JP2006301524A - 保護膜形成用材料およびこれを用いたレジストパターン形成方法 - Google Patents

保護膜形成用材料およびこれを用いたレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液浸露光プロセスにおいて、水を始めとした各種液浸露光用液体による液浸露光中のレジスト膜の変質および液浸露光用液体自体の変質を同時に防止し、かつ処理工程数の増加をきたすことなく、レジスト膜の引き置き耐性を向上させることができるレジスト保護膜形成用材料を提供する。
【解決手段】水またはアルカリに可溶性のポリマー成分、およびフッ素原子含有アルコールを少なくとも含有させて保護膜形成用材料を構成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、レジスト膜上層の保護膜を形成するのに好適な保護膜形成材料およびこれを用いたレジストパターン形成方法に関するものである。本発明は、特に、液浸露光(Liquid Immersion Lithography)プロセス(リソグラフィー露光光がレジスト膜に到達する経路に空気より屈折率が高くかつ前記レジスト膜よりも屈折率が低い液体(以下、「液浸露光用液体」という。)を介在させた状態で前記レジスト膜を露光することによってレジストパターンを得る構成の露光プロセス)に用いて好適な保護膜形成用材料、およびこれを用いたレジストパターン形成方法に関するものである。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイスにおける微細構造の製造には、リソグラフィー法が多用されているが、デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるレジストパターンの微細化が要求されている。
現在では、リソグラフィー法により、例えば、最先端の領域では、線幅が90nm程度の微細なレジストパターンを形成することが可能となっているが、今後はさらに微細なパターン形成が要求される。
このような90nmより微細なパターン形成を達成させるためには、露光装置とそれに対応するレジストの開発が第1のポイントとなる。露光装置においては、F2エキシマレーザー、EUV(極端紫外光)、電子線、X線、軟X線等の光源波長の短波長化やレンズの開口数(NA)の増大等が開発ポイントとしては一般的である。
しかしながら、光源波長の短波長化は高額な新たな露光装置が必要となる。また、高NA化では、解像度と焦点深度幅がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げても焦点深度幅が低下するという問題がある。
最近、このような問題を解決可能とするリソグラフィー技術として、液浸露光(リキッドイマージョンリソグラフィー)法という方法が報告されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。この方法は、露光時に、レンズと基板上のレジスト膜との間に液浸露光用液体を介在させるというものである。この方法では、従来は空気や窒素等の不活性ガスであった露光光路空間を屈折率(n)のより大きい液体、例えば純水等で置換することにより、同じ露光波長の光源を用いてもより短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様に、高解像性が達成されると同時に焦点深度幅の低下もない。
このような液浸露光プロセスを用いれば、現存の装置に実装されているレンズを用いて、低コストで、より高解像性に優れ、かつ焦点深度にも優れるレジストパターンの形成を実現できるため、大変注目されている。
しかしながら、このような液浸露光プロセスでは、レジスト膜の上層に、純水またはフッ素系不活性液体等の液浸露光用液体を介在させることから、当然ながら、前記液浸露光用液体による液浸露光中のレジスト膜への変質、およびレジスト膜からの溶出成分による前記液浸露光用液体自体の変質に伴う屈折率変動等が懸念される。
このような液浸露光プロセスであっても、従来のリソグラフィー法において用いられてきた材料系をそのまま転用可能な場合はあるが、レンズとレジスト膜との間に前記液浸露光用液体を介在させるという露光環境の違いから、前記従来のリソグラフィー法とは異なった材料系を使用することが提案されている。
このような中で、上述の、液浸露光中の液浸露光用液体によるレジスト膜の変質、および液浸露光用液体自体の変質に伴う屈折率変動を同時に防止することを目的とした手段として、フッ素含有樹脂を用いた保護膜形成用材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ところが、このような保護膜形成用材料を用いた場合には、前記目的は達成し得るものの、特殊な洗浄用溶剤や塗布装置が必要であることや、保護膜を除去する工程が増えるなどの歩留まり上の問題が発生する。
さらに、最近では水に不溶でかつアルカリに可溶なポリマーを、レジスト上層の保護膜として使用するプロセスが注目されているが、この種の保護膜形成用材料に対しては、前記液浸露光中の液浸露光用液体によるレジスト膜への変質、および液浸露光用液体自体の変質に伴う屈折率変動を極力抑制し得る特性が必要とされている。
