JP2006301376A - 偏光変換部材及び照明装置及び投写型映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光入射面の大きさに対して偏光変換された光を出射する面の大きさを同じ又は略同じにできる偏光変換部材、照明装置、及び投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 WG−PBS13bは、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する。ロッドインテグレータ14の光入射面には前記WG−PBS13bを透過したP偏光光が導かれる。WG−PBS13bにて反射されたS偏光光はミラー13c,13dに反射されて前記三角プリズム13aの前記第2面に導かれる。1/2λ板13eによって戻り光であるS偏光光はP偏光光に変換される。そして、このP偏光光(戻り光)は三角プリズム13aの傾斜面に全反射し、WG−PBS13bを透過してロッドインテグレータ14の光入射面に導かれる。
【選択図】 図2
【解決手段】 WG−PBS13bは、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する。ロッドインテグレータ14の光入射面には前記WG−PBS13bを透過したP偏光光が導かれる。WG−PBS13bにて反射されたS偏光光はミラー13c,13dに反射されて前記三角プリズム13aの前記第2面に導かれる。1/2λ板13eによって戻り光であるS偏光光はP偏光光に変換される。そして、このP偏光光(戻り光)は三角プリズム13aの傾斜面に全反射し、WG−PBS13bを透過してロッドインテグレータ14の光入射面に導かれる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、偏光変換部材及びこの偏光変換部材を用いた照明装置及びこの照明装置を用いた投写型映像表示装置に関する。
従来より、図12に示すように、光源105から出射された光の強度分布の不均一性を解消するロッドインテグレータ104及び特定の直線偏光光のみを出射する(出射光の偏光方向を揃える)偏光変換装置100を備えた照明装置が知られている。前記偏光変換装置100は、偏光ビームスプリッタ(PBS)101と、前記PBS101にて反射されたS偏光光を反射するミラー102と、前記ミラー102にて反射されたS偏光光をP偏光光に変換する位相差板(1/2λ板)103とから成る(このような構成に類似する構成を示すものとして特許文献1参照)。
特開2001−42432号公報
しかしながら、上記従来の技術では、光入射面の大きさに対して偏光変換された光を出射する面の大きさは略2倍になってしまう。このため、投写レンズの光取り込み効率が低下し、光利用効率が低下する。
この発明は、上記事情に鑑み、光入射面の大きさに対して偏光変換された光を出射する面の大きさを同じ又は略同じにできる、或いは、光を出射する面の大きさが大きくなったとしても分散角低減効果を享受することができる偏光変換部材、及びこれを用いた照明装置、及びこれを用いた投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
この発明の偏光変換部材は、上記の課題を解決するために、特定の直線偏光光を透過させて出射する一方で他の偏光光を反射して戻り光を生成する偏光ビームスプリッタと、光源からの光を導入する光導入面及び前記戻り光に対する全反射面として機能する面を有した三角プリズム又は三角プリズム部と、前記戻り光を前記特定の直線偏光光に変換する位相差板と、を備え、前記特定の直線偏光光に変換された前記戻り光が前記偏光ビームスプリッタから出射されるように構成されたことを特徴とする(以下、この項において第1構成という)。
上記の構成であれば、光入射面の大きさに対して偏光変換された光を出射する面の大きさを同じ又は略同じにできる。
第1構成の偏光変換部材において、当該偏光変換部材における光出射方向に対して前記偏光ビームスプリッタが所定角度傾けて配置されており、前記偏光ビームスプリッタにて反射された戻り光を前記三角プリズム又は三角プリズム部を経由させて前記偏光ビームスプリッタに導く環状的反射経路が形成されており、前記戻り光が前記環状的反射経路を通って前記偏光ビームスプリッタに至るまでの過程で前記位相差板である1/2λ板にて前記特定の直線偏光光に変換される構成としてもよい(以下、この項において第2構成という)。
第2構成の偏光変換部材において、光入射面から入射された光を重畳して光出射面から出射するロッドインテグレータを前記循環的反射経路外に備えており、前記偏光ビームスプリッタを透過した特定の直線偏光光が前記ロッドインテグレータの前記光入射面に入射される構成としてもよい。
