JP2006301478A - 画像形成用現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー坦持体(現像ローラ)のトナーリセット性(掻き取り性)とトルクの低減に優れると共に、トナーダメージが低減されることにより、印字枚数増加に際しても画像均一性に優れる画像形成用現像装置を提供する。
【解決手段】画像形成用現像装置は、トナー坦持体からなる画像形成用現像装置であって、該トナー坦持体が、金属ローラ芯体201と、該金属ローラ芯体表面が凸凹に粗面化処理されると共に該凸凹形状の芯体表面に設けられる動摩擦係数が0.5以下のセラミックス被覆層202とからなり、前記金属ローラ芯体表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )を凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )より薄くした。
【選択図】図1
【解決手段】画像形成用現像装置は、トナー坦持体からなる画像形成用現像装置であって、該トナー坦持体が、金属ローラ芯体201と、該金属ローラ芯体表面が凸凹に粗面化処理されると共に該凸凹形状の芯体表面に設けられる動摩擦係数が0.5以下のセラミックス被覆層202とからなり、前記金属ローラ芯体表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )を凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )より薄くした。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真方式又は静電記録方式等に使用されるローラ状トナー坦持体からなる画像形成用現像装置に関する。
電子写真方式にあっては、例えば静電潜像が形成されている感光体にトナー坦持体(現像ローラ)よりトナーが供給された後、転写工程において中間転写媒体を介するかまたは介さないで感光体上のトナー像が転写紙に転写され、定着工程において紙面に熱圧定着される。一成分現像方式においては、トナー坦持体は現像装置内においてその表面にトナーが供給され、また、供給されたトナーは層規制部材により薄く均一なトナー層とされて現像位置までトナーを搬送するもので、現像位置では、感光体と接触または非接触状態で、かつ、現像バイアスの存在下で感光体上の静電潜像を顕像化する。
このような一成分現像方式におけるトナー坦持体としては、その表面の材質は金属やゴム弾性体等とされているが、いずれにあってもトナー搬送性を良好にするために、その表面は故意に凸凹形状とされている。しかしながら、現像ローラ表面の凸凹部は、トナー搬送性の特性を発現する一方で、供給ローラとのニップ部におけるトナー掻き取り性を向上させようとすると摺擦摩擦が大きくなり、現像ローラのトルクが大きくなってしまう。このように現像ローラ表面のトナーリセット性(掻き取り性)とトルクの低減との関係はトレードオフの関係にある。また、このような現像ローラと供給ローラ間の摺擦摩擦が大きい場合、長期の使用においてトナーの劣化が大きく、画像均一性に影響するという問題もある。
従来、トナー坦持体の芯体表面に、表面に金属メッキされていないホウ化金属、炭化金属、窒化金属、酸化金属、カーボンブラック、固体潤滑性粒子等の導電性無機粉体を含有し、かつ、被覆層の表面には細かい凸凹を有する被覆層を電着塗装により形成し、体積抵抗率が10-3〜104 Ω・cmの現像スリーブとすることが記載され、固体潤滑材と共に導電性セラミックス粒子を含有する被覆層が提案(特許文献1)されているが、被覆層における凸凹は、含有させる無機粉体の粒径により形成されるものであり、無機粉体自体、一定の粒径分布を有することから、Rzの管理手段としては適切ではなく、現像ローラ表面のトナーリセット性(掻き取り性)に関しては問題があり、また、固体潤滑材の含有量が少なく、トルクの低減性も不十分である。
特許第3262467号公報
本発明は、トナー坦持体(現像ローラ)のトナーリセット性(掻き取り性)とトルクの低減に優れると共に、トナーダメージが低減されることにより、印字枚数増加に際しても画像均一性に優れる画像形成用現像装置の提供を課題とする。
本発明の画像形成用現像装置は、トナー坦持体からなる画像形成用現像装置であって、該トナー坦持体が、金属ローラ芯体と、該金属ローラ芯体表面が凸凹に粗面化処理されると共に該凸凹形状の芯体表面に設けられる動摩擦係数が0.5以下のセラミックス被覆層とからなり、前記金属ローラ芯体表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )を凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )より薄くしたことを特徴とする。
金属ローラ芯体表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )が1μm〜5μm、該凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )が3μm〜10μmとされ、かつ、t1 がt2 より2μm以上薄くされたことを特徴とする。
金属ローラ芯体における表面粗度(Rz)が7μm〜18μmであることを特徴とする。
セラミックス被覆層における表面粗度(Rz)が5μm〜15μmであることを特徴とする。
トナーの体積平均粒径が4.5μm〜9μmであり、平均円形度が0.95〜0.99であることを特徴とする。
トナーが、負帯電性トナーであって、トナー母粒子と少なくとも正極性外添粒子とからなる非磁性一成分トナーであることを特徴とする。
本発明の画像形成用現像装置は、金属ローラ芯体表面が凸凹に粗面化処理され、さらに、粗面化表面に高潤滑性のセラミックス被覆層を設けてトナー坦持体とするものであり、セラミックス被覆層を動摩擦係数が0.5以下のセラミックス被覆層とすると共に、金属ローラ芯体表面における凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )を凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )より厚くすることにより、セラミックス被覆表面のRzを所望の粗さに調整できると共に、供給ローラとの摺擦摩擦を低下させることができ、現像ローラのトルク低減を可能とするので、印字枚数増加時にあっても、トナーダメージがなく、画像均一性に優れるものとできる。また、画像均一性に優れるので、各色トナーの重ねに際して、色再現性に優れ、カラー画像形成用現像装置として適したものとできる。