Journal of Vacuum Science & Technology B(ジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジー)(J.Vac.Sci.Technol.B)((発行国)アメリカ)、1999年、第17巻、6号、3306−3309頁 Journal of Vacuum Science & Technology B(ジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジー)(J.Vac.Sci.Technol.B)((発行国)アメリカ)、2001年、第19巻、6号、2353−2356頁 Proceedings of SPIE Vol.4691(プロシーディングスオブエスピーアイイ((発行国)アメリカ)2002年、第4691巻、459−465頁 WO2004/074937号公報
本発明は、上記問題に鑑み、アルカリに可溶であり、かつ液浸露光中の液浸露光用液体によるレジスト膜への変質、および液浸露光用液体自体の変質に伴う屈折率変動を極力抑制し得る保護膜形成材料を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る保護膜形成用材料は、レジスト膜上層の保護膜を形成するための保護膜形成材料であって、水またはアルカリに可溶なポリマー成分およびフッ素原子含有アルコールを含有することを特徴とする。
さらに、本発明に係るレジストパターン形成方法は、液浸露光プロセスを用いたレジストパターン形成方法であって、基板上にレジスト膜を形成し、前記レジスト膜の上に、前記保護膜形成材料を用いて保護膜を形成し、前記レジスト膜と保護膜とが積層された前記基板上に前記液浸露光用液体を配置し、前記液浸露光用液体および前記保護膜を介して所定の露光光を前記レジスト膜に照射し、必要に応じて加熱処理を行い、アルカリ現像液を用いて前記保護膜とレジスト膜とを洗浄することにより前記保護膜を除去すると同時にレジスト膜を現像し、レジストパターンを得ることを特徴とする。
本発明にかかる保護膜形成用材料は、レジスト膜の上に直接形成することができ、パターン露光を阻害することがない。そして、本発明のレジスト保護膜形成用材料は、換言すれば、扱い容易で、屈折率特性も良好で、液浸露光用液体用いた液浸露光プロセスであっても、様々な組成のレジスト膜を十分に保護し、良好な特性のレジストパターンを得ることを可能にする。
さらに、本発明にかかる保護膜形成材料は、露光が完了し、現像処理を行う段階になっても、形成した保護膜を現像処理前にレジスト膜から除去する必要がない。すなわち、本発明の保護膜形成材料を用いて得られた保護膜は、露光後の現像工程前にレジスト保護膜除去工程を設ける必要がなく、レジスト膜のアルカリ現像液による現像処理を、レジスト保護膜を残したまま行なうことができ、それによって保護膜の除去とレジスト膜の現像とが同時に実現できる。したがって、本発明の保護膜形成用材料を用いて行うパターン形成方法は、パターン特性の良好なレジスト膜の形成を、環境汚染性が極めて低く、かつ工程数を低減して効率的に行うことができる。
また、本発明のレジスト保護膜形成材料の特徴は、フッ素原子含有アルコールを含有することにある。このようなフッ素原子含有アルコールを採用することによって、レジスト膜に対する溶解性の抑制、塗膜性の向上、残存溶剤量の抑制、さらには樹脂の配向性の制御による極性化が可能となる。
さらに、本発明では環境アミン耐性をより向上させるために、酸性成分を添加することが好ましい。そのような酸性成分としては、後述の特定の炭化フッ素化合物を用いることが好ましい。この特定の炭化フッ素化合物の添加により、保護膜形成材料を塗液し、レジスト膜上に塗布する場合の塗布性が向上するという効果も得られる。そして、前述のように、この特定の炭化フッ素化合物を添加した保護膜を用いた場合、レジスト膜をパターン露光した後の環境アミン耐性をより一層向上させることができる。
このように、保護膜形成材料に酸性成分として後述の特定の炭化フッ素化合物を添加しておくことにより、露光後のレジスト膜をアミンの作用から保護する優れた特性を付与することができる。
また、本発明の保護膜に求められる特性として、前述のように、水またはアルカリに可溶であることが必要であり、さらには露光光に対して透明で、レジスト膜との間でミキシングを生じず、レジスト膜への密着性がよく、かつ現像液に対する溶解性が良く、緻密で環境アミンの透過を防止し得ることである。そのような特性を具備する保護膜を形成可能な保護膜形成用材料としては、水またはアルカリに可溶なポリマー、およびフッ素含有アルコールを含有する保護膜形成用材料である。
〔I〕ポリマー成分
本発明のレジスト保護膜のベースポリマーに好適な「水またはアルカリに可溶なポリマー」としては、次のようなフッ素ポリマーを挙げることができる。すなわち、このフッ素ポリマーは、(X−1)フッ素原子またはフッ素化アルキル基および(X−2)アルコール性水酸基またはオキシアルキル基を共に有する脂肪族環式基を含む非水溶性かつアルカリ可溶性の構成単位(X)を含んでなる重合体の概念の中に含まれる以下のような構成単位を有するものが好適である。
