JP2006299143A - ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物から、異味異臭のない高品質のポリアルキレンテレフタレート樹脂を安定して製造する方法を提供することである。
【解決手段】ポリアルキレンテレフタレートを主体とする固体状廃棄物を、水の存在下で、アルキレングリコール蒸気、低級アルコール蒸気、水蒸気の少なくとも1種と接触させてポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を回収して、引続いてポリアルキレンテレフタレート樹脂を得るポリエステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物から、異味異臭のない高品質の、特にペットボトル用として優れたポリエステル樹脂を安定して製造する方法に関するものである。
ポリアルキレンテレフタレートは、その化学的安定性が優れていることから、大量生産されて、繊維、フィルム、樹脂などの用途で使用されている。なかでもペットボトルやシャツなどの衣料品や磁気フィルムなどにポリエチレンテレフタレートが多量に使用されている。
しかしながら、生産量、使用量の増大に伴って発生する大量の規格外品、使用済み後の廃棄されたポリアルキレンテレフタレートの処分は処理コストのみならず、環境問題も含め大きな社会問題となっており、その処理方法として従来の埋め立て処理や焼却処理に加えて、燃焼で発生する燃焼熱を回収したり、直接燃料とするサーマルリサイクル、マテリアルリサイクル(メカニカルリサイクルによる再利用、フィードストックリサイクル)などの各種リサイクルの提案がなされている(例えば非特許文献1参照。)。なお、本明細書において、ポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物とは、飲料用として広く流通している内容物飲用後のペットボトルのような廃棄物の他に、ポリエチレンテレフタレート繊維を主体とするシャツやブラウスなどの衣料品廃棄物、ポリエチレンテレフタレートシートを主体とする磁気カードやビデオテープなどのシート状廃棄物、さらに以上のように一般的に見て廃棄されるべき物又は廃棄された物のみに限定するのではなくポリエチレンテレフタレートを主として含有してエチレングリコールあるいはアルキレングリコールにて解重合可能な物を意味する。従って、何らかの事情でまだまだ使用可能であり、一般的な意味では廃棄する必要がないと思われる物をも対象とした発明である。
サーマルリサイクルについては、ポリアルキレンテレフタレート廃棄物の燃焼熱の再利用あるいは燃料としての再利用という利点は有するが、燃焼によりポリアルキレンテレフタレート骨格成分は二酸化炭素を主体とする排ガスとして消失する。
メカニカルリサイクルにおいては、ポリアルキレンテレフタレート廃棄物に含有されるポリアルキレンテレフタレート以外の成分を完全に除去することが難しいのでリサイクル製品の品質が低下することが多い。従ってカスケード型リサイクルになり易くリサイクル製品の用途が限られるために、いわゆる“使い捨て”の状況を大いに改善するが最終的にポリアルキレンテレフタレートの廃棄を回避することは困難である。
以上のようなリサイクルに対して、ポリエチレンテレフタレート廃棄物を解重合してその構成成分へ変換し回収して更に重縮合反応を行ってポリエチレンテレフタレートを主体とするフィードストックリサイクルの提案がなされている(例えば特許文献1〜20参照。)。しかしながら、これらの方法ではポリエチレンテレフタレートを主体とする廃棄物から異味異臭のないポリエチレンテレフタレートを安定して得ることは難しい。特に得られたポリエチレンテレフタレートをミネラルウォーター用などのペットボトルとして安定使用することは難しい。さらに、ポリエステル廃棄物から有効成分を回収する方法も提案されている(例えば特許文献21〜22参照。)が、これらの方法でもポリエチレンテレフタレートを主体とする廃棄物から異味異臭のないポリエチレンテレフタレートを安定して得ることは難しい。
プラスチックエージ,48(2002臨時増刊号),29,2002 特開2004−238581号公報 特開平11−302443号公報 特開2000−169623号公報 特開2000−53802号公報 特開2001−335539号公報 特開2001−328968号公報 特開2001−322967号公報 特開2001−48837号公報 特開2001−48836号公報 特開2001−48835号公報 特開2001−48834号公報 特開2001−18224号公報 特開2002−121173号公報 特開2003−305424号公報 特開2003−266080号公報 特開2003−238480号公報 特開2003−181835号公報 特開2003−55300号公報 特開2004−123570号公報 特開2004−83899号公報 特開2004−224940号公報 特開2002−60369号公報
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、ポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物から、異味異臭のない高品質のポリアルキレンテレフタレート樹脂を安定して製造する方法を提供することである。
本発明の目的及び利点は、以下の説明からより一層明らかになるであろう。
前述したような従来方法による問題点をまとめて解決するために鋭意検討を続けた結果、「ポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物を原料として用いて、異味異臭のない、石油を原料として合成され既に市中に流通しているポリアルキレンテレフタレート樹脂と同等の品質を有するポリエステル樹脂を安定して合成する」ことに成功して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は「ポリアルキレンテレフタレートを主体とする固体状廃棄物を、水の存在下で、アルキレングリコール蒸気、低級アルコール蒸気、水蒸気の少なくとも1種と接触させてポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を回収して、引続いてこの原料を用いて重縮合させること」により「高品質のポリアルキレンテレフタレート樹脂を安定して得ること」を可能とするものである。
本発明の実施により、ポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物からポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を回収して、引続いて異味異臭のない、従来の石油を原料として合成され既に市中に流通しているポリアルキレンテレフタレート樹脂と同等の品質を有するポリエステル樹脂を安定して合成することができる。従って、昨今の環境問題を解決するための一方法となる。
本発明のポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物におけるポリアルキレンテレフタレート及び高品質のポリアルキレンテレフタレートとは、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール化合物を反応させて得られるポリエステルを対象とし、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートである。
ここで、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体の一部を例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、p−β―ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸若しくはセバシン酸などの二官能性カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体で置き換えるか、又はジオール化合物の一部をヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス−β―ヒドロキシエトキシベンゼン、若しくはビスフェノールAなどの脂肪族、脂環族若しくは芳香族のジヒドロキシ化合物又はそのエステル形成性誘導体で置き換えた共重合ポリエステルであってもよい。
更にポリエステルを構成する高分子鎖が実質的に線状である範囲内で3価以上の多官能化合物、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸又は沒食子酸などを共重合してもよく、必要に応じて単官能化合物、例えばo−ベンゾイル安息香酸、ナフトエ酸などを添加してもよい。
また、ポリアルキレンテレフタレートには酸化チタン等の艶消剤、難燃剤、耐候剤、耐熱剤、リン化合物等の着色安定剤、帯電防止剤、蛍光増白剤等を添加することができる。さらに必要であれば触媒や安定剤を添加することもできる。
本発明におけるポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物とは、ポリアルキレンテレフタレート成分を50重量%以上含有する廃棄物、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上含有する廃棄物を指す。具体的には、飲料用などの容器として広く流通しているペットボトルの廃棄物や、シャツ、ブラウス、作業着などの廃棄衣料品、ビデオテープ、定期券などの磁気テープとして広く流通しているフィルムあるいはシート状のポリエステルの廃棄物、さらには、不良在庫となった商品や、商品製造工程で発生する規格外品や工程調整のために発生する屑をも含む。別の観点から見るとポリアルキレンテレフタレートを50重量%以上含有して、エチレングリコールに代表されるアルキレングリコールにより解重合可能な物を意味する。従って、何らかの事情でまだまだ使用可能であり、一般的な意味では廃棄する必要がないと思われる物をも含む。