また、表面が凸凹に形成された金属ローラ芯体をセラミックス被覆用塗液中に浸漬した後、金属ローラ芯体に付着したセラミックス被覆用塗液を回転による遠心力により除去するだけで、金属ローラ芯体表面における凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )を凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )より厚くすることができ、また、トナー坦持体表面をトナー搬送性に適した凸凹形状とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1(a)は、本発明の画像形成用現像装置におけるトナー坦持体(現像ローラ)において、芯体を金属ローラ201とする場合の断面図であり、金属ローラ201上にセラミックス被覆層202が被覆されている。金属ローラ201はアルミニウム、SUS、真鍮等の金属からなる厚みが0.5mm〜2mmで、外径が1cm〜5cmの円筒形状を有するものである。
図1(b)は、図1(a)のA部の拡大断面図であり、金属ローラ201の外表面はサンドブラスト処理、ローレット加工等の粗面化処理されることにより、その表面粗さ(Rz)が7μm〜18μmとされる。Rzが小さいとセラミックス被覆用塗液に浸漬した際にセラミックス被覆層表面の凸凹が十分に形成されず、また18μmより大きいとセラミックス被覆用塗液に浸漬した際に、凸凹上に残存するセラミックス被覆用塗液を乾燥させても、セラミックス被覆層表面における凸凹が大きく、トナー搬送性に問題を生じるものとなる。
図1(b)は、図1(a)のA部の拡大断面図であり、金属ローラ201の粗面上にセラミックス粒子を分散したセラミックス被覆層202を付着させた状態を示す。なお、セラミックス被覆層202を凹部中にのみ図示するが、凸部上にも薄膜状に存在するものであり、強調のため凸部表面におけるセラミックス被覆層は省略して図示されている。
次いで、粗面化された金属ローラ芯体201をセラミックス被覆用塗液中に浸漬させた後、セラミックス被覆用塗液から引上げ、乾燥前に回転による遠心力によりセラミックス被覆用塗液を除去するとよい。凹部中の塗液は毛細管現象による付着力により残存するため、金属ローラ芯体表面の凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )を凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )より薄く(t2 >t1 )成膜することができ、また、セラミックス被覆層表面の粗さを所望の粗さに調整することができる。
金属ローラ表面の凸部上におけるセラミックス被覆層の膜厚(t1 )としては1μm〜5μm、凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )は3μm〜10μmに成膜し、t1 をt2 より2μm以上薄く形成するとよい。
また、成膜されるセラミックス被覆層の表面粗度(Rz)は5μm〜15μm、凸凹のピッチを10μm〜50μmとするとよい。これにより、体積平均粒径が4.5μm〜9μmのトナー粒子の搬送性に優れるものとできる。
セラミックス被覆用塗液は、体積平均粒径が1μm以下、好ましくは0.05μm〜0.5μmの微粒子状に調整された窒化硼素(BN)、酸化亜鉛(ZnO2 )、グラファイト、MoS2 等の固体潤滑性を有するセラミックス粒子とカーボンブラック粒子とをナイロン等のバインダー樹脂と共にイソプロピルアルコール(IPA)中に溶解・懸濁させたものである。セラミックス粒子の粒径が1μmを越えると、セラミックス被覆層表面を均一な凸凹形状に形成することができない。また、溶解・懸濁液の粘度(B型粘度計、25℃)としては0.05Pa・s〜5Pa・sとするとよい。
セラミックス被覆層において固体潤滑性を発現するセラミックス粒子の含有量は、セラミックス被覆層における動摩擦係数が0.5以下、好ましくは0.35以下となるように含有させるとよく、セラミックス被覆層中8質量%〜30質量%とするとよい。また、セラミックス被覆層の比抵抗は1×10-6Ω・cm以下とするとよい。
次に、本発明で使用するトナーについて説明する。本発明におけるトナーは、非磁性一成分球形トナーとするとよく、トナー粒子は、トナー母粒子に外添剤を外添させて形成される。
トナー母粒子は、粉砕法、重合法、溶解懸濁法のいずれによるものでもよい。粉砕法による方法としては、バインダー樹脂に少なくとも顔料を含有し、離型剤、荷電制御剤等を添加し、ヘンシェルミキサー等で均一混合した後、2軸押し出し機で溶融混練され、冷却後、粗粉砕−微粉砕工程を経て、分級処理されてトナー母粒子とされる。
バインダー樹脂としては、スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体、ポリエステル樹脂等が例示され、着色剤、離型剤、荷電制御剤等が添加される。フルカラー用着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、マグネタイト、チタンブラック、クロムイエロー、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、マラカイトグリーンレーキ、キノリンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162、C.I.ピグメント・ブルー5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の染料および顔料を単独あるいは混合して使用できる。
トナー母粒子における成分比としては、バインダー樹脂100質量部に対して、着色剤は0.5〜15質量部、好ましくは1〜10質量部であり、また、離型剤は1〜10質量部、好ましくは2.5〜8質量部であり、また、荷電制御剤は0.1〜7質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
