JP2006299101A - 生分解性自着テープ、生分解性自着シート及びその用途 - Google Patents

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Tetsuo Kurose
哲男 黒瀬
Katsuji Oimizu
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Abstract

【課題】 自着力が強く、他の物体には極めて微弱な粘着力しかないことで作業性が良く、生分解性を有するため環境負荷が小さく、特に植物の茎の固定や蔓性植物の蔓の誘引用に好適なテープを提供する。
【解決手段】 基材片面に粘着剤層を有する自着テープにおいて、自己の糊面同士を貼り合わせた時の粘着力である自着力が2.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.2N/10mm以下である粘着剤が基材片面に塗布され、基材と粘着剤が共に生分解性を有することを特徴とする生分解性自着テープ。
粘着剤としてはムーニー粘度が30〜90の天然ゴム100重量部に対して、無機又は生分解性でその平均粒径が粘着剤層厚さの0.1〜100%の範囲にある微粒子である充填剤を5〜50重量部含有する粘着剤を使用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、生分解性自着テープ及び生分解性自着シートに関し、植物の茎の支柱への固定や、ブドウ・キュウリ等、蔓性植物の蔓の誘引に使用することで、作業性が良く、植物の成長を妨げることがなく、必要な期間の誘引力・固定力に優れ、使用後は土中・水中で速やかに分解されるため、環境負荷が小さい生分解性自着テープ及び生分解性自着シートに関するものである。
従来、自着テープとしては、合成ゴムであるブロックポリマーを主成分として使用したものが知られている。(特許文献1、2、3参照)これら従来品の自着力は1.0N/10mm以上と強力であるが、同時にSUS板等、他の被着体への粘着力も大きいため、自己の糊面のみに接着するとは言い難いものであり、各種物品の結束を行なった場合、物品そのものにも貼りつくため、接触部位を損傷したり、汚染するといった問題がある。さらに、植物の茎を支柱へ固定する場合や、ブドウ・キュウリ等、蔓性植物の蔓の誘引に使用する場合には、糊面が手や植物と接着するため、作業性が悪いといった問題もある。また基材・粘着剤共に環境に配慮したものではなく、特に野外での使用においては、使用者が意図せずとも環境中に遺棄される場合があるが、その場合、生分解性がないために、環境中に蓄積してしまうという問題があった。
近年、環境問題の高まりを受け、基材にポリ乳酸系の生分解性樹脂からなるフィルム等を使用し、生分解を標榜したもの(特許文献4)もあるが、生分解されるのは基材のみであり、粘着剤については何ら具体的に述べられていない。従来、このような商品には一般的に、生分解性が無いか、あるいは生分解が極端に遅い合成ゴム及び合成樹脂やアクリル系粘着剤が使用されており、基材は生分解性を有する一方で、粘着剤の生分解性に関しては何らの配慮も無いのが現状である。さらに、ポリ乳酸系の樹脂は加水分解し易いため、植物の固定や誘引に使用する場合には、雨水や散布水等水分の影響を受けて分解が進行するため、使用期間中に劣化してその機能を果たさないといった問題もある。
また、植物用の誘引テープとして市販されているもので、粘着剤を塗布していない光分解性のテープがあるが、このような粘着加工されていないテープは、誘引・固定用の結束機を使用して金属製のステープル針で固定する必要があるため、使用後ステープル針が付いた光分解性テープが畑に廃棄された場合に、土壌汚染に繋がるといった問題がある。
特公平01−050351号公報 特公平03−019877号公報 特開2004−161962号公報 特許第3311404号公報
本発明は、自己の糊面同士のみが接着し、自着力は強いが他の被着体への粘着力はきわめて低く、耐水性に優れ、使用中は加水分解せず、使用後環境中に遺棄された場合にも、土中・水中等の自然環境中で基材・粘着剤共に速やかに生分解される生分解性自着テープ及び生分解性自着シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意研究した結果、粘着剤配合、基材構成、加工方法を見出し、これを具現化させることで上記目的に合致したテープ及びシートを得ることに成功した。
すなわち、本発明は、基材片面に粘着剤層を有する自着テープにおいて、自己の糊面同士を貼り合わせた時の粘着力である自着力が2.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.2N/10mm以下である粘着剤が基材片面に塗布され、基材と粘着剤が共に生分解性を有することを特徴とする生分解性自着テープである。
