JP2006301203A - 光学装置およびデジタルカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】光学素子を高精度に位置決めできる小型な光学装置を提供する。
【解決手段】撮像ユニット100は、被写体の光学像を形成するレンズ群146と、レンズ群146を保持する移動鏡枠140と、移動鏡枠140を移動可能に支持するガイド軸131と132と、ガイド軸131と132に沿って移動可能な移動プレート160と、ガイド軸131と132を保持する固定鏡枠110と蓋部材120と、移動鏡枠140と移動プレート160を固定鏡枠110に向けて付勢するコイルバネ148と、移動プレート160に対して移動鏡枠140を蓋部材120に向けて移動させる高分子アクチュエーター150と、移動プレート160を蓋部材120に向けて移動させる高分子アクチュエーター170と、撮像素子182と、撮像素子182を保持する基板180とを備えている。高分子アクチュエーター150と170は独立に駆動される。
【選択図】 図5
【解決手段】撮像ユニット100は、被写体の光学像を形成するレンズ群146と、レンズ群146を保持する移動鏡枠140と、移動鏡枠140を移動可能に支持するガイド軸131と132と、ガイド軸131と132に沿って移動可能な移動プレート160と、ガイド軸131と132を保持する固定鏡枠110と蓋部材120と、移動鏡枠140と移動プレート160を固定鏡枠110に向けて付勢するコイルバネ148と、移動プレート160に対して移動鏡枠140を蓋部材120に向けて移動させる高分子アクチュエーター150と、移動プレート160を蓋部材120に向けて移動させる高分子アクチュエーター170と、撮像素子182と、撮像素子182を保持する基板180とを備えている。高分子アクチュエーター150と170は独立に駆動される。
【選択図】 図5
Description
本発明は、被写体を撮影するための光学装置に関する。
特開平8−114736号公報は、長尺状に形成された圧電素子やステッピングモーターにより、撮像素子と光学素子を光軸に沿って相対的に移動させる駆動機構を開示している。
特公平7−4075号公報と特許第2768869号は、イオン交換膜の両面に設けた電極に電位差を与えることにより変形する高分子アクチュエーターを開示している。
特開平8−114736号公報
特公平7−4075号公報
特許第2768869号
圧電アクチュエーターは、圧電アクチュエーター自身の変形により数ミリといった大きな変位量を得るには数百ボルトといった高電圧が必要となる。このため、携帯用光学機器(例えばデジタルカメラ)においては高電圧を得るための昇圧回路が必要であり、これは小型化の阻害要因となっている。またステッピングモーターは、それ自体の大きさにより小型化の阻害要因となっている。
イオン交換膜を用いた高分子アクチュエーターでは、数ボルトの電圧印加で数ミリ程度の変位量が得られ、圧電アクチュエーターに比べて高電圧を得るための昇圧回路は不要である。しかし、電圧に対する変位量の制御が難しく、例えば高精度な位置制御が要求される光学素子の駆動には不向きである。
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、光学素子を高精度に位置決めできる小型な光学装置を提供することである。
本発明の光学装置は、被写体の光学像を形成するための光学素子と、前記光学素子を所定の方向に案内し移動可能に支持するための支持機構と、前記光学素子を移動させるための第一と第二の高分子アクチュエーターとを備えており、前記第一と第二の高分子アクチュエーターが独立に駆動される。
本発明によれば、光学素子を高精度に位置決めできる小型な光学装置が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、PDA(Personal Digital Assistant)に着脱自在に組み込まれるデジタルカメラに向けられている。図1は、本実施形態のデジタルカメラが組み込まれたPDAの概略斜視図である。図2は、本実施形態のデジタルカメラがPDAから取り外された状態を示している。図3は、図2のデジタルカメラを被写体側から見た斜視図である。図4は、デジタルカメラの撮像部の撮像ユニットを示している。
