JP2006299398A - 歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法およびそれを用いた高強度鋼管の製造方法 - Google Patents

歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法およびそれを用いた高強度鋼管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法およびそれを用いた高強度鋼管の製造方法。
【解決手段】質量%で、C:0.01〜0.5%、Si:0.01〜3.0%、Mn:0.1〜5.0%、P:0.03%以下、S:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を溶製して鋳造し、さらに、熱間圧延し、その後の冷却に際し、600〜450℃の温度範囲を鋼板中心部の平均冷却速度で0.5〜40℃/sとなる冷却速度で冷却し、その後、加工度が1.5以上15以下、加工温度が室温以上300℃以下で冷間加工もしくは温間加工することを特徴とする、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法。また、この鋼板を用いて鋼管を製造することを特徴とする、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、天然ガス・原油輸送用ラインパイプ等に好適な、歪み時効特性に優れた円周方向の引張り強さ(TS)が760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法およびそれを用いた高強度鋼管の製造方法に関する。
近年、原油・天然ガスのパイプラインにおいて、輸送効率の向上を目的とした高内圧化や現地施工能率の向上を目的としたラインパイプの外径、重量の低減が要求され、X100(円周方向の引張強さ760MPa以上)、X120(円周方向の引張り強さ915MPa以上)を超える高強度鋼管の開発が進められている(例えば、特許文献1、2参照。)。
パイプラインでは、地震による変形および繰り返し変形によって、また、寒冷地にて見られる不連続永久凍土の溶解による大変形および繰り返し変形によって、パイプラインが円周溶接部より破壊することが懸念されている。この破壊を防止するためにはパイプライン母管と円周溶接金属との引張り強度比(以後、マッチングとよぶ。)が非常に重要であり、パイプライン母管の引張り強度よりも円周溶接金属の引張り強度を高くして(これをオーバーマッチングとよぶ。)円周溶接部からの破壊を防止するようにしている。しかしながら、母材の引張り強度が760MPaを超えると円周溶接金属の強度をかなり高くする必要が出てくるため、円周溶接部での脆性破壊発生を防止するための靱性を確保することが困難になってくる。さらに、円周溶接部での低温割れ発生の問題も懸念されて、円周溶接部の強度を高くすることが難しくなってくる。従って、オーバーマッチングの確保が難しくなるため長手方向の鋼管の強度を下げる試みが行われている。当然、円周方向の強度は各グレードの規格の強度を満足させる必要がある。実際には、鋼管どうしを円周溶接し、曲げ変形を加えたとき、許容曲げ歪み内で円周溶接部から破断しないことが必要である。これをパイプライン変形特性と呼ぶ。
一方、ラインパイプ鋼管は防食を目的として外面コーティングが施される。コーティング処理として、鋼管を200〜250℃に加熱し、粉末コーティング材を吹き付けるものがあり(これをフュージョンボンドエポキシコーティング(FBE)と呼ぶ。)、このコーティング方法が一般的である。コーティング処理後では、鋼管はコーティングによる歪み時効によって長手方向の降伏強度が上昇する。降伏強度が大きく上昇してしまうと、上述したように溶接金属とのオーバーマッチングの確保が難しくなる場合があり、ラインパイプの変形特性が劣化し、パイプラインの設計に適用できない場合が生じる。
このように、コーティング処理後における鋼管の長手方向での降伏強度の上昇をできる限り抑える高強度鋼管の開発が要望されていた。
特開平09−041074号公報 特開平09−041080号公報
本発明は、上記の課題を有利に解決して、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法およびそれを用いた円周方向の引張強さが760MPa級以上(API規格X100相当)の高強度鋼管の製造方法を提供するものである。
