JP2006301371A - 電子写真用トナーの混練装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、オープンロール混練機における連続生産時において、混練物の収率が高く、かつ混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が良好な混練物を提供する。
【解決手段】
少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナー原料混合物を搬送し供給する原料搬送供給装置1と、原料搬送供給装置1にて供給されるトナー原料混合物2aを熔融混練する回転駆動されるオープンロール15とを備えた混練装置10において、
上記オープンロール15へとトナー原料混合物2aを供給する原料搬送供給装置1にトナー原料混合物を拡散する拡散機構13を設けたことを特徴とする電子写真用トナーの混練装置である。
【選択図】図1
本発明は、オープンロール混練機における連続生産時において、混練物の収率が高く、かつ混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が良好な混練物を提供する。
【解決手段】
少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナー原料混合物を搬送し供給する原料搬送供給装置1と、原料搬送供給装置1にて供給されるトナー原料混合物2aを熔融混練する回転駆動されるオープンロール15とを備えた混練装置10において、
上記オープンロール15へとトナー原料混合物2aを供給する原料搬送供給装置1にトナー原料混合物を拡散する拡散機構13を設けたことを特徴とする電子写真用トナーの混練装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真用プロセスにより被記録媒体に画像形成を行う技術において、記録媒体として用いられる電子写真用トナーを製造するための装置にかかるもので、特に、トナー製造の原料となる混練物を作製する混練装置に関する。
トナーの製造方法として、粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法などがよく知られている。また、トナーの製造方法は、これら以外にも様々な方面から多種多様の方法が提案され、実施に供されている。
上記のトナーの製造方法のうち、粉砕法の一例として、トナー製造過程で重要な熔融混練工程を、オープンロール型連続混練機(以下、オープンロール混練機と略す)を用いて行い、その後の粉砕・分級工程を経て、トナーを製造する方法がある。この製造方法では、一般的に、ミキサー等の混合機を用いて、あらかじめ結着樹脂や着色剤ないしはマスターバッチ等を予備混合しておく。そして、この予備混合により得られたトナー原料混合物を、上記オープンロールを用いて熔融混練する。その後、得られた混練物を粉砕分級することで、所望の粒度分布を有するトナーを得ている。
その際、トナーの熔融混練工程において、トナーの原料混合物を、スクリューフィーダーや振動フィーダー等の原料搬送供給装置によりオープンロールの一側端の加熱ローラ上より供給する。供給されたトナー原料混合物は、両オープンロール間の一端供給側に滞留して熔融した結着樹脂等によりバンクが形成されるとともに、そのバンクにおいてオープンロールの回転によりバンク内に原料が飲み込まれて、バンク内で対流が形成される。
また、バンクにおいて、対流に飲み込まれたトナー原料混合物がオープンロールの加熱と回転により熔融され、結着樹脂は粘性を有する流体となる。そして、熔融したトナーの原料混合物が加熱ローラのオープンロール表面に巻き着き、オープンロールの回転により他端側(供給側と反対側)へ移送されるうちにトナー原材料混合物が練り込まれて混練物が調製される。
このとき、オープンロールにおいて、通常、トナー原料混合物の熔融混練が低温で行われるため、結着樹脂の熔融が進まず、高粘性流体の結着樹脂が練り込まれて大きな圧縮力、せん断力が発生する。その圧縮力、せん断力により顔料、添加剤が微細化されるとともに、結着樹脂中に均一に分散される。そして、トナー原料混合物が熔融混練されて調製された混練物はオープンロールの他端側より排出される。排出された混練物は、冷却、固化された後、粉砕工程、分級工程、外添工程等を経ることで、トナーが製造される。
ところが、上記混練物の製造工程において、トナー原料混合物は一箇所に一定量ずつ、まとまった状態でオープンロール混練機に供給され、そのトナー原料混合物は外気との接触により冷却される。そのため、トナー原料混合物はオープンロールの加熱のみでは熔融されにくく、さらに、トナー原料混合物が熔融しきっていない状態で供給され続けると固形状のトナー原料混合物がバンク上に滞留してしまう。
さらに、固形状のトナー原料混合物はバンクからの伝熱により若干熔融しトナー原料混合物同士で固着してバンクで固まりとなる。そして、この固まりがバンクの幅よりも大きくなるとギャップ間に巻き込まれにくくなり、混練されにくくなる。加えて、固まりが発生した状態で原料が供給され続けるため、原料は固まり落下し、原料がバンクからオープンロール間に均一かつ定量的に巻き込まれなくなる。その結果、原材料混合物の使用率が悪くなり混練物の収率が上がらなかった。しかも、得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が悪化し、その混練物を使用したトナーの性能が低下してしまうというなどの問題も生じる。
前記オープンロール方式による混練機において、原料供給部での原材料混合物の熔融不良によるトナー原料混合物の大きな固まりの発生課題を解消するために、例えば下記特許文献1記載の技術が提案されている。この特許文献1では少なくとも結着樹脂及び顔料からなるトナー原料混合物を原料搬送供給装置にてオープンロール上へ供給する際、トナー原料混合物が供給されるときの供給幅(オプンロールの回転軸方向の幅)を、供給量、混練物の平均温度、結着樹脂のガラス転移点を用いた関係式で規定し、これを満足する場合において原料を効率よく加熱できることから、原材料の供給部での固まりの発生が抑制されて安定した混練ができ、原料が均一に分散された混練物を製造できることが記載されている。
特開2002−244347
前記特許文献1に記載された条件では、原料搬送供給装置に設けらたスクリューフィーダーの搬送筒内の螺旋状翼板におけるトナー原料混合物の供給幅を、各種物理量から数式で設定しているが、スクリューフィーダーは、トナー原料混合物を定量的に精度良く連続供給する事が難しい。つまり、螺旋状の翼板でトナー原料混合物が搬送されるため、スクリューのピッチに応じて密状態と疎状態が繰り返されることで一定量の供給が行われる傾向にある。そのため、上記供給幅で均一な供給量分布とならず、供給量にバラツキが発生し、一定量ずつまとまった状態でオープンロール混練機に供給され、固まりが発生しやすくなり、原料が固まり落下したり、原料がバンクからオープンロール間に均一かつ定量的に巻き込まれにくくなりやすい。よって、トナー原料混合物の使用率が悪くなり混練物の収率が十分に高めることが望めない。しかも、上述同様に、得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が悪化したりして、その混練物を使用したトナーの性能が低下してしまう危惧がある。
一方、原料搬送供給装置に上記スクリューフィーダーではなく、一般的に原料を定量的に精度良く連続供給することができる電磁石と板ばねと振動トラフ等からなる振動フィーダーを用いることで、設定量のトナー原料混合物を供給できる装置も提案されている。しかし、この種の装置では、原料を保持搬送するトラフ(テーブル)上においてトナー原料混合物が均一にならず、中心部に集まる傾向がある。そのため、オープンロール供給部への供給面積が小さくなり、その部分での単位面積あたりの供給量が大きくなる。これにより、トナー原料混合物が熔融しきっていない状態で供給され続け、固形状のトナー原料混合物がバンク上に滞留して、前記スクリューフィーダーと同じくトナー原料混合物の混練物の収率を上げることができず、また得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が悪化たり、その混練物を使用したトナーの性能が低下する問題も残る。
以上のように従来の装置ではトナー原料混合物の安定混練が期待できず、トナー原料混合物を混練した混練物の収率を十分に上げることができなかった。
本発明は、オープンロール方式を用いた混練機における混練物の連続生産時において、トナー原料混合物を供給部に、指定量を指定幅で搬送、供給する装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、トナー原料混合物の固まりが発生せず、混練物の収率を高めることができるトナー原料混合物の混練装置を提供するものである。
さらに、本発明は、混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が良好で、その混練物を得るための混練装置を提供することを目的としている。
さらに、本発明は、混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が良好で、その混練物を得るための混練装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するトナー原料混合物の混練装置は、少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナー原料混合物を搬送し供給する原料搬送供給装置と、原料搬送供給装置にて供給されるトナー原料混合物を熔融混練する回転駆動されるオープンロールとを備えた混練装置において、上記トナー原料混合物を供給する原料搬送供給装置のオープンロールへの供給部近傍に、トナー原料混合物を拡散する拡散機構を設けて構成する。
以上の構成のように、少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナー原料混合物を搬送する原料搬送供給装置に拡散機構を備えることにより、トナー原料混合物が、前記原料搬送供給装置で搬送中に偏った位置に移動したトナー原料混合物を均一に拡散し、オープンロール供給部の一箇所にトナー原料混合物を供給することなく、設定した幅で均一な量を搬送する事ができる。よって、原料供給部での原材料混合物の熔融不良によるトナー原料混合物の大きな固まりの発生課題を解消することができ、原料がバンクからオープンロール間に均一かつ定量的に巻き込まれ、原料の固まりの落下がなく、トナー原料混合物の使用率が良くなり混練物の収率が高くなる。また、得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が上がり、その混練物を使用したトナーの性能が良好になる。
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態について図1〜4に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本発明におけるトナーを製造する過程での混練工程に係る混練装置(オープンロール型連続混練機)の一例を示す主要部の斜視図である。図1に示すように、本実施形態の混練装置10は、相対向する2本の加熱ロール3および冷却ロール4からなるオープンロール15と、原料搬送供給装置1とを備えている。
図1は、本発明におけるトナーを製造する過程での混練工程に係る混練装置(オープンロール型連続混練機)の一例を示す主要部の斜視図である。図1に示すように、本実施形態の混練装置10は、相対向する2本の加熱ロール3および冷却ロール4からなるオープンロール15と、原料搬送供給装置1とを備えている。
