JP2006298710A - 4層カーボンナノチューブの製造方法、4層カーボンナノチューブ含有組成物、電子放出材料および透明導電フィルム - Google Patents

4層カーボンナノチューブの製造方法、4層カーボンナノチューブ含有組成物、電子放出材料および透明導電フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】直線性の高い4層カーボンナノチューブを高収率で合成する。
【解決手段】触媒化学気相成長法を用いて平均直径が10nm以下の金属触媒と炭素含有化合物を特定の条件の下で600〜1000℃で接触させることにより、直線性の高い4層カーボンナノチューブを高収率で得ることが出来る。金属触媒に炭素含有化合物を接触させる工程の炭素含有化合物の分圧が3000Paより大きく10000Pa以下であることが好ましく、炭素含有化合物がブタノールであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、4層カーボンナノチューブの製造方法及び4層カーボンナノチューブ含有組成物に関し、さらに詳しくは、炭素含有化合物を平均直径10nm以下の金属触媒と600〜1000℃で接触させることに関する。また、本発明は、4層カーボンナノチューブ組成物および4層カーボンナノチューブ組成物を含有する電子放出材料や透明導電フィルムに関するものである。
カーボンナノチューブは、グラファイトの1枚面を巻いて筒状にした形状を有しており、1層に巻いたものを単層カーボンナノチューブ、2層に巻いたものを2層カーボンナノチューブ、3層に巻いたものを3層カーボンナノチューブ、4層に巻いたものを4層カーボンナノチューブ、と言い2層以上のカーボンナノチューブをまとめて多層カーボンナノチューブという。
カーボンナノチューブは、高い機械的強度、高い導電性を有することから、燃料電池やリチウム2次電池用負極材として、また、樹脂、金属、セラミックスや有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、透明導電フィルム、金属電解粉、熱伝導性セラミックス、電磁波シールド材の材料として期待されている。さらに、L/D(長さ/直径の比)が大きく、直径は数nmであることから、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、太陽電池素子、ナノピンセットの材料として期待されており、また、ナノサイズの空間を有することから、水素などの吸着材料、医療用ナノカプセル、MRI造影剤の材料として期待されている。いずれの用途の場合にも、高純度のカーボンナノチューブが要求されており、カーボンナノチューブとしては直径の細い単層から5層程度のカーボンナノチューブが有利であり、特に耐久性の点から、2層から4層カーボンナノチューブが有利である。また、グラファイト層の欠陥が少ない方が特性的に優れている。特に、金属やセラミックスとCNTの複合体を燃料電池やリチウム2次電池用負極材、放熱材料、および電子放出材料として用いることを期待されている。
カーボンナノチューブの製造方法として、アーク放電法やレーザー蒸発法、化学気相成長法などが知られており(非特許文献1参照)、なかでも、グラファイト層に欠陥の少ない高品質なカーボンナノチューブを安価に製造する方法として、触媒化学気相成長法が知られている(非特許文献2参照)。特に、原料にアルコールを用いることで直線性の高い単層カーボンナノチューブを高純度で合成できることが知られている(非特許文献3参照)。しかし、高い特性と2層や3層カーボンナノチューブ以上に高い耐久性を併せ持つ直線性の高い4層カーボンナノチューブは合成できなかった。
斉藤弥八、坂東俊治、カーボンナノチューブの基礎、株式会社コロナ社、p17、23、47 ケミカル・フィジックス・レターズ(Chemical Physics Letters)303(1999),117−124 ケミカル・フィジックス・レターズ(Chemical Physics Letters)360(2002),229−234 田中一義[編]、カーボンナノチューブ−ナノデバイスへの挑戦−、株式会社化学同人、p74−76
本発明は、上記のような事情に鑑みなされたものであり、触媒化学気相成長法における触媒に600〜1000℃で炭素含有化合物を接触させる4層カーボンナノチューブの製造方法及びその4層カーボンナノチューブを含む組成物の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明の4層カーボンナノチューブの製造方法は触媒化学気相成長法において、金属触媒と炭素含有化合物を600〜1000℃で接触させ、4層カーボンナノチューブを主成分とするカーボンナノチューブを製造する、4層カーボンナノチューブの製造方法である。
すなわち、本発明は以下の通りである。
<1>炭素含有化合物を平均直径10nm以下の金属触媒と600〜1000℃で接触させることにより、4層カーボンナノチューブを主成分とするカーボンナノチューブを製造することを特徴とする4層カーボンナノチューブの製造方法。
<2> 金属触媒が担体に担持されていることを特徴とする<1>記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<3>担体が、金属、酸化物、カーボンから選ばれる少なくとも一つである<2>に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<4>酸化物が、ゼオライト、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシアから選ばれる少なくとも一つである<3>に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<5>担体が、窒素吸着法による細孔分布測定で2〜10nmの領域に少なくとも一つ以上のピークを有する<2>から<4>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<6>担体が、空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下である<2>から<5>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<7>金属触媒が鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、マンガンから選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする<1>から<6>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<8>炭素含有化合物が、炭素数1から6の脂肪族炭化水素、および炭素数1から6のアルコールから選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする<1>から<7>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<9>金属触媒に炭素含有化合物を接触させる工程の炭素含有化合物の分圧が3000Paより大きく10000Pa以下であることを特徴とする<1>から<8>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<10>炭素含有化合物がブタノールである<1>から<9>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<11>金属触媒に炭素含有化合物を接触させる工程の圧力が20000Pa以下であることを特徴とする<1>から<10>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<12>4層カーボンナノチューブが、透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブ中、40本以上が4層カーボンナノチューブであることを特徴とする<1>から<11>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<13>4層カーボンナノチューブが、透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本の4層カーボンナノチューブ中、80本以上がその外径が2.5から5.7nmの範囲内にあることを特徴とする<1>から<12>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<14>4層カーボンナノチューブを合成する反応場に供給するガス中の水素濃度が100ppm以下であることを特徴とする<1>から<13>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<15>担体が基板の上に製膜されていることを特徴とする<2>から<14>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<16>4層カーボンナノチューブが、実質的に基板から垂直方向に配向成長していることを特徴とする<15>に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<17>炭素含有化合物と金属触媒を接触させる反応管において、反応管の上流側に設置した金属触媒で炭素含有化合物を改質し、反応管の下流側に設置した金属触媒で4層カーボンナノチューブを合成することを特徴とする<1>から<16>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<18>金属触媒の粒子直径の80%以上が3.0から5.2nmであることを特徴とする<1>から<17>のいずれかに記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
<19>下記(1)〜(4)の要件を満たす4層カーボンナノチューブ含有組成物。
(1) 透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブ中、40本以上が4層カーボンナノチューブであること。
(2) 透過型電子顕微鏡で任意に選択した4層カーボンナノチューブ中の屈曲部間距離の平均が100nm以上であること。
(3) 共鳴ラマン散乱測定により、1560〜1600cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1310〜1350cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたとき、G/Dの比が10以上であること。
(4) 元素分析による金属含有率が1重量%以下であること。
<20><19>に記載の4層カーボンナノチューブ含有組成物を含むことを特徴とする電子放出材料。
<21><19>に記載の4層カーボンナノチューブ含有組成物を含み、光透過率が85%以上、かつ表面抵抗が1000Ω/cm以下であることを特徴とする透明導電フィルム。
本発明によれば、純度が高く、かつ直径が細くて均一な4層カーボンナノチューブを効率よく合成することができる。また、本発明による4層カーボンナノチューブは、個々の4層カーボンナノチューブ中に屈曲構造を含みにくく、直線性に優れた4層カーボンナノチューブとすることができる。
本発明の4層カーボンナノチューブの製造方法は、炭素含有化合物を平均直径10nm以下の金属粒子からなる触媒と600〜1000℃で接触させることを特徴とする。ここで、金属触媒の種類は、特に限定されないが、3〜12族の金属、特に好ましくは、5〜11族の金属が用いられる。中でも、V,Mo,Mn,Fe,Co,Ni,Pd,Pt,Rh、W、Cu等が特に好ましく、さらに好ましくは、Fe,Co,Ni,Mo,Mnが用いられる。ここで金属とは、0価の状態とは限らない。反応中では0価の金属状態になっていると推定できるが、広く金属を含む化合物又は金属種という意味で解釈してよい。また金属は微粒子であることが好ましい。微粒子とは粒径が0.5〜10nmであることが好ましい。金属が微粒子であると細いカーボンナノチューブが生成しやすいので好ましい。
金属触媒は1種類だけを用いても、2種類以上を用いてもよいが、好ましくは、2種類以上を用いた方がよい。2種類の金属を用いる場合は、Fe,Co,Ni,Mo,Mnを含むことが特に好ましい。金属の種類とその役割は特に限定されるものではないが、例えば一つ以上の金属元素からなるグループが、炭化水素を改質しカーボンナノチューブを合成しやすくし、一つ以上の金属元素からなる他のグループが、カーボンナノチューブの合成に用いられる場合もある。
金属触媒は、担体に担持されていてもよいし、担持されていなくてもよい。すなわち、反応管内で10nm以下の粒子径を持ち自立して存在していてもよい。担体に担持しない場合は、ガス化しやすい金属錯体を原料に用いる方法が好んで用いられる。
一方、金属触媒を担体に担持する場合、金属触媒の担持方法は、特に限定されない。例えば、担持したい金属の塩を溶解させた非水溶液中(例えばエタノール溶液)又は水溶液中に、担体を含浸し、充分に分散混合した後、乾燥させ、窒素、水素、不活性ガスまたはその混合ガス又は真空中で高温(300〜600℃)で加熱することにより、酸化物に金属を担持させることができる(含浸法)。
金属担持量は、多いほどカーボンナノチューブの収量が上がるが、多すぎると金属の粒子径が大きくなり、生成するカーボンナノチューブが太くなる。金属担持量が少ないと、担持される金属の粒子径が小さくなり、細いカーボンナノチューブが得られるが、収率が低くなる傾向がある。最適な金属担持量は、担体の細孔容量や外表面積、担持方法によって異なるが、担体に対して0.1〜20重量%の金属を担持することが好ましい。2種類以上の金属を使用する場合、その比率は限定されない。
このようにして得られた金属を担持した担体に600〜1000℃で炭素含有化合物を接触させ、4層カーボンナノチューブ含有組成物を製造する。触媒と炭素含有化合物とを接触させる温度は、600〜1000℃であり、好ましくは700℃〜950℃の範囲がよい。温度が600℃よりも低いと、カーボンナノチューブの収率が悪くなり、また温度が1000℃よりも高いと、使用する反応器の材質に制約があると共に、カーボンナノチューブ同士の接合が始まり、カーボンナノチューブの形状のコントロールが困難になる。
金属触媒の平均粒子径の測定法は、例えば、カーボンナノチューブ合成後に生成物を電子顕微鏡で観察する方法がある。特に透過型電子顕微鏡を用いることで、nmオーダーの金属粒子の大きさを見積もることができる。本発明において、金属触媒の平均粒子径は、倍率200万倍の透過型電子顕微鏡において、任意に選んだ100個以上の金属粒子の直径を測定し、その平均そて求めた値である。この方法で求めた金属触媒の平均粒子系が10nm以下のものを使用する。
また、本発明の4層カーボンナノチューブの製造方法は金属触媒が担体に担持されていることが好ましい。ここで担体の種類は特に限定されるものではないが、金属、酸化物、カーボンが好んで用いられる。特に、ゼオライト、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア等の酸化物が好んで用いられ、各酸化物はメソポアを有するメソポーラス材料を形成していてもよい。ここでメソポーラス材料とは、2〜50nm程度の直径を有する細孔を持つ材料である。界面活性剤と無機物質の協奏的な自己組織化により合成される。メソポーラス材料は大きい比表面積と高い安定性など、触媒や吸着剤としての優れた基本物性を有する。この様な材料のメソポーラス細孔は、担体上でカーボンナノチューブを合成する際に金属担持する細孔として有用である。代表的物質としてメソポーラスシリカが挙げられる。メソポーラスシリカの結晶構造は特に限定されないが、例えば、モービル社が開発したヘキサゴナル構造をもつMCM−41、キュービック構造をもつMCM−48、層状すなわちラメラ構造をもつMCM−50があり、特に規則的な六角形の細孔が平行に配列したMCM−41構造が好んで用いられる。
