JP2006303302A - 波面収差測定方法及び投影露光装置 - Google Patents

波面収差測定方法及び投影露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、被検光学系の詳細な波面収差情報を高速に取得することのできる波面収差測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 被検光学系の波面収差を既知の量ずつ変化させながら前記被検光学系による孤立線像の強度分布を複数回検出する(S1,S2,S3)と共に、前記検出された複数の強度分布で位相回復演算(S4)を行い、前記被検光学系に固有の波面収差情報を取得する(S5)。このとき、測定用パターンとして孤立線パターンを用いることができる。しかし、位相回復演算をするので、測定用パターンがシンプルである割には、多くの情報(少なくとも特定方向の透過波面の情報)を取得することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、投影光学系などの被検光学系の波面収差を測定する波面収差測定方法、及び波面収差の自己測定機能を搭載した投影露光装置に関する。
半導体等の製造装置である投影露光装置では、製造品のバラツキを防止するために、稼働中に投影光学系を微調整する必要が生じる。その最適な調整量を知るため、投影露光装置には、投影光学系の波面収差を測定する機能が搭載されている。この測定方法の1つが、特許文献1などに開示されている。
この方法は、ストライプ状の測定用パターンをレチクル(原板)上に設けると共に、投影光学系の像面に形成されるそのパターンの空間像を検出し、その像の強度分布のカーブ形状を詳細に分析して波面収差を算出するものである。
特開2004−128149号公報
しかし、この方法では、投影光学系の瞳面全域の波面収差情報を取得するために、測定用パターンの種類(ストライプピッチや方向)を切り替えて、それらの空間像をそれぞれ検出する必要がある。特定方向の測定用パターンからは、瞳面上の特定方向の情報しか取得できず、特定ピッチの測定用パターンからは、瞳面上の特定の径位置の情報しか取得できないからである。
そこで本発明は、被検光学系の詳細な波面収差情報を高速に取得することのできる波面収差測定方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、投影光学系の詳細な波面収差情報を高速に取得することのできる投影露光装置を提供することを目的とする。
本発明の波面収差測定方法は、被検光学系の波面収差を既知の量ずつ変化させながら前記被検光学系による孤立線像の強度分布を複数回検出すると共に、前記検出された複数の強度分布で位相回復演算を行い、前記被検光学系に固有の波面収差情報を取得することを特徴とする。
なお、前記波面収差のフォーカス成分を既知の量ずつ変化させながら前記検出を行ってもよい。
また、前記波面収差のフォーカス成分と回転対称成分との組み合わせを既知の量ずつ変化させながら前記検出を行ってもよい。
また、前記回転対称成分を変化させるために、前記孤立線像の原板と前記被検光学系との間隔を変化させてもよい。
また、前記回転対称成分を変化させるために、前記被検光学系内の一部のエレメントを光軸方向に移動させてもよい。
また、前記回転対称成分を変化させるために、前記強度分布の検出面と前記被検光学系との間に所定屈折率の平行平面板を挿入すると共に、その厚さを変化させてもよい。
また、前記フォーカス成分を変化させるために、前記強度分布の検出面を光軸方向に移動させてもよい。
また、前記検出及び前記位相回復演算を、方向の異なる複数の前記孤立線像の各々について行ってもよい。
本発明の投影露光装置は、物体側のパターンを像側へ投影する投影光学系と、前記投影光学系の波面収差を既知の量ずつ変化させる機構と、前記投影光学系による孤立線像の強度分布を検出する検出器と、前記波面収差の変化中に検出された複数の前記強度分布で位相回復演算を行い、前記投影光学系に固有の波面収差情報を取得する演算手段とを備えたことを特徴とする。
なお、前記機構は、前記波面収差のフォーカス成分を既知の量ずつ変化させることが可能であってもよい。
