JP2006299825A - 建設機械の暖機運転システム - Google Patents

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康 荒井
Kazunori Nakamura
和則 中村
Yoichi Kowatari
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Shohei Kamiya
象平 神谷
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Abstract

【課題】寒さの苛烈な環境下で運転室の暖房をリアルタイムに実施できる建設機械の暖機運転システムを提供する。
【解決手段】油圧ポンプ8の傾転角及びその駆動用エンジン1の回転数を制御するコントローラ13とエンジン回転数を指定できるスロットル13aとエンジン冷却水温検出用の冷却水温センサ15とエンジン冷却水で暖房する運転室ヒータ10とを設けた建設機械の暖機運転システムにおいて、氷点下の領域内に設定したエンジン冷却水の設定温度と最小傾転角より大きく最大傾転角より小さい領域内に設定した設定傾転角とアイドル回転数より高くハイアイドル回転数より低い領域内に設定した設定エンジン回転数とをコントローラに記憶させ、エンジン冷却水の検出温度がエンジン冷却水の設定温度以下のときに油圧ポンプの傾転角を設定傾転角にしエンジン回転数をスロットルで指定のエンジン回転数に関係なく設定エンジン回転数にするように制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、油圧ポンプとこの油圧ポンプ駆動するためのエンジンとを備えた油圧ショベル等の建設機械を苛烈な寒さの環境下で運転する際に、エンジン冷却水や作動油を暖めることに加え、エンジン冷却後のエンジン冷却水により運転室内を暖房する建設機械の暖機運転システムに関する。
建設機械は、通常、走行体により走行して、これに設置した作業機により、掘削作業、クレーン作業等の種々の建設作業を行う。そのため、建設機械は、走行体を駆動するための走行用の油圧モータや作業機を駆動するための油圧アクチュエータと、この油圧アクチュエータを駆動する圧油を発生させるための可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するためのエンジンとを設けている。
こうした建設機械を氷点下の気温のきわめて低い環境下で使用するときには、エンジンや油圧ポンプの故障や寿命の低下を防止して油圧アクチュエータを最適な状態で効率よく駆動できるようにするため、エンジンや作動油を適切な温度に暖めるための予備の運転操作である暖機運転(ウオーミングアップ)を行うことが必要である。この暖機運転では、これの一環として、運転室内を暖めるための運転室の暖房も通常行われる。こうした暖機運転を行うためのシステムを、本明細書では暖機運転システムと称する。この暖機運転システムを設計する場合、運転室内の暖房は、特に、建設機械を氷点下での寒さの苛烈な環境下で運転する際にきわめて重要なテーマとなる。
この種の建設機械の暖機運転システムに関する技術としては、これまで種々の技術が提案されているが、ここでは、特許文献1に記載の技術を従来の技術として位置付けて、その技術内容を以下に概説する。その際、特許文献1で使用している用語や符号を括弧内に付記しながら、本発明と関連する部分の技術内容を中心に説明する。
この特許文献1に記載の従来の技術に係る建設機械の暖機運転システムは、油圧アクチュエータを駆動するための圧油の発生源となる可変容量型の油圧ポンプ(可変吐出型の油圧ポンプ1)と、この油圧ポンプを駆動するエンジン(2)と、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を制御する傾転角制御手段(コントローラ19)と、エンジン回転数を制御するエンジン回転数制御手段(コントローラ3)と、オペレータが建設機械の運転時のエンジン回転数を任意に指定きるエンジン回転数指定手段(スロットル7)と、エンジン冷却水の温度を検出する水温検出手段(水温センサ14)と、作動油の温度を検出する作動油温検出手段(温度センサ21)と、エンジン冷却水により運転室内を暖房する運転室ヒータ(ヒータ16)とを設けて構成されている。
こうした手段を設けた従来の技術では、エンジン冷却水の温度が常温(エンジンの運転に適した常温)以下である場合において暖機運転を行うときには、運転室ヒータを作動させないようにした状態の下で、まず、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にしてから、設定された第1の暖機目標回転数(N1 )でエンジンを回転させて油圧ポンプを駆動する。こうしてエンジンを回転させてエンジン冷却水を暖めてゆき、その結果、エンジン冷却水の温度が暖房開始のための設定温度に達したと判定されたら、運転室ヒータを作動させて運転室内の暖房を開始する。その後、エンジン冷却水の温度が前記の常温以上になったと判定されたら、エンジンの暖機運転は、一応終了する。