また、ゼオライトとは、分子サイズの細孔径を有する結晶性無機酸化物からなるものである。ここに分子サイズとは、世の中に存在する分子のサイズの範囲であり、一般的には、0.2nmから2nm程度の範囲を意味する。さらに具体的には、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、あるいは結晶性メタロアルミノフォスフェート等で構成された結晶性マイクロポーラス物質のことである。
結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェートとしては、特に種類は制限されないが、例えば、アトラス オブ ゼオライト ストラクチュア タイプス(マイヤー、オルソン、バエロチャー、ゼオライツ、17(1/2)、1996)(Atlas of Zeolite Structure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlocher, Zeolites, 17(1/2),1996))に掲載されている構造をもつ結晶性無機多孔性物質が挙げられる。また、本発明におけるゼオライトは、本文献に掲載されているものに限定されるものではなく、近年次々と合成されている新規な構造を有するゼオライトも含む。好ましい構造は、入手が容易なFAU型、MFI型、MOR型、BEA型、LTL型、LTA型であるが、これに限定されない。
ゼオライトは、その骨格が4面体の中心にSi又はAlやチタン等のヘテロ原子(Si以外の原子)、4面体の頂点に酸素を有するシリケート構造を有している。従って、4価の金属がその4面体構造の中心に入るのが最も安定であり、耐熱性が期待できる。したがって、理論的にはAl等の3価の成分を実質的に含まないか、或いは少ないゼオライトが耐熱性が高い。これらの製造法としては、従来公知の水熱合成法などで直接合成するか、後処理で3価の金属を骨格から抜く方法が好んで用いられる。
本発明の製造方法で使用する担体の、ゼオライトに酸またはアルカリ処理を施して、メソポーラス細孔を形成してもよい。酸処理とは、酸化物を酸に接触させる処理であり、使用する酸は特に限定されないが、フッ化水素酸、硫酸、塩酸、硝酸またはこれら混合物が好ましい。
酸処理よる酸化物のメソポーラス細孔形成法は特に限定されない。例えば0.01〜1.00Mの酸の水溶液中に、1〜100gの酸化物を含浸し、0〜100℃で充分に攪拌して分散混合した後、水洗し、50〜200℃で乾燥することによりメソポーラス細孔を形成することができる。
またアルカリ処理とは、酸化物にアルカリを接触させて、メソポーラス細孔を形成する方法であり、いくつかのアルカリによる処理を挙げることができる。使用するアルカリは特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムまたはこれら混合物が好ましい。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
アルカリ処理による酸化物のメソポーラス細孔形成法は特に限定されない。例えば0.01〜1.00Mのアルカリの水溶液中に、1〜100gの酸化物を含浸し、0〜100℃で充分に攪拌して分散混合した後、水洗し、50〜200℃で乾燥することによりメソポーラス細孔を形成することができる。
また、担体材料がチタン、ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つをケイ素との原子比で0.01以上含むことが好ましい。担体にチタン、ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つを含むことで、担体上に担持された金属触媒と担体との相互作用で触媒活性を制御することができ、生成する4層カーボンナノチューブの物性を制御しやすい。ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つとケイ素との原子比は0.01以上が好ましい。この比率が0.01以下では担体の触媒活性に及ぼす影響が小さい。一方、この比率が0.1以上では逆に触媒活性を抑制する効果が働き、4層カーボンナノチューブの合成量が低減する。このため、ホウ素、ジルコニウムから選ばれる少なくとも一つとケイ素との原子比は0.01以上、0.1以下が好ましく用いられる。
また、本発明の4層カーボンナノユー部の製造方法は、担体が、窒素吸着法による細孔分布測定で2〜10nmの領域に少なくとも一つ以上のピークを有するものであることが好ましい。液体窒素温度での窒素の物理吸着から、本発明で用いる担体の比表面積および細孔分布を求めることができる。BET法として知られる手法を用い、減圧下に置いた担体に窒素を徐々に投入し、高真空から大気圧の窒素の吸着等温線をとり、大気圧まで到達したら徐々に窒素を減らしていき、窒素の脱着等温線をとるようにすればよい。
細孔径が2から10nmの領域の細孔径分布を求めるためには、通常脱着等温線を使用して計算する。細孔径分布を求める理論式としては、Dollimore−Heal法(以下、D−H法と略称)が知られている。本発明で定義する細孔径分布は窒素の脱着等温線からD−H法で求めたものであり、この2〜10nmの領域にピークを一つ以上有する。細孔分布測定で2〜10nmの領域に少なくとも一つ以上のピークを有することで、その担体がメソポアを有することを意味し、メソポア径に近い大きさの金属粒子を担持しやすいことを意味する。
また、一般に細孔径分布は、横軸に細孔直径(Dp)をとり、縦軸に細孔容積(Vp)を細孔直径(Dp)で微分した値ΔVp/ΔDpをとることで求められ、細孔容量はこのグラフの面積から求めることができる。また、細孔の深さの指標であるΔVp/ΔDpは特に限定されないが、好ましくは1000以上である。
また、本発明の4層カーボンナノチューブの製造方法は、担体が、空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下であることが好ましい。本発明で使用する担体が、空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下であるとは、乾燥空気の雰囲気中で800℃で30分間焼成した時、その焼成前後において室温で粉末X線回折(XRD)を行った時、その担体の任意の2本のピークを取り出して、そのピーク強度比の変化率が5%以下であることを言う。ピーク強度比は、測定サンプルの調製により、変化する場合があるので、測定に用いる量を一定にして測定を行う必要がある。
担体が、空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%であるということは、800℃での焼成において、実質的構造変化が実質的にないことを示しており、カーボンナノチューブの合成中に担体が変化しないので好ましい。
担体の焼成による実質的構造変化の有無は、窒素雰囲気中で5℃/分で昇温して800℃まで示差熱分析(DTA)を行ったとき、600〜800℃までに発熱ピークが現れるかどうかでも判断することができる。すなわち、600〜800℃の範囲に発熱ピークがないものは800℃まで実質上構造変化はないと判断できる。
600℃以降にDTA曲線が一度上に上がってから下に下がり、そのピークが800℃以前にある場合は、発熱ピークがあると判断する。ピークかどうか判断が付かない場合は、曲線の登りはじめと、下がりきったところを結んでベースラインとし、そのベースラインからの垂線と曲線が交わったところで一番長いところを選び、その長さがノイズの高さの5倍以上の長さがある場合をピークと判断する。また、その交点のところの温度を読みとり、発熱曲線のピークとする。