また、前記機構は、前記波面収差のフォーカス成分と回転対称成分との組み合わせを既知の量ずつ変化させることが可能であってもよい。
また、前記機構は、前記回転対称成分を変化させるために、前記孤立線像の原板と前記投影光学系との間隔を変化させてもよい。
また、前記機構は、前記回転対称成分を変化させるために、前記投影光学系内の一部のエレメントを光軸方向に移動させてもよい。
また、前記機構は、前記回転対称成分を変化させるために、前記検出器と前記投影光学系との間に、所定屈折率の平行平面板を挿入するとともに、その厚さを変化させてもよい。
また、前記機構は、前記フォーカス成分を変化させるために、前記検出器を光軸方向に移動させてもよい。
本発明によれば、被検光学系の詳細な波面収差情報を高速に取得することのできる波面収差測定方法が実現する。
また、本発明によれば、投影光学系の詳細な波面収差情報を高速に取得することのできる投影露光装置が実現する。
[第1実施形態]
図1,図2,図3,図4,図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態は、投影露光装置の実施形態である。
図1は、本投影露光装置の構成図である。図1に示すとおり、本投影露光装置には、照明光Lを生成する照明光学系11,レチクル(原板)Rを移動可能に支持するレチクルステージRS,レチクルRのパターンを像側へ縮小投影する投影光学系TO,投影光学系TOの全体を移動可能に支持する移動機構13,投影光学系TO内のエレメントの位置や姿勢を調整する調整機構14,ウエハWを移動可能に支持するウエハステージWS,ウエハステージWSに設けられた空間像センサ(CCD撮像素子)IS,各部の制御及び各種の演算をするコンピュータ16が備えられる。
コンピュータ16は、各部を適切に制御し、ウエハWの露光、投影光学系TOの波面収差測定、投影光学系TOの調整などを行う。これらの動作に必要なプログラムは、インターネットや可搬の記録媒体を介して予めインストールされている。
ウエハWの露光では、レチクルR上の露光用パターンが投影光学系TOで縮小投影され、その縮小投影像でウエハWを露光する。また、投影光学系TOの波面収差測定では、レチクルR上の測定用パターンPが投影光学系TOで縮小投影され、その縮小投影像の強度分布が空間像センサISで検出される。また、投影光学系TOの調整では、波面収差が低減されるように、投影光学系TO内のレンズエレメントの位置や姿勢が調整される。
このうち、本実施形態では、波面収差測定に特徴があるので、以下に詳細に説明する。なお、測定に関わる各部の制御や演算は、何れもコンピュータ16によって行われる。
図2は、測定用パターンPを正面から見た図である。図2に示すように、本実施形態の測定用パターンPは、孤立線パターンである。この測定用パターンPは、レチクルR上に形成された遮光領域(斜線部)中に、孤立線状の透過領域(白抜き部)を形成してなる。。
また、この測定用パターンPは、互いに方向の異なる複数の測定用パターンP1,P2,・・・からなる。ここでは、30°ずつ方向の異なる6種類の測定用パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6とする。これらのうち何れか1つが、投影光学系TOの視野内の測定ポイントにセットされる。
測定では、セットされる測定用パターンを、これら測定用パターンP1,P2,P3,P4,P5,P6の間で順次切り替え、それらの縮小投影像の強度分布を個別に検出し、各強度分布を個別に処理する。
これにより、投影光学系TOの透過波面(所定条件下で投影光学系TOの瞳面を透過する光の波面形状)が、30°ずつ異なる各方向毎に求まる。それらの透過波面をツェルニケ多項式(図9参照)にフィッティングすれば、投影光学系TOの波面収差を、各収差成分毎に求めることができる。
因みに、30°ずつ方向の異なる6種類の測定用パターンを用いた場合は、波面収差の「6θ成分」まで求めることができる。なお、算出可能な収差成分は、測定用パターンの方向数及び方向の採り方によって決まるので、その方向数及び方向の採り方は、測定対象とすべき収差成分に応じて決定すればよい。
