JP2006305999A - サンドイッチパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】間隔を離して平行に配設した2枚の表面外板と、軽量、剛性に富み、且つ必要に応じて耐水性、耐熱性処理をした芯材とを組み合わせたサンドイッチパネルの提供。
【解決手段】間隔を離して平行に配設される2枚の表面外板6、7の間に、古紙をパルプ状にして水中に分散させておき、必要とする形状の金網と金型で漉き上げて作成される所定の厚みを有する紙により一体成形されてなり、2枚の表面外板6、7と接する複数の四角形の第1頂上面1と複数の四角形の第2頂上面2がそれぞれ反対方向に突出する複数の略4角錐状山形部を有した構成を持つ芯材12を挟んで接着一体化され、略4角錐状山形部は、反対方向に突出する山形部の2つの傾斜辺が角縁4となって互いに接続する複数の六角形傾斜面3を有した構成を持つようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新聞、雑誌等の古紙を成形し、そのまま又は必要によって、性能アップして、機械的強度、耐水性、耐熱性等を向上させた芯材と表面外板とを組み合わせたサンドイッチパネルに関するものである。
この種のサンドイッチパネルに関しては、従来様々な材料の組み合わせが試みられ、芯材としてもペーパーハネカム、ロールコアや菓子箱に使用される格子状のもの等色々あり、この芯材に対する表面外板として、使用目的に応じて合板、パーティクルボード、石膏ボード、石綿スレート板、珪酸カルシュウム板、プラスチック板、金属板等を組み合わせて構成されている。
すなわち、図5(a)に示すように、ペーパーハネカム芯材8の両面に合板や石膏ボード等の表面外板6、7を接着剤により一体化して従来のサンドイッチパネル11が構成され、また、図5(b)に示すように、ロールコアー9の両面に合板や珪酸カルシュウム板等の表面外板6、7を接着剤により一体化して従来のサンドイッチパネル11が構成され、さらに、図5(c)に示すように、厚紙等の格子状芯材10に表面外板6、7を接着剤により一体化して従来のサンドイッチパネル11が構成されてきた。
前記の従来例では何れも、2枚の表面外板の間に前記の芯材を挟み、接着一体化して軽量で剛性の高い性能を持つサンドイッチパネルが得られるように創案されてきたれてきた。
従来のサンドイッチパネルに使用されてきたペーパハネカムや、ロールコアーや、菓子箱等に使用される格子状の芯材は、何れも薄い紙を使用したものであるので、表面外板に接着する場合、紙の木口面(芯材の両端面)だけしか接着剤は付着しないので接着面積が小さく、接着剤の塗布量も少なく接着強度に不安を禁じ得なかった。しかも、余程確実に接着しない限り、接着ムラを生じ易く、出来上がったパネル自体の剛性や信頼性に不安が残った。
そこで、本発明は、間隔を離して平行に配設した2枚の表面外板を軽量、剛性に富む材量で構成すると共に、芯材の構成を改良し、且つ、必要に応じて耐水性、耐熱性処理をしたもので、この芯材と前記2枚の表面外板とを組み合わせたサンドイッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者は、従来の欠点を改良すべく種々研究した結果、新聞、雑誌の古紙を合理的形状に成形して、先ず表面外板との接着面積を大きくして十分な接着強度を発揮できるようにすると共に、2枚の表面外板の間隔を正確且つ確実な寸法に保持できるよう、芯材の両側面に突出する山の形状、寸法、配置、間隔等を考慮し、パネルの表面外板に掛る圧力を分散して無理のない構造とした。
又、本発明の場合は、従来のペーパーハネカムからなる芯材の例のような、一定幅の紙を隣同志一定間隔で接着し、これを開いて六角形を作るような多くの手数を省くことができるもので、古紙を水中に分散させておき、必要とする形状の金網と金型で漉き上げたものを一気に成形する工夫を採用したので芯材作成の手数を著しく簡易化できたものである。
本発明では、前記の如く2枚の表面外板の間隔を正確に保持し、且つ、圧縮荷重に対する剛性や強度を確保するため、両面に突出する山形部の作成には、その大きさ、形状、間隔等を工夫した。又、使用する古紙の他にも木材繊維、ガラス繊維等を混入させて紙の強度や品質を向上させられる。更に、この芯材に硅砂粉末、マイカ粉末、珪酸リチュウム、珪酸マグネシュウム等を添加すると紙パルプ間の結合を強固なものとし、紙質の向上にも役立つようにした。
すなわち、本発明は、次のように構成したものである。