また、本発明の4層カーボンナノチューブの製造方法は、炭素含有化合物が、炭素数1から6の脂肪族炭化水素、および炭素数1から6のアルコールから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。これらの炭素含有化合物を使用することで、4層カーボンナノチューブの含有率を増加させることができる。
炭素数が1から6の脂肪族炭化水素としては、例えば、メタン若しくはエタン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、プロピン、ノルマルブタン、イソブタン、1−ブテン、2−ブテン、1−ブチン、2−ブチン、ブタジエン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−2−ブテン、シクロペンテン、ヘキサン、シクロヘキサン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセンが好んで用いられる。炭素数1から6のアルコールとして、例えばメタノール若しくはエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどが好んで用いられる。これらの中でも、特にメタン、エタン、エタノール、プロパノール、ブタノールが4層カーボンナノチューブ合成には好ましい炭素含有化合物である。
また、本発明の4層カーボンナノチューブの製造方法は、触媒に炭素含有化合物を接触させる工程の圧力が20000Pa以下であり、かつ炭素含有化合物の分圧は3000Paより大きく10000Pa以下であることが好ましい。圧力をこのように調整することで4層カーボンナノチューブの含有率を増加させることができる。触媒に炭素含有化合物を接触させる工程の圧力が10000Pa以上では、4層カーボンナノチューブの収率が著しく低下し、好ましくない。また、炭素含有化合物の分圧が3000Pa以下では4層カーボンナノチューブの収率が著しく低下し、10000Paより多いと5層以上の多層カーボンナノチューブの生成が促進されるため好ましくない。この炭素含有化合物の分圧、炭素含有化合物の触媒への吸着のしやすさ、炭素含有化合物の炭素数を変えることで、生成するカーボンナノチューブの層数を制御することができる。特に、炭素含有化合物としてブタノールを使用し、分圧3000Paより大きく10000Pa以下で用いることで4層カーボンナノチューブが生成しやすくなり、好ましい。
金属触媒と炭素含有化合物との接触のさせ方は、特に限定されない。例えば、管状炉に設置された石英製、アルミナ製等の耐熱性の反応管内に、上述した触媒を置き、減圧、加熱下に炭素含有化合物のガスを流すことにより達成することができる。触媒と炭素含有化合物の接触方法は、上記のような方法のほかに、触媒を噴霧する方法、触媒を攪拌しながら接触させる方法であってもよい。
本発明の製造方法により得られる4層カーボンナノチューブ含有組成物は、以下の要件を満たしていることが特徴である。
すなわち、透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブ中、40本以上が4層カーボンナノチューブである。その測定方法は、透過型電子顕微鏡で100万倍で観察し、150nm四方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボンナノチューブで、かつ複数の視野中から任意に抽出した100本のカーボンナノチューブ中の40本以上が4層カーボンナノチューブであることを、上記測定を10箇所について行った平均値で評価する。
また、本発明では、透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本の4層カーボンナノチューブ中、80本以上がその外径が2.5から5.7nmの範囲内にある。その測定方法は、透過型電子顕微鏡で100万倍で観察し、複数の視野中から任意に抽出した100本の4層カーボンナノチューブの外径を測定し、80本以上がその外径が2.5から5.7nmの範囲内にあり、上記測定を10箇所について行った平均値で評価する。
また、本発明では、4層カーボンナノチューブを合成するための反応場に供給するガス中の水素濃度が100ppm以下であることが好ましい。水素は触媒表面を清浄化する作用があるものの、同時に高温で触媒のシンタリングを促進する。例えば炭素原料にアルコールを用いた場合、アルコール自体に触媒を清浄化する作用があることから、水素添加はシンタリング効果のみが優先するため、好ましくない。
また、本発明は、金属触媒を担持する担体が基板の上に製膜されていることが好ましい。ここで、基板の種類は特に限定されるものではないが、担体材料を塗布する面は1mm以上あることが好ましく、1cm以上あることがさらに好ましい。その材質はガラス、石英ガラス、シリコン、金属、酸化物があげられる。基板上へのメソポーラス材料の製膜方法は特に限定されないが、例えば、粉末状に合成したメソポーラス材料を後からコーティングしてもよいし、基板上にその場合成してもよい。この製膜されたメソポーラス材料上に4層カーボンナノチューブを合成することで、4層カーボンナノチューブを含有する基板を得ることができる。
また、本発明の製造方法では、4層カーボンナノチューブが基板から実質的に垂直方向に配向成長していることが好ましい。基板から実質的に垂直方向に配向成長していることは、例えば、基板断面の電子顕微鏡写真から、任意に選んだ4層カーボンナノチューブの上端と下端を結んだ直線と基板表面とが形成する角度を10本以上について平均し、その結果が90°±10°であることを言う。配向成長することで、フィールドエミッションディスプレイや太陽電池として良好な電子放出特性を示すカーボンナノチューブを得ることができる。
また、本発明の製造方法は、反応管の上流側に設置した金属触媒で炭素含有化合物を改質し、反応管の下流側に設置した金属触媒で4層カーボンナノチューブを合成する方法が好ましい。上流側に設置する金属触媒の種類は、特に限定されないが、3〜12族の金属、特に好ましくは、5〜11族の金属が用いられる。中でも、V,Mo,Mn,Fe,Co,Ni,Pd,Pt,Rh、W、Cu等が特に好ましく、さらに好ましくは、Fe,Co,Ni,Mo,Mnが用いられる。
また、本発明は、下記(1)〜(4)の要件全てを満たしている4層カーボンナノチューブ含有組成物に関するものである。
(1) 透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブ中、40本以上が4層カーボンナノチューブであること。
(2) 透過型電子顕微鏡で任意に選択した4層カーボンナノチューブ中の屈曲部間距離の平均が100nm以上であること。
(3) 共鳴ラマン散乱測定により、1560〜1600cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1310〜1350cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたとき、G/Dの比が10以上であること。
(4) 元素分析による金属含有率が1重量%以下であること。
ここで、4層カーボンナノチューブ中の屈曲部とは、カーボンナノチューブのグラファイト構造中に炭素5員環と7員環が存在することによる屈曲を言い、高分解能透過型電子顕微鏡写真で図1の通りカーボンナノチューブが折れ曲がって観察される部分のことを言う。本発明にある4層カーボンナノチューブでは、高分解能透過型電子顕微鏡で選んだ任意の4層カーボンナノチューブについて屈曲部から屈曲部までの距離の平均を求め、それを10本以上の4層カーボンナノチューブについて平均した結果が、100nm以上である。屈曲部から屈曲部までの距離が長ければ長いほど、4層カーボンナノチューブの直線性は向上し、導電性、熱伝導性が高い4層カーボンナノチューブとなる。屈曲部間距離は長いほど好ましいため、300nm以上がより好ましく、500nm以上がさらに好ましく、1μm以上が最も好ましい。
