JP2006304230A - 撮像装置及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撮像された映像の変換を必要とせず、更に、簡単な構成でかつレンズ群を位置精度よく構成することができる撮像装置及び表示装置を提供する。
【解決手段】 撮像装置1は、被写体14からの光が入射する複数の負屈折要素光学レンズ系11を、当該負屈折要素光学レンズ系11の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した負屈折要素画像レンズ群12と、この負屈折要素画像レンズ群12の負屈折要素光学レンズ系11によって結像された被写体14の像を撮像する写真フィルム(画像撮像手段)13とを備え、負屈折要素光学レンズ系11が、負の屈折率を有する媒質からなり、被写体が当該負屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、被写体の正立像を形成し、被写体が物側焦点より近い位置にある場合には、被写体の倒立像を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被写体の立体像を表示するための画像を撮像する、あるいは、被写体の立体像を表示する技術に係り、特に、複数の光学系を同一平面上にアレイ状に配列したレンズアレイを用いた撮像装置及び表示装置に関する。
従来、任意の視点から被写体の立体像を見ることができる立体画像方式として、IP(Integral Photography)方式が知られている(特許文献1参照)。このIP方式では、同一平面上にアレイ状に配列された複数のレンズやピンホール等(以下、レンズアレイという)によって形成された被写体の像を撮像し、観察者(視聴者)は、この撮像された画像(以下、IP画像という)を、レンズアレイを介して見ることによって、任意の視点から被写体の立体像を見ることができる。
ここで、図6及び図11から図13を参照して、複数の凸レンズからなる凸レンズアレイを用いた従来のIP方式について説明する。図6は、撮像装置の各集光光学系(ここでは、凸レンズ)によって形成される像の横倍率を模式的に示すグラフである。図11は、従来のIP方式における、被写体の撮像方法を模式的に示す説明図、(a)は、従来のIP方式の撮像装置の構成を模式的に示す模式図、(b)は、(a)の撮像装置によって撮像された画像の例を模式的に示す模式図である。図12は、従来のIP方式を用いて撮像された画像の変換方法を模式的に示す模式図である。図13は、従来のIP方式における、被写体の立体像の表示方法を模式的に示す説明図、(a)は、従来のIP方式における表示装置の構成と、当該表示装置によって表示される被写体の立体像を模式的に示す模式図、(b)は、(a)の表示装置においてディスプレイに表示される画像の例を模式的に示す説明図である。
まず、図11(a)を参照して、従来のIP方式の撮像装置110について説明する。なお、ここでは、被写体を2つの点光源115a、115bとし、凸レンズアレイ112の複数の凸レンズ111のうち、隣接する3つの凸レンズ111b、111c、111dのみを図示した。
撮像装置110は、複数の凸レンズ111(…、111b、111c、111d、…)が同一平面上にアレイ状に配列された凸レンズアレイ112と、この凸レンズアレイ112によって形成された被写体(点光源115a、点光源115b)の像を撮像するカメラ113とを備える。ここで、点光源115a、115bからは色々な方向に光が放射され、凸レンズ111に入射した光のうち、カメラ113の対物レンズ114に入射した光が、各々の凸レンズ111によって、当該カメラ113の撮像素子(図示せず)上に点光源115a、115bの像を形成する。そして、この点光源115a、115bの像は、カメラ113によって撮像される。
そして、各凸レンズ111によって形成される像の横倍率mは、図6に示すようになる。ここで、Lは被写体(115a又は115b)から凸レンズ111までの距離を示し、fは凸レンズ111の焦点距離を示す。そして、L<−fの場合には、mは負となり倒立像が形成され、L>−fの場合には、mは正となり正立像が形成される。そのため、各凸レンズ111の焦点距離より遠い位置にある点光源115a、115bを撮像する場合には、各凸レンズ111によって形成される像は、点光源115a、115bの倒立像になる。
ここで、図11(b)に示すように、カメラ113によって撮像される画像121は、凸レンズ111と、この各凸レンズ111の画像の内部において、当該凸レンズ111によって形成された倒立像(点光源115a、115bの像)の画像となる。そして、この画像は、各凸レンズ111の内部の点光源115a、115bの像の配置が、実際の配置に対して反転したものとなる。
そして、この撮像装置110によって撮像された画像121を、図13に示すような従来のIP方式の表示装置130のディスプレイ131に表示すると、配置や凹凸が奥行き方向に反転された点光源115a、115bの立体像(図示せず)が表示される。そのため、撮像装置110によって撮像された画像121に電気的な計算処理を施し、画像121の倒立像の画像を正立像の画像に変換する必要がある。ここで、図12を参照して、図11(a)の撮像装置110によって撮像された画像121の電気的な計算処理による変換方法について説明する。なお、図12では、凸レンズ111b、111c、111dの画像のみを示し、ここでは、この3つの画像についてのみ説明する。
図12に示すように、まず、撮像装置110によって撮像された画像121を、凸レンズ111ごとの画像122(122b、122c、122d)に分解する。次に、各々の画像122を180度回転させる(画像122の中点を中心に点対称に変換する)。そして、この回転させた画像123(123b、123c、123d)を合成して1つの画像124とし、これによって、被写体の正立像の画像からなるIP画像(画像124)を得ることができる。
次に、図13を参照して、従来のIP方式の表示装置130について説明する。図13(a)に示すように、表示装置130は、IP画像を表示するディスプレイ131と、このディスプレイ131の前に凸レンズ132(…、132b、132c、132d、…)が同一平面上にアレイ状に配列された凸レンズアレイ133とを備える。ここで、ディスプレイ131に、図13(b)に示す画像(IP画像)124を表示すると、ディスプレイ131から出射された光は、凸レンズ132を介して出射する。そして、凸レンズ132を介して、ディスプレイ131を見ると、点光源の立体像134a、134bが表示される。この立体像134a、134bの配置は、被写体である点光源115a、115b(図11参照)が撮像された際の配置と同じものとなる。これによって、特殊な眼鏡等を用いることなく、被写体の立体像134a、134bを表示することができる。
また、図11(a)に示した撮像装置110の凸レンズ111の代わりに屈折率分布レンズを用いる方法(特許文献2参照)や、アフォーカル光学系を用いる方法が提案されている。これらの方法によれば、被写体からの光を屈折率分布レンズあるいはアフォーカル光学系の内部で光軸を中心に反転させた像を形成できるため、前記の電気的計算処理を施すことなくIP画像を得ることができる。
特開平8−289329号公報(段落番号0003、図4、図5) 特開平10−150675号公報(段落番号0010〜0076、図5〜図9)
しかしながら、特許文献1に記載のIP方式では、撮像された被写体の各々の画像(要素画像)を点対称に変換するための電気的な計算処理を行う必要があるため、計算を行うための高速計算機又は大規模な電子回路が必要となるという問題があった。また、屈折率分布レンズを用いる方法では、大面積のレンズ群(レンズアレイ)を位置精度よく構成することが困難であるという問題があった。更に、アフォーカル光学系を用いる方法では、光学素子が多数必要となり、構成が複雑になるという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、撮像された映像の変換を必要とせず、更に、簡単な構成でかつレンズ群を位置精度よく構成することができる撮像装置及び表示装置を提供することを目的とする。