ここで、各方向の透過波面の測定手順は、セットされる測定用パターンが異なるのみで、その他は同じである。そこで、以下では、或る1つの測定用パターンによる1方向の透過波面の測定手順のみを説明する。
図3は、1方向の透過波面の測定手順を示すフローチャートである。この測定に先立ち、レチクルR,投影光学系TO,空間像センサISの検出面の位置関係は、所定の関係(例えば、レチクルRと空間像センサISとが光学的に共役となる位置関係)に設定される。以下、各ステップを順に説明する。
(ステップS1)
測定ポイントに測定用パターンをセットした状態で、その測定用パターンを照明光Lで照明する。このとき、投影光学系TOは、空間像センサISの検出面上(又はその近傍)に、測定用パターンの縮小投影像(孤立線像)を形成する。空間像センサISは、その検出面上の強度分布を検出し、コンピュータ16に送出する。コンピュータ16は、その強度分布のデータ(以下、「実測データ」という。)をメモリに格納する。
(ステップS2)
本装置の波面収差条件を、所定量だけ変更する。そのため、デフォーカス量Δと間隔Dとの組み合わせを変更する。このうち、デフォーカス量Δは、孤立線像の結像面と空間像検出センサISの検出面との間のずれ量であり、これが所定量だけ変化すると波面収差のフォーカス成分が所定量だけ変化する。また、間隔Dは、投影光学系TO(その最前面)とレチクルRとの間隔(以下、「レチクル間隔」という。)であり、これが所定量だけ変化すると波面収差の回転対称成分が所定量だけ変化する。
なお、デフォーカス量Δ,レチクル間隔Dを所定量だけ変化させるには、移動機構13,ウエハステージWSを所定量だけ駆動すればよい。
(ステップS3)
必要な全ての実測データが取得済みか否かを判定し、取得済みでない場合はステップS1に戻り、取得済みであった場合にはステップS4に進む。
ここで、必要な全ての実測データとは、予め決められた全ての波面収差条件下で取得された全ての実測データのことを指す。その波面収差条件の数が多いほど、実測データの取得数が増えるので、透過波面の測定精度を高めることができる。但し、ここでは、説明を簡単にするため、波面収差条件を、以下の4条件に限定する。
・第1条件・・・Δ=Δ0かつD=D0(測定開始時の条件:デフォーカス無し,間隔ずれ無し)。
・第2条件・・・Δ=Δ1かつD=D0(デフォーカス有り,間隔ずれ無し)。
・第3条件・・・Δ=Δ1かつD=D1(デフォーカス有り,間隔ずれ有り)。
・第4条件・・・Δ=Δ0かつD=D1(デフォーカス無し,間隔ずれ有り)。
したがって、第1条件、第2条件、第3条件、第4条件の各条件下でそれぞれ第1実測データ、第2実測データ、第3実測データ、第4実測データの全てがコンピュータ16のメモリに格納されるまで、ステップS1,S2が繰り返される。
(ステップS4)
コンピュータ16は、第1実測データ、第2実測データ、第3実測データ、第4実測データに基づき、位相回復演算を行う。位相回復演算は、大まかに分けて以下の6ステップからなる。
・ステップS41・・・所定条件下における所定面の光の複素振幅分布を仮定するステップ。
・ステップS42・・・第1実測データでそれを修正するステップ。
・ステップS43・・・第2実測データでそれを修正するステップ。
・ステップS44・・・第3実測データでそれを修正するステップ。
・ステップS45・・・第4実測データでそれを修正するステップ。
・ステップS46・・・ステップS42〜S45からなるループの繰り返し回数を制御するステップ。
(ステップS5)
コンピュータ16は、ステップS4における位相回復演算の結果から、投影光学系TOの透過波面を算出する。なお、ここで算出されるのは、特定方向の透過波面である。その方向は、ステップS1で用いられた測定用パターンの方向に対応する。
以下、ステップS4を詳細に説明する。
図4,図5は、ステップS4の詳細を示すフローチャートである。以下、各ステップを順に説明する。
先ず、第1条件下(Δ=Δ0,D=D0)の検出面上の複素振幅分布を任意に仮定する(ステップS41)。
その複素振幅分布の位相はそのままに、強度については、第1条件下(Δ=Δ0,D=D0)で取得した第1実測データに置換する。つまり、第1実測データによって複素振幅分布を修正する(ステップS421)。
