JP2006308477A - ポリマー光導波路の検査方法及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 幅広のコアパターンに発生するクラックを視認化し、クラック不良を効率よく識別しうる方法及びこれを用いたポリマー光導波路の製造方法を提供すること。
【解決手段】 基板上に、下部クラッド層、及びコアを有するポリマー光導波路のコアに沿って発生したクラックを偏光顕微鏡により観察することを特徴とするポリマー光導波路の検査方法、及びこれを用いたポリマー光導波路の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 基板上に、下部クラッド層、及びコアを有するポリマー光導波路のコアに沿って発生したクラックを偏光顕微鏡により観察することを特徴とするポリマー光導波路の検査方法、及びこれを用いたポリマー光導波路の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリマー光導波路の検査方法及び製造方法に関する。
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大している。このため、伝送速度の速い光伝送を、パソコン等の末端の情報処理装置まで普及させることが望まれている。これを実現するには、光インターコネクション用に、高性能な光導波路を、安価かつ大量に製造する必要がある。
光導波路の材料としては、ガラスや半導体材料等の無機材料と、樹脂が知られている。無機材料により光導波路を製造する場合には、真空蒸着装置やスパッタ装置等の成膜装置により無機材料膜を成膜し、これを所望の導波路形状にエッチングすることにより製造する方法が用いられる。また、樹脂によって光導波路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加熱により大気圧中で行う。
光導波路の材料としては、ガラスや半導体材料等の無機材料と、樹脂が知られている。無機材料により光導波路を製造する場合には、真空蒸着装置やスパッタ装置等の成膜装置により無機材料膜を成膜し、これを所望の導波路形状にエッチングすることにより製造する方法が用いられる。また、樹脂によって光導波路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加熱により大気圧中で行う。
また、コアならびにクラッド層を構成する樹脂としては、種々のものが知られているが、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れるポリイミドが特に期待されている。ポリイミドによりコア及びクラッド層を形成した場合、長期信頼性が期待でき、半田付けにも耐えることができる。このポリイミドの中でも透過率、屈折率特性から通常フッ素を含むポリイミドが適用されている。通常、基板にはシリコンウエハが用いられ、ウエハに多面取りできるようにレイアウトされる。これを、それぞれのチップにダイシングを用いて切断する。
このようなポリマー光導波路は、一般に、基板上に、下部クラッド層を形成する工程、下部クラッド層の上にコア層を形成する工程、コア層の上にレジスト層を形成し、ホトマスクを介してレジスト層を露光、現像後、コア層をドライエッチングしてコアを形成する工程、コア形成後、上部クラッド層を形成する工程を含む方法により製造されている。
コア層をエッチングしてコアを形成する際、あるいはコア形成後、上部クラッド層を形成する工程において、上部クラッド層形成材料が乾燥収縮する際に、コア側面部に応力が集中し、コアパターンに沿って下部クラッド層にクラックを生じることがあった。このようなクラックのうち大きなものは、普通の光学顕微鏡や暗視野による検査により発見できる。またコア形状の不具合も発見できる。
しかし、いずれの手法によってもコアパターンに沿って部分的に発生した微少なクラックを識別することはできなかった。
コア層をエッチングしてコアを形成する際、あるいはコア形成後、上部クラッド層を形成する工程において、上部クラッド層形成材料が乾燥収縮する際に、コア側面部に応力が集中し、コアパターンに沿って下部クラッド層にクラックを生じることがあった。このようなクラックのうち大きなものは、普通の光学顕微鏡や暗視野による検査により発見できる。またコア形状の不具合も発見できる。
しかし、いずれの手法によってもコアパターンに沿って部分的に発生した微少なクラックを識別することはできなかった。