本発明におけるポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分とは、具体的にはテレフタル酸あるいはその誘導体、及びアルキレングリコールを指す。
本発明におけるポリアルキレンテレフタレート樹脂とは、ポリアルキレンテレフタレート樹脂が官能的に不快感を与える異味異臭のないことを指し、官能検査を行った時に既に広く流通しているポリアルキレンテレフタレートと同等の味・臭いを有することを意味する。また、高品質のポリアルキレンテレフタレート重合体とは、既に広く流通しているポリアルキレンテレフタレートと同等の品質を有し、各用途でこれと遜色なく使用できることを意味する。
本発明の一態様によれば、ポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物を、粉砕、洗浄、解重合、エステル交換、晶析、蒸留、加水分解、エステル化、重縮合させることを含む。この一連のプロセスの中で、ポリアルキレンテレフタレートを主体とする固体状廃棄物を、水の存在下で、アルキレングリコール蒸気、低級アルコール蒸気、水蒸気の少なくとも1種と接触させることを含む。
ここで、粉砕とはポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物を以降の工程で取り扱いやすいように細かくすることであり、長径が100mm以下、好ましくは50mm以下、さらに好ましくは20mm以下の小片あるいは糸状にすることを指す。さらにこれらの小片あるいは糸状物を長径が50mm以下の粒状に成形したものを含んでもよい。なお、既に以降の取り扱いにおいて特段の不都合が生じない程度の形状をしたポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物では粉砕を省略してもよい。
洗浄とは、前述の粉砕物を水又はアルキレングリコールで洗い廃棄物に付着した異物や汚れ物を除くことを指す。この時、洗浄を効率よく行うためにアルカリ化合物や中性洗剤を添加することは一向に差し支えない。洗浄後のポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物は、洗浄による水分が少量付着していてもよいし、乾燥により完全に付着水分を除去してもよい。実質的に洗浄の効果がある程度に洗浄水と分離されていればよい。
解重合とは、ポリアルキレンテレフタレート廃棄物を水の存在下でアルキレングリコールの混合溶媒中で反応させて、高分子状のポリアルキレンテレフタレートを分子量の小さい状態に解重合させることと、この解重合反応液から一部の水及び/又はアルキレングリコールを蒸気状態で除去することを指す。この蒸気状態での除去は、解重合反応の途中で行ってもよいし、解重合反応完結後に行ってもよいし、あるいは途中と完結後の両時期に行ってもよい。さらに各段階において複数回行ってもよい。この解重合工程で例えばアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の単体及びこれらの水酸化物、酸化物、炭酸塩、酢酸塩、テレフタル酸塩及びアルコラートからなる化合物、亜鉛、錫、チタン、アンチモン、マンガン、コバルトあるいは鉛の酸化物及び酢酸塩等の1種以上を解重合触媒として用いることは一向に差し支えない。解重合触媒の使用量は、解重合反応に供するポリアルキレンテレフタレートの1重量部に対して0.001〜0.4重量部が好ましい。この解重合において、水とアルキレングリコールの混合溶媒を用いることが本発明の特徴の一つである。水とアルキレングリコールの混合比は、混合溶媒中の水の重量%で0.2重量%以上10重量%以下、好ましくは0.2重量%以上8重量%以下、より好ましくは0.2重量%以上5重量%以下である。水が0.2重量%未満であると安定して高品質のポリアルキレンテレフタレートの原料を回収することが難しく、10重量%を越えると解重合反応の阻害が大きくなり好ましくない。この水は、予めアルキレングリコール中に所定量を添加しておいてもよいし、解重合反応をさせる反応器にアルキレングリコールとは別に所定量を供給してもよいし、一部を予めアルキレングリコールと混合しておき残部をアルキレングリコールとは別に供給してもよい。また、洗浄後のポリアルキレンテレフタレート廃棄物と水を混合しておいて、この混合物とエチレングリコールをさらに混合して水とアルキレングリコールの混合割合を所定値にしてもよい。解重合反応としては回分式で行ってもよいし、半回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよいし、これらのどれかを一段階あるいはどれか一つを多段階に組み合わせるあるいは複数方式を多段に組み合わせる方式を用いてもよい。水とアルキレングリコールの混合比は解重合反応の開始時に所定値にあることが望ましい。
エステル交換とは、前述の解重合反応液あるいは解重合反応濃縮液を水とメタノールの混合溶媒中あるいは水と低級一価アルコールの混合溶媒中でエステル交換反応させることを指す。さらにエステル交換反応液から溶媒の一部を蒸気状で蒸発させることが必要である。この蒸発は、エステル交換反応の途中で行ってもよいし、エステル交換反応の完結後に行ってもよいし、後述の晶析中あるいは晶析後に行ってもよい。あるいは、エステル交換反応途中と完結後と晶析中と晶析後の任意の時期に複数回行ってもよい。このエステル交換では、反応を促進させるためにエステル交換触媒を用いることが好ましい。好ましいエステル交換触媒としては、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、アルコラート、アルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、アルコラート、チタン化合物、アルミニウム化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物を用いることが好ましい。エステル交換触媒の使用量は、エステル交換反応に供する解重合反応液あるいは解重合反応濃縮液中の解重合反応に供するポリアルキレンテレフタレートに由来するポリアルキレンテレフタレートの1重量部あたり0.001〜0.4重量部が好ましい。エステル交換反応に用いる水とメタノールの混合溶媒は、溶媒中に水を0.1重量%以上7.0重量%以下含むことが好ましい。好ましくは、0.1重量%以上5.0重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以上4.0重量%以下である。水が0.1重量%未満では安定して高品質のポリアルキレンテレフタレートの原料を回収することが難しく、7.0重量%を越えるとエステル交換反応の阻害が大きくなり好ましくない。エステル交換反応も解重合反応と同様に、回分式、半回分式、連続式のどの方式をとってもよいし、あるいはこれらを適宜組み合わせて複数の反応器で行ってもよい。水は、エステル反応に供給するメタノールに予め混合しておいてもよいし、メタノールとは別々に反応器に供給してもよいし、一部はメタノール中に混合しておき残部をメタノールとは別に供給してもよい。エステル交換反応の開始時に水とメタノールの混合比を所定値としておくことが好ましい。メタノール以外の低級一価アルコールとしては、エタノール、プロパノール、ブタノールなどを例示することができる。
晶析とはエステル交換反応後の混合液からポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を主体とする混合物を析出・分離することを指す。より具体的には、ジメチルテレフタル酸を主体とする混合物を析出させ遠心分離などの固液分離操作により分離して、さらにメタノールを加えて溶解再結晶操作を加えて精製することを含めてもよい。このメタノールは、水との混合液として加えても一向に構わない。むしろ少量の水を含むメタノールを用いることが好ましい。水の混合割合としてはエステル交換反応と同様に、水を0.1重量%以上7.0重量%以下含む混合溶媒とする。好ましくは、0.1重量%以上5.0重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以上4.0重量%以下である。水が0.1重量%未満では安定して高品質のポリアルキレンテレフタレートの原料を回収することが難しく、7.0重量%を越えると水を除去するに要するエネルギーが大きくなり好ましくない。
蒸留とは、分離したエステル交換反応生成物から蒸留操作により不純物を除くことを指す。これらの晶析と蒸留において、精製されたエステル交換反応物を得ることができる。この精製物は以後の取り扱いのために液体状であってもよいし固体状であってもよい。液体状か固体状かは本発明の効果に全く影響を及ぼさない。
加水分解とは、晶析・蒸留により高純度にしたエステル交換反応生成物から加水分解反応により有機酸と低級アルコールを取り出すことを指す。より具体的には、ジメチルテレフタル酸を加水分解反応させて、ポリアルキレンテレフタレートの原料である高純度のテレフタル酸と、メタノールを取り出すことである。加水分解には水が必要であるが、この水の一部を水蒸気として供給することが望ましい。水蒸気の供給割合は、エステル交換反応生成物100重量部あたり150重量部以上450重量部以下、好ましくは200重量部以上400重量部以下、より好ましくは230重量部以上400重量部以下である。水蒸気が100重量部未満では安定してポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を回収することができず、450重量部より多いとエネルギーの消費量が多くなるので好ましくない。
