JP2006299078A - 透明蒸着用フイルム及び透明蒸着ポリエステルフイルム - Google Patents

透明蒸着用フイルム及び透明蒸着ポリエステルフイルム Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の透明蒸着用ポリエステルフイルムは、薄い蒸着膜厚さで高いガスバリア性能及び防湿性能を安定して付与し格段に向上させる透明蒸着用ポリエステルフイルム及びその透明蒸着ポリエステルフイルムを提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の透明蒸着用ポリエステルフイルム及びその透明蒸着ポリエステルフイルムは、2軸配向ポリエステルフイルムであって、表面オリゴマー量が2.0mg/m以下であり、フイルムの融解サブピーク Tsが190〜235℃であり、フイルム中のジエチレングリコール量が2.0重量%以下である厚さ5〜100μmを満たすことを特徴とするものである。
【選択図】なし。

Description

本発明は透明蒸着用フイルムに関するものである。詳しくは、透明蒸着層を設けることによりガスバリア性,防湿性に優れた透明蒸着用2軸配向ポリエステルフイルム及びその透明蒸着ポリエステルフイルム、更に詳しくは2軸配向ポリエステルフイルムに薄い厚さの蒸着層を設けることで優れたガスバリア性,防湿性を有する透明蒸着用フイルム及びその透明蒸着ポリエステルフイルム、特に薄い厚さの透明蒸着層で優れたガスバリア性,防湿性を有する透明蒸着用ポリエステルフイルム及びその透明蒸着ポリエステルフイルムに関するものである。
従来、2軸配向ポリエステルフイルムは、透明性,機械的特性,防湿性などに優れ、包装材料などに広く用いられている。更にフイルムの透明性を維持しつつガス遮断性を向上させる目的で、ポリ塩化ビニリデンをコーティングした2軸配向ポリエステルフイルムがガスバリア性の優れたフイルムで、K−PETとして広く知られている。しかし、ポリ塩化ビニリデンは防湿性が不十分で防湿包装には使用できない。また、ポリ塩化ビニリデンは廃棄焼却時に塩素系ガスが発生するため焼却炉の腐食や地球環境への悪影響が指摘されており、更に排ガスを浄化するための焼却炉への設備投資負担も大きいとされている。塩素系ガス問題対策として、エチレンビニルアルコ−ル共重合体を積層したフイルムが知られているが、ガスバリア性,防湿性が不十分で、特に高温での殺菌処理において著しく低下する。これらの問題を解決する包装フイルムとして、金属アルミニウムをポリエステルフイルム上に形成したり、金属酸化物をポリエステルフイルム上に形成したものがガスバリア性,防湿性に優れていることは従来より良く知られている。しかし、金属アルミニウムは高いガスバリア性,防湿性を確保するために厚い膜厚が必要とされ、生産性が落ちる。また、包装にした場合、内容物が見えない、金属探知器が使用できない、マイクロウェーブを通さず包装のまま電子レンジで加熱できない、等の問題がある。
かかる金属アルミニウムの問題を解決するのが金属酸化物を蒸着した包装フイルムで、特に酸化珪素膜をポリエステルフイルム上に形成したものが特許文献1により、酸化アルミニウム膜をポリエステルフイルム上に形成したものが特許文献2により知られている。
特開平6−278240号公報 特開平11−10725号公報
近年、様々な食品や菓子類が市場に登場するに従い、バリア性など特性向上や、品質の長期保存性がより一層重視されるようになってきた。特にスナック菓子や食品等の包装においては、内容物の酸化や湿りを防止し、より長期間に渡って品質を確保するため、これまで以上のガスバリア性が要求されている。
また、かかる透明蒸着ポリエステルフイルムの製造は生産性向上により、設備の大型・高速化、それに伴う蒸着の薄膜化によって、ガスバリア性能安定化のため、ポリエステルフイルムへの要求も高度になってきた。