すなわち、構成単位(X)において、(X−1)フッ素原子またはフッ素化アルキル基および(X−2)アルコール性水酸基またはアルキルオキシ基が、脂肪族環式構造上にそれぞれ結合し、該環式構造がさらに主鎖を構成しているものである。該(X−1)フッ素原子またはフッ素化アルキル基としては、フッ素原子または低級アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。具体的には、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基などが挙げられるが、工業的には、フッ素原子やトリフルオロメチル基が好ましい。また、(X−2)アルコール性水酸基またはアルキルオキシ基としては、単にヒドロキシル基であり、アルキルオキシ基とは鎖状、分岐状、または環状の炭素数1〜15のアルキルオキシアルキル基、またはアルキルオキシ基である。
このような単位を有する本発明の保護膜のベースポリマーは、水酸基とフッ素原子を有するジエン化合物の環化重合により形成される。該ジエン化合物としては、透明性、耐ドライエッチング性に優れる5員環や6員環を有する重合体を形成しやすいヘプタジエンが好ましく、さらには、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシ−1,6−ヘプタジエン(CF2=CFCF2C(CF3)(OH)CH2CH=CH2)の環化重合により形成されるポリマーが工業上最も好ましい。
以下に、前記ポリマーを表す一般式(3)を示す。
Figure 2006301524
一般式(3)中、R1は水素原子または鎖状、分岐状、あるいは環状のC1〜C15のアルキルオキシ基、またはアルキルオキシアルキル基であり、x、yはそれぞれ0〜100モル%である。
このようなポリマーは、公知の方法によって合成可能である。また、該ポリマー成分の樹脂のGPCによるポリスチレン換算質量平均分子量は、特に限定するものではないが5000〜80000、さらに好ましくは8000〜50000とされる。
本発明の保護膜形成材料のベースポリマーとして好適な「水またはアルカリに可溶なポリマー」としては、上記以外に下記のようなアクリル系ポリマーを挙げることができる。
本発明に用いることができるアクリル系ポリマーは、その構成単位として少なくとも下記一般式(6)で示される構成単位を有するポリマーである。
Figure 2006301524
(式中、R2は水素原子、メチル基、あるいは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基である。)
本発明に用いられるアクリル系ポリマーは、前記一般式(6)で表される構成単位に加えて、さらに下記一般式(7)で示される構成単位を有していてもよい。本構成単位を有することにより、レジスト保護膜と液浸露光用液体との接触角を向上させることができる。
Figure 2006301524
(式中、R2は水素原子、メチル基、あるいは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基であり、R3は少なくとも1以上の脂環構造を有する炭化水素基である。)
前記一般式(7)で表される構成単位は、下記一般式(8)で示される構成単位、および下記一般式(9)で示される構成単位の2種の構成単位から構成されるものが好ましい。
Figure 2006301524
(式中、R2は水素原子、メチル基、あるいは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基であり、R3aは多環式炭化水素基である。)
Figure 2006301524
(式中、R2は水素原子、メチル基、あるいは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基であり、R3bは単環式炭化水素基である。)
前記R3aは、水酸基置換あるいは非置換のジシクロペンタニル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデシル基、およびテトラシクロドデシル基の中から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基であることが好ましい。
前記R3bは、トリシクロデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロヘプチル基の中から選ばれる少なくとも1種の炭化水素基であることが好ましい。
本発明に用いられるアクリル系ポリマーは、前記一般式(7)で表される構成単位に加えて、さらに下記一般式(10)で示される構成単位を有していてもよい。本構成単位を有することにより、塗膜性を向上させることができる。
Figure 2006301524
(式中、R2は水素原子、メチル基、あるいは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基であり、R4は炭素数1〜10の置換もしくは非置換の分岐もしくは直鎖アルキル基である。)
