JP2006293008A - 光学装置およびデジタルカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】光学素子を高精度に位置決めできる小型な光学装置を提供する。
【解決手段】撮像ユニット100は、被写体の光学像を形成するレンズ群146と、レンズ群146を保持する移動鏡枠140と、移動鏡枠140を移動可能に支持するガイド軸131と132と、ガイド軸131と132を保持する固定鏡枠110と蓋部材120と、移動鏡枠140を固定鏡枠110に向けて付勢するコイルバネ148と、移動鏡枠140を蓋部材120に向けて移動させる高分子アクチュエーター150と、撮像素子182と、撮像素子182を保持する基板180とを備えている。移動鏡枠140は、ガイド軸131が嵌合するスリーブ部141と、ガイド軸132を受けるU溝142と、外側に突出した凸部144を有している。移動鏡枠140の凸部144は、レンズ群146を位置決めするための位置決め部111と112の間に位置している。
【選択図】図5

Description

本発明は、被写体を撮影するための光学装置に関する。
特開平8−114736号公報は、長尺状に形成された圧電素子やステッピングモーターにより、撮像素子と光学素子を光軸に沿って相対的に移動させる駆動機構を開示している。
特公平7−4075号公報と特許第2768869号は、イオン交換膜の両面に設けた電極に電位差を与えることにより変形する高分子アクチュエーターを開示している。
特開平8−114736号公報 特公平7−4075号公報 特許第2768869号
圧電アクチュエーターは、圧電アクチュエーター自身の変形により数ミリといった大きな変位量を得るには数百ボルトといった高電圧が必要となる。このため、携帯用光学機器(例えばデジタルカメラ)においては高電圧を得るための昇圧回路が必要であり、これは小型化の阻害要因となっている。またステッピングモーターは、それ自体の大きさにより小型化の阻害要因となっている。
イオン交換膜を用いた高分子アクチュエーターでは、数ボルトの電圧印加で数ミリ程度の変位量が得られ、圧電アクチュエーターに比べて高電圧を得るための昇圧回路は不要である。しかし、電圧に対する変位量の制御が難しく、例えば高精度な位置制御が要求される光学素子の駆動には不向きである。
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、光学素子を高精度に位置決めできる小型な光学装置を提供することである。
本発明の光学装置は、被写体の光学像を形成するための光学素子と、前記光学素子を所定の方向に案内し移動可能に支持するための支持機構と、前記光学素子を移動させるための高分子アクチュエーターと、前記光学素子の移動のストロークを制限するための制限機構とを備えている。
本発明によれば、光学素子を高精度に位置決めできる小型な光学装置が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、PDA(Personal Digital Assistant)に着脱自在に組み込まれるデジタルカメラに向けられている。図1は、本実施形態のデジタルカメラが組み込まれたPDAの概略斜視図である。図2は、本実施形態のデジタルカメラがPDAから取り外された状態を示している。図3は、図2のデジタルカメラを被写体側から見た斜視図である。図4は、デジタルカメラの撮像部の撮像ユニットを示している。
図1と図2に示されるように、PDA500は、そのおもて面(図の左面)に、液晶モニター510と各種の操作ボタン(操作スイッチ)520とを備え、その上面に、カード状記録メディアのなどの周辺機器との交換可能な接続のためのカードスロット530が設けられている。図2と図3に示されるように、デジタルカメラ600は、撮像部610と、PDA500に挿入される板状の挿入部620とを備えている。挿入部620はPDA500のカードスロット530に挿入され、その底面の接続コネクターを介してPDA500と電気的に接続される。図4に示されるように、デジタルカメラ600の撮像部610は撮像ユニット100を内蔵しており、撮像ユニット100はPDA500の操作によりフォーカス(マクロ切り替え)や撮影などの操作が可能になっている。
図5は、図4に示されたデジタルカメラ600の撮像ユニット100の分解斜視図である。
図5に示されるように、撮像ユニット100は、被写体の光学像を形成するための光学素子であるレンズ群146と、レンズ群146を保持する移動鏡枠140と、移動鏡枠140を移動可能に支持する二本のガイド軸131と132と、ガイド軸131と132を共働して保持する固定鏡枠110と蓋部材120と、レンズ群146により形成される光学像をデジタル画像データに変換するための撮像素子182と、撮像素子182を保持する基板180とを備えている。