また、本発明において、粘着剤が天然ゴム系粘着剤であり、天然ゴム100重量部に対して充填剤を5〜50部含有してなり、該天然ゴムのムーニー粘度が30〜90であり、該充填剤が無機物又は生分解性を有する微粒子であり、微粒子の平均粒径が粘着剤層厚さの0.1〜100%の範囲にあることを特徴とすることができる。
さらに、本発明においては、粘着剤に、基材成分中の官能基と反応性を有する架橋剤を含有させることができる。
また、本発明においては、基材と粘着剤の間に、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエンーイソプレン共重合体、アクリル変性天然ゴムから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせたものからなるアンカー剤層を有することができる。
さらに、本発明においては、基材として、パルプ、マニラ麻、ケナフ、ビニロン、レーヨン、ポリ乳酸から選ばれる繊維の1種または2種以上を90重量%以上含有する紙基材を用い、背面処理層として生分解性樹脂からなる背面剤を用いることが出来る。
また、本発明においては、基材として澱粉エステル系生分解性フィルムを用いることが出来る。
さらに、本発明は、基材片面に粘着剤層を有する自着テープにおいて、自己の糊面同士を貼り合わせた時の粘着力である自着力が2.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.2N/10mm以下である粘着剤が基材片面に塗布され、基材と粘着剤が共に生分解性を有することを特徴とする生分解性農作業用自着テープである。
また、本発明は、基材片面に粘着剤層を有する自着シートにおいて、自己の糊面同士を貼り合わせた時の粘着力である自着力が2.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.2N/10mm以下である粘着剤が基材片面に塗布され、基材と粘着剤が共に生分解性を有することを特徴とする生分解性自着シートである。
本発明で言う生分解とは、土中・水中の微生物が生産する酵素によって、物質の分子結合が切断され、最終的に水と二酸化炭素とに分解されることを指し、生分解性を有するとは、ISO 14851(JIS K6950)、ISO 14852(JIS K6951)、ISO 14855(JIS 6953)、化審法生分解性試験(MITI−法)のいずれかで試験し、60%以上の生分解度を有することをいう。
本発明の生分解性自着テープ及び生分解性自着シートは、自己の糊面同士のみが接着し、自着力は強いが、他の被着体への粘着力はきわめて低く、耐水性に優れ、使用中は加水分解せず、使用後、環境中に遺棄された場合にも、土中・水中等の自然環境中で基材・粘着剤共に速やかに生分解される。また、本発明の生分解性自着テープ及び生分解性自着シートは、特に植物の茎の固定や蔓性植物の誘引作業などの農業用に好適に使用できることが判明した。
本発明の生分解性自着テープの製造は、従来から行われているテープの製造と同様に、まず、生分解性自着シートを作成し、ロール状に巻き取って、ロールをテープ巾に切断することにより、生分解性自着テープを作成する。
本発明の粘着剤は、自着力が2.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.2N/10mm以下であるが、さらに、自着力が3.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.1N/10mm以下であることがより好ましい。自着力が2.0N/10mmより小さいと固定力が不足する。また、粘着力が0.2Nより大きいと植物の茎や蔓に接着するため植物の成長を妨げる可能性があるとともに、固定・誘引作業時に粘着面が手や茎・蔓に接着して作業性が悪くなる。
粘着剤は天然ゴム系であり、その粘度はムーニー粘度で30〜90の範囲であることが好ましい。ムーニー粘度が30より低いとSUS板等に対する粘着力が高くなる。逆に90より高いと、基材への密着不良や自着力不足となる。
粘度の調整は、2本ロールや加圧ニーダー、バンバリミキサー等を使用した公知の方法で行なうことができる。
粘着剤には有害性の無い無機物又は生分解性を有する微粒子の充填剤を添加する。充填剤が有害性の無い無機物であれば環境負荷とはなり難く、生分解性であれば、粘着剤の主成分である天然ゴムと共に分解するという特徴がある。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、ゼオライト、カーボン、シリカ、カオリン、タルク、珪藻土、珪砂、グラファイト、カーボン繊維、亜鉛華、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、活性水酸化カルシウム、酸化チタン等を単独或いは混合して使用できる。