次いで、エンジン回転数制御手段により、エンジン回転数を、設定された第2の暖機目標回転数(N2 )に上昇させた状態において、今度は、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を傾転角制御手段により最大傾転角に増大させて作動油の温度を常温(油圧アクチュエータの駆動に適した常温)に上昇させる。その結果、作動油の温度が前記の常温以上になったと判定されたら、作動油の暖機運転を終了させる。このとき、エンジン回転数をエンジン回転数制御手段によりローアイドル回転数に減少させるとともに、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を傾転角制御手段により減少させて、再び、最小傾転角にする。かくして、エンジンや油圧ポンプは、通常運転の開始が可能な初期の設定状態にセットされる。この従来の技術では、以上の暖機運転を実施することにより、暖機運転の操作の未熟によるエンジンや油圧ポンプ等の故障の発生をなくし、暖機時間の短縮化が図れることに加え、運転室内も自動的に適温に暖房されて、オペレータの居住性も向上するとされている。
特開平7ー4285号公報(第2−4頁、図1−2)
この従来の技術に係る建設機械の暖機運転システムでは、エンジンや可変容量型の油圧ポンプを駆動するとき、エンジン冷却水の温度が最も低い暖機運転の初期の段階では、エンジンや油圧ポンプにあまり負荷をかけないようにして、これらの機械が損傷するのを防止し、かつ、燃料消費を少なくするという設計思想により、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にして駆動するようにしている。ここで例示した従来の技術だけに限らず、従来は、少なくとも暖機運転の初期の段階でこのように可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にする必要であるとする考えが既成概念として定着していた。
ところで、最近は、新規に開発されるエンジンの熱効率が著しく向上して、エンジン冷却水がエンジンから吸収できる熱量が減少したため、こうした従来の技術に係る暖機運転システムによっては、運転室内を快適な温度に暖房するまでに以前よりも多くの時間を要するようになっている。換言すると、新規開発の最近のエンジンは、従来のエンジンと同じ負荷を油圧ポンプから受けたとしても、エンジンの熱効率の向上により、従来のエンジンよりも少ない燃料消費で油圧ポンプを駆動することが可能となったため、その分、エンジン冷却水がエンジンから持ち去ることのできる熱量が減少して、運転室内を暖房するのに次第に長い時間を要するようになってきている。
こうした技術背景の変化から、油圧ショベルのような建設機械を、例えば−20°Cというような苛烈な寒さの環境下で暖機運転する場合、これまでの暖機運転システムを踏襲する限り、運転室内が適温に温まるまでに最低でも30分程度の長い時間を要することとなり、その間、オペレータは、寒さを凌ぐことを余儀なくされる。そのため、オペレータは、運転室内に留まることなく、運転室外で暖をとることがしばしばあり、作業効率上望ましくなかった。こうした現状に鑑み、作業効率の改善の見地から、寒さの苛烈な環境下で実施する暖機運転について、運転室内の暖房時間の短縮化を図って、運転室内の暖房をリアルタイムに実施できるようにすることが望まれる。
本発明は、こうした要求に応えるために創作されたものであって、その技術課題は、寒さの苛烈な環境下でも、運転室内の暖房をリアルタイムに実施することができる建設機械の暖機運転システムを提供することにある。
こうした技術課題を達成するため、「油圧アクチュエータを駆動するための圧油の発生源となる可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエンジンと、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を制御する傾転角制御手段と、エンジン回転数を制御するエンジン回転数制御手段と、オペレータが建設機械の運転時のエンジン回転数を任意に指定できるエンジン回転数指定手段と、エンジン冷却水の温度を検出する水温検出手段と、エンジン冷却水により運転室内を暖房する運転室ヒータとを設けて構成された建設機械の暖機運転システム」を構成する場合に、本発明は、次のように構成した。
可変容量型の油圧ポンプの傾転角及びエンジン回転数の制御に用いられ氷点下の領域内に設定されたエンジン冷却水の温度の設定値を記憶している温度設定値記憶手段と、最小傾転角よりも大きく最大傾転角よりも小さい領域内に設定された可変容量型の油圧ポンプの傾転角の設定値を記憶している傾転角設定値記憶手段と、アイドル回転数よりも高くハイアイドル回転数よりも低い領域内に設定されたエンジン回転数の設定値を記憶しているエンジン回転数記憶手段とを設け、水温検出手段で検出されたエンジン冷却水の温度が温度設定値記憶手段に記憶されているエンジン冷却水の温度の設定値以下にあるときに、可変容量型の油圧ポンプの傾転角が、傾転角設定値記憶手段に記憶されている傾転角の設定値になるよう傾転角制御手段により制御され、かつ、エンジン回転数が、エンジン回転数指定手段で指定されたエンジン回転数にかかわりなく、エンジン回転数記憶手段に記憶されているエンジン回転数の設定値になるようエンジン回転数制御手段により制御されるように構成した。