オープンロール15は、加熱ロール3と冷却ロール4との2本の円筒状のロールを、互いに平行させて近接配置され、回転可能に軸支され互いに逆方向、図に示す矢印5方向に駆動される構成となっている。図2は、混練装置10平面図である。図2において、加熱ロール3及び冷却ロール4は、各両端部に回転軸9が固定さており、該回転軸9の各端部は支持部8に軸受けを介して回転可能に軸支されている。また、加熱ロール3及び冷却ロール4は、ロール表面の外周面には、螺旋形状に設けられた溝が決められたピッチで形成されている。
上記回転軸9は、円筒形状であって、該回転軸9を介して熱ローラ3、冷却ロール4内部へ、加熱オイル等を循環供給されるように構成されている。これにより加熱ローラ3、冷却ローラ4を決められた温度に加熱している。
また、上記回転軸9を支持する支持部8は、図示しないが回転軸9を互いに逆方向に回転駆動するための駆動部が一方の端部に連結されており、図示しない駆動モータの回転が伝達されるよう構成されている。従って、加熱ロール3及び冷却ロール4とは、互いに逆方向に回転駆動され、その回転駆動速度は上記駆動モータの回転速度を制御することで実行される。なお、ロール回転軸9および支持部8は、例えば、金属等から構成できる。
上記オープンロール15を構成してなる加熱ロール3と冷却ロール4は、それぞれ互いに逆向きとなるように、以下で説明する供給されたトナー原料混合物をロール間に巻き込む方向に(図1において矢印5の方向)に回転駆動される。
また、加熱ロール3内には、オイル等の加熱媒体を、また、冷却ロール4内には、水等の冷却媒体をそれぞれ先に説明したように回転軸9を介して通すことにより、温度調整が行われる。この温度調整は、従来より周知でありその周知技術を用いればよい。また、オープンロールの原料供給地点である原料供給側と混練物が排出される混練物排出側とで、それぞれ異なる温度調整を行うことができる。
なお、本実施形態の説明では、加熱ロール3および冷却ロール4には、それぞれ、表面にらせん状の溝aおよび溝bが形成されたロールを使用するものとする。しかし、溝がないロールを使用しても構わない。また、ロールの配置は、図示したものに限定されない。一方、上述した加熱ロール3及び冷却ロール4によるオープンロール15にてトナー原料混合物は、熔融混連され混練物として、対向するロールの一端部から他端側へと搬送され、排出される。排出される端部側のオープンロール15の下部には、混練物を切断する円形状の金属製ストリップカッター6が設けられている。また、該カッター6の配置位置に対応して回収ボックス7が配置されている。そのため、上記カッター6で切断された混連物は、回収ボックス7に回収される。
以上は、オープンロール15を備えた混練機の構成についての説明であるが、以下にオープンロール15へトナー原料混合物を搬送し、供給してなる原料搬送供給装置1について説明する。
原料搬送供給装置1は、オープンロール15に対して、少なくとも結着樹脂、着色剤とからなる、予め予備混合されたトナー原料混合物を搬送し、供給する。そのための原料搬送供給装置1は、冷却ロール4の供給側(図2では右側上方)の外側方に設置された載置台(図示せず)上に載置される。原料搬送供給装置1は、トナー原料混合物を一時貯留するホッパ部と該ホッパ部のトナー原料混合物を搬送する螺旋状のスクリューが内蔵されたスクリュー部とを備えているスクリューフィーダー11と、該スクリューフィルダー11より送り込まれたトナー原料混合物を加熱ロール3上に送り、供給する周知の振動フィーダー12とから構成されている。
上記スクリューフィーダー11は、例えば2本のスクリュー(図示せず)が互いに平行に配置されており、ホッパ部に貯溜されているトナー原料混合物を振動フィーダー12へと送り込むようにしている。そのため、スクリューフィーダー11と振動フィーダー12とは連通されている。
振動フィーダー12は、スクリューフィーダー11に連通された部分と反対側の先端部が、後述するスクリューフィーダー11のトナー原料混合物を、オープンロール15上に供給する供給口として構成されている。この振動フィーダー12は、スクリューフィーダー11に連通した部位を上位置とし、上記開口部である供給口を下位置となるようの傾斜状態で配置されている。
また、上記振動フィーダー12は、下部に断面がコ字状のトラフ(テーブル)12aを構成部材にもち、コ字状の上開口部を平板で覆うことで、断面がほぼ矩形の筒状を呈した構成であり、その先端部分が開口され、この開口部は、トナー原料混合物をオープンロール15上へと供給する供給口を構成している。この振動フィーダー12は、トナー原料混合物を上記トラフ12a上に停滞させることなく、効率よく搬送するために、上述したように傾斜状態で配置すると同時に、トラフ12aに図示しない振動子等を取り付け振動させている。これにより、スクリューフィーダー11にて搬送され、振動フィーダー12へと送り込まれたトナー原料混合物は、トラフ12a上を傾斜方向に効率よく移送される。
上記振動フィーダー12にてオープンロール15へと搬送し、供給する地点は、加熱ロール3上の頂点部から加熱ロール3と冷却ロール4との間にかけての範囲内における加熱ロール3上である。この場合、振動フィーダー12を移送されて上記加熱ロール上にトナー原料混合物をと供給するための供給口12b(幅L)は、オープンロールの回転軸方向とほぼ平行状態で配置される。
以上のように構成された原料搬送供給装置1の構成において、スクリューフィーダー11、振動フィーダー12を介して搬送、供給されるトナー原料混合物は、振動フィーダー12を効率よく移送され、オープンロール15の加熱ロール3上へ効率よく供給される。この時、振動フィーダー12のトラフ12a上を移送され供給口から供給されるトナー原料混合物は、供給口12bの幅Lに亘って方向で均一な分布状態で供給されず、中央部に集まる状態で供給される傾向にある。
そこで、上述したような問題を解消するために、振動フィーダー12の供給幅全域で均一に拡散したトナー混合物を供給部に供給する構成について図3等を参照して説明する。