その複素振幅分布をフーリエ変換し、投影光学系TOの瞳面上の複素振幅分布を算出する(ステップS422)。
その複素振幅分布の位相項を調整し、第2条件下(Δ=Δ1,D=D0)の検出面とフーリエ変換の関係にある面の複素振幅分布に変換する(ステップS423)。
その複素振幅分布を逆フーリエ変換し、第2条件下(Δ=Δ1,D=D0)の検出面上の複素振幅分布を算出する(ステップS424)。
その複素振幅分布の位相はそのままに、強度については、第2条件下(Δ=Δ1,D=D0)で取得した第2実測データに置換する。つまり、第2実測データによって複素振幅分布を修正する(ステップS431)。
その複素振幅分布をフーリエ変換し、投影光学系TOの瞳面上の複素振幅分布を算出する(ステップS432)。
その複素振幅分布の位相項を調整し、第3条件下(Δ=Δ1,D=D1)の検出面とフーリエ変換の関係にある面の複素振幅分布に変換する(ステップS433)。
その複素振幅分布を逆フーリエ変換し、第3条件下(Δ=Δ1,D=D1)の検出面上の複素振幅分布を算出する(ステップS434)。
その複素振幅分布の位相はそのままに、強度については、第3条件下(Δ=Δ1,D=D1)で取得した第3実測データに置換する。つまり、第3実測データによって複素振幅分布を修正する(ステップS441)。
その複素振幅分布をフーリエ変換し、投影光学系TOの瞳面上の複素振幅分布を算出する(ステップS442)。
その複素振幅分布の位相項を調整し、第4条件下(Δ=Δ0,D=D1)の検出面とフーリエ変換の関係にある面の複素振幅分布に変換する(ステップS443)。
その複素振幅分布を逆フーリエ変換し、第4条件下(Δ=Δ0,D=D1)の検出面上の複素振幅分布を算出する(ステップS444)。
その複素振幅分布の位相はそのままに、強度については、第4条件下(Δ=Δ0,D=D1)で取得した第4実測データに置換する。つまり、第4実測データによって複素振幅分布を修正する(ステップS451)。
その複素振幅分布をフーリエ変換し、投影光学系TOの瞳面上の複素振幅分布を算出する(ステップS452)。
その複素振幅分布の位相項を調整し、第1条件下(Δ=Δ0,D=D0)の検出面とフーリエ変換の関係にある面の複素振幅分布に変換する(ステップS453)。
その複素振幅分布を逆フーリエ変換し、第1条件下(Δ=Δ0,D=D0)の検出面上の複素振幅分布を算出する(ステップS454)。
そして、以上のステップS42〜S45からなるループの繰り返し回数が所定値未満である場合(ステップS46NO)にはステップS42へ戻り、ループを繰り返す。一方、それが所定値以上である場合(ステップS46YES)には、ステップS5へ進む。
このループが繰り返される毎に、複素振幅分布の位相項が、真値に近づく。したがって、十分な回数だけ繰り返されれば、後段のステップS5では、その位相項から、特定方向の透過波面を高精度に求めることができる。
以上、本投影露光装置では、測定用パターンPとして、比較的シンプルな孤立線パターンを用いる(図2参照)。しかし、波面収差条件を変化させながら孤立線像の強度分布データを複数回取得し、かつそれらのデータを用いて位相回復演算を行う。したがって、測定用パターンPがシンプルである割には、多くの情報(少なくとも特定方向の透過波面の情報)を取得することができる。つまり、多くの情報を比較的短時間で取得できる。
また、本投影露光装置では、波面収差条件を変化させる際に、フォーカス成分だけでなく回転対称成分をも変化させるので、フォーカス成分しか変化させなかった場合と比較すると、測定誤差を小さく抑えることができる(その詳細は実施例2〜実施例4を参照)。
また、本投影露光装置では、レチクル間隔Dを変化させるので、その回転対称成分を確実かつ高精度に変化させることができる。
また、本投影露光装置では、互いに方向の異なる複数の測定用パターンP1,P2,・・・を用いる(図2参照)ので、透過波面を各方向に亘り測定することができる。
また、本投影露光装置では、各方向の透過波面をツェルニケ多項式(図9参照)にフィッティングするので、その透過波面の情報が離散的であるにも拘わらず、波面収差の詳細な情報を求めることができる。