以上が、本発明における「ポリアルキレンテレフタレートを主体とする固体状廃棄物を、水の存在下で、アルキレングリコール蒸気、低級アルコール蒸気、水蒸気と接触させてポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を回収する」ことに相当する。この原料は、水を含む湿潤状態でもよいし、別途乾燥して水を実質的に含まない状態としてもよい。また「原料となる成分を回収する」については、ジメチルテレフタル酸又はテレフタル酸を回収することが好ましく、1つのプロセスの中でジメチルテレフタル酸及びテレフタル酸の双方の成分が逐次的に回収できても良い。さらには、本発明の製造方法に付随してアルキレングリコール、好ましくはエチレングリコールを回収することは本発明の効果を妨げるものではない。アルキレングリコールも回収することができれば、ポリアルキレンテレフタレートの主要な原料を回収することができるので、地球に優しい完全循環型のポリエステルの製造方法に近づく点で非常に好ましいといえる。
エステル化とは、前述の回収した成分をジオール化合物とエステル化反応させることを指す。より具体的には、テレフタル酸とエチレングリコールを反応させることである。この反応は、特に触媒を加えなくてもよいが、エステル交換触媒としてよく知られたマグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、チタン、亜鉛、マンガン等の金属化合物を添加してもよい。
重縮合とは、エステル化工程の生成物を重縮合させてポリエステル樹脂とすることであり、溶融重合、さらに必要により固相重合あるいは固相重合の後で品質調整のために必要に応じて水処理及び/又は結晶化を促進する化合物を添加することをも含む。重縮合工程の始まりや途中で必要に応じて重縮合触媒や安定剤を添加してもよい。
水処理は、固体粒子状にしたポリエステル樹脂を例えば水、水蒸気、水蒸気含有不活性ガス、水蒸気含有空気などと接触させることにより行われる。結晶化を促進する化合物は、例えばポリヘキサメチレンテレフタレートや無機化合物や高級脂肪族化合物やポリエーテル系化合物やポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系熱可塑性樹脂を挙げることができ、添加とはこれらの化合物をポリエステル樹脂に対して1〜100ppm添加することにより行われる。そのなかでも、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンを用いることが好ましく、なかでもポリヘキサメチレンテレフタレートを用いることがより好ましい。
重縮合触媒としては、ゲルマニウム、アンチモン、チタン、アルミニウムなどの化合物を好ましく使用できる。添加量は全ジカルボン酸成分の重量に対する触媒金属元素の重量として2〜800ppmが好ましく、より好ましくは4〜500ppmである。
ポリエステルには、安定剤としてトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルホスホノアセテート等のリン酸エステル、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト等の亜リン酸エステル、メチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ポリリン酸等のリン化合物が好ましい。安定剤の添加量、全ポリエステルに対する安定剤中のリン元素の重量として1000ppm以下が好ましく、より好ましくは500ppm以下、さらにより好ましくは300ppm以下である。
驚くべきことに、このようにしてポリアルキレンテレフタレートを主体とする固体状廃棄物を、水の存在下で、アルキレングリコール蒸気、低級アルコール蒸気、水蒸気と接触させてポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を回収して、引続いてポリアルキレンテレフタレート重合体を製造することにより、安定して高品質のポリエステルを製造することができる。本発明によれば、特に官能的に不快感を与える物質をも効率よく確実に除去することができるために、ポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物から既に広く流通しているポリアルキレンテレフタレートと同等の味・臭いを有するポリアルキレンテレフタレートを安定して合成することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、一般的に使用される溶融成形法を採用して、繊維やフィルムやシートやボトルに成形することができる。ボトルに関して具体的には、例えば、射出成形又は押出成形で一旦パリソンを成形し、そのまま、又は口部及び底部を加工後、再加熱してホットパリソン法、コールドパリソン法等の延伸ブロー成形法を適用する。
この場合の成形温度(具体的には、成形機のシリンダー各部及びノズルの温度)は、例えば255〜315℃、好ましくは260〜310℃、より好ましくは270〜295℃である。延伸温度は、ポリエステル樹脂のガラス転位温度以上であり、ポリエチレンテレフタレートの場合は通常70〜130℃である。延伸倍率は、通常、縦方向に1〜4倍、円周方向に1〜5倍の範囲である。
得られたボトルは、そのままでも使用できるが、特に果汁飲料、ウーロン茶等のように熱充填を必要とする場合には、一般に加熱したブロー金型内で熱固定し更に耐熱性を付与して使用される。
熱固定は、通常、圧空等による緊張下、金型温度を100〜200℃で数秒間〜数分間行われる。また、最終形状より大きいボトルを成形し、加熱により収縮させることにより胴部の結晶化を行い、その後最終形状の金型内でブロー成形して、製品のボトルを得る方法を用いてもよい。
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の各値は以下の方法に従って求めた。また実施例・比較例において、「部」とは重量で表した割合を示すものとする。
(1)極限粘度数
極限粘度数(以下、IVと略記することがある。)は、ポリエステル樹脂粒子を一定量計量し、o−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度で加熱溶解させた後、室温に冷却して、得られたポリエステル溶液の粘度をオストワルド式粘度管を用いて35℃の温度条件で測定し、得られた溶液粘度の値から当該ポリエステルの固有粘度を求めた。
(2)ジエチレングリコール含有量
ジエチレングリコール(以下、DEGと略記することがある。)含有量はサンプルを抱水ヒドラジンにより分解してガスクロマトグラフィー(株式会社日立製作所製モデル263−70)を用いて測定した。
(3)アセトアルデヒド含有量
アセトアルデヒド(以下、AAと略記することがある。)含有量は、サンプルを凍結粉砕しバイアル瓶に仕込み、150℃×60分保持し、日立製ヘッドスペースガスクロマトグラフィーにて測定した。
(4)オリゴマー含有量
オリゴマー含有量は、サンプルを一定量計量し、ヘキサフロロイソプロパノールに溶解し、クロロホルムで一定濃度に希釈した試料にてゲルパーミュテーションクロマトグラフィー(ウォーターズ484)にて測定した。
(5)官能検査
本発明により製造したボトル(A)と、市販のテレフタル酸とエチレングリコールを原料として後述の方法(参考例1〜4参照)で製造したボトル(B)に、市販のミネラルウォーターを充填して、充填直後、密栓後30℃にて一昼夜保持後、密栓後30℃にて一週間保持後、密栓後30℃にて一ケ月保持後、の両サンプル間に、味・臭いの差があるかどうかを予め選定した30人のパネラーにより判定する。パネラー一人一人が、(A)と(B)に充填したミネラルウォーターを試飲して、(A)が(B)よりも好ましい味と思えば(A)に投票する。好ましい味に関して、必ず(A)か(B)のどちらかに投票する。同様に(B)が(A)よりも好ましい臭いであると思えば(B)に投票する。好ましい臭いについても、必ず(A)か(B)のどちらかに投票する。これらの30人の投票結果を、味と臭いについて2点比較法(両側検定)で評価する。
[実施例1]
内容物を飲用した後で圧縮して潰されたペットボトル100部を木製のパレットに積んだ状態で1ケ月間倉庫に保管した。1ケ月後に、この圧縮されたペットボトルを倉庫から取り出したところ、かすかにカビ臭があったが、そのままで長径15mm以下のフレーク状に粉砕した。フレークを水道水120部を満たした攪拌機つきの槽に投入して、室温で20分間洗浄した後にフレークと水を分別してフレークを取り出した。このフレークは、0.2重量%の水分を含む。ここまでの過程で、風力選別、浮遊選別を同時に実施したので、最初の圧縮して潰されたペットボトルに付随するラベルやキャップやゴミや砂の一部を除去できた。次いで、水を0.2重量%含むフレーク/水混合物の中のフレーク100部に対して、水を0.52重量%含有するエチレングリコール280部と炭酸カリウム1部と炭酸ナトリウム2部を添加して常圧・180℃で攪拌しながら4時間反応させた。