従来、建設機械の暖機運転システムにより暖機運転をするとき、エンジン冷却水の温度が低い暖機運転の初期の段階では、エンジンや油圧ポンプにできるだけ負荷をかけないようにして、エンジンや油圧ポンプ等の損傷を防止し、かつ、燃料消費を少なくするという設計思想の基に、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にするという考えが当然のこととして定着していた。しかしながら、氷点下の苛烈な寒さの環境下で暖機運転を行う場合において、その初期の段階で可変容量型の油圧ポンプの傾転角を最小傾転角より可成大きくしても、その設定を適切に行って、エンジンをアイドル回転数とハイアイドル回転数の間の中位の回転数で駆動すれば、燃料消費は増加するものの、エンジンや油圧ポンプ等の損傷が発生しないことを見い出した。
こうした知見に基づき、本発明に係る建設機械の暖機運転システムでは、水温検出手段で検出されたエンジン冷却水の温度が温度設定値記憶手段に記憶されているエンジン冷却水の温度の設定値以下にあるとき、すなわち暖機運転の初期の段階において、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を、傾転角設定値記憶手段に記憶されている予め設定された最小傾転角より大きい傾転角になるように傾転角制御手段で制御することにより、エンジンの負荷トルクを積極的に増加させるようにした。その場合、エンジン回転数は、オペレータがエンジン回転数指定手段で指定したエンジン回転数にかかわりなく、エンジン回転数記憶手段に記憶されているアイドル回転数とハイアイドル回転数の間の予め設定されたエンジン回転数になるようエンジン回転数制御手段で制御するようにした。
このように、本建設機械の暖機運転システムでは、エンジン冷却水の温度が設定値以下にあるとき、すなわち氷点下の領域中の低温側の領域にあるときに、油圧ポンプの傾転角を最小傾転角より大きくするように傾転角制御手段で制御してエンジンの負荷トルクを適正な限度で積極的に増加させるようにしているので、エンジン冷却水の温度が氷点下における所定温度に達するまでは、燃料消費は増加するものの、エンジン冷却水を急速に暖めることができる。その場合、エンジンは、オペレータが指定したエンジン回転数にかかわりなく、適正なエンジン回転数で駆動されるようにエンジン回転数制御手段で制御するようにしているので、エンジンや油圧ポンプ等の損傷を防止することができる。
こうしてエンジン冷却水を所定温度まで急速に暖めた後は、例えば、従来のように油圧ポンプの傾転角を最小傾転角にするというように、傾転角を減少させて暖機運転を続行すれば、以後は、燃料消費を抑制することができる。本建設機械の暖機運転システムでは、以上のような暖機運転を実施することができるので、運転室内の暖房に要する時間を従来よりも短縮化して運転室内を許容時間内に適温に暖めることが可能となり、寒さの苛烈な環境下でも、運転室内の暖房をリアルタイムに実施することができる。
以下の説明から明らかなように、本発明では、「油圧アクチュエータを駆動するための圧油の発生源となる可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエンジンと、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を制御する傾転角制御手段と、エンジン回転数を制御するエンジン回転数制御手段と、オペレータが建設機械の運転時のエンジン回転数を任意に指定できるエンジン回転数指定手段と、エンジン冷却水の温度を検出する水温検出手段と、エンジン冷却水により運転室内を暖房する運転室ヒータとを設けて構成された建設機械の暖機運転システム」を構成する場合に、前記の「課題を解決するための手段」の項に示したように構成しているので、本発明の建設機械の暖機運転システムによれば、寒さの苛烈な環境下でも、運転室内の暖房をリアルタイムに実施することができる。その結果、建設機械による作業の作業効率を向上させることができる。
特に、本発明では、水温検出手段で検出されたエンジン冷却水の温度が設定値以下にあるときに、エンジン回転数を、エンジン回転数指定手段で指定されたエンジン回転数にかかわりなく、エンジン回転数記憶手段に記憶されているエンジン回転数の設定値になるようエンジン回転数制御手段により制御するようにしているので、エンジン冷却水の温度が氷点下の領域中の低温側の領域にあるときに、オペレータがエンジン回転数を上昇させるようにエンジン回転数指定手段を誤操作しても、エンジン回転数は、予め設定された適正なエンジン回転数で駆動されるように制御される。そのため、エンジンや油圧ポンプ等の損傷を招きやすい寒さの苛烈な環境下での暖機運転の初期の段階において、例えば、通常運転の早期着手や暖機運転の促進等のためにオペレータがエンジン回転数を無理に増加させても、エンジンや油圧ポンプ等が損傷するようなことはない。