前記問題を解決するため、請求項1に記載の撮像装置は、被写体の像を撮像する撮像装置であって、前記被写体からの光が入射する複数の負屈折要素光学レンズ系を、当該負屈折要素光学レンズ系の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した負屈折要素画像レンズ群と、この負屈折要素画像レンズ群の負屈折要素光学レンズ系によって形成された前記被写体の像を撮像する画像撮像手段とを備え、前記負屈折要素光学レンズ系が、負の屈折率を有する媒質からなり、前記被写体が当該負屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、前記被写体の正立像を形成し、前記被写体が前記物側焦点より近い位置にある場合には、前記被写体の倒立像を形成する構成とした。
かかる構成によれば、撮像装置は、各々の負屈折要素光学レンズ系によって、被写体の像を形成する。ここで、負屈折要素光学レンズ系は、負の屈折率を有するため、入射端面から入射する光及び出射端面から出射する光を、正の屈折率を有する場合に比べて、端面の法線に対して逆の方向(法線を軸に反転された方向)に屈折する。そのため、撮像装置は、負屈折要素光学レンズ系によって、正の屈折率を有する凸レンズによって形成される被写体の像を点対称に反転させた被写体の像を形成することができる。
このとき、負屈折要素光学レンズ系の物側主点から被写体までの距離が焦点距離より小さい場合には、当該負屈折要素光学レンズ系によって形成される像の横倍率は正になり、正立像となる。また、この距離が焦点距離より大きい場合には、横倍率は負になり、倒立像が形成される。なお、ここで、光の進行方向を正とする。
また、撮像装置は、画像撮像手段によって、形成された被写体の像(要素画像)を撮像する。これによって、撮像装置は、被写体の複数の要素画像からなる、IP方式の立体像を表示するためのIP画像を撮像することができる。
また、請求項2に記載の撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置において、前記被写体からの光が入射する平面の入射端面と、前記入射端面に対して平行であり、かつ、前記光が出射する平面の出射端面とを有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折結像光学素子を備え、前記負屈折結像光学素子から出射した光が入射する位置に、前記負屈折要素画像レンズ群を配置した構成とした。
かかる構成によれば、被写体からの光は、負屈折結像光学素子の平面の入射端面に入射して屈折し、この入射端面に直交する方向に反転された被写体の像が形成される。更に、この像からの光は、当該負屈折結像光学素子の平面の出射端面において屈折し、この像を出射端面に直交する方向に反転した像を外部に形成する。そのため、撮像装置は、負屈折結像光学素子によって、被写体より当該撮像装置に近い位置に、被写体と同じ大きさで、かつ、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しく表現された立体像を形成する。
そして、この立体像からの光は、負屈折要素画像レンズ群に入射する。これによって、撮像装置は、この立体像のIP画像を撮像することができる。
更に、請求項3に記載の撮像装置は、被写体の像を撮像する撮像装置であって、前記被写体からの光が入射する平面の入射端面を有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折光学系と、正の屈折率を有する媒質からなり、前記負屈折光学系から出射した光を屈折する複数の正屈折要素光学レンズ系を、当該正屈折要素光学レンズ系の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した要素画像レンズ群と、この要素画像レンズ群の正屈折要素光学レンズ系によって形成された像を撮像する画像撮像手段とを備え、前記負屈折光学系の入射端面が、前記正屈折要素光学レンズ系の光軸と直交し、前記負屈折光学系の出射端面が、前記要素画像レンズ群の正屈折要素光学レンズ系の入射端面の形状に沿って隣接し、前記正屈折要素光学レンズ系が、前記負屈折光学系によって形成される前記被写体の像が当該正屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、前記被写体の倒立像を形成し、前記負屈折光学系によって形成される前記被写体の像が前記物側焦点より近い位置にある場合には、前記被写体の正立像を形成する構成とした。
かかる構成によれば、負屈折光学系の内部に、奥行き方向(正屈折要素光学レンズ系の光軸方向)に反転された被写体の像が形成される。更に、撮像装置は、正屈折要素光学レンズ系によって、この奥行きが被写体と比較して反転した像である要素画像を形成する。更に、撮像装置は、画像撮像手段によって、この要素画像を撮像する。これによって、撮像装置は、被写体を比較して奥行きが反転した像の要素画像からなるIP画像を撮像することができる。
このとき、正屈折要素光学レンズ系の物側主点から負屈折光学系によって形成される被写体の像までの距離が焦点距離より小さい場合には、当該正屈折要素光学レンズ系によって形成される像の横倍率は負になり、倒立像となる。また、この距離が焦点距離より大きい場合には、横倍率は正になり、正立像が形成される。なお、ここで、光の進行方向を正とする。
なお、負屈折光学系の光軸方向の長さが短く、負屈折光学系の内部に被写体の像が形成されない場合でも、撮像装置は、被写体と比較して奥行きが反転した像の要素画像からなるIP画像を撮像することができる。このとき、負屈折光学系によって形成される被写体の像は虚像となる。
また、請求項4に記載の撮像装置は、請求項3に記載の撮像装置において、前記被写体からの光が入射する平面の入射端面と、前記入射端面に対して平行であり、かつ、前記光が出射する平面の出射端面とを有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折結像光学素子を備え、前記負屈折結像光学素子から出射した光が入射する位置に、前記負屈折光学系を配置した構成とした。これによって、撮像装置は、負屈折結像光学素子によって形成された被写体の立体像の奥行きが反転した像の要素画像からなるIP画像を撮像することができる。
更に、請求項5に記載の表示装置は、正の屈折率を有する媒質からなる複数の凸レンズを、当該凸レンズの光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した凸レンズ群の各々の前記凸レンズによって形成される被写体の像の画像である要素画像を複数有する要素画像群を入力して、前記被写体の立体像を表示する表示装置であって、前記要素画像群を表示する画像表示手段と、前記画像表示手段に表示された、各々の前記要素画像からの光が入射する複数の負屈折要素光学レンズ系を、当該負屈折要素光学レンズ系の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した負屈折要素画像レンズ群とを備え、前記負屈折要素光学レンズ系が、負の屈折率を有する媒質からなり、前記被写体が当該負屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、前記被写体の正立像を形成し、前記被写体が前記物側焦点より近い位置にある場合には、前記被写体の倒立像を形成することとした。
かかる構成によれば、表示装置は、画像表示手段によって、被写体の複数の要素画像からなる要素画像群を表示する。そして、各々の要素画像からの光は、対応する負屈折要素光学レンズ系に入射し、入射端面において屈折する。そして、当該負屈折要素光学レンズ系は負の屈折率を有するため、入射端面から入射する光及び出射端面から出射する光を、正の屈折率を有する場合に比べて、光軸に対して反転された方向に屈折する。これによって、表示装置は、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しく表現された被写体の立体像を表示することができる。
また、請求項6に記載の表示装置は、請求項5に記載の表示装置において、前記負屈折要素画像レンズ群から出射した光が入射する平面の入射端面と、前記入射端面に対して平行であり、かつ、前記光が出射する平面の出射端面とを有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折結像光学素子を備える構成とした。
かかる構成によれば、負屈折要素画像レンズ群を介して画像表示手段に表示された要素画像からの光が、負屈折結像光学素子の平面の入射端面に入射し、この入射端面において屈折する。更に、この光は、平面の出射端面において屈折し、外部に集光される。これによって、表示装置は、この集光された位置に、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しく表現された被写体の立体像を表示することができる。