本発明者は、円周方向の引張強さが760MPa級以上の高強度鋼管のひずみ時効特性を適正に評価し得る簡便な試験方法について検討を行い、更にひずみ時効特性に優れた高強度鋼管を得るための製造プロセス条件について検討を行い、TMCP(TMCPとはThermo Mechanical Control Process(熱加工制御)の略。制御圧延と制御冷却を組み合わせた厚板製造プロセスにより、低い炭素当量で高い強度を得ることができる。)圧延後に最適な温間加工を実施すると歪み時効による降伏強度の上昇が抑えられるという知見を得、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法およびそれを用いた高強度鋼管の製造方法を発明するに至った。本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) 質量%で、C:0.01〜0.5%、Si:0.01〜3.0%、Mn:0.1〜5.0%、P:0.03%以下、S:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を溶製して鋳造し、さらに、熱間圧延し、その後の冷却に際し、600〜450℃の温度範囲を鋼板中心部の平均冷却速度で0.5〜40℃/sとなる冷却速度で冷却し、その後、加工度が1.5以上15以下、加工温度が室温以上300℃以下で冷間加工もしくは温間加工することを特徴とする、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法。
(2) 質量%で、C:0.01〜0.5%、Si:0.01〜3.0%、Mn:0.1〜5.0%、P:0.03%以下、S:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を溶製し、鋳造後、得られた鋼片を再加熱し、引続き再結晶圧延および未再結晶圧延を行って熱間圧延を終了し、その後の冷却に際し、600〜450℃の温度範囲を鋼板中心部の平均冷却速度で0.5〜40℃/sとなる冷却速度で冷却し、その後、加工度が1.5以上15以下、加工温度が室温以上300℃以下で冷間加工もしくは温間加工することを特徴とする、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法。
(3) 前記鋼成分に代えて、質量%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.01〜0.6%、Mn:1.5〜2.5%、P:0.015%以下、S:0.003%以下を含有し、さらに、Ni:0.1〜2.0%、Mo:0.15〜0.60%、Nb:0.001〜0.10%、Ti:0.005〜0.030%、Al:0.06%以下、N:0.0001〜0.006%を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法。
(4) さらに、質量%で、B:0.0001〜0.005%、V:0.001〜0.10%、Cu:0.01〜1.0%、Cr:0.01〜0.8%、Zr:0.0001〜0.005%、Ta:0.0001〜0.005%、Ca:0.0001〜0.01%、REM:0.0001〜0.01%、Mg:0.0001〜0.006%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の超高強度鋼板の製造方法。
(5) 上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法にて製造した鋼板を用いて鋼管を製造することを特徴とする、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
(6) 前記鋼管の製造に際し、用いる前記厚鋼板を冷間成形後シーム溶接したことを特徴とする、上記(5)に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
(7) 前記シーム溶接後、拡管することを特徴とする、上記(6)に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
(8) シーム溶接する厚鋼板の端部同士を、溶接ワイヤーおよび焼成型フラックスまたは溶融型フラックスを使用し、板厚1mm当たりの入熱量が0.13〜0.25kJ/mm2の入熱で、サブマージドアーク溶接することを特徴とする、上記(6)または(7)に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
(9) 前記サブマージドアーク溶接に用いる溶接ワイヤーが、質量%で、C:0.01〜0.12%、Si:0.3%以下、Mn:1.2〜2.4%、Ni:4.0〜8.5%、Cr+Mo+V:3.0〜5.0%、Ti:0.005〜0.15%、Al:0.02%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする、上記(8)に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
(10) 前記冷間成形がUO鋼管の造管工程でなされることを特徴とする、上記(6)ないし(9)のいずれか1項に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