図3の斜視図にその一例を示す。振動フィーダー12は、トラフ12a表面上に、搬送上流方向に向かって中央部を凸形状に形成され拡散機構を構成してなるスリット板13を設けている。本実施例による拡散機構を構成するスリット板13は、図に示すように中央部を折り曲げ、折り曲げた部分(突出部分)が搬送方向の上流側になるように配置されており、その配置位置としては開口部(供給口)の上流位置に設けている。さらにスリット板13には、トナー原料混合物が通過できるスリット13aがトラフ12a側に向かって複数形成されている。
以上のようにスリット板13を設けることで、トラフ12a上流から移送されてきたトナー原料混合物2aは、スリット板13に衝突すると、スリット13の形状及びそのスリットパターンの様式に応じて、振動フィーダー12により中央部にトナー原料混合物が集中しようとしても左右に拡散される。例えば、中央部に集中しようとするトナー原料混合物2aは、その流れが、矢印で示すように、スリット板13に規制されて各スリット13aを通過することにより、オープンロール15上へ幅Lで、均一に拡散され、搬送供給される。なおスリット板の形状は図のような形状に限られるものではない。
上記スリット板13に形成されるスリット13aの例について、図4〜図6に示すものがある。図4に示すスリット板13は、中央部を折り曲げ、折り曲げた突出部をトナー原料混合物の搬送方向上流側に配置し、スリット13aを一定の幅で、また決められた間隔、例えば等間隔に形成した構成である。また、図5に示すスリット板16は、図4と同一形状に形成されており、スリット13bを一定間隔でなく、下流側に向かって徐々にその間隔を狭めるようにスリット13bを形成している。
以上の構成とは別に、図6に示すスリット板17は、中央部を折り曲げたものでなく、円弧形状に湾曲させ、湾曲させた突出部を上流側に配置し、スリット形状として円弧形状に等間隔にスリット13cを形成した構成である。
上述した説明のスリット板3は、少なくとも中央部が上流側、つまりトナー原料混合物が搬送される上流位置に突出するように形成し、スリットとしては、その個数や形状、それを形成するパターンとしてトラフ12aの幅全域でトナー原料混合物が均一に分布するように供給されるように形成すればよい。また、スリットの形状も例示したような四角形状に限られるものではなく、半楕円形状、半円形状、また三角形状でも良く、その数も特に限られたものではない。これらのサイズ及び形状を種々に組み合わせることで所望の流量分布及び供給幅を実現することが可能となる。
次に上述で説明した本実施例にかかる混練装置10による熔融混練の動作について説明する。トナーの製造において、通常、予め、熔融混練の前に、結着樹脂、着色剤、離型剤等を所定量計量して、Q型ミキサー、ヘンシェルミキサー等のミキサー(混合機)を使用し予備混合(前混合)を行う。本実施形態においても、所望の量を計量した結着樹脂、着色剤等をそれぞれ前記のミキサー内に投入して、トナー原料混合物の予備混合を行う。なお、トナー原料混合物は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含む。また。これ以外の材料、例えば、離型剤、電荷制御剤等が含まれていてもかまわない。
予備混合されたトナー原料混合物は、まず、スクリューフィーダー11のホッパ部に投入され、その後、振動フィーダー12を介して、オープンロール15の上から(図1において矢印2aの方向に)供給される。
オープンロール15上に供給された予備混合物されたトナー原料混合物は、供給された地点付近で速やかに熔融するか、一旦ロール間に滞留する。そして、その滞留物はオープンロール15の回転により、順次、ニップ部において熔融物は練り込まれ、加熱ロール3からの加熱や、混練の摩擦等による発熱により、熔融して加熱ロール3に巻きつく。加熱ロール3に巻きついたトナー原料混合物は、加熱ロール3および冷却ロール4間のニップ部における圧力により、両オープンロールの一端供給側の間に滞留して結着樹脂等が熔融してバンクを形成する。このバンクにおいてオープンロール15の回転によりバンク内に供給されたトナー原料混合物が飲み込まれて対流が形成される。
原料搬送供給装置1からのトナー原料混合物の供給が継続され、順次、排出側の方へ熔融混練されながら移動する。そして、オープンロール15の排出側に取り付けられているストリップカッター6により、加熱ロール3に巻きついた混練物の切断が行われる。切断後された混練物は、図1の矢印6aに示すように下側に排出され、回収ボックス7内に回収される。
上記のようにトナー原料混合物をオープンロール15の供給域において、局所的に供給過多とならず、トナー原料混合物が速やかに熔融し良好に混ざり込む。これは、先に説明したように拡散機構であるスリット板13を設けることで、振動フィーダー12のトラフ12a上を搬送されるトナー原料混合物が、中央部に集まることがなくなり、供給口12bの幅に亘って均一に拡散され供給される。これにより、トナー混合物の一部がロール3に巻きつかずに起こるトナー原料混合物の落下、及びバンクにトナー原料混合物が均一に混ざり込まないままで排出される不都合が発生せず、高収率を維持しトナー構成材料が均一に分散した混練物を作製することができる。この作製回収された混練物を、粉砕・分級することで、所望の粒度分布を有するトナーを製造する。
次いでトナー製造のためのトナー原料混合物について説明する。
本発明で用いられるトナー原料の一構成材料である結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体およびスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等のスチレン−アクリル酸エステル共重合体;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メチルエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体およびスチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等のスチレン−メタクリル酸エステル共重合体;スチレン−α−クロロアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重合体、または、共重合体)、ポリ塩化ビニル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また、これら結着樹脂は、単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。上記例示の結着樹脂のうち、フルカラー用トナーとして用いる場合には、熱特性制御等の観点からポリエステル樹脂がより好ましい。ポリエステル樹脂は、下記の多価アルコールと多価カルボン酸成分とから合成することができるが、特に限定されるものではない。
