JP2006305191A - マスカラ化粧用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マスカラ塗布具をマスカラ薬剤中に長期間浸漬しても、膨潤等の変形が起こりにくく、コーミング効果やマスカラ薬剤の保持性の低下が防止されたマスカラ化粧用具を提供すること。
【解決手段】 マスカラ化粧用具33は、水又はアルコールを含有するマスカラ薬剤30を収容した容器31と、該マスカラ薬剤中に塗布部12が浸漬されているマスカラ塗布具10を備える。マスカラ塗布具10はその塗布部12が塗布部軸21とクシ歯20とから構成されている。クシ歯20は、ポリエステルエラストマー又はポリウレタンエラストマーを主成分とするショア硬さ(A)が45〜85のエラストマー材料で構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明はマスカラ化粧用具に関する。
マスカラ薬剤は従来、まつ毛に対してカール効果を訴求する物が多かったが、近年はそれに加えボリューム感も要望されるようになってきている。ボリューム感を出すために、従来はまつ毛一本一本にマスカラ薬剤を塗布し、個々のまつ毛を太らせる工夫をしていた。
まつ毛一本一本にマスカラ薬剤を塗布するためには、それに最適なマスカラ薬剤の処方を検討する必要があり、また、そのように処方されたマスカラ薬剤の機能を十分に引き出し得るマスカラ塗布具の検討が必要である。従来のマスカラ塗布具としては例えば、塗布棒の先端側から軸方向に沿って一定間隔をなす多数位置のそれぞれにクシ歯を設けたものが知られている(特許文献1参照)。
前記のマスカラ塗布具においては、クシ歯は、塗布棒の外周を構成する塗布部軸の外周に設けられている。また、塗布部軸の周方向に沿って一定間隔をなす複数位置のそれぞれに突出片が設けられ、各突出片が塗布部軸の径方向の外方に突出している。マスカラ塗布具のクシ歯をマスカラ容器に浸漬し、このクシ歯に付着したマスカラ薬剤の過剰分を該容器のしごき弁でしごき落とし、適量のマスカラ薬剤をクシ歯間に保持させる。
特表2002−538868
薬剤が付着した前記マスカラ塗布具を用いてまつ毛に該薬剤を首尾良く塗布するためには、該塗布具によるコーミング効果が高い必要がある。コーミング効果を高めるためには、前記マスカラ塗布具におけるクシ歯は柔軟な素材、例えばエラストマー材料からなることが好ましい。しかし柔軟なエラストマー材料を原料として用い、射出成形によってクシ歯を製造する場合、成形品の射出成形型からの離型性が乏しいので、離型に十分な冷却時間が必要となる。また、得られた成形品のクシ歯部は形状にばらつきが生じる場合がある。更に、柔軟なエラストマー材料は一般に耐薬品性が低いので、これをマスカラ薬剤、特に親水性溶剤を含むマスカラ薬剤中に長期間浸漬すると、膨潤等の変形が起こる傾向にある。その結果、マスカラ塗布具のコーミング効果が低下する場合がある。
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得るマスカラ化粧用具を提供することにある。
本発明は、水又はアルコールを含有するマスカラ薬剤を収容した容器と、該マスカラ薬剤中に塗布部が浸漬されているマスカラ塗布具とを備えたマスカラ化粧用具であって、
前記マスカラ塗布具の前記塗布部は塗布部軸とクシ歯とから構成され、
前記クシ歯は、ポリエステルエラストマー又はポリウレタンエラストマーを主成分とするショア硬さ(A)が45〜85のエラストマー材料で構成されているマスカラ化粧用具を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明のマスカラ化粧用具によれば、マスカラ塗布具に適量のマスカラ薬剤を付着させることができ、該塗布具のコーミング効果が高いので、まつ毛へのマスカラ薬剤の塗布性は良好になる。マスカラ塗布具を、親水性溶剤を含有するマスカラ薬剤中に長期間浸漬しても、膨潤等の変形が起こりにくくなり、コーミング効果やマスカラ薬剤の保持性が低下しづらくなる。