また、本発明にある4層カーボンナノチューブ含有組成物は、ラマン分光法により評価が可能である。ラマンスペクトルにおいて1590cm−1付近に見られるラマンシフトはグラファイト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm−1付近に見られるラマンシフトはアモルファスカーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバンドと呼ばれる。このG/D比が高いほどグラファイト化度が高く、高品質なカーボンナノチューブを意味する。本発明にある4層カーボンナノチューブは、そのG/D比が10以上である。より好ましくは15以上、最も好ましくは20以上である。
また、本発明にある4層カーボンナノチューブ含有組成物は、元素分析による金属含有率が1重量%以下であることが好ましい。金属含有率が高いと、ポリマーへ添加する用途、および医療医薬用途において異物となり、人体へ悪影響を及ぼすことが懸念される。本発明にある4層カーボンナノチューブの合成法では、触媒金属は担体と4層カーボンナノチューブの界面に存在することから、後述の通りその界面で4層カーボンナノチューブを切断することで、容易に4層カーボンナノチューブと金属触媒を分離することができる。金属含有率は低いほど好ましく、より好ましくは0.5重量%以下、最も好ましくは0.1重量%以下である。
また本発明のカーボンナノチューブ含有組成物は、合成したままの状態で利用してもよく、好ましくは担体材料や触媒金属を除いて使用した方がよい。担体材料や触媒金属は、酸などで取り除くことができる。例えば、担体としてゼオライト、触媒金属としてコバルトを使った場合には、特願2003−126211に記述されたように、フッ化水素酸でゼオライトを、塩酸でコバルトを取り除くことができる。また、特願2004−047182に記述されたように、水酸化ナトリウム水溶液でもゼオライトを取り除くことができる。さらに、特願2003−331240に記述されたように、有機溶媒と水との2液を用いた分離方法で、ゼオライトおよびコバルトとカーボンナノチューブを分離して個別に回収することもできる。また、特願2003−126211に記述されたように、触媒金属の量を高度に取り除きたい場合には、焼成処理を行ってから酸で処理するとよい。それは、金属がグラファイトなどの炭素化合物で覆われているため、一度触媒周りの炭素を焼きとばしてから酸処理すれば、金属を効率よく除去することができるからである。
本発明の4層カーボンナノチューブ含有組成物は、電子放出材料として有用である。例えば、本発明のカーボンナノチューブ含有組成物をフィールドエミッションの電子源に用いた場合、直径が細く、電荷の集中が起こりやすいので、印加電圧を低く抑えることができる。また、長時間電圧を印加しても単層から3層カーボンナノチューブに比べ大幅に寿命が長いことが特徴である。
また、本発明は、4層カーボンナノチューブ含有組成物を含み、光透過率が85%以上、かつ表面抵抗が1000Ω/cm以下である透明導電フィルムに関するものである。
直径が細いことで光透過の阻害が少なく、かつ、4層カーボンナノチューブは単層から3層カーボンナノチューブに比べて直径が太いため、金属的な電気伝導性を示すカーボンナノチューブの含有率が高く、導電性を求められる用途に有利である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、下記の実施例は例示のために示すものであって、いかなる意味においても、本発明を限定的に解釈するものとして使用してはならない。
<実施例1>
内径32mmの石英管内を真空引きし、875℃で10Pa以下になったことを確認後に、フェロセン800Pa、メタンを3500Pa、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が10000Paになるようにガスを調製し、20分間導入した。メタンの導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られた4層カーボンナノチューブを含有する組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が4層のカーボンナノチューブが50%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.2nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約550nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。ラマンG/D比は約16であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.06%であった。
<実施例2>
(MCM−41の合成)
セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB:アルドリッチ製)3.64gと、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH:アルドリッチ製)1.45gを35℃のイオン交換水28.8mlに加えた後に、ヒュームドシリカ(アルドリッチ製)2.4gを加え1時間撹拌した。20時間エージング後に、オートクレーブに移し、150℃で96時間、水熱合成した。水熱合成後に生成物をろ取、洗浄後に550℃で8時間焼成後に、800℃で1時間焼成した。
(MCM−41への金属塩の担持)
硝酸鉄・9水和物(関東化学社製)0.03gと硝酸コバルト・6水和物(関東化学社製)0.17gとをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、MCM−41を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、MCM−41粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
(4層カーボンナノチューブを含有する組成物の合成)
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を960℃に加熱した(昇温時間60分)。960℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、エタノール蒸気を5000Pa、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が15000Paになるようにガスを調製し、20分間導入した。エタノール蒸気の導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
(4層カーボンナノチューブを含有する組成物の高分解能透過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、図2のようにカーボンナノチューブはきれいなグラファイト層で構成されており、層数が4層のカーボンナノチューブが55%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.3nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約750nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。また、金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。
(4層カーボンナノチューブを含有する組成物の共鳴ラマン分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン製 INF−300)でレーザー波長630〜650cm−1で測定してG/D比を求めた結果、約17であり、Gバンドは分裂して観測された。
(精製・元素分析)