粉砕法トナーにあっては、転写効率の向上のために球形化処理されるとよく、粉砕工程で、比較的丸い球状で粉砕可能な装置、例えば機械式粉砕機として知られるターボミル(ターボ工業製)を使用すれば円形度を0.93まで高めることができ、また、粉砕したトナーを熱風球形化装置(日本ニューマチック工業製)を使用することによって円形度を1.00まで高めることができる。
次に、重合法トナーは、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により得られるものであり、フルカラートナーに適したものとできる。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色顔料、離型剤と、更に、必要により染料、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を添加した複合物を溶解又は分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤(水溶性高分子、難水溶性無機物質)を含む水相中に攪拌しながら添加して造粒し、重合させて所望の粒子サイズを有する着色重合トナー粒子を形成するものである。重合法トナー作製に用いられる材料において、着色剤に関しては、上述した粉砕トナーと同様の材料が使用できる。乳化重合法においては、単量体と離型剤、必要により更に重合開始剤、乳化剤(界面活性剤)などを水中に分散させて重合を行い、次いで凝集過程で着色剤、荷電制御剤と凝集剤(電解質)等を添加することによって所望の粒子サイズを有する着色トナー粒子を形成する。
重合性単量体成分としては、例えばスチレン、またはその誘導体、ジビニルベンゼン、アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられ、乳化剤(界面活性剤)としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム等、また、重合開始剤としては、過硫酸カリウム等、また、凝集剤(電解質)としては、例えば、塩化ナトリウム等が挙げられる。
重合法トナーの円形度の調節法としては、乳化重合法は2次粒子の凝集過程で温度と時間を制御することで、円形度を自由に変えることができ、その範囲は0.94〜1.00とできる。懸濁重合法では、真球のトナーの作成が可能であり、円形度は0.98〜1.00の範囲とできる。平均円形度を0.95〜0.99とするには、トナーのTg温度以上で加熱変形させることで適宜調節できる。
次に、溶解懸濁法トナーについて説明する。バインダー樹脂としては、上記粉砕トナーの項で説明したバインダー樹脂を用いることができるが、カラー発色性等の観点からポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特開2003−140380に記載のものが例示される。
溶解懸濁法トナー母粒子は、バインダー樹脂と粉砕トナーの項で記載した着色剤、必要により離型剤や電荷制御剤とを有機溶媒中に溶解・分散した後、得られる有機溶媒への溶解・分散液に水性媒体を徐々に投入して転相乳化させることにより、混合物の微粒子を形成することができる。得られた微粒子を凝集させて所望の大きさの着色剤含有樹脂微粒子に造粒した後、分離・洗浄・乾燥の各工程を経てトナー母粒子とすることとができる。溶解懸濁法においては、乳化と会合を制御しながらトナー母粒子を製造することが可能である。
本発明におけるトナー母粒子やトナー粒子の体積平均粒径は、粉砕法トナー母粒子、重合法トナー母粒子、溶解懸濁法トナー母粒子共に9μm以下であることが好ましく、8μm〜4.5μmであることがより好ましい。体積平均粒径が9μmよりも大きいトナー粒子では、1200dpi以上の高解像度で潜像を形成しても、その解像度の再現性が小粒子径のトナーに比べて低下し、また4.5μm以下になると、トナーによる隠蔽性が低下するとともに、流動性を高めるために外添剤の使用量が増大し、その結果、定着性能が低下する傾向がある。
また、本発明におけるトナー母粒子やトナー粒子の体積平均粒径、平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス製 FPIA2100)で測定した値である。
トナー母粒子形状としては、真球に近い形状のトナー粒子が好ましい。具体的には、トナー母粒子は下記式
R=L0 /L1
{但し、式中、L1(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。}
で表される平均円形度(R)が0.95〜0.99、好ましくは0.972〜0.983とするとよい。これにより、転写効率が高く、連続印字しても転写効率の変動が少なく、帯電量の安定すると共に、クリーニング性にも優れるトナーとできる。
R=L0 /L1
{但し、式中、L1(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の周囲長、L0(μm)は、測定対象のトナー粒子の投影像の面積に等しい面積の真円(完全な幾何学的円)の周囲長を表す。}
で表される平均円形度(R)が0.95〜0.99、好ましくは0.972〜0.983とするとよい。これにより、転写効率が高く、連続印字しても転写効率の変動が少なく、帯電量の安定すると共に、クリーニング性にも優れるトナーとできる。
次に、外添粒子としては、環境安定性に優れる疎水化処理された外添粒子が例示される。なお、外添剤粒子の粒径は電子顕微鏡法により測定されるものであり、外添剤粒子の平均粒径は一次平均粒径である。
外添剤粒子としては、負帯電性のシリカ微粒子や帯電調整を目的として正帯電性シリカ微粒子が例示されるが、シリカ微粒子はトナーの流動性向上を目的として、トナー母粒子100質量部に対して0.5〜2.0質量部、好ましくは0.5〜1.5質量部添加される。シリカ微粒子は疎水化処理されていることが好ましい。疎水性シリカ微粒子としては、市販の日本アエロジル(株)製のRX200(平均粒径12nm)、同RX50(40nm)などが例示される。
