JP2006300234A - 配管部材 - Google Patents

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明弘 森本
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道雄 山路
Takeshi Tanigawa
毅 谷川
Tadayuki Yakushijin
忠幸 薬師神
Hidehiro Doya
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Abstract

【課題】 気体および/または液体を加熱する箇所で使用するに際して、優れた加熱効率を発揮することができる配管部材を提供する。
【解決手段】 配管部材21は、パイプ本体23と、本体23外周に設けられたテープヒータ22と、本体23内周に密接するように挿入された多数の金属球24aからなる保熱材24とからなる。
【選択図】 図5

Description

この発明は、半導体製造用、薬品製造用等に使用される配管部材に関し、特に、気体および/または液体を加熱する箇所で使用するのに適した配管部材に関する。
半導体製造装置で使用される配管においては、所定の処理温度にガスを加熱しなければならない場合があり、このため、パイプをテープヒータで巻き、外部からパイプを加熱することが一般的に行われている。
また、特許文献1には、内外2重管として、加熱、冷却または保温効果を向上させた屈曲自在な配管部材が記載されている。
実開平1−91189号公報
上記従来の加熱方法では、ガスの加熱温度が例えば200℃〜300℃程度になると、外部からパイプ(中空状本体)を加熱するだけでは、必要な温度が得られないことがあり、また、ヒータの電力を上げて対応する場合には、エネルギーコストが高く付くという問題があった。また、特許文献1のものでは、保温効果には優れているものの、外部からの加熱に対しては十分なものとは言えず、さらなる改良が必要である。
この発明の目的は、気体および/または液体を加熱する箇所で使用するに際して、優れた加熱効率を発揮することができる配管部材を提供することにある。
この発明による配管部材は、中空状本体と、本体外周に設けられた加熱手段と、本体内周に密接するように挿入された保熱材とからなるものである。
この発明による配管部材において、中空状本体は、通常、パイプとされるが、パイプを接続する管継手や通路が形成されたブロックであってもよい。
この発明による配管部材は、半導体、薬品などを製造する装置において、気体および/または液体を加熱する箇所で使用するのに適しており、特に、半導体製造用などでガスを高温に加熱することが必要な場合、薬品などの製造用で液体を気化させる必要がある場合などの用途に好適である。
保熱材は、多孔金属材料から形成されることがあり、多孔金属材料と金属製芯材とから形成されることもある。また、保熱材は、多数の金属球から形成されることもある。
多孔金属材料としては、切起し付き多孔金属箔の積層体が好ましいが、バインダ入りの金属粒子材料を加熱焼結した多孔質金属焼結体であってもよく、また、メッシュを通路方向に積層したものとしてもよい。要するに、熱伝導率が高くかつ十分なガスとの接触面積が確保されるものであれば、種々の材料を多孔金属材料として使用することができる。金属は、例えば、被加熱流体(被加熱ガスまたは被加熱液体)と反応しにくいステンレス鋼とされるが、熱伝導性を重視して銅などとしてもよく、チタンやその他の金属であってもよい。多数の金属球は、例えば鋼球とされるが、鋼以外のステンレス鋼、銅、チタンやその他の金属であってもよい。また、加熱手段は、例えば、マイクロヒータ、テープヒータなどと称されているフレキシブルなヒータが好ましく、そのほか、中空状本体の輪郭形状に適合可能な種々の加熱手段を使用することができる。
切起し付き多孔金属箔は、縦横所定間隔で多数の切起しが形成された金属箔であり、金属箔の厚みは、10〜100μm程度が好ましく、切起しの大きさは、例えば、孔の1辺が200〜700μm、孔の他辺が200〜700μmの正方形または長方形とされ、高さ(突出量)が200〜600μmとされる。また、切起しの数は、200〜600個/cm程度とされる。切起しの大きさや数は、通路径、通路長さ、圧損などを考慮して、適宜なものが選択される。
上記の切起し付き多孔金属箔を渦巻き状に積層するに際しては、切起しの先端と隣の層の金属箔とが接触するように密に重ね合わせられる。この場合、金属製芯材を用いてもよい。切起し付き多孔金属箔の渦巻き状の積層体の通路方向の長さは、本体の長さと同じである必要はなく、複数個の積層体が間隔を置かずにまたは間隔を置いて本体内に直列状に配置されているようにしてもよい。切起し付き多孔金属箔の渦巻き状の積層体は、1枚の金属箔から得ることができるため、熱伝導性に優れており、中空状本体を外部から加熱した場合に、その内部の保熱材までがほぼ同じ温度に加熱される。被加熱流体は、隣り合う切起し間に形成された空間および切起しのために形成された孔を通路として、配管部材の一端から他端へと流れ、この間に、高温の配管部材から熱をもらって所定温度に昇温される。