上記のようにして得たカーボンナノチューブを含有する組成物を、空気中400℃で30分間焼成した後に、トルエン50cc(和光純薬製)に加え、40分間超音波振動を加えた。次に、イオン交換水50ccを加え、10分間、激しく攪拌した。黒色のトルエン相と灰色の水相を分液漏斗で分け、トルエン相をろ過した。トルエン相はカーボンナノチューブを主成分とし、水相はMCM−41,触媒金属を主成分とすることを、SEMおよびEDX(オックスフォード社製ISIS)で確認した。トルエン相から回収されたカーボンナノチューブ組成物のEDX元素分析の結果、鉄の含有量は0.02%、コバルトの含有量は0.1%であった。
<実施例3>
硝酸コバルト・6水和物(関東化学社製)0.17gをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、ゼオライト(東レ株式会社製、ボロシリケート)を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、ゼオライト粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を930℃に加熱した(昇温時間60分)。930℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、プロパノール蒸気を10000Pa、20分間導入した。プロパノール蒸気の導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られた4層カーボンナノチューブを含有する組成物を、高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が4層のカーボンナノチューブが50%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.3nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約600nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。また、金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。ラマンG/D比は約15であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.03%であった。
<実施例4>
硝酸ニッケル・6水和物(和光純薬社製)0.17gをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、α−アルミナ(和光純薬社製)を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、α−アルミナ粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を775℃に加熱した(昇温時間60分)。775℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、エタンを5000Pa、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が15000Paになるようにガスを調製し20分間導入した。エタンの導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られた4層カーボンナノチューブを含有する組成物を、高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が4層のカーボンナノチューブが45%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.1nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約510nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。また、金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。ラマンG/D比は約11であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.01%であった。
<実施例5>
硝酸鉄・9水和物(関東化学社製)0.3gをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、マグネシア(和光純薬社製)を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、マグネシア粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を980℃に加熱した(昇温時間60分)。980℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、メタンを4000Pa、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が12000Paになるようにガスを調製し20分間導入した。メタンの導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られた4層カーボンナノチューブを含有する組成物を、高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が4層のカーボンナノチューブが55%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.4nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約700nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。また、金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。ラマンG/D比は約17であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.08%であった。
<実施例6>
硝酸鉄・9水和物(関東化学社製)0.3gと塩化モリブデン(和光純薬社製)0.16gをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、チタニア(和光純薬社製)を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、チタニア粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を830℃に加熱した(昇温時間60分)。830℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、プロパンを5000Pa、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が15000Paになるようにガスを調製し20分間導入した。プロパンの導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られた4層カーボンナノチューブを含有する組成物を、高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が4層のカーボンナノチューブが50%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.2nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約650nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。また、金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。ラマンG/D比は約13であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.07%であった。