また、外添粒子として、比較的電気抵抗率の小さい酸化チタンの微粒子が例示される。酸化チタンは、粒径あるいは長軸の大きさが10nm〜50nm、好ましくは10nm〜40nmであり、トナー母粒子100質量部に対して0.2〜1.0質量部添加される。酸化チタンの微粒子の表面は疎水性であることが、トナーの外部環境の変化に対する帯電性の変化を小さくし(すなわち、安定な帯電性を維持し)、かつトナーの流動性を良好にするために好ましい。酸化チタン微粒子の疎水化は、上記負帯電性シリカ微粒子の疎水化と同じ方法で行われる。疎水性酸化チタン微粒子としては、チタン工業(株)製のSTT−30S(平均粒径30nm)などが例示される。酸化チタン粒子は例えば負帯電性トナーから遊離すると正極性外添粒子として挙動する。
酸化チタン微粒子以外の無機微粒子も、帯電性の制御、流動性の向上を目的として外添され得る。例えば、無機微粒子としては、酸化アルミニウム、酸化ストロンチウム、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化マグネシウム、酸化インジウム等の金属酸化物の微粒子、窒化珪素等窒化物の微粒子、炭化珪素等の炭化物の微粒子、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩の微粒子、並びにこれらの複合物等の無機微粒子が挙げられる。電気抵抗が109 Ωcm以下の、比較的電気抵抗の小さい金属酸化物の微粒子が好ましく用いられる。添加する無機微粒子の大きさとしては、粒径が10〜30nmの大きさであることが好ましい。これらの無機微粒子は、帯電特性の安定化を目的として、その表面を疎水化処理することが好ましい。
トナー母粒子を外添粒子により外添処理するには、三井鉱山(株)製のヘンシェルミキサー、Q型ミキサー等を使用して外添処理するとよい。
次に、本発明における現像装置を組み込んだカラー画像形成装置について説明する。
図3はタンデムタイプを例とした画像形成装置の全体構成を示す断面図であり、画像形成装置1は、ハウジング3と、ハウジング3の上部に形成された排紙トレイ5と、ハウジング前面に開閉可能に設けられた扉体7とを備え、ハウジング3内には、露光ユニット9、画像形成ユニット11、送風ファン13、転写ベルトユニット15及び給紙ユニット17が設けられ、扉体7内には用紙搬送ユニット19が設けられている。
画像形成ユニット11は、異なる色のトナーを収納する4つの現像装置をセットすることができる4つの画像形成ステーション21を備えている。4つの画像形成ステーション21は、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各現像装置用であり、図中、符号21Y、21M、21C及び21Kで示している。各画像形成ステーション21Y、21M、21C及び21Kには、感光ドラム23と、感光ドラム23の周囲に設けられた、コロナ帯電手段25と、本発明の現像装置100とが配設されている。
転写ベルトユニット15は、図示しない駆動源に回転駆動される駆動ローラ27と、駆動ローラ27の斜め上方に設けられる従動ローラ29と、テンションローラ31と、これら各ローラ間に張架され、図3の反時計方向Xへ循環駆動される中間転写ベルト33と、中間転写ベルト33の表面に当接するクリーニング手段34とを備えている。従動ローラ29、テンションローラ31および中間転写ベルト33は、駆動ローラ27に対して傾斜するように並んで配設されており、これにより中間転写ベルト33が駆動されるとき、ベルト搬送方向Xが下向きになるベルト面35が下側に位置し、搬送方向が上向きとなるベルト面37が上側に位置するようになっている。
感光ドラム23は、アーチ状のラインに沿ってベルト面35に圧接され、図3中、矢印で示す方向に回転駆動される。テンションローラ31の位置を調節することにより、中間転写ベルト33の張力、アーチの曲率等を制御することができる。
駆動ローラ27は、2次転写ローラ39のバックアップローラを兼ねている。
また駆動ローラ27の周面には、例えば厚さ3mm程度、体積抵抗率105Ω・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、2次転写ローラ39を介して供給される2次転写バイアスの導電経路を構成している。また駆動ローラ27の径は従動ローラ29及びテンションローラ31の径より小さく、これにより2次転写後の記録紙が記録紙自身の弾性力で剥離し易くすることができる。従動ローラ29はクリーニング手段34のバックアップローラとしても機能している。
また駆動ローラ27の周面には、例えば厚さ3mm程度、体積抵抗率105Ω・cm以下のゴム層が形成されており、金属製の軸を介して接地することにより、2次転写ローラ39を介して供給される2次転写バイアスの導電経路を構成している。また駆動ローラ27の径は従動ローラ29及びテンションローラ31の径より小さく、これにより2次転写後の記録紙が記録紙自身の弾性力で剥離し易くすることができる。従動ローラ29はクリーニング手段34のバックアップローラとしても機能している。
クリーニング手段34は、搬送方向下向きのベルト面35側に設けられ、2次転写後に中間転写ベルト33の表面に残留しているトナーを除去するクリーニングブレード41と、回収したトナーを搬送するトナー搬送経路42とを備えている。クリーニングブレード41は、従動ローラ29に中間転写ベルト33が巻回している箇所に当接している。また中間転写ベルト33の裏面には、各画像形成ステーション21Y、21M、21C及び21Kの感光ドラム23に対向する位置に1次転写部材43が当接し、1次転写部材43には転写バイアスが印加されるようになっている。
露光ユニット9は、画像形成ユニット11の斜め下方の空間に設けられており、その斜め上方には送風ファン13が設けられている。露光ユニット9の下方には給紙ユニット17が設けられている。露光ユニット9は、底部にポリゴンミラーモータ45及びポリゴンミラー47からなるスキャナ手段49を垂直に配設している。また光路Bには、単一のf−θレンズ51及び反射ミラー53が設けられ、反射ミラー53の上方には各色の走査光路が感光ドラム23にそれぞれ非平行となって折り返すように複数の折り返しミラー55が設けられている。