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物等の2価アルコールをあげることができる。また、ポリマーをテトラヒドロフラン不溶分が発生しない程度に非線状化するために3価以上の多価アルコールを使用することができる。3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトラオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等があげられる。
また、多価カルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アルキルコハク酸(例えば、n−オクチルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸)等の2塩基性カルボン酸、それらの酸無水物およびアルキルエステルをあげることができる。
また、本発明用いられる着色剤は、特に限定されるものではなく、例えば、イエロートナーを得るための着色剤としては、C.I.Pigment Yellow 1、3、4、5、6、12、13、14、15、16、17、18、24、55、65、73、74、81、83、87、93、94、95、97、98、100、101、104、108、109、110、113、116、117、120、123、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、156、168、169、170、171、172、173、180、185等が挙げられ、特に、C.I.Pigment Yellow 17(ジスアゾ)、74(モノアゾ)、155(縮合アゾ)、180(ベンズイミダゾロン)が好ましい。
またマゼンタトナーを得るための着色剤としては、C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、15、17、18、22、23、31、37、38、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53:1、53:3、54、57:1、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、65、66、67、68、81、83、88、90、90:1、112、114、115、122、123、133、144、146、147、149、150、151、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、185、187、188、189、190、193、194、202、208、209、214、216、220、221、224、242、243、243:1、245、246、247等が挙げられ、特に、C.I.Pigment Red 48:1(バリウムレッド)、48:2(カルシウムレッド)、48:3(ストロンチウムレッド)、48:4(マンガンレッド)、53:1(レーキレッド)、57:1(ブリリアントカーミン)、122(キナクリドンマゼンタ)および209(ジクロロキナクリドンレッド)が好ましい。
またシアントナーを得るための着色剤としては、フタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 1、2、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15、16、17:1、27、28、29、56、60、63等が挙げられ、特に、C.I.Pigment Blue 15:3(フタロシアニンブルーG)、15(フタロシアニンブルーR)、16(無金属フタロシアニンブルー)、60(インダンスロンブルー)が好ましい。
さらにブラックトナーを得るための着色剤としては、カーボンブラックが好適である。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ロースブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラック等の、従来公知の様々なカーボンブラックの中から、適宜選択すればよい。
本発明のトナー原料混合物に前記結着樹脂及び着色剤以外に添加するものとして電荷制御剤がある。この電荷制御剤は特に限定されるものではなく、黒トナー又はカラートナー用の公知の負帯電又は正帯電のトナー用の電荷制御剤を使用することができる。負帯電用の制御剤としては、サリチル酸又はその誘導体のクロム、亜鉛、ジルコニウム錯体もしくは塩化合物、アゾ錯体染料、長鎖アルキルカルボン酸塩等の界面活性剤等が挙げられる。正帯電トナー用の電荷制御剤としては、ニグロシン染料又はその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等が挙げられる。更に、離型剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス及び合成ワックス類、シリコーン系重合体、高級脂肪酸、ポリオレフィン系重合体、低分子重合体等が挙げられる。
以下、前記実施の形態による混練装置の混練状況等を確認するために実施例および比較例を上げて説明をする。本発明はその要旨を越えない限り、特に限定されるものではない。