第1の発明に係るサンドイッチパネルは、間隔を離して平行に配設される2枚の表面外板の間に、古紙を水中に分散させておき、必要とする形状の金網と金型で漉き上げて作成される所定の厚みを有する紙により一体成形されてなり、且つ、前記2枚の表面外板と接する頂上部がそれぞれ反対方向に突出する複数の略4角錐状山形部を有した構成を持つ芯材を挟んで接着一体化され、前記の略4角錐状山形部は、反対方向に突出する山形部の2つの傾斜辺が角縁となって互いに接続する複数の六角形傾斜面を有した構成を持つようにしたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、六角形傾斜面に補強リブが形成されていることを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記芯材を酢酸ビニール樹脂のアルコール溶液に浸漬した成形紙にて構成することを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記芯材として、該芯材の作成の際、予め水中に消石灰を分散させておき、紙のパルプと共に漉き上げ成形した後、珪酸ソーダ溶液で硬化させた芯材を使用することを特徴とする。
前述のように、本発明は、サンドイッチパネルの芯材を、頂上部がそれぞれ反対方向に突出する複数の略4角錐状山形部を有した構成を持つ芯材を挟んで接着一体化され、前記の略4角錐状山形部は、反対方向に突出する山形部の2つの傾斜辺が角縁となって互いに接続する複数の六角形傾斜面を有した構成を持つようにした芯材で構成し、かつ、この芯材は、古紙を水中に分散させておき、必要とする形状の金網と金型で漉き上げて作成される所定の厚みを有する紙により一体成形されてなるので、従来のサンドイッチパネルの芯材に比べて、著しく作成の手数を省くことが出来、寸法精度も向上できた。したがって、本発明の芯材を使用したサンドイッチパネルは、当然品質は均一化し、生産の手間も省け、多量生産も可能となり、コストも低減できた。
最近のサンドイッチパネルの性能は、需要の多様化によって、色々に要望される項目が多くなって来たので、それに合わせて表面外板も必要に応じて合板、ダンボール紙、プラスチック板、石膏ボード、珪酸カルシュウム板、石綿スレート板、金属板、等々多くのものを使い分けるようになって来た。
前記の表面外板の改良に対応して、本発明では前述のように芯材の構成を改良したので更に次の効果も奏される。すなわち、本発明では、新聞、雑誌等の古紙を水中に分散させ、特殊形状の金網と金型で一体化して漉き上げる。特に、サンドイッチパネルとしての色々の要望には、古紙の中に添加物や混合物を加えたり、六角形傾斜面にリブを作成したり、簡単な薬品処理によって、芯材の機械的強度や耐水性、耐熱性の向上を図ったものを使用して単なる古紙を使用するものと全く新しいものとすることができた。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例によって作成されたサンドイッチパネル芯材の斜視図、図2は、本発明によって作成されたサンドイッチパネル芯材の六角形傾斜面に補強リブを付けた時の平面図、図3は、図2におけるA−B線の断面図、図4は、本発明によるサンドイッチパネルの一部表面外板を取り外した斜視図である。
各図において、本発明に係るサンドイッチパネル13は、芯材12と表面外板6、7とから構成される。最近のサンドイッチパネルの性能は、需要の多様化によって、色々に要望される項目が多くなって来たので、それに合わせて表面外板6、7も必要に応じて合板、ダンボール紙、プラスチック板、石膏ボード、珪酸カルシュウム板、石綿スレート板、金属板、等々多くのものを使い分けるようになって来た。本発明においても、表面外板6、7は前記何れかの材料が使用される。
次に、芯材12は、所定の厚みを有する紙で成形されると共に、それぞれ交互に反対方向に突出する第1頂上面1と第2頂上面2とにより複数の略4角錐状山形部が前後左右に連続して一体成形される。それぞれ交互に反対方向に突出する各略4角錐状山形部は、相隣接する傾斜辺が角縁4となっていて、かつ反対方向に突出する傾斜辺が互いに接続して複数の六角形3(図1に斜線で示す)が接続している。
芯材12に用いられる古紙は、新聞や雑誌等の古紙をパルプ状にして水中に分散させ、それを特殊形状の金網と金型で一枚の紙として漉き上げたもので、紙の二次加工ではなく、何時も金型通りのものが容易に得られる。したがって、このようにパルプ状にして水中に分散させたものを一枚の紙として漉き上げてなる芯材12は、従来の芯材の作成方法に比べて著しく作成の手数を省くことができ、寸法精度も向上できる。そうした芯材を使用したサンドイッチパネルは、当然品質は均一化し、生産の手間も省け、多量生産も可能となり、コストも低減できる。