第2構成の偏光変換部材において、光入射面から入射された光を重畳して光出射面から出射するロッドインテグレータを前記循環的反射経路内に備えており、前記ロッドインテグレータを経た光が前記偏光ビームスプリッタに入射する構成としてもよい。
第1構成の偏光変換部材において、当該偏光変換部材における光出射方向に対して前記偏光ビームスプリッタが直交又は略直交して配置されており、前記偏光ビームスプリッタにて反射された戻り光を前記三角プリズム又は三角プリズム部を経由させて前記偏光ビームスプリッタに導く往復的反射経路が形成されており、前記戻り光が前記往復的反射経路を通って前記偏光ビームスプリッタに至るまでの過程で前記位相差板である1/4λ板にて前記特定の直線偏光光に変換される構成としてもよい(以下、この項において第3構成という)。
第3構成の偏光変換部材において、前記三角プリズムにおける前記面以外の第1面が光出射面とされ、この光出射面の側に前記偏光ビームスプリッタが配置されており、第2面には前記1/4λ板及び反射板が配置されていてもよい。
第3構成の偏光変換部材において、前記三角プリズムにおける前記面以外の第1面が光出射面とされ、この光出射面と前記偏光ビームスプリッタとの間に前記往復的反射経路の一部を成すロッドインテグレータが配置されており、第2面には前記1/4λ板及び反射板が配置されていてもよい。
第3構成の偏光変換部材において、当該偏光変換部材は前記三角プリズム部及びロッドインテグレータ部を一体的に有する透明ロッド部材を有して成り、前記三角プリズム部の前記面に傾斜対面する面に前記1/4λ板及び反射板が配置されており、前記ロッドインテグレータ部の光出射面に前記偏光ビームスプリッタが配置されている構成としてもよい。
これら構成の偏光変換部材において、前記三角プリズム又は三角プリズム部の前記面に、光源からの光を導入するのに好適な面形状を有する微小部位を形成していてもよい(以下、この項において第4構成という)。
また、この発明の照明装置は、上述したいずれかの偏光変換部材(第4構成は除く)と、前記三角プリズム又は三角プリズム部の前記面に向けて光を出射する光源と、を備えて成ることを特徴とする。かかる構成において、前記三角プリズム又は三角プリズム部内での光源光の屈折方向が前記偏光変換部材における光出射面に直交又は略直交するように、前記光源の主光線軸が設定されていてもよい。
また、この発明の照明装置は、第4構成の偏光変換部材と、前記三角プリズム又は三角プリズム部の前記微小部位に出射光を集光させて導く光源と、を備えて成ることを特徴とする。かかる構成において、前記光源は屈折と反射と回折のいずれかによって集光を行うこととしてもよい。
これら照明装置において、前記光源は、所定の色光を出射する色光源であってもよい(以下、この項において第1照明装置という)。或いは、これら照明装置において、前記光源は白色光源であってもよい(以下、この項において第2照明装置という)。或いは、これら照明装置において、前記光源として第1色光を出射する第1光源と、第2色光を出射する第2光源と、第3色光を出射する第3光源と、を備えるとともに各光源からの各色光を略同一方向に導く光学部材によって各色光を前記三角プリズム又は三角プリズム部の前記面に導く構成としてもよい(以下、この項において第3照明装置という)。
第3照明装置において、第1色光は赤色であり、第2色光は青色であり、第3色光は緑色であってもよい(以下、この項において第4照明装置という)。第4照明装置において、照明中は赤色光と青色光と緑色光が常時出射されるように構成されていてもよい(以下、この項において第5照明装置という)。或いは、第4照明装置において、照明中は赤色光と青色光と緑色光が時分割で出射されるように構成されていてもよい(以下、この項において第6照明装置という)。
また、この発明の投写型映像表示装置は、赤色光を出射する第1照明装置と、青色光を出射する第1照明装置と、緑色光を出射する第1照明装置と、各照明装置からの色光をそれぞれ受けるように設けられたライトバルブと、各ライトバルブを経た各色映像光を合成して投写する投写手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明の投写型映像表示装置は、第2照明装置又は第5照明装置と、一つのフルカラーライトバルブと、前記フルカラーライトバルブを経ることで得られた映像光を投写する投写手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明の投写型映像表示装置は、第2照明装置と、この第2照明装置から出射された白色光を赤色光と緑色光と青色光に分離する分離手段と、各色光をそれぞれ受けるように設けられたライトバルブと、各ライトバルブ経た各色映像光を合成して投写する投写手段と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明の投写型映像表示装置は、第6照明装置と、一つのライトバルブと、各色光の出射タイミングに同期して前記ライトバルブに各色用の映像信号を供給する手段と、前記ライトバルブを経ることで得られた映像光を投写する投写手段と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、光入射面の大きさに対して偏光変換された光を出射する面の大きさを同じ又は略同じにできる、或いは、光を出射する面の大きさが大きくなったとしてもそれによる分散角低減効果を享受することができるという効果を奏する。