以下、前記実施の形態による混練装置の混練状況等を確認するために実施例および比較例を上げて説明をする。本発明はその要旨を越えない限り、特に限定されるものではない。
(実施例1)
使用したトナー原料混合物の、処方を下記に示す。
使用したトナー原料混合物の、処方を下記に示す。
・ 結着樹脂・・・ポリエステル樹脂(熔融温度Tm=135℃): 81.9重量%
[上記ポリエステル樹脂は、重量平均分子量:1.8×104、
数平均均分子量:3.5×103、ガラス転移温度68℃]
・ 着色剤・・・マゼンタ顔料マスターバッチ
(含有素顔料(C.I.Pigment RED 57:1):40重量部):12.0重量%
・帯電制御剤・・・有機ベントナイト系帯電制御剤 1.0重量%
・離型材・・・ポリエチレン系離型剤 (熔融温度Tm=73℃) 5.1重量%
上記の材料、計100重量%に対して、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー原料混合物を得た。
[上記ポリエステル樹脂は、重量平均分子量:1.8×104、
数平均均分子量:3.5×103、ガラス転移温度68℃]
・ 着色剤・・・マゼンタ顔料マスターバッチ
(含有素顔料(C.I.Pigment RED 57:1):40重量部):12.0重量%
・帯電制御剤・・・有機ベントナイト系帯電制御剤 1.0重量%
・離型材・・・ポリエチレン系離型剤 (熔融温度Tm=73℃) 5.1重量%
上記の材料、計100重量%に対して、ヘンシェルミキサーにて混合してトナー原料混合物を得た。
次いで、トナー原料混合物をスクリューフィーダー11のホッパ部に供給した。次に、スクリューフィーダー11から20kg/hの供給速度で振動フィーダー12を経て、オープンロール15に供給した。この時の、オープンロールの15の設定条件は、加熱ロール3の供給側温度が140℃、排出側が70℃、冷却ロール4の供給側が80℃、排出側が15℃であった。また、ロールは共に直径が320mm,長さ1550mm,ロール間ギャップは0.3mmであり、回転数は加熱ロール3が75rpm、冷却ロール4が65rpmで行った。トラフ12aの幅は300mm,搬送長さは約900mmであった。またトラフ上で、スリット板13は、図4に示したような搬送上流側に凸の角形状のものを使用した。またスリット板13の頂角は約82°、高さは57mm、中央部までの一辺の長さは230mm、両辺合わせて10点あるスリットのピッチ間は35mm、スリット幅は9mm、スリット高さは25mmであった。
さらに、振動フィーダー12は、水平に対して20°になる様に傾斜しての条件で原料をオープンロール15表面に巻きつけて3時間の間、混練を継続した。
以上の条件設定での混練結果として、振動トラフ12a上を搬送されるトナー原料混合物はトラフ12a幅全体に均一分散して供給口12bから、トナー原料混合物が両オープンロール15の一端供給側に供給された。供給されたトナー原料混合物は、両オープンロール15の間に滞留してバンクが形成された。その形成されたバンクにおいて、オープンロール15の回転によりバンク内に供給されるトナー原料混合物が飲み込まれて、対流が形成され原材料混合物の熔融不良によるトナー原料混合物の大きな固まりの発生も認められず、終始安定した混練を行うことできた。
(実施例2)
スリット板の形状を図5に示すようにスリット幅13bの幅を5mm、スリット13bの間隔を端から(トラフ12aの端部から)10mm、12mm、14mm、16mm、18mm、20mm、22mm、24mm、26mmと変則ピッチ形状に形成したスリット板16に変更した以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。
その結果実施例1と同様に安定した混練を行うことができた。
(実施例3)
スリット板13の形状を図6に示す半楕円でなく直径300mm半円形にし、スリット形状を半円形で直径40mm、スリット間10mmであるスリット板17に変更した以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。その結果実施例1と同様に安定した混練を行うことができた。
(実施例4)
振動フィーダー12を水平に対して30°になるよう傾斜させて配置した以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。その結果実施例1と同様に安定した混練を行うことができた。
(実施例5)
振動フィーダー12を水平に対して5°になるよう傾斜して配置した以外は実施例1と同様にトナー混合材料の混練を実施した。その結果実施例1と同様に安定した混練を行うことができた。
(比較例1)
振動フィーダー12にスリット板を設置しない以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を行った。その結果トナー原料混合物の流れが振動フィーダー12の中央に集中し、トナー混合材料が一箇所にまとまった状態でオープンロール10に供給されていた。そのためトナー原料混合物は、オープンロール10の加熱のみでは熔融されず、さらに、トナー原料混合物が熔融しきっていない状態で供給され続けられた。これにより固形状のトナー原料混合物が、バンク上に滞留した。そして、この固まりがバンクの幅よりも大きくなり、ギャップ間に巻き込まれにくくなり、効率よく混練されなくなった。これにより、固まりが発生した状態で原料が供給され続けるため、原料は固まり落下し、原料がバンクからオープンロール間に均一かつ定量的に巻き込まれなくなった。よって、混練物の収率が悪くなり、得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が不均一になる問題が発生したことを確認できた。
(比較例2)
振動フィーダー12に図7に示す構成のスリット板14を搬送上流側に対して凹形状の突出部を配置した以外は、実施例1と同様にトナー混合材料の混練を実施した。つまり、比較例2のスリット板14は図4に示した構造のスリット板13aを、180°回転させた状態で設けたもので、スリットの形状、間隔は実施例1記載のものと同一である。