露光ユニット9では、ポリゴンミラー47から各色に対応した画像信号が、共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成されたレーザビームで射出され、f−θレンズ51、反射ミラー53、折り返しミラー55を経て、各画像形成ステーション21Y、21M、21C及び21Kの感光ドラム23に照射され、潜像が形成される。各画像形成ユニット11に対する露光ユニット9のポリゴンミラー47から感光ドラム23までの光路長がほぼ同一の長さになるように構成されており、そのため各光路で走査された光ビームの走査幅もほぼ同一になり、画像信号の形成にも特別な構成を必要としない。従ってレーザ光源は、それぞれ異なる画像信号によってそれぞれ異なる色の画像に対応して変調されるにも関わらず、共通のデータクロック周波数に基づいて変調形成可能であり、共通の反射面を用いるために副走査方向の相対差から生じる色ずれを防止し、構造が簡単で安価なカラー画像形成装置を構成することができる。
送風ファン13は、冷却手段として機能し、矢印の方向へ空気を導き、露光ユニット9やその他の発熱部からの熱を放出する機能を果たす。これによりポリゴンミラーモータ45の温度上昇を抑制し、画質劣化の防止とポリゴンミラーモータ45の寿命の長期化を図ることができる。
給紙ユニット17は、記録媒体Pが積層されている給紙カセット57と、給紙カセット57から記録媒体Pを1枚ずつ給送するピックアップローラ59とを備えている。用紙搬送ユニット19は、2次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するゲートローラ対61と、駆動ローラ27及び中間転写ベルト33に圧接される2次転写ローラ39と、定着手段63と、排紙ローラ対65と、両面プリント用搬送路67とを備えている。
定着手段63は、少なくとも一方にハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵した回転自在な定着ローラ対69と、定着ローラ対69の少なくとも一方側のローラを他方側へ押圧付勢してシート材に2次転写された2次画像を記録媒体Pに押圧する押圧手段とを有し、記録媒体に2次転写された2次画像は、定着ローラ対69の形成するニップ部において所定温度で記録媒体に定着される。
本発明で使用する現像装置100は、トナーを循環して使用するタイプのものであり、各画像形成ステーション21Y、21M、21C及び21Kにセットして使用する。これら現像装置の構成は基本的に同じである。
図4は現像装置100の断面図である。現像装置100は、内部にほぼ円筒状のトナー収容部101が形成されたハウジング103を備え、ハウジング103に対して供給ローラ105および現像ローラ107が設けられている。現像装置100が画像形成ステーションにセットされた状態(図3参照)では、現像ローラ107は感光ドラム23に対して僅かな間隔(例えば100〜300μm)を開けて隣接しており、感光ドラム23の回転方向(図中の矢印参照)と反対方向へ回転駆動しながら、現像ローラ107の周面に供給されたトナーで感光ドラム23上に形成された潜像を現像する機能を有する。このような現像作用は、現像ローラ107に現像バイアス電源(図示しない)から直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加させて、現像ローラと感光ドラムとの間に振動電圧を作用させ、感光ドラム23に形成された静電潜像部分に現像ローラ107からトナーが供給されることにより行われる。尚、現像ローラ107を感光ドラム23の周面に接触させて現像を行うことも可能である。
供給ローラ105は、表面がウレタンスポンジで形成されており、供給ローラ105の周面が現像ローラ107に接触した状態で現像ローラ107と同方向(図4では反時計回り方向)に回転可能である。供給ローラ105にも現像ローラ107に印加される現像バイアス電圧と同等の電圧が印加されるようになっている。
現像ローラ107には、規制ブレード109が、板バネ部材111及びその下側に設けられる弾性部材112の作用により、常時現像ローラ107の周面の長手方向に亘って均一となるように圧接されており、現像ローラ107の周面に付着したトナーのうち余分な分を掻き落として、一定量のトナーが現像ローラ107の周面に担持されるようにしている。また規制ブレード109は、トナー113を適切に帯電させる機能をも有する。
掻き落とされたトナーは、自然落下してトナー収容部101内のトナー113に混入されるが、この点については後で詳述する。また現像ローラ107周面の上側には、ハウジング103に一端が固定されているシール部材115の他端側が圧接しており、これによりハウジング103内のトナー113が外部へ飛散することを防止している。
トナー収容部101内には、回転軸117を中心として図4の時計回り方向に回転するアジテータ119が設けられている。アジテータ119は、回転軸117を中心に互いに反対方向へ延びる2つのアーム部材121を備え、各アーム部材121はトナー収容部101の断面の円の直径よりも若干短い寸法に設定されている。各アーム部材121の先端からはアジテータ119の回転方向と反対方向へ撹拌フィン123が延びている。撹拌フィン123は、可撓性を有するシート部材から構成されており、その先端側は可撓性に起因する弾性力により円筒状のトナー収容部101の内周面に圧接している。このような構成によりアジテータ119が回転するとき、トナー収容部101の内周面と撹拌フィン123との間の領域125に存在するトナー113を撹拌フィン123で掻き上げるようにして、後述するトナーガイド部材上に搬送することができる。
トナー収容部101内に収容されるトナー113の上面114は、規制ブレード109が現像ローラ107の周面に当接している箇所127よりも低い位置となるように設定されている。これはトナー量が規制ブレード109を埋没させる程多いと、規制ブレード109によって掻き落とされたトナーが当該規制ブレードの近くに存在することになる結果、トナー収容部101内へ戻される循環経路が阻害され、また規制ブレード109が現像ローラ107から余分なトナーを掻き落として現像領域に搬送するトナー量を規制する機能およびトナーを適切に帯電させる機能が阻害されるからである。