本発明は上述のような問題を解決することを目的とする。すなわち本発明は、優れたガスバリア性,防湿性を格段に向上させる透明蒸着用ポリエステルフイルムを提供するものである。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の物性を有するポリエステルフイルムを基材として用いれば上記課題を解決することを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち本発明の要旨は、2軸配向ポリエステルフイルムであって、表面オリゴマー量が2.0mg/m以下であり、フイルムの融解サブピーク Tsが190〜235℃であり、フイルム中のジエチレングリコール量が2.0重量%以下である厚さ5〜100μmの透明蒸着用ポリエステルフイルムである。
本発明の透明蒸着用ポリエステルフイルムは、以下に説明するような構成としたため、薄い蒸着膜厚さで高いガスバリア性能及び防湿性能を安定して付与できるという特徴を持つ。
本発明の蒸着2軸配向ポリエステルフイルムは、単独でも用いることができるが、更に、印刷を施したり、蒸着膜の上から保護層などをコーティングしたり、ヒートシール層を積層したり、他のフイルムと積層したり、あるいはこれらを組み合わせたりするなど、更に加工して用いることもできる。また、非蒸着面にヒートシール層を積層したり、他のフイルムと積層したり、あるいはこれらを組み合わせたりすることもできる。
本発明について詳細に説明する。本発明のポリエステルフイルムとは2軸配向ポリエステルフイルムであり、無延伸状態のポリエステルシートまたはフイルムを、長手方向及び幅方向の、いわゆる2軸方向に延伸されて作られるものであり、広角X線回折で2軸配向のパターンを示すものをいう。2軸方向へ延伸する方法は、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法のどちらも使用できるが、同時2軸延伸法の方がフイルム表面に傷が発生しにくく望ましい。
本発明のポリエステルフイルムに使用されるポリエステルとは、二塩基酸とグリコールを構成成分とするポリエステルであり、芳香族二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ナトリウムスルホイソフタル酸、ジブロモテレフタル酸などを用いることができる。脂環族二塩基酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などを用いることができる。また、脂肪族二塩基酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸などを用いることができる。グリコールとしては、脂肪族ジオールとしてエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどを用いることができ、芳香族ジオールとして、ナフタレンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ハイドロキノン、テトラプロモビスフェノールAなどを用いることができ、脂環族ジオールとしては、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどを用いることができる。
更に、ポリエステルが実質的に線状である範囲内で3官能以上の多官能化合物、例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸、没食子酸などを共重合してもよく、また単官能化合物、例えばo−ベンゾイル安息香酸、ナフトエ酸等を添加反応させてもよい。またポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルやポリカプロラクトンに代表される脂肪族ポリエステルなどを共重合してもよい。
ポリエステルは2種以上のものをブレンドしてもよく、例えば50%以上がポリエステルであれば、ポリエステル以外のものをブレンドしてもよい。
