JP2006305961A - 濃度の補正値の取得方法、及び補正用パターンが印刷された媒体 - Google Patents

濃度の補正値の取得方法、及び補正用パターンが印刷された媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送ローラの回転角によらず、高い濃度補正効果を奏する補正値を、取得可能な濃度の補正値の取得方法を実現する。
【解決手段】移動方向に沿ったドット列を、交差方向に並ぶ列領域毎に形成して印刷される画像の濃度を、前記列領域毎に補正するための濃度の補正値の取得方法であって列領域に割り当てられたノズルの並びが、交差方向に連続する所定数Pの列領域を1周期として変化するように補正用パターンを印刷するステップと、前記補正用パターンの濃度を、前記列領域毎に読み取って濃度の読み取り値を取得するステップと、前記搬送ローラの一回転分の前記媒体の搬送量に相当する前記列領域の数をMとした場合に、前記Mに最も近い数となるi・P(iは自然数)分の前記列領域の前記読み取り値に基づいて、前記列領域の補正値を求めるステップと、を有する。
【選択図】図26

Description

本発明は、濃度の補正値の取得方法、及び補正用パターンが印刷された媒体に関する。
画像を印刷する印刷装置としては、媒体としての紙にインクを吐出してドットを形成するインクジェットプリンタが、従来から知られている。このインクジェットプリンタは、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して紙にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラにより前記紙を前記移動方向と交差する交差方向(以下、搬送方向とも言う)に搬送する搬送動作とを繰り返す。そして、これによって、前記移動方向に沿ったドットからなるドット列を、前記搬送方向に並ぶ列領域毎に形成して画像を印刷する。なお、ここで「列領域」とは、移動方向に並ぶ複数の「単位領域」によって構成される領域のことをいう。また、「単位領域」とは、紙上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、この単位領域にインクが着弾して前記ドットが形成される。
ところで、このような多数の列領域から構成された画像中に、前記移動方向に沿って平行に濃度ムラが見えることがある。すなわち、巨視的に濃く見える列領域と薄く見える列領域とが存在することがある。
この濃度ムラの原因は、概ねノズルの加工精度に起因しており、詳しくは次の2つが挙げられる。第1のケースとしては、ノズル同士間でインクの吐出量にバラツキがあるケースであり、第2のケースとしては、ノズルから吐出されたインクの飛行曲がりに起因して、ドットを形成する位置が、搬送方向に関して目標位置よりもずれているケースである。
そして、第1のケースの濃度ムラを抑制する従来方法としては、次のような方法が提案されている。先ずプリンタ製造工場の作業者が、濃度ムラの抑制対象のプリンタで補正用パターンを印刷し、その濃度をスキャナで測定して目標濃度が得られる補正値をノズル毎に算出し、各補正値を前記プリンタの記憶部に記憶させる。そして、そのプリンタを購入したユーザが、紙に画像を印刷する際には、前記プリンタは、各ノズルに対応付けられた補正値を用いてインクの吐出量を補正し、これによって前記濃度ムラを抑制する(特許文献1を参照)。
特開平6−166247号公報(第2頁)
但し、第2のケースの濃度ムラは、図9Bに示すように、前記ドット列同士の間隔が、空いたり詰まったりすることに起因して生じている。つまり、隣り合うドット列との間隔が広い列領域は巨視的に淡く見え、前記間隔が狭い列領域は巨視的に濃く見えるのである。そして、この間隔の状態は、隣り合うドット列を形成するノズルの組み合わせによって変化する。よって、この第2のケースの濃度ムラを抑制するためには、補正値をノズル毎に対応付けて前記記憶部に記憶させるよりは、列領域毎に対応付けて記憶させる方が、前記間隔の状態に起因する濃度ムラをより直接的に補正できると考えられる。
しかし、前記画像を構成する列領域の数は非常に多く、全ての列領域に対応させて補正値を記憶させるには大容量の記憶部が必要となる。従って、補正値の数を減らす方策が必要になるが、これについては、ある特定の印刷方式、例えば所謂インターレース印刷等の印刷方式の場合には、次のような方策が考えられる。
すなわち、インターレース印刷の場合には、隣り合うドット列を形成するノズルの並びが周期的に変化するので、濃度ムラもその周期で変化することとなる。例えば、搬送方向に連続して並ぶ7個のドット列おきに、同じノズルで形成するドット列が現れる場合には、この7個おきに同じ濃度ムラが発生することになる。よって、前記濃度ムラを抑制するための補正値についても、7個の列領域に対応させて、ノズルの並びの変化の1周期分たる7つの補正値を用意し、濃度補正の際には、この1周期分の補正値を繰り返し用いれば、こと足りると考えられる。
そして、これら1周期分の補正値の精度向上の観点からは、前記補正値を取得するための補正用パターンとして前記1周期分のドット列を印刷するのではなく、複数周期分のドット列を印刷して各列領域の補正値を求め、そのなかで、割り当てられたノズルが同じになる列領域の組毎に補正値を平均化して求めるのが望ましい。
但し、この平均化による精度向上の阻害要因としては、補正用パターンの印刷時に紙を搬送する搬送ローラの偏心等が挙げられ、その場合には、一回転のなかで搬送量の誤差が変動するために、平均化に用いる周期数によっては、補正値の精度向上を図れない場合が有った。
例えば、搬送ローラの前半の半回転と後半の半回転とで、搬送量の誤差の極性が逆転するような場合に、前半の半回転で得られた補正値を用いて、後半の半回転で印刷される画像の濃度補正を行うと、互いの誤差特性が逆なために不適正な濃度補正をしてしまうことになる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ドット列が形成される列領域毎に濃度の補正しながら、画像を印刷する際に使用される濃度の補正値の取得方法であって、搬送ローラが一回転するなかで搬送量の誤差が変動する場合であっても、搬送ローラの回転角によらず高い濃度補正効果を奏する補正値を取得可能な濃度の補正値の取得方法、及び補正用パターンが印刷された媒体を実現することにある。
上記課題を解決するための主たる発明は、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラにより前記媒体を前記移動方向と交差する交差方向に搬送する搬送動作とを繰り返すことによって、前記移動方向に沿ったドット列を前記交差方向に並ぶ列領域毎に形成して印刷される画像の濃度を、前記列領域毎に補正するための濃度の補正値の取得方法であって、
前記列領域に割り当てられたノズルの並びが、所定数Pの列領域を1周期として変化するように補正用パターンを印刷するステップと、
前記補正用パターンの濃度を、前記列領域毎に読み取って濃度の読み取り値を取得するステップと、
前記搬送ローラの一回転分の前記媒体の搬送量に相当する前記列領域の数をMとした場合に、前記Mに最も近い数となるi・P(iは自然数)分の前記列領域の前記読み取り値に基づいて、前記列領域の補正値を求めるステップと、を有することを特徴とする濃度の補正値の取得方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラにより前記媒体を前記移動方向と交差する交差方向に搬送する搬送動作とを繰り返すことによって、前記移動方向に沿ったドット列を前記交差方向に並ぶ列領域毎に形成して印刷される画像の濃度を、前記列領域毎に補正するための濃度の補正値の取得方法であって、
前記列領域に割り当てられたノズルの並びが、所定数Pの列領域を1周期として変化するように補正用パターンを印刷するステップと、
前記補正用パターンの濃度を、前記列領域毎に読み取って濃度の読み取り値を取得するステップと、
前記搬送ローラの一回転分の前記媒体の搬送量に相当する前記列領域の数をMとした場合に、前記Mに最も近い数となるi・P(iは自然数)分の前記列領域の前記読み取り値に基づいて、前記列領域の補正値を求めるステップと、を有することを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
このような濃度の補正値の取得方法によれば、搬送ローラの偏心等に起因して、搬送ローラが一回転するなかで搬送量の誤差が変動する場合であっても、補正精度の高い補正値を取得可能となる。
すなわち、上記取得方法によれば、搬送ローラの一回転分の媒体の搬送量に相当する数Mの列領域の濃度の読み取り値に基づいて補正値を求めるので、搬送ローラが一回転するなかでの搬送量の誤差変動を加味した補正値を取得できる。よって、画像の印刷時に、搬送ローラの回転角によらず高い濃度補正効果を奏する補正値を取得可能となる。
かかる濃度の補正値の取得方法において、
前記補正値は、前記1周期分の列領域に対応させて前記P個を1セットとして求められ、
該1セットの各補正値は、前記読み取り値に基づいて求められた前記i・P分の補正値のなかで、割り当てられたノズルが同じになる列領域の組毎に平均して求められるのが望ましい。
このような濃度の補正値の取得方法によれば、前記1セットの各補正値は、搬送ローラのほぼ一回転分に相当する数の前記読み取り値に基づいて平均化して求められるので、当該補正値からは、前記一回転のなかでの搬送量の誤差変動の影響は排除されている。従って、前記補正値によって濃度補正を行う画像の印刷において、搬送ローラの回転角によらず高い濃度補正効果を奏することができる。
かかる濃度の補正値の取得方法において、
前記Mが前記i・Pと等しくなるように、前記搬送ローラの周長が設定されているのが望ましい。
このような濃度の補正値の取得方法によれば、請求項2に係る作用効果を最も高めることができる。
かかる濃度の補正値の取得方法において、
前記補正値に基づいて画像の濃度の補正を行いながら該画像を媒体に印刷する際には、
前記列領域に割り当てられたノズルの並びは、前記所定数Pの列領域を1周期として変化しているのが望ましい。
このような濃度の補正値の取得方法によれば、濃度の補正を行いながら画像を媒体に印刷する際に、請求項1に係る作用効果を最も効果的に享受することができる。
かかる濃度の補正値の取得方法において、
前記補正用パターンを印刷する際には、前記補正値に基づいた濃度の補正は行われないのが望ましい。
