試験毎にポリマーの新しいコーティングを施することにより本発明のマイクロチップを容易に再利用することができ、より再現性の高い分離試験を可能にするであろう。
上記のようなコーティング工程に加えて、コーティングに用いた水溶性ポリマーを試料溶液に含有させてもよい。このように分離媒質(泳動媒体)の成分に水溶性ポリマーを加えることにより、電気泳動中もチャンネル表面と分離媒質の間で、コーティングポリマーの濃度平衡を保ち、ポリマーの分離媒質中への溶出による散逸を防止することができ、電気浸透流の安定性がさらに向上する。
さらには、コーティングに用いる水溶性ポリマーを電気泳動のふるい分け成分(泳動用ゲル成分)として用いることもできる。これにより、分離媒質においてふるい分け成分およびコーティング成分の役割を兼ねる一成分として水溶性ポリマーを使用し、さらに高い分離能を期待できる。
次に実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、各実施例の記載は、本発明の実施可能性を示すものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を何ら限定するものではない。
電気浸透流速度の抑制
電圧印加装置として、高圧電源(松定プレシジョン製HAR-10)を用い、該高圧電源に接続された外径0.8mmの白金ワイヤーによる電極がマイクロチップのチャンネルに接続されている。検出装置には光電子増倍管と励起光源が接続された倒立型蛍光顕微鏡を用いた。ミラーユニットはU-MWIG2を用いた。電荷的に中性の物質であるローダミンBを試料として移動させ、検出されるまでの時間から電気浸透流速度を測定することができる。
2%ヒドロキシエチルセルロースによりコーティングしたマイクロチップと未コーティングのマイクロチップを用意し、ローダミンBの検出により電気浸透流の速さ測定した。
ガラス製マイクロチップ幅100μm深さ40μmのチャンネルを1M NaOH(流速1.0ml/hで30分)で洗浄し、その後、超純水(流速1.0ml/hで8分)で洗浄した。続いて、チャンネル内に2%ヒドロキシエチルセルロースを含む0.1M HClを充填することでコーティングし、超純水で洗浄(流速0.5ml/hで 2分)後、1×TAE緩衝液で洗浄(流速0.5ml/hで2分)した。その後、1%ヒドロキシエチルセルロースと24%ホルムアミド、4.2M尿素、0.1×PCR Buffer、1μM YOYO-1を含む1×TAE緩衝液を充填した。
コーティングのための流体制御は複数のチャンネルのうち1つだけを開放し、残り全てのチャンネルに蓋をして開放したチャンネル以外には前記コーティング剤の流れを起こさないようにし、これを各チャンネルについて順次行い、コーティングを施した。
測定の結果、電気浸透流の速さを表す電気浸透流移動度μeoの値は、未コーティングのチャンネルで1.86×10-4cm2/V・sとなった。コーティングを有するチャンネルで3.37×10-5cm2/V・sとなった。よって、電気浸透流はコーティングにより約5分の1に抑えられた。
コーティングを行ったマイクロチップへのDNA試料の導入
電圧印加装置は実施例1と同様のものを用いた。また、検出装置には、マイクロチップ内のチャンネルを視認するために倒立型蛍光顕微鏡(オリンパス製IX-71)を用い、この倒立型蛍光顕微鏡にはカラーチルド3CCDカメラ(浜松ホトニクス製C5810-01)、対物レンズ(オリンパス製LCPlanFl×10)、ミラーユニット(U-MWIBA2)を装備した。また、定量的検出を行うためにはレーザー励起蛍光検出装置を用い、倒立型顕微鏡には励起光源の半導体レーザー(488nm)と光電子増倍管が接続されている。ミラーユニットはU-MWIBA2を用いた。
試験されたマイクロチップは、互いに交差する試料導入用マイクロチャンネルと分離用マイクロチャンネルを有する(図2参照)。各チャンネル内を、実施例1と同様の方法により2%ヒドロキシエチルセルロースでコーティングした。
分析物には、周知のポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法により調製された2本鎖DNAを用いた。用意した2本鎖DNAはSphingomonas属に属する微生物から得た16S rRNA遺伝子のV3領域断片である。また、このPCR法にはユニバーサルプライマーを用いた。フォワードプライマーにはGCクランプ領域が付与してある。また、この2本鎖DNAの染色にはYOYO-1(Molecular Probes製)を用いた。
2本鎖DNA試料は、1%ヒドロキシエチルセルロースと24%ホルムアミド、4.2M尿素、1μM YOYO-1を含む1×TAE緩衝液に溶解した。このDNA試料を用いて、コーティング後のチャンネル内への試料の導入および分離時の液体挙動について検出を行った。試料導入では40V/cmの電場をかけ、分離では191V/cmの電場をかけて行った。試料導入から分離までの検出結果を図2に示す。図中の番号1はチャンネルの構造を示す写真であり、番号2〜7の各コマは1秒間隔で撮影された6枚の連続写真である。分離時の検出距離と泳動時間の相関図を図3に示し、検出距離とピーク面積の相関図を図4に示す。
それらの結果から、予めコーティング処理を施したマイクロチップを用いたことにより、再現性良くDNA試料が導入され、検出距離と検出時間の相関が直線関係になり(図3参照)、これによりマイクロチップチャンネル内の局所的な電気浸透流速度のばらつきもないことが明らかとなった。さらに、検出距離が伸びてもDNA試料のピーク面積が小さくならないことから(図4参照)、チャンネルへの吸着が見られないことも明らかとなった。
塩基配列の違いによるDNAの分離