更に、請求項7に記載の表示装置は、正の屈折率を有する媒質からなる複数の凸レンズを、当該凸レンズの光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した凸レンズ群の各々の前記凸レンズによって形成される被写体の像の画像である要素画像を複数有する要素画像群を入力して、前記被写体の立体像を表示する表示装置であって、前記要素画像群を表示する画像表示手段と、正の屈折率を有する媒質からなり、前記画像表示手段に表示された、各々の前記要素画像からの光が入射する複数の正屈折要素光学レンズ系を、当該正屈折要素光学レンズ系の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した要素画像レンズ群と、前記要素画像レンズ群からの光が入射し、当該光が出射する平面の出射端面を有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折光学系とを備え、前記要素画像レンズ群の出射端面が、前記負屈折光学系の入射端面の形状に沿って隣接し、前記正屈折要素光学レンズ系が、前記負屈折光学系によって形成される前記被写体の像が当該正屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、前記被写体の倒立像を形成し、前記負屈折光学系によって形成される前記被写体の像が前記物側焦点より近い位置にある場合には、前記被写体の正立像を形成する構成とした。
かかる構成によれば、表示装置は、画像表示手段によって、被写体の複数の要素画像からなる要素画像群を表示する。そして、各々の要素画像からの光は、対応する正屈折要素光学レンズ系に入射して、奥行き方向に反転した被写体の立体像が負屈折光学系に対して形成される。そして、この像からの光は、負屈折光学系の出射端面において屈折し、入射端面に直交する方向、つまり、奥行き方向に、この像を反転させた被写体の立体像を形成する。これによって、表示装置は、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しく表現された被写体の立体像を表示することができる。
なお、負屈折光学系の光軸方向の長さが短く、負屈折光学系の内部に被写体の像が形成されない場合でも、表示装置は、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しく表現された被写体の立体像を表示することができる。このとき、負屈折光学系によって形成される被写体の像は、虚像となる。
また、請求項8に記載の表示装置は、請求項7に記載の表示装置において、負屈折光学系から出射した光が入射する平面の入射端面と、前記入射端面に対して平行であり、かつ、前記光が出射する平面の出射端面とを有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折結像光学素子を備える構成とした。
かかる構成によれば、負屈折光学系によって形成された被写体の立体像からの光が、負屈折結像光学素子の平面の入射端面に入射し、この入射端面において屈折する。更に、この光は、平面の出射端面において屈折し、外部に集光される。これによって、表示装置は、負屈折結像光学素子の出射端面側に、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しく表現された立体像を表示することができる。
本発明に係る撮像装置及び表示装置では、以下のような優れた効果を奏する。請求項1に記載の発明によれば、要素画像を点対称に変換する電気的な計算処理を行わなくても、IP方式における一般的な表示装置によって被写体の立体像を表示するためのIP画像を撮像することができる。そのため、撮像装置は、変換する計算を行うための高速計算機や大規模な電子回路を必要としない。
また、負屈折要素光学レンズ系は、1つの光学素子から構成することもできるので、アフォーカル光学系を用いる従来の方法に比べて装置を簡略化することができる。更に、屈折率分布レンズを用いる従来の方法では、大面積のレンズ群を位置精度よく構成することが困難であったが、負屈折要素光学レンズ系を用いることで、大面積の負屈折要素光学レンズ群を位置精度よく構成することができる。
請求項2又は請求項4に記載の発明によれば、被写体より当該撮像装置に近い位置に形成された、被写体と同じ大きさで、かつ、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しい立体像のIP画像を撮像することができるため、撮像装置から被写体までの距離を、実際の距離より近づけた場合におけるIP画像と同じ画像を撮像することができる。
請求項3に記載の発明によれば、要素画像を点対称に変換する電気的な計算処理を行わなくても、IP方式における一般的な表示装置によって被写体の立体像を表示するためのIP画像を撮像することができる。そのため、撮像装置は、変換する計算を行うための高速計算機や大規模な電子回路を必要としない。
請求項5又は請求項7に記載の発明によれば、要素画像を点対称に変換する電気的な計算処理を行わなくても、被写体の複数の要素画像からなるIP画像を入力して、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しく表現された被写体の立体像を表示することができる。
請求項6又は請求項8に記載の発明によれば、負屈折結像光学素子を設置することで、被写体の立体像を、当該負屈折結像光学素子の出射端面から観察者(視聴者)の位置に近づけて表示することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[撮像装置の構成(第一の実施の形態)]
まず、図1を参照して、本発明の第一の実施の形態である撮像装置1の構成について説明する。図1は、撮像装置の構成を模式的に示した模式図である。撮像装置1は、被写体14のIP画像を撮像するものである。撮像装置1は、負屈折要素画像レンズ群12と、写真フィルム13とを備える。
負屈折要素画像レンズ群12は、複数の負屈折要素光学レンズ系11を、当該負屈折要素光学レンズ系11の光軸に垂直な同一平面上にアレイ状に配置して構成されている。この負屈折要素光学レンズ系11は、被写体14の要素画像を形成するものである。
負屈折要素光学レンズ系11(…、11b、11c、11d、…)は、被写体14からの光が入射し、後記する写真フィルム13上に被写体14の像(要素画像)を形成するものである。この負屈折要素光学レンズ系11は、従来のIP方式の撮像装置110の凸レンズ111(図11参照)のような正の屈折率を持つ凸レンズによって形成される要素画像と比べて、横倍率が逆転した要素画像を形成する。負屈折要素光学レンズ系11は、負の屈折率を有する媒質からなる少なくとも1つの光学素子から構成され、ここでは、厚肉両凸レンズからなることとした。
なお、負の屈折率を有する媒質には、例えば、負の屈折率を持つフォトニック結晶や、負の屈折率を持つメタ材料(左手系材料)等の材料を用いることができる。この負の屈折率を持つフォトニック結晶としては、例えば、Chiyan Luo,et al.,"All−angle negative refraction in a three−dimensionally periodic photonic crystal",Applied physics letters,Vol.81,No.13,P.2352−2354に記載されるような、所定範囲の波長の光について、全方向の入射に対して負の屈折率を持つ三次元結晶が挙げられる。
また、負の屈折率を持つメタ材料としては、例えば、R.A.Shelby,et al.,"Experimental Verification of a Negative Index of Refraction",Science,Vol.292,p.77−79に記載されているガラス繊維基板上に銅のリングとワイアを有する材料のような、特定の周波数において誘電率及び透磁率が負の値を示す複合材料が挙げられる。
ここで、図2及び図3を参照して、厚肉両凸レンズからなる負屈折要素光学レンズ系11について説明する。図2は、負屈折要素光学レンズ系の構成と、当該負屈折要素光学レンズ系に入射した被写体からの光の光路とを模式的に示した模式図である。図3は、負屈折要素光学レンズ系によって形成される像の横倍率と、負屈折要素光学レンズ系の凸レンズ面の面頂から被写体までの距離との関係を示すグラフである。なお、図2では、負屈折要素光学レンズ系11の凸レンズ面(入射端面)P1及び凸レンズ面(出射端面)P2を太線で示している。