ポリエステルは、耐熱性、製膜性の点から、融点が240℃以上280℃以下であることが望ましい。
また、このポリエステル系樹脂の中に公知の添加剤、例えば、耐熱安定剤,耐酸化安定剤,耐候安定剤,紫外線吸収剤,有機の易滑剤,顔料,染料,充填剤,帯電防止剤,核剤などを配合しても良い。上記で述べたようなポリエステル系樹脂の極限粘度(25℃のオルソクロロフェノール中で測定)は、0.40〜1.20が好ましく、より好ましくは0.50〜0.80、更に好ましくは0.55〜0.75dl/gの範囲である。
本発明のポリエステルフイルムに含有される粒子としては、各種核剤により重合時に生成した粒子,凝集体,二酸化珪素粒子,炭酸カルシウム粒子,アルミナ粒子,酸化チタン粒子,硫酸バリウム粒子,珪酸アルミ粒子,リン酸カルシウム粒子,マイカ,カオリン,クレーなどの無機粒子を、また、架橋ポリスチレン粒子,アクリル粒子,イミド粒子,シリコーン粒子等のような有機粒子を、或いは、それらの混合体をその代表例として挙げることができる。なかでも、二酸化珪素粒子,炭酸カルシウム粒子,アルミナ粒子,珪酸アルミ粒子等の無機粒子または、これら無機粒子と各種核剤により重合時に生成した粒子との混合物が好ましい。
使用される各種粒子の径は特に限定されないが、通常は沈降法あるいは光散乱法により測定した平均粒径が0.05〜8.0μm、好ましくは0.1〜4.0μmをその代表として挙げることができる。かかる粒子の含有量は、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.02〜1重量%が好ましい。
本発明のポリエステルフイルムは、−COOH量が25〜55当量/tの樹脂からなるポリエステルフイルムが好適である。樹脂の−COOH量が25当量/t未満の場合、蒸着2軸配向ポリエステルフイルムのガスバリア性及び防湿性が十分発揮できない。樹脂の−COOH量が55当量/tを越えると、ポリエステルフイルムの外観が着色したり、透明蒸着ポリエステルフイルムの場合透明性が悪くなったり、ポリエステルフイルムの製膜性が悪化する等の問題がある。
本発明のポリエステルフイルムの厚みは厚さ5〜100μmであり、好ましくは5〜25μmであるが、その中でも好適な範囲は用途によって任意に選べばよい。
そのフイルム構成は、単層でもよいし、また、異なる組成のポリエステル組成物A,B,Cにより構成される積層構成、例えば、A/Bの2層構成、A/B/AあるいはA/B/Cの3層構成、3層よりも多層の積層構成、でもよい。その際の積層厚み比も任意に設定してよい。これらの積層構成は共押出しによる積層フイルムとして製造することができる。
本発明のポリエステルフイルムは、フイルム中のジエチレングリコール量が2.0重量%以下である。好ましくは、1.5重量%以下、更に好ましくは1.2重量%以下である。フイルム中のジエチレングリコールが2.0重量%を越えた場合、ガスバリア性能及び防湿性が低下する。また、ポリエステルフイルムは蒸着工程を経て、さらに印刷や粘着剤塗工、あるいはラミネート加工が施されるが、いずれも熱履歴を受けるわけである。フイルム中のジエチレングリコールが2.0重量%を越えた場合、フイルムの耐熱性が落ちてそれぞれの加工工程で、フイルムが外力に対して伸びたりシワが発生したり、フイルムの走行性が不安定になり、加工性が悪化するという問題が生じる。
本発明のポリエステルフイルムは、表面オリゴマー量が2.0mg/m以下である。好ましくは1.8mg/m以下、更に好ましくは1.5mg/m以下、より好ましくは1.2mg/m以下、特に好ましくは1.0mg/m以下である。フイルム表面にオリゴマーが存在した場合、蒸着時に透明蒸着膜形成を阻害し欠陥の原因となる。表面オリゴマー量が2.0mg/mを越えた場合、ガスバリア性能及び防湿性が低下する。