前記R4は、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、および2−エチルヘキシル基の中から選ばれる少なくとも1種の基であることが好ましい。
このようなアクリルポリマーとして、さらに具体的には下記一般式(11)で示される構成単位を有するポリマーである。
Figure 2006301524
一般式(11)中、k、la、lb、mは各構成単位の含有モル%を示すもので、それぞれ5〜50モル%である。
前記一般式(11)に示す構成単位のうち、kモル%を占める左端のアクリル構成単位は、本アクリル系ポリマーの主にアルカリ可溶性に寄与する成分である。また、それぞれlaモル%およびlbモル%を占める中央の二種の脂環構造を有する構成単位は、本アクリル系ポリマーの主に接触角に寄与する成分である。また、mモル%を占める右端の構成単位は、本アクリル系ポリマーの主に塗膜性に寄与する成分である。従って、本発明では、アルカリ可溶性寄与成分のkモル%と、接触角寄与成分のl(la+lb)モル%と、塗布性寄与成分のmモル%とを、適宜に制御することにより、使用条件に最適化した保護膜材料を得ることができる。使用条件により若干の変動が考えられるが、k=5〜90モル%、l(=la+lb)=5〜90モル%、m=5〜90モル%が好適な構成比である。
このようなポリマーは、公知の方法によって、合成できる。また、該重合体成分の樹脂のGPCによるポリスチレン換算質量平均分子量は、特に限定するものではないが3000〜50000とされる。
前記ポリマーは、後述するフッ素原子含有アルコールに可溶であり、スピンコーターにより成膜可能であり、液浸露光に必要十分な時間内において純水に対して膨潤も膜減りも生じず、かつアルカリ現像液に可溶である。すなわち、液浸露光用のレジスト保護膜形成用材料として高い適性を有する。しかも、このポリマーは、193nm波長光を透過させた場合の屈折率が1.6655(吸収係数=0.0016)と高い屈折率を有する。
前記ポリマーの配合量は、保護膜形成材料中0.1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
また、前記アクリルポリマーを用いて形成した膜は、適度な接触角を有するに至る。液浸露光用の保護膜に必要とされる追加的特性には、液浸露光用液体に対する接触角が所定の値を持っていることが必要であると考えられる。というのは、保護膜上に液浸露光用液体を置く場合に接触角が高すぎると、液浸露光用液体がはじかれるため、液浸露光用液体の物理的安定性が損なわれるからである。逆に接触角が低くなると、保護膜上の液浸露光用液体の付着量が多くなり、液浸露光処理が済んだ後の洗浄に時間がかかるばかりでなく、液浸露光用液体の系外への不必要な排出(以下、「媒体漏れ」と記す)が生じることになり、経済的でないからである。
さらに、液浸露光プロセスにおいて、液浸露光用液体として水を使用した場合、水に対して不溶で、かつアルカリに対して可溶なポリマーであることが好ましい。
〔II〕フッ素原子含有アルコール
本発明のレジスト保護膜形成用材料は、前記「水またはアルカリに可溶なポリマー」を溶解する溶剤としてフッ素原子含有アルコールを含有する。本発明に用いられるフッ素原子含有アルコールは、レジスト膜と相溶性を有さず、前記ポリマーを溶解し得る。
本発明に用いられるフッ素原子含有アルコールとしては、該フッ素原子含有アルコール分子中に含まれる水素原子の数よりもフッ素原子の数が多いものが好ましい。
また、フッ素原子含有アルコールの炭素数は4以上12以下であることが好ましい。
上述した2つの条件を満たすフッ素含有アルコールとしては、例えば、下記化学式(1)
49CH2CH2OH (1)
で表されるアルコール、および/または下記化学式(2)
37CH2OH (2)
で表されるアルコールが好ましい。
また、レジスト膜と相溶性を有さず、前記ポリマーを溶解し得る溶剤であればフッ素含有アルコールの作用を妨げない限りにおいて使用することができる。このような溶剤としては単なるアルコール系溶剤、パラフィン系溶剤、フッ素系溶剤等が挙げられる。アルコール系溶剤としては、イソプロピルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等の慣用のアルコール系溶剤が使用可能であり、特に2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノールが好適である。パラフィン系溶剤としてはn−ヘプタン、フッ素系溶剤としてはパーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフランが使用可能であることが確認されている。
〔III〕架橋剤
本発明のレジスト保護膜形成用材料は、架橋剤を含んでいても良い。
本発明に用いられる架橋剤としては、前記溶剤に可溶な架橋剤であれば、特に限定されない。中でも、ヒドロキシアルキル基および/またはアルコキシアルキル基で置換されたアミノ基および/またはイミノ基を有する含窒素化合物を好適に使用することができる。