例えば炭酸カルシウムを充填剤とした場合、生分解性自着テープが産業廃棄物として塩化ビニル等の廃棄物と一緒に焼却された際には、副成するダイオキシンや塩素系有害物の飛散を抑制する効果が期待できる。
またゼオライトを充填剤とした場合、生分解性自着テープが土中に埋設された際には、そのイオン交換能による土壌改質効果を期待できる。
生分解性充填剤としては、生分解性を有するものであればいずれも使用可能であるが、例えば、原料をセルロースとし、セルロースを加工してなる粒子、或いは繊維等を好適に使用できる。同様に澱粉、タンパク質からなる粒子、繊維或いはこれらの混合物等、目的に応じて使用できる。
生分解性充填点剤として、例えばトウモロコシデンプン粒を充填剤とした場合は、土壌中での速やかな生分解が期待できるし、タンパク質からなる粒子を使用した場合には、肥料としての効果も期待できる。
このように、充填剤の種類を選択することによって、新たな機能・付加価値を付与することが可能である。
充填剤の添加量は、好ましくは5〜50部であり、より好ましくは10〜30部である。添加量が5部より少ないとSUS板等に対する粘着力が高くなり、50部より多いと自着力が不足する。充填剤の平均粒径は、粘着剤層厚さの0.1〜100%の範囲にあることが好ましいが、より好ましくは粘着剤層の10〜70%である。粒径が粘着剤層厚さの0.1%より小さいと、SUS板等に対する粘着力を低くするために大量の添加が必要になり、結果として自着力とSUS板への粘着力のバランスが悪くなる。100%より大きいと少量の添加でも自着力の低下が大きくなり、結果として自着力とSUS板への粘着力のバランスが悪くなる。
基材と粘着剤の密着力を上げる方法として、粘着剤には基材成分中の官能基と反応性を有する架橋剤を添加することが好ましい。例えば基材に澱粉エステル系の生分解性フィルムを選択した場合、澱粉エステル樹脂は水酸基を含有しているので、水酸基と反応性のある架橋剤として、例えばイソシアネート系架橋剤である日本ポリウレタン工業製のコロネートL、三井武田ケミカル製のタケネートD−101A、タケネートD−120N、旭化成ケミカルズ製デュラネートMFA−75X、デュラネート21S−75E等を使用することができる。
さらに、基材と粘着剤の密着力を上げる別の方法として、基材と粘着剤の間にスチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエンーイソプレン共重合体、アクリル変性天然ゴムから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせたものからなるアンカー剤層を設けることができる。
基材と粘着剤の密着力が低いと、自着力が強い粘着剤を使用しても、粘着剤が基材から容易に剥がれるため、結果として誘引・固定力不足となる。
基材は紙基材または澱粉エステル系生分解性フィルムを使用することが好ましい。
紙基材を使用する場合、パルプ、マニラ麻、ケナフ、ビニロン、レーヨン、ポリ乳酸から選ばれる繊維を1種または2種以上含有し、その含有量が90重量%以上であるものを使用し、基材の粘着剤を塗布する面とは反対の面に生分解性樹脂からなる背面剤の層を有してなるものを選択することが好ましい。
紙基材を用いる場合、背面からの水分の浸透による基材の強度低下や加水分解を防ぐ目的と、巻き戻し力を調整する目的で生分解性のある樹脂を背面剤として塗布することが好ましい。背面剤に使用する生分解性樹脂としては、例えば、澱粉エステル系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリヒドロキシ酪酸系樹脂、セラック樹脂、コーパル、ダンマル、漆、あるいはこれらの混合物等が挙げられるが、特に澱粉エステル系樹脂、セラック樹脂が好ましい。
生分解性フィルムを基材として使用する場合には、加水分解し難い澱粉エステル系樹脂を用いることが好ましい。ポリ乳酸系やポリブチレンサクシネート系等の代表的な生分解性樹脂は、加水分解し易く、植物の固定や誘引に使用する際、雨水、散布水、大気中の水分の影響で加水分解し、テープ強度・伸度が著しく低下する。
本発明において使用される粘着剤、基材には、必要により公知の紫外線吸収剤、顔料、老化防止剤、可塑剤等の添加剤を添加することができる。
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[基材の調整例−1]
木材パルプ繊維、マニラ麻繊維、ビニロン繊維を70:20:10の割合で配合し、湿式法で抄紙することにより厚み50μm、乾燥重量で25g/mの紙基材(a−1)を得た。
[基材の調整例−2]