また、マスカラ塗布具のクシ歯素材にポリエステルエラストマーやポリウレタンエラストマーを主成分とするエラストマーを用いる事により、射出成形によって製造するときの離型性が良好となる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。図1に示すように、本実施形態のマスカラ化粧用具33は、マスカラ薬剤30を収容した容器31内にマスカラ塗布具10が挿入されており、該塗布具10の塗布部12がマスカラ薬剤30中に浸漬されているものである。マスカラ塗布具10の塗布棒11の後端部は、容器31のキャップを兼ねるキャップ部材32に固着されている。容器31の内部には、しごき部材34が取り付けられている。しごき部材34は、マスカラ薬剤30が付着した塗布部12を容器31から取り出すときに、余分なマスカラ薬剤30をしごき取るために用いられる。しごき部材34は、例えばゴム等の弾性材料からなる板状部材であって、マスカラ塗布具10の通過が可能な大きさの開口が形成されたものである。
図1に示すマスカラ化粧用具33におけるマスカラ塗布具10の詳細が図2ないし図4に示されている。図2に示すように、マスカラ塗布具10は、塗布棒11の先端部に塗布ヘッド12を有している。塗布ヘッド12には、クシ歯20が、塗布棒11の軸方向に沿って略一定間隔をおいて複数設けられている。マスカラ塗布具10は、例えば、塗布棒11の先端芯棒11Aの周囲に、インサート成形によって、塗布ヘッド12を射出成形して製作される。
塗布ヘッド12においては、図3及び図4に示すように、塗布棒11の先端芯棒11Aの全長にわたり、該先端芯棒11Aの外周に、塗布部軸21が被着されている。塗布部軸21の外周にはクシ歯20が設けられている。各クシ歯20は、環状片22と突出片23を有する。環状片22は、塗布部軸21の軸方向に沿って略一定間隔をおき、該塗布部軸21の外周に複数設けられている。塗布部軸21の軸方向において隣り合う環状片22の間隔は、後述する環状溝13の溝幅と一致する。突出片23は、環状片22の周方向に沿って略一定間隔をなす複数位置に設けられている。また突出片23は、環状片22の径方向の外方に突出している。本実施形態では、クシ歯20が、8個の突出片23を備える星形状の形状になっている。
なお、塗布部軸21を、塗布棒11の先端芯棒11Aに確実に固定するために、先端芯棒11Aの表面に、その周方向に延びる溝を1本又は複数本形成することが好ましい。これによって、インサート成形時に、塗布部軸21の構成材料が前記の溝内に充填され、塗布部軸21と先端芯棒11Aとが係合する。
図4に示すように、塗布部軸21の軸方向において隣り合うクシ歯20間には、塗布部軸21のまわりに環状溝13が形成される。具体的には、環状溝13は、相隣る一方のクシ歯20の環状片22及び突出片23と、他方のクシ歯20の環状片22及び突出片23とによって形成される。環状溝13の底部の幅は好適には0.2〜0.8mmである。後述するように、環状溝13にはマスカラ薬剤が保持される。
クシ歯20の形状は、環状溝13に保持されるマスカラ薬剤の量や、まつ毛のコーミング効果に影響を及ぼす。この観点から、塗布部軸21に沿ってクシ歯20を正面視した状態で測定された、クシ歯20の環状片22及び突出片23の全表面積Z0に対する、当該クシ歯20の環状片22の全表面積Z1の比率Z1/Z0は20〜50%、特に20〜40%であることが好ましい。なお、Z0は4.5〜26mm2(例えば9.9mm2)であることが好ましく、Z1は1.5〜6mm2(例えば2.7mm2)であることが好ましい。
本実施形態のマスカラ塗布具10では、塗布部軸21の外周に、環状片22及び突出片23が一体に形成されたクシ歯20が設けられて、塗布ヘッド12が形成されている。クシ歯20の厚みは、0.15〜0.6mmとすることが好ましい。クシ歯20の厚みとは、環状片22と突出部23の長さを合わせた中心部の厚みをいう。