以下、本発明が実際上どのように具体化されるのかを図1乃至図4に基づいて説明することにより、本発明を実施するための望ましい形態を明らかにする。
図1は、本発明を具体化して構成した建設機械の暖機運転システムに係る油圧回路図、図2は、建設機械の通常運転時における油圧アクチュエータ操作用のパイロット弁のポジコン圧と油圧ポンプの傾転角との関係を示す図、図3は、図1の建設機械の暖機運転システムの暖機運転時におけるエンジン冷却水の温度と傾転角調節用電磁弁の出力との関係を示す図、図4は、図1の建設機械の暖機運転システムの暖機運転時におけるエンジン冷却水の温度と油圧ポンプの傾転角との関係を示す図である。
以下に述べる建設機械の暖機運転機構は、すでに述べた従来の技術に係る建設機械の暖機運転システムと同様、油圧アクチュエータを駆動するための圧油の発生源となる可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエンジンと、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を制御する傾転角制御手段と、エンジン回転数を制御するエンジン回転数制御手段と、オペレータが建設機械の運転時のエンジン回転数を任意に指定できるエンジン回転数指定手段と、エンジン冷却水の温度を検出する水温検出手段と、エンジン冷却水により運転室内を暖房する運転室ヒータとを設けて構成したものである。また、従来の技術に係る暖機運転システムと同様、作動油の温度を検出する作動油温検出手段も設けている。本建設機械の暖機運転システムは、油圧ショベルに設けた例であるが、クレーン、ホイールローダ等の他の建設機械にも適用することができる。
図1において、1は油圧ポンプ8を駆動するための動力源となるエンジン、2はこのエンジン1で駆動され作動油クーラ11やラジエータ12を空冷するための空気流を起す冷却ファン、3はエンジン1で駆動されエンジン冷却水を循環させる冷却水ポンプ、4はエンジンコントロールモータ5で駆動されエンジン1の燃料噴射量を制御するガバナ、5は電気的に駆動されエンジン1の回転速度をガバナ4を通じて制御するエンジンコントロールモータ、6は油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角を制御するレギュレータ、7は作動油を貯溜するための作動油タンク、8は図示しない各種油圧アクチュエータを駆動するための圧油の発生源となる可変容量型の油圧ポンプ、8aはこの油圧ポンプ8の押しのけ容積可変機構としての斜板、9はオペレータがパイロット弁26,27,28の操作手段を操作することにより油圧ポンプ8から油圧アクチュエータへ供給される圧油の流れや流量を切り換えて油圧アクチュエータの運動を制御する方向切換弁である。
レギュレータ6は、パイロット圧管路aを通じて後述する油圧パイロット圧が導かれ、その圧力の大きさに応じて可変容量型の油圧ポンプ8の斜板8aを適宜の角度傾転させることにより、油圧ポンプ8の吐出容量を調整する働きをする。建設機械が自走式の油圧ショベルである場合、油圧アクチュエータは、ブームシリンダ、アームシリンダ及びバケットシリンダや走行用の油圧モータや旋回用の油圧モータ等の油圧駆動される機器を意味する。方向切換弁9は、図1には説明の便宜上一つしか図示していないが、実際には、こうした各種油圧アクチュエータに対応して多数設けられている。
10はエンジン1の冷却後のエンジン冷却水を導いて運転室内を暖房するための運転室ヒータ、11は作動油を冷却するための作動油クーラ、12はエンジン1の冷却後のエンジン冷却水を冷却するためのラジエータ、13はエンジン1の回転数や暖機運転時における油圧ポンプ8の傾転角を制御するための制御信号や暖機運転を自動的に行うための制御信号を出力するコントローラ、13aはオペレータが建設機械の運転時のエンジン回転数を任意に指定できるエンジン回転数指定手段としてのスロットル、14は暖機運転によりエンジン冷却水の温度が所定温度に達したときに開放してエンジン冷却水をラジエータ12に導く働きをするサーモスタット(弁の一種)、15はエンジン1の冷却後のエンジン冷却水の水温を検出するための冷却水温センサ、16はエンジン1の原動力を伝動する駆動側のプーリとしてのクランクプーリ、17はクランクプーリ16とファンプーリ18とに掛け回されたファンベルト、18はクランクプーリ16の回転がファンベルト17を介して伝動され冷却ファン2を回転駆動する従動側のプーリとしてのファンプーリである。
通常運転時において、コントローラ13は、オペレータがスロットル13aの操作で指定したエンジン回転数に係るスロットル信号によりエンジンコントロールモータ5を制御し、このエンジンコントロールモータ5でガバナ4を駆動して燃料噴射量を制御することにより、エンジン回転数を、スロットル13aで指定したエンジン回転数にするように制御する。こうした通常運転時におけるエンジン回転数の制御や後述する暖機運転時におけるエンジン回転数の制御は、エンジン回転センサ23でのエンジン回転数に係る検出結果をコントローラ13へ入力することにより、コントローラ13においてフィードバック制御をして行われる。コントローラ13では、暖機運転時に種々の制御を行うが、この点については、後に詳述する。