(実施例2)
スリット板の形状を図5に示すようにスリット幅13bの幅を5mm、スリット13bの間隔を端から(トラフ12aの端部から)10mm、12mm、14mm、16mm、18mm、20mm、22mm、24mm、26mmと変則ピッチ形状に形成したスリット板16に変更した以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。
その結果実施例1と同様に安定した混練を行うことができた。
(実施例3)
スリット板13の形状を図6に示す半楕円でなく直径300mm半円形にし、スリット形状を半円形で直径40mm、スリット間10mmであるスリット板17に変更した以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。その結果実施例1と同様に安定した混練を行うことができた。
(実施例4)
振動フィーダー12を水平に対して30°になるよう傾斜させて配置した以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。その結果実施例1と同様に安定した混練を行うことができた。
(実施例5)
振動フィーダー12を水平に対して5°になるよう傾斜して配置した以外は実施例1と同様にトナー混合材料の混練を実施した。その結果実施例1と同様に安定した混練を行うことができた。
(比較例1)
振動フィーダー12にスリット板を設置しない以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を行った。その結果トナー原料混合物の流れが振動フィーダー12の中央に集中し、トナー混合材料が一箇所にまとまった状態でオープンロール10に供給されていた。そのためトナー原料混合物は、オープンロール10の加熱のみでは熔融されず、さらに、トナー原料混合物が熔融しきっていない状態で供給され続けられた。これにより固形状のトナー原料混合物が、バンク上に滞留した。そして、この固まりがバンクの幅よりも大きくなり、ギャップ間に巻き込まれにくくなり、効率よく混練されなくなった。これにより、固まりが発生した状態で原料が供給され続けるため、原料は固まり落下し、原料がバンクからオープンロール間に均一かつ定量的に巻き込まれなくなった。よって、混練物の収率が悪くなり、得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が不均一になる問題が発生したことを確認できた。
(比較例2)
振動フィーダー12に図7に示す構成のスリット板14を搬送上流側に対して凹形状の突出部を配置した以外は、実施例1と同様にトナー混合材料の混練を実施した。つまり、比較例2のスリット板14は図4に示した構造のスリット板13aを、180°回転させた状態で設けたもので、スリットの形状、間隔は実施例1記載のものと同一である。
その結果比較例1と同様にトナー原料混合物の流れが振動フィーダー12の中央に集中したため、原料は固まり落下し、原料がバンクからオープンロール間に均一かつ定量的に巻き込まれなくなった。よって、混練物の収率が悪くなり、得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が不均一になる問題が発生した。
(比較例3)
振動フィーダー12を水平に対して35°になるよう傾斜して配置した以外は、実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。トナー原料混合物の搬送速度が速くなりスリット板で均一に拡散できず、比較例1と同様の問題が発生した。
(比較例4)
振動フィーダー12を水平に対して3°になるよう傾斜して配置した以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。トナー原料混合物の搬送がスムーズにできなくなり、搬送しにくい材料としやすい材料が分離して搬送されてしまい得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が不均一になる問題が発生した。
(比較例3)
振動フィーダー12を水平に対して35°になるよう傾斜して配置した以外は、実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。トナー原料混合物の搬送速度が速くなりスリット板で均一に拡散できず、比較例1と同様の問題が発生した。
(比較例4)
振動フィーダー12を水平に対して3°になるよう傾斜して配置した以外は実施例1と同様にトナー原料混合物の混練を実施した。トナー原料混合物の搬送がスムーズにできなくなり、搬送しにくい材料としやすい材料が分離して搬送されてしまい得られる混練物における結着樹脂中への顔料、添加剤の分散性が不均一になる問題が発生した。
上記記載した、実施例1〜5におけるトナー原料混合物の混練状況は、非常に良好でありことが分かる。つまり、本発明による拡散機構であるスリット板13(16、17)を設けることで、トナー原料混合物を供給幅全域において、均一な分布状態で供給できた。
これに対し、比較例1や2においては、部分的な供給過多が生じることで、混練が良好に行われず、その結果、固まりが発生し混練物の収率が悪くなった。また、練りこみ状況においても均一にならなかった。また、比較例3においては、振動フィーダー12の傾斜角度が大きく、スリット板13を設けることでほぼ均一な分布状態での供給が行われたようであるが、一部での供給過多等により混練物の収率が多少悪くなり、練りこみ状況も多少悪くなった。さらに比較例4においては、固まり発生状況においては確認できず、混練物の収率も良好であったが、練りこみ状況が良好に行われていなかった。これは、振動フィーダー12の傾斜角度が小さいため、トナー原料混合物が均一に供給できず、各材料が分離した供給になっためであると思われる。つまり、トナー原料混合物が樹脂や顔料と分離してバンクからオープンロール間に不均一に巻き込まれ熔融混練が行われたものと思われる。