本発明により、天然ガス・原油輸送用ラインパイプ等に好適な、歪み時効特性に優れた円周方向の引張り強さ(TS)が760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法およびそれを用いた高強度鋼管の製造方法を提供することができるため、その産業上の効果は計り知れない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、まず、鋼板の歪み時効特性を評価する方法について検討を行った。歪み時効特性は、歪み時効前の予歪み量と歪み時効温度と時効時間に大きく影響する。ここで、コーティング処理温度は現状ほぼ200〜250℃であるので、歪み時効温度は250℃一定とした。保持時間についても現状5分程度であるので、5分一定とした。一方、予歪み量については鋼板の1〜3%の流動応力(以下、flow stressともよぶ。)に対応する量を付加した。付加方向は引張り方向と圧縮方向の2つを実施した。
本発明者らは、次に、鋼管の歪み時効を適正に評価するための試験方法について検討を行った。鋼管についての予歪み量は、板厚(t)と外径(D)の比の1/2、すなわち、t/2Dに対応することで定義した。実際のコーティング処理時における鋼管の機械的性質と同じになる熱処理条件を調査した結果、鋼管からW200mm×L300mmの試験片を切断し、高周波加熱により250℃に加熱し、当該温度に5分保持後空冷した条件が一致することが判明した。すなわち、この条件を採用すると鋼管の歪み時効後の機械的性質を適正に評価できることがわかった。
そこで、まず、鋼板の歪み時効特性について調査した。すなわち、0.05C−2Mn−Ni−Cu−Cr−Mo−Ti−B鋼板の歪み時効後の降伏強度と予歪み量の関係について検討を行った。このとき、予歪み量は6%の引張り歪みから6%の圧縮歪みまで変化させた。その結果、図1に示すように、以下のことがわかった。すなわち、降伏強度は、引張り方向の予歪み量が増えるに伴い、上昇するのに対して、圧縮時では、予歪み量に依存せず、降伏強度はほとんど変化しなかった。このことから、予歪み時に試験片全体に圧縮の歪みが付加されると、その量に依存せず歪み時効後の降伏強度が変わらないことが判明した。歪み時効温度を室温から250℃まで変えて試験したが、圧縮歪みが付加されると、この温度範囲では歪み時効温度にかかわらず歪み時効後の降伏強度がほとんど変わらないことも判明した。
そこで、本発明者らは、この結果を用いて、鋼管成形後に圧縮歪みが付加されるように、事前に鋼板に圧縮歪みを加えるような冷間加工もしくは温間加工を実施し、鋼管の歪み時効前後の機械的性質を詳細に調査した。
一般にUOE鋼管などでは、鋼板をそのまま鋼管に成型する場合には外面側は引張り方向の歪みが、内面側は圧縮方向の歪みが加わる。しかし、その後拡管が加わるので、鋼管の円周方向予歪みの板厚方向分布では多くの場所で引張り予歪みが付加されていることになる。そこで、事前に鋼板に圧縮応力が付加されるような冷間加工もしくは温間加工を施し、拡管後でも鋼管の円周方向に圧縮の歪みが付加されているような条件を検討した。なお、圧縮の予歪みが加わるような冷間加工もしくは温間加工としてレベラーを採用した。レベラーとは、冷・温間矯正機であり、多段の上下のロール間に鋼板を通板して圧縮応力を付加することができるものである。
図2は、0.05C−2Mn−Ni−Cu−Cr−Mo−Ti−B鋼板の歪み時効後の降伏強度に及ぼす加工度の影響を示すものであるが、加工度が1.5以上では歪み時効後の降伏強度が歪み時効前の鋼板の降伏強度とほとんど変わらないことが判明した。従って、加工度の下限を1.5とした。一方、加工度が15を越えると鋼板の低温靭性が著しく劣化するので、加工度の上限を15とした。ただし、鋼板の低温靭性の要求特性が厳しい場合は、加工度の上限は10以下とするのが好ましい。また、加工温度は、室温以上コーティング処理温度(250℃)以下である。ただし、コーティング処理温度は、数十℃も温度がふれることがあるので、裕度をみて加工温度の上限は300℃以下とした。また、加工度の定義は最大表面歪みを降伏応力に相当する歪みで除した値である。なお、最大表面歪みは歪みゲージを用いて測定できる。一般に、圧延後の厚鋼板を冷却する加速冷却設備の前後のいずれかに、ホットレベラー(温間矯正機;処理温度は500℃以上)が付随しているが、このホットレベラーでは加工度が1.5以上になることはないと考えられる。
温間加工を施す装置としては、レベラー(冷間・温間矯正機)以外に多段温間圧延機や温間プレス機などを用いても良い。
次に母材の化学成分の限定理由について説明する。
Cは、鋼の強度向上に極めて有効な元素であり、0.01%以上のCを含有することが必要である。更に0.02%以上のCを含有することが好ましい。0.02%以上にすると強度を確保しやすくなるからである。しかし、C含有量が0.5%よりも多すぎると母材および溶接熱影響部(HAZという。)の低温靱性がやや劣化し、現地溶接性を損なうことがあるため、C含有量の上限を0.5%とする。ただし、0.1%を超えると溶接性が劣化しやすくなるので、0.1%以下とすることが好ましく、0.07%以下とすることが更に好ましい。