負屈折要素光学レンズ系11は、所定距離だけ離隔して対面する凸レンズ面P1、P2を有する。ここで、この凸レンズ面P1、P2の曲率半径をそれぞれr1、r2(図示せず)、凸レンズ面P1、P2の面頂V1、V2間の距離(負屈折要素光学レンズ系11の光軸方向の長さ)をd1とし、負屈折要素光学レンズ系11内部の屈折率をn2(<0)、外部の屈折率をn1(>0)とすると、焦点距離f1は、以下の式(1)によって表される。
f1=1/[φ1+φ2・{1−(d1/n2)・φ1}]
φ1=(n2−n1)/r1
φ2=(n1−n2)/r2 …(1)
また、凸レンズ面P2の面頂V2から負屈折要素光学レンズ系11の像側主点までの距離h2は、以下の式(2)によって表される。ここで、光の進行方向を正とした。
h2=−(d1/n2)・φ1/[φ1+φ2・{1−(d1/n2)・φ1}] …(2)
そして、以下の式(3)を満足するように、負屈折要素光学レンズ系11を設計することで、当該負屈折要素光学レンズ系11によって形成される像の横倍率mは、図3に示すようになる。
φ1+φ2・{1−(d1/n2)・φ1}<0 …(3)
なお、図3におけるbは、負屈折要素光学レンズ系11の物側主点(図示せず)から物側焦点(図示せず)までの距離を示している。そして、凸レンズ面P1の面頂V1から物側主点までの距離h1は、以下の式(4)で表される。
h1=(d1/n2)・φ2/[φ1+φ2・{1−(d1/n2)・φ1}] …(4)
そして、図3に示すように、負屈折要素光学レンズ系11の凸レンズ面(入射端面)P1からの被写体14(図1参照)までの距離Lが距離bより小さい場合には、横倍率mは正になり、正立像が形成される。また、距離Lが距離bより大きい場合には、横倍率mは負になり、倒立像が形成される。なお、ここでは、光の進行方向を正としている。そして、負屈折要素光学レンズ系11の物側焦点より遠い位置にある被写体14を撮像する場合には、各負屈折要素光学レンズ系11によって形成される像は正立像となる。
図1に戻って説明を続ける。写真フィルム(画像撮像手段)13は、負屈折要素画像レンズ群12の負屈折要素光学レンズ系11によって形成された被写体14の像を撮像するものである。そして、前記したように、被写体14が、負屈折要素光学レンズ系11の物側焦点より遠い位置にあるときには、各々の負屈折要素光学レンズ系11によって被写体14の正立像が形成されるため、写真フィルム13によって撮像される像は正立像となる。この写真フィルム13によって撮像される画像は、例えば、図13に示す従来の表示装置130のような、IP方式における一般的な表示装置に表示することによって、観察者(視聴者)は被写体14の立体像を見ることができる。
なお、式(1)と式(4)とにおいて、下記の式(5)を満たす場合には、像側焦平面と、負屈折要素光学レンズ系11の凸レンズ面P2とが一致する。
d1/r1=n2/(n2−n1) …(5)
そのため、式(5)を満たすように、屈折率n1、n2と、凸レンズ面P1の曲率半径r1と、負屈折要素光学レンズ系11の光軸方向の長さd1を設定し、凸レンズ面P2を光軸に垂直な平面(図示せず)として、この平面に写真フィルム13を当接させることとしてもよい。
また、ここでは、写真フィルム13によって撮像することとしたが、本発明の撮像装置1の画像撮像手段は、各々の負屈折要素光学レンズ系11によって形成された像を撮像できればよく、例えば、光電変換素子や電荷転送素子等であってもよい。そして、被写体14の位置に応じて、この写真フィルム13の負屈折要素光学レンズ系11からの光軸方向の距離を設定することで、被写体14のIP画像を撮像することができる。例えば、無限遠方にある被写体14を撮像する場合には、式(1)に基づいて、写真フィルム13を負屈折要素光学レンズ系11の像側焦平面の位置に設置することで、被写体14の正立像からなるIP画像を撮像することができる。
更に、負屈折要素光学レンズ系11は、隣接する負屈折要素光学レンズ系11との間で光が漏れないように、各々の負屈折要素光学レンズ系11の側面(光軸に平行な面)に光学的な遮光処理を施すこととしてもよい。また、負屈折要素光学レンズ系11と写真フィルム13とを、所定の距離だけ離して配置する場合には、各々の負屈折要素光学レンズ系11から出射された光が干渉しないように、各々の負屈折要素光学レンズ系11の側面の延長上において光学的な遮蔽板を設けることとしてもよい。
[撮像装置の動作(第一の実施の形態)]
次に、図1を参照して、本発明における撮像装置1が、被写体14のIP画像を撮像する動作について説明する。
被写体14からの光は、負屈折要素画像レンズ群12を構成する各々の負屈折要素光学レンズ系11に入射する。すると、入射した光は、各々の負屈折要素光学レンズ系11の内部において集光され、その後拡散した光は、更に写真フィルム13上に集光される。そして、被写体14の像(要素画像)が写真フィルム13上に形成される。この要素画像は、被写体14が負屈折要素光学レンズ系11の物側焦点より遠い位置にある場合には正立像、近い位置にある場合には倒立像となる。更に、写真フィルム13によって、当該要素画像を撮像する。以上の動作によって、撮像装置1は、被写体14のIP画像を撮像することができる。
[撮像装置の構成(第二の実施の形態)]
次に、図4から図6を参照して、本発明における第二の実施の形態である撮像装置4の構成について説明する。まず、図4を参照して、撮像装置4の構成について説明する。図4は、本発明の第二の実施の形態である撮像装置の構成を模式的に示した模式図である。図4に示すように、撮像装置4は、被写体45のIP画像を撮像するものである。撮像装置4は、負屈折光学系41と、要素画像レンズ群43と、写真フィルム44とを備える。なお、ここでは、撮像装置4からの奥行き方向(光軸方向)の距離が異なる2つの被写体45a、45bを撮像する場合について説明する。
負屈折光学系41は、負の屈折率を持つ媒質からなる光学系であり、被写体45からの光が入射される平面の入射端面41aを有し、また、後記する要素画像レンズ群43の入射端面と形状に沿って隣接する出射端面41bとを有する。この入射端面41aは、要素画像レンズ群43の各々の正屈折要素光学レンズ系42の光軸に直交する。そして、負屈折光学系41は、光軸方向に所定の厚さを有し、内部において被写体45(45a、45b)の像45'(45a'、45b')を形成する。
ここで、負屈折光学系41は、負の屈折率を有するため、平面の入射端面41a側の外部の空間の像が、この入射端面41aに直交する方向(ここでは、正屈折要素光学レンズ系42の光軸方向と一致する)に反転されて内部において形成する。そのため、形成された被写体45の像45'は、光軸方向(奥行き方向)に配置や凹凸が反転したものとなる。例えば、図4に示すように、被写体45aが被写体45bより写真フィルム44から離れて配置されている場合には、負屈折光学系41の内部において、被写体45aの像45a'が、被写体45bの像45b'より写真フィルム44に近い位置に形成する。
要素画像レンズ群43は、複数の正屈折要素光学レンズ系42を、当該正屈折要素光学レンズ系42の光軸に垂直な同一平面上にアレイ状に配置して構成されている。この正屈折要素光学レンズ系42は、正の屈折率を持つ媒質からなり、被写体45の像を形成するものである。ここでは、正屈折要素光学レンズ系42は、厚肉両凸レンズからなることとした。
ここで、図5を参照して、厚肉両凸レンズからなる正屈折要素光学レンズ系42について説明する。図5は、正屈折要素光学レンズ系の構成と、当該正屈折要素光学レンズ系に入射した被写体からの光の光路とを模式的に示した模式図である。なお、図5では、正屈折要素光学レンズ系42の凸レンズ面(入射端面)P41及び凸レンズ面(出射端面)P42を太線で示している。
正屈折要素光学レンズ系42は、所定距離だけ離隔して対面する凸レンズ面P41、P42を有する。ここで、この凸レンズ面P41、P42の曲率半径をそれぞれr41、r42(図示せず)、凸レンズ面P41、P42の面頂V41、V42間の距離(正屈折要素光学レンズ系42の光軸方向の長さ)をd41とし、正屈折要素光学レンズ系42内部の屈折率をn42(>0)、凸レンズ面(入射端面)側と接する負屈折光学系41の屈折率をn41(<0)、外部の屈折率をn43(>0)とすると、焦点距離f41は、以下の式(6)によって表される。
f41=1/[φ41+φ42・{1−(d41/n42)・φ41}]
φ41=(n42−n41)/r41
φ42=(n43−n42)/r42 …(6)
また、凸レンズ面P42の面頂V42から正屈折要素光学レンズ系42の像側主点までの距離h42は、以下の式(7)によって表される。ここで、光の進行方向を正とした。