図1と図2に示されるように、PDA500は、そのおもて面(図の左面)に、液晶モニター510と各種の操作ボタン(操作スイッチ)520とを備え、その上面に、カード状記録メディアのなどの周辺機器との交換可能な接続のためのカードスロット530が設けられている。図2と図3に示されるように、デジタルカメラ600は、撮像部610と、PDA500に挿入される板状の挿入部620とを備えている。挿入部620はPDA500のカードスロット530に挿入され、その底面の接続コネクターを介してPDA500と電気的に接続される。図4に示されるように、デジタルカメラ600の撮像部610は撮像ユニット100を内蔵しており、撮像ユニット100はPDA500の操作によりフォーカス(マクロ切り替え)や撮影などの操作が可能になっている。
図5は、図4に示されたデジタルカメラ600の撮像ユニット100の分解斜視図である。
図5に示されるように、撮像ユニット100は、被写体の光学像を形成するための光学素子であるレンズ群146と、レンズ群146を保持する移動鏡枠140と、移動鏡枠140を移動可能に支持する二本のガイド軸131と132と、ガイド軸131と132を共働して保持する固定鏡枠110と蓋部材120と、ガイド軸131と132に沿って移動可能な移動プレート160と、レンズ群146により形成される光学像をデジタル画像データに変換するための撮像素子182と、撮像素子182を保持する基板180とを備えている。
蓋部材120は、被写体からの光を通す開口121を有し、固定鏡枠110の前側にねじ止めによって取り付けられる。移動プレート160は、被写体からの光を通す開口166を有している。また固定鏡枠110は、被写体からの光を通す開口115を有している。基板180は、固定鏡枠110の後ろ側にねじ止めによって取り付けられる。撮像素子182は、蓋部材120の開口121と移動プレート160の開口166と固定鏡枠110の開口115を介して被写体からの光を受ける。
レンズ群146は接着などにより移動鏡枠140に固定されている。ガイド軸131とガイド軸132は、一端が圧入などによって固定鏡枠110に固定され、他端が蓋部材120に保持される。ガイド軸131とガイド軸132は固定鏡枠110と蓋部材120とによって互いに平行に支持される。
移動鏡枠140は、ガイド軸131が嵌合するスリーブ部141と、ガイド軸132を受けるU溝142とを有している。スリーブ部141は、移動鏡枠140の移動方向を定めるに十分な長さを有している。移動鏡枠140のU溝142は、ガイド軸132と係合して、ガイド軸131周りの移動鏡枠140の回転を規制する。移動鏡枠140のスリーブ部141とU溝142はそれぞれガイド軸131とガイド軸132に沿って移動可能であり、移動鏡枠140は二本のガイド軸131と132に平行な一本の軸に沿って移動し得る。つまり、固定鏡枠110と蓋部材120と二本のガイド軸131と132と移動鏡枠140はレンズ群146を所定の方向に案内し移動可能に支持する支持機構を構成している。望ましくは、レンズ群146はその光軸が移動鏡枠140の移動方向と平行になるように固定されており、レンズ群146は移動鏡枠140の移動に伴って光軸に沿って移動される。
移動プレート160は、ガイド軸131が嵌合するスリーブ部161と、ガイド軸132を受けるU溝162とを有している。スリーブ部161は、移動鏡枠140のスリーブ部141と同様に、移動プレート160の移動方向を定めるに十分な長さを有している。移動プレート160のU溝162は、ガイド軸132と係合して、ガイド軸131周りの移動プレート160の回転を規制する。移動プレート160のスリーブ部161とU溝162はそれぞれガイド軸131とガイド軸132に沿って移動可能であり、移動プレート160は二本のガイド軸131と132に平行な一本の軸に沿って移動し得る。
撮像ユニット100は、移動鏡枠140と移動プレート160を固定鏡枠110に向けて付勢するコイルバネ148と、移動鏡枠140をコイルバネ148の付勢力に逆らって蓋部材120に向けて移動させるための高分子アクチュエーター150と、移動プレート160をコイルバネ148の付勢力に逆らって蓋部材120に向けて移動させるための高分子アクチュエーター170とを備えている。
コイルバネ148は、ガイド軸131が通され、蓋部材120と移動鏡枠140のスリーブ部141の間に配置される。蓋部材120が固定鏡枠110に取り付けられた状態では、コイルバネ148は蓋部材120と移動鏡枠140のスリーブ部141によって圧縮され、その結果として、コイルバネ148は移動鏡枠140と移動プレート160を固定鏡枠110に向けて付勢する。