このように本発明のサンドイッチパネル13は、求められるの性能により、表面外板6、7は、材質、厚さ、寸法等を考慮に入れてきめ、芯材12は上向き、下向きの一つおきに反対側に突出する略4角錐状山形部の四角形の第1頂上面1と第2頂上面2の平坦な木口(接着面)によって前記の表面外板6、7に接着剤にて接着でき、従来のペーパーハネカムやロールコアー等のように紙の木口(接着面)で接着するよりも、本発明が遥かに接着面積も大きく、大きな接着力を発揮させることができた。さらに、サンドイッチパネル13の構造としては、表面外板6、7の内側同志が補強リブ5で補強された六角形傾斜面3で緊結されており、又、六角形傾斜面3同志は、各角縁4で緊結されている三次元的な理想構造となっている。
実施例1 新聞古紙を水中に分散させたものを漉き上げ成形した芯材の両面に9.5mm厚の石膏ボードを使用した場合(芯材新聞古紙厚さ0.8mm、四角形錐部の山の高さ上下で41mm、山のピッチ60mm、四角錐頂上部の接着面積12mm角)
圧縮強度 平均9,260Kg/m
又、古紙の厚さが1.0mmの時、平均13,910Kg/m
実施例2 前記と同じ芯材形状で、新聞古紙に段ボール古紙を50%混合した場合
圧縮強度 平均15,970Kg/m
実施例3 新聞古紙製1mm厚さの芯材を酢酸ビニール樹脂のメタノール溶液10%溶液に浸漬した後、溶剤を蒸発させたものに表面外板K6W段ボール紙でサンドイッチしたパネルは、
圧縮強度 平均25,775Kg/m
実施例4 新聞古紙を水中に分散させた後、水に対して1%の消石灰を加えて撹拌し、前記実施例1と同様の形状、寸法に漉き上げた後、2molの珪酸ソーダ溶液に浸漬し、乾燥した芯材は、耐水性、耐熱性となる。この芯材は、紙の剛性も大きくなっており、石膏ボードと組み合わせて耐火性を求められる建築用のパネルとしても実用化できた。
以上のように本発明は、余っている古新聞、雑誌等の古紙を使って成形した芯材は、色々な性能を持ったものが出来る。例えば、建築用部材としては、石膏ボードを表面外板とした場合、芯材を実施例4の方法で紙の耐熱化を図ったものを使用すれば、単にサンドイッチパネルの剛性や機械的強度を増すばかりでなく、石膏ボードの厚さ12.5mmの板と組み合わせて防火2級間仕切り壁に、又、21mm厚の板石膏ボードと組み合わせて1時間耐火の防火壁の性能に合格できた。更に、実施例3の処理をした芯材とK6Wの段ボールとサンドイッチパネルを作成したものは、紙製のパレットとして使用でき、木製のパレットに比べて軽量であるばかりでなく、輸出品等に使用すれば輸送費を著しく節減できる。
このように従来、新聞、雑誌等の古紙は、トイレットペーパー位にしか活用できなかったものであるが、本発明のように芯材を少し処理するだけで性能が向上し、組み合わせる表面外板によって、非常に広い用途が拡がって来るものである。
本発明の実施例によって作成されたサンドイッチパネル芯材の斜視図である。 本発明によって作成されたサンドイッチパネル芯材の六角形傾斜面に補強リブを付けた時の平面図である。 図2におけるA−B線の断面図である。 本発明によるサンドイッチパネルの一部表面外板を取り外した斜視図である。 従来のサンドイッチパネルの斜視図で、(A)は、ペーパーハネカム使用の例、(B)は、ロールコアー使用の例、(C)は、菓子箱によく使用される格子状コアー使用例を示す。
符号の説明
1 略4角錐状山形部の第1頂上面
2 略4角錐状山形部の第2頂上面
3 ピラミッド状四角錐の頂上部と斜辺に囲まれた六角形傾斜面
4 略4角錐状山形部の角縁
5 六角形傾斜面に形成した補強リブ
6 サンドイッチパネルの表面外板
7 サンドイッチパネルの表面外板
8 ペーパーハネカム芯材
9 ロールコアー
10 菓子箱によく使用される格子状芯材
11 従来のサンドイッチパネル
12 芯材
13 本発明のサンドイッチパネル

Claims (4)

  1. 間隔を離して平行に配設される2枚の表面外板の間に、古紙をパルプ状にして水中に分散させておき、必要とする形状の金網と金型で漉き上げて作成される所定の厚みを有する紙により一体成形されてなり、且つ、前記2枚の表面外板と接する頂上部がそれぞれ反対方向に突出する複数の略4角錐状山形部を有した構成を持つ芯材を挟んで接着一体化され、前記の略4角錐状山形部は、反対方向に突出する山形部の2つの傾斜辺が角縁となって互いに接続する複数の六角形傾斜面を有した構成を持つようにしてなるサンドイッチパネル。
  2. 前記六角形傾斜面に補強リブが形成されていることを特徴とする請求項1記載のサンドイッチパネル。
  3. 前記芯材を酢酸ビニール樹脂のアルコール溶液に浸漬した成形紙にて構成することを特徴とする請求項1または2記載のサンドイッチパネル。
  4. 前記芯材の作成の際、予め水中に消石灰を分散させておき、紙のパルプと共に漉き上げ成形した後、珪酸ソーダ溶液で硬化させた芯材を使用することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のサンドイッチパネル。
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