JP2006301512A - 電子写真装置用現像部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用現像部材であって、前記ポリオールには、ポリプロピレンポリオールと疎水性ポリオールとが混合された混合ポリオールが用いられていることを特徴とする電子写真装置用現像部材を提供する。
【選択図】 図2
Description
すなわち、従来の、ポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用現像部材においては、吸湿性を低下させることが困難であるという問題を有している。
なお、本明細書中における疎水性ポリオールとは、35℃、相対湿度70%の高温高湿環境下に24時間放置しても水分量が1000ppm以下となるものと意図しており、このポリオール中の水分量はカールフィッシャー法により測定することができる。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべく、ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用現像部材であって、前記ポリオールには、ポリプロピレンポリオールと疎水性ポリオールとが混合された混合ポリオールが用いられていることを特徴とする電子写真装置用現像部材を提供する。
したがって、電子写真装置用現像部材のポリウレタン弾性体に疎水性ポリオールを用いることができ、ポリウレタン弾性体の吸湿性を低下させ得る。
すなわち、吸湿性が抑制された電子写真装置用現像部材を提供し得る。
図1は、本実施形態の現像ローラーを示す斜視図である。
図2に示すように、本実施形態の現像ローラー1は、トナー8を担持して感光ドラム5に供給し得るように構成され、数mm〜十数mmの直径を有する芯金2と仕上がり外径十数mm〜数十mmの太さとなるように、該芯金2の外周に周設された基材層3と、トナー8等との摩擦によりトナー8を負帯電させ且つ負帯電したトナー8を担持すべく、この基材層3の表面に数μm〜数十μmの厚さに形成された表面層4を備えている。
前記カーボンブラックとしては、ライオン株式会社より市販されている「ケッチェンブラック」、CABOT社の「VULCAN」などの他、一般にアセチレンブラックと称される高導電性カーボンブラックが好適である。また、要すれば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックを用いることもできる。
なお、このOH基モルとは、JIS K 1557で求められる水酸基価を56,100で除して得られるポリオール1g中に含まれる水酸基のモル数とポリオールの質量とを積算することにより得られる値を意図しており、OH基モル%とは混合ポリオールに含有される総OH基モルに占める各ポリオールのOH基モルを百分率にて表したものを意図している。
このポリブタジエンポリオールとしては、出光興産社より商品名「ポリBD−R45HT」、「ポリBD−R15HT」として市販のものなどを用いることができ、ポリイソプレンポリオールとしては、出光興産社より商品名「ポリIP」として市販のものなどを用いることができる。さらに、前記アクリル系疎水性ポリオールとしては、綜研化学社より「アクトフローUT3001」、「アクトフローUT2001」として市販のものなどを用いることができる。
なお、これらの疎水性ポリオールの内、ポリブタジエンポリオールは、粘度が低く、ポリプロピレンポリオールとの混合が容易で、しかも、混合後の混合ポリオールの粘度も低下させることができ電子写真用現像部材の製造を容易なものとし得る点において好適である。
また、この高分子量ポリプロピレンポリオールと低分子量ポリプロピレンポリオールのいずれも末端エチレンオキサイド(EO)付加されていないものを用いる。
さらに、低分子量ポリエチレンポリオールには、平均官能基数が2〜3のものを用いる。
この高分子量ポリプロピレンポリオールと、低分子量ポリプロピレンポリオールとが上記のような混合割合とされることが好ましいのは、低分子量ポリプロピレンポリオールが10%よりも少ないOH基モル%で混合されている場合には、現像ローラーの基材層が好ましい研削加工性とならず、現像ローラーの寸法精度を高めるために多大な手間がかかるおそれを有し、逆に70%よりも多く低分子量ポリプロピレンポリオールが混合されている場合には、ポリウレタン弾性体の架橋密度が高くなりすぎて、現像ローラーに求められる柔軟性が得られないおそれがあるためである。
また、通常、架橋点は、分極が大きく吸湿を生じやすい点からも低分子量ポリプロピレンポリオールは、70%以下の割合で混合されていることが好ましい。