前記含窒素化合物としては、メラミン誘導体、グアナミン誘導体、グリコールウリル誘導体、スクシニルアミド誘導体、および尿素誘導体の中から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
具体的には、これらの含窒素化合物は、例えば、上記メラミン系化合物、尿素系化合物、グアナミン系化合物、アセトグアナミン系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物、スクシニルアミド系化合物、エチレン尿素系化合物等を、沸騰水中においてホルマリンと反応させてメチロール化することにより、あるいはこれにさらに低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等と反応させてアルコキシル化することにより、得ることができる。
このような架橋剤としては、さらに好ましくは、テトラブトキシメチル化グリコールウリルが用いられる。
さらに、前記架橋剤としては、少なくとも1種の水酸基および/またはアルキルオキシ基で置換された炭化水素化合物とモノヒドロキシモノカルボン酸化合物との縮合反応物も好適に用いることができる。
前記モノヒドロキシモノカルボン酸としては、水酸基とカルボキシル基が、同一の炭素原子、または隣接する二つの炭素原子のそれぞれに結合しているものが好ましい。
本発明のレジスト保護膜形成用材料は、さらに酸性成分を含んでいても良い。それは、液浸露光をした後、現像する前にレジスト膜が微量のアミンを含有する雰囲気中に引き置きされた場合、前記架橋剤による保護膜の緻密化によって物理的にアミンの影響を防止する特性に加えて、保護膜中の酸性成分が化学的にアミン悪影響を抑制することができる特性を有しているためである。また、保護膜形成用材料の成分として架橋剤と酸性成分とを同時使用すると、引き置き後の現像によって得られるレジストパターンには寸法に大きな狂いが生じなくなる。
前記酸性成分として好ましくは炭化フッ素化合物である。前記作用をもたらす炭化フッ素化合物を以下に示すが、これら炭化フッ素化合物は、重要新規利用規則(SNUR)の対象となっておらず、使用可能な化学物質である。
かかる炭化フッ素化合物としては、下記一般式(12)
(Cn2n+1SO22NH (12)
(式中、nは、1〜5の整数である。)
で示される炭化フッ素化合物と、下記一般式(13)
z2z+1COOH (13)
(式中、zは、10〜15の整数である。)
で示される炭化フッ素化合物と、下記一般式(14)で示される炭化フッ素化合物と、下記一般式(15)で示される炭化フッ素化合物とが、好適である。
Figure 2006301524
(式中、oは、2〜3の整数である。)
Figure 2006301524
(式中、pは、2〜3の整数であり、Rfは1部もしくは全部がフッ素原子により置換されているアルキル基であり、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基により置換されていてもよい。)
前記一般式(12)で示される炭化フッ素化合物としては、具体的には、下記化学式(16)
(C49SO22NH (16)
で表される化合物、または下記化学式(17)
(C37SO22NH (17)
で表される炭化フッ素化合物が好適である。
また、前記一般式(13)で示される炭化フッ素化合物としては、具体的には、下記化学式(18)
1021COOH (18)
で表される炭化フッ素化合物が好適である。
また、前記一般式(14)で示される炭化フッ素化合物としては、具体的には、下記化学式(19)で表される炭化フッ素化合物が好適である。
Figure 2006301524
前記一般式(15)で示される炭化フッ素化合物としては、具体的には、下記化学式(20)で表される炭化フッ素化合物が好適である。
Figure 2006301524
前記架橋剤の配合量は、フッ素含有アルコールの配合量の0〜10質量%が好ましい。
〔IV〕レジスト膜材料
本発明のレジスト保護膜形成用材料から得られる保護膜は、非水溶性であり、しかも他の液浸露光用液体にも耐性が高いので、液浸露光用液体に耐性の低いレジスト膜を含めてあらゆる組成のレジスト膜に適用可能である。したがって、前記レジスト膜の材料としては、公知のレジスト材料のいずれもが使用可能であり、慣用のポジ型レジスト材料、ネガ型レジスト材料を使用することができる。
〔V〕レジストパターン形成方法
次に、本発明のレジスト保護膜形成用材料を用いた液浸露光法によるレジストパターン形成方法について説明する。
まず、シリコンウェーハ等の基板上に、慣用のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベーク(PAB処理)を行う。なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けて2層積層体とすることもできる。
ここまでの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用するレジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