高分子アクチュエーター150は細長く、移動鏡枠140の縁に沿って湾曲しており、一方の端部がピン158によって移動プレート160に固定され、他端は自由端になっている。移動鏡枠140は、ピン158との接触を避けるため、逃げ部143を有している。
高分子アクチュエーター150は、例えば特公平7−4075号公報や特許第2768869号に開示されている。高分子アクチュエーター150は電圧の印加に応じて変形する高分子部を有している。より詳しくは、図6に示されるように、高分子アクチュエーター150は、高分子部としての含水したイオン交換膜151と、イオン交換膜151の両側に設けられた一対の電極152と153とを備えている。電極152と電極153はイオン交換膜151を介して対向している。
図6において、高分子アクチュエーター150は、上側の端部が固定されていて、下側の端部が自由端になっている。図6に示されるように、高分子アクチュエーター150は二枚の電極152と153の間への電圧印加に応じて撓み、その撓む方向は二枚の電極152と153の間に印加される電圧の向きに依存している。
高分子アクチュエーター170は細長く、移動プレート160の縁に沿って湾曲しており、一方の端部がピン178によって固定鏡枠110に固定され、他端は自由端になっている。移動プレート160は、ピン178との接触を避けるため、逃げ部163を有している。高分子アクチュエーター170は高分子アクチュエーター150と同じ構造体である。
図5において、高分子アクチュエーター150は電圧印加に応じて撓み、自由端が移動プレート160から離れ、移動鏡枠140を押す。その結果、移動鏡枠140がコイルバネ148の付勢力に逆らって蓋部材120に向けて移動される。また高分子アクチュエーター170は電圧印加に応じて撓み、自由端が固定鏡枠110から離れ、移動プレート160を押す。その結果、移動プレート160がコイルバネ148の付勢力に逆らって蓋部材120に向けて移動される。移動鏡枠140は高分子アクチュエーター170を介して移動プレート160と接触しているため、移動鏡枠140がコイルバネ148の付勢力に逆らって蓋部材120に向けて移動される。
つまり、別の言い方をすれば、高分子アクチュエーター170は、電圧の印加に応じて変形する高分子部を有し、電圧の印加による高分子部の変形により移動プレート160を移動させる。高分子アクチュエーター150は、電圧の印加に応じて変形する高分子部を有し、電圧の印加による高分子部の変形により移動プレート160に対して移動鏡枠140を移動させる。高分子アクチュエーター150と高分子アクチュエーター170は独立に駆動される。またコイルバネ148は、高分子アクチュエーター150と170による移動鏡枠140と移動プレート160の移動方向に対して逆方向に移動鏡枠140と移動プレート160を付勢している。
また、固定鏡枠110は、移動プレート160を位置決めするための位置決め部111と位置決め部112を有している。また移動プレート160は、スリーブ部161の近くに、外側に突出した凸部164を有している。移動プレート160の凸部164は、位置決め部111と位置決め部112の間に位置している。さらに、移動プレート160は、移動鏡枠140を位置決めするための位置決め部165を有している。位置決め部165は、移動プレート本体(移動プレート160の平板状部分)から間隔をおいて位置している。位置決め部165と移動プレート本体は、スリーブ部161の近くの移動プレート本体部分から外側に向かって突出して蓋部材120に向かって折れ曲がった部分を介して連続している。また移動鏡枠140は、スリーブ部141の近くに、外側に突出した凸部144を有している。移動鏡枠140の凸部144は、移動プレート本体と位置決め部165の間に位置している。
図7〜図10は、二つの高分子アクチュエーター150と170によって移動鏡枠140と移動プレート160が移動される様子を模式的に示している。これらの図では高分子アクチュエーター150と170の図示は省略されている。図7は、二つの高分子アクチュエーター150と170に共に電圧が印加されていない状態での移動鏡枠140と移動プレート160の位置を示し、図8は、高分子アクチュエーター150だけに電圧が印加されている状態での移動鏡枠140と移動プレート160の位置を示し、図9は、高分子アクチュエーター170だけに電圧が印加されている状態での移動鏡枠140と移動プレート160の位置を示し、図10は、二つの高分子アクチュエーター150と170に共に電圧が印加されている状態での移動鏡枠140と移動プレート160の位置を示している。