本発明のポリエステルフイルムは、フイルムの融解サブピーク Tsが190〜235℃である。好ましくは、195〜230℃であり、更に好ましくは195〜225℃であり、より好ましくは195〜220℃である。Tsが235℃を越えるとガスバリア性能及び防湿性が低下する。また、フイルムが脆化する。Tsが190℃未満であると、フイルムと透明蒸着層の密着性が悪化し印刷加工後やラミネート加工後にデラミネーションが発生する。また、高温における熱寸法安定性が悪化し、加工後に印刷ピッチズレ等の問題が生じる。
本発明のポリエステルフイルムは、190℃,20分の熱収縮率が長さ方向で1.0〜6.0%、幅方向で0〜6.0%である。長さ方向では好ましくは1.0〜5.5%、更に好ましくは1.5〜5.0%である。幅方向では好ましくは0.5〜5.5%、より好ましくは1.0〜5.0%である。ポリエステルフイルムは蒸着工程を経て、さらに印刷や粘着剤塗工、あるいはラミネート加工が施されるが、いずれも熱履歴を受ける。長さ方向の熱収縮率が1.0%未満であったり、幅方向の熱収縮率が0%未満であった場合、ガスバリア性能及び防湿性が低下する。また、それぞれの加工工程でフイルムにシワが発生したり、フイルムの走行性が不安定になり、加工性が悪化するという問題が生じる。長さ方向の熱収縮率が6.0%を越えたり、幅方向の熱収縮率が6.0%越えた場合、高温における熱寸法安定性が悪化し、加工後に印刷ピッチズレ、或いはそれぞれの加工工程でフイルムにシワが発生する。
本発明のポリエステルフイルムは、蒸着側フイルム表面の中心線面粗さ(SRa)が2〜80nm、山数(SPc)が5〜130ヶ/0.1mmである。中心線面粗さ(SRa)は好ましくは5〜60nm、さらに好ましくは10〜50nmが適している。ここでSRaは3次元表面粗さのパラメーターで、中心面平均粗さと定義する。SRaが2nm未満であれば滑りが悪くなってフイルムをロール状に巻くことができなくなったりブロッキングするおそれがある。一方、SRaが80nmを越えれば、蒸着後のガスバリア性及び防湿性が悪化する。ここでSRaは3次元表面粗さのパラメーターで、中心面平均粗さと定義する。山数(SPc)は好ましくは5〜120ヶ/0.1mm2、 更に好ましくは10〜100ヶ/0.1mm2が適している。山数(SPc)が2ヶ/0.1mm2 未満であれば、滑りが悪くなってフイルムをロール状に巻くことができなかったりブロッキングする等の問題があり、山数(SPc)が150ヶ/0.1mm2 を越える場合は、蒸着後のガスバリア性及び防湿性が悪化する。
本発明のポリエステルフイルムは、蒸着側フイルム表面の濡れ張力が45mN/m以上である。好ましくは48mN/m以上、更に好ましくは50mN/m以上が適している。濡れ張力が45mN/m未満であれば、蒸着後のガスバリア性及び防湿性が十分発揮できなかったり、蒸着層とポリエステルフイルムとの接着性が不充分で、ポリエステルフイルムの蒸着層上へラミネート等の後加工を行った場合、蒸着層とポリエステルフイルムが剥がれる等の問題がある。濡れ張力を上記範囲に制御する方法として、代表的にはコロナ放電処理を用いることができる。なお、発明者が検討の結果、コロナ放電処理を施していない場合、蒸着後の2軸配向ポリエステルフイルムのガスバリア性、防湿性が発現されないことも判明している。
本発明の透明蒸着用ポリエステルフイルムに設ける透明蒸着層としては、酸化アルミニウム、または酸化珪素、或いは酸化アルミニウムと酸化珪素の混合層である。その中で、食品衛生性,コスト,生産設備,着色について勘案すると酸化アルミニウム膜が有利である。
本発明の透明蒸着ポリエステルフイルムの透明蒸着層の厚さは、1〜40nm、好ましくは2〜30nmである。1nm未満であればガスバリア性及び防湿性が悪化する。40nmを越えれば、生産性が落ちる。特に、金属酸化物の場合、膜厚を厚くするとカールしやすく、ハンドリングが悪くなり乱暴に扱うと蒸着膜にクラック(割れ)が入り、ガスバリア性,防湿性が低下したり、蒸着膜が着色したりする。
次に本発明の透明蒸着用ポリエステルフイルムの代表的製造方法について説明するが、特にこれに限定されるものではない。