次に、前記のようにして形成されたレジスト膜の表面に、例えば、上記化学式(5)で表されるアルカリ可溶性樹脂を、C49CH2CH2OHで溶解して得られた本発明にかかるレジスト保護膜形成材料を均一に塗布し、形成することによって保護膜を形成する。
このようにしてレジスト保護膜により覆われたレジスト膜が形成された基板を、液浸露光用液体中に浸漬する。
この浸漬状態のレジスト膜に対して、所望のマスクパターンを介して選択的に露光を行う。したがって、このとき露光光は液浸露光用液体と保護膜とを通過してレジスト膜に到達することになる。
このとき、レジスト膜は保護膜によって、純水などの液浸露光用液体から完全に遮断されており、液浸露光用液体の侵襲を受けて膨潤等の変質を被ることも、逆に液浸露光用液体(純水、脱イオン水、もしくはフッ素系溶剤など)中に成分を溶出させて液浸露光用液体自体の屈折率等の光学的特性を変質させることもない。
この場合の露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、電子線、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。
前記のように、本発明のレジストパターン形成方法においては、露光時に、レジスト膜上に、レジスト保護膜を介して液浸露光用液体を介在させる。このような液浸露光用液体としては、例えば、水(純水、脱イオン水)、またはフッ素系不活性液体等が挙げられる。該フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl25、C49OCH3、C49OC25、C537等のフッ素系化合物を主成分とする液体が挙げられる。これらのうち、コスト、安全性、環境問題及び汎用性の観点からは、水(純水もしくは脱イオン水)を用いることが好ましいが、157nmの波長の露光光を用いた場合は、露光光の吸収が少ないという観点から、フッ素系溶剤を用いることが好ましい。
また、使用する液浸露光用液体の屈折率としては、「空気の屈折率よりも大きくかつ使用されるレジスト組成物の屈折率よりも小さい」範囲内であれば、特に制限されない。
前記液浸状態での露光工程が完了したら、基板を液浸露光用液体から取り出し、基板から液体を除去する。
次いで、露光したレジスト膜上にレジスト保護膜を付けたまま、前記レジスト膜に対してPEB(露光後加熱)を行い、続いて、アルカリ性水溶液からなるアルカリ現像液を用いて現像処理を行なう。この現像処理に使用される現像液はアルカリ性であるので、まず、保護膜が溶かし流され、引き続いて、レジスト膜の可溶部分が溶かし流される。なお、現像処理に続いてポストベークを行っても良い。そして、好ましくは純水を用いてリンスを行う。この水リンスは、例えば、基板を回転させながら基板表面に水を滴下または噴霧して、基板上の現像液および該現像液によって溶解したレジスト保護膜成分とレジスト組成物を洗い流す。そして、乾燥を行うことにより、レジスト膜がマスクパターンに応じた形状にパターニングされたレジストパターンが得られる。このように本発明では、単回の現像工程により保護膜の除去とレジスト膜の現像とが同時に実現される。なお、本発明のレジスト保護膜形成用材料により形成された保護膜は、前記露光完了後の撥水性が高められているので、液浸露光用液体の離れが良く、液浸露光用液体の付着量が少なく、いわゆる液浸露光用液体漏れが少なくなる。
このようにしてレジストパターンを形成することにより、微細な線幅のレジストパターン、特にピッチが小さいラインアンドスペースパターンを良好な解像度により製造することができる。なお、ここで、ラインアンドスペースパターンにおけるピッチとは、パターンの線幅方向における、レジストパターン幅とスペース幅の合計の距離をいう。
以下、本発明の実施例を示し、本発明について更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(レジスト組成物の調整)
下記の樹脂成分、酸発生剤、および含窒素有機化合物を有機溶剤に均一に溶解し、レジスト組成物を調整した。
樹脂成分としては、下記化学式(21)に示した構成単位からなる共重合体100質量部を用いた。樹脂成分の調製に用いた各構成単位a,b,cの比は、a=20モル%、b=40モル%、c=40モル%とした。
Figure 2006301524
前記酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート2.0質量部と、トリ(tertブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート0.8質量部を用いた。
また、前記有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合溶剤(混合比6:4)の7.0%濃度水溶液を用いた。また、前記含窒素有機化合物としては、トリエタノールアミン0.25質量部を用いた。さらに、添加剤としてγ−ブチロラクトン25質量部を配合した。
(レジスト膜の形成)