h42=−(d41/n42)・φ41/[φ41+φ42・{1−(d41/n42)・φ41}] …(7)
そして、以下の式(8)を満足するように、正屈折要素光学レンズ系42を設計することで、当該正屈折要素光学レンズ系42によって形成される像の横倍率mは、図6に示すようになる。
φ41+φ42・{1−(d41/n42)・φ41}>0 …(8)
ここで、図6(適宜図5参照)を参照して、正屈折要素光学レンズ系42によって形成される被写体45の像45'(図4参照)の像の倍率について説明する。図6は、形成される像の横倍率と、正屈折要素光学レンズ系の凸レンズ面の面頂から被写体までの距離との関係を示すグラフである。なお、図6におけるfは、正屈折要素光学レンズ系42の凸レンズ面P41の物側主点(図示せず)から物側焦点(図示せず)までの距離を示している。
図6に示すように、正屈折要素光学レンズ系42の凸レンズ面(入射端面)P41から被写体45の像45'までの距離Lが距離−fより小さい場合には、横倍率mは負になり、被写体45の像45'の倒立像が形成される。また、距離Lが距離−fより大きい場合には、横倍率mは正になり、被写体45の像45'の正立像が形成される。なお、ここでは、光の進行方向を正としているため、正屈折要素光学レンズ系42の物側焦点より遠い位置にある被写体の像45'を撮像する場合には、各正屈折要素光学レンズ系42によって形成される像は、被写体45の像45'の倒立像になる。
図4に戻って説明を続ける。写真フィルム(画像撮像手段)44は、要素画像レンズ群43の正屈折要素光学レンズ系42によって形成された被写体45の像を撮像するものである。そして、前記したように、被写体45の像45'が、正屈折要素光学レンズ系42の物側焦点より遠い位置にあるときには、各々の正屈折要素光学レンズ系42によって、被写体45の倒立像が形成され、写真フィルム44によって撮像される。そして、例えば、図11に示す撮像装置110のようなIP方式の従来の撮像装置によって撮像された、被写体の倒立像の画像からなるIP画像を用いて、図13に示す表示装置130のようなIP方式の従来の表示装置によって被写体の立体像を表示すると、奥行き方向に反転した立体像が表示されるが、本発明の撮像装置4の写真フィルム44によって撮像される画像は、被写体45を光軸方向(奥行き方向)に反転した像45'の要素画像であるため、この画像を用いれば、IP方式の従来の表示装置によって、被写体45を光軸方向(奥行き方向)に反転した像45'を更に光軸方向(奥行き方向)に反転させた立体像、つまり、光軸方向(奥行き方向)の配置や凹凸が正しく表示された被写体45の立体像を表示することができる。これによって、撮像装置4は、要素画像を点対称に変換する電気的な計算処理を行わなくても、IP方式の従来の表示装置によって、光軸方向(奥行き方向)の配置や凹凸が正しく表示された被写体45の立体像を表示することができるIP画像を撮像することができる。
なお、式(6)において、下記の式(9)を満たす場合には、像側焦平面と、負屈折要素光学レンズ系11の凸レンズ面P42(図5参照)とが一致する。
d41/r41=n42/(n42−n41) …(9)
そのため、式(9)を満たすように、屈折率n41、n42と、凸レンズ面P41の曲率半径r41と、正屈折要素光学レンズ系42の光軸方向の長さd41を設定し、凸レンズ面P42を光軸に垂直な平面(図示せず)として、この平面に写真フィルム44を当接させることとしてもよい。
更に、負屈折光学系41の光軸方向の長さが短く、負屈折光学系41の内部に被写体45の像45'が形成されない場合でも、撮像装置4は、被写体45と比較して奥行きが反転した像の要素画像からなるIP画像を撮像することができる。このとき、被写体45からの発散光は負屈折光学系41の入射端面41aで屈折して収束光となって要素画像レンズ群43に入射する。そのため、撮像された被写体45の画像をIP方式の従来の表示装置に表示すると、被写体45の画像からの光は従来の表示装置の凸レンズアレイ(図示せず)から発散光となって出射するため、凸レンズアレイの奥に光軸方向(奥行き方向)に反転された立体像(虚像)を形成することができる。
また、ここでは、写真フィルム44によって被写体45の要素画像を撮像することとしたが、本発明の撮像装置4の画像撮像手段は、各々の正屈折要素光学レンズ系42によって形成された像を撮像できればよく、例えば、光電変換素子や電荷転送素子等であってもよい。そして、被写体45の位置に応じて、この写真フィルム44の正屈折要素光学レンズ系42からの光軸方向の距離を設定して配置することで、被写体45のIP画像を撮像することができる。例えば、無限遠方にある被写体45を撮像する場合には、式(6)に基づいて、写真フィルム44を正屈折要素光学レンズ系42の像側焦平面の位置に設置することで、光軸方向(奥行き方向)に反転された被写体45の倒立像からなるIP画像を撮像することができる。
更に、正屈折要素光学レンズ系42は、隣接する正屈折要素光学レンズ系42との間で光が漏れないように、各々の正屈折要素光学レンズ系42の側面(光軸に平行な面)に光学的な遮光処理を施すこととしてもよい。また、正屈折要素光学レンズ系42と写真フィルム44とを、所定の距離だけ離して配置する場合には、各々の正屈折要素光学レンズ系42から出射された光が干渉しないように、各々の正屈折要素光学レンズ系42の側面の延長上において光学的な遮蔽板を設けることとしてもよい。
[撮像装置の動作(第二の実施の形態)]
次に、図4を参照して、本発明における撮像装置4が、被写体45のIP画像を撮像する動作について説明する。
被写体45からの光は、負屈折光学系41に入射する。そうすると、この負屈折光学系41の内部において、被写体45の像45'が形成される。この像45'は、被写体45を光軸方向(奥行き方向)に反転した立体像となる。
そして、この像45'からの光は、要素画像レンズ群43を構成する各々の正屈折要素光学レンズ系42に入射する。そうすると、入射した光は、各々の正屈折要素光学レンズ系42によって集光されて出射される。そして、被写体45の像45'の像(要素画像)が形成される。この要素画像は、被写体45の像45'が正屈折要素光学レンズ系42の物側焦点より遠い位置にある場合には倒立像、近い位置にある場合には正立像となる。
更に、この要素画像が形成される光軸方向の位置に設置された写真フィルム44によって、当該要素画像を撮像する。以上の動作によって、撮像装置4は、被写体45のIP画像を撮像することができる。
[表示装置の構成(第三の実施の形態)]
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態である表示装置5の構成について説明する。図7は、表示装置の構成を模式的に示した模式図、(a)は、表示装置のディスプレイに表示される要素画像群の例を示す説明図、(b)は、表示装置の構成と、当該表示装置によって表示される被写体の立体像を模式的に示す模式図である。
図7に示すように、表示装置5は、例えば、図11に示す従来の撮像装置110のような、従来のIP方式における一般的な撮像装置によって撮像された、被写体(図示せず)の要素画像56(…、56b、56c、56d、…)が複数撮像された画像である要素画像群55を表示して、被写体の立体像53を表示するものである。なお、図7では例として、要素画像群55が倒立像の場合について示している。表示装置5は、ディスプレイ50と、負屈折要素画像レンズ群52とを備える。
ディスプレイ(画像表示手段)50は、IP方式における一般的な撮像装置によって撮像された要素画像群55を表示するものである。このディスプレイ50は、例えば、液晶ディスプレイ等の、画像を表示する一般的な表示手段によって実現することができる。
負屈折要素画像レンズ群52は、複数の負屈折要素光学レンズ系51(…、51b、51c、51d、…)を、当該負屈折要素光学レンズ系51の光軸に垂直な同一平面上にアレイ状に配置して構成されている。この負屈折要素光学レンズ系51は、ディスプレイ50に表示される要素画像群55からの光により被写体の立体像53を表示するものである。この負屈折要素光学レンズ系51は、負の屈折率を有する媒質からなる少なくとも1つの光学素子から構成され、ここでは、厚肉両凸レンズからなることとした。
ここで、要素画像群55は、正の屈折率を有する複数の凸レンズ等の集光手段(図示せず)が同一平面上にアレイ状に配列された要素画像レンズ群(凸レンズ群)を有する従来のIP方式の撮像装置(図示せず)によって撮像され、図7(a)に示すように、複数の集光手段によって形成された像の画像(要素画像56)が複数配列されている。そして、負屈折要素光学レンズ系51は、この要素画像56の各々に対応して配置され、各々の要素画像56の光が、対応する負屈折要素光学レンズ系51に入射する。