塗布ヘッド12は、塗布部軸21の軸方向に沿う先端側を除く一定の長さ範囲で、隣り合う突出片23の外径を略同一にしている。これと共に、先端側の一部の長さ範囲で、突出片23の外径を最先端側に向けて縮径するテーパ状としている。これによって、マスカラ薬剤が収容された容器へのマスカラ塗布具10の挿入性を良好にしている。また、目じりや目頭側のまつ毛に薬剤を塗布しやすい形状としている。
塗布ヘッド12におけるクシ歯20の硬さ(軟らかさ)は、まつ毛のコーミング効果に影響を及ぼす。特に、マスカラ薬剤が高粘度である場合には、その影響が顕著になる。クシ歯20が軟らかすぎると、高粘度のマスカラ薬剤の粘弾性にクシ歯20が抗しきれず、過度に変形してしまい、コーミング効果が低下する。逆に、クシ歯20が硬すぎても十分なコーミング効果が得られない。これらの観点から、本実施形態においては、クシ歯20の環状片22及び突出片23のショア硬さ(A)を45〜85とし、好ましくは50〜80とする。これによってマスカラ薬剤の貯留機能とコーミング効果を併せ持つことができる。なお以下の説明では、ショア硬さ(A)を便宜的にショア硬さと略称する。
本実施形態において、クシ歯20のショア硬さは、JIS K7215に従い、タイプAデュロメータを用いてクシ歯素材をシート形成して測定される。
クシ歯20のショア硬さは、該クシ歯20を構成する材料を適切に選定することで、前記範囲内に調整することができる。当該材料としては柔軟なエラストマー材料を用いることが、高いコーミング効果を得られる点から好ましい。しかし、柔軟なエラストマー材料は、射出成形における離型性が良好でないという不都合がある。また、親水性溶剤を含有するマスカラ薬剤中に長期間浸漬した場合に、膨潤等の変形が起こりやすい傾向にあるという不都合もある。これらの不都合を解消すべく本発明者らは鋭意検討した結果、ショア硬さが45〜85、好ましくは50〜80のポリエステルエラストマーやポリウレタンエラストマーを主成分とするエラストマー材料を用いることが有効であることを知見した。エラストマー材料のショア硬さを50以上とすることで、該エラストマー材料を、親水性溶剤を含有するマスカラ薬剤中に長期間浸漬した場合であっても膨潤等の変形が起こりづらくなり、また射出成形における離型性が良好になる。また、エラストマー材料のショア硬さを85以下とすることで、該エラストマー材料が硬くなり過ぎることを防止でき、マスカラ塗布具10のコーミング性を良好に保つことができる。
エラストマー材料としては、分子中にゴム弾性を発現する柔軟性部分(ソフトセグメント、非晶質部分)と、塑性変形を防止するための分子拘束部分(ハードセグメント、結晶質部分)を有する熱可塑性エラストマーを含む材料を用いることが好ましい。特に熱可塑性エラストマーとして、ポリエステルエラストマーやポリウレタンエラストマーを用いると、前述した膨潤等の変形が一層起こりづらくなる。そこで本実施形態においては、これらの熱可塑性エラストマーをエラストマー材料として用いている。
ポリエステルエラストマーは、ハードセグメントにエステル結合を有し、ソフトセグメントにエステル結合やエーテル結合を有する。ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントにウレタン結合を有し、ソフトセグメントにポリエーテル、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート等の分子骨格を有する。