以下、この発明の実施例を図1乃至図11に基づいて説明していく。
図1は投写型映像表示装置4Aの光学系を示した図である。この投写型映像表示装置4Aは3つの照明装置51R,51G,51Bを備える(以下、個々の照明装置を特定しないで示すときには、符号”51”を用いる)。各照明装置51は、LED(発光ダイオード)光源11と、偏光変換部材12Aと、を備えて成る。照明装置51Rは赤色光を出射し、照明装置51Gは緑色光を出射し、照明装置51Bは青色光を出射する。
LED光源11は、例えば複数のLEDをアレイ状に配置して成る。照明装置51RにおけるLEDは赤色光を出射し、照明装置51GにおけるLEDは緑色光を出射し、照明装置51BにおけるLEDは青色光を出射する。
前記偏光変換部材12Aは、各LED光源11からの出射光を特定方向の直線偏光光に揃える作用を有する偏光変換部13Aと、LED光源11から出射された光の強度が照明対象物(例えば、液晶表示パネル)の面上で均一となるように光インテグレートを行うロッドインテグレータ14とを備える。ロッドインテグレータ14は透明ガラスから成り、光出射面の形状は液晶表示パネル1の形状に一致又は略一致している。ロッドインテグレータ14に替えて内面がミラー面とされた中空構造のロッドインテグレータを用いることもできる。偏光変換部13Aの詳細構造については後述する。
液晶表示パネル1R,1B,1Gには図示しないドライバから各色用の液晶駆動信号(映像信号)が供給される。各液晶表示パネル1を透過することで変調された各色映像光は、クロスダイクロイックプリズム2によって合成されてフルカラー映像光となる。このフルカラー映像光は、投写レンズ3によって拡大投写され、図示しないスクリーン上に投影表示される。
偏光変換部13Aは、図2にも示しているように、三角プリズム13aと、偏光ビームスプリッタ(この実施形態では、いわゆるワイヤーグリッドタイプのPBSを用いており、以下、WG−PBSと記す)13bと、ミラー13c,13dと、1/2λ板13eと、を備えて成る。
前記三角プリズム13aは直角の頂部を有する(断面形状は二等辺三角形である)。この三角プリズム13aの二つの直交面を第1面及び第2面と呼ぶとともに残り一面を傾斜面と呼ぶこととする。前記第1面は光出射面となり、前記第2面は戻り光の入射面となる。そして、前記傾斜面は前記LED光源11からの光が入射する入射面として機能するとともに前記戻り光に対する全反射面としても機能する。前記LED光源11の主光線軸と前記傾斜面の法線との交差角度(光入射角)は、前記傾斜面に入射した光(屈折後の光)の光軸(光の進む方向)が前記第1面に直交又は略直交するように設定されている。
WG−PBS13bは前記三角プリズム13aの前記第1面の側に配置されている。前記第1面とWG−PBS13bとの交差角度は45°としている。前記WG−PBS13bは、この実施形態では、P偏光光を透過し、S偏光光を反射する。前記ロッドインテグレータ14の光入射面には前記WG−PBS13bを透過したP偏光光が導かれる。前記WG−PBS13bにて反射されたS偏光光はミラー13c,13dに反射されて前記三角プリズム13aの前記第2面に導かれる。前記WG−PBS13bと前記ミラー13cとの交差角度は90°であり、前記ミラー13cと前記ミラー13dとの交差角度は90°であり、前記ミラー13dと前記三角プリズム13aの前記第2面との交差角度は45°である。
前記三角プリズム13aの前記第2面には、前記1/2λ板13eが配置されている。この1/2λ板13eによって戻り光であるS偏光光はP偏光光に変換される。そして、このP偏光光(戻り光)は前記三角プリズム13aの前記傾斜面に全反射し、前記WG−PBS13bを透過して前記ロッドインテグレータ14の光入射面に導かれる。
前記ミラー13c,13d等によって環状的反射経路が形成される。環状的反射経路は、前記WG−PBS13bにて反射された戻り光を前記三角プリズム13aを経由させて前記WG−PBS13bに導く経路である。なお、上記構成例においては、ミラー11aを設け、LED光源11からの光が前記傾斜面に極力導かれるようにしている。