二つの高分子アクチュエーター150と170に共に電圧が印加されていない状態では、図7に示されるように、コイルバネ148によって、移動鏡枠140が高分子アクチュエーター150を介して移動プレート160に押し付けられ、さらに移動プレート160が高分子アクチュエーター170を介して固定鏡枠110の位置決め部111に押し付けられている。その結果として、固定鏡枠110の裏面(図中右側)から距離Lの位置にレンズ群146が位置決めされる。
図7に示された状態から高分子アクチュエーター150に電圧が印加されると、高分子アクチュエーター150が蓋部材120の側に撓み、移動プレート160に対して移動鏡枠140が蓋部材120に近づく向きに移動される。移動鏡枠140の移動は、移動鏡枠140の凸部144が移動プレート160の位置決め部165に接触して終了する。
つまり、高分子アクチュエーター150だけに電圧が印加されている状態では、図8に示されるように、高分子アクチュエーター150によって移動鏡枠140の凸部144が移動プレート160の位置決め部165に押し付けられている。その結果として、固定鏡枠110の裏面(図中右側)から距離L+l1の位置にレンズ群146が位置決めされる。ここで、l1は移動鏡枠140の凸部144と移動プレート160の位置決め部165との間隔である。
高分子アクチュエーター150への電圧印加が解除されると、移動鏡枠140がコイルバネ148によって蓋部材120から離れる向きに移動され、図7の状態に戻る。
また、図7に示された状態から高分子アクチュエーター170に電圧が印加されると、高分子アクチュエーター170が蓋部材120の側に撓み、固定鏡枠110に対して移動プレート160が蓋部材120に近づく向きに移動される。移動プレート160の移動は、移動プレート160の凸部164が固定鏡枠110の位置決め部112に接触して終了する。
つまり、高分子アクチュエーター170だけに電圧が印加されている状態では、図9に示されるように、高分子アクチュエーター170によって移動プレート160の凸部164が固定鏡枠110の位置決め部112に押し付けられている。その結果として、固定鏡枠110の裏面(図中右側)から距離L+l2の位置にレンズ群146が位置決めされる。ここで、l2は移動プレート160の凸部164と固定鏡枠110の位置決め部112との間隔である。
高分子アクチュエーター170への電圧印加が解除されると、移動プレート160がコイルバネ148によって蓋部材120から離れる向きに移動され、図7の状態に戻る。
さらに、図7に示された状態から二つの高分子アクチュエーター150と170に共に電圧が印加されると、高分子アクチュエーター150が蓋部材120の側に撓み、移動プレート160に対して移動鏡枠140が蓋部材120に近づく向きに移動されるとともに、高分子アクチュエーター170が蓋部材120の側に撓み、固定鏡枠110に対して移動プレート160が蓋部材120に近づく向きに移動される。移動鏡枠140の移動は移動鏡枠140の凸部144が移動プレート160の位置決め部165に接触して終了し、移動プレート160の移動は移動プレート160の凸部164が固定鏡枠110の位置決め部112に接触して終了する。
つまり、二つの高分子アクチュエーター150と170に共に電圧が印加されている状態では、図10に示されるように、高分子アクチュエーター150によって移動鏡枠140の凸部144が移動プレート160の位置決め部165に押し付けられ、さらに高分子アクチュエーター170によって移動プレート160の凸部164が固定鏡枠110の位置決め部112に押し付けられている。その結果として、固定鏡枠110の裏面(図中右側)から距離L+l1+l2の位置にレンズ群146が位置決めされる。
高分子アクチュエーター150と170への電圧印加が共に解除されると、移動鏡枠140と移動プレート160が共にコイルバネ148によって蓋部材120から離れる向きに移動され、図7の状態に戻る。
l1とl2は異なっており、l1<l2である。従って、レンズ群146は光軸に沿った四つの位置に選択的に高い精度で位置決めされる。