サーモスタット14が閉鎖しているときには、エンジン冷却水は、冷却水ポンプ3の吐出側から管路b−管路c−運転室ヒータ10−管路d−管路eを経て冷却水ポンプ3の吸入側に戻るというように循環し、その際、管路bを流れるエンジン1の冷却後の余剰のエンジン冷却水は、サーモスタット14のバイパス路(図示せず)から冷却水ポンプ3の吸入側に戻る。したがって、このときには、エンジン1の冷却後のエンジン冷却水は、ラジエータ12へ供給されて冷却されることなく、専ら運転室ヒータ10を暖めるように循環して運転室内の暖房を促進させる。また、エンジン冷却水の温度がラジエータ12で冷却することを要する所定の温度(80°C〜85°C)に達して、サーモスタット14が開放したときには、エンジン1の冷却後のエンジン冷却水を運転室ヒータ10に循環させるだけでなく、前記の管路bを流れるエンジン1の冷却後の余剰のエンジン冷却水は、サーモスタット14を経由してラジエータ12に循環させて冷却する。
19は運転室内の温度を検出するための運転室内温度センサ、20は各パイロット弁26,27,28に供給するための油圧パイロット圧を所定の値に調整する働きをするパイロットリリーフ弁、21は油圧ポンプ8の吐出圧を検出するための油圧ポンプ吐出圧センサ、22は作動油タンク7内の作動油の温度を検出するための作動油センサ、23はエンジン1の回転数を検出するためのエンジン回転センサ、24はコントローラ13により制御されて暖機運転時に油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角をレギュレータ6を通じて設定値に調節する働きをする傾転角調節用電磁弁、25はパイロット弁26,27,28に油圧パイロット圧を供給するためのパイロットポンプ、26,27,28はオペレータの操作により油圧パイロット圧を対応する方向切換弁9に送ってこれを切り換えることにより油圧アクチュエータ9を操作する油圧アクチュエータ操作用のパイロット弁である。
油圧アクチュエータ操作用の各パイロット弁26,27,28には、操作レバーや操作ペダルのようなオペレータが操作するための操作手段が付設されており、パイロットリリーフ弁20で圧力調整されたパイロットポンプ25からの油圧パイロット圧がパイロット圧供給路fを通じて導かれる。各パイロット弁26,27,28は、この油圧パイロット圧を操作手段の操作量に応じた圧力値に調整して、対応する各方向切換弁9に出力し、その圧力値に応じて各方向切換弁9の開口量を調節して油圧アクチュエータの駆動速度を制御する。また、操作手段の操作方向により、方向切換弁9を中立位置から第1の位置又は第2の位置に切り換えて油圧アクチュエータの駆動方向を制御する。こうしたパイロット弁26,27,28は、方向切換弁9と同様、油圧ショベルの各種油圧アクチュエータに対応して設けられている。
一方、各パイロット弁26,27,28から各方向切換弁9に出力される油圧パイロット圧の中から最高圧力のものが三つのシャトル弁29a,29b,29cにより選択されてパイロット圧ラインgに送られる。このパイロット圧ラインgに送られた油圧パイロット圧は、可変容量型の油圧ポンプ8をポジティブ制御するための油圧パイロット圧すなわちポジコン圧として用いられる。このポジコン圧は、傾転角調節用電磁弁24が下位置すなわち図1の位置に切り換えられているときには、シャトル弁30を経由してパイロット圧管路aに送られて、レギュレータ6を駆動する。
傾転角調節用電磁弁24は、コントローラ13からの電気信号により上位置及び下位置の何れかに切り換えられる。そして、暖機運転時には、上位置に切り換えられ、パイロット圧供給路fをパイロット圧接続路hに連通させてパイロットポンプ25からの油圧パイロット圧を同接続路hに導く。その場合、傾転角調節用電磁弁24は、コントローラ13からの電気信号の出力値に応じて開口量が調節され、これにより、傾転角調節用電磁弁24からパイロット圧接続路hに導かれる油圧パイロット圧の出力値が調整される。暖機運転時には、パイロット弁26,27,28が操作されず、ポジコン圧がパイロット圧ラインgヘ送られることはないので、パイロット圧ラインgの油圧パイロット圧及びパイロット圧接続路hの油圧パイロット圧のうちの後者の油圧パイロット圧がシャトル弁30で選択されてパイロット圧管路aに送られる。その結果、傾転角調節用電磁弁24で圧力調整された油圧パイロット圧の出力値によりレギュレータ6が駆動されて、可変容量型の油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角が制御される。
パイロット弁26,27,28は、長時間同じ状態で操作され続けることはないので、暖機運転時に、パイロット圧接続路hの油圧パイロット圧よりも大きなポジコン圧がパイロット圧ラインgへ送られるように操作されたとしても、エンジン1を後述する設定値で回転させている限り、スロットル13aの誤操作ほどはエンジン1や油圧ポンプ8等の機器類に悪影響を及ぼさない。しかしながら、その機器類の信頼性を向上させるため、暖機運転時にパイロット弁26,27,28が操作されても、適宜の手段によりポジコン圧が出力されないようにすることもできる。なお、傾転角調節用電磁弁24やパイロット弁26,27,28へ供給されるパイロット圧油のうちの余剰のものは、パイロットリリーフ弁20を通じて作動油タンク7に戻される。