反応後の混合物を5分間静置して、上下二層に分離させた。下層部を取り出し、30メッシュの金網フィルターでろ過したのち、ろ液から水とエチレングリコールの混合物168部を35kPa・155℃で蒸発除去した。蒸発後の液組成は、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールによる解重合物62.3重量%、エチレングリコール37.3重量%、水0.2重量%、その他の化合物0.2重量%であった。
この蒸発後の液組成物100部に対して、水を0.2重量%含むメタノール77部、炭酸カリウム0.14部と炭酸ナトリウム0.33部を添加して常圧・常温から0.18MPa・85℃まで加熱してエステル交換反応をさせながら水とメタノールの蒸発を開始した。蒸発した水とメタノールは、全量を反応器に付属する凝縮器で凝縮させて反応器に戻した。さらに蒸発を継続しながら1時間かけて33kPa・40℃まで減圧冷却して反応を終えた。この減圧冷却過程で蒸発した水とメタノールを合計して12部反応系外に取り出した。反応器に窒素を充填して常圧に戻したのち、残りの反応混合物を遠心分離機により固体と液体に分離した。ここで分離した固体部は、22重量%の液体を含む混合物であった。固体を含む混合物100部に水を0.4重量%含有するメタノール60部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含む。さらに、固体部100部あたり水を0.4重量%含有するメタノール60部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は17重量%の液体を含む。この固体部100部を8kPa・190℃で蒸留してジメチルテレフタル酸を得た。
次に予め250℃に加熱した水100部を含む完全混合槽に、液状のジメチルテレフタル酸を単位時間あたり100部と4.5MPaの水蒸気を単位時間あたり300部とを供給して平均反応時間2時間反応させた後、後続の反応器で単位時間あたり10部の4.5MPaの水蒸気を供給して220℃で0.5時間反応させた。反応混合物を常圧にした後、遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含むテレフタル酸であった。
20重量%の液体を含むテレフタル酸100部(単位時間あたり)にエチレングリコール60部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を完全混合槽に連続供給して268℃で反応させ、同伴した水と生成する水を反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率96%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり0.76部の二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液(二酸化ゲルマニウム濃度1重量%)と、トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液(リン濃度(リン元素が溶液に占める重量割合)5.5重量%)を単位時間あたり0.034部を添加して273℃・4kPaの減圧下で1.5時間、引き続き277℃・0.15kPaで2時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.1部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下212℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。このポリエステル粒子にポリヘキサメチレンテレフタレートの水分散体(濃度0.3重量%)を一定量スプレーした後、140℃で3時間乾燥させてポリヘキサメチレンテレフタレートの濃度が20ppmのポリエステル粒子を得た。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルと参考例1記載のボトルのそれぞれに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査をした結果を表2に示す。
[参考例1]
市販の三井化学株式会社製テレフタル酸100部(単位時間あたり)にエチレングリコール75部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を完全混合槽に連続供給して268℃で反応させ、生成する水を反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率96%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり0.95部の二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液(二酸化ゲルマニウム濃度1重量%)と、トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液(リン濃度(リン元素が溶液に占める重量割合)5.5重量%)を単位時間あたり0.043部を添加して273℃・4kPaの減圧下で1.5時間、引き続き277℃・0.15kPaで2時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.1部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下212℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。このポリエステル粒子にポリヘキサメチレンテレフタレートの水分散体(濃度0.3重量%)を一定量スプレーした後、140℃で3時間乾燥させてポリヘキサメチレンテレフタレートの濃度が20ppmのポリエステル粒子を得た。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査の標準品とした。
[実施例2]
内容物を飲用した後で圧縮して潰されたペットボトル100部を木製のパレットに積んだ状態で1週間倉庫に保管した。1週間後に、この圧縮されたペットボトルを倉庫から取り出して、長径12mm以下のフレーク状に粉砕した。フレークを水道水150部を満たした攪拌機つきの槽に投入して、室温で15分間洗浄した後にフレークと水を分別してフレークを取り出した。このフレークは、0.15重量%の水分を含む。ここまでの過程で、風力選別、浮遊選別を同時に実施したので、最初の圧縮して潰されたペットボトルに付随するラベルやキャップやゴミや砂の一部を除去できた。次いで、フレーク100部に対して、水を0.32重量%含有するエチレングリコール350部と炭酸カリウム1部と炭酸ナトリウム1部を添加して常圧・185℃で攪拌しながら4時間反応させた。
反応後の混合物を10分間静置して、上下二層に分離させた。下層部を取り出し、30メッシュの金網フィルターでろ過したのち、ろ液から水とエチレングリコールの混合物251.6部を40kPa・180℃で蒸発除去した。蒸発後の液組成は、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールによる解重合物65.4重量%、エチレングリコール32.6重量%、その他の化合物2.0重量%であった。
この蒸発後の液組成物100部に対して、水を1.2重量%含むメタノール110部、炭酸カリウム0.10部と炭酸ナトリウム0.05部を添加して常圧・常温から0.18MPa・85℃まで加熱してエステル交換反応をさせながら水とメタノールの蒸発を開始した。蒸発した水とメタノールは、全量を反応器に付属する凝縮器で凝縮させて反応器に戻した。さらに蒸発を継続しながら1時間かけて33kPa・40℃まで減圧冷却して反応を終えた。33kPa・40℃一定状態で水とメタノールをさらに蒸発させて反応系外に合計して55部を取り出した。反応器に窒素を充填して常圧に戻したのち、残りの反応混合物を遠心分離機により固体と液体に分離した。ここで分離した固体部は、20重量%の液体を含む混合物であった。固体を含む混合物100部に水を1.2重量%含有するメタノール100部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は15重量%の液体を含む。この固体部100部を8kPa・210℃で蒸留してジメチルテレフタル酸を得た。
次に予め250℃に加熱した水100部を含む完全混合槽に、液状のジメチルテレフタル酸を単位時間あたり100部と5.0MPaの水蒸気を単位時間あたり150部とを供給して平均反応時間1.5時間反応させた後、後続の反応器で単位時間あたり170部の5.0MPaの水蒸気を供給して240℃で平均反応時間1.5時間反応させた後、更に後続の反応器で単位時間あたり15部の4.0MPaの水蒸気を供給して220℃で0.5時間反応させた。反応混合物を常圧にした後、遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は22重量%の液体を含むテレフタル酸であった。