ポリエステルエラストマーにおけるハードセグメントは、芳香族カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル結合を有することが好ましい。例えば芳香族カルボン酸としてテレフタル酸を用い、脂肪族アルコールとしてブチレングリコール等の分子量120以下の低分子グリコールを用いて形成されたエステル結合を有するハードセグメントを挙げることができる。このようなハードセグメントを用いることで、該ハードセグメントの立体障害性が高くなり、該ハードセグメント中のエステル結合の耐薬品性が向上し、前述した膨潤等の変形が一層起こりづらくなる。一方ソフトセグメントは、分子量が500〜2000の脂肪族ポリエーテルや脂肪族ポリエステルを有することが好ましい。特に、脂肪族ポリエーテルをソフトセグメントとして用いると、該ソフトセグメントの耐薬品性が高くなり、前述した膨潤等の変形が一層起こりづらくなるので好ましい。脂肪族ポリエーテルとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールが好適なものとして例示される。またポリエステルエラストマーにおけるハードセグメント(芳香族ジカルボン酸と低分子グリコールのエステル)とソフトセグメント(分子量が500〜2000である脂肪族ポリエーテルグリコールまたは脂肪族ポリエステル)の重量比H/Sが20/80〜50/50、特に20/80〜40/60であることが好ましい。
ポリウレタンエラストマーにおける、ジイソシアネートは芳香族ジイソシアネート由来のものであることが好ましい。このようなジイソシアネートを用いることで、ウレタン結合部分の立体障害性は高くなり、ソフトセグメント中のエステル結合の耐薬品性向上に寄与し、前述した膨潤等の変形が一層起こりづらくなる。芳香族ジイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネートや、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。特に凝集力が大きいジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。ハードセグメント部のグリコール成分は分子量が60〜120の低分子ジオールが適している。一方、ソフトセグメント部のポリオール成分は、脂肪族ポリエステルポリオール由来のものであることが射出成形時の離型性に優れる事から好ましい。ソフトセグメント部のポリオール成分は通常親水性溶剤を含有する薬剤に対し、ポリエーテルに比べ、耐薬品性が乏しいが、エラストマーの原料組成比を工夫する事で前述した膨潤等の変形問題が解決される。脂肪族ポリエステルポリオールとしては、分子量が500〜2000のε−カプロラクトン型ポリエステルポリオールや、アジペート型ポリエステルポリオールが挙げられる。ポリウレタエラストマーのハードセグメント部とソフトセグメント部のポリオール成分の重量比は、10/100〜40/100、特に10/100〜30/100であることが好ましい。
前述したポリエステルエラストマーやポリウレタンエラストマーは、単独で用いることもでき、或いは他の樹脂と組み合わせて用いることもできる。他の樹脂としては、例えばゴム弾性を有する樹脂が挙げられる。ゴム弾性を有する樹脂を併用することで、エラストマー材料のショア硬さは小さくなる。その結果、エラストマー材料を一層柔軟なものにすることができる。ゴム弾性を有する樹脂としては、例えばアクリルゴムなどが好適に用いられる。
アクリルゴムとしては、例えば(イ)(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は他の(メタ)アクリル酸エステルと、加硫を可能にする(つまり、架橋点となる官能基を有する)少量の重合性単量体とのゴム状共重合体、(ロ)(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は他の(メタ)アクリル酸エステルと、エチレンとのゴム状共重合体、(ハ)(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は他の(メタ)アクリル酸エステルと、アクリロニトリルとのゴム状共重合体、(ニ)アクリレートブタジエンゴムなどが挙げられる。
ゴム弾性を有する樹脂は、エラストマー材料の全量に対して0〜30質量%、1〜20質量%配合されることが好ましい。