蓋部材120は、被写体からの光を通す開口121を有し、固定鏡枠110の前側にねじ止めによって取り付けられる。また固定鏡枠110は、被写体からの光を通す開口115を有している。基板180は、固定鏡枠110の後ろ側にねじ止めによって取り付けられる。撮像素子182は、蓋部材120の開口121と固定鏡枠110の開口115を介して被写体からの光を受ける。
レンズ群146は接着などにより移動鏡枠140に固定されている。ガイド軸131とガイド軸132は、一端が圧入などによって固定鏡枠110に固定され、他端が蓋部材120に保持される。ガイド軸131とガイド軸132は固定鏡枠110と蓋部材120とによって互いに平行に支持される。移動鏡枠140は、ガイド軸131が嵌合するスリーブ部141と、ガイド軸132を受けるU溝142とを有している。移動鏡枠140のU溝142は、ガイド軸132と係合して、ガイド軸131周りの移動鏡枠140の回転を規制する。移動鏡枠140のスリーブ部141とU溝142はそれぞれガイド軸131とガイド軸132に沿って移動可能であり、移動鏡枠140は二本のガイド軸131と132に平行な一本の軸に沿って移動し得る。つまり、固定鏡枠110と蓋部材120と二本のガイド軸131と132と移動鏡枠140はレンズ群146を所定の方向に案内し移動可能に支持する支持機構を構成している。望ましくは、レンズ群146はその光軸が移動鏡枠140の移動方向と平行になるように固定されており、レンズ群146は移動鏡枠140の移動に伴って光軸に沿って移動される。
撮像ユニット100は、移動鏡枠140を固定鏡枠110に向けて付勢するコイルバネ148と、移動鏡枠140をコイルバネ148の付勢力に逆らって蓋部材120に向けて移動させるための高分子アクチュエーター150とを備えている。
コイルバネ148は、ガイド軸131が通され、蓋部材120と移動鏡枠140のスリーブ部141の間に配置される。蓋部材120が固定鏡枠110に取り付けられた状態では、コイルバネ148は蓋部材120と移動鏡枠140のスリーブ部141によって圧縮され、その結果として、コイルバネ148は移動鏡枠140を固定鏡枠110に向けて付勢する。
高分子アクチュエーター150は細長く、移動鏡枠140の縁に沿って湾曲しており、一方の端部がピン158によって固定鏡枠110に固定され、他端は自由端になっている。移動鏡枠140は、ピン158との接触を避けるため、逃げ部143を有している。
高分子アクチュエーター150は、例えば特公平7−4075号公報や特許第2768869号に開示されている。高分子アクチュエーター150は電圧の印加に応じて変形する高分子部を有している。より詳しくは、図6に示されるように、高分子アクチュエーター150は、高分子部としての含水したイオン交換膜151と、イオン交換膜151の両側に設けられた一対の電極152と153とを備えている。電極152と電極153はイオン交換膜151を介して対向している。
図6において、高分子アクチュエーター150は、上側の端部が固定されていて、下側の端部が自由端になっている。図6に示されるように、高分子アクチュエーター150は二枚の電極152と153の間への電圧印加に応じて撓み、その撓む方向は二枚の電極152と153の間に印加される電圧の向きに依存している。
図5において、高分子アクチュエーター150は電圧印加に応じて撓み、自由端が固定鏡枠110から離れ、移動鏡枠140を押す。その結果、移動鏡枠140がコイルバネ148の付勢力に逆らって蓋部材120に向けて移動される。
つまり、別の言い方をすれば、高分子アクチュエーター150は、電圧の印加に応じて変形する高分子部を有し、電圧の印加による高分子部の変形により移動鏡枠140を移動させる。またコイルバネ148は、高分子アクチュエーター150による移動鏡枠140の移動方向に対して逆方向に移動鏡枠140を付勢している。
また、固定鏡枠110は、レンズ群146を位置決めするための位置決め部111と位置決め部112を有している。また移動鏡枠140は、スリーブ部141の近くに、外側に突出した凸部144を有している。移動鏡枠140の凸部144は、位置決め部111と位置決め部112の間に位置している。
図7と図8は、高分子アクチュエーター150によって移動鏡枠140が移動される様子を模式的に示している。図7は、高分子アクチュエーター150に電圧が印加されていない状態での移動鏡枠140の位置を示し、図8は、高分子アクチュエーター150に電圧が印加されている状態での移動鏡枠140の位置を示している。