保熱材が多数の金属球から形成される場合には、保熱材の両端に、金属球の通路方向の移動を阻止する多孔板が設けられていることが好ましく、一方の多孔板が付勢部材(例えばコイルばね)によって他方の多孔板側に付勢されていることが好ましい。付勢部材は、コイルばねのほかに板ばねなどのばねであってもよく、また、ゴム製または合成樹脂製で弾性を有している弾性部材であってもよい。
金属球の直径は、大きすぎると接触面積が低下して十分な加熱効果が得られないため、中空状本体の内径の50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。金属球の直径の下限は、特に限定されないが、小さすぎると取り扱いにくくなり、また、圧損も大きなることから、5%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。このようにすると、金属球を中空状本体内に密に充填した場合に、熱伝導性に非常に優れ、しかも、ガスの通過間隙が十分確保され、効率的な加熱が可能となる。金属球は、一方の多孔板を止め板にして、中空状本体に順次充填され、密に充填された金属球は、2つの多孔板で挟まれることによって保持される。
この発明の配管部材によると、中空状本体の内周に保熱材が密接して挿入されているので、この中空状本体が加熱手段によって外部から加熱されることにより、本体の熱が保熱材に伝導し、保熱材も本体とほぼ同じ温度に加熱され、被加熱流体は、この保熱材を通過する間に効率よく所定温度まで加熱される。したがって、保熱材無しのものに比べて、中空状本体の加熱長さを短くしても、同程度の加熱を行うことができる。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1および図2は、この発明の配管部材の第1実施形態を示している。
この配管部材(1)は、中空状本体としてのパイプ本体(3)と、本体(3)外周に設けられた加熱手段としてのテープヒータ(2)と、本体(3)内周に密接するように挿入された保熱材(4)とからなる。
保熱材(4)は、切起し(11a)付き多孔金属箔(11)(厚み50μm)が渦巻き状に積層されたものとされている。したがって、1枚の金属箔(11)で形成されているために、熱伝導性に非常に優れており、しかも、切起し(11a)によって隣り合う層間の接触は、金属箔(11)の平面同士が接触する面接触でなく点接触となっており、ガスの通過間隙が十分確保され、圧損も少ないものとなっている。このような切起し(11a)付き多孔金属箔(11)は、例えば、金属箔材料を各円筒面に多数の突起を有する1対のローラ間に通すことにより得ることができる。
パイプ本体(3)の出口側端部には、フィルタ(5)が配置されている。フィルタ(5)は、金属フィルタとされており、このフィルタ(5)がテープヒータ(2)からの熱を受けることによって、フィルタ(5)部分における温度低下が防止されている。
図2において、二点鎖線で示しているのは、金属製芯材(12)であり、保熱材(4)は、必要に応じて、多孔金属材料である切起し(11a)付き多孔金属箔(11)と金属製芯材(12)とから構成される。
図4に、200℃に加熱した配管部材(1)にガスを流したときの温度変化の測定結果を示す。図3は、この測定を行うための試験装置のフロー図を示しており、試験条件は、試験流体が窒素ガス、試験圧力の一次側が300kPa、二次側が大気開放、試験流量が5SLMであり、試験ラインを設定温度(200℃)に昇温後、安定を確認して温度測定ポイントの温度を記録した。
図3に示すように、試験装置は、被加熱ガスを減圧弁(21)、フィルタ(22)、流量調整弁(23)およびマスフローメータ(24)を介して配管部材(1)に導入し、流量調整弁(25)を介して大気開放する構成とされており、配管部材(1)の入口でのガス温度および出口でのガス温度が温度センサ(26)(27)で測定可能とされている。配管部材(1)は、長さ約160mmの範囲で加熱されており、加熱手段としては、マイクロヒータ(シース径1mm、電気容量300W、抵抗133.3Ω)を使用した。
図4から分かるように、保熱材無しのものでは、外部設定温度200℃に対し、100℃程度までしか温度が上昇せず、これに対し、本発明の保熱材(4)有りの配管部材(1)によると、150℃程度まで温度が上昇しており、加熱効率が大幅に上昇している。
なお、上記の切起し(11a)付き多孔金属箔(11)の積層体を円柱状の金属製芯材(12)に巻き付けた構成とすることで、中心部からのガス抜けが防止されるとともに、芯材(12)自体にも熱が保持され、加熱効率が向上する。
図5は、この発明の配管部材の第2実施形態を示している。
この配管部材(21)は、中空状本体としてのパイプ本体(23)と、本体(23)外周に設けられた加熱手段としてのテープヒータ(22)と、本体(23)内周に密接するように挿入された多数の金属球(24a)からなる保熱材(24)とからなる。
パイプ本体(23)の両端部には、それぞれ継手部(25)(26)が設けられている。一方(図の右側)の継手部(25)は、中間部分の外周におねじ部(31a)を有しかつ突き合わせ端部の外周に六角柱状のフランジ部(31b)を有する第1継手部材(31)からなり、他方(図の左側)の継手部(26)は、中間部分の外周に六角柱状のフランジ部(32a)を有しかつ両端部寄りの外周におねじ部(32b)(32c)を有する第2継手部材(32)と、パイプ本体(23)に接合されたスリーブ(33)と、第2継手部材(32)とスリーブ(33)とを結合する袋ナット(34)とからなる。