このような濃度の補正値の取得方法によれば、前記補正用パターン上において濃度ムラを確実に顕在化させることができて、濃度ムラを抑制するための補正値を正確に求めることができる。
かかる濃度の補正値の取得方法において、
前記補正用パターンは、該補正用パターンの画像データに基づいて印刷され、
前記画像データは、前記補正用パターンの列領域にドット列を形成するための濃度の階調値データを有し、
前記階調値データは、全ての列領域に亘って同じであるのが望ましい。
このような濃度の補正値の取得方法によれば、補正用パターンの全ての列領域に亘って、ドット列は同じ階調値で形成される。従って、隣り合うドット列との間隔の変化で顕在化する濃度ムラを正確に評価可能となり、その結果、濃度ムラを抑制するための補正値を正確に求めることができる。
かかる濃度の補正値の取得方法において、
前記補正値は、前記交差方向における前記媒体の上流側の端部と下流側の端部との間の部分に画像を印刷する際に用いられるのが望ましい。
このような濃度の補正値の取得方法によれば、前記媒体の上流側の端部と下流側の端部との間の部分に画像を印刷する際に、搬送ローラの回転角によらず高い濃度補正効果を奏することができる。
また、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラにより前記媒体を前記移動方向と交差する交差方向に搬送する搬送動作とを繰り返すことによって、前記移動方向に沿ったドット列を前記交差方向に並ぶ列領域毎に形成して印刷される画像の濃度を、前記列領域毎に補正するための濃度の補正値の取得方法であって、
前記列領域に割り当てられたノズルの並びが、所定数Pの列領域を1周期として変化するように補正用パターンを印刷するステップと、
前記補正用パターンの濃度を、前記列領域毎に読み取って濃度の読み取り値を取得するステップと、
前記搬送ローラの一回転分の前記媒体の搬送量に相当する前記列領域の数をMとした場合に、前記Mに最も近い数となるi・P(iは自然数)分の前記列領域の前記読み取り値に基づいて、前記列領域の補正値を求めるステップと、を有し、
前記補正値は、前記1周期分の列領域に対応させて前記P個を1セットとして求められ、
該1セットの各補正値は、前記読み取り値に基づいて求められた前記i・P分の補正値のなかで、割り当てられたノズルが同じになる列領域の組毎に平均して求められ、
前記補正値に基づいて画像の濃度の補正を行いながら該画像を媒体に印刷する際には、
前記列領域に割り当てられたノズルの並びは、前記所定数Pの列領域を1周期として変化しており、
前記補正用パターンを印刷する際には、前記補正値に基づいた濃度の補正は行われず、
前記補正用パターンは、該補正用パターンの画像データに基づいて印刷され、
前記画像データは、前記補正用パターンの列領域にドット列を形成するための濃度の階調値データを有し、
前記階調値データは、全ての列領域に亘って同じであり、
前記補正値は、前記交差方向における前記媒体の上流側の端部と下流側の端部との間の部分に画像を印刷する際に用いられることを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
このような濃度の補正値の取得方法によれば、既述の全ての効果を奏するため、本発明の目的がより有効に達成される。
また、移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラにより前記媒体を前記移動方向と交差する交差方向に搬送する搬送動作とを繰り返すことによって、前記移動方向に沿ったドット列を前記交差方向に並ぶ列領域毎に形成して印刷された補正用パターンであって、
前記ドット形成動作と前記搬送動作とによって画像を印刷する際に、画像の濃度を前記列領域毎に補正する補正値を取得するための補正用パターンが印刷された媒体において、
前記補正用パターンは、前記列領域に割り当てられたノズルの並びが、所定数Pの列領域を1周期として変化するように印刷されるとともに、
前記搬送ローラの一回転分の前記媒体の搬送量に相当する前記列領域の数をMとした場合に、前記Mに最も近い数となるi・P(iは自然数)分のドット列を前記補正用パターンは備えていることを特徴とする補正用パターンが印刷された媒体の実現も可能である。
===印刷システム100の構成===
<印刷システム100>
図1は、印刷システム100の構成の説明図である。印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。本実施形態の印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140と、スキャナ150とを有している。
プリンタ1は、紙、布、フィルム、OHP用紙等の媒体に画像を印刷する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。また、コンピュータ110には、スキャナ150を制御し、スキャナ150により読み取られた原稿5の画像データを受け取るためのスキャナドライバがインストールされている。
<プリンタ1>
図2は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図3Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。以下、本実施形態のプリンタ1の基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、紙等の媒体を所定方向(以下、搬送方向という)に搬送するものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ1内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙を印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙を支持する。排紙ローラ25は、紙をプリンタ1の外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
キャリッジユニット30は、後述のヘッド41を所定の方向(以下、移動方向という)に移動させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能である。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。キャリッジモータ32は、キャリッジ31を移動方向に移動させるためのモータである。
ヘッドユニット40は、紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、ヘッド41を有する。ヘッド41は、複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。このヘッド41は、キャリッジ31に設けられている。そのため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドット列が紙に形成される。
図4は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列の説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個備えている。各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙に形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯180)。各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)とピエゾ素子(不図示)が設けられており、ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張されて、ノズルからインク滴が吐出される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量(回転角)を検出するためのものである。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている。光学センサ54は、発光部から紙に照射された光の反射光を受光部が検出することにより、紙の有無を検出する。
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御部である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU62は、プリンタ1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<スキャナ150>
図5Aは、スキャナ150の縦断面図である。図5Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
スキャナ150は、上蓋151と、原稿5が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原稿5と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153を副走査方向に案内する案内部材154と、読取キャリッジ153を移動させるための移動機構155と、スキャナ150内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と、主走査方向(図5Aにおいて紙面に垂直な方向)のラインの像を検出するラインセンサ158と、原稿5からの反射光をラインセンサ158へ導くための光学系159とが設けられている。図中の読取キャリッジ153の内部の破線は、光の軌跡を示している。
原稿5の画像を読み取るとき、操作者は、上蓋151を開いて原稿5を原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉じる。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ157を発光させた状態で読取キャリッジ153を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ158により原稿5の表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ110のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ110は、原稿5の画像データを取得する。