22重量%の液体を含むテレフタル酸100部(単位時間あたり)にエチレングリコール44部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を第一の反応槽に連続供給して267℃で反応させ、さらに反応生成物を第二の反応槽に連続供給して272℃で反応させた。同伴した水と生成する水を第一の反応器と第二の反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率97%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり0.82部の二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液(二酸化ゲルマニウム濃度1重量%)と、ジエチレングリコールを単位時間あたり0.11部を添加して275℃・3.4kPaの減圧下で1.5時間、引き続き280℃・0.17kPaで2.2時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.2部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下210℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。さらに、このポリエステル粒子を85℃に加熱した水中に16時間浸漬処理したのち乾燥させた。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。このポリエステル粒子にポリヘキサメチレンテレフタレートの水分散体(濃度0.3重量%)を一定量スプレーした後、140℃で3時間乾燥させてポリヘキサメチレンテレフタレートの濃度が20ppmのポリエステル粒子を得た。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルと参考例1記載のボトルのそれぞれに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査をした結果を表2に示す。
[実施例3]
内容物を飲用した後で圧縮して潰されたペットボトル100部を段ボール箱に貯蔵して1ケ月間高湿度の倉庫に保管した。1ケ月後に、この圧縮されたペットボトルを倉庫から取り出したところ、カビ臭があったが、そのままで長径15mm以下のフレーク状に粉砕した。フレークを水道水120部を満たした攪拌機つきの槽に投入して、室温で20分間洗浄した後にフレークと水を分別してフレークを取り出した。このフレークは、0.2重量%の水分を含む。ここまでの過程で、風力選別、浮遊選別を同時に実施したので、最初の圧縮して潰されたペットボトルに付随するラベルやキャップやゴミや砂の一部を除去できた。次いで、フレーク100部に対して、水を0.23重量%含有するエチレングリコール200部と炭酸カリウム1.5部と炭酸ナトリウム2.1部を添加して常圧・175℃で攪拌しながら3時間反応させた。
反応後の混合物を5分間静置して上下二層に分離した反応液から上層部を除き、さらに攪拌を再開して常圧・175℃で2時間反応させた後、再度5分間静置して上下二層に分離させた。下層部を取り出し、30メッシュの金網フィルターでろ過したのち、ろ液から水とエチレングリコールの混合物101部を30kPa・150℃で蒸発除去した。蒸発後の液組成は、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールによる解重合物65.5重量%、エチレングリコール33.0重量%、その他の化合物1.5重量%であった。
この蒸発後の液組成物100部に対して、水0.20部とメタノール93部、炭酸カリウム0.20部を添加して常圧・常温から0.17MPa・80℃まで加熱してエステル交換反応をさせながら水とメタノールの蒸発を開始した。蒸発した水とメタノールは、全量を反応器に付属する凝縮器で凝縮させて反応器に戻した。さらに蒸発を継続しながら1時間かけて33kPa・40℃まで減圧冷却して反応を終えた。この減圧冷却過程で蒸発した水とメタノールを合計して10部反応系外に取り出した。反応器に窒素を充填して常圧に戻したのち、残りの反応混合物を遠心分離機により固体と液体に分離した。ここで分離した固体部は、22重量%の液体を含む混合物であった。固体を含む混合物100部に水を0.2重量%含有するメタノール100部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含む。さらに、固体部100部あたり水を0.2重量%含有するメタノール80部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は16重量%の液体を含む。この固体部100部を10kPa・205℃で蒸留してジメチルテレフタル酸を得た。
次に予め250℃に加熱した水100部を含む完全混合槽に、液状のジメチルテレフタル酸を単位時間あたり100部と4.2MPaの水蒸気を単位時間あたり350部とを供給して平均反応時間3時間反応させた後、後続の反応器で単位時間あたり20部の3.5MPaの水蒸気を供給して220℃で0.5時間反応させた。反応混合物を常圧にした後、遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含むテレフタル酸であった。
20重量%の液体を含むテレフタル酸100部(単位時間あたり)にエチレングリコール60部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を完全混合槽に連続供給して268℃で反応させ、同伴した水と生成する水を反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率96%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり0.76部の三酸化アンチモン0.028部と、トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液(リン濃度(リン元素が溶液に占める重量割合)5.5重量%)を単位時間あたり0.030部を添加して、更にジエチレングリコールを単位時間あたり0.25部を添加した後、273℃・4kPaの減圧下で1.5時間、引き続き277℃・0.15kPaで2時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.1部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から200℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下208℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルと参考例2記載のボトルのそれぞれに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査をした結果を表2に示す。
[参考例2]
市販の三井化学株式会社製テレフタル酸80部(単位時間あたり)にエチレングリコール60部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を完全混合槽に連続供給して268℃で反応させ、生成する水を反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率96%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり0.76部の三酸化アンチモン0.028部と、トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液(リン濃度(リン元素が溶液に占める重量割合)5.5重量%)を単位時間あたり0.030部を添加して、更にジエチレングリコールを単位時間あたり0.25部を添加した後、273℃・4kPaの減圧下で1.5時間、引き続き277℃・0.15kPaで2時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.1部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から200℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下208℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査の標準品とした。
[実施例4]
内容物を飲用した後で圧縮して潰されたペットボトル100部を木製のパレットに積んだ状態で1週間倉庫に保管した。1週間後に、この圧縮されたペットボトルを倉庫から取り出して、長径12mm以下のフレーク状に粉砕した。フレークを水道水150部を満たした攪拌機つきの槽に投入して、室温で15分間洗浄した後にフレークと水を分別してフレークを取り出した。このフレークは、0.18重量%の水分を含む。ここまでの過程で、風力選別、浮遊選別を同時に実施したので、最初の圧縮して潰されたペットボトルに付随するラベルやキャップやゴミや砂の一部を除去できた。次いで、フレーク100部に対して、水を1.2重量%含有するエチレングリコール350部と炭酸カリウム1部と炭酸ナトリウム1部を添加して常圧・185℃で攪拌しながら4時間反応させた。
反応後の混合物を10分間静置して、上下二層に分離させた。下層部を取り出し、30メッシュの金網フィルターでろ過したのち、ろ液から水とエチレングリコールの混合物247.5部を40kPa・180℃で蒸発除去した。ここで蒸発除去した水とエチレングリコールの混合物は、次のフレークを解重合するために全量使用された。蒸発後の液組成は、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールによる解重合物64.0重量%、エチレングリコール33.9重量%、水0.1重量%、その他の化合物2.0重量%であった。