Siは、脱酸に有効な元素であり、その効果を得るためには0.01%以上を含有させる必要がある。一方、3.0%よりも多く添加するとHAZの低温靱性がやや劣化し、現地溶接性を損なうことがあるため、Si含有量の上限を3.0%とする。さらに、0.6%を超えるとHAZ靭性が劣化しやすくなるので、0.6%以下とすることが好ましい。
Mnは、鋼の強度と低温靱性とのバランスを良好にするために有効な元素であり、その効果を得るためにはMn含有量の下限を0.1%以上とする必要がある。更に1.5%以上のMnを含有することが好ましい。1.5%以上にすると強度を確保しやすくなるからである。しかし、Mnを5.0%よりも過剰に含有させると鋼の焼き入れ性が増してHAZの低温靱性を劣化させ、また、現地溶接性を損なうことがあるので、その上限を5.0%とする。さらに、2.5%を超えると低温靭性およびHAZ靭性が劣化しやすくなるので、Mn含有量の上限を2.5%以下とすることが好ましい。
P、Sは不純物元素であり、母材およびHAZの低温靱性をより一層向上させるために、Pの含有量およびSの含有量の上限をそれぞれ0.03%以下および0.01%以下とする。さらに、それぞれ0.015%以下および0.003%以下にすることが望ましい。0.015%および0.003%を超えると、低温靭性、HAZ靭性の低下ならびに水素誘起割れが起きやすくなるからである。Pの含有量およびSの含有量の下限は低いほど好ましいため規定しないが、通常、製鋼能力上、それぞれ0.001%以上および0.0001%以上を含有する。
Niは、低温靱性および強度を向上させる元素であり、その効果を得るために、Ni含有量の下限を0.1%以上とすることが好ましい。一方、Niの含有量が2.0%を超えると、溶接性を損なうことがあるため、Ni含有量の上限を2.0%とすることが好ましい。
Moは、鋼の焼き入れ性を向上させ、炭窒化物を形成して強度を向上させる元素であり、その効果を得るには、Mo含有量を0.15%以上とすることが好ましい。一方、Moを0.60%超含有すると、強度が高くなり過ぎてHAZの低温靱性を損なうことがあるため、Mo含有量の上限を0.60%とすることが好ましい。
Nbは炭化物、窒化物を形成し、鋼の強度を向上させる元素であり、この効果を得るには、Nb含有量を0.001%以上とすることが好ましい。一方、Nb含有量が0.10%よりも多すぎると、母材およびHAZの低温靱性を損なうことがあるため、Nb含有量の上限を0.10%とすることが好ましい。
Tiは、脱酸に有効であり、窒化物を形成して結晶粒径の微細化に寄与する元素であり、その効果を得るには、0.005%以上を添加することが好ましい。一方、Ti含有量が0.030%よりも多すぎると、粗大な炭化物を生じて、低温靱性を劣化させることがあるため、Ti含有量の上限を0.030%以下とすることが好ましい。
Alは脱酸剤として有効な元素であるが、Al含有量が0.06%を超えるとAl系非金属介在物が増加して鋼の清浄度を阻害することがあるため、Al含有量の上限を0.06%以下とした。また、脱酸はTiおよび/またはSiでも可能であるため、Alを必ずしも含有する必要はないため、下限は特に規定しない。
Nは、Ti、Al等と窒化物を形成し、溶接熱影響部のオーステナイト粒の粗大化を防止する。この効果は、0.0001%以上の添加で顕著になるが、0.006%よりも過剰の添加は、靱性の低下を招くことがある。したがって、Nの添加量を0.0001〜0.006%の範囲とすることが好ましい。
なお、本発明においては、強度および靱性を改善する元素として、B、V、Cu、Cr、Zr、Ta、Ca、REM、Mgの1種または2種以上の元素を添加することができる。
Bは、焼入れ性を高め、溶接熱影響部の靱性を向上させる元素である。この効果は、0.0001%以上の添加で顕著になるが、0.005%よりも過剰の添加は、靱性の低下を招くことがある。したがって、Bの添加量を0.0001〜0.005%の範囲とすることが好ましい。
Vは、Nbと同様に炭化物、窒化物を形成し、鋼の強度を向上させる元素であるが、顕著な効果を得るには0.001%以上の添加が好ましい。一方、Vを0.10%超添加すると、靱性の低下を招くことがあるため、上限を0.10%以下とすることが好ましい。
Cuは、強度を上昇させる元素であり、0.01%以上添加することが好ましい。一方、1.0%超を添加すると鋼片加熱時や溶接時に割れを生じやすくするため、上限を1.0%以下とすることが好ましい。
Crは、析出強化によって鋼の強度を向上させる元素であり、0.01%以上の添加が有効である。一方、0.8%よりも多量に添加すると、鋼の焼入れ性を上昇させて、靱性を低下させることがあるため、上限を0.8%以下とすることが好ましい。
ZrおよびTaは、Nbと同様に炭化物、窒化物を形成し、鋼の強度を向上させる元素であり、それぞれ、0.0001%以上の添加が好ましい。一方、ZrおよびTaを、それぞれ、0.005%超添加すると、靱性の低下を招くことがある。そのため、ZrおよびTaの添加量の上限をそれぞれ、0.005%以下とすることが好ましい。