前記のようにして製造したレジスト組成物を用いて、レジスト膜の形成を行った。まず、有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、Brewer社製)を、スピナーを用いてシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、この反射防止膜上に、前記レジスト組成物を、スピナーを用いて塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、反射防止膜上に膜厚225nmのレジスト膜を形成した。
(実施例1)
上記化学式(4)で表されるアルカリ可溶性樹脂を、C49CH2CH2OHで溶解し、固形分質量濃度を2.0%とした保護膜形成用材料を得た。
上記保護膜形成用材料の調製において、上記フッ素原子含有アルコールによる上記アルカリ可溶性樹脂の溶解性を目視にて確認した。その結果、下記表1に示すように上記アルカリ可溶性樹脂は完全溶解した。
次いで、得られたレジスト保護膜形成用材料を上記レジスト膜上にスピンコーターを用いて1200rpmのコート条件で塗布した。ここで、レジスト保護膜形成用材料の塗布性を検討した。その結果、下記表1に示すように塗布性は良好であった。
上記レジスト保護膜形成用材料の塗布後、90℃にて60秒間加熱し、下記表1に示す膜厚のレジスト保護膜を形成した。得られたレジスト保護膜を水で120秒間リンスし、リンス前後の膜厚を測定することにより、水に対する耐性を検討した。その結果、下記表1に示すように、リンス前後では膜厚はほとんど変化無く、水に対する耐性が確認された。
次に、23.5℃のアルカリ現像液(2.38%濃度のTMAH)に浸漬した場合の上記保護膜の溶解速度(膜厚換算:nm/秒)を測定した。その結果、現像液に対し3nm/秒を超える溶解性を示した。
Figure 2006301524
(実施例2)
上記化学式(5)で表されるアルカリ可溶性樹脂を、C49CH2CH2OHで溶解し、固形分質量濃度を2.0%とした保護膜形成用材料を得た。
上記レジスト保護膜形成用材料の調製において、上記フッ素含有アルコールによる上記アルカリ可溶性樹脂の溶解性を目視にて確認した。その結果、上記表1に示すように上記アルカリ可溶性樹脂は完全溶解した。
次いで、得られたレジスト保護膜形成用材料を上記レジスト膜上にスピンコーターを用いて1200rpmのコート条件で塗布した。ここで、レジスト保護膜形成用材料の塗布性を検討した。その結果、上記表1に示すように塗布性は良好であった。
上記レジスト保護膜形成用材料の塗布後、90℃にて60秒間加熱し、上記表1に示す膜厚のレジスト保護膜を形成した。得られたレジスト保護膜を水で120秒間リンスし、リンス前後の膜厚を測定することにより、水に対する耐性を検討した。その結果、上記表1に示すように、リンス前後では膜厚はほとんど変化無く、水に対する耐性が確認された。
次に、23.5℃のアルカリ現像液(2.38%濃度のTMAH)に浸漬した場合の上記レジスト保護膜の溶解速度(膜厚換算:nm/秒)を測定した。その結果、現像液に対し3nm/秒を超える溶解性を示した。
(実施例3)
上記一般式(11)で表されるアルカリ可溶性樹脂(式中k,la,lb,mの比は、k=30モル%、la=20モル%、lb=10モル%、m=40モル%)を、C49CH2CH2OHで溶解し、固形分質量濃度を2.0%とした保護膜形成用材料を得た。
上記レジスト保護膜形成用材料の調製において、上記フッ素含有アルコールによる上記アルカリ可溶性樹脂の溶解性を目視にて確認した。その結果、上記表1に示すように上記アルカリ可溶性樹脂は完全溶解した。
次いで、得られたレジスト保護膜形成用材料を上記レジスト膜上にスピンコーターを用いて1200rpmのコート条件で塗布した。ここで、レジスト保護膜形成用材料の塗布性を検討した。その結果、上記表1に示すように塗布性は良好であった。
上記レジスト保護膜形成用材料の塗布後、90℃にて60秒間加熱し、上記表1に示す膜厚のレジスト保護膜を形成した。得られたレジスト保護膜を水で120秒間リンスし、リンス前後の膜厚を測定することにより、水に対する耐性を検討した。その結果、上記表1に示すように、リンス前後では膜厚はほとんど変化無く、水に対する耐性が確認された。
次に、23.5℃のアルカリ現像液(2.38%濃度のTMAH)に浸漬した場合の上記レジスト保護膜の溶解速度(膜厚換算:nm/秒)を測定した。その結果、現像液に対し3nm/秒を超える溶解性を示した。
(実施例4〜6)
フッ素原子含有アルコールとしてC49CH2CH2OHの代わりにC37CH2OHを用いた以外は上記と同様にして試験を行なった。なお、アルカリ可溶性樹脂として実施例1と同様の樹脂を用いたものを実施例4とし、実施例2と同様の樹脂を用いたものを実施例5とし、実施例3の樹脂と同様の樹脂を用いたものを実施例6とした。
その結果、実施例4〜6全てアルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布性、水に対する耐性が良好であった。また、全て現像液に対し3nm/秒を超える溶解性を示した。
(実施例7〜9)
実施例1〜3で用いた保護膜形成用材料を前記レジスト膜上に塗布後、90℃にて60秒間加熱し、膜厚70nmの保護膜を形成した。なお、実施例1で用いた保護膜形成用材料から得られた保護膜を実施例7とし、実施例2で用いた保護膜形成用材料から得られた保護膜を実施例8とし、実施例3で用いた保護膜形成用材料から得られた保護膜を実施例9とした。