つまり、位置決め部111は、コイルバネ148による蓋部材120から離れる向きの移動プレート160の移動を妨げてレンズ群146を位置決めし、位置決め部112は、高分子アクチュエーター170による蓋部材120に近づく方向の移動プレート160の移動を妨げてレンズ群146を位置決めする。また、移動プレート160は、コイルバネ148による蓋部材120から離れる向きの移動鏡枠140の移動を妨げてレンズ群146を位置決めし、位置決め部165は、高分子アクチュエーター150による蓋部材120に近づく方向の移動鏡枠140の移動を妨げてレンズ群146を位置決めする。
この制限機構により、移動鏡枠140の位置は高分子アクチュエーター150の変形量によってではなく移動プレート160と位置決め部165とによって決まり、移動プレート160の位置は高分子アクチュエーター170の変形量によってではなく位置決め部111と位置決め部112によって決まる。従って、レンズ群146を光軸に沿った四つの位置に高精度に位置決めできる。
さらに、レンズ群146の位置を光軸に沿った四つの位置の間で無段階で調整してもよい。すなわち、高分子アクチュエーター150の印加電圧を制御することにより、移動鏡枠140の位置を位置決め部165の先端部と基端部の間で制御してもよく、また高分子アクチュエーター170の印加電圧を制御することにより、移動プレート160の位置を位置決め部111と位置決め部112の間で制御してもよい。
一般的に固定焦点のレンズ系は、被写界深度を広くするために、例えば開放Fナンバーを大きくしている。これは、携帯電話などの携帯機器に搭載されているデジタルカメラのレンズ系においても同様である。携帯電話の撮影用照明はLED照明が多く、ストロボであっても通常のデジタルカメラに搭載されているような大きなガイドナンバーのストロボを搭載することはできない。このため、室内での撮影や暗い被写体の撮影の際に光量不足になりがちである。
最近の携帯電話に搭載されているデジタルカメラには、ステッピングモーターなどにより、レンズ系を細かいステップで光軸に沿って移動させて焦点調節するものも増えているが、ステッピングモーターと駆動伝達機構は小型化の阻害要因となっている。
本実施形態の撮像ユニット100では、駆動手段に短冊状の高分子アクチュエーターを用いているため、小型化に大きく寄与できるうえ、簡単な構成によって移動鏡枠140すなわちレンズ群146を光軸に沿って四つの位置に精度良く位置決めできる。それぞれの位置における被写界深度を適切にすることにより、固定焦点レンズ系に比べて開放Fナンバーを犠牲にすることなく、室内での撮影や暗い被写体の撮影の際に光量不足になることが好適に防止される。
上述した実施形態は様々な変形が適用されてもよい。
[第一変形例]
本変形例では、高分子アクチュエーター170の方が高分子アクチュエーター150よりも長い。高分子アクチュエーターは、一定の印加電圧に対して、その長さが長いほど変位量が大きい。従って、二つの高分子アクチュエーター150と170は異なる移動のストロークを有している。前述したようにl1<l2であるから、高分子アクチュエーター170の方が高分子アクチュエーター150よりも長いと好適である。この場合、二つの高分子アクチュエーター150と170に対して一つの駆動回路を共通に使用することも可能になる。
本変形例では、高分子アクチュエーター170の方が高分子アクチュエーター150よりも長い。高分子アクチュエーターは、一定の印加電圧に対して、その長さが長いほど変位量が大きい。従って、二つの高分子アクチュエーター150と170は異なる移動のストロークを有している。前述したようにl1<l2であるから、高分子アクチュエーター170の方が高分子アクチュエーター150よりも長いと好適である。この場合、二つの高分子アクチュエーター150と170に対して一つの駆動回路を共通に使用することも可能になる。
[第二変形例]
本変形例では、高分子アクチュエーター170の方が高分子アクチュエーター150よりも厚い。高分子アクチュエーターは、一定の印加電圧に対して、その厚さが厚いほど駆動力が大きい。高分子アクチュエーター170はレンズ群146が組み込まれた移動鏡枠140に加えて移動プレート160も移動させるので、高分子アクチュエーター150よりも駆動力が大きいと好適である。この場合、高分子アクチュエーター170によって大きい駆動力が得られるため、移動鏡枠140を滑らかに移動させることも可能になる。
本変形例では、高分子アクチュエーター170の方が高分子アクチュエーター150よりも厚い。高分子アクチュエーターは、一定の印加電圧に対して、その厚さが厚いほど駆動力が大きい。高分子アクチュエーター170はレンズ群146が組み込まれた移動鏡枠140に加えて移動プレート160も移動させるので、高分子アクチュエーター150よりも駆動力が大きいと好適である。この場合、高分子アクチュエーター170によって大きい駆動力が得られるため、移動鏡枠140を滑らかに移動させることも可能になる。