図3に偏光変換部材12Bを示す。この偏光変換部材12Bにおける偏光変換部13Bは、前述した偏光変換部13Aの構成要素と同じ構成要素を備えるものであるが、構成要素の並びが異なっている。図3において、図2に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付記している。LED光源11はロッドインテグレータ14の光入射面の側方近傍に配置されている。LED光源11から出射された光は前記三角プリズム13aの前記傾斜面に照射される。前記三角プリズム13aの第1面から出射した光は前記ミラー13cにて反射された後、1/2λ板13eを透過する。その後、前記ミラー13dにて反射されて前記WG−PBS13bに至る。光源光中のP偏光光は前記WG−PBS13bを透過してロッドインテグレータ14の光入射面に入射する。光源光中のS偏光光は前記WG−PBS13bにて反射され、当該偏光変換部13Bの循環的反射経路を経て再び前記WG−PBS13bに導かれる。そして、前記戻り光であるS偏光光は前記循環的反射経路上で1/2λ板13eを透過することによりP偏光光に変換され、前記WG−PBS13bを透過する(すなわち、偏光変換部13Bから出射する)ことになる。すなわち、所望偏光光の出射と、非所望偏光光を上述した循環的反射経路上に導くことと、この循環的反射経路上で非所望偏光光を所望偏光光に変換することができれば、上述した構成要素の並びはどのような並びでもよい。なお、図3中の点線で示すように、ミラー13dにて反射した光を受ける位置に1/2λ板13eを設けるとすると、1/2λ板13eで反射される光はS偏光光となり、反射効率を高めることができる。
図4に偏光変換部材12Cを示す。この偏光変換部材12Cにおける偏光変換部13Cは、前述した偏光変換部13Bの構成要素と同じ構成要素を備えるとともに、内面がミラー面とされた中空構造のロッドインテグレータ部13fとロッドインテグレータ14とを当該偏光変換部材12Cの循環的反射経路上に組み込んだ構成を有する。図4において、図3に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付記している。LED光源11は液晶表示パネル1の近傍に配置されている。前記ロッドインテグレータ部13fは前記三角プリズム13aの第1面から出射した光に対して光インテグレートを行う。前記ロッドインテグレータ14は前記ミラー13dから前記WG−PBS13bに至る区間で光インテグレートを行う。ロッドインテグレータ部13f,14は中空構造及び非中空構造のいずれでもよい。なお、図4中の点線で示すように、ミラー13dにて反射した光を受ける位置に1/2λ板13eを設けるとすると、1/2λ板13eで反射される光はS偏光光となり、反射効率を高めることができる。
図5に偏光変換部材12Dを示す。この偏光変換部材12Dにおける偏光変換部13Dは、前述した偏光変換部13Cの構成要素と略同じ構成要素を備えるものであるが、構成要素の並びが異なっている。図5において、図4に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付記している。LED光源11Aから出射された光は前記三角プリズム13aの前記傾斜面に照射される。前記三角プリズム13aの第1面から出射した光は前記ロッドインテグレータ14を経て前記WG−PBS13bに導かれる。前記ロッドインテグレータ14と三角プリズム13aとをそれらの屈折率と同等の屈折率を有する接着剤にて接合してもよいが、低屈折率を有する接着剤で接合されるのもよく、また、エアギャップを有するのもよい。また、前記三角プリズム13aとロッドインテグレータ14とを一体化した構成を採用することもできる。光源光中のP偏光光は前記WG−PBS13bを透過して液晶表示パネル1に至る。光源光中のS偏光光は前記WG−PBS13bにて反射され、当該偏光変換部材12Dの循環的反射経路を経て再び前記WG−PBS13bに導かれる。そして、前記S偏光光は前記循環的反射経路上で1/2λ板13eを透過することでP偏光光に変換され、前記WG−PBS13bを透過する(偏光変換部13Dから出射する)ことになる。すなわち、所望偏光光の出射と、非所望偏光光を前記循環的反射経路上に導くことと、この循環的反射経路で非所望偏光光を所望偏光光に変換することができれば、上述した構成要素の並びはどのような並びでもよい。
なお、LED光源11AはLEDアレイから成るが、個々のLEDを前記三角プリズム13aの傾斜面に近接させている。そして、個々のLEDの主光線軸と前記傾斜面の法線との交差角度(光入射角)は、前記傾斜面に入射した光(屈折後の光)の光軸(光の進む方向)が前記第1面に直交又は略直交するように設定されている。また、前記LED光源11Aは、図2、図3、図4に示した構成にも用いることができる。また、これら構成において光源として一つのLEDから成る光源を用いることもできる。