===印刷処理===
<印刷処理について>
図6は、印刷時の動作のフロー図である。以下に説明される各動作は、コントローラ60が、メモリ63内に格納されたプログラムに従って、各ユニットを制御することにより実行される。このプログラムは、各動作を実行するためのコードを有する。
印刷命令受信(S001):まず、コントローラ60は、コンピュータ110からインターフェース部61を介して、印刷命令を受信する。この印刷命令は、コンピュータ110から送信される印刷データのヘッダに含まれている。そして、コントローラ60は、受信した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析し、各ユニットを用いて、以下の給紙動作・搬送動作・ドット形成動作等を行う。
給紙動作(S002):給紙動作とは、印刷すべき紙をプリンタ1内に供給し、印刷可能な所定位置(頭出し位置とも言う)に紙を位置決めする動作である。コントローラ60は、給紙ローラ21や搬送ローラ23を回転させ、紙を前記頭出し位置に位置決めする。
ドット形成動作(S003):ドット形成動作とは、移動方向に沿って移動するヘッド41からインクを断続的に吐出させ、紙上にドットを形成する動作である。コントローラ60は、キャリッジモータ32を駆動し、キャリッジ31を移動方向に移動させ、キャリッジ31の移動中に、印刷データに含まれる画素データに基づいてヘッド41からインクを吐出させる。ヘッド41から吐出されたインク滴が紙上に着弾すれば、紙上にドットが形成される。移動するヘッド41からインクが断続的に吐出されるので、紙上には移動方向に沿った複数のドットからなるドット列が形成される。
搬送動作(S004):搬送動作とは、紙をヘッド41に対して搬送方向に沿って相対的に移動させる動作である。コントローラ60は、搬送ローラ23を回転させて紙を、前記移動方向と直交する方向の搬送方向に搬送する。この搬送動作により、ヘッド41は、先ほどのドット形成動作によって形成されたドットの位置とは異なる位置に、次のドット形成動作時にドットを形成することが可能になる。
排紙判断(S005):コントローラ60は、印刷中の紙の排紙の判断を行う。すなわち、印刷中の紙に印刷すべきデータが残っていれば、排紙は行われない。そして、コントローラ60は、印刷すべきデータがなくなるまで、ドット形成動作と搬送動作とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を徐々に紙に印刷する。
排紙動作(S006):印刷中の紙に印刷すべきデータがなくなれば、コントローラ60は、排紙ローラ25を回転させることにより、その紙を排紙する。なお、排紙を行うか否かの判断は、印刷データに含まれる排紙コマンドに基づいても良い。
印刷終了判断(S007):次に、コントローラ60は、印刷を続行するか否かの判断を行う。次の紙に印刷を行うのであれば、印刷を続行し、次の紙の給紙動作を開始する。次の紙に印刷を行わないのであれば、印刷動作を終了する。
<ドット列の形成について>
まず、通常印刷について説明する。本実施形態の通常印刷は、インターレース印刷と呼ばれる印刷方法により行われる。ここで、『インターレース印刷』とは、1回のパスで記録されるドット列間に、記録されないドット列が挟まれるような印刷を意味する。また、『パス』とはドット形成動作を指し、『パスn』とはn回目のドット形成動作を意味する。『ドット列』とは、移動方向に並ぶドットの列である。
図7A及び図7Bは、通常印刷の説明図である。図7Aは、パスn〜パスn+3におけるヘッド41の位置とドットの形成の様子を示し、図7Bは、パスn〜パスn+4におけるヘッド41の位置とドットの形成の様子を示している。
なお、図7A及び図7Bにあっては、説明の便宜上、ヘッド41の代わりに一つのノズル群のみを示し、更にノズル群のノズル数も少なくしている。また、ノズル群が紙に対して移動しているように描かれているが、同図はノズル群(ヘッド41)と紙との相対的な位置を示すものであって、実際には紙が搬送方向に移動される。また、説明の都合上、各ノズルは数ドット(図中の丸印)しか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから間欠的にインク滴が吐出されるので、移動方向に多数のドットが並んで、ドット列が形成されることになる。もちろん、画素データに応じて、ドットが非形成のこともある。
同図において、黒丸で示されたノズルはインクを吐出可能なノズルであり、白丸で示されたノズルはインクを吐出不可なノズルである。また、同図において、黒丸で示されたドットは、最後のパスで形成されるドットであり、白丸で示されたドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。
このインターレース印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたドット列のすぐ上のドット列を記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。ここでは、N=7、k=4、F=7・Dである(D=1/720インチ)。
但し、この通常印刷のみでは、搬送方向に連続してドット列を形成できない箇所がある。そこで、先端印刷及び後端印刷と呼ばれる印刷方法が、通常印刷の前後に行われる。
図8は、先端印刷及び後端印刷の説明図である。最初の5回のパスが先端印刷であり、最後の5回のパスが後端印刷である。
先端印刷では、印刷画像の先端付近を印刷する際に、通常印刷時の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)にて、紙が搬送される。また、先端印刷では、インクを吐出するノズルが一定していない。後端印刷では、先端印刷と同じように、印刷画像の後端付近を印刷する際に、通常印刷時の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)にて、紙が搬送される。また、後端印刷では、先端印刷と同じように、インクを吐出するノズルが一定していない。これにより、先頭ドット列から最終ドット列までの間に、搬送方向に連続して並ぶ複数のドット列を形成することができる。
通常印刷だけでドット列が形成される領域を「通常印刷領域」と呼ぶ。また、通常印刷領域よりも紙の先端側(搬送方向下流側)に位置する領域を「先端印刷領域」と呼ぶ。また、通常印刷領域よりも後端側(搬送方向上流側)に位置する領域を「後端印刷領域」と呼ぶ。先端印刷領域には、30本のドット列が形成される。同様に、後端印刷領域にも、30本のドット列が形成される。これに対し、通常印刷領域には、紙の大きさにもよるが、およそ数千本のドット列が形成される。
通常印刷領域の各列領域(ドット列が形成されるべき領域のことをいい、その定義等詳細については後述を参照)に割り当てられたノズルの並びには、搬送量に相当する所定数P(ここでは7個)の列領域毎に規則性がある。すなわち、列領域に割り当てられたノズルの並びは、7個の列領域を1周期として変化する。
例えば、図8の通常印刷領域の最初から7番目までの列領域には、それぞれ、ノズル♯3、ノズル♯5、ノズル♯7、ノズル♯2、ノズル♯4、ノズル♯6、ノズル♯8によってドット列が形成され、次の8番目以降の7個の列領域にも、これと同じ順序の各ノズルでドット列が形成されている。
一方、先端印刷領域及び後端印刷領域の各列領域に割り当てられるノズルの並びには、通常印刷領域のドット列と比べると、規則性を見出し難い。但し、先端印刷領域及び後端印刷領域の各列領域に割り当てられるノズルも、列領域毎に対応させて予め決まっている。例えば、先端印刷の実行の都度、図8に示すように、先端印刷領域における1番目から4番目までの列領域には、ノズル#2によりドット列が形成され、5番目の列領域にはノズル#3で、6番目の列領域にはノズル#2で、7番目及び8番目の列領域にはノズル#3で、9番目の列領域にはノズル#4でドット列が形成され(以下省略)、このノズルの並びが、先端印刷の実行の度に変わることはない。
===濃度ムラの補正(概略)===
<濃度ムラ(バンディング)について>
ここでは、説明の簡略化のため、単色印刷された画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。なお、多色印刷の場合、以下に説明する濃度ムラの発生原因が色毎に生じている。
図9Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。キャリッジ31が移動方向に移動する間、各ノズルからインクが吐出され、紙にインクが着弾してドットが形成される。各ノズルは、移動中に断続的にインクを吐出するので、移動方向に沿ってドットの列(ドット列)が形成される。各ドット列は移動方向に沿う細長い画像片を形成し、多数の画像片が搬送方向に並ぶことによって、印刷画像が構成される。ここでは、説明の簡略化のため、ドット生成率が50%となるような一定濃度の画像を印刷するものとする。
同図では、理想的にドットが形成されているので、各ドットは、紙上に架空に定められた単位領域に正確に形成され、ドット列は列領域に正確に形成される。
なお、ここで「単位領域」とは、紙等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷画像の最小構成単位である画素に対応する領域である。そして、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。例えば、印刷解像度が720dpi(移動方向)×720dpi(搬送方向)の場合、単位領域は、約35.28μm×35.28μm(≒1/720インチ×1/720インチ)の大きさの正方形状の領域になる。また、印刷解像度が360dpi×720dpiの場合、単位領域は、約70.56μm×35.28μm(≒1/360インチ×1/720インチ)の大きさの長方形状の領域になる。理想的にインク滴が吐出されると、この単位領域の中心位置にインク滴が着弾し、その後インク滴が媒体上に広がって、単位領域にドットが形成される。