本実施形態のマスカラ化粧用具におけるマスカラ薬剤は、水又はアルコールを含有するものである。特にマスカラ薬剤は、高粘度のものであることが、まつ毛にボリューム感を付与しやすい観点から好ましい。具体的には25℃における粘度が好ましくは100,000〜1,000,000mPa・sのものが用いられる。マスカラ薬剤の粘度および粘弾性は、下記の方法で測定される。
粘度測定条件;使用機器:B型粘度計((株)東京計器製:BR8、ロータータイプ:T-D(ヘリカル)、回転数:5rpm(基本)、測定時間:60秒、測定温度:25℃)
粘弾性の測定方法;使用機器:Physica Messtechnik GmbH社製 コーンプレート(ギャップ0.05mm)、測定温度:25℃、ひずみ一定(1%)、角速度:1〜628rad/sec(100Hz)
マスカラ薬剤は非ニュートン流体性(角速度が1〜10rad/secにtanδのピーク値を有する)を示すことが重要であることが、本発明者らの検討の結果判明した。マスカラ薬剤が非ニュートン流体性を示すためには、薬剤の処方を適宜調整すればよい。特にマスカラ薬剤を、油中水型乳化組成物(W/Oエマルジョン)形態とし、増粘剤を添加することで、非ニュートン流体性となすことができる。
W/O乳化組成物からなるマスカラ薬剤の水相は、水又はアルコールを含む水性媒体からなる。アルコールとしては、炭素数1〜4の低級アルコールが好ましく用いられる。マスカラ薬剤中における水又はアルコールの含有量は0.5〜40質量%、特に10〜40質量%であることが好ましい。水相には皮膜剤や、その他種々の添加剤を含有させることができる。皮膜剤としては、水溶性高分子、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、デンプン等が挙げられる。添加剤としては、例えば防腐剤、水性界面活性剤、水性増粘剤、金属イオン封鎖剤、各種塩等が挙げられる。特に、無機塩、例えば硫酸マグネシウムを配合することが、高温保存安定性向上、及びダマ抑制の点から好ましい。無機塩は、マスカラ薬剤中に0.001〜7質量%、特に0.05〜3質量%含有されることが好ましい。
また、化粧持ちやボリューム感を一層向上させる目的で、乾燥の速い皮膜形成ポリマーエマルジョンを含有させることができる。かかる皮膜形成ポリマーエマルジョンとしては、アクリル酸やメタクリル酸のアルキルエステルのホモポリマーエマルジョンや共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョン、ポリ酢酸ビニルポリマーエマルジョン、シリコーン系ポリマーエマルジョン等が挙げられる。特に、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョンが好ましい。
更に上述の成分以外に、化粧料に通常用いられる成分、例えばPMMA、ナイロンパウダー、シリカ等の球状粉体;白色顔料、有機顔料、無機顔料、酸化鉄、雲母チタン等の顔料粉体;ベントナイト、タルク、カオリン等の粉体や、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、保湿剤、色素、香料、酸化防止剤等を含有させることができる。更に、ロングラッシュ効果を高めるため、繊維を用いることができる。
前記の各種粉体は、シリコーン、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、金属石鹸、アミノ酸、アルキルシラン、アクリルシリコーン、フッ素化合物等により表面処理したもの、あるいは有機又は無機マイクロカプセル中に内包したものを用いることができる。各種粉体を油相に含有させる際には、分散性及び高温保存安定性を向上させるため、粉体の表面を疎水化処理することが好ましい。特に、アルキルシラン処理、シリコーン処理することが好ましい。