<実施例7>
硝酸マンガン・6水和物(和光純薬社製)0.17gをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、活性炭(和光純薬社製)を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、活性炭粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を6580℃に加熱した(昇温時間60分)。680℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、アセチレンを5000Pa、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が15000Paになるようにガスを調製し20分間導入した。アセチレンの導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られた4層カーボンナノチューブを含有する組成物を、高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が4層のカーボンナノチューブが45%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.0nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約520nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。また、金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。ラマンG/D比は約11であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.02%であった。
<実施例8>
硝酸ニッケル・6水和物(和光純薬社製)0.17gと硝酸コバルト・6水和物(和光純薬社製)0.17gをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、多孔質ステンレス鋼を3.0g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、ステンレス鋼粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を720℃に加熱した(昇温時間60分)。720℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、1−ブタノールを5000Pa、、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が15000Paになるようにガスを調製し20分間導入した。1−ブタノールの導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られた4層カーボンナノチューブを含有する組成物を、高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が4層のカーボンナノチューブが45%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.1nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約550nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。また、金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。ラマンG/D比は約13であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.08%であった。
<実施例9>
硝酸鉄・9水和物(関東化学社製)0.3gをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、マグネシア(和光純薬社製)を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、マグネシア粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
これとは別に、塩化モリブデン(和光純薬社製)0.16gをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解し、この溶液に、α−アルミナ(和光純薬社製)を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、α−アルミナ粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
内径32mmの石英管の反応ガス上流側の石英ウール上にモリブデン/α−アルミナ触媒を1.0gとり、中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を930℃に加熱した(昇温時間60分)。930℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、メタンを3500Pa、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が10000Paになるようにガスを調製し20分間導入した。メタンの導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、4層カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られた4層カーボンナノチューブを含有する組成物を、高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が4層のカーボンナノチューブが60%であった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。4層カーボンナノチューブの外径は、平均は3.3nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約700nmであった。末端部分の構造は、観察された4層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。また、金属触媒の粒子径の80%以上が3.0から5.2nmであった。ラマンG/D比は約15であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.08%であった。
<比較例1>
硝酸鉄・9水和物(関東化学社製)0.03gと硝酸コバルト・6水和物(関東化学社製)0.17gとをエタノール(関東化学社製)15mlに溶解した。この溶液に、ゼオライト(東レ株式会社製チタノシリケート)を1.4g加え、超音波洗浄機で30分間処理し、60℃及び120℃の恒温下でエタノールを除去して乾燥した。その後空気中、400℃で1時間加熱し、ゼオライト粉末に金属塩が担持された固体触媒を得た。
内径32mmの石英管の中央部の石英ウール上に、上記で調製した固体触媒1.0gをとり、アルゴンガスを600cc/分で供給した。石英管を電気炉中に設置して、中心温度を800℃に加熱した(昇温時間60分)。800℃に到達した後、反応管内を真空引きし、10Pa以下になったことを確認後に、アセチレンを2000Pa、高純度アルゴンガス(高圧ガス工業製)との全圧が100000Paになるようにガスを調製し、20分間導入した。アセチレンの導入を止めた後に、アルゴンガスのみを5cc/分で30分供給し、温度を室温まで冷却し、カーボンナノチューブを含有する組成物を取り出した。
