JP2006297315A - 消毒剤注入方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 処理対象水の水量および水質の変動に対して消毒剤の注入量を適宜に制御することができる消毒剤注入方法および装置を提供する。
【解決手段】 沈砂池51に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入するに際し、濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則を予め設定し、沈砂池51流入する流入水中の濁度を濁度計75で測定し、濁度計75の測定値を指標として濁度指標注入率定則により求めた濁度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、消毒剤注入方法および装置に関し、下水処理場、ポンプ場、雨水吐き室等の消毒を必要とする排水処理施設において流入水を消毒する技術に係るものである。
合流式下水道は汚水と雨水を同一管渠で下水処理場へ移送できる下水道として、大都市を中心として普及している。しかし、雨天時には大量の下水が下水処理場へ流れ込むために、未処理下水が簡易放流(沈殿処理後放流)もしくは直接放流され、公共用水域の水質汚濁を引き起こしている。
下水処理場で一般的に使用されている次亜塩素酸ナトリウムは、反応時間が15分程度必要である。このため、大水量の合流下水に対しては、消毒時間が不足し、注入率も非常に高くなる。
以下に、従来の消毒剤の供給方法を例示する。図6に示すものは、雨天時の未処理下水や下水処理場での直接放流水および簡易処理水の消毒処理を対象とした技術である。
この構成においては、沈砂地などの処理槽1に流入する流入水2に対し、消毒剤注入装置3から消毒剤として次亜塩素酸ナトリウムを添加し、処理槽1から出る処理水4の残留ハロゲン濃度を残留ハロゲン計5で測定し、測定値が所定の濃度以下になる場合には紫外線照射装置6により処理水4に紫外線を照射して追加的に消毒処理を行っている。
この構成は、ある程度の水質および水量変動に対応することはできるものの、経験的に注入量を決定しているので、初期に投入する消毒剤の注入量を水質および水量変動に応じて変化させることは意図されておらず、急激な水量水質の変動には十分に対応できない。
図7に示すものは、沈砂地などの処理槽1に流入する流入水2の流入水量、大腸菌群数、有機物濃度、水温のそれぞれを流量計11、大腸菌センサー12、COD(有機物)計13、水温計14で測定し、測定値に基づいて消毒剤注入装置3から供給する消毒剤量を決定しており、処理槽1から出る処理水4の大腸菌群数を処理後大腸菌センサー15によって測定し、処理水4の大腸菌群数が所定値以上になる場合には消毒剤量を増加させるものである。
この構成においては、大腸菌センサー12の応答時間が遅いために、雨天時に大量の下水が流入して水質が大きく変動し、消毒剤の必要も経時的に著しく増減する場合には十分に対応できず、また消毒剤が不足する状態は処理後大腸菌センサー15の測定値で判断できるが、消毒剤が過剰である状態は検知できない。
図8に示すものは、紫外線消毒槽21に流入する流入水2の流入水量、水質をそれぞれ流量計11、水質センサー22で測定し、測定した流入条件にしたがって紫外線消毒槽21において紫外線消毒を行っている。先行技術文献としては特許文献1〜3がある。
特開2002−320973号公報 特開2003−10857号公報 特開2004−49953号公報
上記した構成において、消毒剤として用いるのは、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、臭素系消毒剤などの酸化剤であり、処理対象水中の大腸菌やウィルスを不活性化するとともに対象水中の有機物など還元性の物質を酸化する。したがって、処理対象水中に含まれる還元性物質量が多い場合には同じ処理水量であっても、より多くの消毒剤の注入を行う必要がある。
このため、消毒剤の注入量は対象とする水量とその水質並びに目標とする処理水質とによって異なる。しかし、雨天時に消毒を必要とする下水処理場、ポンプ場などの施設では、時間の経過とともに、処理すべき水量と還元性物資量が大きく変動し、消毒剤の必要量も経時的に著しく増減するために、変動する水量および水質に応じて消毒に必要な消毒剤の注入量を適切に制御することは、上述したように、現状においては非常に困難である。
例えば、経験的に消毒剤の注入量を変更する方法では、降雨ごとに異なる水質に対して適切に対応することは困難であり、過剰もしくは過少な消毒剤注入率となることは避けられない。
また、処理水中の消毒剤残留濃度(残留ハロゲン濃度等)を計測し、測定値が所定の濃度以下になる場合に紫外線による消毒処理を行なう方法では、消毒剤注入装置の他に紫外線照射装置を必要とするために設備導入費用が大きくなる。さらに、消毒剤の注入量そのものを制御する方法ではないために、変動幅の大きい水質および水量の変化には対応することが困難である。