図6に偏光変換部材120Aを示す。この偏光変換部材120Aにおける偏光変換部130Aは、三角プリズム130aと、1/4λ板130bと、ミラー130cと、反射型WG−PBS130dと、を備えて成る。前記反射型のWG−PBS130dは、その面に垂直に受けた光に対し、例えばP偏光光を透過してS偏光光を反射するものである。前記反射型のWG−PBS130dは前記三角プリズム130aの第1面(光出射面)と平行に配置されている(出射光軸に対して直交して設けられており)。前記反射型のWG−PBS130dと前記三角プリズム130aとの間にはロッドインテグレータ140が配置されている。前記三角プリズム130aとロッドインテグレータ140とはそれらの屈折率と同等の屈折率を有する接着剤で接合されていてもよいが、低屈折率を有する接着剤で接合されるのもよく、また、エアギャップを有するのもよい。前記三角プリズム130aの第2面(戻り光入射面)には、前記1/4λ板130bとミラー130cとがこの順で配置されている。前記三角プリズム130aの傾斜面に入射した光源光は、第1面から出射され、ロッドインテグレータ140を経て反射型WG−PBS130dに至る。そして、光源光中のP偏光光は反射型WG−PBS130dを透過して液晶表示パネル1に至る。一方、光源光中のS偏光光は反射型WG−PBS130dに反射して前記ロッドインテグレータ140内に戻され、更に、前記三角プリズム130aの傾斜面に全反射し、前記第2面から出射される。この第2面から出射した前記S偏光光(戻り光)は、ミラー130cにて反射されて戻ってくるので前記1/4λ板130bを2回通過することになり、これによってP偏光光に変換される。このP偏光光(戻り光)は前記三角プリズム130aの傾斜面にて全反射し、ロッドインテグレータ140及び反射型WG−PBS130dを透過して液晶表示パネル1に至る。すなわち、この偏光変換部材120Aは往復的反射経路を備えるものである。往復的反射経路は、前記反射型WG−PBS130dにて反射された戻り光を前記三角プリズム130aを経由させて前記反射型WG−PBS130dに導く経路である。なお、往復的反射経路は短くなるが、三角プリズム130aの第1面(光出射面)に反射型WG−PBS130dを配置する構成も採用できる。
図7に偏光変換部材120Bを示す。この偏光変換部材120Bは、ロッド部材130eと、1/4λ板130bと、ミラー130cと、反射型WG−PBS130dと、を備えて成る。前記ロッド部材130eは例えばガラスロッドの一端側を斜めカットしたものであり、三角プリズム部(前記斜めカットされた端部側領域)とロッドインテグレータ部とを一体的に備えたものとなっている。前記三角プリズム部における傾斜面(斜めカットにより形成される面)は光入射面及び戻り光に対する全反射面となる。前記傾斜面に全反射された戻り光を受ける位置に前記1/4λ板130b及びミラー130cがこの順で設けられている。かかる構成における偏光変換機能は図6に示した構成の偏光変換機能と同様である。一方、図6に示した構成では三角プリズムとロッドインテグレータとが別体であるために部品点数が増えるが、図7に示す構成であれば、三角プリズムとロッドインテグレータとが一体であるため、部品点数を少なくできる。
図8に偏光変換部材120Cを示す。この偏光変換部材120Cは、図6に示した偏光変換部材120Aの構成において、ロッドインテグレータ140に替えてテーパ型ロッドインテグレータ141を備えた構造を有する。このテーパ型ロッドインテグレータ141の光出射面はその光入射面よりも大きい。光出射面が大きいと単位面積当たりの光量は低下してしまうが、テーパ形状を有することで出射光の低分散角化が図れるという利点が得られる。
図9に偏光変換部材120Dを備えた単板型の投写型映像表示装置を示す。前記偏光変換部材120Dは、前述した偏光変換部材120Bと同様の構成を有するものであるが、ロッド部材130eに替えてロッド部材130fを備えている点で異なっている。ロッド部材130eとロッド部材130fとの相違は、それらの傾斜面に存在している。すなわち、ロッド部材130fの傾斜面(三角プリズム部の傾斜面)には光源からの光をロッド内に導入するのに好適な面形状を有する微小部位Xが形成されている。この実施形態では、前記微小部位Xは光出射光軸に直交する平面形状領域から成るが、このような平面形状に限るものではなく、また、曲面形状としてもよいものである。ランプ光源150は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等のランプと、その照射光を集光する楕円リフレクタとから成る。なお、前記楕円リフレクタを用いずに、前記照射光を平行光化するパラボラリフレクタと、このパラボラリフレクタからの平行光を集光するレンズとを備えてもよい。