JP2006305689A - 加工コスト計算機能を有するワイヤ放電加工機 - Google Patents

Abstract

【課題】 ワイヤ放電加工機でワークを加工する場合に、その加工に先立って、加工時間及び加工コストを計算し、表示するワイヤ放電加工機を提供すること。
【解決手段】 加工すべきワークに対応した加工条件を加工条件記憶部１３に予め記憶しておき、ＮＣ装置３で加工プログラム５を先読みして、加工条件番号と位置指令情報を送出する。加工経路長演算部１５で加工経路長を演算し、加工時間演算部１７で加工時間を演算する。加工コスト算出のために必要な情報を入力部１９から入力し、加工コスト演算部２１で加工コストを算出し、表示部２３で加工時間及び加工コストを表示する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、一つのワークを加工するためにかかる加工時間及び加工コストをその加工に先立って計算し表示するワイヤ放電加工機に関する。

ワイヤ放電加工は、走行するワイヤ電極とワークとを輪郭形状プログラムによって相対移動させて、ワークに所望の形状加工を行うものである。通常は一つのワークを加工するために長時間かかり、そのため加工コストが高くなっている。その所要加工時間は、加工すべき加工経路長さ、加工パルスの平均電流、オンタイム及びオフタイムの長さ、ワークの材質、ワークの板厚、ワイヤ電極の材質や太さ、加工液の性状等の加工条件が決定されれば容易に計算できることが知られている。
ワイヤ放電加工機において、加工終了までの加工時間を算出し表示する装置は特許文献１に開示されている。この装置は、速度、位置検出回路によって、機械動作の進行速度と位置を検出し、輪郭形状プログラムと検出されたプログラム上の位置により加工時間を算出するものである。

実願平２−４４８６５号（実開平４−５３１６号）マイクロフィルム

近時ではワイヤ放電加工機による加工において、製品の納期短縮とコストダウンが強く要求されている。そのため、一つのワークを加工する場合においても、加工方法や加工条件を適宜選択して、実際の加工に入る前に、どれだけ時間がかかり、どれだけ加工コストがかかるか知る必要がある。従来技術では加工前に加工時間は算出できるが、加工コストが算出できないという問題点があった。
本発明は、従来技術の問題を解決することを課題としており、本発明の目的は、ワイヤ放電加工機で一つのワークを加工する場合に、その加工に先立って、加工時間及び加工コストを計算し、表示するワイヤ放電加工機を提供することである。

前述の目的を達成するために、本発明によれば、上ヘッドと下ヘッドに案内されて走行するワイヤ電極とワーク取付台に取付けられたワークとを相対移動させ、ワークに所望の形状加工を行わせるワイヤ放電加工機において、実際の加工に先立って、加工プログラムを読み取り、補間演算し、その加工の加工条件番号と位置指令情報を送出するＮＣ装置と、加工すべき種々のワークに対応した加工条件を記憶し、指定した加工条件番号に対応した加工条件を読み出し可能にした加工条件記憶部と、ＮＣ装置からの位置指令情報を受けて、加工経路長さを演算し送出する加工経路長演算部と、加工条件と加工経路長さを受けて、一つのワークを加工するためにかかる加工時間を予測演算し送出する加工時間演算部と、加工コストを算出するために必要な設備費、人件費、材料費、ワイヤ電極費、消耗品費等の情報を入力する入力部と、加工コストを算出するために入力した情報と予測演算した加工時間を受けて、一つのワークを加工するためにかかる加工コストを演算し、加工時間及び加工コストを送出する加工コスト演算部と、加工時間と加工コストを受けて、それらを表示する表示部と、を具備し、実際の加工に先立って加工時間及び加工コストを算出し表示するワイヤ放電加工機が提供される。
実際の加工に入る前に、ＮＣ装置が加工プログラムを先読みして、その加工経路長と加工条件とから加工時間を計算し、設備費、人件費、経費等の情報を入力して加工コストを計算し、表示するようにしたので、事前に所要時間と加工コストが把握できる。

本発明によれば、実際の加工に先立って加工プログラムをＮＣ装置で先読みして、加工条件が特定され、加工経路長さが演算され、加工時間及び加工コストを計算して表示するので、生産管理上の時間管理、コスト管理が容易であり、設備機械の効率的な稼動が可能である。また、製品価格の決定に有効である。

以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。図１を参照して、ワイヤ放電加工機は、機械１、ＮＣ装置３、加工条件記憶部１３、加工経路長演算部１５、加工時間演算部１７、入力部１９、加工コスト演算部２１及び表示部２３を具備している。加工プログラム５には、加工すべき形状データ及び加工条件番号が記載されており、加工条件番号はＮＣ装置３の読取解釈部７で読取られ加工時間演算部１７に送出される。形状データはＮＣ装置３の補間部９で補間演算され、位置指令情報としてＮＣ装置３のサーボ部１１及び加工経路長演算部１５に送出される。サーボ部１１は位置指令情報に従って機械を駆動する。