また、前記低分子量ポリプロピレンポリオールの分子量が400〜1000の範囲とされているのは、分子量が400未満の場合には、架橋点密度が高くなり現像ローラーに求められる柔軟性が得られないおそれがあるためである。一方、分子量が1000を超えている場合には、現像ローラーの基材層が好ましい研削加工性とならず、現像ローラーの寸法精度を高めるために多大な手間がかかるおそれがあるためである。
なお、本明細書中における分子量とは、下記のごとく測定した数平均分子量を意図している。
(数平均分子量の求め方)
数平均分子量(Mn)は、JIS K 1557により求められる水酸基価(OHv)により、次の式により求められる。
Mn=(56100/OHv)・fn
なお、式中のfnは、ポリオールの名目上の官能基数を表す。
なお、本明細書中における低分子量ポリプロピレンポリオールの平均官能基数とは、下記のごとく測定した平均官能基数を意図している。
(ポリオールの平均官能基数の求め方)
平均官能基数(F)は、JIS K 1557により求められる水酸基価(OHv)とポリオールの総不飽和度(USV)(meq/g)により、次の式により求められる。
F=(OHv/56.1)/〔{(OHv/56.1)−USV}/fn+USV〕
なお、式中のfnは、ポリオールの名目上の官能基数を表す。
また、前記ポリウレタン弾性体中における混合ポリオールに対するポリイソシアネートの配合割合は、NCO/OH=0.7〜1.2であることが好ましい。このNCO/OHが0.7〜1.2の範囲であることが好ましいのは、NCO/OHが0.7未満の場合には、ポリウレタン弾性体にベタツキが生じてしまうためである。一方、1.2を超えた場合には、反応時間が長くなり電子写真装置用現像部材の製造コストを増大させるおそれがあるためである。
この芯金には、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属及びその合金や、これらに、溶融めっき、電解めっき、無電解めっきなどの手段によるめっきを施して用いることができ、より詳しくは、強度、耐久性に優れるステンレス鋼に、さらに導電性と基材層との密着性を高めるために無電解ニッケルめっきを施したものを用いることができる。
なお、現像ローラーに担持されるトナー8の層は、現像ローラー近傍に配された現像ブレード6によって均一な薄層とされる。
また、本実施形態においては、吸湿性を抑制して寸法変化が発生するおそれを低減させることにより電子写真装置の印刷精度を向上させ得る点において、他の電子写真装置用現像部材に比べて、より顕著な効果が得られることから電子写真用現像部材として現像ローラーを例に説明したが、本発明においては、電子写真用現像部材が現像ローラーに限定されるものではなく、現像ブレード(図2、符号6参照)も本発明の意図する範囲内である。さらに、帯電ローラー、供給ローラー、転写ローラー、クリーニングローラーやクリーニングブレードといった種々の電子写真用現像部材に用いる場合も本発明の意図する範囲内である。
また、電子写真装置としても、これらの電子写真装置用現像部材を備えることにより、印刷精度に優れたものとなる。
(実施例1〜2、比較例1〜6)
(評価用ローラーの作製)
表1に示す配合の内、まず、疎水性ポリオールとポリプロピレンポリオールとを混合攪拌し混合ポリオールを作製した。なお、このとき、全ポリオール量に対して質量で1%となるようにカーボンブラック(ライオン社製、「ケッツェンEC」)を配合した。
次いで、この混合ポリオールにポリイソシアネートを表に示す配合量加え、さらに、混合ポリオールとポリイソシアネートとの総量に対して、質量で100ppmとなるようにジブチルスズラウレートを加え混合攪拌した。なお、表1のポリイソシアネートは、全て、NCO/OH=1.05となるよう配合量が決定されている。
このポリオールとポリイソシアネートとが混合されたものを、直径8mmの芯金に、ポリウレタン弾性体が5mm強の厚さとなるように金型に流し込み、130℃×1時間の架橋を実施した後に、金型より取り出し、さらに80℃×12時間のアフターキュアを実施し外径18.5mmのローラー形状とした。
このローラー形状の試料を200rpmで回転させつつ、2000rpmで回転させたローラー砥石(ノリタケカンパニー社製「#GC80」)を表面に当接させてウレタン弾性体厚さが5mmとなるまで研磨を行い外径18.0mmの評価用ローラーを作製した。なお、試料とローラー砥石の回転方向は、当接位置での移動方向が同一方向となるように回転させた。
出光興産社製「ポリBD−R45HT」(ポリブタジエンポリオール:OHv=45.4mgOH/g)
※ 疎水性ポリオール2:
綜研化学社製「アクトフローUT3001」(アクリルポリオール:OHv=76.0mgOH/g)
※ 高分子量ポリプロピレンポリオール1:
旭硝子社製「プレミノールS−X3003」(数平均分子量約3000:OHv=56mgOH/g)