得られたカーボンナノチューブを含有する組成物を、高分解能透過型電子顕微鏡で観察したところ、層数が2層のカーボンナノチューブが60%で、4層カーボンナノチューブは見られなかった。カーボンナノチューブ以外の炭素不純物(フラーレン、ナノパーティクル、アモルファスカーボン等)はほとんど観察されなかった。2層カーボンナノチューブの外径は、平均は1.5nmであった。また、屈曲間距離の平均は、約100nmであった。末端部分の構造は、観察された2層カーボンナノチューブの90%以上が開放端であった。ラマンG/D比は約6であった。精製後のEDX元素分析の結果、金属触媒含有量は0.06%であった。
以上の実施例および比較例の製造条件と評価結果を表1に示す。
Figure 2006298710
<実施例10>
(4層カーボンナノチューブを含む組成物の電子放出特性)
実施例2で得られた4層カーボンナノチューブ組成物を1−プロパノールに分散し、直径10mmφのステンレス基板上にスプレー塗布した。該基板を、エミッションプロファイラ(東京カソード製)のチャンバー内に設置し、チャンバー内を10−7Paまで真空引きした。カーボンナノチューブを塗布した基板をカソードとし、アノードを対向して設置し、カソード/アノード間距離を100μmに設定した。両電極間に電圧を印加した結果、145V印加時にエミッションに起因する電流値が観察されはじめ、290V印加時に電流値が1000μA/cmに達した。
<実施例11>
(4層カーボンナノチューブを含む透明導電フィルム)
実施例2で得られた4層カーボンナノチューブ組成物10mgをイオン交換水に加え、次いでドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30mgを添加し、超音波振動を30分間加えたところ、黒色の懸濁液が得られた。これをPETフィルム(10cm)に数滴滴下し、バーコーター(No.8)で塗布した。水を乾燥させた後、光透過率と表面抵抗を測定した。上記塗布操作を数回繰り返し、光透過率が85%以上を維持したときの表面抵抗を測定した結果、560Ω/cmであった。
本発明によれば、直線性の高い4層カーボンナノチューブを高収率で合成することができる。
カーボンナノチューブの屈曲部の高分解能透過型電子顕微鏡写真図である。 実施例2で得られた4層カーボンナノチューブ含有組成物の高分解能透過型電子顕微鏡写真図である。

Claims (21)

  1. 炭素含有化合物を平均直径10nm以下の金属触媒と600〜1000℃で接触させることにより、4層カーボンナノチューブを主成分とするカーボンナノチューブを製造することを特徴とする4層カーボンナノチューブの製造方法。
  2. 金属触媒が担体に担持されていることを特徴とする請求項1記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 担体が、金属、酸化物、カーボンから選ばれる少なくとも一つである請求項2に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 酸化物が、ゼオライト、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシアから選ばれる少なくとも一つである請求項3に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  5. 担体が、窒素吸着法による細孔分布測定で2〜10nmの領域に少なくとも一つ以上のピークを有する請求項2から4のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  6. 担体が、空気中800℃焼成前後のX線回折においてピーク強度の変化率が5%以下である請求項2から5のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  7. 金属触媒が鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、マンガンから選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  8. 炭素含有化合物が、炭素数1から6の脂肪族炭化水素、および炭素数1から6のアルコールから選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  9. 金属触媒に炭素含有化合物を接触させる工程の炭素含有化合物の分圧が3000Paより大きく10000Pa以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  10. 炭素含有化合物がブタノールである請求項1から9のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  11. 金属触媒に炭素含有化合物を接触させる工程の圧力が20000Pa以下であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  12. 4層カーボンナノチューブが、透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブ中、40本以上が4層カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  13. 4層カーボンナノチューブが、透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本の4層カーボンナノチューブ中、80本以上がその外径が2.5から5.7nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  14. 4層カーボンナノチューブを合成する反応場に供給するガス中の水素濃度が100ppm以下であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  15. 担体が基板の上に製膜されていることを特徴とする請求項2から14のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  16. 4層カーボンナノチューブが、実質的に基板から垂直方向に配向成長していることを特徴とする請求項15に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  17. 炭素含有化合物と金属触媒を接触させる反応管において、反応管の上流側に設置した金属触媒で炭素含有化合物を改質し、反応管の下流側に設置した金属触媒で4層カーボンナノチューブを合成することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  18. 金属触媒の粒子直径の80%以上が3.0から5.2nmであることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の4層カーボンナノチューブの製造方法。
  19. 下記(1)〜(4)の要件を満たす4層カーボンナノチューブ含有組成物。
    (1) 透過型電子顕微鏡で任意に選択した100本のカーボンナノチューブ中、40本以上が4層カーボンナノチューブであること。
    (2) 透過型電子顕微鏡で任意に選択した4層カーボンナノチューブ中の屈曲部間距離の平均が100nm以上であること。
    (3) 共鳴ラマン散乱測定により、1560〜1600cm−1の範囲内で最大のピーク強度をG、1310〜1350cm−1の範囲内で最大のピーク強度をDとしたとき、G/Dの比が10以上であること。
    (4) 元素分析による金属含有率が1重量%以下であること。
  20. 請求項19に記載の4層カーボンナノチューブ含有組成物を含むことを特徴とする電子放出材料。
  21. 請求項19に記載の4層カーボンナノチューブ含有組成物を含み、光透過率が85%以上、かつ表面抵抗が1000Ω/cm以下であることを特徴とする透明導電フィルム。
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