すなわち、前記集光は反射、屈折、或いは回折を生じさせる光学部品を用いても実現できる。ランプ光源150から出射された白色光は前記微小部位Xに集光される。ランプ光源150の出射光の主光線軸は、偏光変換部材120Dにおける出射光軸に平行又は略平行になっている。前記微小部位Xは前記傾斜面に中央以外に形成してもよい。偏光変換部材120Dからの出射光を受ける位置にフルカラーの透過型の液晶表示パネル110及び図示しない投写レンズが設けられている。前記微小部位Xを形成するとともにこの微小部位Xに光源光を集光させる構成を、先述した他の偏光変換部材に適用して、単板型の投写型映像表示装置を構成することができる。
図10に光学部材120Bを備えた単板型の投写型映像表示装置を示す。光源151は赤色光を出射するLED光源11と、緑色光を出射するLED光源11と、青色光を出射するLED光源11と、これらの色光を同一方向に導くクロスダイクロイックミラー152と、から成る。この投写型映像表示装置で用いられる液晶表示パネル153は、RGBカラーフィルタを備えた構造、或いはRGBカラーフィルタを備えない構造を有する。RGBカラーフィルタを備える構造の液晶表示パネルを用いる場合には、全LED光源11を同時点灯して白色光を液晶表示パネル153に導く。前記RGBカラーフィルタを備えない構造の液晶表示パネル153を用いる場合には、各LED光源11を時分割で点灯させると共に、この時分割点灯のタイミングに同期させて液晶表示パネル153に各色の映像信号を供給する。このような単板型の投写型映像表示装置は、図2乃至図8に示した偏光変換部材を用いて実現することもできる。
図11は三板式の投写型映像表示装置4Bを示した説明図である。この投写型映像表示装置4Bは一例として図7に示した偏光変換部材120B及びパラボラリフレクタを備えて平行光を出射する光源154を備えている。勿論、偏光変換部材120B及び光源154に替えてこの発明の他の偏光変換部材及び光源を用いることができる。光源154から出射された白色光は偏光変換部材120Bに入射し、偏光方向を揃えられ且つ光インテグレートされて偏光変換部材120Bから出射される。偏光変換部材120Bから出射された白色光は第1ダイクロイックミラー68へと導かれる。第1ダイクロイックミラー68は、赤色波長帯域の光を透過し、シアン(緑+青)の波長帯域の光を反射する。第1ダイクロイックミラー68を透過した赤色波長帯域の光は、反射ミラー69にて反射されて光路を変更される。反射ミラー69にて反射された赤色光はコンデンサレンズ70を経て赤色光用の透過型の液晶表示パネル81を透過することによって光変調される。一方、第1ダイクロイックミラー68にて反射したシアンの波長帯域の光は、第2ダイクロイックミラー71に導かれる。
第2ダイクロイックミラー71は、青色波長帯域の光を透過し、緑色波長帯域の光を反射する。第2ダイクロイックミラー71にて反射した緑色波長帯域の光はコンデンサレンズ72を経て緑色光用の透過型の液晶表示パネル82に導かれ、これを透過することによって光変調される。また、第2ダイクロイックミラー71を透過した青色波長帯域の光は、反射ミラー74,76、リレーレンズ73,75、及びコンデンサレンズ77を経て青色光用の透過型の液晶表示パネル83に導かれ、これを透過することによって光変調される。
各液晶表示パネル81,82,83は、入射側偏光板81a,82a,83aと、一対のガラス基板(画素電極や配向膜を形成してある)間に液晶を封入して成るパネル部81b,82b,83bと、出射側偏光板81c,82c,83cとを備えて成る。液晶表示パネル81,82,83を経ることで変調された変調光(各色映像光)は、クロスダイクロイックプリズム78によって合成されてカラー映像光となる。このカラー映像光は、投写レンズ79によって拡大投写され、スクリーン上に投影表示される。
以上の説明において、投写型映像表示装置(リア型或いはフロント型)は透過型の液晶パネルを用いることとしたが、これに限らず、反射型の液晶パネルを用いてもよいし、これら液晶パネルに替えて、画素となる多数の微小ミラーをそれぞれ駆動するタイプの表示パネルを用いることとしてもよい。
また、以上説明した投写型映像表示装置において、投写レンズに代えて投写用の曲面ミラーを備えてもよい。また、固体発光素子はLEDに限らず、有機或いは無機のEL(エレクトロルミネッセンス)などを用いてもよい。
4A,4B 投写型映像表示装置
11 LED光源
12A,12B,12C,12D 偏光変換部材
120A,120B,120C,120D 偏光変換部材
13a 三角プリズム
13b 偏光ビームスプリッタ
13e 1/2λ板
14 ロッドインテグレータ
51 照明装置
11 LED光源