特許文献1には、配線基板等の上に形成された有機絶縁膜の形状の異常(ピンホールやクラック)を紫外線を用いて検出する方法が開示されている。特許文献2には、回路パターンにおけるクラックを顕微鏡により観察する方法が開示されている。特許文献3には、はんだ接合部に発生したクラックに蛍光液を浸透させ、裂断後、裂断面に紫外線を照射して蛍光液を発光させ、顕微鏡で観察する方法が開示されている。特許文献4には、誘電体多層膜フィルタチップの欠陥を偏光顕微鏡を用いて検査する方法が開示されている。特許文献5には、クラッド層中の気泡や異物を偏光顕微鏡により検出する方法が開示されている。特許文献6には、光ファイバのコアと光導波路のコアの位置合わせを偏光顕微鏡を用いて行う方法が開示されている。
本発明の目的は、ポリマー光導波路の検査方法を提供することであり、特に、幅広のコアパターンに発生するクラックを視認化し、クラック不良を効率よく識別しうる方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記検査方法を含むポリマー光導波路の製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記検査方法を含むポリマー光導波路の製造方法を提供することである。
本発明は以下に示すポリマー光導波路の検査方法を提供するものである。
1.基板上に、下部クラッド層、及びコアを有するポリマー光導波路のコアに沿って発生したクラックを偏光顕微鏡により観察することを特徴とするポリマー光導波路の検査方法。
2.上部クラッド層形成材料塗布後、プリベーク後、又は硬化後、偏光顕微鏡観察を行う上記1記載の方法。
3.コアが、幅12μm以上の部分を有する上記1または2項記載の方法。
4.コアが、幅15μm以上の部分を含む上記1〜3のいずれか1項記載の方法。
5.コアが、分岐を含む上記1〜4のいずれか1項記載の方法。
6.コアが、幅12μm以上の部分と幅10μm以下の部分を含む上記5記載の方法。
7.クラッド層及びコアがフッ素化ポリイミドを含む上記1〜6のいずれか1項記載の方法。
8.偏光顕微鏡の観察光の波長250〜650nmの光に対する波長650〜750nmの光の強度比が面積比で0.4以上である上記1〜7のいずれか1項記載の方法。
9.上記1〜8のいずれか1項記載の方法を含むポリマー光導波路の製造方法。
1.基板上に、下部クラッド層、及びコアを有するポリマー光導波路のコアに沿って発生したクラックを偏光顕微鏡により観察することを特徴とするポリマー光導波路の検査方法。
2.上部クラッド層形成材料塗布後、プリベーク後、又は硬化後、偏光顕微鏡観察を行う上記1記載の方法。
3.コアが、幅12μm以上の部分を有する上記1または2項記載の方法。
4.コアが、幅15μm以上の部分を含む上記1〜3のいずれか1項記載の方法。
5.コアが、分岐を含む上記1〜4のいずれか1項記載の方法。
6.コアが、幅12μm以上の部分と幅10μm以下の部分を含む上記5記載の方法。
7.クラッド層及びコアがフッ素化ポリイミドを含む上記1〜6のいずれか1項記載の方法。
8.偏光顕微鏡の観察光の波長250〜650nmの光に対する波長650〜750nmの光の強度比が面積比で0.4以上である上記1〜7のいずれか1項記載の方法。
9.上記1〜8のいずれか1項記載の方法を含むポリマー光導波路の製造方法。
本発明によれば、クラックを偏光顕微鏡により観察するため、従来の普通の光学顕微鏡や暗視野による観察では発見できなかった微少なクラックを発見することができる。従って従来の方法と比較して光学特性歩留まりを顕著に向上させることができる。またコア形状の不具合も発見することができる。
ポリマー光導波路は一般に、シリコン等の基板上に、下部クラッド層を形成する工程、下部クラッド層の上にコア層を形成する工程、コア層の上にSi含有レジスト等のレジスト層を形成し、ホトマスクを介してレジスト層を露光、現像後、コア層をドライエッチングしてコアを形成する工程、コア形成後、上部クラッド層を形成する工程を含む方法により製造される。
本発明は、上記従来の製造方法において、コア層をドライエッチングしてコアを形成する工程、あるいはコア形成後、上部クラッド層を形成する工程において、コアパターンに沿って下部クラッド層にクラックが発生することがある。この原因としてはドライエッチングの際のマイクロトレンチの影響や、上部クラッド層形成時の乾燥収縮による応力等の影響が考えられる。
コアの幅が大きくなるにつれて乾燥収縮による応力も大きくなるため、クラックの発生率も高くなる。従って本発明は、コアが幅12μm以上の部分を含むポリマー光導波路、例えば、コアが幅12μm以上の部分と幅10μm未満の部分を含むポリマー光導波路、特にマルチモード光導波路を含むポリマー光導波路の製造の際の検査に適している。
本発明は、上記従来の製造方法において、コア層をドライエッチングしてコアを形成する工程、あるいはコア形成後、上部クラッド層を形成する工程において、コアパターンに沿って下部クラッド層にクラックが発生することがある。この原因としてはドライエッチングの際のマイクロトレンチの影響や、上部クラッド層形成時の乾燥収縮による応力等の影響が考えられる。