[第三変形例]
図11は、本実施形態の変形例の撮像ユニットの分解斜視図である。図11において、図5に示された部材と同一の参照符号で示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。以下、相違箇所に重点をおいて述べる。
図11は、本実施形態の変形例の撮像ユニットの分解斜視図である。図11において、図5に示された部材と同一の参照符号で示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。以下、相違箇所に重点をおいて述べる。
本変形例の撮像ユニット200は、図11に示されるように、移動プレート160は、蓋部材側に突出した凸部168を有している。凸部168の高さは高分子アクチュエーター150の厚さより大きい。また位置決め部111は、蓋部材側に突出した凸部118を有している。凸部118の高さは、高分子アクチュエーター170の厚さより大きい。
そのほかは図5に示された撮像ユニット100と同様である。
前述の撮像ユニット100では、移動鏡枠140は高分子アクチュエーター150を介して移動プレート160に押し付けられることによって位置決めされ、移動プレート160は高分子アクチュエーター170を介して位置決め部111に押し付けられることによって位置決めされる。従って、それらの位置決め精度は、それぞれ、高分子アクチュエーター150と170の厚さのばらつきの影響を受ける。
これに対して本変形例の撮像ユニット200では、移動鏡枠140は移動プレート160の凸部168に押し付けられることによって位置決めされ、移動プレート160は位置決め部111の凸部118に押し付けられることによって位置決めされる。凸部118と168は容易に高い高さ精度で形成できる。つまり、凸部118と168の高さのばらつきは、容易に高分子アクチュエーターの厚さのばらつきに比べて低く抑えることができる。従って、より高い位置精度でレンズ群146を位置決めすることができる。
[第四変形例]
図12は、本実施形態の別の変形例の撮像ユニットの分解斜視図である。図12において、図5に示された部材と同一の参照符号で示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。以下、相違箇所に重点をおいて述べる。
図12は、本実施形態の別の変形例の撮像ユニットの分解斜視図である。図12において、図5に示された部材と同一の参照符号で示された部材は同様の部材であり、その詳しい説明は省略する。以下、相違箇所に重点をおいて述べる。
本変形例の撮像ユニット300は、図12に示されるように、撮像ユニット100における移動鏡枠140に代えて移動鏡枠340を備えている。移動鏡枠340はレンズ群146を保持しており、ガイド軸132が嵌合するスリーブ部341と、ガイド軸131を受けるU溝342とを有している。スリーブ部341は、移動鏡枠340の移動方向を定めるに十分な長さを有している。移動鏡枠340のU溝342は、ガイド軸131と係合して、ガイド軸132周りの移動鏡枠340の回転を規制する。移動鏡枠340のスリーブ部341とU溝342はそれぞれガイド軸132とガイド軸131に沿って移動可能であり、移動鏡枠340は二本のガイド軸131と132に平行な一本の軸に沿って移動し得る。
また撮像ユニット300は、撮像ユニット100における移動プレート160に代えて移動プレート360を備えている。移動プレート360は、被写体からの光を通す開口366と、ガイド軸131が嵌合するスリーブ部361と、ガイド軸132を受けるU溝362とを有している。スリーブ部361は、移動プレート360の移動方向を定めるに十分な長さを有している。移動プレート360のU溝362は、ガイド軸132と係合して、ガイド軸131周りの移動プレート360の回転を規制する。移動プレート360のスリーブ部361とU溝362はそれぞれガイド軸131とガイド軸132に沿って移動可能であり、移動プレート360は二本のガイド軸131と132に平行な一本の軸に沿って移動し得る。
撮像ユニット300では、高分子アクチュエーター150は、図5に示された撮像ユニット100と比較して、自由端と固定端の位置を逆にして移動プレート360に固定されている。また移動鏡枠340は、ピン158との接触を避けるため、逃げ部343を有している。