[第1実施形態の変形例]
なお、第1実施形態では、波面収差の回転対称成分を変化させるために、レチクル間隔Dを変更したが、図6中に矢印で示すように、投影光学系TO内の特定のエレメントを光軸方向に移動させ、特定のエレメントの空気間隔(以下、「エレメント間隔」という。)を変化させてもよい。その場合も、同様の測定が可能である。
また、図7に示すように、投影光学系TOと空間像センサISとの間に、所定屈折率の平行平板からなる基板Bを挿入し、かつ基板Bの厚さを変更してもよい。その場合も、同様の測定が可能である。なお、厚さの変更を簡単に行うために、厚さの異なる複数の基板Bを用意し、それを切り替えてもよい。或いは、図7の右下に示すように段階的な厚さ分布を持った1枚の基板B’を挿入し、その基板B’をスライドさせてもよい。
また、第1実施形態では、孤立線像の強度分布を直接検出する空間像センサISを用いたが、検出精度を高めるために、次のようにすることが望ましい。
すなわち、空間像センサISを、孤立線像の形成面よりも後ろ側の離れた位置に配置すると共に、その孤立線像と空間像センサISとの間に、孤立線像を拡大投影する光学系(リレー光学系)を挿入する。その場合、孤立線像を拡大した分だけ高い分解能で孤立線像の強度分布を検出することができる。
また、空間像センサISの代わりに、図8に示すようなスリットスキャン型の空間像検出装置を適用してもよい。スリットスキャン型の空間像検出装置の原理や詳細は、特許文献1中に、「空間像計測装置」として開示されている。
その原理を簡単に説明すると、検出面にスリットマスクSMを配置し、そのスリットマスクSMを透過した光を、光検出器Sで検出する。スリットマスクSMには、孤立線像と同じ方向であり、かつ孤立線像よりも幅の狭いスリットが設けられている。よって、光検出器Sには、スリットを透過した細い光のみが入射する。このスリットマスクSMをスリット幅方向に移動させると、光検出器Sの出力信号が孤立線像の強度分布に応じて変化する。したがって、スリットマスクSMを移動させたときの出力信号の変化から、孤立線像の強度分布を高精度に検知することができる。なお、図8では、スリットマスクSMから光検出器Sまでの光学系(リレー光学系やミラーなど)を省略した。
本実施例では、上述した波面収差測定を計算機でシミュレーションし、波面収差の解析誤差の程度を調べた。シミュレーション条件は、以下のとおりである。なお、以下の記述中、λは測定波長であり、NAは投影光学系の像側開口数である。
・投影光学系・・・現存ステッパー(投影露光装置)の設計データを使用。
・透過波面・・・ツェルニケ多項式(図9)で表現される波面次数12次までの回転対称成分と、波面次数10次までの1θ〜5θ成分とを持つと仮定し、ツェルニケ係数2〜37項まで一律5.0mλ(TotalRMS=29mλ)の波面収差を付与。
・測定用パターン・・・30°ピッチ6方向の孤立線パターンを使用。
・実測データ・・・SN比=250の正規乱数誤差を付与。
・位相回復条件・・・孤立線像の検出領域を半径8λ/NA内に設定。
・波面収差条件の変更方法・・・デフォーカス量のみによる。
・デフォーカス範囲・・・±1.2λ/(1−√(1−NA2))。
図10は、本実施例のシミュレーション結果(解析誤差)を示す図である。図10には、デフォーカス量の変更数(フォーカスステップ数)が1,3,5,7,9であるときのシミュレーション結果(解析誤差)をそれぞれ示した。
なお、各シミュレーションにおいて、デフォーカス量の単位ステップ量は、デフォーカス範囲内をステップ数で等分した値である。
また、解析誤差は、予め設定した波面収差値と、算出された波面収差値との差のRMS値(単位:mλ)で表した。
本実施例でも、波面収差測定を計算機でシミュレーションし、波面収差の解析誤差の程度を調べた。シミュレーション条件は、実施例1と略同様で、以下の点のみが異なる。
・波面収差条件の変更方法・・・デフォーカス量とレチクル間隔との組み合わせによる。
・レチクル間隔の変更範囲・・・±100μm。