12A,12B,12C,12D 偏光変換部材
120A,120B,120C,120D 偏光変換部材
13a 三角プリズム
13b 偏光ビームスプリッタ
13e 1/2λ板
14 ロッドインテグレータ
51 照明装置
Claims (23)
- 特定の直線偏光光を透過させて出射する一方で他の偏光光を反射して戻り光を生成する偏光ビームスプリッタと、光源からの光を導入する光導入面及び前記戻り光に対する全反射面として機能する面を有した三角プリズム又は三角プリズム部と、前記戻り光を前記特定の直線偏光光に変換する位相差板と、を備え、前記特定の直線偏光光に変換された前記戻り光が前記偏光ビームスプリッタから出射されるように構成されたことを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項1に記載の偏光変換部材において、当該偏光変換部材における光出射方向に対して前記偏光ビームスプリッタが所定角度傾けて配置されており、前記偏光ビームスプリッタにて反射された戻り光を前記三角プリズム又は三角プリズム部を経由させて前記偏光ビームスプリッタに導く環状的反射経路が形成されており、前記戻り光が前記環状的反射経路を通って前記偏光ビームスプリッタに至るまでの過程で前記位相差板である1/2λ板にて前記特定の直線偏光光に変換されることを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項2に記載の偏光変換部材において、光入射面から入射された光を重畳して光出射面から出射するロッドインテグレータを前記循環的反射経路外に備えており、前記偏光ビームスプリッタを透過した特定の直線偏光光が前記ロッドインテグレータの前記光入射面に入射されることを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項2に記載の偏光変換部材において、光入射面から入射された光を重畳して光出射面から出射するロッドインテグレータを前記循環的反射経路内に備えており、前記ロッドインテグレータを経た光が前記偏光ビームスプリッタに入射することを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項1に記載の偏光変換部材において、当該偏光変換部材における光出射方向に対して前記偏光ビームスプリッタが直交又は略直交して配置されており、前記偏光ビームスプリッタにて反射された戻り光を前記三角プリズム又は三角プリズム部を経由させて前記偏光ビームスプリッタに導く往復的反射経路が形成されており、前記戻り光が前記往復的反射経路を通って前記偏光ビームスプリッタに至るまでの過程で前記位相差板である1/4λ板にて前記特定の直線偏光光に変換されることを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項5に記載の偏光変換部材において、前記三角プリズムにおける前記面以外の第1面が光出射面とされ、この光出射面の側に前記偏光ビームスプリッタが配置されており、第2面には前記1/4λ板及び反射板が配置されていることを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項5に記載の偏光変換部材において、前記三角プリズムにおける前記面以外の第1面が光出射面とされ、この光出射面と前記偏光ビームスプリッタとの間に前記往復的反射経路の一部を成すロッドインテグレータが配置されており、第2面には前記1/4λ板及び反射板が配置されていることを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項5に記載の偏光変換部材において、当該偏光変換部材は前記三角プリズム部及びロッドインテグレータ部を一体的に有する透明ロッド部材を有して成り、前記三角プリズム部の前記面に傾斜対面する面に前記1/4λ板及び反射板が配置されており、前記ロッドインテグレータ部の光出射面に前記偏光ビームスプリッタが配置されていることを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の偏光変換部材において、前記三角プリズム又は三角プリズム部の前記面に、光源からの光を導入するのに好適な面形状を有する微小部位を形成していることを特徴とする偏光変換部材。
- 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の偏光変換部材と、前記三角プリズム又は三角プリズム部の前記面に向けて光を出射する光源と、を備えて成ることを特徴とする照明装置。