また、「列領域」とは、移動方向に並ぶ複数の単位領域によって構成される領域を指し、図中では「列領域」を、点線に挟まれる領域として示している。例えば印刷解像度が720dpi×720dpiの場合、列領域は、搬送方向に30.28μm(≒1/720インチ)の幅の帯状の領域になる。移動方向に移動するノズルから理想的にインク滴が断続的に吐出されると、この列領域にドット列が形成され、これによって、各列領域には、その領域の着色に応じた濃度の複数の画素からなる画像片が形成される。
図9Bは、ノズルの加工精度のばらつきの影響の説明図である。ここでは、ノズルから吐出されたインク滴の飛行方向のばらつきにより、2番目の列領域に形成されたドット列が、3番目の列領域側(搬送方向上流側)に寄って形成されている。また、5番目の列領域に向かって吐出されたインク滴のインク量が少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。
本来であれば同じ濃度の画像片が各列領域に形成されるべきであるにもかかわらず、加工精度のばらつきのため、列領域に応じて画像片に濃淡が発生する。例えば、2番目の列領域の画像片は比較的淡くなり、3番目の列領域の画像片は比較的濃くなる。また、5番目の列領域の画像片は、比較的淡くなる。
そして、このようなドット列からなる印刷画像を巨視的に見ると、キャリッジ31の移動方向に沿う縞状の濃度ムラが視認される。この濃度ムラは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
図9Cは、本実施形態の印刷方法によりドットが形成されたときの様子の説明図である。本実施形態では、濃く視認されやすい列領域に対しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データ(CMYK画素データ)の階調値を補正する。また、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データの階調値を補正する。例えば、図中の2番目の列領域のドットの生成率が高くなり、3番目の列領域のドットの生成率が低くなり、5番目の列領域のドットの生成率が高くなるように、各列領域に対応する画素の画素データの階調値が補正される。これにより、各列領域のドット列のドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
ところで、図9Bにおいて、3番目の列領域に形成される画像片の濃度が濃くなる理由は、この3番目の列領域にドット列を形成するノズルの影響によるものではなく、隣接する2番目の列領域にドット列を形成するノズルの影響によるものである。このため、3番目の列領域にドット列を形成するノズルが別の列領域にドット列を形成する場合、その列領域に形成される画像片が濃くなるとは限らない。つまり、同じノズルにより形成された画像片であっても、隣接する画像片を形成するノズルが異なれば、濃度が異なる場合がある。このような場合、単にノズルに対応付けた補正値では、濃度ムラを抑制することができない。そこで、本実施形態では、列領域毎に設定される補正値に基づいて、画素データの階調値を補正している。
このために、本実施形態では、プリンタ製造工場の検査工程において、プリンタ1に補正用パターンを印刷させ、補正用パターンをスキャナ150で読み取り、補正用パターンにおける各列領域の濃度に基づいて、各列領域に対応する補正値をプリンタ1のメモリに記憶する。プリンタ1に記憶される補正値は、個々のプリンタ1における濃度ムラの特性を反映したものになる。
そして、プリンタ1を購入したユーザーの下において、プリンタドライバが、プリンタ1から補正値を読み取り、画素データの階調値を補正値に基づいて補正し、補正された階調値に基づいて印刷データを生成し、プリンタ1が印刷データに基づいて印刷を行う。
<プリンタ製造工場での処理について>
図10は、プリンタ1の製造後の検査工程で行われる補正値設定処理のフロー図である。
まず、検査者は、検査対象となるプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する(S101)。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150にも接続されており、予め、テストパターンをプリンタ1に印刷させるためのプリンタドライバと、スキャナ150を制御するためのスキャナドライバと、スキャナ150から読み取った補正用パターンの画像データに対して画像処理や解析等を行うための補正値設定プログラムがインストールされている。
次に、コンピュータ110のプリンタドライバは、プリンタ1にテストパターンを印刷させる(S102)。
図11は、テストパターンの説明図である。図12は、補正用パターンの説明図である。テストパターンには、色別に4つの補正用パターンが形成される。各補正用パターンは、5種類の濃度の帯状パターンと、上罫線と、下罫線と、左罫線と、右罫線とにより構成されている。
帯状パターンは、それぞれ、搬送方向に亘って一定の階調値の画像データから生成されたものであり、左の帯状パターンから順に階調値76(濃度30%)、102(濃度40%)、128(濃度50%)、153(濃度60%)及び179(濃度70%)となり、順に濃い濃度のパターンになっている。なお、これらの5種類の階調値(濃度)を「指令階調値(指令濃度)」と呼び、記号でSa(=76)、Sb(=102)、Sc(=128)、Sd(=153)、Se(=179)と表す。
各帯状パターンは、先端印刷、通常印刷及び後端印刷により形成されるため、先端印刷領域のドット列と、通常印刷領域のドット列と、後端印刷領域のドット列とから構成されている。通常印刷では通常印刷領域に数千個のドット列が形成されるが、補正用パターンの印刷では、通常印刷領域には8周期分のドット列が形成される。ここでは説明の簡略化のため図8の印刷によって補正用パターンが印刷されるものとして、帯状パターンが、先端印刷領域の30個のドット列、通常印刷領域の56個(=7(個/周期)×8周期)のドット列、及び、後端印刷領域の30個のドット列の計116個のドット列により構成されるものとする。上罫線は、帯状パターンを構成する1番目のドット列(搬送方向最下流側のドット列)により形成される。下罫線は、帯状パターンを構成する最終ドット列(搬送方向最上流側のドット列)により形成される。
ちなみに、このテストパターンを印刷する際には、後述する補正値に基づいた濃度補正処理(図23のステップS213を参照)が行われないのは言うまでもない。
次に、検査者は、プリンタ1によって印刷されたテストパターンを、スキャナ150の原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉めて、テストパターンをスキャナ150にセットする。そして、コンピュータ110のスキャナドライバは、スキャナ150に補正用パターンを読み取らせる(S103)。以下、シアンの補正用パターンの読み取りについて、説明する(なお、他の色の補正用パターンの読み取りも同様に行なわれる)。
図13は、シアンの補正用パターンの読み取り範囲の説明図である。シアンの補正用パターンを囲む一点鎖線の範囲が、シアンの補正用パターンを読み取る際の読み取り範囲である。この範囲を特定するためのパラメータSX1、SY1、SW1及びSH1は、補正値設定プログラムによって予めスキャナドライバに設定されている。この範囲をスキャナ150に読み取らせれば、テストパターンが多少ずれてスキャナ150にセットされても、シアンの補正用パターンの全体を読み取ることができる。この処理により、図中の読み取り範囲の画像が、2880×2880dpiの解像度の長方形の画像データとして、コンピュータ110に読み取られる。
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、画像データに含まれる補正用パターンの傾きθを検出し(S104)、画像データに対して傾きθに応じた回転処理を行う(S105)。
図14Aは、傾き検出の際の画像データの説明図である。図14Bは、上罫線の位置の検出の説明図である。図14Cは、回転処理後の画像データの説明図である。補正値設定プログラムは、読み取られた画像データの中から、左からKX1の画素であって上からKH個の画素の画素データと、左からKX2の画素であって上からKH個の画素の画素データと、を取り出す。このとき取り出される画素の中に上罫線が含まれ右罫線及び左罫線が含まれないように、パラメータKX1、KX2、KHが予め定められている。そして、補正値設定プログラムは、上罫線の位置を検出するため、取り出されたKH個の画素データの階調値の重心位置KY1、KY2をそれぞれ求める。そして、補正値設定プログラムは、パラメータKX1、KX2と、重心位置KY1、KY2とに基づいて、次式により補正用パターンの傾きθを算出し、算出された傾きθに基づいて、画像データの回転処理を行う。
θ = tan−1{(KY2−KY1)/(KX2−KX1)}

次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、画像データの中から不要な画素をトリミングする(S106)。
図15Aは、トリミングの際の画像データの説明図である。図15Bは、上罫線でのトリミング位置の説明図である。ステップS104での処理と同様に、補正値設定プログラムは、回転処理された画像データの中から、左からKX1の画素であって上からKH個の画素の画素データと、左からKX2の画素であって上からKH個の画素の画素データと、を取り出す。そして、補正値設定プログラムは、上罫線の位置を検出するため、取り出されたKH個の画素データの階調値の重心位置KY1、KY2をそれぞれ求め、2つの重心位置の平均値を算出する。そして、重心位置から列領域の幅の1/2だけ上側の位置において最も近い画素の境界をトリミング位置に決定する。なお、本実施形態では、画像データの解像度が2880dpiであり、列領域の幅は720dpiであるので、列領域の幅の1/2は2画素分の幅に相当する。そして、補正値設定プログラムは、決定されたトリミング位置よりも上側の画素を切り取り、トリミングを行なう。
図15Cは、下罫線でのトリミング位置の説明図である。上罫線側とほぼ同様に、補正値設定プログラムは、回転処理された画像データの中から、左からKX1の画素であって下からKH個の画素の画素データと、左からKX2の画素であって下からKH個の画素の画素データと、を取り出し、下罫線の重心位置を算出する。そして、重心位置から列領域の幅の1/2だけ下側の位置において最も近い画素の境界をトリミング位置に決定する。そして、補正値設定プログラムは、トリミング位置よりも下側の画素を切り取り、トリミングを行なう。