図11は、本実施例のシミュレーション結果(解析誤差)を示す図である。図11には、フォーカスステップ数が1,3,5,7,9の何れかであり、かつレチクル間隔のステップ数が1,3,5,7,9の何れかであるときのシミュレーション結果(解析誤差)をそれぞれ示した。
なお、各シミュレーションにおいて、デフォーカス量の単位ステップ量は、デフォーカス範囲内をステップ数で等分した値であり、レチクル間隔の単位ステップ量は、レチクル間隔の変更範囲内をステップ数で等分した値である(例えば、レチクル間隔のステップ数=3の場合、レチクル間隔は、−100μm,0μm,+100μmの3種類に変更される。)。
また、解析誤差は、予め設定した波面収差値と、算出された波面収差値との差のRMS値(単位:mλ)で表した。○印の大きさは、解析誤差の大ききさを示している。
図11において、レチクル間隔のステップ数=1のときの解析誤差が、レチクル間隔を変更しなかった場合(実施例1)の解析誤差である。
図11によると、レチクル間隔を変更しなかった場合(レチクル間隔のステップ数=1)には、解析誤差が7.5mλ程度までしか収束しえなかったのに対し、デフォーカス量とレチクル間隔との双方を変更した場合(レチクル間隔のステップ数≧3)には、解析誤差が急激に減少することがわかる。
同様に、デフォーカス量を変更しなかった場合(デフォーカスステップ数=1)と比較すると、レチクル間隔とデフォーカス量との双方を変更した場合(デフォーカスステップ数≧3)には、解析誤差が急激に減少することがわかる。
また、図11によると、同じ変更数であっても、デフォーカス量とレチクル間隔との何れか一方だけを変更した場合と、デフォーカス量とレチクル間隔との双方を変更した場合とでは、後者の方が解析誤差が小さくなることがわかる。
例えば、変更数が9であるときを考えると、デフォーカス量のみを9種類に変更した場合、解析誤差は7.517mλであり、レチクル間隔のみを9種類に変更した場合、解析誤差は2.994mλである。それに対し、デフォーカス量とレチクル間隔との双方を3種類ずつに変更した場合、解析誤差は1.652mλとなる。
以上、本実施例によれば、デフォーカス量とレチクル間隔との組み合わせを変更することの有効性が確認された。
本実施例でも、波面収差測定を計算機でシミュレーションし、波面収差の解析誤差の程度を調べた。シミュレーション条件は、実施例1と略同様で、以下の点のみが異なる。
・波面収差条件の変更方法・・・デフォーカス量とエレメント間隔との組み合わせによる(図6参照)。
・エレメント間隔の変更範囲・・・±10μm。
図12は、本実施例のシミュレーション結果(解析誤差)を示す図である。図12には、フォーカスステップ数が1,3,5,7,9の何れかであり、かつエレメント間隔のステップ数が1,3,5,7,9の何れかであるときのシミュレーション結果(解析誤差)をそれぞれ示した。
なお、各シミュレーションにおいて、デフォーカス量の単位ステップ量は、デフォーカス範囲内をステップ数で等分した値であり、エレメント間隔の単位ステップ量は、エレメント間隔の変更範囲内をステップ数で等分した値である(例えば、エレメント間隔のステップ数=3の場合、エレメント間隔は、−10μm,0μm,+10μmの3種類に変更される。)。
また、解析誤差は、予め設定した波面収差値と、算出された波面収差値との差のRMS値(単位:mλ)で表した。○印の大きさは、解析誤差の大ききさを示している。
図12によると、エレメント間隔を変更しなかった場合(エレメント間隔のステップ数=1)には、解析誤差が7.5mλ程度までしか収束しえなかったのに対し、デフォーカス量とエレメント間隔との双方を変更した場合(エレメント間隔のステップ数≧3)には、解析誤差が急激に減少することがわかる。
同様に、デフォーカス量を変更しなかった場合(デフォーカスステップ数=1)と比較すると、エレメント間隔とデフォーカス量との双方を変更した場合(デフォーカスステップ数≧3)には、解析誤差が急激に減少することがわかる。
また、図12によると、同じ変更数であっても、デフォーカス量とエレメント間隔との何れか一方だけを変更した場合と、デフォーカス量とエレメント間隔との双方を変更した場合とでは、後者の方が解析誤差が小さくなることがわかる。