W/O乳化組成物からなるマスカラ薬剤における油相中の固形分濃度は、10〜70質量%、特に30〜60質量%であることが、ボリューム感に優れる点から好ましい。また、この濃度範囲とすることで、皮膜強度が十分に発現され、また保存安定性及び仕上がりが良好になる。固形分とは、単独の状態で25℃にて固体又は半固体である成分である。
以上のマスカラ薬剤及びマスカラ塗布具を有する本実施形態のマスカラ化粧用具を用いたまつ毛へのマスカラ薬剤の塗布は、図5(A)ないし(F)に示す手順で行われる。
(1)マスカラ塗布具10の塗布ヘッド12のクシ歯20を、マスカラ薬剤30が収容された容器31に浸漬し、各クシ歯20に付着したマスカラ薬剤30の過剰付着分を該容器31のしごき弁34によってしごき落とす。マスカラ塗布具10は、軸方向で隣り合うクシ歯20の間に形成された環状溝13、特にそれらクシ歯20の環状片22、及び突出片23の基端部の間にマスカラ薬剤を貯留する。
(2)次に図5(A)に示すように、マスカラ塗布具10の隣り合うクシ歯20,20の環状溝13にまつ毛を適確に誘導し、隣り合う突出片23,23の間にまつ毛を通過させる。それによって、環状溝13に貯留されているマスカラ薬剤にまつ毛を付着させる。
(3)クシ歯20のまぶたに対する距離L(図5(A))を小さくし、まつ毛の根元からマスカラを塗布する(図5(B))。
(4)クシ歯20を上まつ毛に対して上方に移動させ(図5(C))、クシ歯20の環状片22、及び突出片23の基端部の間に貯留されているマスカラ薬剤をまつ毛に塗布する(図5(D)及び(E))。これによって、まつ毛の根元から先端にまでマスカラ薬剤を塗布できる(図5(F))。
以上説明したマスカラ塗布具とマスカラ薬剤を組み合わせたマスカラ化粧用具によって以下の作用効果が奏される。
(a)マスカラ塗布具10のクシ歯20を、非ニュートン流体性(角速度が1〜10rad/secにtanδのピーク値を有する)を示す高粘度マスカラ薬剤を収容した容器33に浸漬し、このクシ歯20に付着したマスカラの過剰分を容器33のしごき弁34によりしごき落としたとき、軸方向で相隣り合うクシ歯20の間、主にそれらクシ歯20の環状片22、及び突出片23の基端部(根元側)の間に適量のマスカラ薬剤30を貯留できる。従来、マスカラ薬剤が高粘度の場合には、しごき弁によってしごき落とされる薬剤量が少なくなり、クシ歯間に多量の薬剤が貯留されるので、薬剤のボタ付きが起こりやすく、またダマも発生しやすかった。更に、コーミング効果が得られない等の問題もあった。しごき効果を上げるために、しごき弁の硬度を上げたり、しごき弁の径を小さくしたりして対応しようとすると、薬剤の保持量を安定的にすることが困難であるばかりでなく、容器から塗布具を引き抜くときに、大きな力が必要となり操作性が悪くなった。
マスカラ塗布具10のクシ歯20は、環状片22と突出片23の一体からなる。クシ歯20を、非ニュートン流体性(角速度が1〜10rad/secにtanδのピーク値を有する)を示す高粘度のマスカラ薬剤30を含有する容器33に浸漬し、このクシ歯20に付着した薬剤30の過剰分を容器33のしごき弁34によってしごき落としたとき、突出片23は、折りたたまれたようにしごき弁34を通過するので、薬剤30が高粘度でも十分にしごかれる。これとは対照的に、環状片22はしごき弁通過時に折りたたまれない。従って、隣り合う環状片22間に適度な量のマスカラ薬剤30が貯留される。その結果、マスカラ薬剤30をクシ歯20の環状片22、及び突出片23の基端部(根元側)の側に安定的に貯留でき、マスカラ薬剤30のまつ毛への塗布性を向上させ得る。まつ毛の根元に塗布し易くなる。
(b)クシ歯20の突出片23の自由端部はマスカラ薬剤30を実質的に貯留しない。従って、軸方向で相隣り合うクシ歯20の突出片23における自由端部の間の環状溝13の周方向任意位置に、まつ毛複数本を容易に誘導させ得る。また、まつ毛に対して面状で摺動することで、梳き作用が一層効果的になる。