重合段階で−COOH量を調整し析出粒子または無機粒子または有機粒子を含有する樹脂(2軸配向ポリエステルフイルムを構成すべき樹脂)を所定の条件で乾燥を行い、押出機等での方法で溶融した後、フイルム状物に成形(通常は冷却ドラム上で)する。フイルム状物と冷却ドラムの密着性を向上させるには、通常、静電印加密着法および/または液面塗布密着法を採用することが好ましい。このフイルムを75〜130℃に加熱して、長手方向に2.0〜9.0倍に延伸して1軸配向フイルムとする。製膜で非蒸着面へコーティング層を設ける場合は、この1軸配向フイルムの非蒸着面にコロナ放電処理等の表面処理を必要に応じ適宜施した後、水系の樹脂を公知の方法(グラビアコーター,リバースコーター,キスコーター,ダイコーター,バーコーター,コンマコーターなど)を用いて塗布する。この1軸配向フイルムを75〜130℃に加熱しつつ、幅方向に2.0〜9.0倍延伸し、引き続いて、170〜240℃の熱処理ゾーン中へ導いて、1〜10秒間熱処理する。この熱処理中に、幅方向に3〜12%の弛緩処理をする方がよい。熱処理されたフイルムを、中間冷却ゾーンを経て徐々に冷却し、室温まで至った時点で巻き取り機で巻き取りミルロールとした。次に、このミルロールをスリッターにかけて製品ロールとした。この製品ロールを巻き返しながら、フイルムの蒸着面側表面にコロナ放電処理を行った。非蒸着面側にコロナ放電処理を行う場合は、この巻き返し時に行う。
このようにして得られた2軸配向ポリエステルフイルムに蒸着層を設ける。反応性蒸着法において酸化アルミニウムを蒸着させるには、アルミニウム金属やアルミナを抵抗加熱のボート方式やルツボの高周波誘導加熱、電子ビーム加熱方式で蒸発させ、酸化雰囲気下で2軸配向ポリエステルフイルム上に酸化アルミニウムを堆積させる方式が採用される。酸化雰囲気を形成するための反応性ガスとして酸素を主体に水蒸気や希ガスを加えたりしても良い。更にオゾンを加えたりイオンアシストなどの反応を促進する手法も採用されて良い。これら真空プロセス中での2軸配向ポリエステルフイルム表面のプラズマ処理を併用すると、ガスバリア性,透湿性が向上しより好ましい。
酸化珪素を反応性蒸着法で蒸着するには、Si金属,SiOやSiOを電子ビーム加熱方式で蒸発させ、酸化雰囲気下で2軸配向ポリエステルフイルム上に酸化珪素を堆積させる方式や、有機珪素化合物ガス,酸素ガスと不活性ガス中で酸化珪素を2軸配向ポリエステルフイルム上に堆積させるプラズマ化学蒸着法が採用される。酸化雰囲気を形成する方法は、上記の方法が用いられる。
酸化アルミニウムと酸化珪素の混合層を蒸着するにも、上記の反応性蒸着法が採用される。
[特性値の測定法]
(1)表面オリゴマー測定
20cm×20cmのサンプルを25℃のエタノール25mlで3分間フイルム表面を洗浄し、日立製分光光度計U−3410で洗浄液の238nmにおける吸光度Dを測定した。表面オリゴマー量は次の計算式で求めた。
表面オリゴマー量(mg/m2)=D×25.50。
(2)フイルム融解のサブピーク Ts
フイルムを示差走査熱量計(パーキン・エルマー社製DSC−2型)により、20℃/分の昇温速度で測定した。この測定により観測される擬結晶の変態により発生するサブピーク温度をTsとした。
(3)ポリエステル中のジエチレングリコール
成分の含有量13C−NMRスペクトルによって測定した。
(4)熱収縮率
フイルムサンプル標線間を200mmにとり、フイルムを10mmに切断し、フイルムサンプルを長さ方向に吊るし、1gの荷重を長さ方向に加えて、予め所定温度に設定した熱風オーブンを用い所定時間加熱した後、標線間の長さを測定し、フイルムの収縮量を原寸法に対する割合として百分率で表した。
(5)中心線面粗さ(SRa)、山数(SPc)
3次元表面粗さ計(小坂研究所製、ET−30HK)を用い、次の条件で触針法により測定を行った。
針径 2(μmR)
針圧 10(mg)