傾転角調節用電磁弁24は、通常運転時(非暖機運転時)には、図1に示すように下位置に切り換えられてパイロット圧接続路hへのパイロット圧供給路fの連通を解除するとともに、前述したようにパイロット圧ラインgのポジコン圧がパイロット圧管路aに送られてレギュレータ6を駆動し、ポジコン圧の圧力値に応じて油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角を制御する。このポジコン圧の圧力値と油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角との関係を示すと、図2のようになる。図2において、横軸は、ポジコン圧の圧力値(ポジコン圧と略記)を意味し、縦軸は、油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角(ポンプ傾転角と略記)を意味する。また、θ1は、最大傾転角を意味し、θ2は、最小傾転角を意味する。
これらの最大傾転角や最小傾転角は、油圧ポンプの性能に応じて一義的に定まる値であって、メーカで製作された油圧ポンプごとに定まっている固有の値である。斜板8aの傾転角が最大傾転角のときには、油圧ポンプ8の吐出容量は最大となり、斜板8aの傾転角が最小傾転角のときには、油圧ポンプ8の吐出容量は、作動油が油圧回路を循環して油圧ポンプ8等を潤滑する程度の最小の値となる。こうした可変容量型の油圧ポンプ8の傾転角は、油圧回路をポジティブ制御により通常運転している限り、帰するところ、パイロット弁26,27,28の各操作量のうちの最大操作量により決定される。
次に、図3及び図4を用いて、暖機運転時におけるエンジン1及び可変容量型の油圧ポンプ8の制御について説明する。なお、図1には、種々のセンサが示されているが、これらの制御に直接的に関係するセンサは、冷却水温センサ15である。
図3及び図4は、コントローラ13で行う可変容量型の油圧ポンプ8の制御の概要を模式的に図示したものである。図3において、横軸は、エンジン冷却水の温度(冷却水温と略記)を意味し、縦軸は、暖機運転時における傾転角調節用電磁弁24の出力(暖機運転時電磁弁出力と略記)すなわち傾転角調節用電磁弁24から出力される油圧パイロット圧の値を意味している。また、図4において、横軸は、エンジン冷却水の温度を意味し、縦軸は、暖機運転時における油圧ポンプ8の斜板8aの傾転角(暖機運転時ポンプ傾転角と略記)を意味している。なお、図3及び図4の横軸のエンジン冷却水の温度は、氷点下の温度領域を表しているものとする。
図4から分かるように、コントローラ13では、エンジン冷却水の温度が氷点下の領域内の設定温度T1以下であるときには、可変容量型の油圧ポンプ8の傾転角を、最小傾転角θ2よりも大きく最大傾転角θ1よりも小さい領域内に設定された設定傾転角θ3にするように制御している。また、エンジン冷却水の温度が暖機運転により温まって設定温度T1を超えたときには、油圧ポンプ8の傾転角を次第に減少させてゆき、エンジン冷却水の温度が設定温度T1から氷点下の領域内の設定温度T2まで上昇したときには、その傾転角を最小傾転角θ2にするように制御している。なお、エンジン冷却水の温度が設定温度T1を超えたときに、直ちに、油圧ポンプ8の傾転角を最小傾転角θ2にするように制御することもできる。
こうした油圧ポンプ8の傾転角の制御を行うため、コントローラ13には、氷点下の領域内に設定されたエンジン冷却水の温度に係る設定温度T1を記憶している温度設定値記憶手段を設けている。また、最小傾転角θ2よりも大きく最大傾転角θ1よりも小さい領域内に設定された可変容量型の油圧ポンプ8の設定傾転角θ3を記憶している傾転角設定値記憶手段を設けている。そして、コントローラ13では、冷却水温センサ15で検出されたエンジン冷却水の温度が温度設定値記憶手段に記憶されている設定温度T1以下にあるときに、傾転角調節用電磁弁24を通じて、油圧ポンプ8の傾転角を、傾転角設定値記憶手段に記憶されている設定傾転角θ3にするよう電気信号により制御している。
これらの手段が本発明との関連上、不可欠の手段であるが、ここに示す例では、エンジン冷却水の温度が設定温度T1を超えた直後にその傾転角を最小傾転角θ2にしないで、エンジン冷却水の温度が設定温度T2まで上昇したときに傾転角を最小傾転角θ2にするようにしているので、二次設定温度T2を設定温度T1の高温側に設定して温度設定値記憶手段に記憶している。そして、コントローラ13は、冷却水温センサ15で検出されたエンジン冷却水の温度が設定温度T2に達したときに、初めて、油圧ポンプ8の傾転角を最小傾転角θ2にするよう制御している。