また、上述したように、処理対象水中の還元性物質量を推定し得る指標としてCODなどの有機物濃度、あるいは酸化還元電位(ORP)を採用し、これらの指標から処理対象水に注入すべき消毒剤量を連続的に計算して投入する方法では、必ずしも安定した消毒処理を提供し得ない。
これは、水量および水質が短時間で著しく変動する状況では、COD計等のセンサーの即応性(感度)が不十分であることや、高濁度時にCOD計の測定値の誤差が大きくなることに起因する。また、消毒剤は消毒作用以外にも他の反応において消費されるために、測定する指標が厳密には消毒に必要な消毒剤量に比例するものではないためである。
本発明は上記した課題を解決するものであり、処理対象水の水量および水質の変動に対して消毒剤の注入量を適宜に制御することができる消毒剤注入方法および装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の消毒剤注入方法は、処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入するに際し、濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則を予め設定し、処理槽に流入する流入水中の濁度を濁度測定手段で測定し、濁度測定手段の測定値を指標として濁度指標注入率定則により求めた濁度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入するものである。
上記した構成において、濁度指標注入率定則は濁度を指標として消毒剤の注入率を増減調整するものである。したがって、処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入するに際して、雨天時のファーストフラッシュのような水量および水質が短時間で著しく急激に変動する場合にあっても、濁度を指標とする濁度指標注入率定則に基づいて注入率設定値を決定して消毒剤を注入することにより、急激な水質の変動に追従して消毒剤の注入率設定値を適値に調整することができる。
本発明の消毒剤注入方法は、処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入するに際し、濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則と、還元性物質の濃度を指標として消毒剤の濃度指標注入率を定める濃度指標注入率定則とを予め設定し、処理槽に流入する流入水中の濁度を濁度測定手段で測定するとともに、還元性物質の濃度を濃度測定手段で測定し、濁度測定手段の測定値を指標として濁度指標注入率定則により濁度指標注入率を求め、濃度測定手段の測定値を指標として濃度指標注入率定則により濃度指標注入率を求め、濁度指標注入率と濃度指標注入率とを比較し、比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入するものである。
上記した構成において、濁度指標注入率定則は濁度を指標として消毒剤の注入率を増減調整するものであり、濃度指標注入率定則は還元性物質の濃度を指標として消毒剤の注入率を増減調整するものである。
濁度測定手段をなす濁度計で測定する測定値は高濁度側において精度が高く、低濁度側において精度が低くなるので、濁度指標注入率定則で定める濁度指標注入率は、高濁度側で実際に必要な消毒剤の必要注入率に即したものとなり、低濁度側で誤差を含むものとなる。
濃度測定手段をなすCODもしくはORPで測定する測定値は還元性物質濃度の高濃度側において精度が低く、低濃度側において精度が高くなるので、濃度指標注入率定則で定める濃度指標注入率は、実際に必要な消毒剤の必要注入率に対して高濃度側で誤差を含むものとなり、低濃度側で実際に必要な消毒剤の必要注入率に即したものとなる。
したがって、処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入するに際して、雨天時のファーストフラッシュのような水量および水質が短時間で著しく急激に変動し、流入水の濁度が高濁度域にある場合には、濁度を指標とする濁度指標注入率定則に基づいて注入率設定値を決定して消毒剤を注入することにより、急激な水質の変動に追従して消毒剤の注入率設定値を適値に調整することができる。
そして、ファーストフラッシュ時の水量および水質の急激な変動期を経て流入水の濁度が低濁度域にある場合には、還元性物質の濃度を指標とする濃度指標注入率定則に基づいて注入率設定値を決定して消毒剤を注入することにより、緩やかな水質の変動に追従して消毒剤の注入率設定値を適値に調整することができる。