DNA試料に2種類のSphingomonas属に属する微生物から得た16S rRNA遺伝子のV3領域断片をPCR法により増幅したものを用い、変性剤濃度勾配条件下での分離を試みたところ、各微生物に対応する2本のピークを検出することができた。
コーティングの除去および再コーティング
一度、使用したマイクロチップのコーティングを1M NaOH(流速1.0ml/hで30分)で洗浄し、その後、超純水(流速1.0ml/hで8分)で洗浄した。洗浄したチップのチャンネル内に2%ヒドロキシエチルセルロースを含む0.1M HClを充填することでコーティングし、超純水で洗浄(流速0.5ml/hで2分)後、1×TAE緩衝液で洗浄(流速0.5ml/hで2分)した。その後、1%ヒドロキシエチルセルロースと24%ホルムアミド、4.2M尿素、1× PCR Buffer、1μM YOYO-1を含む1×TAE緩衝液を充填した。
実施例2と同一の実験を行ったところ、同じ結果が得られた。これにより、コーティングをチャンネルより除去し、同一チャンネル内に同様のコーティングを再生する工程を行っても、その性能は前回のコーティング後と比べて劣らず、したがって繰り返し再現性の高い分析を行うことができる長寿命なマイクロチップを提供できることが明らかとなった。
比較例1
コーティングを行わない場合のDNA試料導入
ガラス製マイクロチップ幅100μm深さ40μmのチャンネルを1M NaOH(流速1.0ml/hで30分)で洗浄し、その後、超純水(流速1.0ml/hで8分)で洗浄した。続いて、1×TAE緩衝液で洗浄(流速0.5ml/hで2分)した。
このマイクロチップを用いて、装置、試料、測定方法は実施例2と同様の条件で試料の導入と検出を行った。試料導入の結果を図5に示す。この結果から、コーティング工程を含まない条件では分離用チャンネルの壁面方向へ試料が移動するために、分離用チャンネルにDNAが安定的に導入されないことが分かった。
図1は、本発明のDGGE用マイクロチップの概略構成を示す模式図である。 図2は、実施例2に用いた交差チャンネルの写真(1)と、試料導入および分離の結果を表す連続写真(2〜7)である。 図3は、実施例2における検出距離と検出時間の相関図である。 図4は、実施例2における検出距離とピーク面積の相関図である。 図5は、比較例1に用いた交差チャンネルの写真(1)と、試料導入および分離の結果を表す連続写真(2〜7)である。

Claims (13)

  1. 少なくとも2つのマイクロチャンネルを用いて生体分子を分離する電気泳動用マイクロチップにおいて、前記少なくとも2つのマイクロチャンネルの内壁にコーティングを施す方法であって、
    電気泳動が行われる前に、前記少なくとも2つのマイクロチャンネルの内壁を少なくとも1種のポリマーで均一にコーティングする工程を含むことを特徴とするコーティング方法。
  2. 前記少なくとも1種のポリマーが水溶性ポリマーである、請求項1に記載のコーティング方法。
  3. 前記少なくとも1種のポリマーが電気浸透流を抑制する作用を持つポリマーである、請求項1または2に記載のコーティング方法。
  4. 前記コーティング工程において、少なくとも2つのマイクロチャンネル内の液体の流れを各々独立に制御する機構を用いて、前記ポリマーを含有する溶剤をマイクロチャンネル内に各々独立に流すことによりコーティングを行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング方法。
  5. 前記電気泳動が、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング方法。
  6. 前記コーティング工程において、変性剤濃度勾配が形成される分離用マイクロチャンネルと、該分離用マイクロチャンネルと交差する試料導入用マイクロチャンネルとにコーティングを施す、請求項5に記載のコーティング方法。
  7. 電気泳動後、前記マイクロチャンネルからコーティングを除去し、次いで該マイクロチャンネルの内壁に前記少なくとも1種のポリマーによるコーティングを再生する工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコーティング方法。
  8. 少なくとも2つのマイクロチャンネルを用いて生体分子を分離する電気泳動用マイクロチップであって、
    電気泳動が行われる前に、前記少なくとも2つのマイクロチャンネルの内壁が少なくとも1種のポリマーで均一にコーティングされることを特徴とする電気泳動用マイクロチップ。
  9. 前記少なくとも1種のポリマーが水溶性ポリマーである、請求項8に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  10. 前記少なくとも1種のポリマーが電気浸透流を抑制する作用を持つポリマーである、請求項8または9に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  11. 前記少なくとも2つのマイクロチャンネル内の液体の流れを各々独立に制御する機構を使用して前記コーティングが施される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  12. 変性剤濃度勾配ゲル電気泳動用である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の電気泳動用マイクロチップ。
  13. 電気泳動が行われる前にコーティングされる少なくとも2つのマイクロチャンネルが、変性剤濃度勾配が形成される分離用マイクロチャンネルと、該分離用マイクロチャンネルと交差する試料導入用マイクロチャンネルである、請求項12に記載の電気泳動用マイクロチップ。
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