次に、マスクパターンを介して、露光装置Nikon−S302A(ニコン社製)により、ArFエキシマレーザー(波長193nm)を用いて、パターン光を照射(露光)した。そして、液浸露光処理として、該露光後のレジスト膜およびレジスト保護膜を設けたシリコンウェーハを回転させながら、レジスト保護膜上に23℃にて純水を2分間滴下し続けた。この部分の工程は、実際の製造プロセスでは、完全浸漬状態にて露光する工程であるが、先にレジスト膜を露光しておき、液浸露光用液体のレジスト膜およびレジスト保護膜への影響のみを評価できるように、露光後に液浸露光用液体である純水をレジスト膜およびレジスト保護膜に負荷させるという簡略的な構成としている。
前記純水の滴下工程の後、115℃、90秒間の条件でPEB処理した。次いで、保護膜を残したまま、23℃にてアルカリ現像液で60秒間現像した。アルカリ現像液としては、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた。この現像工程により、実施例7〜9の保護膜が完全に除去され、レジスト膜の現像も良好に実現できた。
このようにして得た300nmのラインアンドスペースが1:2となるレジストパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、このパターンプロファイルは良好な矩形形状であり、ドライな工程で得られたレジストパターンと遜色なかった。
以上説明したように、本発明によれば、慣用のどのようなレジスト組成物を用いてレジスト膜を構成しても、液浸露光工程においていかなる液浸露光用液体を用いても、特に水やフッ素系媒体を用いた場合であっても、レジストパターンがT−トップ形状となるなどレジストパターンの表面の荒れがなく、感度が高く、レジストパターンプロファイル形状に優れ、かつ焦点深度幅や露光余裕度が良好である、精度の高いレジストパターンを得ることができる。また、膜質が緻密であり、環境アミン成分の透過を大幅に遮断することができ、レジスト膜の引き置き耐性を高めることができる。従って、本発明の保護膜を用いると、液浸露光プロセスを用いたレジストパターンの形成を効果的に行うことができる。

Claims (10)

  1. レジスト膜の上層保護膜を形成するための材料であって、水またはアルカリに可溶性のポリマー成分、及びフッ素原子含有アルコールを含有することを特徴とする保護膜形成用材料。
  2. 前記レジスト膜は、液浸露光プロセスに供するレジスト膜であることを特徴とする請求項1に記載の保護膜形成用材料。
  3. 前記フッ素原子含有アルコールは、該フッ素原子含有アルコール中に含まれる水素原子の数よりもフッ素原子の数が多いことを特徴とする請求項1または2に記載の保護膜形成用材料。
  4. 前記フッ素原子含有アルコールが炭素数4以上12以下のフッ素原子含有アルコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護膜形成用材料。
  5. 前記フッ素原子含有アルコールは、下記化学式(1)
    49CH2CH2OH (1)
    で表されるアルコール、および/または下記化学式(2)
    37CH2OH (2)
    で表されるアルコールであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレジスト保護膜形成用材料。
  6. さらに、架橋剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護膜形成用材料。
  7. さらに、酸性成分を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護膜形成用材料。
  8. 前記酸性成分は、炭化フッ素化合物であることを特徴とする請求項7に記載の保護膜形成用材料。
  9. 前記液浸露光プロセスは、リソグラフィー露光光がレジスト膜に到達するまでの経路に、空気より屈折率が大きくかつ前記レジスト膜よりも屈折率が小さい所定厚さの液浸露光用液体を介在させた状態で、前記レジスト膜を露光する構成であることを特徴とする請求項2に記載の保護膜形成用材料。
  10. 液浸露光プロセスを用いたレジストパターン形成方法であって、
    基板上にレジスト膜を形成し、
    前記レジスト膜の上に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の保護膜形成用材料を用いて保護膜を形成し、
    前記レジスト膜と前記保護膜とが積層された前記基板の少なくとも前記保護膜上に液浸露光用液体を配置し、
    前記液浸露光用液体および前記保護膜を介して前記レジスト膜に選択的に光を照射し、
    必要に応じて加熱処理を行い、
    アルカリ現像液を用いて前記保護膜と前記レジスト膜とを現像処理することにより前記保護膜を除去すると同時に、レジストパターンを得ることを特徴とするレジストパターン形成方法。
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