移動プレート360は、スリーブ部361の近くに、外側に突出した凸部364を有している。移動プレート360の凸部364は、位置決め部111と位置決め部112の間に位置している。さらに、移動プレート360は、レンズ群146を位置決めするための位置決め部365を有している。位置決め部365は、移動プレート本体(移動プレート360の平板状部分)から間隔をおいて位置している。位置決め部365と移動プレート本体は、U溝362の近くの移動プレート本体部分から外側に向かって突出して蓋部材120に向かって折れ曲がった部分を介して連続している。また移動鏡枠340は、スリーブ部141の近くに、外側に突出した凸部344を有している。移動鏡枠340の凸部344は、移動プレート本体と位置決め部365の間に位置している。
前述の撮像ユニット100では、移動プレート160は、高分子アクチュエーター150が固定されている部分と、高分子アクチュエーター170によって押される部分とがほぼ反対側に位置している。このため、二つの高分子アクチュエーター150と170が共に変形されたとき、移動プレート160は偶力を受ける。その結果、移動プレート160がスリーブ部161の周辺部を支点にして回転し、レンズ群146の光軸が不所望に傾くおそれがある。
これに対して本変形例の撮像ユニット300では、高分子アクチュエーター150の固定端が高分子アクチュエーター170の自由端が近くに位置している。従って、移動プレート360は、高分子アクチュエーター150が固定されている部分と、高分子アクチュエーター170によって押される部分とが比較的近くに位置している。このため、二つの高分子アクチュエーター150と170が共に変形されたとき、移動プレート360はスリーブ部361の周辺部が逆向きの力を受ける。
これにより、二つの高分子アクチュエーター150と170が共に変形されたとき、スリーブ部361の周辺部を支点にして移動プレート360を回転させる力が軽減される。このため、より滑らかに移動プレート360が光軸に沿って移動される。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
上述した実施形態では、合焦位置の制御のためにレンズ群146をその光軸に沿って移動させているが、焦点距離の制御(ズーム)のためにレンズ群を光軸に沿って移動させる構成にも応用できる。また手ぶれや撮影方向の補正のために、光軸と異なる方向、例えば光軸に直交する方向に移動させてもよい。
100…撮像ユニット、110…固定鏡枠、111…位置決め部、112…位置決め部、115…開口、118…凸部、120…蓋部材、121…開口、131…ガイド軸、132…ガイド軸、140…移動鏡枠、141…スリーブ部、142…U溝、143…逃げ部、144…凸部、146…レンズ群、148…コイルバネ、150…高分子アクチュエーター、151…イオン交換膜、152…電極、153…電極、158…ピン、160…移動プレート、161…スリーブ部、162…U溝、163…逃げ部、164…凸部、165…位置決め部、166…開口、168…凸部、170…高分子アクチュエーター、178…ピン、180…基板、182…撮像素子、200…撮像ユニット、300…撮像ユニット、340…移動鏡枠、341…スリーブ部、342…U溝、343…逃げ部、344…凸部、360…移動プレート、361…スリーブ部、362…U溝、364…凸部、365…位置決め部、366…開口、500…PDA、510…液晶モニター、520…操作ボタン、530…カードスロット、600…デジタルカメラ、610…撮像部、620…挿入部。
Claims (13)
- 被写体の光学像を形成するための光学素子と、
前記光学素子を所定の方向に案内し移動可能に支持するための支持機構と、
前記光学素子を移動させるための第一と第二の高分子アクチュエーターとを備えており、
前記第一と第二の高分子アクチュエーターが独立に駆動される光学装置。 - 前記第一と第二の高分子アクチュエーターのおのおのは電圧の印加に応じて変形する高分子部を有し、電圧の印加による前記高分子部の変形により前記光学素子を移動させる、請求項1に記載の光学装置。
- 前記第一と第二の高分子アクチュエーターのおのおのは、高分子部としての含水したイオン交換膜と、前記イオン交換膜の両側に設けられ、前記イオン交換膜を介して対向する一対の電極とを備えている請求項2に記載の光学装置。