この蒸発後の液組成物100部に対して、水を2.0重量%含むメタノール200部、酢酸カリウム0.24部と酢酸ナトリウム0.05部を添加して常圧・常温から0.18MPa・85℃まで加熱してエステル交換反応をさせながら水とメタノールの蒸発を開始した。蒸発した水とメタノールは、全量を反応器に付属する凝縮器で凝縮させて反応器に戻した。さらに蒸発を継続しながら1時間かけて33kPa・40℃まで減圧冷却して反応を終えた。反応器に窒素を充填して常圧に戻したのち、反応混合物を遠心分離機により固体と液体に分離した。ここで分離した固体部は、20重量%の液体を含む混合物であった。固体を含む混合物100部に水を2.0重量%含有するメタノール100部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は15重量%の液体を含む。これらの遠心分離工程で分離されたメタノールと水を含む液組成物は、蒸留によりエチレングリコールを除去した後に次のエステル交換反応で使用された。この固体部100部を7.5kPa・200℃で蒸留してジメチルテレフタル酸を得た。
次に予め251℃に加熱した水100部を含む完全混合槽に、液状のジメチルテレフタル酸を単位時間あたり100部と5.0MPaの水蒸気を単位時間あたり110部とを供給して平均反応時間1.0時間反応させた後、後続の反応器で単位時間あたり80部の5.0MPaの水蒸気を供給して247℃で平均反応時間1.0時間反応させた後、更に後続の反応器で単位時間あたり80部の5.0MPaの水蒸気を供給して243℃で平均反応時間1.0時間反応させた後、更に最終の反応器で単位時間あたり10部の4.0MPaの水蒸気を供給して220℃で平均反応時間1.0時間反応させた。反応混合物を常圧にした後、遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は22重量%の液体を含むテレフタル酸であった。
22重量%の液体を含むテレフタル酸100部(単位時間あたり)にエチレングリコール44部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を第一の反応槽に連続供給して267℃で反応させ、さらに反応生成物を第二の反応槽に連続供給して272℃で反応させた。同伴した水と生成する水を第一の反応器と第二の反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率97%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり後述する触媒の固形物0.0086部とトリエチルホスホノアセテート0.019部を加えた後、ジエチレングリコールを単位時間あたり0.06部を添加して275℃・3.4kPaの減圧下で1.0時間、引き続き280℃・0.17kPaで2.5時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.2部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下210℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルと参考例3記載のボトルのそれぞれに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査をした結果を表2に示す。
・触媒の調製
無水トリメリット酸2部をエチレングリコール98部に混合したエチレングリコール溶液にテトラブトキシチタンを無水トリメリット酸に対するモル比が0.5となるように添加した。そしてこの混合物を常圧下で80℃に保持して60分間反応せしめ、その後室温まで冷却して生成物をその10倍量のアセトンで再結晶させ、析出物をろ過して取り出し、100℃で2時間乾燥して目的のチタン化合物を調製した。
[参考例3]
市販の三井化学株式会社製テレフタル酸78部(単位時間あたり)にエチレングリコール44部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を第一の反応槽に連続供給して267℃で反応させ、さらに反応生成物を第二の反応槽に連続供給して272℃で反応させた。同伴した水と生成する水を第一の反応器と第二の反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率97%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり実施例4で調製した触媒の固形物0.0086部とトリエチルホスホノアセテート0.019部を加えた後、ジエチレングリコールを単位時間あたり0.06部を添加して275℃・3.4kPaの減圧下で1.0時間、引き続き280℃・0.17kPaで2.5時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.2部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下210℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査の標準品とした。
[実施例5]
内容物を飲用した後で圧縮して潰されたペットボトル100部を木製のパレットに積んだ状態で1週間倉庫に保管した。1週間後に、この圧縮されたペットボトルを倉庫から取り出して、長径12mm以下のフレーク状に粉砕した。フレークを水道水150部を満たした攪拌機つきの槽に投入して、室温で15分間洗浄した後にフレークと水を分別してフレークを取り出した。このフレークは、0.22重量%の水分を含む。ここまでの過程で、風力選別、浮遊選別を同時に実施したので、最初の圧縮して潰されたペットボトルに付随するラベルやキャップやゴミや砂の一部を除去できた。次いで、フレーク90部とポリエチレンテレフタレート樹脂製造工程で発生した規格外品質のポリエチレンテレフタレート樹脂10部の合計100部に対して、水を1.2重量%含有するエチレングリコール350部と炭酸カリウム1部と炭酸ナトリウム1部を添加して常圧・185℃で攪拌しながら4時間反応させた。
反応後の混合物を10分間静置して、上下二層に分離させた。下層部を取り出し、30メッシュの金網フィルターでろ過したのち、ろ液から水とエチレングリコールの混合物247.5部を40kPa・180℃で蒸発除去した。ここで蒸発除去した水とエチレングリコールの混合物は、次のフレークを解重合するために全量使用された。蒸発後の液組成は、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールによる解重合物64.0重量%、エチレングリコール33.9重量%、水0.1重量%、その他の化合物2.0重量%であった。
この蒸発後の液組成物100部に対して、水を2.0重量%含むメタノール200部、酢酸カリウム0.24部と酢酸ナトリウム0.05部を添加して常圧・常温から0.18MPa・85℃まで加熱してエステル交換反応をさせながら水とメタノールの蒸発を開始した。蒸発した水とメタノールは、全量を反応器に付属する凝縮器で凝縮させて反応器に戻した。さらに蒸発を継続しながら1時間かけて33kPa・40℃まで減圧冷却して反応を終えた。反応器に窒素を充填して常圧に戻したのち、反応混合物を遠心分離機により固体と液体に分離した。ここで分離した固体部は、20重量%の液体を含む混合物であった。固体を含む混合物100部に水を2.0重量%含有するメタノール100部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は15重量%の液体を含む。これらの遠心分離工程で分離されたメタノールと水を含む液組成物は、蒸留によりエチレングリコールを除去した後に次のエステル交換反応で使用された。この固体部100部を7.5kPa・200℃で蒸留してジメチルテレフタル酸を得た。
次に予め251℃に加熱した水100部を含む完全混合槽に、液状のジメチルテレフタル酸を単位時間あたり100部と5.0MPaの水蒸気を単位時間あたり110部とを供給して平均反応時間1.0時間反応させた後、後続の反応器で単位時間あたり80部の5.0MPaの水蒸気を供給して247℃で平均反応時間1.0時間反応させた後、更に後続の反応器で単位時間あたり80部の5.0MPaの水蒸気を供給して243℃で平均反応時間1.0時間反応させた後、更に最終の反応器で単位時間あたり10部の4.0MPaの水蒸気を供給して220℃で平均反応時間1.0時間反応させた。反応混合物を常圧にした後、遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は22重量%の液体を含むテレフタル酸であった。
22重量%の液体を含むテレフタル酸100部にエチレングリコール44部を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を第一の反応槽に供給して267℃で2時間反応させ、さらに反応生成物を第二の反応槽に供給して272℃で1時間反応させた。同伴した水と生成する水を第一の反応器に付属する精留塔頂部と第二の反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率97%の反応生成物を得た。
エステル化反応生成物に、後述する触媒の固形物0.0048部を加えた後、ジエチレングリコールを0.06部を添加して275℃・3.4kPaの減圧下で1.0時間、引き続き280℃・0.17kPaで2.5時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.2部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下210℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルと参考例4記載のボトルのそれぞれに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査をした結果を表2に示す。