ここで、負屈折要素光学レンズ系51は、負の屈折率を有する媒質からなるため、例えば、図13(a)に示す従来の表示装置の凸レンズ132のような、正の屈折率を有する凸レンズと比べて、光軸に対して反対方向(反転された方向)に屈折する。これによって、表示装置5は、被写体の要素画像56が撮像された要素画像群55をディスプレイ50に表示することで、実物の被写体と上下左右及び奥行き方向の位置関係が一致する被写体の立体像53を表示することができる。なお、この負屈折要素光学レンズ系51は、図1に示した負屈折要素光学レンズ系11と同様に、外部の屈折率n1、入射端面の曲率半径r1、出射端面の曲率半径r2、入射端面の面頂から出射端面の面頂までの距離d1、内部の屈折率n2が前記の式(3)を満たすように設定され、図1の写真フィルム13と同じ距離だけ、ディスプレイ50と負屈折要素光学レンズ系11との光軸方向の距離を設定して配置することで、被写体の立体像を表示することができる。
そのため、要素画像群55の各々の要素画像56を点対称に変換する電気的な計算処理を行う必要がなく、表示装置5は、変換する計算を行うための高速計算機や大規模な電子回路を必要としない。更に、負屈折要素画像レンズ群52は、負の屈折率を有する凸レンズをアレイ状に配列することで実現できるため、アフォーカル光学系や、光ファイバのような屈折率分布レンズが必要となる従来の方法に比べて、表示装置5を簡易な構成とすることができる。
[表示装置の動作(第三の実施の形態)]
次に、図7を参照して、本発明における表示装置5が、被写体の立体像53を表示する動作について説明する。
まず、表示装置5は、ディスプレイ50に要素画像群55を表示する。すると、要素画像群55の各々の要素画像56からの光は、負屈折要素画像レンズ群52を構成する各々の負屈折要素光学レンズ系51に入射し、光軸方向の軸を中心に反転されて出射される。
そして、観察者(視聴者)が負屈折要素画像レンズ群52を介してディスプレイ50を見ると、被写体の立体像53が表示される。以上の動作によって、表示装置5は、上下左右及び奥行き方向の位置関係が正しく表現された被写体の立体像53を表示することができ、観察者(視聴者)が、負屈折要素画像レンズ群52を介して要素画像群55が表示されたディスプレイ50を見ると、被写体の立体像53を見ることができる。
[表示装置の構成(第四の実施の形態)]
次に、図8を参照して、本発明の実施の形態である表示装置7の構成について説明する。図8は、表示装置の構成を模式的に示した模式図、(a)は、表示装置のディスプレイに表示される要素画像群の例を示す説明図、(b)は、表示装置の構成と、当該表示装置によって表示される被写体の立体像を模式的に示す模式図である。
図8に示すように、表示装置7は、例えば、図11に示す従来の撮像装置110のような、従来のIP方式における一般的な撮像装置によって撮像された、被写体(図示せず)の要素画像77(…、77b、77c、77d、…)が複数撮像された画像である要素画像群76を表示して、被写体の立体像74を表示するものである。なお、図8では例として、要素画像77が倒立像の場合について示した。表示装置7は、ディスプレイ70と、要素画像レンズ群72と、負屈折光学系73とを備える。
ディスプレイ(画像表示手段)70は、IP方式における一般的な撮像装置によって撮像された要素画像群76を表示するものである。このディスプレイ70は、例えば、液晶ディスプレイ等の、画像を表示する一般的な表示手段によって実現することができる。
要素画像レンズ群72は、複数の正屈折要素光学レンズ系71(…、71b、71c、71d、…)を、当該正屈折要素光学レンズ系71の光軸に垂直な同一平面上にアレイ状に配置して構成されている。そして、要素画像レンズ群72の出射端面は、後記する負屈折光学系73の入射端面73aの形状に沿って隣接する。この正屈折要素光学レンズ系71は、ディスプレイ70に表示される要素画像群76の要素画像77からの光により、光軸方向(奥行き方向)に反転した被写体の像(立体像)74'を形成するものである。正屈折要素光学レンズ系71は、正の屈折率を有する媒質からなる少なくとも1つの光学素子から構成され、ここでは、厚肉両凸レンズからなることとした。
ここで、要素画像群76は、図8(a)に示すように、複数の集光手段によって形成された像の画像(要素画像77)が複数配列された画像である。そして、正屈折要素光学レンズ系71は、この要素画像77の各々に対応して配置され、各々の要素画像77の光が、対応する正屈折要素光学レンズ系71に入射する。
そして、正屈折要素光学レンズ系71は、ディスプレイ70から入射した光により、負屈折光学系73に対して像74'(74a'、74b')を形成する。なお、この正屈折要素光学レンズ系71は、図4に示した正屈折要素光学レンズ系42と同様に、外部の屈折率n43、入射端面の曲率半径r41、出射端面の曲率半径r42、入射端面の面頂から出射端面の面頂までの距離d41、内部の屈折率n42及び負屈折光学系73の屈折率n41が前記の式(8)を満たすように設定され、図4の写真フィルム44と同じ距離だけ、ディスプレイ70と正屈折要素光学レンズ系71との光軸方向の距離を設定して配置することで、被写体の像74'を表示することができる。そして、ディスプレイ70に表示されている要素画像77(…、77b、77c、77d、…)からの光は要素画像レンズ群72に入射し、当該要素画像レンズ群72によって、光軸方向(奥行き方向)の配置や凹凸が反転した被写体の像(立体像)74'が形成される。
負屈折光学系73は、負の屈折率を持つ媒質からなる光学系であり、要素画像レンズ群72と接する入射端面73aと、平面の出射端面73bとを有する。この負屈折光学系73の内部には、前記したように、光軸方向に凹凸が反転した被写体の像74'(74a'、74b')が形成し、この像74'からの光が出射端面73bから出射する。そして、この出射端面73bから出射した光は、当該出射端面73bにおいて屈折し、外部に被写体の立体像74(74a、74b)を形成する。この立体像74は、像74'が光軸方向(奥行き方向)に反転したものであるので、撮像された被写体と、光軸方向の配置や凹凸が一致する。
これによって、表示装置7は、被写体の要素画像77が撮像された要素画像群76をディスプレイ70に表示することで、実物の被写体と上下左右及び奥行き方向の配置及び形状が一致する被写体の立体像74を表示することができる。
そのため、要素画像群76の各々の要素画像77を点対称に変換する電気的な計算処理を行う必要がなく、表示装置7は、変換する計算を行うための高速計算機や大規模な電子回路を必要としない。
[表示装置の動作(第四の実施の形態)]
次に、図8を参照して、本発明における表示装置7が、被写体の立体像74を表示する動作について説明する。
まず、表示装置7は、ディスプレイ70に要素画像群76を表示する。すると、要素画像群76からの光は、要素画像レンズ群72を構成する各々の正屈折要素光学レンズ系71によって光軸を中心に反転されて出射し、実物の被写体と上下左右方向の配置や凹凸は一致し、かつ、光軸方向(奥行き方向)の配置や凹凸が反転した被写体の像74'が、負屈折光学系73の内部に形成される。
そして、負屈折光学系73に入射した光は、出射端面73bにおいて屈折し、被写体の像74'を奥行き方向に反転した立体像74が形成される。以上の動作によって、表示装置7は、上下左右及び奥行き方向の配置や形状が正しく表現された被写体の立体像74を表示することができる。
[撮像装置・表示装置の他の実施の形態]
更に、本発明の撮像装置1、4(図1、図4参照)あるいは表示装置5、7(図7、図8参照)は、被写体あるいは立体像からの光を入射して、当該被写体あるいは立体像の像を形成する負屈折結像光学素子を備えることとしてもよい。ここで、図9及び図10を参照(適宜図1、図4、図7及び図8参照)して、負屈折結像光学素子8について説明する。図9は、負屈折結像光学素子の構成を説明するための説明図、(a)は、ひとつの負屈折結像光学素子に、被写体あるいは立体像からの光が入射した際の光路を模式的に示す模式図、(b)は、複数の負屈折結像光学素子を配列した場合における、被写体あるいは立体像からの光の光路を模式的に示す模式図、(c)は、ひとつの負屈折結像光学素子に、被写体あるいは立体像からの光が入射した際の他の例における光路を模式的に示す模式図である。図10は、本発明の他の実施の形態である撮像装置の構成を模式的に示した模式図である。