本実施の形態では、トナー収容部101内に収容されるトナー113の上面114の位置は、より具体的には、規制ブレード109の下端より下方であって、板バネ部材111と弾性部材112との交点128の位置を上限として設定されている。トナー収容部101内のトナー113の上面114の位置が、前記交点128より上にまでくると板バネ部材111の動きを拘束する虞があり、これにより適正な規制圧が得られなくなる虞があり、その結果として、「一定量のトナーを現像ローラ107の周面に担持させる機能」や「トナーを適正に帯電させる機能」が阻害される虞がある。しかし、上記の如く、トナー113の上面114位置の上限を前記交点128の位置とすることにより、前記各機能が阻害される虞をなくすことができる。
規制ブレード109が現像ローラ107の周面に当接している箇所127と、トナー収容部101内に収容されるトナー113の上面114との間には、トナー113の安息角以上の傾斜角度でトナーの上面114側へ斜めに傾斜しているトナー案内面129がハウジング103の一部として形成されている。トナー案内面129は、規制ブレード109によって現像ローラ107の周面から掻き落とされたトナー113をトナー収容部101側へ案内する機能を有する。
規制ブレード109によって現像ローラ107の周面から掻き落とされたトナー113は、必ずしもトナー案内面129によってトナー収容部101に案内される必要はなく、掻き落とされたトナー113が直接、トナー収容部101に落下するような構成としてもよい。このように規制ブレード109が現像ローラ107の周面に当接している箇所127の下方には、規制ブレード109によって現像ローラ107の周面から掻き落とされたトナー113がトナー収容部101へ導かれるためのトナー案内空間部131が形成されている。
トナー収容部101の上方にはトナーガイド部材133が設けられている。トナーガイド部材133は、供給ローラ105から離れた側の端部134に設けられ、撹拌フィン123によって搬送されたトナー113を掻き取るための鋭角的に形成されたスクレーパ135と、該スクレーパ135よりも供給ローラ105側において上面側がトナー113の安息角以上の角度で傾斜し且つ平面的に形成された平坦搬送部137と、該平坦搬送部137の下流側に形成され、上面側が凹曲面を形成するように湾曲している湾曲部141と、該湾曲部141より下流側において供給ローラ105の周面に設定された適切な線圧で接触している当接部143とを備えて成る。前記平坦搬送部137、前記湾曲部141および前記当接部143を含むトナーガイド部材133の表面粗さは、トナー平均粒径未満に形成されている。
また、上記の当接部143の存在により、供給ローラ105の下面側に付着しているトナー113が重力により落下し、現像ローラへ供給できるトナーの量が減少することによる画像濃度低下を防止することができる。また湾曲部141と供給ローラ105の周面との間には、断面が楔形に狭まるようなトナーの一時貯留部139が形成されている。ここで断面が楔状とは、入口側が相対的に大きく、トナーの進行方向に向かって狭くなっていき、且つ楔の先端側においてトナーが自然滑落しない程度に十分狭くなっていることを意味する。
このような形状を有するトナーガイド部材133では、撹拌フィン123によって搬送されたトナー113をスクレーパ135で掻き取った後、トナー113は平坦搬送部137に沿って、その幅方向に亘って及びその傾斜方向の任意の地点において均一の速度で重力落下してゆき、一旦、トナーの一時貯留部139に貯留される。楔形に狭まるトナーの一時貯留部139では、トナー113が狭い領域に進行していくのに伴い、供給ローラ105の周面に対する圧接力が徐々に増加するため、供給ローラ105の周面にトナー113が押し付けられて、該周面にトナー113が担持され易くなる。尚、トナー113が当接部143を越えて押し出された場合には、トナー案内空間部131を落下して、直接にまたはトナー案内面129に案内されてトナー収容部101に戻される。
以下、実施例により本発明を説明する。
以下、実施例により本発明を説明する。
まず、(1) 実施例、比較例で使用したトナーの製法、(2) 実施例、比較例で得られるトナー坦持体における表面粗さ測定方法、(3) トナー坦持体表面の膜厚測定方法、(4) トナー坦持体表面の動摩擦係数の測定方法、(5) 現像ローラの摩擦トルクの測定方法について説明する。
(1) トナーの調製
スチレンモノマー80質量部、アクリル酸ブチルモノマー20質量部、アクリル酸モノマー5質量部からなるモノマー混合物を準備した。この混合物を、水105質量部、ノニオン系乳化剤(ニューコール506:日本乳化剤(株)製)1質量部、アニオン系乳化剤(リボタックTE:ライオン(株)製)1.5質量部、および過硫酸カリウム0.55質量部からなる水溶液に加え、分散・乳化して、乳化重合を行い、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
スチレンモノマー80質量部、アクリル酸ブチルモノマー20質量部、アクリル酸モノマー5質量部からなるモノマー混合物を準備した。この混合物を、水105質量部、ノニオン系乳化剤(ニューコール506:日本乳化剤(株)製)1質量部、アニオン系乳化剤(リボタックTE:ライオン(株)製)1.5質量部、および過硫酸カリウム0.55質量部からなる水溶液に加え、分散・乳化して、乳化重合を行い、乳白色の粒径0.25μmの樹脂エマルジョンを得た。
得られた樹脂エマルジョンを200質量部、ポリエチレンワックスエマルジョン(三洋化成工業(株)製)を20重量部およびフタロシアニンブルー7質量部を、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)を0.2質量部含有する500gの水中に分散した。次に、ジエチルアミンを添加してpHを5.5に調整した後、攪拌しながら電解質である硫酸アルミニウムを0.3質量部加えた。ついで、TKホモミキサーで高速攪拌し、分散を行った。