この高濁度域と低濁度域の境界は定量的に決定することは困難であるが、濁度測定手段の測定値に基づく濁度指標注入率と、濃度測定手段の測定値に基づく濃度指標注入率とを定期的もしくは連続的に比較し、その比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を採用することにより、流入水の濁度が高濁度域にあるか低濁度域にあるかに拘らず、処理槽に流入する流入水を消毒するのに必要な消毒剤量を適切に注入することができる。
本発明の消毒剤注入方法は、処理槽から流出する処理水に残留する消毒剤成分の残留濃度を残留濃度測定手段で測定し、残留濃度測定手段の測定値が予め定めた残留濃度の上限値以上である場合は注入率設定値を所定量減少させ、残留濃度測定手段の測定値が予め定めた残留濃度の下限値以下である場合は注入率設定値を所定量増加させるものである。
上記した構成により、処理水中に消毒剤である次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素等の消毒剤成分がある程度に残留することが消毒が十分に行われた証となり、残留する消毒剤成分の残留濃度が適値の濃度範囲を維持するように運転する。このため、残留濃度測定手段をなす残留二酸化塩素濃度計、もしくは残留塩素計により、二酸化塩素もしくは塩素の残留濃度を測定する。そして、流入水の濁度や還元性物質の濃度、つまり流入条件に基づいて設定した注入率設定値を、残留濃度測定手段で測定する測定値に基づいて補正することにより、過剰あるいは過少な消毒剤注入を防止することができる。
本発明の消毒剤注入装置は、処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入する消毒剤注入装置と、消毒剤注入装置の消毒剤注入量を制御する注入量制御装置と、処理槽に流入する流入水中の濁度を測定する濁度測定手段とを備え、注入量制御装置は、濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則を予め設定してなり、濁度測定手段の測定値を指標として濁度指標注入率定則により求めた濁度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入するものである。
本発明の消毒剤注入装置は、還元性物質の濃度を測定する濃度測定手段を備え、注入量制御装置は、還元性物質の濃度を指標として消毒剤の濃度指標注入率を定める濃度指標注入率定則を予め設定してなり、濁度測定手段の測定値を指標として濁度指標注入率定則により濁度指標注入率を求め、濃度測定手段の測定値を指標として濃度指標注入率定則により濃度指標注入率を求め、濁度指標注入率と濃度指標注入率とを比較し、比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入するものである。
本発明の消毒剤注入装置は、処理槽から流出する処理水に残留する消毒剤成分の残留濃度を測定する残留濃度測定手段を備え、注入量制御装置は、残留濃度の上限値および下限値を予め設定してなり、残留濃度測定手段の測定値が予め定めた残留濃度の上限値以上である場合は注入率設定値を所定量減少させ、残留濃度測定手段の測定値が予め定めた残留濃度の下限値以下である場合は注入率設定値を所定量増加させるものである。
以上のように本発明によれば、流入水の水量、水質が短時間で著しく変動しても、安定した消毒処理を行うことが可能となる。また、過剰な消毒剤の注入を抑制することで処理費用を低減できる。消毒剤の種類によっては、トリハロメタンなど消毒副生成物の生成による処理水の放流先水域の生態系へ影響が懸念されるが、過剰な注入を抑制することが可能な本発明は環境への負荷低減に貢献する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。はじめに、本発明の基本となる消毒システムを説明する。これは、処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入するものであり、予め濁度を指標とする濁度指標注入率定則を設定し、この濁度指標注入率定則に基づいて、処理槽に流入する流入水中の濁度を指標として求めた濁度指標注入率を注入率設定値とするものである。
以下に詳しく説明する。図3に示すように、二酸化塩素消毒システムは、処理槽をなす沈砂池51に、二酸化塩素発生装置52、薬品貯蔵設備53、希釈水供給設備54を備えたものである。二酸化塩素発生装置52は、亜塩素酸ナトリウムと塩酸を原料として、二酸化塩素を発生させる二液混合型発生装置である。
薬品貯蔵設備53は、亜塩素酸ナトリウム貯留タンク55と塩酸貯留タンク56からなり、塩酸貯留タンク56には薬剤補充時に発生するミスト対策としてスクラバー設備57を付帯している。
希釈水供給設備54は、希釈水ポンプ58とストレーナ59からなり、沈砂地51から流入水(合流下水)を希釈水ポンプ58にて取水後、ストレーナ59によって夾雑物を取り除き、二酸化塩素発生装置52に供給する。