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、Y方向の画素数が116個(補正用パターンを構成するドット列の数と同数)になるように、トリミングされた画像データを解像度変換する(S107)。
図16は、解像度変換の説明図である。仮に、プリンタ1が720dpiの116個のドット列からなる補正用パターンを理想的に形成し、スキャナ150が補正用パターンを2880dpi(補正用パターンの4倍の解像度)で理想的に読み取れば、トリミング後の画像データのY方向の画素数は、464個(=116×4)になるはずである。しかし、実際には印刷時や読み取り時のズレの影響があって、画像データのY方向の画素数が464個にならないことがあり、ここでは、トリミング後の画像データのY方向の画素数は470個である。コンピュータ110の補正値設定プログラムは、この画像データに対して、116/470(=[補正用パターンを構成するドット列の数]/[トリミング後の画像データのY方向の画素数])の倍率で解像度変換(縮小処理)を行なう。ここでは解像度変換にバイキュービック法が用いられる。これにより、解像度変換後の画像データのY方向の画素数が116個になる。言い換えると、2880dpiの補正用パターンの画像データが、720dpiの補正用パターンの画像データに変換される。この結果、Y方向に並ぶ画素の数と列領域の数とが同数になり、X方向の画素列と列領域とが、一対一で対応することになる。例えば、一番上に位置するX方向の画素列は1番目の列領域に対応し、その下に位置する画素列は2番目の列領域に対応する。なお、この解像度変換ではY方向の画素数を116個にするのが目的なので、X方向の解像度変換(縮小処理)は行われなくても良い。
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、各列領域における5種類の帯状パターンのそれぞれの濃度を測定する(S108)。以下、1番目の列領域における階調値76(濃度30%)で形成された左側の帯状パターンの濃度の測定について説明する。なお、他の列領域における測定も同様に行なわれる。また、他の帯状パターンの濃度の測定も同様に行なわれる。
図17Aは、左罫線の検出の際の画像データの説明図である。図17Bは、左罫線の位置の検出の説明図である。図17Cは、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度の測定範囲の説明図である。補正値設定プログラムは、解像度変換された画像データの中から、上からH2の画素であって、左からKX個の画素の画素データを取り出す。このとき取り出される画素の中に左罫線が含まれるように、パラメータKXが予め定められている。そして、補正値設定プログラムは、左罫線の位置を検出するため、取り出されたKX個の画素の画素データの階調値の重心位置を求める。この重心位置(左罫線の位置)からX2だけ右側に、幅W3の濃度30%の帯状パターンが存在していることは、補正用パターンの形状から既知になっている。そこで、補正値設定プログラムは、重心位置を基準にして、帯状パターンの左右W4の範囲を除いた点線の範囲の画素データを抽出し、この範囲の画素データの階調値の平均値を、1番目の列領域の濃度30%の測定値(読み取り値に相当)とする。なお、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度を測定する場合、図中の点線の範囲の1画素下の範囲の画素データを抽出する。このようにして、補正値設定プログラムは、5種類の帯状パターンの濃度を列領域毎にそれぞれ測定する。
図18は、シアンの5種類の帯状パターンの濃度の測定結果をまとめた測定値テーブルである。このように、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、列領域毎に、5種類の帯状パターンの濃度の測定値を対応付けて、測定値テーブルを作成する。他の色についても、測定値テーブルが作成される。なお、以下の説明では、ある列領域について、階調値Sa〜Seの帯状パターンの測定値をそれぞれCa〜Ceとしている。
図19は、シアンの濃度30%、濃度40%及び濃度50%の帯状パターンの測定値のグラフである。各帯状パターンは、それぞれに、階調値Sa(=76)、Sb(=102)、Sc(=128)で一様に形成されたにもかかわらず、列領域毎に濃淡が生じている。この列領域毎の濃淡差が、印刷画像の濃度ムラの原因である。
濃度ムラをなくすためには、各帯状パターンの測定値が一定になることが望ましい。そこで、階調値Sb(濃度40%)の帯状パターンの測定値を一定にするための処理について検討する。ここでは、階調値Sbの帯状パターンの全列領域の測定値の平均値Cbtを、濃度40%の目標値と定める。この目標値Cbtよりも測定値が淡い列領域j1では、濃度の測定値が目標値Cbtに近づくためには、階調値を濃くする方へ補正すればよいと考えられる。一方、目標値Cbtよりも測定値が濃い列領域j2では、濃度の測定値が目標Cbtに近づくためには、階調値を淡くする方へ補正すればよいと考えられる。
そこで、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、列領域に対応する補正値を算出する(S109)。ここでは、ある列領域における指令階調値Sbに対する補正値の算出について説明する。以下に説明するように、図19の列領域j1の指令階調値Sb(濃度40%)に対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sc(濃度50%)の測定値に基づいて算出される。一方、列領域j2の指令階調値Sb(濃度40%)に対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sa(濃度30%)の測定値に基づいて算出される。
図20Aは、列領域Aにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域では、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の測定値Cbは、目標値Cbtよりも小さい階調値を示す(この列領域では、濃度30%の帯状パターンの平均濃度よりも淡い)。仮に、プリンタドライバが、この列領域に目標値Cbtの濃度のパターンをプリンタ1に形成させるならば、次式(直線BCに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよい。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Cbt−Cb)/(Cc−Cb)}
図20Bは、列領域j2における指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域では、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の測定値Cbは、目標値Cbtよりも大きい階調値を示す(この列領域では、濃度30%の帯状パターンの平均濃度よりも淡い)。仮に、プリンタドライバが、この列領域に目標値Cbtの濃度のパターンをプリンタ1に形成させるならば、次式(直線ABに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよい。
Sbt=Sb−(Sb−Sa)×{(Cbt−Cb)/(Ca−Cb)}
このようにして目標指令階調値Sbtを算出した後、補正値設定プログラムは、次式により、この列領域における指令階調値Sbに対する補正値Hbを算出する。
Hb = (Sbt−Sb)/Sb
コンピュータ110の補正値設定プログラムは、列領域毎に、階調値Sb(濃度40%)に対する補正値Hbを算出する。また、同様に、補正値設定プログラムは、階調値Sc(濃度50%)に対する補正値Hcを、各列領域の測定値Ccと、測定値Cb又はCdと、指令階調値Sb又はSdとに基づいて、列領域毎に算出する。また、同様に、補正値設定プログラムは、階調値Sd(濃度60%)に対する補正値Hdを、各列領域の測定値Cdと、測定値Cc又はCeと、指令階調値Sc又はSeとに基づいて、列領域毎に算出する。また、他の色についても、列領域毎に、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)を算出する。
ところで、通常印刷領域には、図12に示すように、56個の列領域があるが、前述したように、これら列領域に割り当てられたノズルの並びは、7個の列領域を1周期として変化する。すなわち、図8に示すように、通常印刷領域の最初から7番目までの列領域には、それぞれ、ノズル♯3、ノズル♯5、ノズル♯7、ノズル♯2、ノズル♯4、ノズル♯6、ノズル♯8によってドット列が形成され、次の8番目以降の7個の列領域にも、これと同じ順序の各ノズルでドット列が形成されている。よって、図12に示す通常印刷領域の補正値の算出では、この規則性が考慮される。
補正値設定プログラムは、通常印刷領域の1番目の列領域(印刷領域全体の31番目の列領域)における補正値を算出するとき、前述の測定値Caには、通常印刷領域においてノズル#3で形成される1、8、15、22、29、36、43、50番目の8個の列領域の濃度30%の測定値の平均値Caaveが用いられる。同様に、通常印刷領域の1番目の列領域(印刷領域全体の31番目の列領域)における補正値を算出するとき、前述の測定値Cb〜Ceには、通常印刷領域においてノズル#3が割り当てられる1、8、15、22、29、36、43、50番目の8個の列領域の各濃度の測定値の平均値Cbave〜Ceaveがそれぞれ用いられる。そして、前述の測定値Ca〜Ceの代わりに平均値Caave〜Ceaveに基づいて、前述の通りに、通常印刷領域の1番目の列領域の補正値(Hb、Hc、Hd)が算出される。このように、通常印刷領域の列領域の補正値は、7個おきの8個の列領域の各濃度の測定値の平均値に基づいて算出される。この結果、通常印刷領域では、1番目〜7番目の7個の列領域に対してだけ補正値が算出され、8番目〜56番目の列領域に対する補正値の算出は行なわれない。言い換えると、通常印刷領域の1番目〜7番目の7個の列領域に対する補正値が、8番目〜56番目の列領域に対する補正値にもなる。
次に、コンピュータ110の補正値設定プログラムは、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S110)。