木材パルプ繊維、ビニロン繊維、ポリ乳酸繊維を80:5:15の割合で配合し、湿式法で抄紙することにより厚み60μm、乾燥重量で30g/mの紙基材(a−2)を得た。
[基材の調整例−3]
日本コーンスターチ(株)製コーンポールF3Aを使用し、インフレーション加工法により、フィルム厚み100μmのフィルム基材(a−3)を得た。
[基材の調整例−4]
木材パルプ繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維を50:20:30の割合で配合し、湿式法で抄紙することにより厚み60μm、乾燥重量で
30g/mの紙基材(a−4)を得た。
[粘着剤の調整例−1]
ロール式ゴム練り装置によりムーニー粘度を60に調整した天然ゴム100重量部に、充填剤として平均粒径が30μmの「ニッカ(株)製ニッカリコAS300」20重量部、老化防止剤「チバスペシャリティケミカルズ製イルガノックス1010」
0.5重量部、架橋剤「日本ポリウレタン工業製コロネートL」2部をトルエン溶剤中で溶解混合することにより、天然ゴム系の粘着剤(b−1)を得た。
[粘着剤の調整例−2]
ロール式ゴム練り装置によりムーニー粘度を50に調整した天然ゴム100重量部に、充填剤として平均粒径15μmの「日本コーンスターチ製サイズエース」を30重量部、架橋剤として「日本ポリウレタン工業製コロネートL」を2部、老化防止剤として「チバスペシャリティケミカルズ製イルガノックス1010」
0.5重量部をトルエン溶剤中で溶解混合することにより、天然ゴム系の粘着剤(b−2)を得た。
[粘着剤の調整例−3]
ロール式ゴム練り装置によりムーニー粘度を60に調整した天然ゴム100重量部に、粘着付与剤として「荒川化学(株)製スーパーエステルA−100」50重量部、老化防止剤「三新化学工業(株)製のサンダント2246」
0.5重量部をトルエン溶剤中で溶解混合することにより、天然ゴム系の粘着剤(b−3)を得た。
[粘着剤の調整例−4]
充填剤の添加量を80部に変更した以外は粘着剤の調整例−1と同様にして天然ゴム系の粘着剤(b−4)を得た。
[粘着剤の調整例−5]
合成ゴムとして「日本ゼオン(株)製クインタック3433N」100重量部に充填剤として「丸尾カルシウム社製MSK−C」30重量部、粘着付与剤として「日本ゼオン(株)製クイントンA−100」30重量部、「トーネックス(株)製E−1395」25部、老化防止剤として「チバスペシャルティーケミカルズ社製イルガノックス1010」0.5重量部をトルエン/n−ヘキサンの50:50混合溶剤中で溶解混合することにより、合成ゴム系粘着剤(b−5)を得た。
基材の調整例−1で得た基材(a−1)に、粘着剤の調整例−1で得た粘着剤(b−1)をロールコータ法により乾燥重量で30g/m塗布し、つづいて粘着剤を塗布した面とは反対の面に、背面剤としてセラック樹脂である「岐阜セラック製造所製パールN−811」のメタノール溶液をグラビアコーター法で乾燥重量が5g/mになるように塗布することにより目的の自着テープを得た。
基材の調整例−2で得た基材(a−2)に、粘着剤の調整例−2で得た粘着剤(b−2)をロールコータ法により乾燥重量で40g/m塗布し、つづいて粘着剤を塗布した面とは反対の面に、澱粉エステル系樹脂のエマルションである「ミヨシ油脂(株)製ランディCP−500」をグラビアコーター法で乾燥重量が5g/mになるように塗布することにより目的の自着テープを得た。
基材の調整例−3で得た基材(a−3)に、アンカー剤としてアクリロニトリル−ブタジエン共重合体である「日本ゼオン(株)製ニッポール1041」のトルエン溶液をグラビアコータ法で乾燥重量で2g/mになるように塗布し、乾燥後、アンカー剤を塗布した面へ粘着剤の調整例−1で得た粘着剤(b−1)をロールコータ法により乾燥重量で30g/m塗布することにより目的の自着テープの試験片を得た。

[比較例1]
粘着剤を粘着剤の調整例−3で得た粘着剤(b−3)に変更した以外は実施例1と同様にして試験片を作製した。
[比較例2]
粘着剤を粘着剤の調整例−4で得た粘着剤(b−4)に変更した以外は実施例1と同様にして試験片を作成した。
[比較例3]
粘着剤を粘着剤の調整例−5で得た粘着剤(b−5)に変更した以外は実施例1と同様にして試験片を作成した。
[比較例4]
基材をポリ乳酸系フィルムである「三菱樹脂(株)製エコロージュCN1」の厚さ50μmのフィルムに、粘着剤の調整例−5で得た粘着剤(b−5)をロールコーター法により乾燥重量で30g/m塗布することにより試験片を得た。
試験片について、自着力、SUSに対する粘着力、生分解性、植物苗の生長に及ぼす影響、誘引作業性の項目で評価した。
(1)自着力:幅10mmの試験片2枚を粘着面同士で貼り合わせ、2kgのローラーで一往復して圧着し、1分後に粘着剤同士が圧着していない端部を、互いに逆方向に速度300mm/分で引き剥がしたときの引き剥がし力を測定した。