例えば、変更数が9であるときを考えると、デフォーカス量のみを9種類に変更した場合、解析誤差は7.517mλであり、エレメント間隔のみを9種類に変更した場合、解析誤差は4.789mλである。それに対し、デフォーカス量とエレメント間隔との双方を3種類ずつに変更した場合、解析誤差は3.000mλとなる。
以上、本実施例によれば、デフォーカス量とエレメント間隔との組み合わせを変更することの有効性が確認された。
本実施例でも、波面収差測定を計算機でシミュレーションし、波面収差の解析誤差の程度を調べた。シミュレーション条件は、実施例1と略同様で、以下の点のみが異なる。
・波面収差条件の変更方法・・・デフォーカス量と平行平板の厚さとの組み合わせによる(図7参照)。
・厚さの変更範囲・・・0〜100μm。
図13は、本実施例のシミュレーション結果(解析誤差)を示す図である。図13には、フォーカスステップ数が1,3,5,7,9の何れかであり、かつ厚さのステップ数が1,2,3,4,5の何れかであるときのシミュレーション結果(解析誤差)をそれぞれ示した。
なお、各シミュレーションにおいて、デフォーカス量の単位ステップ量は、デフォーカス範囲内をステップ数で等分した値であり、厚さの単位ステップ量は、厚さの変更範囲内をステップ数で等分した値である(例えば、厚さのステップ数=3の場合、厚さは、0μm,50μm,100μmの3種類に変更される。)。
また、解析誤差は、予め設定した波面収差値と、算出された波面収差値との差のRMS値(単位:mλ)で表した。○印の大きさは、解析誤差の大ききさを示している。
図13によると、厚さを変更しなかった場合(厚さステップ数=1)には、解析誤差が7.5mλ程度までしか収束しえなかったのに対し、デフォーカス量と厚さとの双方を変更した場合(厚さのステップ数≧3)には、解析誤差が急激に減少することがわかる。
同様に、デフォーカス量を変更しなかった場合(デフォーカスステップ数=1)と比較すると、厚さとデフォーカス量との双方を変更した場合(デフォーカスステップ数≧3)には、解析誤差が急激に減少することがわかる。
また、図13によると、同じ変更数であっても、デフォーカス量と厚さとの何れか一方だけを変更した場合と、デフォーカス量と厚さとの双方を変更した場合とでは、後者の方が解析誤差が小さくなることがわかる。
例えば、変更数が9であるときを考えると、デフォーカス量のみを9種類に変更した場合、解析誤差は7.517mλであるのに対し、デフォーカス量と厚さとの双方を3種類ずつに変更した場合、解析誤差は1.666mλとなる。
以上、本実施例によれば、デフォーカス量と平行平板の厚さとの組み合わせを変更することの有効性が確認された。
なお、上述した実施形態は、波面収差測定機能を搭載した投影露光装置の実施形態であるが、本発明は、波面収差測定に専用の装置(波面収差測定装置)にも適用可能である。
投影露光装置の構成図である。 測定用パターンを正面から見た図である。 1方向の透過波面の測定手順を示すフローチャートである。 ステップS4の詳細を示すフローチャートである。 ステップS4の詳細を示すフローチャートである(図4の続き)。 第1実施形態の変形例を説明する図である。 第1実施形態の別の変形例を説明する図である。 第1実施形態のさらに別の変形例を説明する図である。 ツェルニケ多項式の各項を示す図である。 実施例1のシミュレーション結果を示す図である。 実施例2のシミュレーション結果を示す図である。 実施例3のシミュレーション結果を示す図である。 実施例4のシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
TO・・・投影光学系(被検光学系),R・・・レチクル,RS・・・レチクルステージ,13・・・移動機構,14・・・調整機構,WS・・・ウエハステージ,IS・・・空間像センサ,16・・・コンピュータ

Claims (15)

  1. 被検光学系の波面収差を既知の量ずつ変化させながら前記被検光学系による孤立線像の強度分布を複数回検出すると共に、前記検出された複数の強度分布で位相回復演算を行い、前記被検光学系に固有の波面収差情報を取得する
    ことを特徴とする波面収差測定方法。
  2. 請求項1に記載の波面収差測定方法において、