- 前記支持機構が前記光学素子をその光軸に沿って移動可能に支持している請求項1に記載の光学装置。
- 前記高分子アクチュエーターによる前記光学素子の移動の方向に対して逆方向に前記光学素子を付勢するための付勢部材をさらに備えている請求項1に記載の光学装置。
- 前記支持機構は、前記光学素子を保持した移動部材と、前記移動部材を移動可能に支持するガイド軸と、前記ガイド軸に沿って移動可能な移動プレートとを有し、前記第一の高分子アクチュエーターは前記付勢部材の付勢力に逆らって前記移動プレートを移動させ、前記第二の高分子アクチュエーターは前記移動プレートに保持されていて前記移動プレートに対して前記移動部材を前記付勢部材の付勢力に逆らって移動させる請求項5に記載の光学装置。
- 前記第一と第二の高分子アクチュエーターが異なる移動のストロークを有している請求項6に記載の光学装置。
- 前記移動プレートの第一の方向の移動を妨げて前記移動プレートを位置決めする第一の位置決め部と、前記移動プレートの第二の方向の移動を妨げて前記光学素子を位置決めする第二の位置決め部とをさらに備えており、前記移動プレートは、前記移動プレートに対し前記移動部材の第一の方向の移動を妨げて前記光学素子を位置決めする第一の位置決め部と、前記移動部材の第二の方向の移動を妨げて前記光学素子を位置決めする第二の位置決め部を有している請求項6に記載の光学装置。
- 前記第一の位置決め部は、前記第一の高分子アクチュエーターを介して前記移動プレートと接触して前記光学素子を位置決めし、前記移動プレートは、前記第二の高分子アクチュエーターを介して前記移動部材と接触して前記光学素子を位置決めする請求項8に記載の光学装置。
- 第一の位置決め部は、前記移動プレートと接触して前記光学素子を位置決めする第一の凸部を有し、前記移動プレートは、前記移動部材と接触して前記光学素子を位置決めする第二の凸部を有している請求項8に記載の光学装置。
- 前記第一と第二の高分子アクチュエーターが異なる長さを有している請求項8に記載の光学装置。
- 前記第一と第二の高分子アクチュエーターが異なる厚さを有している請求項8に記載の光学装置。
- 請求項1ないし請求項12のいずれかひとつに記載の光学装置を備えているデジタルカメラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005121420A JP2006301203A (ja) | 2005-04-19 | 2005-04-19 | 光学装置およびデジタルカメラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005121420A JP2006301203A (ja) | 2005-04-19 | 2005-04-19 | 光学装置およびデジタルカメラ |
Publications (1)
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JP2006301203A true JP2006301203A (ja) | 2006-11-02 |
Family
ID=37469576
Family Applications (1)
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JP2005121420A Withdrawn JP2006301203A (ja) | 2005-04-19 | 2005-04-19 | 光学装置およびデジタルカメラ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006301203A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010048924A (ja) * | 2008-08-20 | 2010-03-04 | Kantatsu Co Ltd | 撮像レンズユニット |
-
2005
- 2005-04-19 JP JP2005121420A patent/JP2006301203A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010048924A (ja) * | 2008-08-20 | 2010-03-04 | Kantatsu Co Ltd | 撮像レンズユニット |
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