CaおよびREMは硫化物を生成することにより、伸長したMnSの生成を抑制し、鋼材の板厚方向の特性、特に耐ラメラティアー性を改善する。この効果を得るには、CaおよびREMを、それぞれ、0.0001%以上添加することが好ましい。一方、CaおよびREMを、それぞれ、0.01%超添加すると、CaおよびREMの酸化物が増加する。そのため、CaおよびREMの添加量の上限を、それぞれ、0.01%以下とすることが好ましい。
Mgは、MgO、MgS等の極めて微細なMg含有酸化物または硫化物を生成し、オーステナイト粒の粗大化を抑制し、HAZ靱性を向上させる元素である。この効果を得るには、Mgを0.0001%以上添加することが好ましい。一方、Mgを0.006%超添加するとMg含有酸化物、硫化物が粗大化するため、その上限を0.006%以下とすることが好ましい。
次にミクロ組織について述べる。X100以上の高強度鋼管での通常のミクロ組織は、多くがベイナイトとマルテンサイトの混合組織である。ベイナイトおよびマルテンサイトは、光学顕微鏡あるいは走査電子顕微鏡を用いた組織観察によって判別することが可能であり、光学顕微鏡あるいは走査電子顕微鏡で撮影した組織写真を画像解析することにより、それらの面積率を測定することができる。その残りがフェライトおよび残留オーステナイトになる。フェライトの面積率は、30%以上生成すると、通常、X100に必要な強度を満足しなくなる。
上記の鋼板を鋼管とする場合の、シーム溶接金属の成分の好ましい範囲について述べる。
Cは、鋼の強度向上に極めて有効であり、マルテンサイト組織において目標とする強度を得るためには、C含有量を0.04%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.14%を超えると溶接低温割れが発生しやすくなり、現地溶接部とシーム溶接が交わる、いわゆるTクロス部のHAZ最高硬さの上昇を招くので、C含有量の上限を0.14%以下とすることが好ましい。更に好ましいC含有量の上限値は0.10%以下である。
Siは、ブローホールの発生を防止するために、0.05%以上含有させることが好ましい。一方、Si含有量が0.4%よりも多いと、低温靱性を劣化させることがあり、特に、内外面溶接や多層溶接を行う場合、再熱部の低温靱性を劣化させることがあるため、上限を0.4%以下とすることが好ましい。
Mnは、強度、低温靱性のバランスを良好にし、粒内ベイナイトの生成核となる介在物を形成する元素である。この効果を得るには、Mn含有量を1.2%以上にすることが好ましい。一方、Mn含有量が2.2%よりも多すぎると偏析が助長され、低温靱性が劣化することがあり、溶接材料の製造が困難になるので、Mn含有量の上限を2.2%以下とすることが好ましい。
P、Sは不可避的不純物であり、低温靱性の劣化を抑制し、低温割れ感受性を低減するためには、少ないほど好ましく、P、Sの含有量を、それぞれ、0.01%以下、0.01%以下とすることが好ましい。
Niは、焼き入れ性を高めて強度を向上させ、低温靱性を向上させる元素であり、この効果を得るためには、1.3%以上のNiを含有させることが好ましい。一方、Ni含有量が3.2%よりも多すぎると高温割れを生じることがあるため、Ni含有量の上限を3.2%以下とすることが好ましい。
Cr、Mo、Vは、何れも焼き入れ性を高め、強度を向上させる元素であり、効果を得るには、Cr+Mo+Vを1.0%以上とすることが好ましい。一方、Cr+Mo+Vを2.5%よりも多量に添加すると低温割れを生じることがあるため、Cr+Mo+V含有量の上限を2.5%以下とすることが好ましい。
Tiは、粒内ベイナイトの生成核となるTiの窒化物および酸化物等を形成する元素であり、0.003%以上を含有させることが好ましい。一方、Ti含有量が0.05%よりも多すぎると、Tiの炭化物が多く生成し、低温靱性を劣化させることがあるため、Ti含有量の上限を0.05%とすることが好ましい。
Alは、粒内ベイナイトの生成核となるTiの酸化物の生成を阻害することがあるため、Al含有量は少ない方が好ましい。Al含有量の好ましい上限は0.02%以下であり、更に好ましくは0.015%以下が良い。
Bは、焼き入れ性を高め、溶接金属の低温靱性を向上させる元素であり、0.0003%以上を含有することが好ましいが、B含有量が0.005%よりも多すぎると低温靱性を劣化させることがあるため、B含有量を0.005%以下とすることが好ましい。
Oは、焼入れ性を下げ、溶接金属の低温靭性を劣化させる元素であり、O量が0.03%を超えると低温靭性を著しく劣化させる。一方、O量が低いと低温割れが発生しやすくなると同時に現地溶接性が悪くなるので0.010%以上とするのが好ましい。
溶接金属には、その他に溶接時の精錬・凝固を良好に行わせるために添加させたZr、Nb、Mg等の元素を含有する場合がある。
溶接金属の組織は、主にベイナイト・マルテンサイト、粒内ベイナイトからなり、残部はフェライトおよび/または残留オーステナイトである。引張強度を760MPa以上にするために、ベイナイト・マルテンサイトの面積率を50%以上にすることが好ましい。