    前記波面収差のフォーカス成分を既知の量ずつ変化させながら前記検出を行う
    ことを特徴とする波面収差測定方法。
  3. 請求項2に記載の波面収差測定方法において、
    前記波面収差のフォーカス成分と回転対称成分との組み合わせを既知の量ずつ変化させながら前記検出を行う
    ことを特徴とする波面収差測定方法。
  4. 請求項3に記載の波面収差測定方法において、
    前記回転対称成分を変化させるために、
    前記孤立線像の原板と前記被検光学系との間隔を変化させる
    ことを特徴とする波面収差測定方法。
  5. 請求項3に記載の波面収差測定方法において、
    前記回転対称成分を変化させるために、
    前記被検光学系内の一部のエレメントを光軸方向に移動させる
    ことを特徴とする波面収差測定方法。
  6. 請求項3に記載の波面収差測定方法において、
    前記回転対称成分を変化させるために、
    前記強度分布の検出面と前記被検光学系との間に所定屈折率の平行平面板を挿入すると共に、その厚さを変化させる
    ことを特徴とする波面収差測定方法。
  7. 請求項2〜請求項6の何れか一項に記載の波面収差測定方法において、
    前記フォーカス成分を変化させるために、
    前記強度分布の検出面を光軸方向に移動させる
    ことを特徴とする波面収差測定方法。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の波面収差測定方法において、
    前記検出及び前記位相回復演算を、方向の異なる複数の前記孤立線像の各々について行う
    ことを特徴とする波面収差測定方法。
  9. 物体側のパターンを像側へ投影する投影光学系と、
    前記投影光学系の波面収差を既知の量ずつ変化させる機構と、
    前記投影光学系による孤立線像の強度分布を検出する検出器と、
    前記波面収差の変化中に検出された複数の前記強度分布で位相回復演算を行い、前記投影光学系に固有の波面収差情報を取得する演算手段と
    を備えたことを特徴とする投影露光装置。
  10. 請求項9に記載の投影露光装置において、
    前記機構は、
    前記波面収差のフォーカス成分を既知の量ずつ変化させることが可能である
    ことを特徴とする投影露光装置。
  11. 請求項10に記載の投影露光装置において、
    前記機構は、
    前記波面収差のフォーカス成分と回転対称成分との組み合わせを既知の量ずつ変化させることが可能である
    ことを特徴とする投影露光装置。
  12. 請求項11に記載の投影露光装置において、
    前記機構は、
    前記回転対称成分を変化させるために、前記孤立線像の原板と前記投影光学系との間隔を変化させる
    ことを特徴とする投影露光装置。
  13. 請求項11に記載の投影露光装置において、
    前記機構は、
    前記回転対称成分を変化させるために、前記投影光学系内の一部のエレメントを光軸方向に移動させる
    ことを特徴とする投影露光装置。
  14. 請求項11に記載の投影露光装置において、
    前記機構は、
    前記回転対称成分を変化させるために、前記検出器と前記投影光学系との間に、所定屈折率の平行平面板を挿入するとともに、その厚さを変化させる
    ことを特徴とする投影露光装置。
  15. 請求項9〜請求項14の何れか一項に記載の投影露光装置において、
    前記機構は、
    前記フォーカス成分を変化させるために、
    前記検出器を光軸方向に移動させる
    ことを特徴とする投影露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9494483B2 (en) 2012-03-23 2016-11-15 Carl Zeiss Smt Gmbh Measuring system for measuring an imaging quality of an EUV lens

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