負屈折結像光学素子8は、負の屈折率を有する媒質からなり、図9(a)に示すように、被写体(立体像)91、92からの光が入射する平面の入射端面81と、この光が出射する、入射端面81に平行な平面の出射端面82とを有する。この負屈折結像光学素子8は、負の屈折率を有するため、被写体(立体像)91、92からの光が入射端面81から入射すると、光は屈折し、この入射端面81に直交する方向に反転させた当該被写体(立体像)91、92の像93、94を、当該負屈折結像光学素子8の内部に形成する。ここで、被写体(立体像)91、92と像93、94の大きさは一致する。そして、この光は、出射端面82において屈折し、負屈折結像光学素子8は、この像93、94を出射端面82に直交する方向に反転させた、当該被写体(立体像)91、92の像(立体像)95、96を形成する。なお、被写体(立体像)91が虚像である場合には、負屈折結像光学素子8は、像95、96の位置に実像を形成せず、観察者(視聴者)が光の進行方向に対向する方向から当該負屈折結像光学素子8を見た場合に、この位置に被写体の像(虚像)を見ることができる。
また、ここでは、負屈折結像光学素子8によって2つの被写体(立体像)91、92の像95、96が形成されることとして説明したが、本発明の負屈折結像光学素子8では、ひとつ以上の被写体あるいは立体像を含む外部の空間からの光が入射端面81に入射して屈折し、更に出射端面82において屈折することで、この空間の立体像を形成することができる。
ここで、図10を参照して、図1に示す第一の実施の形態の撮像装置1に負屈折結像光学素子8を備えて構成された撮像装置1Aについて説明する。撮像装置1Aは、被写体14と負屈折要素画像レンズ群12との間に、負屈折結像光学素子8を備える。また、負屈折結像光学素子8以外の構成は図1に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
負屈折結像光学素子8は、被写体14からの光が入射し、内部において、当該負屈折結像光学素子8の入射端面81に直交する方向に反転した被写体14の像(立体像)14aを形成し、更に、この像14aを出射端面82に直交する方向に反転した被写体14の像(立体像)14bを、負屈折要素画像レンズ群12との間において形成する。そして、この被写体14の像14bからの光が、負屈折要素画像レンズ群12に入射することで、撮像装置1は、被写体14の像14bのIP画像を撮像することができる。そして、このIP画像は、被写体14が像14bの位置にある場合に撮像装置1(図1参照)によって撮像されるIP画像と同じものとなる。
同様に、第二の実施の形態の撮像装置4(図4参照)が当該負屈折結像光学素子8を備える場合には、負屈折結像光学素子8は、被写体45と負屈折光学系41との間に設置され、この負屈折結像光学素子8によって負屈折光学系41との間に形成された被写体45の像(図示せず)の光が、負屈折光学系41に入射することで、撮像装置4は、被写体45のIP画像を撮像することができる。
このように、本発明の撮像装置1A、4は、被写体(14又は45)と写真フィルム(13又は44)との距離が大きい場合に、負屈折結像光学素子8を介在させることで、写真フィルム(13又は44)から所望の距離の位置に被写体(14又は45)の立体像を形成させて、被写体(14又は45)が写真フィルム(13又は44)からこの距離だけ離れている場合のIP画像を撮像することができる。
また、第三の実施の形態の表示装置5(図7参照)が当該負屈折結像光学素子8を備える場合には、負屈折結像光学素子8は、負屈折要素画像レンズ群52の出射端面に対面して設置され、当該負屈折要素画像レンズ群52から出射された光が、負屈折結像光学素子8の入射端面81に入射する。そして、この光は、出射端面82から出射する。これによって、観察者(視聴者)が、負屈折結像光学素子8及び負屈折要素画像レンズ群52を介して要素画像群55が表示されたディスプレイ50を見ると、出射端面82から出射した光により、虚像あるいは実像として、被写体の立体像を見ることができる。
同様にして、第四の実施の形態の表示装置7(図8参照)が当該負屈折結像光学素子8を備える場合には、負屈折結像光学素子8は、負屈折光学系73の出射端面73bに対面して設置される。そして、当該負屈折光学系73から出射された光が、負屈折結像光学素子8の入射端面81に入射し、負屈折結像光学素子8は、被写体の立体像74の立体像(図示せず)を形成する。
このように、本発明の表示装置5、7は、負屈折要素画像レンズ群52あるいは負屈折光学系73と観察者(視聴者)との間に、負屈折結像光学素子8を介在させることで、観察者(視聴者)から所望の距離だけ隔てた位置に、被写体の立体像を表示することができる。
なお、本発明の撮像装置1、4及び表示装置5、7は、図9(b)に示すような、複数の負屈折結像光学素子8(8a、…、8b)を備えることとしてもよい。この負屈折結像光学素子8は、当該負屈折結像光学素子8の出射端面82と、隣接する負屈折結像光学素子8の入射端面81とを、当該負屈折結像光学素子8によって形成された像95、96を挟んで対面させて配列されている。そして、被写体(立体像)91、92からの光は負屈折結像光学素子8aに入射し、負屈折結像光学素子8aの内部において、入射端面81に直交する方向に反転された当該被写体(立体像)91、92の像93a、94aを形成する。更に、負屈折結像光学素子8aは、出射端面82と隣接する負屈折結像光学素子の出射端面(図示せず)の間において、この像93a、94aを出射端面82に直交する方向に反転させた像95a、96aを形成する。そして、この像95a、96aからの光は、隣接する負屈折結像光学素子(図示せず)に入射し、同様にして、順に隣接する負屈折結像光学素子(図示せず)に入射させることができる。
そして、被写体(立体像)91、92から一番遠い位置にある負屈折結像光学素子8bに、隣接する負屈折結像光学素子(図示せず)によって形成された像(図示せず)からの光が入射すると、負屈折結像光学素子8bは、被写体(立体像)91、92の像95b、96bを形成することができる。
また、本発明の撮像装置1、4及び表示装置5、7は、図9(c)に示すような、被写体(立体像)91、92の像を内部において形成しない負屈折結像光学素子8Aを備えることとしてもよい。入射端面81から入射した被写体(立体像)91、92からの光は、当該入射端面81において屈折し、進むにつれて徐々に収束するが、この負屈折結像光学素子8は、入射端面81に直交する方向の長さが短いため、被写体(立体像)91、92の像を内部に形成せずに出射端面82から出射して拡散する。
そして、撮像装置1、4(図1、図4参照)が、この負屈折結像光学素子8Aを備える場合には、出射端面82から出射した拡散光の進行方向とは逆の方向にこの光の光路を延長した収束点97、98の位置に、被写体91、92がある場合のIP画像を撮像することができる。また、表示装置5、7(図7、図8参照)が、この負屈折結像光学素子8Aを備える場合には、収束点97、98の位置に立体像91、92の虚像を形成することができる。
本発明の第一の実施の形態である撮像装置の構成を模式的に示した模式図である。 本発明の第一の実施の形態である撮像装置の負屈折要素光学レンズ系の構成と、当該負屈折要素光学レンズ系に入射した被写体からの光の光路とを模式的に示した模式図である。 本発明の第一の実施の形態である撮像装置の負屈折要素光学レンズ系によって形成される像の横倍率と、負屈折要素光学レンズ系の凸レンズ面の面頂から被写体までの距離との関係を示すグラフである。 本発明の第二の実施の形態である撮像装置の構成を模式的に示した模式図である。 本発明の第二の実施の形態である撮像装置の正屈折要素光学レンズ系の構成と、当該正屈折要素光学レンズ系に入射した被写体からの光の光路とを模式的に示した模式図である。 撮像装置の正屈折要素光学レンズ系によって形成される像の横倍率と、正屈折要素光学レンズ系の凸レンズ面の面頂から被写体までの距離との関係を示すグラフである。 本発明の第三の実施の形態である表示装置の構成を模式的に示した模式図、(a)は、表示装置のディスプレイに表示される要素画像群の例を示す説明図、(b)は、表示装置の構成と、当該表示装置によって表示される被写体の立体像を模式的に示す模式図である。 本発明の第四の実施の形態である表示装置の構成を模式的に示した模式図、(a)は、表示装置のディスプレイに表示される要素画像群の例を示す説明図、(b)は、表示装置の構成と、当該表示装置によって表示される被写体の立体像を模式的に示す模式図である。 本発明の第二の実施の形態である表示装置の負屈折結像光学素子の構成を説明するための説明図、(a)は、ひとつの負屈折結像光学素子に、被写体あるいは立体像からの光が入射した際の光路を模式的に示す模式図、(b)は、複数の負屈折結像光学素子を配列した場合における、被写体あるいは立体像からの光の光路を模式的に示す模式図、(c)は、ひとつの負屈折結像光学素子に、被写体あるいは立体像からの光が入射した際の他の例における光路を模式的に示す模式図である。 本発明の他の実施の形態である撮像装置の構成を模式的に示した模式図である。 従来のIP方式における、被写体の撮像方法を模式的に示す説明図、(a)は、従来のIP方式の撮像装置の構成を模式的に示す模式図、(b)は、(a)の撮像装置によって撮像された画像の例を模式的に示す模式図である。 従来のIP方式を用いて撮像された画像の変換方法を模式的に示す模式図である。 従来のIP方式における、被写体の立体像の表示方法を模式的に示す説明図、(a)は、従来のIP方式における表示装置の構成と、当該表示装置によって表示される被写体の立体像を模式的に示す模式図、(b)は、(a)の表示装置においてディスプレイに表示される画像の例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1、1A 撮像装置