・チタン化合物の調製
エチレングリコール919部と酢酸10部とを混合して、この混合物にチタンテトラブトキシド71部をゆっくり添加してチタン化合物の透明なエチレングリコール溶液を調製した。この溶液のチタン濃度を蛍光X線を用い測定したところ、1.02%であった。
・リン化合物の調製
エチレングリコール537部を攪拌しながら100℃まで加熱した。その温度に達したとき、これにモノブチルホスフェート28.3部を添加して、加熱攪拌しながら溶解させた。
・触媒の調製
前記のように調製したリン化合物液を70℃の温度にコントロールし、その中に前記のように調製したチタン化合物液をゆっくり添加した。添加量はチタン原子に対するリン原子のグラム当量比が2.0になるように調整した。そして70℃で1時間反応させた。得られた反応生成物はエチレングリコールに不溶であり微細な析出物として存在していた。
本反応析出物を分析するために、得られた反応溶液のサンプルを孔径5μmのフィルターで濾過してその反応析出物を固体として捕集し、これを水洗・乾燥した。この固形物をエネルギー分散型X線マイクロアナライザー(株式会社堀場製作所製EMAX−7000)で分析したところ、チタン濃度は17.0%,リン濃度は21.2%であり、チタン原子に対するリン原子のグラム当量比(P/Ti)は1.9であった。
[参考例4]
市販の三井化学株式会社製テレフタル酸78部(単位時間あたり)にエチレングリコール44部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を第一の反応槽に連続供給して267℃で反応させ、さらに反応生成物を第二の反応槽に連続供給して272℃で反応させた。同伴した水と生成する水を第一の反応器と第二の反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率97%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり実施例5に記載の触媒の固形物0.0048部を加えた後、ジエチレングリコールを単位時間あたり0.06部を添加して275℃・3.4kPaの減圧下で1.0時間、引き続き280℃・0.17kPaで2.5時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.2部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下210℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm 、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査の標準品とした。
[実施例6]
内容物を飲用した後で圧縮して潰されたペットボトル100部を木製のパレットに積んだ状態で1ケ月間倉庫に保管した。1ケ月後に、この圧縮されたペットボトルを倉庫から取り出したところ、かすかにカビ臭があったが、そのままで長径15mm以下のフレーク状に粉砕した。フレークを水道水120部を満たした攪拌機つきの槽に投入して、室温で20分間洗浄した後にフレークと水を分別してフレークを取り出した。このフレークは、3.0重量%の水分を含む。ここまでの過程で、風力選別、浮遊選別を同時に実施したので、最初の圧縮して潰されたペットボトルに付随するラベルやキャップやゴミや砂の一部を除去できた。次いで、水を3.0重量%含むフレーク/水混合物の中のフレーク100部に対して、水を0.25重量%含有するエチレングリコール280部と炭酸カリウム1部と炭酸ナトリウム2部を添加して常圧・180℃で攪拌しながら3時間反応させた。
反応後の混合物を5分間静置して、上下二層に分離させたのち上層部を取り除いた。下層部を再び常圧・180℃で攪拌しながら2時間反応させた。反応後の混合物を5分間静置して上下二層に分離させた後に下層部を取り出し、30メッシュの金網フィルターでろ過したのち、ろ液から水とエチレングリコールの混合物140部を35kPa・155℃で蒸発除去した。蒸発後の液組成は、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールによる解重合物65.1重量%、エチレングリコール34.4重量%、その他の化合物0.5重量%であった。
この蒸発後の液組成物100部に対して、水を0.3重量%含むメタノール80部、炭酸カリウム0.17部と炭酸ナトリウム0.35部を添加して常圧・常温から0.18MPa・85℃まで加熱してエステル交換反応をさせながら水とメタノールの蒸発を開始した。蒸発した水とメタノールは、全量を反応器に付属する凝縮器で凝縮させて反応器に戻した。さらに蒸発を継続しながら1時間かけて33kPa・40℃まで減圧冷却して反応を終えた。この減圧冷却過程で蒸発した水とメタノールを合計して15部反応系外に取り出した。反応器に窒素を充填して常圧に戻したのち、残りの反応混合物を遠心分離機により固体と液体に分離した。ここで分離した固体部は、22重量%の液体を含む混合物であった。固体を含む混合物100部に水を0.4重量%含有するメタノール60部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含む。さらに、固体部100部あたり水を0.4重量%含有するメタノール60部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は17重量%の液体を含む。この固体部100部を8kPa・190℃で蒸留してジメチルテレフタル酸を得た。
次に予め250℃に加熱した水100部を含む完全混合槽に、液状のジメチルテレフタル酸を単位時間あたり100部と4.5MPaの水蒸気を単位時間あたり300部とを供給して平均反応時間2時間反応させた後、後続の反応器で単位時間あたり10部の4.5MPaの水蒸気を供給して220℃で0.5時間反応させた。反応混合物を常圧にした後、遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含むテレフタル酸であった。さらに乾燥して水分0.1%とした。
0.1重量%の水分を含むテレフタル酸100部(単位時間あたり)にエチレングリコール60部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を完全混合槽に連続供給して268℃で反応させ、同伴した水と生成する水を反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率96%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり0.95部の二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液(二酸化ゲルマニウム濃度1重量%)と、トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液(リン濃度(リン元素が溶液に占める重量割合)5.5重量%)を単位時間あたり0.043部を添加して273℃・4kPaの減圧下で1.5時間、引き続き277℃・0.15kPaで2時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.1部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下212℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
このポリエステル粒子にポリヘキサメチレンテレフタレートの水分散体(濃度0.3重量%)を一定量スプレーした後、140℃で3時間乾燥させてポリヘキサメチレンテレフタレートの濃度が20ppmのポリエステル粒子を得た。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルと参考例1記載のボトルのそれぞれに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査をした結果を表2に示す。
[比較例1]
内容物を飲用した後で圧縮して潰されたペットボトル100部を木製のパレットに積んだ状態で1ケ月間倉庫に保管した。1ケ月後に、この圧縮されたペットボトルを倉庫から取り出したところ、かすかにカビ臭があったが、そのままで長径15mm以下のフレーク状に粉砕した。フレークを水道水120部を満たした攪拌機つきの槽に投入して、室温で20分間洗浄した後にフレークと水を分別してフレークを取り出した。ここまでの過程で、風力選別、浮遊選別を同時に実施したので、最初の圧縮して潰されたペットボトルに付随するラベルやキャップやゴミや砂の一部を除去できた。次いで、十分に乾燥させたフレーク100部に対して、水を0.01重量%含有するエチレングリコール(実質的には水が存在しない)40部と炭酸カリウム1部と炭酸ナトリウム2部を添加して常圧・185℃で攪拌しながら6時間反応させた。
反応後の混合物を5分間静置して、上下二層に分離させた。下層部を取り出し、30メッシュの金網フィルターでろ過した。ろ液の液組成は、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールによる解重合物89.8重量%、エチレングリコール5.2重量%、その他の化合物5.0重量%であった。