上記した構成により、薬品貯蔵設備53の亜塩素酸ナトリウム貯留タンク55と塩酸貯留タンク56から亜塩素酸ナトリウムと塩酸を二酸化塩素発生装置52へ供給し、希釈水供給設備54から希釈水を二酸化塩素発生装置52へ供給して、二酸化塩素発生装置52で二酸化塩素を生成する。この二酸化塩素発生装置52では、亜塩素酸ナトリウム、塩酸、希釈水の各量を調整することにより、高濃度の二酸化塩素を少量から大量まで効率よく発生させることができる。
二酸化塩素発生装置52で生成した二酸化塩素は沈砂地51に流入する流入水に設定値の注入率で注入する。このため、予め経験則により濁度を指標とする消毒剤の濁度指標注入率を濁度指標注入率定則として設定する。
そして、実際の注入時には、合流下水中の濁度を濁度計等の濁度測定手段(図示省略)で測定し、測定した濁度を指標として濁度指標注入率定則に基づいて濁度指標注入率を求め、求めた濁度指標注入率を設定値とする。
図4および図5は実証実験において濁度による注入率制御を行った結果を示すものである。図4に示すように、濁度は実験開始から経時的に低下し、この濁度の低下に伴って注入率を段階的に低減した。
この結果、図5に示すように、原水中の大腸菌群数は経時的に、つまり図4を参照すると濁度の低下に伴って低下する傾向を示し、注入率を段階的に低減しても処理水中の大腸菌群数は目標値の3000個/cm以下を達成できた。
この実証実験による濁度による二酸化塩素注入率の必要注入率の設定例を表1に示す
Figure 2006297315
したがって、上記した構成により、高濃度の二酸化塩素を少量から大量まで効率よく発生させる二酸化塩素発生装置と、濁度を指標として大腸菌群数の負荷変動に応じた注入量制御を組み合わせることにより、ファーストフラッシュのような負荷変動に対応することができる。
次に、本発明の他の実施の形態を示す。これは、予め設定した濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則と、還元性物質の濃度を指標として消毒剤の濃度指標注入率を定める濃度指標注入率定則とに基づいて、濁度を指標として濁度指標注入率を求め、濃度を指標として濃度指標注入率を求め、濁度指標注入率と濃度指標注入率との比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を注入率設定値とするものである。
また、処理槽から流出する処理水に残留する消毒剤成分の残留濃度が上限値以上である場合は注入率設定値を所定量減少させ、残留濃度が下限値以下である場合は注入率設定値を所定量増加させるものである。
図1および図2において、消毒剤注入装置71は、先に図3において説明した二酸化塩素発生装置52、薬品貯蔵設備53、希釈水供給設備54からなり、消毒剤注入装置71の注入量を制御するために注入量制御装置72を設けている。
沈砂池51に連通する流入水の流入系73には、沈砂池51に流入する流入水量を測定する流量計74と、流入水中の濁度を測定する濁度測定手段をなす濁度計75と、流入水中の有機物等の還元性物質の濃度を測定する濃度測定手段をなすCOD計(もしくはORP計)76と、残留濃度測定手段をなす残留二酸化塩素計(もしくは残留塩素計)77とを備え、残留二酸化塩素計(もしくは残留塩素計)77は沈砂池51から流出する処理水に残留する消毒剤成分(二酸化塩素もしくは塩素)の残留濃度を測定する。
注入量制御装置72には、濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則と、還元性物質の濃度を指標として消毒剤の濃度指標注入率を定める濃度指標注入率定則と、残留濃度の上限値および下限値とを予め設定している。
濁度指標注入率定則は濁度を指標として消毒剤の注入率を増減調整するものであり、濃度指標注入率定則は還元性物質の濃度を指標として消毒剤の注入率を増減調整するものであり、予め実証試験等により経験則として求める。
図2(a)は、濁度指標注入率定則を例示するものであり、十分な消毒効果、例えば処理水中の大腸菌群数を3000個/cm以下とするのに必要な消毒剤の注入率、ここでは二酸化塩素最適注入率と濁度の関係を示している。
図2(b)は、CODを指標とする濃度指標注入率定則を例示するものであり、十分な消毒効果、例えば処理水中の大腸菌群数を3000個/cm以下とするのに必要な消毒剤の注入率、ここでは二酸化塩素最適注入率とCODの関係を示している。
また、図2(c)は、酸化還元電位を指標とする濃度指標注入率定則を例示するものであり、十分な消毒効果、例えば処理水中の大腸菌群数を3000個/cm以下とするのに必要な消毒剤の注入率、ここでは二酸化塩素最適注入率とORPの関係を示している。
以下、上記した構成における作用を説明する。流入系73から沈砂池51に流入する流入水中の流量、濁度、還元性物質の濃度、消毒剤の残留濃度を、それぞれ流量計74、濁度計75、COD計(もしくはORP計)76、残留二酸化塩素計(もしくは残留塩素計)77によって連続的に測定する。