※ 低分子量ポリプロピレンポリオール1:
住化バイエルウレタン社製「スミフェンTM」(数平均分子量約450:OHv=376mgOH/g)
※ 他ポリオール1:
クラレ社製「クラポールF3010」(3−メチル−1,5−ペンタンアジペートエステルポリオール:OHv=56.0mgOH/g)
※ 他ポリオール2:
ダイセル化学社製「プラクセル L330AL」(ポリカプロラクトンエステルポリオール:OHv=56.0mgOH/g)
※ ポリイソシアネート1:
住化バイエルウレタン社製「デスモジュールT−80」(トリレンジイソシアネート)
また、上記の実施例1、2では、疎水性ポリオールとポリプロピレンポリオールとのOH基モルの比率を60:40(疎水性ポリオール:高分子量ポリプロピレンポリオール:低分子量ポリプロピレンポリオール=60:24:16)としたが、これらの比率や低分子量ポリプロピレンポリオールの種類ならびにポリイソシアネートの種類を変えて評価用ローラーを作製した。
なお、ここでは、ポリオールやポリイソシアネートを表2に示す配合とした以外は、実施例1と同様に評価用ローラーを作製した。
また、表2中に示す疎水性ポリオール1、2、高分子量ポリプロピレンポリオール1、低分子量ポリプロピレンポリオール1およびポリイソシアネート1は、実施例1と同じものを用いている。
住化バイエルウレタン社製「スミフェンS429」(数平均分子量約670:OHv=250mgOH/g)
※ ポリイソシアネート2:
三井武田ケミカル社製「タケネートT500」(m−キシレンジイソシアネート)
(寸法変化)
各実施例、比較例により製造されたローラーの長手方向中央ならびに両端から10cm内側の計3箇所の表面に打点を行い、各打点位置で打点に対して正面から測定される状態となるようにレーザー外径測定器(キーエンス社製「LS−3100」)にセットし、ローラーの左右の端部間の距離を測定し、各打点の測定値の平均を求めローラー幅寸法とした。
次いで、この寸法測定後のローラーを50℃、相対湿度90%の状態で24時間保持する吸湿試験を実施し、先に測定した打点位置を再度測定して吸湿試験後のローラー幅寸法を測定した。
この吸湿試験後のローラー幅寸法と初期のローラー幅寸法との差を寸法変化量(単位:mm)として求めた。結果を表3に示す。
なお、比較例1乃至4のローラーは、ポリオールが分離して表面が均一なものとならなかったため寸法変化の測定は実施できなかった。
Claims (11)
- ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されたポリウレタン弾性体が備えられてなる電子写真装置用現像部材であって、
前記ポリオールには、ポリプロピレンポリオールと疎水性ポリオールとが混合された混合ポリオールが用いられていることを特徴とする電子写真装置用現像部材。 - 前記混合ポリオール中には、疎水性ポリオールがOH基モル%で25〜90%混合されている請求項1に記載の電子写真装置用現像部材。
- 前記疎水性ポリオールがアクリル系疎水性ポリオールである請求項1又は2に記載の電子写真装置用現像部材。
- 前記疎水性ポリオールがオレフィン系疎水性ポリオールである請求項1又は2に記載の電子写真装置用現像部材。
- 前記オレフィン系疎水性ポリオールがポリブタジエンポリオールである請求項4に記載の電子写真装置用現像部材。
- 芯金にポリウレタン弾性体が周設された電子写真装置用現像ローラーであって、
前記ポリウレタン弾性体が、ポリオールとポリイソシアネートとを用いて形成されてなり、前記ポリオールには、ポリプロピレンポリオールと疎水性ポリオールとが混合された混合ポリオールが用いられていることを特徴とする電子写真装置用現像ローラー。 - 前記混合ポリオール中には、疎水性ポリオールがOH基モル%で25〜90%混合されている請求項6に記載の電子写真装置用現像ローラー。
- 前記疎水性ポリオールがアクリル系疎水性ポリオールである請求項6又は7に記載の電子写真装置用現像ローラー。
- 前記疎水性ポリオールがオレフィン系疎水性ポリオールである請求項6又は7に記載の電子写真装置用現像ローラー。
- 前記オレフィン系疎水性ポリオールがポリブタジエンポリオールである請求項9に記載の電子写真装置用現像ローラー。
- 請求項6乃至10のいずれかに記載の電子写真装置用現像ローラーが用いられている電子写真装置。
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- 2005-04-25 JP JP2005126564A patent/JP2006301512A/ja active Pending
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