- 請求項10に記載の照明装置において、前記三角プリズム又は三角プリズム部内での光源光の屈折方向が前記偏光変換部材における光出射面に直交又は略直交するように、前記光源の主光線軸が設定されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項9に記載の偏光変換部材と、前記三角プリズム又は三角プリズム部の前記微小部位に出射光を集光させて導く光源と、を備えて成ることを特徴とする照明装置。
- 請求項12に記載の照明装置において、前記光源は屈折と反射と回折のいずれかによって集光を行うことを特徴とする照明装置。
- 請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の照明装置において、前記光源は、所定の色光を出射する色光源であることを特徴とする照明装置。
- 請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の照明装置において、前記光源は白色光源であることを特徴とする照明装置。
- 請求項10乃至請求項13のいずれかに記載の照明装置において、前記光源として第1色光を出射する第1光源と、第2色光を出射する第2光源と、第3色光を出射する第3光源と、を備えるとともに各光源からの各色光を略同一方向に導く光学部材によって各色光を前記三角プリズム又は三角プリズム部の前記面に導くことを特徴とする照明装置。
- 請求項16に記載の照明装置において、第1色光は赤色であり、第2色光は青色であり、第3色光は緑色であることを特徴とする照明装置。
- 請求項17に記載の照明装置において、照明中は赤色光と青色光と緑色光が常時出射されるように構成されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項17に記載の照明装置において、照明中は赤色光と青色光と緑色光が時分割で出射されるように構成されていることを特徴とする照明装置。
- 赤色光を出射する請求項14に記載の照明装置と、青色光を出射する請求項14に記載の照明装置と、緑色光を出射する請求項14に記載の照明装置と、各照明装置からの色光をそれぞれ受けるように設けられたライトバルブと、各ライトバルブを経た各色映像光を合成して投写する投写手段と、を備えたことを特徴とする投写型映像表示装置。
- 請求項15又は請求項18に記載の照明装置と、一つのフルカラーライトバルブと、前記フルカラーライトバルブを経ることで得られた映像光を投写する投写手段と、を備えたことを特徴とする投写型映像表示装置。
- 請求項15に記載の照明装置と、前記照明装置から出射された白色光を赤色光と緑色光と青色光に分離する分離手段と、各色光をそれぞれ受けるように設けられたライトバルブと、各ライトバルブ経た各色映像光を合成して投写する投写手段と、を備えたことを特徴とする投写型映像表示装置。
- 請求項19に記載の照明装置と、一つのライトバルブと、各色光の出射タイミングに同期して前記ライトバルブに各色用の映像信号を供給する手段と、前記ライトバルブを経ることで得られた映像光を投写する投写手段と、を備えたことを特徴とする投写型映像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005124284A JP2006301376A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | 偏光変換部材及び照明装置及び投写型映像表示装置 |
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JP2005124284A JP2006301376A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | 偏光変換部材及び照明装置及び投写型映像表示装置 |
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JP2006301376A true JP2006301376A (ja) | 2006-11-02 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007011178A (ja) * | 2005-07-04 | 2007-01-18 | Seiko Epson Corp | 照明装置及びプロジェクタ |
JP2007101835A (ja) * | 2005-10-04 | 2007-04-19 | Seiko Epson Corp | 均一化光学素子、照明装置及びプロジェクタ |
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2005
- 2005-04-21 JP JP2005124284A patent/JP2006301376A/ja not_active Withdrawn
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