このろ液組成物100部に対して、水を0.02重量%含有するメタノール35部、炭酸カリウム0.14部と炭酸ナトリウム0.33部を添加して常圧・常温から0.6MPa・100℃まで加熱してエステル交換反応をさせた。さらに40℃まで冷却して反応を終えた。反応混合物を遠心分離機により固体と液体に分離した。ここで分離した固体部は、25重量%の液体を含む混合物であった。固体を含む混合物100部にメタノール60部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含む。さらに、固体部100部あたりメタノール60部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は17重量%の液体を含む。この固体部100部を8kPa・190℃で蒸留してジメチルテレフタル酸を得た。
ジメチルテレフタル酸100部と水30部を混合して4.2MPa・240℃で15時間反応させた後に常圧・40℃まで冷却して遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含むテレフタル酸であった。
20重量%の液体を含むテレフタル酸100部(単位時間あたり)にエチレングリコール60部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を完全混合槽に連続供給して268℃で反応させ、同伴した水と生成する水を反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率96%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり0.76部の二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液(二酸化ゲルマニウム濃度1重量%)と、トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液(リン濃度(リン元素が溶液に占める重量割合)5.5重量%)を単位時間あたり0.034部を添加して273℃・4kPaの減圧下で1.5時間、引き続き277℃・0.15kPaで2時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.1部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下212℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
このポリエステル粒子にポリヘキサメチレンテレフタレートの水分散体(濃度0.3重量%)を一定量スプレーした後、140℃で3時間乾燥させてポリヘキサメチレンテレフタレートの濃度が20ppmのポリエステル粒子を得た。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルと参考例1記載のボトルのそれぞれに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査をした結果を表2に示す。
[比較例2]
内容物を飲用した後で圧縮して潰されたペットボトル100部を木製のパレットに積んだ状態で1ケ月間倉庫に保管した。1ケ月後に、この圧縮されたペットボトルを倉庫から取り出したところ、倉庫への搬入前に雨にぬれたためにカビ臭があったが、そのままで長径15mm以下のフレーク状に粉砕した。フレークを水道水120部を満たした攪拌機つきの槽に投入して、室温で20分間洗浄した後にフレークと水を分別してフレークを取り出した。ここまでの過程で、風力選別、浮遊選別を同時に実施したので、最初の圧縮して潰されたペットボトルに付随するラベルやキャップやゴミや砂の一部を除去できた。次いで、十分に乾燥させたフレーク100部に対して、水を0.02重量%含有するエチレングリコール(実質的には水が存在しない)40部と炭酸カリウム1部と炭酸ナトリウム2部を添加して常圧・185℃で攪拌しながら6時間反応させた。
反応後の混合物を5分間静置して、上下二層に分離させた。下層部を取り出し、30メッシュの金網フィルターでろ過した。ろ液の液組成は、ポリエチレンテレフタレートのエチレングリコールによる解重合物89.8重量%、エチレングリコール5.2重量%、その他の化合物5.0重量%であった。
このろ液組成物100部に対して、水を0.02重量%含有するメタノール140部、炭酸カリウム0.14部と炭酸ナトリウム0.33部を添加して常圧・常温から0.6MPa・85℃まで加熱してエステル交換反応をさせた。さらに40℃まで冷却して反応を終えた。反応混合物を遠心分離機により固体と液体に分離した。ここで分離した固体部は、22重量%の液体を含む混合物であった。固体を含む混合物100部にメタノール60部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含む。さらに、固体部100部あたりメタノール60部を加えてよく攪拌混合したのち遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は17重量%の液体を含む。この固体部100部を8kPa・190℃で蒸留してジメチルテレフタル酸を得た。
ジメチルテレフタル酸100部と水30部を混合して4.2MPa・240℃で15時間反応させた後に常圧・40℃まで冷却して遠心分離機で固体部と液体部に分離した。この固体部は20重量%の液体を含むテレフタル酸であった。
20重量%の液体を含むテレフタル酸100部(単位時間あたり)にエチレングリコール60部(単位時間あたり)を加えてよく攪拌混合(0.5時間)した。この混合物を完全混合槽に連続供給して268℃で反応させ、同伴した水と生成する水を反応器に付属する精留塔頂部から除去して、エステル化率96%の反応生成物を連続して得た。
エステル化反応生成物に、単位時間あたり0.76部の二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液(二酸化ゲルマニウム濃度1重量%)と、トリメチルリン酸のエチレングリコール溶液(リン濃度(リン元素が溶液に占める重量割合)5.5重量%)を単位時間あたり0.034部を添加して273℃・4kPaの減圧下で1.5時間、引き続き277℃・0.15kPaで2時間重縮合を行った。生成したポリマーを、重縮合槽の底部からストランド状に抜き出して水冷して切断して遠心分離機により水を除き、ポリエステル粒子とした。
この常温のポリエステル粒子100部に30℃の水0.1部を均一に添加して混合した後、窒素ガスを下部から上方に向かって流通させることのできる第一の結晶化槽にポリエステル粒子と水の混合物を連続で定量供給して結晶化槽下部から205℃に加熱した窒素ガスを吹き込んでポリエステル粒子を流動させながら結晶化させた。さらに内部に攪拌翼をもち外部から加熱媒体により加熱することのできる第二の結晶化槽で外部から加熱しつつ結晶化を行った。
得られた結晶化したポリエステル粒子を充填塔式固相重合槽に供給して窒素ガス流通下212℃で24時間固相重合してポリエステル粒子を得た。このポリエステル粒子の品質を表1に示す。
このポリエステル粒子にポリヘキサメチレンテレフタレートの水分散体(濃度0.3重量%)を一定量スプレーした後、140℃で3時間乾燥させてポリヘキサメチレンテレフタレートの濃度が20ppmのポリエステル粒子を得た。
得られたポリエステル粒子を真空乾燥機にて160℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製FN−2000)にてシリンダー温度280℃、スクリュー回転数160rpm、一次圧時間3.0秒、金型温度10℃、サイクル30秒で、外径約28mm、内径約19mm、長さ136mm、重量約56gの円筒状のプリフォームを射出成形した。
引続いて、赤外線ヒーターを設けた口部結晶化装置で、160℃・1分間の条件でプリフォームのボトル口部相当部分のみを結晶化させた後、プリフォームの表面温度約110℃に赤外線ヒーターで予熱し、ブロー圧力5〜40kg/cm、金型温度150℃に設定したブロー成形機にて延伸ブロー成形し、胴部平均肉厚330μm、内容積約1.5リットルのボトルを成形した。このボトルと参考例1記載のボトルのそれぞれに市販のミネラルウォーターを充填して、官能検査をした結果を表2に示す。
Figure 2006299143
Figure 2006299143
本発明の実施により、ポリアルキレンテレフタレートを主体とする廃棄物からポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を回収して、引続いて異味異臭のない、従来の石油を原料として合成され既に市中に流通しているポリアルキレンテレフタレート樹脂と同等の品質を有するポリエステル樹脂を安定して合成することができる。従って、昨今の環境問題を解決するための一方法となる。よって本発明の工業的な意義はきわめて大きいと考えられる。

Claims (2)

  1. ポリアルキレンテレフタレートを主体とする固体状廃棄物を、水の存在下で、アルキレングリコール蒸気、低級アルコール蒸気、水蒸気の少なくとも1種と接触させてポリアルキレンテレフタレートの原料となる成分を回収して、引続いてポリアルキレンテレフタレート樹脂を得るポリエステルの製造方法。
  2. ポリアルキレンテレフタレートを主体とする固体状廃棄物から、ジメチルテレフタル酸又はテレフタル酸を回収することを特徴とする請求項1記載のポリエステルの製造方法。
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