コアの幅が大きくなるにつれて乾燥収縮による応力も大きくなるため、クラックの発生率も高くなる。従って本発明は、コアが幅12μm以上の部分を含むポリマー光導波路、例えば、コアが幅12μm以上の部分と幅10μm未満の部分を含むポリマー光導波路、特にマルチモード光導波路を含むポリマー光導波路の製造の際の検査に適している。
本発明のポリマー光導波路の上部クラッド層の厚さは特に限定されないが、通常は全体の厚さが、10μm以上、好ましくは15〜25μmである。
本発明のポリマー光導波路のクラッド層及びコアを形成する材料としては、種々の材料が使用できるが、通常使用される1.3〜1.5μmの光に対する透明性に優れている点でフッ素化ポリイミドが好ましい。
本発明の検査方法に使用する偏光顕微鏡は、望ましくは、観察光の波長250〜650nmの光に対する波長650〜750nmの光の強度比が、面積比で0.4以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上である。
この強度比(面積比)は、顕微鏡の試料台の高さに光ファイバーを固定し、対物レンズから照射される観察光を採光し、Plasma Chemistry Monitor (SC Technology Inc.)によりスペクトルを測定し、このスペクトルを画像解析して得られる面積比により定義されるものである。
本発明のポリマー光導波路のクラッド層及びコアを形成する材料としては、種々の材料が使用できるが、通常使用される1.3〜1.5μmの光に対する透明性に優れている点でフッ素化ポリイミドが好ましい。
本発明の検査方法に使用する偏光顕微鏡は、望ましくは、観察光の波長250〜650nmの光に対する波長650〜750nmの光の強度比が、面積比で0.4以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上である。
この強度比(面積比)は、顕微鏡の試料台の高さに光ファイバーを固定し、対物レンズから照射される観察光を採光し、Plasma Chemistry Monitor (SC Technology Inc.)によりスペクトルを測定し、このスペクトルを画像解析して得られる面積比により定義されるものである。
実施例
直径約12.7cmのシリコンウエハを用意し、この基板の上に、第1のフッ素化ポリイミドからなる下部クラッド層、第1のフッ素化ポリイミドより屈折率の高い第2のポリイミドからなるコア層、Si含有レジスト層を順次形成し、ホトマスクを介して露光、現像した後、ドライエッチングによりコア層をエッチングしてコア(幅8μm)を形成した。これを中間品とする。中間品を、偏光顕微鏡(ニコン社製:OPTPHOT 150)及び通常の顕微鏡(オリンパス社製:BH2−UMA)を用いて20倍で観察し、良品と不良品の識別を行った。不良品と判定されたものの割合を表1に示す。この段階で不良品と判定されたものはそれ以上の処理を行わなかった。
良品と判定されたものについて、レジストを剥離した後、第1のフッ素化ポリイミドからなる上部クラッド層(膜厚20μm)を形成した。これを最終品とする。
最終品をそれぞれ偏光顕微鏡及び通常の顕微鏡を用いて20倍でクラックの有無を観察し、良品と不良品の識別を行った。
直径約12.7cmのシリコンウエハを用意し、この基板の上に、第1のフッ素化ポリイミドからなる下部クラッド層、第1のフッ素化ポリイミドより屈折率の高い第2のポリイミドからなるコア層、Si含有レジスト層を順次形成し、ホトマスクを介して露光、現像した後、ドライエッチングによりコア層をエッチングしてコア(幅8μm)を形成した。これを中間品とする。中間品を、偏光顕微鏡(ニコン社製:OPTPHOT 150)及び通常の顕微鏡(オリンパス社製:BH2−UMA)を用いて20倍で観察し、良品と不良品の識別を行った。不良品と判定されたものの割合を表1に示す。この段階で不良品と判定されたものはそれ以上の処理を行わなかった。
良品と判定されたものについて、レジストを剥離した後、第1のフッ素化ポリイミドからなる上部クラッド層(膜厚20μm)を形成した。これを最終品とする。
最終品をそれぞれ偏光顕微鏡及び通常の顕微鏡を用いて20倍でクラックの有無を観察し、良品と不良品の識別を行った。
使用した偏光顕微鏡の観察光のスペクトルを図1に、通常の顕微鏡の観察光のスペクトルを図2に示す。これらのスペクトルを画像解析して波長250〜650nmの光の面積(A)に対する波長650〜750nmの光の面積(B)の比を求めたところ、それぞれ0.65(図1)、及び0.14(図2)であった。