測定長 500(μm)
縦倍率 20000(倍)
CUT OFF 250(μm)
測定速度 100(μm/s)
測定間隔 5(μm)
記録本数 80本
ヒステリシス幅 ±5(nm)
基準面積 0.1(mm2)。
(6)濡れ張力
JIS−K−6768−1995に記載された方法に従い、フイルム表面の濡れ張力を測定した。
(7)カルボキシル末端基量(COOH)
原料チップをo−クレゾール中に入れ攪拌しながら100℃に加熱溶解し、室温まで冷却後、
N/50のアルカリ溶液で滴定を行った。滴定量から次の式によりカルボキシル末端基量(COOH)を算出した。

A=試料滴定量(ml)
B=ブランク滴定量(ml)(溶媒の滴定量)
W=試料重量(g)
COOH(当量/トン)=((A−B)× 1/50 ×10e3)/ W。
(8)蒸着層の膜厚
透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEM−1200EX)を用い、加速電圧100kVで断面を超薄切片法で観察し、蒸着膜の膜厚を測定した。
(9)ガスバリア性
A.水蒸気透過率
蒸着1週間後に、モダンコントロール社製水蒸気透過率計Permatran W 3/31を用いてJIS−K−7129−1992に記載されたB法に従い、40℃ 90RH%の条件で測定した。測定した水蒸気透過率で次のように評価した。
◎:0(g/m2・day)以上,2(g/m2・day)未満
○:2(g/m2・day)以上,4(g/m2・day)未満
×:4(g/m2・day)以上。
B.酸素透過率
蒸着1週間後に、モダンコントロール社製酸素透過率測定装置OX-TRAN 2/20を用いて JIS−K−7126−1987に記載されたB法に従い、20℃ 0%RHの条件にて酸素透過率を測定した。測定した酸素透過率で次のように評価した。
◎:0(cc/m2・day)以上,2(cc/m2・day)未満
○:2(cc/m2・day)以上,4(cc/m2・day)未満
×:4(cc/m2・day)以上。
(10)加工性
蒸着及び加工時のフイルムの取り扱い性(シワ、バタツキ、滑り性など)を○×で判定した。良好で問題なければ○である。
(実施例1)
平均粒子径1.0μmの析出粒子(重合工程中に析出した粒子)を0.15重量%及び粒径約1.5μmの二酸化珪素粒子を0.1重量%含有する−COOH量35当量/tのPETペレット(極限粘度0.63dl/g,ジエチレングリコール量1.0%)を水分率20ppmに真空乾燥した後、押出機に供給して、280℃で溶融押出し、10μmカットのフィルターで濾過した後、T字型口金からシート状に押出し、これを表面温度50℃の冷却ドラムに静電印加密着法で冷却固化せしめた。このようにして得られた未延伸PETフイルムを、95℃に加熱して長手方向に3.5倍延伸して1軸延伸フイルムとした。この1軸延伸フイルムを98℃で予熱し、次いで105℃に加熱しつつ幅方向に3.9倍に延伸した。このフイルムを225℃の熱風中に導き入れ、1秒間緊張熱固定した後、同じ雰囲気温度内で幅方向に元のフイルム幅の8%リラックスを施し冷却する。最終的に室温まで冷却し、これを巻取り機に導いて巻き上げてミルロールとした。次に、このミルロールをスリッターにかけて製品ロールとした。この製品ロールを巻き返しながら、フイルム両面にそれぞれ20W・min/mの処理強度でコロナ放電処理を行った。このようにして得られた12μmのフイルムに、酸化アルミニウム蒸着を行った。この2軸配向ポリエステルフイルムの表面へ酸化アルミニウムを蒸着する方法は、フイルムを連続式真空蒸着機の巻き出し装置にセットし、冷却金属ドラムを介して走行させフイルムを巻き取る。この時連続式真空蒸着機を10−4Torr以下に減圧し、冷却ドラムの下部よりアルミナ製ルツボに純度99.99%の金属アルミニウムを装填して金属アルミニウムを加熱蒸発させ、その蒸気中に酸素を供給し酸化反応させながらフイルム上に付着堆積させ、厚さ20nmの酸化アルミニウム膜を形成した。この透明蒸着2軸配向ポリエステルフイルムの特性を表1に示した。