注入量制御装置72は、消毒剤量を段階的にあるいは連続的に増減調整する。ここでは段階的な調整について説明する。注入量制御装置72は、消毒剤量の設定に際してその都度各測定値をサンプリングし、濁度計75の測定値を指標として濁度指標注入率定則により濁度指標注入率を求め、COD計(もしくはORP計)76の測定値を指標として濃度指標注入率定則により濃度指標注入率を求め、濁度指標注入率と濃度指標注入率とを比較し、比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を注入率設定値とし、流量計74の測定値である流量に注入率設定値を乗算して単位時間当たりに流入水に注入する消毒剤量を決定し、消毒剤注入装置71を制御して消毒剤を注入する。上述した操作において各測定値のサンプリング期間を短くすることで連続的に消毒剤量を増減調整することが可能となる。
ところで、濁度計75の測定値は高濁度側において精度が高く、低濁度側において精度が低くなるので、濁度指標注入率定則で定める濁度指標注入率は、高濁度側で実際に必要な消毒剤の必要注入率に即したものとなり、低濁度側で誤差を含むものとなる。
また、COD計(もしくはORP計)76の測定値は還元性物質濃度の高濃度側において精度が低く、低濃度側において精度が高くなるので、濃度指標注入率定則で定める濃度指標注入率は、高濃度側で実際に必要な消毒剤の必要注入率に対して誤差を含むものとなり、低濃度側で実際に必要な消毒剤の必要注入率に即したものとなる。
したがって、雨天時のファーストフラッシュのような水量および水質が短時間で著しく急激に変動し、流入水の濁度が高濁度域にある場合には、濁度を指標とする濁度指標注入率定則に基づいて注入率設定値を決定して消毒剤を注入することにより、急激な水質の変動に追従して消毒剤の注入率設定値を適値に調整することができる。
そして、ファーストフラッシュ時の水量および水質の急激な変動期を経て流入水の濁度が低濁度域にある場合には、還元性物質の濃度を指標とする濃度指標注入率定則に基づいて注入率設定値を決定して消毒剤を注入することにより、緩やかな水質の変動に追従して消毒剤の注入率設定値を適値に調整することができる。
高濁度域と低濃度域の境界は定量的に決定することは困難である。このため、濁度計75の測定値に基づく濁度指標注入率と、COD計(もしくはORP計)76の測定値に基づく濃度指標注入率との比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を採用することにより、流入水の濁度が高濁度域にあるか低濁度域にあるかに拘らず、流入水へ必要な消毒剤量を適切に注入することができる。
図2を参照して説明すると、ファーストフラッシュ等の流入初期において流入水の性状は、例えば濁度=400(度)、COD=100(mg/L)である。この場合に、濁度指標注入率定則による濁度指標注入率での二酸化塩素最適注入率は約11.8mg/Lであり、濃度指標注入率定則による濃度指標注入率での二酸化塩素最適注入率は約7mg/Lであり、比較結果として高値である濁度指標注入率による二酸化塩素最適注入率約11.8mg/Lを消毒剤の注入率設定値とする。
また、ファーストフラッシュから所定時間経過した後で、沈砂池51へ流入する流入水の水量変動が少なくなる頃において流入水の性状は、例えば濁度=200(度)、COD=100(mg/L)である。この場合に、濁度指標注入率定則による濁度指標注入率での二酸化塩素最適注入率は約5mg/Lであり、濃度指標注入率定則による濃度指標注入率での二酸化塩素最適注入率は約7mg/Lであり、比較結果として高値である濃度指標注入率による二酸化塩素最適注入率約7mg/Lを消毒剤の注入率設定値とする。
上述した操作によって消毒が十分に行われたことの証は、処理水中に消毒剤である二酸化塩素がある程度に残留することで認めるられるので、残留する消毒剤成分の残留濃度が適値の濃度範囲を維持するように運転する。
このため、注入量制御装置72は、残留二酸化塩素計(もしくは残留塩素計)77の測定値が残留濃度の上限値以上である場合は注入率設定値を所定量減少させ、測定値が残留濃度の下限値以下である場合は注入率設定値を所定量増加させて補正し、補正後の注入率設定値と流量計74の測定値である流量との乗算により単位時間当たりに流入水に注入する消毒剤量を決定し、消毒剤注入装置71を制御して消毒剤を注入する。
このように、流入水の濁度や還元性物質の濃度、つまり流入条件に基づいて設定した注入率設定値を、残留濃度に基づいて補正することにより、過剰あるいは過少な消毒剤注入を防止することができる。