以上実施例及び比較例の結果をまとめたものを下記の表1に示した。
以上のことから、混練物の収率を高くするには、本発明における拡散機構であるスリット板13(16、17)を設け、供給幅全域において均一な状態で供給できるようにすることである。また、混練を満足させるためには上記拡散機構を設けると同時に、トナー原料混合物を搬送、供給する振動フィーダー12の傾斜角度を5°以上に、かつ30°以下に設定することで安定した搬送、供給を行え、良好なる混練を可能にしている。
また更に、搬送時でのトナー原料混合物の分離の防止には傾斜角の適正な配置にすることである。
1 原料搬送供給装置
2a トナー原料混合物
3 加熱ロール
4 冷却ロール
6a 混練物
10 混練装置
11 スクリューフィーダー(ホッパを含む)
12 振動フィーダー
12a トラフ
12b 供給口
13(16、17) スリット板
13aスリット
15 オープンロール
2a トナー原料混合物
3 加熱ロール
4 冷却ロール
6a 混練物
10 混練装置
11 スクリューフィーダー(ホッパを含む)
12 振動フィーダー
12a トラフ
12b 供給口
13(16、17) スリット板
13aスリット
15 オープンロール
Claims (10)
- 少なくとも結着樹脂及び着色剤からなるトナー原料混合物を搬送し供給する原料搬送供給装置と、原料搬送供給装置にて供給されるトナー原料混合物を熔融混練する回転駆動されるオープンロールとを備えた混練装置において、
上記トナー原料混合物を供給する原料搬送供給装置のオープンロールへの供給部近傍に、トナー原料混合物を拡散する拡散機構を設けたことを特徴とする電子写真トナーの混練装置。 - 上記原料搬送供給装置は、トナー原料混合物を移送し上記オープンロールへと供給するフィーダーを備え、該フィーダーにトナー原料混合物を拡散する拡散機構を設けたことを特徴とする請求項1の電子写真用トナーの混練装置。
- 上記フィーダーは、トナー原料混合物を移送し供給するために振動部材を設けた振動フィーダーで構成されていることを特徴とする請求項2記載の電子写真用トナーの混練装置。
- 上記拡散機構は、トナー原料混合物を通す複数のスリットが形成され、トナー原料混合物が搬送される上流位置に、突出させたスリット板を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子写真用トナーの混練装置。
- 上記フィーダーは、移送するトナー原料混合物を上流側とし、移送される上記オープンロール側が下流になるように傾斜して配置したことを特徴とする請求項2から請求項3のいずれかに一項に記載の電子写真用トナーの混練装置。
- 上記フィーダーの傾斜する角度を5°〜30°に設定したことを特徴とする請求項5記載の電子写真用トナーの混練装置。
- 上記拡散機構のスリット板は、形成されるスリットの幅を同一に、またスリット間隔を等間隔に形成されている特徴とする請求項4記載の電子写真用トナーの混練装置。
- 上記拡散機構のスリット板は、中央部を屈曲させ、屈曲した突出部をトナー原料混合物の移送方向上流位置になるように配置されていることを特徴とする請求項4または請求項7記載の電子写真用トナーの混練装置。
- 上記拡散機構のスリット板は、円弧状又は楕円形状に湾曲形成され、湾曲した突出部をトナー原料混合物の移送方向上流位置になるように配置されていることを特徴とする請求項4、請求項7、または請求項に8記載の電子写真用トナーの混練装置。
- 上記拡散機構のスリット板は、形成されるスリットのピッチ間隔を端部方向に徐々に狭く形成したことを特徴とする請求項4、または請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の電子写真用トナーの混練装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005124253A JP2006301371A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | 電子写真用トナーの混練装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006301371A true JP2006301371A (ja) | 2006-11-02 |
Family
ID=37469720
Family Applications (1)
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JP2005124253A Pending JP2006301371A (ja) | 2005-04-21 | 2005-04-21 | 電子写真用トナーの混練装置 |
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JP (1) | JP2006301371A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008139734A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-19 | Kao Corp | トナーの製造方法 |
-
2005
- 2005-04-21 JP JP2005124253A patent/JP2006301371A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2008139734A (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-19 | Kao Corp | トナーの製造方法 |
JP4671948B2 (ja) * | 2006-12-05 | 2011-04-20 | 花王株式会社 | トナーの製造方法 |
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