高分子アクチュエーター150に電圧が印加されていない状態では、図7に示されるように、移動鏡枠140はコイルバネ148によって固定鏡枠110の位置決め部111に押し付けられている。その結果として、固定鏡枠110の裏面(図中右側)から距離Lの位置にレンズ群146が位置決めされる。
高分子アクチュエーター150に電圧が印加されると、高分子アクチュエーター150が蓋部材120の側に撓み、移動鏡枠140は蓋部材120に近づく向きに移動される。移動鏡枠140の移動は、移動鏡枠140の凸部144が固定鏡枠110の位置決め部112に接触して終了する。
つまり、高分子アクチュエーター150に電圧が印加されている状態では、図8に示されるように、移動鏡枠140は高分子アクチュエーター150によって凸部144が固定鏡枠110の位置決め部112に押し付けられている。その結果として、固定鏡枠110の裏面(図中右側)から距離L+l−tの位置にレンズ群146が位置決めされる。ここで、lは位置決め部111と位置決め部112の間隔であり、tは移動鏡枠140の板状部分(スリーブ部141を除いた部分)の厚さである。
高分子アクチュエーター150への電圧印加が解除されると、移動鏡枠140はコイルバネ148によって蓋部材120から離れる向きに移動され、図7の状態に戻る。
つまり、位置決め部111は、移動鏡枠140と接触してコイルバネ148による蓋部材120から離れる向きの移動鏡枠140の移動を妨げてレンズ群146を被写体から比較的遠い第一の位置に位置決めする。また位置決め部112は、移動鏡枠140の凸部144と接触して高分子アクチュエーター150による蓋部材120に近づく方向の移動鏡枠140の移動を妨げてレンズ群146を被写体から比較的近い第二の位置に位置決めする。すなわち、固定鏡枠110の位置決め部111と位置決め部112と移動鏡枠140の凸部144は、高分子アクチュエーター150によるレンズ群146の移動のストロークを制限する制限機構を構成している。
この制限機構により、移動鏡枠140の位置は、高分子アクチュエーター150の変形量によってではなく、位置決め部111と位置決め部112によって決まる。従って、レンズ群146を高精度に位置決めできる。
図9は、図5に示された移動鏡枠140を撮像素子182の側から見た斜視図であり、図10は、図5に示された移動鏡枠140を撮像素子182の側から見た平面図である。
図9と図10において、高分子アクチュエーター150は一方の端部が支持点P1を中心として固定鏡枠110に固定されており、他方の端部は、電圧印加による変形すなわち撓みにより、作用点P2を中心として移動鏡枠140を押す。図9と図10に示されるように、高分子アクチュエーター150の作用点P2は、高分子アクチュエーター150の支持点P1よりもガイド軸131の近くに位置している。
また図10に示すように、高分子アクチュエーター150は、レンズ群146の光軸に直交する平面への投影において、レンズ群146を通過する光の光路を避けて、例えば光軸を中心とする円周に沿って延びている。また、レンズ群146の光軸に直交する平面への投影において、支持点P1と作用点P2は共に光軸を中心としガイド軸131の中心を通る円Cの内側に位置している。従って、高分子アクチュエーター150の少なくとも内周部は光軸を中心としガイド軸131の中心を通る円Cの内側に位置している。これにより、撮像ユニット100は小型化されている。
より好ましくは、高分子アクチュエーター150の全体が、光軸を中心としガイド軸131の中心を通る円Cの内側に位置しているとよい。この場合、撮像ユニット100をさらに小型化できる。
また、移動鏡枠140がコイルバネ148によって付勢される部位はスリーブ部141であり、ガイド軸131との接触部の近くに位置し、支持点P1よりも作用点P2の近くに位置している。
本実施形態ではPDAに着脱可能なデジタルカメラの例を示したが、撮像ユニット100はデジタルカメラや携帯電話などにももちろん応用できる。デジタルカメラや携帯電話の使用状況としてスキー場や登山などがあげられる。このような状況では撮影時に氷点下になることがあり、高分子アクチュエーター150の応答性が低下する、さらには凍結により高分子アクチュエーター150が動作しなくなるという不具合が生じるおそれがある。
このような不具合を避けるために、高分子アクチュエーター150が低温にならないようにヒーターを内蔵する手法が考えられる。しかし、この手法は装置の大型化やバッテリー消費の増大などを招く。
本実施形態の撮像ユニット100では、高分子アクチュエーター150が、外部環境の影響を受けにくい移動鏡枠140よりも撮像素子182の側に配置されている。撮像素子182は駆動時に熱を発し、高分子アクチュエーター150は、撮像素子182が発した熱によって暖められる。このため、低温環境においても高分子アクチュエーター150が低温になることが避けられる。