さらに、スチレンモノマー40質量部、アクリル酸ブチル10質量部、およびサリチル酸亜鉛5質量部を水40質量部とともに追加し、窒素気流下で攪拌しながら、90℃に加熱し、過酸化水素水を加えて5時間重合させ、粒子を成長させた。重合停止後、会合粒子の結合強度を向上させるためにpHを5以上に調整しながら、95℃に昇温し、95℃で5時間保持した。得られた粒子を水洗し、45℃で真空乾燥を10時間行った。この方法で、体積平均粒径が7.0μmのトナー母粒子を調製した。得られたトナー母粒子の平均円形度は、0.97であった。
トナー母粒子100質量部に対して、日本アエロジル(株)製、疎水性負帯電性シリカ粒子「RX200」(平均粒径12nm)を1質量部、日本アエロジル(株)製、疎水性負帯電性シリカ粒子「RX50」(平均粒径40nm)を1質量部、チタン工業(株)製、疎水性酸化チタン粒子「STT−30S」(平均粒径50nm)を0.5質量部の割合で添加し、三井鉱山社製「FM20B型ヘンシェルミキサー」を使用し、攪拌羽根周速30m/sec、攪拌時間5min.の混合条件で外添処理し、体積平均粒径が7.0μmの負帯電性トナー粒子を得た。
(2) トナー坦持体における表面粗さ測定方法
表面粗さは、(株)キーエンス社製 レーザー顕微鏡「VK−9500」を使用し、観察倍率1000倍で得られるもので、JIS B−0601−1994に従い、現像ロールの軸方向と周縁方向の2箇所の線粗さの平均値で求める。
表面粗さは、(株)キーエンス社製 レーザー顕微鏡「VK−9500」を使用し、観察倍率1000倍で得られるもので、JIS B−0601−1994に従い、現像ロールの軸方向と周縁方向の2箇所の線粗さの平均値で求める。
(3) トナー坦持体表面の膜厚測定方法
現像ローラ表面の塗膜の膜厚測定は、日立製作所製「FIB(FB2000)」を用い、ビーム径1μm、ビーム電流10nAで、塗膜を表面から研削して計測し、平均値を求めた。
現像ローラ表面の塗膜の膜厚測定は、日立製作所製「FIB(FB2000)」を用い、ビーム径1μm、ビーム電流10nAで、塗膜を表面から研削して計測し、平均値を求めた。
(4) トナー坦持体表面の動摩擦係数の測定方法
トナー坦持体表面の動摩擦係数は、日立電線技報No.21(2002−1)の図3に記載の方法に従い、測定した。
トナー坦持体表面の動摩擦係数は、日立電線技報No.21(2002−1)の図3に記載の方法に従い、測定した。
(5) 現像ローラの摩擦トルクの測定方法
図4に示すセイコーエプソン(株)製「カラーレーザープリンター LP9000C」のブラック現像カートリッジにおける現像ローラの端面にトルクケージを取り付け、静トルク、動トルクの測定を行った。なお、現像ローラは感光体23には非接触の状態にあり、また、供給ローラは、その表面がウレタンスポンジから構成され、現像ローラに当接トルクが2.0kgf・cm以下となるように当接した状態で同方向に回転速度300m/sで回転させた。
以下、本発明および比較例のトナー坦持体について、実施例として示す。
図4に示すセイコーエプソン(株)製「カラーレーザープリンター LP9000C」のブラック現像カートリッジにおける現像ローラの端面にトルクケージを取り付け、静トルク、動トルクの測定を行った。なお、現像ローラは感光体23には非接触の状態にあり、また、供給ローラは、その表面がウレタンスポンジから構成され、現像ローラに当接トルクが2.0kgf・cm以下となるように当接した状態で同方向に回転速度300m/sで回転させた。
以下、本発明および比較例のトナー坦持体について、実施例として示す。
(実施例1)
鉄製ローラ(SUS304、厚み1mm、外径18mm)表面を、ショットブラスト(ブラスト砥粒:100〜200番のアルミナビーズ)処理し、表面粗度(Rz)を7μmとした。
鉄製ローラ(SUS304、厚み1mm、外径18mm)表面を、ショットブラスト(ブラスト砥粒:100〜200番のアルミナビーズ)処理し、表面粗度(Rz)を7μmとした。
次いで、粗面化した鉄製ローラを、平均粒径1μmに調整されたBN微粒子10質量部、カーボンブラック粒子10質量部、ナイロン樹脂80質量部をイソプロパノールに溶解・懸濁して固形分15%としたセラミックス被覆用塗液に浸漬した後、引上げ、次いで、中心軸を回転中心として回転させ、ローラ表面に付着したセラミックス被覆用塗液を飛ばし、乾燥後の現像ローラ表面粗度(Rz)が5μmとした。
成膜後、セラミックス被覆層の膜厚を測定した。芯体(鉄製ローラ)表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )は3μm、凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )は7μmであった。また、セラミックス被覆層の動摩擦係数は0.25であり、比抵抗は10-6Ω・cmであった。
(実施例2)
アルミニウム製ローラ(厚み2mm、外径18mm)表面を、ショットブラスト(ブラスト砥粒:100〜200番のジルコニアビーズ)処理し、表面粗度(Rz)を7μmとした。
アルミニウム製ローラ(厚み2mm、外径18mm)表面を、ショットブラスト(ブラスト砥粒:100〜200番のジルコニアビーズ)処理し、表面粗度(Rz)を7μmとした。
次いで、粗面化したアルミニウム製ローラを、平均粒径1μmに調整されたZnO2 微粒子10質量部、カーボンブラック粒子15質量部、ナイロン樹脂75質量部をイソプロパノールに溶解・懸濁して固形分12%としたセラミックス被覆用塗液に浸漬した後、引上げ、次いで中心軸を回転中心として回転させ、ローラ表面に付着したセラミックス被覆用塗液を飛ばし、乾燥後の現像ローラ表面粗度(Rz)を5μmとした。
成膜後、セラミックス被覆層の膜厚を測定した。アルミニウム製ローラ表面の凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )は2μm、凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )は5μmであった。また、セラミックス被覆層の動摩擦係数は0.25であり、比抵抗は10-6Ω・cmであった。
(比較例1) 鉄製ローラ(SUS304、厚み1mm、外径18mm)表面を、ショットブラスト(ブラスト砥粒:100〜200番のアルミナビーズ)処理し、表面粗度(Rz)を7μmとした。