(2)SUS板に対する粘着力:被着体に鏡面仕上げのSUS304鋼板を用い、JIS Z 0237に準じて圧着してから1分後の180度引き剥がし粘着力を測定した。
(3) 生分解性:試験片を土中20cmの深さに埋め、6ヶ月後に取りだし、外観を観察した。
○:基材・粘着剤共に分解が進行しており、元の形状を維持していない。
△:基材・粘着剤のどちらか一方の分解が進行しているが、もう一方にあまり変化がない。
×:基材・粘着剤共にあまり変化が見られない。
(4)苗の生長に及ぼす影響
高さ約10cmのキュウリ苗に100×10mmの試験片を用いて2カ所支柱留めし、その後の成長の様子をみた。
○:苗の生長に影響なし(苗がまっすぐ伸びる)
△:苗と試験片が接着し、生長に少し影響する(5%程度の苗がまっすぐ伸びない)
×:苗と試験片が接着し、生長に影響する(30%程度の苗がまっすぐ伸びない)
(5) 誘引作業性:試験片を使用してキュウリの蔓を誘引する作業を行い、作業性を評価した。

実施例及び比較例の試験片を、評価した結果について、表1に示す。

Figure 2006299101
本発明に係るテープ及びシートは、基材と粘着剤が共に生分解性を有することを特徴とする生分解性自着テープ及び生分解性自着シートであり、自己の粘着面同士についてのみ粘着力を発現し、強固な自着力を示す一方で、他の物体には極めて微弱な粘着力しか発現しないため作業性が良く、また耐水性にも優れており、使用中は加水分解による劣化がなく、使用後に土中または水中に遺棄された場合でも、基材、粘着剤共に速やかに環境中の生物により分解されるため土壌汚染が少なく、環境負荷が小さい。このような特徴を生かし幅広い用途、特に植物の茎の固定や蔓性植物の蔓の誘引に対応することができる。

Claims (8)

  1. 基材片面に粘着剤層を有する自着テープにおいて、自己の糊面同士を貼り合わせた時の粘着力である自着力が2.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.2N/10mm以下である粘着剤が基材片面に塗布され、基材と粘着剤が共に生分解性を有することを特徴とする生分解性自着テープ。
  2. 粘着剤が天然ゴム系粘着剤であり、天然ゴム100重量部に対して充填剤を5〜50部含有してなり、該天然ゴムのムーニー粘度が30〜90であり、該充填剤が無機物又は生分解性を有する微粒子であり、微粒子の平均粒径が粘着剤層厚さの0.1〜100%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の生分解性自着テープ。
  3. 粘着剤が、基材成分中の官能基と反応性を有する架橋剤を含有してなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の生分解性自着テープ。
  4. 基材と粘着剤の間に、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体、アクリロニトリルーブタジエン共重合体、アクリロニトリルーブタジエンーイソプレン共重合体、アクリル変性天然ゴムから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせたものからなるアンカー剤層を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載の生分解性自着テープ。
  5. 基材がパルプ、マニラ麻、ケナフ、ビニロン、レーヨン、ポリ乳酸から選ばれる繊維の1種または2種以上を90重量%以上含有する紙基材であり、背面処理層が生分解性樹脂からなる背面剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載の生分解性自着テープ。
  6. 基材が澱粉エステル系生分解性フィルムからなることを特徴とする請求項1又は請求項4記載の生分解性自着テープ。
  7. 基材片面に粘着剤層を有する自着テープにおいて、自己の糊面同士を貼り合わせた時の粘着力である自着力が2.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.2N/10mm以下である粘着剤が基材片面に塗布され、基材と粘着剤が共に生分解性を有することを特徴とする生分解性農作業用自着テープ。
  8. 基材片面に粘着剤層を有する自着シートにおいて、自己の糊面同士を貼り合わせた時の粘着力である自着力が2.0N/10mm以上であり、SUS板に対する粘着力が0.2N/10mm以下である粘着剤が基材片面に塗布され、基材と粘着剤が共に生分解性を有することを特徴とする生分解性自着シート。
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