これにより、撮像ユニット100は、ヒーターを別途設けることなく、低温環境でも安定に動作する。
本実施形態では、高分子アクチュエーター150を暖めるために、撮像素子182の発熱を利用しているが、撮像素子182に関与して比較的多くの熱を発する電気回路、例えば電源回路やCPUなどの発熱を利用してもよい。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
上述した実施形態では、合焦位置の制御のためにレンズ群146をその光軸に沿って移動させているが、焦点距離の制御(ズーム)のためにレンズ群を光軸に沿って移動させる構成にも応用できる。また手ぶれや撮影方向の補正のために、光軸と異なる方向、例えば光軸に直交する方向に移動させてもよい。
本発明の実施形態のデジタルカメラが組み込まれたPDAの概略斜視図である。 本発明の実施形態のデジタルカメラがPDAから取り外された状態を示している。 図2に示されたデジタルカメラを被写体側から見た斜視図である。 図3に示されたデジタルカメラの撮像部の撮像ユニットを示している。 図4に示されたデジタルカメラの撮像ユニットの分解斜視図である。 図5に示された高分子アクチュエーターの構成を模式的に示している。 図5に示された高分子アクチュエーターに電圧が印加されていない状態での移動鏡枠の位置を示している。 図5に示された高分子アクチュエーターに電圧が印加されている状態での移動鏡枠の位置を示している。 図5に示された移動鏡枠を撮像素子の側から見た斜視図である。 図5に示された移動鏡枠を撮像素子の側から見た平面図である。
符号の説明
100…撮像ユニット、110…固定鏡枠、111…位置決め部、112…位置決め部、115…開口、120…蓋部材、121…開口、131…ガイド軸、132…ガイド軸、140…移動鏡枠、141…スリーブ部、142…U溝、143…逃げ部、144…凸部、146…レンズ群、148…コイルバネ、150…高分子アクチュエーター、151…イオン交換膜、152…電極、153…電極、158…ピン、180…基板、182…撮像素子、500…PDA、510…液晶モニター、520…操作ボタン、530…カードスロット、600…デジタルカメラ、610…撮像部、620…挿入部、P1…支持点、P2…作用点。

Claims (7)

  1. 被写体の光学像を形成するための光学素子と、
    前記光学素子を所定の方向に案内し移動可能に支持するための支持機構と、
    前記光学素子を移動させるための高分子アクチュエーターと、
    前記光学素子の移動のストロークを制限するための制限機構とを備えている、光学装置。
  2. 請求項1において、前記高分子アクチュエーターは電圧の印加に応じて変形する高分子部を有し、電圧の印加による前記高分子部の変形により前記光学素子を移動させる、光学装置。
  3. 請求項2において、前記高分子アクチュエーターは、高分子部としての含水したイオン交換膜と、前記イオン交換膜の両側に設けられ、前記イオン交換膜を介して対向する一対の電極とを備えている、光学装置。
  4. 請求項1において、前記支持機構が前記光学素子をその光軸に沿って移動可能に支持している、光学装置。
  5. 請求項1において、前記高分子アクチュエーターによる前記光学素子の移動の方向に対して逆方向に前記光学素子を付勢するための付勢部材をさらに備えている、光学装置。
  6. 請求項5において、前記支持機構は、前記光学素子を保持した移動部材と、前記移動部材を移動可能に支持するガイド軸とを有し、前記制限機構は、前記移動部材と接触して前記移動部材の第一の方向の移動を妨げて前記光学素子を位置決めする第一の位置決め部と、前記移動部材と接触して前記移動部材の第二の方向の移動を妨げて前記光学素子を位置決めする第二の位置決め部とを備えている、光学装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかひとつに記載の光学装置を備えているデジタルカメラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8159112B2 (en) 2008-09-29 2012-04-17 Sony Corporation Polymeric actuator controller, polymeric actuator control method, and electronic apparatus

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