(c)マスカラ塗布具10は、環状片22と環状片22の間をマスカラ薬剤30の主貯留部とするものである。クシ歯20の環状片22および突出片23の側面は、コーミングする際の動作方向が同じなので、マスカラ薬剤30とまつ毛との接触が容易になる。その結果、マスカラ薬剤30を、まつ毛の根元まで塗布し易くできる。
(d)クシ歯20の突出片23が、塗布部軸21の軸を含む正面視で自由端に向かって先細(先薄)をなすから、クシ歯20を容器33のしごき弁34でしごくとき、突出片23の自由端を十分にたわみ変形させることができる。その結果、クシ歯20の先端部に余分なマスカラ薬剤30を付着させないようにできる。突出片23に余分なマスカラ薬剤30を付着させなくすることによって、まつ毛をクシ歯30間に誘導しやすくなる。従って、速やかにマスカラ薬剤30をまつ毛に付着させることができるとともに、コーミング機能が効果的に発揮される。
(e)クシ歯20の素材のショア硬さを45〜85、クシ歯20の厚みを0.15〜0.6mmとすることにより、まつ毛に対してやさしい梳きの感触を与えることができる。また、クシ歯20を容器33のしごき弁34でしごくとき、容器33からの引き抜き強度を抑えることができるので操作性が良い。また、引き抜き強度を40g〜120gにすることで、操作性が一層良くなる。
(f)クシ歯20における塗布部軸21の正面視で、クシ歯20の全表面積Z0に対し、当該クシ歯20の全環状片22の表面積Z1がなす比率Z1/Z0を20〜50%とすることにより、マスカラ薬剤の貯留機能とコーミング機能を併せ持つことができる。このようなマスカラ塗布具10は、高粘度のマスカラ薬剤の塗布に時に適したものとなる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
以下の表1に示す配合A成分を均一に撹拌混合して、油中水型乳化組成物のマスカラ薬剤を調製した。マスカラ薬剤の25℃における粘度物性は同表に示す通りである。
Figure 2006305191
マスカラ薬剤の調製とは別に、図2ないし図4に示す構造のマスカラ塗布具を製作した。ポリブチレンテレフタレートを用いて塗布棒を射出成形した。得られた塗布棒に対して、ポリエステルエラストマー及びアクリルゴムを含むエラストマー材料(表2のポリエステルエラストマーA)を用いてインサート成形を行い、塗布ヘッドを形成した。エラストマー材料はショア硬さが75のものであった。ポリエステルエラストマーにおけるハードセグメントは、テレフタル酸と1,4ブタンジオールとのエステル結合を有していた。ソフトセグメントは、分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコールを含む脂肪族ポリエーテルを有していた。アクリルゴムは、アクリル酸エチル及び2−クロロエチルビニルエーテルを重合性単量体として用いて共重合したものであった。アクリルゴムはエラストマー材料中に5.7質量%含まれていた。
塗布棒先端芯棒11Aの外径a(図3参照)は1.75mm、塗布部軸21の外径bは2.3mm、環状片22の外径cは2.95mm、突出片23の外径dは6.0mmであった。塗布部軸21の外径に接する環状片22の軸方向厚みeは0.4mm、突出片23の自由端の軸方向厚みfは0.3mm、クシ歯20(環状片22及び突出片23)のピッチpは0.8mmであった。
マスカラ化粧用具は以下の構成からなる。表1のマスカラ薬剤を図1に示す容器内に充填し、更に該容器内にマスカラ塗布具の塗布部を浸漬した。マスカラ塗布具は、その塗布棒の後端部を、容器の蓋を兼ねるキャップ部材に固着した。容器には、開口を有するしごき弁が取り付けられており、該開口の直径は4.6mmであった。
〔実施例2ないし4並びに比較例1及び2〕
塗布ヘッドを構成するエラストマーの材質として、表2に示すものを使用してマスカラ塗布具を成形する以外は、実施例1と同様にしてマスカラ化粧用具を得た。
Figure 2006305191
〔評価〕