上述した実施の形態で、注入量制御装置72は濁度指標注入率と濃度指標注入率とを比較し、比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を注入率設定値としたが、雨天時のファーストフラッシュのような水量および水質が短時間で著しく急激に変動する場合に限るならば、注入量制御装置72において濁度指標注入率と濃度指標注入率とを比較することなく、濁度指標注入率定則により求める濁度指標注入率を固定的に注入率設定値として採用して消毒剤を注入することも可能であり、水量および水質が短時間で著しく急激に変動する場合における消毒剤の注入率設定値の調整に有効である。
本発明の実施の形態における消毒剤注入装置を示す模式図 同実施の形態おける、(a)濁度と二酸化塩素最適注入率の関係を示すグラフ図、(b)CODと二酸化塩素最適注入率の関係を示すグラフ図、(c)ORPと二酸化塩素最適注入率の関係を示すグラフ図 本発明の他の実施の形態における消毒剤注入装置を示す模式図 濁度と消毒剤の注入率の関係を示すグラフ図 消毒効果を示す原水と処理水における大腸菌群数を示すグラフ図 従来の消毒剤注入装置を示す模式図 従来の消毒剤注入装置を示す模式図 従来の消毒剤注入装置を示す模式図
符号の説明
71 消毒剤注入装置
72 注入量制御装置
73 流入系
74 流量計
75 濁度計
76 COD計(もしくはORP計)
77 残留二酸化塩素計(もしくは残留塩素計)

Claims (6)

  1. 処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入するに際し、濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則を予め設定し、処理槽に流入する流入水中の濁度を濁度測定手段で測定し、濁度測定手段の測定値を指標として濁度指標注入率定則により求めた濁度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入することを特徴とする消毒剤注入方法。
  2. 処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入するに際し、濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則と、還元性物質の濃度を指標として消毒剤の濃度指標注入率を定める濃度指標注入率定則とを予め設定し、処理槽に流入する流入水中の濁度を濁度測定手段で測定するとともに、還元性物質の濃度を濃度測定手段で測定し、濁度測定手段の測定値を指標として濁度指標注入率定則により濁度指標注入率を求め、濃度測定手段の測定値を指標として濃度指標注入率定則により濃度指標注入率を求め、濁度指標注入率と濃度指標注入率とを比較し、比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入することを特徴とする消毒剤注入方法。
  3. 処理槽から流出する処理水に残留する消毒剤成分の残留濃度を残留濃度測定手段で測定し、残留濃度測定手段の測定値が予め定めた残留濃度の上限値以上である場合は注入率設定値を所定量減少させ、残留濃度測定手段の測定値が予め定めた残留濃度の下限値以下である場合は注入率設定値を所定量増加させることを特徴とする請求項1又は2に記載の消毒剤注入方法。
  4. 処理槽に流入する流入水へ消毒に必要な消毒剤量を注入する消毒剤注入装置と、消毒剤注入装置の消毒剤注入量を制御する注入量制御装置と、処理槽に流入する流入水中の濁度を測定する濁度測定手段とを備え、
    注入量制御装置は、濁度を指標として消毒剤の濁度指標注入率を定める濁度指標注入率定則を予め設定してなり、濁度測定手段の測定値を指標として濁度指標注入率定則により求めた濁度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入することを特徴とする消毒剤注入装置。
  5. 還元性物質の濃度を測定する濃度測定手段を備え、
    注入量制御装置は、還元性物質の濃度を指標として消毒剤の濃度指標注入率を定める濃度指標注入率定則を予め設定してなり、濁度測定手段の測定値を指標として濁度指標注入率定則により濁度指標注入率を求め、濃度測定手段の測定値を指標として濃度指標注入率定則により濃度指標注入率を求め、濁度指標注入率と濃度指標注入率とを比較し、比較結果において高値となる濁度指標注入率もしくは濃度指標注入率を注入率設定値として消毒剤を注入することを特徴とする請求項4に記載の消毒剤注入装置。
  6. 処理槽から流出する処理水に残留する消毒剤成分の残留濃度を測定する残留濃度測定手段を備え、
    注入量制御装置は、残留濃度の上限値および下限値を予め設定してなり、残留濃度測定手段の測定値が予め定めた残留濃度の上限値以上である場合は注入率設定値を所定量減少させ、残留濃度測定手段の測定値が予め定めた残留濃度の下限値以下である場合は注入率設定値を所定量増加させることを特徴とする請求項4又は5に記載の消毒剤注入装置。
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