さらに溶接金属の低温靱性を良好にするには粒内ベイナイトの面積率が多ければ多い方が好ましく、10%以上にした方がよい。ベイナイト・マルテンサイトと粒内ベイナイトは、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡による組織観察によって判別することができ、ベイナイト・マルテンサイト、粒内ベイナイトの面積率は、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡によって撮影した組織写真を用いて画像解析によって測定することができる。
次に鋼板の製造方法について説明する。上記に示した成分を含有する鋼を製鋼工程で溶製後、連続鋳造し、その後、加熱し、熱間圧延を施す。ここで、連続鋳造後、鋼片を冷却、再加熱することなく、そのまま直接圧延してもかまわない。直接圧延を行っても歪み時効特性には影響しないからである。また、熱間圧延時に再結晶圧延と未再結晶圧延をともに行わなくてもよい。再結晶圧延および未再結晶圧延をともに実施すると粒径の制御ができ、低温靭性には改善効果を及ぼすが、歪み時効特性には影響しない。熱間圧延の終了後、600〜450℃の範囲を0.5〜40℃/sで冷却する。この冷却は制御しやすい水冷が望ましい。冷却速度が0.5℃/s未満では、強度が760MPaを容易に満足することができない。また、40℃/s超では鋼板の強度が高すぎて冷間加工あるいは温間加工を行う際に割れが生じる場合がある。
さらに、鋼板を筒状にプレス成形し、端部同士をサブマージアーク溶接して鋼管とする。鋼板の成形する方法にはUOE法、JCO法、ベンデングロール法が適用される。また、溶接法にはアーク溶接、レーザー溶接等が使用可能である。現状サブマージドアーク溶接が最も一般的である。
サブマージアーク溶接は母材の希釈が大きい溶接であり、所望の特性すなわち溶接金属組成を得るためには、母材の希釈を考慮した溶接材料の選択が必要である。以下、溶接ワイヤーの化学組成の限定理由を述べるが、基本的には引張強さ760MPa級以上の高強度ラインパイプを実現できる製造方法である。
Cは、溶接金属で必要とされる範囲のC含有量を得るために、母材成分による希釈および雰囲気からCの混入を考慮して0.01〜0.12%とした。
Si、Mn、Ni、Cr+Mo+Vは、溶接金属で必要とされる範囲のSi、Mn、Ni、Cr+Mo+Vの含有量を得るために、母材成分による希釈を考慮して、それぞれ、0.3%以下、1.2〜2.4%、4.0〜8.5%、3.0〜5.0%とした。
Tiは、粒内ベイナイトの生成核となるTiの窒化物および酸化物等を形成する元素であり、0.005%以上を含有させることが好ましい。一方、Ti含有量が0.15%よりも多すぎると、Tiの炭化物が多く生成し、低温靱性を劣化させることがあるため、Ti含有量の上限を0.15%とすることが好ましい。
Alは、粒内ベイナイトの生成核となるTiの酸化物の生成を阻害することがあるため、Al含有量は少ない方が好ましい。Al含有量の好ましい上限は0.02%以下である。
その他P、Sの不純物は極力少ない方が望ましく、Bは強度確保に添加することも可能である。また、Zr、Nb、Mg等が脱酸を目的として使用される場合があり、これらのうち少なくとも1つ以上の元素が添加される場合がある。
なお、溶接は単極だけでなく、複数電極での溶接も可能である。複数電極での溶接の場合は各種ワイヤーの組み合わせが可能であり、個々のワイヤーが上記成分範囲にある必要はなく、それぞれのワイヤー成分と消費量からの平均組成が上記成分範囲にあれば良い。
サブマージドアーク溶接に使用されるフラックスは大別すると焼成型フラックスと溶融型フラックスがある。焼成型フラックスは合金材添加が可能で拡散性水素量が低い利点があるが、粉化しやすく繰り返し使用が難しい欠点がある。一方、溶融型フラックスはガラス粉状で、粒強度が高く、吸湿しにくい利点があり、拡散性水素がやや高い欠点がある。
本発明の高強度鋼管を製造する場合には、溶接低温割れが起こりやすく、この点からは焼成型が望ましいが、一方、回収して繰り返し使用が可能な溶融型は大量生産に向きコストが低い利点がある。焼成型ではコストが高いことが、溶融型では厳密な品質管理の必要性が問題であるが、工業的に対処可能な範囲であり、どちらでも本質的には使用可能である。
次に溶接条件について以下に説明する。
最初に行う仮付け溶接は、MAGアーク溶接、MIGアーク溶接、TIGアーク溶接の何れでもよい。通常はMAGアーク溶接である。次に内外面の溶接を、サブマージドアーク溶接とすることが好ましいが、TIGアーク溶接、MIGアーク溶接、MAGアーク溶接でも良い。内外面の溶接はそれぞれ1パスづつでも良いが、複数パス行っても良い。
内外面をサブマージドアーク溶接する場合、溶接速度を1m/分未満とするとラインパイプのシーム溶接としては非効率であり、3m/分を超えるとビード形状が不安定になることがある。したがって、サブマージドアーク溶接の溶接速度は、1〜3m/分の範囲内であることが好ましい。