保熱材(24)としての金属球(24a)は、鋼球とされており、その径は、パイプ本体(23)の内径の1/4程度とされている。
第1および第2継手部材(31)(32)は、パイプ本体(23)の内径よりも小さい小径通路(35)(38)と、パイプ本体(23)に突き合わされる側にあってパイプ本体(23)内径に等しい大径通路(36)(39)とを有し、小径通路(35)(38)と大径通路(36)(39)との間に段部(37)(40)が形成されている。
スリーブ(33)は、パイプ本体(23)と同じ径の本体(33a)と、パイプ本体(23)に接合されない方の端部に設けられたフランジ部(33b)とからなり、このフランジ部(33b)に袋ナット(34)の頂壁部分が当接するとともに、袋ナット(34)が第2継手部材(32)のおねじ部(32c)にねじ合わされることにより、第2継手部材(32)に固定されている。スリーブ(33)と第2継手部材(32)との突き合わせ面には、突き合わせ面のシール性を確保するためのガスケット(46)が介在させられている。
第1継手部材(31)の段部(37)には、大径通路(36)の径と同じ外径を有しかつ金属球(24a)の径よりも小さい孔(42)が多数形成された円形の金属製多孔板(41)の周縁部が当てられている。この多孔板(41)は、金属球(24a)の充填時および充填後において金属球(24a)が脱落することを防止するための止め板となっている。
第2継手部材(32)の段部(40)には、大径通路(39)の径と同じ外径を有する円筒状圧縮コイルばね(43)の一端が当てられている。このコイルばね(43)の他端には、止め板として使用されているのと同じ形状すなわち大径通路(36)の径と同じ外径を有しかつ金属球(24a)の径よりも小さい孔(45)が多数形成された円形の金属製多孔板(44)が配置されている。コイルばね(43)は、第2継手部材(32)の段部(40)からパイプ本体(23)端面までの距離よりも長い自然長を有しており、多孔板(44)を介してパイプ本体(23)内に密に充填されている金属球(24a)を他方の多孔板(41)側に押圧している。
金属球(24a)は、パイプ本体(23)に第1継手部材(31)を取り付けた後、一方の多孔板(41)を止め板にして、パイプ本体(23)内に順次充填される。その後、スリーブ(33)内に他方の多孔板(44)が配置されるとともに、第2継手部材(32)にコイルばね(43)が配置されて、ナット(34)によってスリーブ(33)が第2継手部材(32)に固定される。これにより、パイプ本体(23)内に充填された金属球(24a)は、2つの多孔板(41)(44)で挟まれることによって保持される。こうして、熱伝導性に非常に優れ、しかも、ガスの通過間隙が十分確保され、圧損も少ない配管部材(21)が簡単な作業で形成される。
この配管部材(21)について、金属球(24a)を鋼球として、図3の試験装置を使用して温度変化を測定したところ、図6に示すように、図4とほぼ同じ結果が得られ、この実施形態のものによっても加熱効率が大幅に上昇することが確認できた。なお、図6において、ガス5slmおよびガス10slmは、ガスの流量(slm=standard liter/min)を示しており、この配管部材(21)によると、ガスの流量が多いときに金属球(鋼球)(24a)ありとなしとの差がより顕著になることが分かる。
図1は、この発明による配管部材の第1実施形態を示す縦断面図である。 図2は、同横断面図である。 図3は、試験装置の構成を示すフロー図である。 図4は、第1実施形態の配管部材についての温度変化の測定結果を示す図である。 図5は、この発明による配管部材の第2実施形態を示す縦断面図である。 図6は、第2実施形態の配管部材についての温度変化の測定結果を示す図である。
符号の説明
(1) 配管部材
(2) テープヒータ(加熱手段)
(3) パイプ本体(中空状本体)
(4) 保熱材
(11) 多孔金属箔
(11a) 切起し
(12) 金属製芯材
(21) 配管部材
(22) テープヒータ(加熱手段)
(23) パイプ本体(中空状本体)
(24) 保熱材
(24a) 金属球
(41)(44) 多孔板
(43) コイルばね

Claims (8)

  1. 中空状本体と、本体外周に設けられた加熱手段と、本体内周に密接するように挿入された保熱材とからなる配管部材。
  2. 保熱材が、多孔金属材料から形成された請求項1の配管部材。
  3. 保熱材が、多孔金属材料と金属製芯材とから形成された請求項1の配管部材。
  4. 多孔金属材料は、切起しを有する多孔金属箔が渦巻き状に積層されたものである請求項2または3の配管部材。
  5. 保熱材が、多数の金属球から形成された請求項1の配管部材。
  6. 保熱材の両端に、金属球の通路方向の移動を阻止する多孔板が設けられている請求項5の配管部材。
  7. 一方の多孔板が付勢部材によって他方の多孔板側に付勢されている請求項6の配管部材。
  8. 本体は、チューブとその両端に設けられた継手部とからなり、継手部に、多孔板を受け止める段部が形成されている請求項6または7の配管部材。
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