図21Aは、シアンの補正値テーブルの説明図である。補正値テーブルは、先端印刷領域用、通常印刷領域用、後端印刷領域用の3種類ある。各補正値テーブルには、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)が、列領域毎に対応付けられている。例えば、各列領域のn番目のドット列には、3つの補正値(Hb_n、Hc_n、Hd_n)が対応付けられている。3つの補正値(Hb_n、Hc_n、Hd_n)は、それぞれ、指令階調値Sb(=102)、Sc(=128)及びSd(=153)に対応する。なお、他の色の補正値テーブルも同様である。
なお、上述した通常印刷領域の補正値の算出方法は、同じノズルが割り当てられる8個の列領域の濃度の測定値Ca〜Ceの平均値Caave〜Ceaveを求めておき、これら平均値Caave〜Ceaveを用いて、列領域毎に3つの補正値(Hb、Hc、Hd)を算出するものであったが、平均化のタイミングは、測定値Ca〜Ceの時点で行わなくても良く、補正値(Hb、Hc、Hd)を算出した後に行っても良い。
すなわち、シアンの補正値テーブルを例に説明すると、先ず、通常印刷領域に含まれる56個の各列領域について、それぞれ、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)を算出する(図21Bの左図を参照)。そして、この56個の列領域のなかで、割り当てられるノズルが同じになる列領域の組毎に、補正値(Hb、Hc、Hd)を平均化し、最終的に、図21Bの右図に示すように、1番目〜7番目の7個の列領域に対応する補正値(Hb、Hc、Hd)を求めても良い。
例えば、ノズル#3が割り当てられる列領域は、図21Bの左図中に太線で囲って示すように、1、8、15、22、29、36、43、50番目の8個の列領域であるが、これら列領域について、それぞれ、補正値(Hb、Hc、Hd)を求める。そして、図21Bの真ん中の式に示すように、求められた8つの補正値Hb_1、Hb_8、Hb_15、Hb_22、Hb_29、Hb_36、Hb_43、Hb_50を平均して補正値Hb_1とし、同様に、求められた8つの補正値Hc_1、Hc_8、Hc_15、Hc_22、Hc_29、Hc_36、Hc_43、Hc_50とし、更に、求められた8つの補正値Hd_1、Hd_8、Hd_15、Hd_22、Hd_29、Hd_36、Hd_43、Hd_50をそれぞれに平均して補正値Hd_1とする。そして、これら補正値(Hb_1、Hc_1、Hd_1)を、図21Bの右図に示すように、1番目の列領域の補正値として補正値テーブルに記憶する。なお、残る2〜7番目の列領域の補正値(Hb_2、Hc_2、Hd_2)〜(Hb_7、Hc_7、Hd_7)についても同じである。
このようにプリンタ1のメモリ63に補正値を記憶させた後、補正値設定処理は終了する。その後、プリンタ1とコンピュータ110との接続が外され、プリンタ1に対する他の検査を終えて、プリンタ1が工場から出荷される。プリンタ1には、プリンタドライバを記憶したCD−ROMも同梱される。
<ユーザー下での処理について>
図22は、ユーザー下で行なわれる処理のフロー図である。
プリンタ1を購入したユーザーは、所有するコンピュータ110(もちろん、プリンタ製造工場のコンピュータとは別のコンピュータ)に、プリンタ1を接続する(S201、S301)。なお、ユーザーのコンピュータ110には、スキャナ150は接続されていなくても良い。
次に、ユーザーは、同梱されているCD−ROMを記録再生装置140にセットし、プリンタドライバをインストールする(S202)。コンピュータ110にインストールされたプリンタドライバは、コンピュータ110に、プリンタ1に対して補正値の送信を要求する(S203)。プリンタ1は、要求に応じて、メモリ63に記憶されている補正値テーブルをコンピュータ110へ送信する(S302)。プリンタドライバは、プリンタ1から送られてくる補正値をメモリに記憶する(S204)。これにより、コンピュータ側に補正値テーブルが作成される。ここまでの処理を終えた後、プリンタドライバは、ユーザーからの印刷命令があるまで、待機状態になる(S205でNO)。
プリンタドライバは、ユーザーからの印刷命令を受けると(S205でYES)、補正値に基づいて印刷データを生成し(S206)、印刷データをプリンタ1に送信する。プリンタ1は、印刷データに従って、印刷処理を行う(S303)。
図23は、印刷データ生成処理のフロー図である。これらの処理は、プリンタドライバによって行われる。
まず、プリンタドライバは、解像度変換処理を行う(S211)。解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が720×720dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取った画像データを720×720dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される256階調のデータ(RGBデータ)である。
次に、プリンタドライバは、色変換処理を行う(S212)。色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。この色変換処理は、RGBデータの階調値とCMYKデータの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)をプリンタドライバが参照することによって行われる。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。なお、色変換処理後のデータは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。
次に、プリンタドライバは、濃度補正処理を行う(S213)。濃度補正処理は、各画素データの階調値を、その画素データの属する列領域に対応する補正値に基づいて補正する処理である。
図24は、シアンのn番目の列領域の濃度補正処理の説明図である。同図は、シアンのn番目の列領域に属する画素の画素データの階調値S_inを補正する様子を示している。なお、補正後の階調値はS_outである。
仮に補正前の画素データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、プリンタドライバは、階調値S_inを目標指令階調値Sbtに補正すれば、その画素データに対応する単位領域に目標濃度Cbtの画像を形成することができる。つまり、補正前の画素データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、指令階調値Sbに対応する補正値Hbを用いて、階調値S_in(=Sb)をSb×(1+Hb)に補正するのが良い。同様に、補正前の画素データの階調値Sが指令階調値Scと同じであれば、階調値S_in(=Sc)をSc×(1+Hc)に補正するのが良い。
これに対し、補正前の階調値S_inが指令階調値とは異なる場合、図24に示すような直線補間によって、出力すべき階調値S_outが算出される。図中の直線補間では、各指令階調値(Sb、Sc、Sd)に対応する補正後の各階調値S_out(Sbt、Sct、Sdt)の間を直線補間している。但し、これに限られるものではない。例えば、各指令階調値に対応する各補正値(Hb、Hc、Hd)の間を直線補間して階調値S_inに対応する補正値Hを算出し、算出された補正値Hに基づいて補正後の階調値をS_in×(1+H)として算出しても良い。
先端印刷領域の1番目〜30番目の各列領域の画素データに対しては、プリンタドライバは、先端印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜30番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、濃度補正処理を行う。例えば、先端印刷領域の1番目の列領域の画素データに対しては、プリンタドライバは、先端印刷用の補正値テーブルの1番目の列領域の補正値(Hb_1、Hc_1、Hd_1)に基づいて、濃度補正処理を行う。
同様に、通常印刷領域の1番目〜7番目の各列領域(印刷領域全体の31番目〜38番目の各列領域)の画素データに対しては、プリンタドライバは、通常印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、濃度補正処理を行う。但し、通常印刷領域には数千個の列領域が存在するが、通常印刷領域用の補正値テーブルには、7個分の列領域に対応する補正値しか記憶されていない。そこで、通常印刷領域の8番目〜14番目の各列領域の画素データに対しては、プリンタドライバは、通常印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、濃度補正処理を行う。このように、通常印刷領域の列領域に対しては、プリンタドライバは、7個の列領域毎に、1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値を繰り返して用いる。通常印刷領域では7個の列領域毎に、規則性があるため、濃度ムラの特性も同じ周期で繰り返されると考えられるため、同じ周期で補正値を繰り返し用いることにより、記憶すべき補正値のデータ量を削減している。
なお、補正用パターンの通常印刷領域の列領域は56個であったが、ユーザー下で印刷される印刷画像の通常印刷領域の列領域の数は、これよりも多く、数千個にも及ぶ。このような通常印刷領域の搬送方向上流側(紙の後端側)に30個の列領域からなる後端印刷領域が形成される。
後端印刷領域では先端印刷領域と同様に、後端印刷領域の1番目〜30番目の各列領域の画素データに対しては、プリンタドライバは、後端印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜30番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、濃度補正処理を行う。
以上の濃度補正処理により、濃く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する画素の画素データ(CMYKデータ)の階調値が低くなるように補正される。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する画素の画素データの階調値が高くなるように補正される。なお、他の色の他の列領域に対しても、プリンタドライバは、同様に補正処理を行う。