なお、仮付け溶接と内外面の溶接の溶接部が重複する場合には、溶接入熱は出来る限り低い方が好ましい。また、溶接入熱は板厚によって異なるが、入熱が小さすぎると溶け込みが不十分になり、溶接回数が多くなり、作業効率が悪くなり、溶接入熱が大きすぎると熱影響部の軟化が大きく、溶接部の靭性も低下する。そこで、板厚1mmあたりの内外面の比入熱を0.13〜0.25kJ/mm2とするのが好ましい。たとえば、板厚が15mm厚の内外面の溶接入熱は1.9〜3.8kJ/mmになる。
シーム溶接後、拡管により真円度を向上させる。真円にするためには塑性域まで変形させる必要がある。本発明の高強度鋼管の場合は、拡管後円周と拡管前円周の差を拡管前円周で除した値を百分率で表した拡管率が、0.5%以上であることが好ましい。一方、拡管率が2.0%を超えると、母材、溶接部とも塑性変形により靭性が劣化することがある。したがって、拡管率は0.5〜2.0%の範囲とすることが好ましい。
表1の化学成分からなる鋼を溶製して鋳造し、鋼片とした。これら鋼片を熱間圧延し、20mm厚の鋼板とした。これら鋼板を用いて48インチ径(1220mm径)、肉厚19mmの鋼管を製造するうえで冷間成形する前に冷・温間レベラー、冷温間多段圧延機、冷温間プレス機にて通板したものと、通板していないものの機械的性質について調査した。得られた鋼管の長手方向の母材からJIS5号の引張り試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。さらに鋼管から円周方向に200mm幅、長手方向に300mm長さのかわら状の鋼片を切断し、高周波加熱により250℃に加熱し、その温度に5分保持後空冷した。その後、その鋼片からJIS5号の引張り試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。表2にはこのときのレベラーの加工度、加工温度とひずみ時効前後での鋼管母材の長手方向の機械的性質を記載した。
実施No.1〜5は本発明の例を示す。表2から明らかなように、歪み時効後の鋼管降伏強度の上昇は鋼管ままの降伏強度とほとんど変わらず、上昇代は最大でも50MPa未満であった。すなわち、歪み時効特性が優れている。それに対し、実施No.6は本発明方法から逸脱した比較例を示す。冷間成形前にレベラーを付与していないので、歪み時効後の降伏強度の上昇が50Mpa以上になっている。
Figure 2006299398
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表3の化学成分からなる鋼を溶製して鋳造し、厚みが240mmの鋼片とした。これらの鋼片を1150℃に加熱し、900℃以上の再結晶温度域で熱間圧延し、そのまま14〜25mm厚さまで未再結晶域での熱間圧延を行った。熱間圧延後、600〜450℃の範囲を平均冷却速度で0.5℃/s以上40℃/s以下で450℃以下まで水冷し、ベイナイトとマルテンサイトの混合組織を有する鋼板を製造した。得られた鋼板を冷・温間レベラー、冷温間多段圧延機、冷温間プレス機にて加工度を変えて矯正した。その後、鋼板を筒状にプレス成形し、仮付け溶接を行った後、溶接入熱を2.5〜3.5kJ/mmとして内外面をサブマージドアーク溶接し、拡管して、28インチ(712mm径)〜48インチ(1220mm径)の鋼管とした。表6、表7−1、表7−2にはこのときの製造条件、母材の特性、試験結果等を示しておく。
得られた鋼管の長手方向の母材からJIS5号の引張り試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。さらに鋼管から円周方向に200mm幅、長手方向に300mm長さのかわら状の鋼片を切断し、高周波加熱により250℃に加熱し、その温度で5分保持後空冷した。その後、その熱処理したかわら状鋼片からJIS5号の引張り試験片を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を行った。
実施No.11〜21は本発明の例を示す。表6、表7−1、表7−2から明らかなように、歪み時効後の鋼管長手方向の降伏強度の上昇は鋼管ままの長手方向の降伏強度とほとんど変わらず、その上昇代は最大でも50MPa未満であった。すなわち、歪み時効特性が優れている。それに対し、実施No.22〜38は本発明方法から逸脱した比較例を示す。すなわち、実施No.22〜32と34と36〜38は冷間加工時の加工度を逸脱していることによって歪み時効後の長手方向の降伏強度が50MPa以上上昇している。また、実施No.35は母材の化学成分が逸脱しているために母材の強度を満たしていないかあるいは母材の低温靭性を満たしていない。実施No.33は熱間圧延条件が逸脱しているために母材の強度を満たしていない。実施No.29と30は溶接金属の化学成分あるいは入熱条件が逸脱しているために溶接金属強度を満たしていないかあるいは溶接金属靭性を満足していない。実施No.31はサブマージドアーク溶接の入熱が低くすぎるために溶接欠陥が多発した。
表4、表5には参考に本発明および比較例の溶接金属および溶接ワイヤーの成分を示した。
Figure 2006299398