20人の女性パネラーに、マスカラ薬剤中に50℃で60日間保存した後のマスカラ塗布具を用いてマスカラ薬剤をまつ毛に塗布させた。塗布後のまつ毛のボリューム感、及びクシ歯の変形の指標となるコーミング効果について聞き取り調査を実施し、以下の基準で評価した。更に、マスカラ塗布具の塗布ヘッドをインサート成形したときの離型性を目視観察して、以下の基準で評価した。これらの結果を表3に示す。
〔まつ毛のボリューム感〕
使用後のまつ毛のボリューム感について、聞き取り調査を行い下記4段階で評価した。
◎:塗布後のまつ毛の状態について、「ボリューム感がある」と実感した人が20人中15以上いた場合
○:塗布後のまつ毛の状態について、「ボリューム感がある」と実感した人が20人中10人以上14人以下の場合
△:塗布後のまつ毛の状態について、「ボリューム感がある」と実感した人が20人中5人以上9人以下の場合
×:塗布後のまつ毛の状態について、「ボリューム感がある」と実感した人が20人中4人以下の場合
〔クシ歯の変形の程度(コーミング効果)〕
クシ歯の変形の指標となるマスカラ塗布具のコーミング効果について、聞き取り調査を行い下記4段階で評価した。
◎:マスカラ塗布具について、「コーミング効果がある」と実感した人が20人中15人以上いた場合
○:マスカラ塗布具について、「コーミング効果がある」と実感した人が20人中10人以上14人以下の場合
△:マスカラ塗布具について、「コーミング効果がある」と実感した人が20人中5人以上9人以下の場合
×:マスカラ塗布具について、「コーミング効果がある」と実感した人が20人中4人以下の場合
〔成形時の離型性〕
◎:射出成形後、クシ歯形状を綺麗に保持した状態で(破損を起こさずに)金型から10秒以内に取り出す事が出来る。
×:射出成形後、金型内で十分冷却した状態で取り出してもクシ歯の突出部が金型に付着し(突出部が離型しないで)、一部破損を起こす率が高い。
Figure 2006305191
表3に示す結果から明らかなように、実施例1ないし4では、まつ毛に十分なボリューム感が付与されることが判る。また、クシ歯に変形は観察されないことが判る。更に、塗布ヘッドのインサート成形における離型性が良好であることが判る。これに対して比較例1及び2では、「ボリューム感」、「コーミング効果」「離型性」のいずれかが劣るものであった。
本発明のマスカラ化粧用具の一実施形態を示す模式図である。 図1に示すマスカラ化粧用具におけるマスカラ塗布具を示す正面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図(正面視)である。 図3のIV−IV線に沿う断面図である。 図1に示すマスカラ化粧用具の使用状態を示す模式図である。
符号の説明
10 マスカラ塗布具
11 塗布棒
11A 塗布棒先端芯棒
12 塗布ヘッド(塗布部)
20 クシ歯
21 塗布部軸
22 環状片
23 突出片
30 マスカラ薬剤
31 容器
32 キャップ部材
33 マスカラ化粧用具
34 しごき部材

Claims (4)

  1. 水又はアルコールを含有するマスカラ薬剤を収容した容器と、該マスカラ薬剤中に塗布部が浸漬されているマスカラ塗布具とを備えたマスカラ化粧用具であって、
    前記マスカラ塗布具の前記塗布部は塗布部軸とクシ歯とから構成され、
    前記クシ歯は、ポリエステルエラストマー又はポリウレタンエラストマーを主成分とするショア硬さ(A)が45〜85のエラストマー材料で構成されているマスカラ化粧用具。
  2. 前記エラストマー材料が、更にゴム弾性を有する樹脂を含んでいる請求項1記載のマスカラ化粧用具。
  3. 前記マスカラ薬剤が、水又はアルコールを0.5〜45質量%含んでいる請求項1又は2記載のマスカラ化粧用具。
  4. 前記クシ歯は、環状片と突出片が一体で形成されている請求項1ないし3の何れかに記載のマスカラ化粧用具。
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