一方、コントローラ13では、設定温度T1以下であるときには、エンジン回転数をアイドル回転数(通常700〜900回転/分程度)よりも高くハイアイドル回転数(通常2000〜2200回転/分程度)よりも低い領域内に設定された設定エンジン回転数にするように制御している。そのため、コントローラ13は、こうした設定エンジン回転数を記憶しているエンジン回転数記憶手段を備えており、これにより、エンジン冷却水の温度が設定温度T1以下である期間中、すなわち可変容量型の油圧ポンプ8の傾転角を設定傾転角θ3に制御している期間中、スロットル13aで指定されたエンジン回転数にかかわりなく、エンジン回転数を設定エンジン回転数にするように、エンジンコントロールモータ5及びガバナ4を通じて制御している。
ところで、エンジン1の負荷トルクは、エンジン回転数が一定ならば、斜板8aの傾転角が大きくなるに従って大きくなるので、エンジン1の暖機は、斜板8aの傾転角が大きくなるほど促進され、これに伴って運転室内の暖房も促進される。また、作動油は、油圧ポンプ8から吐出して油圧回路を循環する過程で、方向切換弁9等の油圧回路の構成部材との摩擦により油圧ポンプ8と共に暖められるので、作動油の暖機も、斜板8aの傾転角を大きくして油圧ポンプ8から作動油を大量に吐出させるほど促進される。
したがって、暖機運転の促進という観点だけからみれば、可変容量型の油圧ポンプ8の傾転角は、できるだけ大きくするように設定すればよいが、酷寒の環境下における暖機運転の初期の段階では、作動油が低温でその粘性が著しく高いため、こうした状況下で油圧ポンプ8の傾転角を大きく設定すると、油圧ポンプ8にキャビテーションが発生して損傷をもたらし、更には、大量の作動油を油圧回路内で円滑には流通させることができず、配管類等の油圧回路の周辺機器に損傷をもたらす。こうしたことから、エンジン冷却水の温度が低い暖機運転の初期の段階では、従来、エンジン1や油圧ポンプ8にできるだけ負荷をかけないようにして、エンジン1や油圧ポンプ8等の損傷を防止し、併せて燃料消費を少なくするという設計思想の基に、油圧ポンプ8の傾転角を最小傾転角θ2にするという考えが当然のこととして定着していた。
これに対し、出願人は、氷点下の苛烈な寒さの環境下で暖機運転を行う場合において、暖機運転の初期の段階で可変容量型の油圧ポンプ8の傾転角を最小傾転角より可成大きくしても、その設定を適切に行って、エンジン1をアイドル回転数とハイアイドル回転数の間の中位の回転数で駆動すれば、燃料消費は増加するものの、エンジン1や油圧ポンプ8等の損傷が発生しないことを見い出した。そこで、油圧ポンプ8の設定傾転角θ3やエンジン1の設定エンジン回転数等について次に具体的に述べる。
油圧ポンプ8の設定傾転角θ3は、当該油圧ポンプ8のキャビテーション発生防止及び運転室内の所要暖房時間の短縮化を図る観点から設定する。検討したところによると、油圧ポンプ8の設定傾転角θ3は、概ね当該可変容量型の油圧ポンプ8の最大傾転角θ1の40%以上70%以下の領域に設定するのが実用上好ましく、とりわけ、50%以上60%以下の領域に設定するのが望ましい。その場合、設定エンジン回転数をアイドル回転数とハイアイドル回転数の間の中位の回転数、具体的には、ハイアイドル回転数の50%以上65%以下の領域(例えば、ハイアイドル回転数が2000〜2200回転/分程度のエンジンでは、1200〜1400回転/分程度の領域)に設定すれば、エンジン1や油圧ポンプ8等に損傷が発生せず、かつ、エンジンストールを起こさず、エンジン1を安定して回転させることができる。
エンジン冷却水の設定温度T1は、例えば零下10°C前後に設定し、二次設定温度T2は、通常運転が支障なく行える零下数度C程度に設定するのが望ましい。設定温度T1を設定する場合は、二次設定温度T2を設定するか否かを別にして、何れにしても、油圧ポンプ8の傾転角の減少過程が終了する時点までには、運転室内の暖房は終了しないまでも、通常運転が可能な状態に至るように設定するのが望ましく、これにより、緊急の作業がある場合に同作業に早期に着手することができる。コントローラ13には、以上述べたようなエンジン冷却水の設定温度T1、油圧ポンプ8の設定傾転角θ3、エンジン1の設定エンジン回転数等に係るデータを記憶させる。
以上の知見に基づき、本建設機械の暖機運転システムでは、冷却水温センサ15で検出されたエンジン冷却水の温度がコントローラ13の温度設定値記憶手段に記憶されているエンジン冷却水の設定温度T1以下にあるとき、すなわち暖機運転の初期の段階において、可変容量型の油圧ポンプ8の傾転角を、コントローラ13の傾転角設定値記憶手段に記憶されている予め設定された最小傾転角θ2より大きい設定傾転角θ3になるようにコントローラ13の傾転角制御手段で制御することにより、エンジン1の負荷トルクを積極的に増加させるようにした。その場合、エンジン回転数は、オペレータがスロットル13aで指定したエンジン回転数にかかわりなく、コントローラ13のエンジン回転数記憶手段に記憶されているアイドル回転数とハイアイドル回転数の間の前記設定エンジン回転数になるようコントローラ13のエンジン回転数制御手段で制御するようにした。