11 負屈折要素光学レンズ系
12 負屈折要素画像レンズ群
13 写真フィルム(画像撮像手段)
14 被写体
4 撮像装置
41 負屈折光学系
41a 入射端面
41b 出射端面
42 正屈折要素光学レンズ系
43 要素画像レンズ群
44 写真フィルム(画像撮像手段)
45 被写体
5 表示装置
50 ディスプレイ(画像表示手段)
51 負屈折要素光学レンズ系
52 負屈折要素画像レンズ群
55 要素画像群
56 要素画像
7 表示装置
70 ディスプレイ(画像表示手段)
71 正屈折要素光学レンズ系
72 要素画像レンズ群
73 負屈折光学系
73a 入射端面
73b 出射端面
8、8A 負屈折結像光学素子

Claims (8)

  1. 被写体の像を撮像する撮像装置であって、
    前記被写体からの光が入射する複数の負屈折要素光学レンズ系を、当該負屈折要素光学レンズ系の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した負屈折要素画像レンズ群と、
    この負屈折要素画像レンズ群の負屈折要素光学レンズ系によって形成された前記被写体の像を撮像する画像撮像手段とを備え、
    前記負屈折要素光学レンズ系が、負の屈折率を有する媒質からなり、前記被写体が当該負屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、前記被写体の正立像を形成し、前記被写体が前記物側焦点より近い位置にある場合には、前記被写体の倒立像を形成することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記被写体からの光が入射する平面の入射端面と、前記入射端面に対して平行であり、かつ、前記光が出射する平面の出射端面とを有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折結像光学素子を備え、
    前記負屈折結像光学素子から出射した光が入射する位置に、前記負屈折要素画像レンズ群を配置したことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 被写体の像を撮像する撮像装置であって、
    前記被写体からの光が入射する平面の入射端面を有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折光学系と、
    正の屈折率を有する媒質からなり、前記負屈折光学系から出射した光を屈折する複数の正屈折要素光学レンズ系を、当該正屈折要素光学レンズ系の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した要素画像レンズ群と、
    この要素画像レンズ群の正屈折要素光学レンズ系によって形成された像を撮像する画像撮像手段とを備え、
    前記負屈折光学系の入射端面が、前記正屈折要素光学レンズ系の光軸と直交し、
    前記負屈折光学系の出射端面が、前記要素画像レンズ群の正屈折要素光学レンズ系の入射端面の形状に沿って隣接し、
    前記正屈折要素光学レンズ系が、前記負屈折光学系によって形成される前記被写体の像が当該正屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、前記被写体の倒立像を形成し、前記負屈折光学系によって形成される前記被写体の像が前記物側焦点より近い位置にある場合には、前記被写体の正立像を形成することを特徴とする撮像装置。
  4. 前記被写体からの光が入射する平面の入射端面と、前記入射端面に対して平行であり、かつ、前記光が出射する平面の出射端面とを有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折結像光学素子を備え、
    前記負屈折結像光学素子から出射した光が入射する位置に、前記負屈折光学系を配置したことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 正の屈折率を有する媒質からなる複数の凸レンズを、当該凸レンズの光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した凸レンズ群の各々の前記凸レンズによって形成される被写体の像の画像である要素画像を複数有する要素画像群を入力して、前記被写体の立体像を表示する表示装置であって、
    前記要素画像群を表示する画像表示手段と、
    前記画像表示手段に表示された、各々の前記要素画像からの光が入射する複数の負屈折要素光学レンズ系を、当該負屈折要素光学レンズ系の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した負屈折要素画像レンズ群とを備え、
    前記負屈折要素光学レンズ系が、負の屈折率を有する媒質からなり、前記被写体が当該負屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、前記被写体の正立像を形成し、前記被写体が前記物側焦点より近い位置にある場合には、前記被写体の倒立像を形成することを特徴とする表示装置。
  6. 前記負屈折要素画像レンズ群から出射した光が入射する平面の入射端面と、前記入射端面に対して平行であり、かつ、前記光が出射する平面の出射端面とを有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折結像光学素子を備えることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
  7. 正の屈折率を有する媒質からなる複数の凸レンズを、当該凸レンズの光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した凸レンズ群の各々の前記凸レンズによって形成される被写体の像の画像である要素画像を複数有する要素画像群を入力して、前記被写体の立体像を表示する表示装置であって、
    前記要素画像群を表示する画像表示手段と、
    正の屈折率を有する媒質からなり、前記画像表示手段に表示された、各々の前記要素画像からの光が入射する複数の正屈折要素光学レンズ系を、当該正屈折要素光学レンズ系の光軸に対して直交する同一平面上にアレイ状に配列した要素画像レンズ群と、
    前記要素画像レンズ群からの光が入射し、当該光が出射する平面の出射端面を有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折光学系とを備え、
    前記要素画像レンズ群の出射端面が、前記負屈折光学系の入射端面の形状に沿って隣接し、
    前記正屈折要素光学レンズ系が、前記負屈折光学系によって形成される前記被写体の像が当該正屈折要素光学レンズ系の物側焦点より遠い位置にある場合には、前記被写体の倒立像を形成し、前記負屈折光学系によって形成される前記被写体の像が前記物側焦点より近い位置にある場合には、前記被写体の正立像を形成する表示装置。
  8. 負屈折光学系から出射した光が入射する平面の入射端面と、前記入射端面に対して平行であり、かつ、前記光が出射する平面の出射端面とを有し、負の屈折率を持つ媒質からなる負屈折結像光学素子を備えることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
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