(実施例2)
実施例1の中で、緊張熱固定温度を230℃に変更した。
(実施例3)
実施例1の中で、フイルム幅のリラックスを5%、緊張熱固定温度を215℃、PETペレットをジエチレングリコール量0.8重量%のPETペレットに変更した。
(実施例4)
実施例1の中で、フイルム幅のリラックスを5%、緊張熱固定温度を215℃、PETペレットを極限粘度0.72dl/g,ジエチレングリコール量0.6重量%のPETペレットに変更した。
(実施例5)
実施例1の中で、緊張熱固定温度を230℃に変更した。更にスリッターにかけた製品ロールを巻き返して、酢酸エチル中を通してフイルム表面を洗浄、乾燥し巻き取った後、この製品ロールを実施例1にあるようにして、コロナ放電処理し、厚さ20nmの酸化アルミニウム膜を蒸着形成した。
(実施例6)
実施例1の中で粒径約1.5μmの二酸化珪素粒子を0.08重量%に変更し、酸化アルミニウム蒸着膜を変更し、コロナ放電処理後のフイルム表面に、3×10-5Torrの真空中で、10kwの電子ビーム加熱方式によってSiO及びSiO2を加熱蒸発させて、フイルムの片面に厚み20nmの酸化珪素膜を形成した。
(実施例7)
実施例1の中で粒径約1.5μmの二酸化珪素粒子を0.08重量%に変更し、酸化アルミニウム蒸着膜を変更し、コロナ放電処理後のフイルム表面に、10-4Torr以下の真空中で、10kwの電子ビーム加熱方式によってAl及びSiO2の3:7の混合物を加熱蒸発させて、フイルムの片面に厚み30nmの透明蒸着膜を形成した。
(比較例1)
実施例1の中で、緊張熱固定温度を240℃に変更した。
(比較例2)
実施例1の中で、PETペレットをジエチレングリコール量2.3重量%のPETペレットに変更した。
(比較例3)
実施例1の中で、緊張熱固定温度を180℃、PETペレットをジエチレングリコール量1.2重量%のPETペレットに変更した。
各実施例、比較例での測定・評価結果を表1に示す。
Figure 2006299078

Claims (8)

  1. 2軸配向ポリエステルフイルムであって、表面オリゴマー量が2.0mg/m以下であり、フイルムの融解サブピーク Tsが190〜235℃であり、フイルム中のジエチレングリコール量が2.0重量%以下である厚さ5〜100μmの透明蒸着用ポリエステルフイルム。
  2. 2軸配向ポリエステルフイルムであって、190℃,20分の熱収縮率が長さ方向で1.0〜6.0%、幅方向で0〜6.0%であることを特徴とする請求項1に記載の透明蒸着用ポリエステルフイルム。
  3. 2軸配向ポリエステルフイルムであって、蒸着側フイルム表面の中心線面粗さ(SRa)が2〜80nm、山数(SPc)が5〜130ヶ/0.1mmであることを特徴とする請求項1に記載の透明蒸着用ポリエステルフイルム。
  4. 2軸配向ポリエステルフイルムであって、蒸着側フイルム表面の濡れ張力が45mN/m以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明蒸着用ポリエステルフイルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の2軸配向ポリエステルフイルムの少なくとも片面に透明蒸着層を設けてなることを特徴とする透明蒸着ポリエステルフイルム。
  6. 請求項5に記載の透明蒸着層が酸化アルミニウムを用いてなる層であることを特徴とする透明蒸着ポリエステルフイルム。
  7. 請求項5に記載の透明蒸着層が酸化珪素を用いてなる層であることを特徴とする透明蒸着ポリエステルフイルム。
  8. 請求項5に記載の透明蒸着層が酸化アルミニウムと酸化珪素を用いてなる層であることを特徴とする透明蒸着ポリエステルフイルム。
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