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本発明による高強度鋼板および鋼管における予歪み量と降伏強度の関係を示す図。 本発明による高強度鋼板および鋼管における加工度と降伏強度の関係を示す図。

Claims (10)

  1. 質量%で、
    C :0.01〜0.5%、
    Si:0.01〜3.0%、
    Mn:0.1〜5.0%、
    P :0.03%以下、
    S :0.01%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を溶製して鋳造し、さらに、熱間圧延し、その後の冷却に際し、600〜450℃の温度範囲を鋼板中心部の平均冷却速度で0.5〜40℃/sとなる冷却速度で冷却し、その後、加工度が1.5以上15以下、加工温度が室温以上300℃以下で冷間加工もしくは温間加工することを特徴とする、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、
    C :0.01〜0.5%、
    Si:0.01〜3.0%、
    Mn:0.1〜5.0%、
    P :0.03%以下、
    S :0.01%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を溶製し、鋳造後、得られた鋼片を再加熱し、引続き再結晶圧延および未再結晶圧延を行って熱間圧延を終了し、その後の冷却に際し、600〜450℃の温度範囲を鋼板中心部の平均冷却速度で0.5〜40℃/sとなる冷却速度で冷却し、その後、加工度が1.5以上15以下、加工温度が室温以上300℃以下で冷間加工もしくは温間加工することを特徴とする、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法。
  3. 前記鋼成分に代えて、質量%で、
    C :0.02〜0.10%、
    Si:0.01〜0.6%、
    Mn:1.5〜2.5%、
    P :0.015%以下、
    S :0.003%以下
    を含有し、さらに、
    Ni:0.1〜2.0%、
    Mo:0.15〜0.60%、
    Nb:0.001〜0.10%、
    Ti:0.005〜0.030%、
    Al:0.06%以下、
    N :0.0001〜0.006%
    を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法。
  4. さらに、質量%で、
    B :0.0001〜0.005%、
    V :0.001〜0.10%、
    Cu:0.01〜1.0%、
    Cr:0.01〜0.8%、
    Zr:0.0001〜0.005%、
    Ta:0.0001〜0.005%、
    Ca:0.0001〜0.01%、
    REM:0.0001〜0.01%、
    Mg:0.0001〜0.006%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼板の製造方法にて製造した鋼板を用いて鋼管を製造することを特徴とする、歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
  6. 前記鋼管の製造に際し、用いる前記厚鋼板を冷間成形後シーム溶接したことを特徴とする、請求項5に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
  7. 前記シーム溶接後、拡管することを特徴とする、請求項6に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
  8. シーム溶接する厚鋼板の端部同士を、溶接ワイヤーおよび焼成型フラックスまたは溶融型フラックスを使用し、板厚1mm当たりの入熱量が0.13〜0.25kJ/mm2の入熱で、サブマージドアーク溶接することを特徴とする、請求項6または7に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
  9. 前記サブマージドアーク溶接に用いる溶接ワイヤーが、質量%で、
    C :0.01〜0.12%、
    Si:0.3%以下、
    Mn:1.2〜2.4%、
    Ni:4.0〜8.5%、
    Cr+Mo+V:3.0〜5.0%、
    Ti:0.005〜0.15%、
    Al:0.02%以下
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項8に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
  10. 前記冷間成形がUO鋼管の造管工程でなされることを特徴とする、請求項6ないし9のいずれか1項に記載の歪み時効特性に優れた引張強さ760MPa級以上の高強度鋼管の製造方法。
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