加工条件記憶部１３には、加工すべき種々のワークに対応した加工条件が記憶されている。その加工条件は、加工プログラム５に記載される加工条件番号に対応したテーブル形式で記憶されている。ある加工条件番号に対して、ワークの材質や板厚、使用するワイヤ電極の材質や径、加工液の性状、加工パルスの平均電流、オンタイム及びオフタイムの長さ等の加工条件が読み出し可能に記憶されている。加工経路長演算部１５は、補間部９から位置指令情報を受けて加工形状に沿った加工経路長さを演算し、加工時間演算部１７に送出する。加工時間演算部１７は、加工条件番号に対応した加工条件を加工条件記憶部１３から読み出し、その加工条件と加工経路長さとによって所要加工時間を予測演算する。加工経路長さと加工条件とから加工時間を演算する方法は、当業者において周知の方法であるので詳細な説明は省略する。

入力部１９は、加工コストを計算するために必要な情報を入力する装置である。入力情報は、例えば、単位時間当りに算出された設備費、材料費、人件費、ワイヤ電極費、消耗交換部品費等である。加工コスト演算部２１は、加工時間演算部１７から加工時間を受け、入力部１９から入力された情報によって加工コストを演算する。加工コスト演算部２１は、加工時間と演算した加工コストを表示部２３に送出し、表示部２３はそれらを表示する画面である。

加工コスト演算部２１で算出する加工コストは、設備費、材料費、人件費、ワイヤ電極費、消耗交換部品費を加算したものである。設備費はリース料又は償却費をその耐用時間で除算し単位時間当りの費用として算出したもの、材料費は原材料の価格、人件費は単位時間当りの人件費、ワイヤ電極費は単位時間当りの使用量の価格、ワイヤ電極の使用量は設定されたワイヤ走行速度から算出される。消耗交換部品費は交換単位の価格をその耐用時間で除算し、単位時間当りの費用として算出したもの。加工コストは、これらの単位時間当りの費用に所要加工時間を乗算して算出する。従って、加工コストは、加工経路長さと加工条件から所要加工時間を算出し、その所要加工時間に諸費用の単位時間当りの費用を乗算して算出する。入力部１９から加工コストを算出するための情報を詳細に入力すれば、例えば、電気代、空調費、細かい消耗品等を正確に入力すれば、更に正確な加工コストを算出することができる。入力部１９の入力方法、加工コスト演算部２１の演算方法及び表示部２３の表示方法は、当業者において周知の方法であるので詳細な説明は省略する。尚、ワイヤ電極費は、単位時間当たりの使用ワイヤ重量の価格から算出してもよい。ワイヤ電極の使用重量は、設定されたワイヤ走行速度、ワイヤ断面積、ワイヤ密度から求められる。

本発明によるワイヤ放電加工機の実施の形態を示すブロック図である。

符号の説明

３ ＮＣ装置
１３ 加工条件記憶部
１５ 加工経路長演算部
１７ 加工時間演算部
１９ 入力部
２１ 加工コスト演算部
２３ 表示部

Claims (1)

1. 上ヘッドと下ヘッドに案内されて走行するワイヤ電極とワーク取付台に取付けられたワークとを相対移動させ、ワークに所望の形状加工を行わせるワイヤ放電加工機において、
   実際の加工に先立って、加工プログラムを読み取り、補間演算し、その加工の加工条件番号と位置指令情報を送出するＮＣ装置と、
   加工すべき種々のワークに対応した加工条件を記憶し、指定した加工条件番号に対応した加工条件を読み出し可能にした加工条件記憶部と、
   ＮＣ装置からの位置指令情報を受けて、加工経路長さを演算し送出する加工経路長演算部と、
   加工条件と加工経路長さを受けて、一つのワークを加工するためにかかる加工時間を予測演算し送出する加工時間演算部と、
   加工コストを算出するために必要な設備費、人件費、材料費、ワイヤ電極費、消耗品費等の情報を入力する入力部と、
   加工コストを算出するために入力した情報と予測演算した加工時間を受けて、一つのワークを加工するためにかかる加工コストを演算し、加工時間及び加工コストを送出する加工コスト演算部と、
   加工時間と加工コストを受けて、それらを表示する表示部と、
   を具備し、実際の加工に先立って加工時間及び加工コストを算出し表示することを特徴としたワイヤ放電加工機。

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