このように、本建設機械の暖機運転システムでは、エンジン冷却水の温度が設定温度T1が以下にあるとき、すなわち氷点下の領域中の低温側の領域にあるときに、油圧ポンプ8の傾転角を、最小傾転角θ2よりも可成大きい設定傾転角θ3にするようにコントローラ13で制御してエンジン1の負荷トルクを適正な限度で積極的に増加させるようにしているので、エンジン冷却水の温度が氷点下における所定温度(エンジン冷却水の設定温度T1)に達するまでは、燃料消費は増加するものの、エンジン冷却水を急速に暖めることができる。その場合、エンジン1は、オペレータがスロットル13aで指定したエンジン回転数にかかわりなく、予め設定された適正な前記エンジン回転数で駆動されるようにコントローラ13で制御するようにしているので、エンジン1や油圧ポンプ8等の損傷を防止することができる。
こうしてエンジン冷却水を設定温度T1まで急速に暖めた後は、従来のように油圧ポンプ8の傾転角を最小傾転角θ2にするというように、傾転角を減少させて暖機運転を続行するようにしているので、以後は、燃料消費を抑制することができる。本建設機械の暖機運転システムでは、以上のような暖機運転を実施するので、運転室内の暖房に要する時間を従来よりも短縮化して運転室内を許容時間内に適温に暖めることが可能となり、寒さの苛烈な環境下でも、運転室内の暖房をリアルタイムに実施することができる。その結果、建設機械による作業の作業効率を向上させることができる。
特に、本建設機械の暖機運転システムでは、冷却水温センサ15で検出されたエンジン冷却水の温度が設定温度T1以下にあるときに、エンジン回転数を、スロットル13aで指定されたエンジン回転数にかかわりなく、コントローラ13に記憶されている設定エンジン回転数になるようにコントローラ13より制御するようにしているので、エンジン冷却水の温度が氷点下の領域中の低温側の領域にあるときに、オペレータがエンジン回転数を上昇させるようにスロットル13aを誤操作しても、エンジン回転数は、予め設定された適正なエンジン回転数で駆動されるように制御される。そのため、エンジン1や油圧ポンプ8等の損傷を招きやすい寒さの苛烈な環境下での暖機運転の初期の段階において、例えば、通常運転の早期着手や暖機運転の促進等のためにオペレータがエンジン回転数を無理に増加させても、エンジン1や油圧ポンプ8等が損傷するようなことはない。
本発明を具体化して構成した建設機械の暖機運転システムに係る油圧回路図である。 図1の建設機械の通常運転時における油圧アクチュエータ操作用のパイロット弁のポジコン圧と油圧ポンプの傾転角との関係を示す図である。 図1の建設機械の暖機運転システムの暖機運転時におけるエンジン冷却水の温度と傾転角調節用電磁弁の出力との関係を示す図である。 図1の建設機械の暖機運転システムの暖機運転時におけるエンジン冷却水の温度と油圧ポンプの傾転角との関係を示す図である。
符号の説明
1 エンジン
2 冷却ファン
3 冷却水ポンプ
4 ガバナ
5 エンジンコントロールモータ
6 レギュレータ
7 作動油タンク
8 可変容量型の油圧ポンプ
8a (可変容量型の油圧ポンプ8の)斜板
9 方向切換弁
10 運転室ヒータ
11 作動油クーラ
12 ラジエータ
13 コントローラ
13a スロットル
14 サーモスタット
15 冷却水温センサ
23 エンジン回転センサ
24 傾転角調節用電磁弁
25 パイロットポンプ
26,27,28 パイロット弁
29a〜29c,30 シャトル弁

Claims (1)

  1. 油圧アクチュエータを駆動するための圧油の発生源となる可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプを駆動するエンジンと、可変容量型の油圧ポンプの傾転角を制御する傾転角制御手段と、エンジン回転数を制御するエンジン回転数制御手段と、オペレータが建設機械の運転時のエンジン回転数を任意に指定できるエンジン回転数指定手段と、エンジン冷却水の温度を検出する水温検出手段と、エンジン冷却水により運転室内を暖房する運転室ヒータとを設けて構成された建設機械の暖機運転システムにおいて、可変容量型の油圧ポンプの傾転角及びエンジン回転数の制御に用いられ氷点下の領域内に設定されたエンジン冷却水の温度の設定値を記憶している温度設定値記憶手段と、最小傾転角よりも大きく最大傾転角よりも小さい領域内に設定された可変容量型の油圧ポンプの傾転角の設定値を記憶している傾転角設定値記憶手段と、アイドル回転数よりも高くハイアイドル回転数よりも低い領域内に設定されたエンジン回転数の設定値を記憶しているエンジン回転数記憶手段とを設け、水温検出手段で検出されたエンジン冷却水の温度が温度設定値記憶手段に記憶されているエンジン冷却水の温度の設定値以下にあるときに、可変容量型の油圧ポンプの傾転角が、傾転角設定値記憶手段に記憶されている傾転角の設定値になるよう傾転角制御手段により制御され、かつ、エンジン回転数が、エンジン回転数指定手段で指定されたエンジン回転数にかかわりなく、エンジン回転数記憶手段に記憶されているエンジン回転数の設定値になるようエンジン回転数制御手段により制御されるように構成したことをことを特徴とする建設機械の暖機運転システム。
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