良品と判定された光導波路の光学特性歩留まり(%)(母数11)を調べた。結果を表1に示す。光学特性歩留まりは、良品と判定された光導波路のうち、光伝搬損失が1.5dB以下のものの割合を示す。
良品と判定された光導波路の光学特性歩留まり(%)(母数11)を調べた。結果を表1に示す。光学特性歩留まりは、良品と判定された光導波路のうち、光伝搬損失が1.5dB以下のものの割合を示す。
偏光顕微鏡で観察した場合、従来の光学顕微鏡で観察した場合と比較して中間品の不良品識別率が高い。これは、この段階で不良品をより効率よく識別排除できることを意味する。また、偏光顕微鏡で観察した場合、光導波路の光学特性歩留まり(%)は100%であった。これは、偏光顕微鏡で観察した場合には、不良品が完全に識別されていることを意味する。
これに対して、従来の光学顕微鏡で観察した場合、光導波路の光学特性歩留まり(%)が低く、これは光学顕微鏡で観察した場合には、多くの不良品を良品と誤って判定していることを意味する。
これに対して、従来の光学顕微鏡で観察した場合、光導波路の光学特性歩留まり(%)が低く、これは光学顕微鏡で観察した場合には、多くの不良品を良品と誤って判定していることを意味する。
Claims (9)
- 基板上に、下部クラッド層、及びコアを有するポリマー光導波路のコアに沿って発生したクラックを偏光顕微鏡により観察することを特徴とするポリマー光導波路の検査方法。
- 上部クラッド層形成材料を塗布し、プリベーク後、又は硬化後、偏光顕微鏡観察を行う請求項1記載の方法。
- コアが、幅12μm以上の部分を有する請求項1または2記載の方法。
- コアが、幅15μm以上の部分を含む請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- コアが、分岐を含む請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
- コアが、幅12μm以上の部分と幅10μm以下の部分を含む請求項5記載の方法。
- クラッド層及びコアがフッ素化ポリイミドを含む請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- 偏光顕微鏡の観察光の波長250〜650nmの光に対する波長650〜750nmの光の強度比が面積比で0.4以上である請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の方法を含むポリマー光導波路の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005132794A JP2006308477A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | ポリマー光導波路の検査方法及び製造方法 |
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JP2005132794A Pending JP2006308477A (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | ポリマー光導波路の検査方法及び製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008083036A (ja) * | 2006-08-28 | 2008-04-10 | Hitachi Chem Co Ltd | センサ基板およびこれを用いた複合センサ |
WO2008059706A1 (fr) | 2006-11-14 | 2008-05-22 | Mitsubishi Materials Corporation | Procédé de production de silicium polycristallin et installation de production de silicium polycristallin |
-
2005
- 2005-04-28 JP JP2005132794A patent/JP2006308477A/ja active Pending
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WO2008059706A1 (fr) | 2006-11-14 | 2008-05-22 | Mitsubishi Materials Corporation | Procédé de production de silicium polycristallin et installation de production de silicium polycristallin |
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