次いで、平均粒径1μmに調整されたBN微粒子10質量部、カーボンブラック粒子10質量部、ナイロン樹脂80質量部をイソプロパノールに溶解・懸濁して固形分30%としたセラミックス被覆用塗液を電着塗装液とし、(株)イセヤマ製の電着塗装装置(印加電圧200V)により、粗面化した鉄製ローラ表面にセラミックス被覆層を電着塗装した。乾燥後の現像ローラ表面粗度(Rz)は5μmであった。
成膜後、セラミックス被覆層の膜厚を測定した。芯体(鉄製ローラ)表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )は7μm、凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )は2μmであった。また、セラミックス被覆層の動摩擦係数は0.25であり、比抵抗は10-6Ω・cmであった。
(比較例2)
アルミニウム製ローラ(厚み2mm、外径18mm)表面を、ショットブラスト(ブラスト砥粒:100〜200番のジルコニアビーズ)処理し、表面粗度(Rz)を7μmとした。
アルミニウム製ローラ(厚み2mm、外径18mm)表面を、ショットブラスト(ブラスト砥粒:100〜200番のジルコニアビーズ)処理し、表面粗度(Rz)を7μmとした。
次いで、粗面化したアルミニウム製ローラを、カーボンブラック粒子10質量部、ナイロン樹脂75質量部をイソプロパノールに溶解・懸濁して固形分20%とした被覆用塗液{粘度0.8Pa・s(25℃)}に浸漬した後、引上げ、次いで中心軸を回転中心として回転させ、ローラ表面に付着したセラミックス被覆用塗液を飛ばし、乾燥後の現像ローラ表面粗度(Rz)を5μmとした。
成膜後、セラミックス被覆層の膜厚を測定した。アルミニウム製ローラ表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )は3μm、凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )は3μmであった。また、セラミックス被覆層の動摩擦係数は1.25であり、比抵抗は10-6Ω・cmであった。
(評価)
セイコーエプソン(株)製「カラーレーザープリンター LP9000C」のブラック現像カートリッジに上記で調製したトナーを投入した後、本発明および比較例のトナー坦持体(現像ローラ)を取り付け、現像ギャップ120μm、直流電圧(DC)の現像バイアス−200V、これに重畳する交流電圧(AC)3kHz、P−P電圧1.5kVとし、反時計方向に回転する現像ローラの周速を時計方向に回転する潜像坦持体に対して1.6倍の周速比とした。
セイコーエプソン(株)製「カラーレーザープリンター LP9000C」のブラック現像カートリッジに上記で調製したトナーを投入した後、本発明および比較例のトナー坦持体(現像ローラ)を取り付け、現像ギャップ120μm、直流電圧(DC)の現像バイアス−200V、これに重畳する交流電圧(AC)3kHz、P−P電圧1.5kVとし、反時計方向に回転する現像ローラの周速を時計方向に回転する潜像坦持体に対して1.6倍の周速比とした。
現像ローラの静トルク(kgF・cm)、動トルク(kgF・cm)を測定すると共に、A3サイズのモノクロベタ画像を印字した後の画像先端と後端の画像濃度差により初期の画像均一性を、また、A4サイズで5%トナー消費パターンを連続3000枚印字した際の画像濃度低下より3000枚印字後の画像均一性の良否を判定した。
結果を合わせて下記表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の画像形成用現像装置は、供給ローラとの摺擦性が改善されるばかりでなく、印字枚数同化時もトナーダメージが低減され、均一な画像が得られることがわかる。
本発明の画像形成用現像装置によれば、トナー坦持体(現像ローラ)のトナーリセット性(掻き取り性)とトルクの低減に優れると共に、トナーダメージが低減されることにより、印字枚数増加に際しても画像均一性に優れるので、産業上の利用価値は大きい。
23…感光ドラム、100…現像装置、101…トナー収容部、103…ハウジング、105…供給ローラ、107…現像ローラ、109…規制ブレード、111…板バネ部材、112…弾性部材、113…トナー、201…現像ローラ芯体、202…セラミックス被覆層、205…セラミックス粒子等の微粒子
Claims (6)
- トナー坦持体からなる画像形成用現像装置であって、該トナー坦持体が、金属ローラ芯体と、該金属ローラ芯体表面が凸凹に粗面化処理されると共に該凸凹形状の芯体表面に設けられる動摩擦係数が0.5以下のセラミックス被覆層とからなり、前記金属ローラ芯体表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )を凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )より薄くしたことを特徴とする画像形成用現像装置。
- 金属ローラ芯体表面における凸部上のセラミックス被覆層の膜厚(t1 )が1μm〜5μm、該凹部上のセラミックス被覆層の膜厚(t2 )が3μm〜10μmとされ、かつ、t1 がt2 より2μm以上薄くされたことを特徴とする請求項1記載の画像形成用現像装置。
- 金属ローラ芯体における表面粗度(Rz)が7μm〜18μmであることを特徴とする請求項1記載の画像形成用現像装置。
- セラミックス被覆層における表面粗度(Rz)が5μm〜15μmであることを特徴とする請求項1記載の画像形成用現像装置。
- トナーの体積平均粒径が4.5μm〜9μmであり、平均円形度が0.95〜0.99であることを特徴とする請求項1記載の画像形成用現像装置。
- トナーが、負帯電性トナーであって、トナー母粒子と少なくとも正極性外添粒子とからなる非磁性一成分トナーであることを特徴とする請求項1記載の画像形成用現像装置。
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2005
- 2005-04-25 JP JP2005126029A patent/JP2006301478A/ja active Pending
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