次に、プリンタドライバは、ハーフトーン処理を行う(S214)。ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタ1が形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・γ補正・誤差拡散法などを利用して、プリンタ1がドットを分散して形成できるように画素データを作成する。プリンタドライバは、ハーフトーン処理を行うとき、ディザ法を行う場合にはディザテーブルを参照し、γ補正を行う場合にはガンマテーブルを参照し、誤差拡散法を行う場合は拡散された誤差を記憶するための誤差メモリを参照する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば720×720dpi)を有している。
本実施形態では、プリンタドライバは、濃度補正処理によって補正された階調値の画素データに対して、ハーフトーン処理が行われることになる。この結果、濃く視認されやすい列領域では、その列領域の画素データの階調値が低くなるように補正されているので、その列領域のドット列を構成するドットのドット生成率が低くなる。逆に、淡く視認されやすい列領域では、ドット生成率が高くなる。
次に、プリンタドライバは、ラスタライズ処理を行う(S215)。ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタ1に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタ1に出力される。
このようにして生成された印刷データに基づいてプリンタが印刷処理を行えば、図9Cに示すように、各列領域のドット列のドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
以上の説明では、説明の簡略化のためノズル数や列領域の数(ドット列の数)を少なくしているが、実際には、ノズル数は180個であり、例えば先端印刷領域の列領域の数は360個になる。但し、補正値設定プログラムやプリンタドライバ等が行なう処理は、ほぼ同様である。
===本実施形態に係る通常印刷領域の補正値の取得方法===
<通常印刷領域の補正値の取得方法の問題点について>
前述したように、通常印刷領域は、通常印刷たるインターレース印刷によってドット列が形成されることから、この通常印刷領域にドット列を形成すべく割り当てられたノズルの並びは、前記搬送方向に関して周期的に変化し、これに伴って、この通常印刷領域に現れる濃度ムラも、前記ノズルの並びの変化と同じ周期性を持つようになる。
このため、この通常印刷領域に対しては、図21Aに示すように、濃度ムラを抑制するための補正値を、前記ノズルの変化の1周期分だけ用意しており、前述のステップS213の濃度補正処理の際には、印刷すべき画像に対応する列領域に、この1周期分の補正値を繰り返し対応させるようにしている。
また、これも前述したことであるが、前記1周期分の補正値の精度向上の観点からは、補正用パターンとして前記1周期分のドット列のみを印刷するのではなく、複数周期分のドット列を印刷して各列領域の補正値を求め、そのなかで、ノズルが同じ列領域の組で補正値を平均化して求めるのが望ましい。
従って、前述の図12に示す例では、補正用パターンの通常印刷領域には、8周期分たる56個(=8周期×7(個/周期))のドット列を形成するとともに、形成するノズルが同じになる列領域の組毎に補正値を平均化し、その結果として、図21Bの右図に示す通常印刷領域用の補正値テーブルには、1周期のたる7個の列領域の補正値を記憶させている。
但し、この平均化による精度向上の阻害要因としては、補正用パターンの印刷時に紙を搬送する搬送ローラ23の偏心等が挙げられ、その場合には、平均化に用いる周期数によっては、補正値の精度向上を図れないことがある。
図25は、搬送ローラ23が一回転するなかで、その回転角に応じて搬送量の誤差が変化する様子を示すグラフである。なお、横軸は回転角であり、縦軸は搬送量の目標値からの累積誤差である。
図示例の誤差特性では、その一回転のなかで正弦波様の周期性をもって、搬送量の誤差が変動している。詳しくは、前半の半回転では搬送量が目標値よりも多めになり、後半の半回転では搬送量が目標値よりも少なめになる傾向を呈し、一回転時にはその累積誤差が零になっている。そして、この場合には、図中のグラフの傾きが正の角度範囲(0°〜90°及び270°〜360°)の半回転で印刷されたドット列同士の間隔は、グラフの傾きが負の角度範囲(90°〜270°)の半回転でのそれよりも広くなり、これに伴って、これら半回転おきに列領域の濃淡の傾向が相違することになる。
よって、補正用パターンの通常印刷領域として複数周期分のドット列を印刷し、これらの補正値を平均化して1周期分の補正値を求めたとしても、この通常印刷領域の印刷の際の紙の搬送が、前者の半回転の範囲内で行われていた場合には、この1周期分の補正値は、ドット列同士の間隔が広めになるという搬送誤差の影響を大きく受けているために、これと正反対の誤差特性を持つ後者の半回転で印刷される列領域の濃度補正に対しては不適当な補正値となってしまうのである。
具体的な数値例で説明すると、図12の補正用パターンにおける通常印刷領域には8周期分たる56個のドット列が形成されるが、ここで、搬送ローラ23の周長が1インチ(25.4mm)である場合には、前記56個のドット列の形成に要する搬送量は約2mm(=56個×25.4(mm/インチ)/720dpi)であり、回転角の角度範囲で言えば約30°である。このため、最悪の場合には、図25のAで示す約30°分の角度範囲で印刷された補正用パターンに基づき平均化して求めた補正値を、図25のBで示す角度範囲で印刷される列領域の濃度補正に対しても適用することになり、その場合には、著しく不適当な濃度補正を行ってしまうことになる。
そこで、本実施形態では、このように搬送ローラ23が一回転するなかで搬送量の誤差が変動する場合であっても、平均化による補正値の精度向上が図れるように、前記補正用パターンにおける通常印刷領域のドット列の数を、搬送ローラ23の概ね一回転分の搬送量に相当する列領域の数に揃えている。そして、その上で、通常印刷領域に形成された各列領域の補正値を、ノズルが同じ組毎に平均化しているので、いずれの回転角においても適正な濃度補正が行われるような中庸的な補正値を取得可能となり、その結果として、画像の印刷時には、搬送ローラ23の回転角によらず高い濃度補正効果が達成されるのである。
<補正用パターンにおける通常印刷領域の好適なドット列の数について>
ここで、補正用パターンにおける通常印刷領域の好適なドット列の数について詳細に説明する。
先ず、搬送ローラ23が一回転する間の搬送量に含まれる列領域の数をMとする。一方、通常印刷領域においてノズルの並びが変化する1周期分のドット列の数をPとすると、通常印刷領域に形成される列領域のなかで、補正値の平均化に使用可能なドット列の数は、i・P(iは自然数)となる。
従って、M=i・Pの関係を満足できれば、Mが最も好ましいドット列の数となる。そして、この場合には、同じノズルの組毎にi個の補正値を用いて平均化し、その際には余り(=M−i・P)となる補正値も生じないので、補正精度が最高の理想的な補正値を取得可能となる。
しかしながら、実際には、Mは搬送ローラ23の周長から一義的に定まり、他方、Pも印刷方法によって一義的に定まる。このため、M=i・Pの関係を満足するのは極く希である。よって、現実的には、Mに最も近くなるようなi・Pが、補正値の算出に好ましいドット列の数となる。
例えば、搬送ローラ23の周長が1インチで、補正用パターンの搬送方向の印刷解像度が720dpiの場合には、一回転の搬送量に含まれる列領域の数Mは、720個(=1インチ×720dpi)である。一方、前述の通常印刷の例では、1周期分のドット列の数Pは7個である。
そして、ここで、Mに最も近くなるようなi・Pを考えてみると、i=102の場合にはi・Pは714となり、i=103の場合にはi・P=721となる。よって、M(=720)に最も近いi・Pは、721となり、もって、721個が、通常印刷領域の補正値の算出に最も好ましいドット列の数となる。
すなわち、この例の場合には、図12に示すように、通常印刷領域に8周期分のドット列を形成するのではなく、図26に示す補正用パターンの図のように、通常印刷領域に103周期分のドット列を形成して721個(=103周期×7(個/周期))の列領域を完成させる。そして、これら721個の列領域の各補正値を求め、これら補正値を、割り当てられたノズルが同じになる列領域の組毎に補正値を平均化して前記1周期分たる7つの補正値を求める。
そうすれば、搬送ローラ23の回転角によらず、高い濃度補正効果を奏する補正値を取得可能となる。なお、割り当てられたノズルが同じになる列領域の組毎に補正値を平均化して求めるやり方は、図21Bを参照し前述した方法と同じなので、ここでは説明しない。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタ1を備えた印刷システム100について記載されているが、その中には、濃度の補正値の取得方法、補正用パターンが印刷された媒体等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ1等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタ1について>
前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出するインクは、このようなインクに限られるものではない。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを吐出していたが、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<ヘッド41の移動方向について>
前述の実施形態では、往復のいずれの移動方向にヘッド41が移動する際に、インクを吐出するのか述べていないが、往路のみ、復路のみ、又は往復の両方のいずれにおいてインクを吐出するようにしても良い。
<印刷に用いるインク色について>
前述の実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の4色のインクを紙上に吐出してドットを形成する多色印刷を例に説明したが、インク色はこれに限るものではない。例えばこれらインク色に加えて、ライトシアン(薄いシアン、LC)及びライトマゼンタ(薄いマゼンタ、LM)等のインクを用いても良い。
また、逆に、上記4つのインク色のいずれか一つだけを用いて単色印刷を行っても良い。
印刷システム100の構成の説明図である。 プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図であり、図3Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。 ヘッド41の下面におけるノズルの配列の説明図である。 図5Aは、スキャナ150の縦断面図であり、図5Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。 印刷時の動作のフロー図である。 図7A及び図7Bは、通常印刷の説明図である。 先端印刷及び後端印刷の説明図である。 図9Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図であり、図9Bは、ノズルの加工精度のばらつきの影響の説明図であり、図9Cは、本実施形態の印刷方法によりドットが形成されたときの様子の説明図である。 プリンタ1の製造後の検査工程で行われる補正値設定処理のフロー図である。 テストパターンの説明図である。 補正用パターンの説明図である。 シアンの補正用パターンの読み取り範囲の説明図である。 図14Aは、傾き検出の際の画像データの説明図であり、図14Bは、上罫線の位置の検出の説明図であり、図14Cは、回転処理後の画像データの説明図である。 図15Aは、トリミングの際の画像データの説明図であり、図15Bは、上罫線でのトリミング位置の説明図であり、図15Cは、下罫線でのトリミング位置の説明図である。 解像度変換の説明図である。 図17Aは、左罫線の検出の際の画像データの説明図であり、図17Bは、左罫線の位置の検出の説明図であり、図17Cは、1番目の列領域の濃度30%の帯状パターンの濃度の測定範囲の説明図である。 シアンの5種類の帯状パターンの濃度の測定結果をまとめた測定値テーブルである。 シアンの濃度30%、濃度40%及び濃度50%の帯状パターンの測定値のグラフである。 図20Aは、列領域Aにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図であり、図20Bは、列領域Bにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。 シアンの補正値テーブルの説明図である。 シアンの通常印刷領域用の補正値テーブルの説明図である。 ユーザー下で行なわれる処理のフロー図である。 印刷データ生成処理のフロー図である。 シアンのn番目の列領域の濃度補正処理の説明図である。 搬送ローラ23が一回転するなかで、その回転角に応じて搬送量の誤差が変化する様子を示すグラフである。 本実施形態の補正用パターンを示す図である。
符号の説明
1 プリンタ、5 原稿、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ(PFモータ)、
23 搬送ローラ、24 プラテン、25 排紙ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、
32 キャリッジモータ(CRモータ)、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51、リニア式エンコーダ、52、ロータリー式エンコーダ、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、
64 ユニット制御回路、
100 印刷システム、110 コンピュータ、120 表示装置、
130 入力装置、140 記録再生装置、150 スキャナ、
151 上蓋、152 原稿台ガラス、153 読取キャリッジ、154 案内部材、
155 移動機構、157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系

Claims (9)

  1. 移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラにより前記媒体を前記移動方向と交差する交差方向に搬送する搬送動作とを繰り返すことによって、前記移動方向に沿ったドット列を前記交差方向に並ぶ列領域毎に形成して印刷される画像の濃度を、前記列領域毎に補正するための濃度の補正値の取得方法であって、
    前記列領域に割り当てられたノズルの並びが、所定数Pの列領域を1周期として変化するように補正用パターンを印刷するステップと、
    前記補正用パターンの濃度を、前記列領域毎に読み取って濃度の読み取り値を取得するステップと、
    前記搬送ローラの一回転分の前記媒体の搬送量に相当する前記列領域の数をMとした場合に、前記Mに最も近い数となるi・P(iは自然数)分の前記列領域の前記読み取り値に基づいて、前記列領域の補正値を求めるステップと、を有することを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
  2. 請求項1に記載の濃度の補正値の取得方法において、
    前記補正値は、前記1周期分の列領域に対応させて前記P個を1セットとして求められ、
    該1セットの各補正値は、前記読み取り値に基づいて求められた前記i・P分の補正値のなかで、割り当てられたノズルが同じになる列領域の組毎に平均して求められることを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
  3. 請求項2に記載の濃度の補正値の取得方法において、
    前記Mが前記i・Pと等しくなるように、前記搬送ローラの周長が設定されていることを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の濃度の補正値の取得方法において、
    前記補正値に基づいて画像の濃度の補正を行いながら該画像を媒体に印刷する際には、
    前記列領域に割り当てられたノズルの並びは、前記所定数Pの列領域を1周期として変化していることを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の濃度の補正値の取得方法において、
    前記補正用パターンを印刷する際には、前記補正値に基づいた濃度の補正は行われないことを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の濃度の補正値の取得方法において、
    前記補正用パターンは、該補正用パターンの画像データに基づいて印刷され、
    前記画像データは、前記補正用パターンの列領域にドット列を形成するための濃度の階調値データを有し、
    前記階調値データは、全ての列領域に亘って同じであることを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の濃度の補正値の取得方法において、
    前記補正値は、前記交差方向における前記媒体の上流側の端部と下流側の端部との間の部分に画像を印刷する際に用いられることを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
  8. 移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラにより前記媒体を前記移動方向と交差する交差方向に搬送する搬送動作とを繰り返すことによって、前記移動方向に沿ったドット列を前記交差方向に並ぶ列領域毎に形成して印刷される画像の濃度を、前記列領域毎に補正するための濃度の補正値の取得方法であって、
    前記列領域に割り当てられたノズルの並びが、所定数Pの列領域を1周期として変化するように補正用パターンを印刷するステップと、
    前記補正用パターンの濃度を、前記列領域毎に読み取って濃度の読み取り値を取得するステップと、
    前記搬送ローラの一回転分の前記媒体の搬送量に相当する前記列領域の数をMとした場合に、前記Mに最も近い数となるi・P(iは自然数)分の前記列領域の前記読み取り値に基づいて、前記列領域の補正値を求めるステップと、を有し、
    前記補正値は、前記1周期分の列領域に対応させて前記P個を1セットとして求められ、
    該1セットの各補正値は、前記読み取り値に基づいて求められた前記i・P分の補正値のなかで、割り当てられたノズルが同じになる列領域の組毎に平均して求められ、
    前記補正値に基づいて画像の濃度の補正を行いながら該画像を媒体に印刷する際には、
    前記列領域に割り当てられたノズルの並びは、前記所定数Pの列領域を1周期として変化しており、
    前記補正用パターンを印刷する際には、前記補正値に基づいた濃度の補正は行われず、
    前記補正用パターンは、該補正用パターンの画像データに基づいて印刷され、
    前記画像データは、前記補正用パターンの列領域にドット列を形成するための濃度の階調値データを有し、
    前記階調値データは、全ての列領域に亘って同じであり、
    前記補正値は、前記交差方向における前記媒体の上流側の端部と下流側の端部との間の部分に画像を印刷する際に用いられることを特徴とする濃度の補正値の取得方法。
  9. 移動方向に移動する複数のノズルからインクを吐出して媒体にドットを形成するドット形成動作と、搬送ローラにより前記媒体を前記移動方向と交差する交差方向に搬送する搬送動作とを繰り返すことによって、前記移動方向に沿ったドット列を前記交差方向に並ぶ列領域毎に形成して印刷された補正用パターンであって、
    前記ドット形成動作と前記搬送動作とによって画像を印刷する際に、画像の濃度を前記列領域毎に補正する補正値を取得するための補正用パターンが印刷された媒体において、
    前記補正用パターンは、前記列領域に割り当てられたノズルの並びが、所定数Pの列領域を1周期として変化するように印刷されるとともに、
    前記搬送ローラの一回転分の前記媒体の搬送量に相当する前記列領域の数をMとした場合に、前記Mに最も近い数となるi・P(iは自然数)分のドット列を前記補正用パターンは備えていることを特徴とする補正用パターンが印刷された媒体。

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