JP2006296093A - 回転電気機械 - Google Patents

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Abstract

【目的】高周波数の機械的振動が固定子に発生してもその機械的振動の回転電気機械が設置される基礎部への伝達を長期間安定に抑制することが可能な回転電気機械を提供する。
【構成】この発明の回転電気機械は従来例に対し、固定子支持体95の支持部97が枠体の台座93に装着される部位の支持部97と台座93との間に、平板状のエポキシ樹脂材で作製された制振体3を、六角ボルト31により支持部97に装着されると共に、六角ボルト33により台座93に装着されることで、支持部97と台座93の間に介挿されて装着される。制振体3には六角ボルト31を締結する部位にねじ孔32が形成されると共に、六角ボルト33が貫通される部位には貫通孔34が形成されている。
【選択図】 図5

Description

この発明は、固定子で発生する振動成分に起因する機械的振動の基礎部への伝達を抑制する構造を備えた回転電気機械に関する。
多くの回転界磁型の回転電気機械においては、周知のごとく回転電気機械が電動機の場合には固定子に供給される例えば商用電源による正弦波の多相交流電気により生成された回転磁界を基にして,回転子は回転の駆動力を得てこの回転磁界と同一回転数で回転することになり、また、回転電気機械が発電機の場合には回転子の回転により固定子で得られた例えば商用周波数の正弦波の多相交流電気により,固定子には回転子と同一回転数で回転する回転磁界が生成される。これらの結果、回転電気機械が電動機であるか発電機であるかに係わらず固定子には多相交流電気が通流され、この多相交流電気により固定子に発生する磁界に回転子の回転数に対応する基本波の周波数およびその高調波である振動成分が含まれることが原因で、固定子には機械的な振動が発生する。また、回転子が持つ磁極により固定子には磁気吸引力が働くが、回転子の回転に伴って磁気吸引力の働く位置が移動することで、固定子には回転子の回転と同期した円環状の機械的振動が発生する。
これらを総合した機械的振動は、回転電気機械の外部に対しては、回転電気機械が備える脚部を介してこの回転電気機械が据え付けられた基礎部にまず伝達される。基礎部に伝達された振動は、この基礎部それ自体,基礎部に共通に支持されている他の機械装置類,さらには回転電気機械の周辺部へと順次伝達されていくが、このような振動が、これ等の区域に存在する機械装置類にとっては好ましくない場合があり得る。脚部を介して装置の外部に伝達される機械的振動の抑制などのために、固定子と固定子を保持する枠体との間に、弾性支持板である板ばね体を備えるようにした回転電気機械が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
以下、回転電気機械で発生した機械的振動が基礎部に伝達されるのを抑制するようにした従来例の回転電気機械について、図11を用いて説明する。ここで図11は、従来例の回転電気機械の固定子を中心とする要部を示すその説明図である。図11において、9は、固定子91、固定子91を複数の固定子支持体95を介して保持する固定子用の枠体92、枠体92の外面側に設けられて枠体92の基礎部99への据え付けに用いられる脚部94を備えた従来例の回転電気機械である。固定子91は固定子鉄心911、固定子鉄心911の外周部に円周方向に関して間隔を置いて設けられた複数のリブ912、複数のリブ912のそれぞれに固着されて軸長方向(図11の紙面に直交する方向)に沿って間隔を置いて複数個が設けられたリブ支え板913、リブ支え板913に固着された平板状の取付板914を有している。枠体92は枠体本体部921と、枠体本体部921の内面側の固定子支持体95が装着される部位に設けられた台座93を有している。
固定子支持体95は一方の端部が取付板914に装着される長方形状で平板状の板ばね体96、板ばね体96の反取付板914側の端部に装着されて固定子支持体95を台座93に装着するL字状断面を持つ支持部97を有している。回転電気機械9では、複数の固定子支持体95は、固定子鉄心911の外周部に図11に示すように互いに対称配置されると共に板ばね体96がその長辺を鉛直方向となるように配設されており、例えば、固定子91で発生した円環状の機械的振動の台座93への伝達に関しては、板ばね体96が円環状の機械的振動を受けた場合に、支持部97側の端部部分を変形の基点として取付板914側の端部部分がこの機械的振動に追随して板厚方向(図11の紙面において左右方向)に変位することにより、固定子支持体95を経て台座93に伝えられる機械的振動を減衰させ、台座93を含む枠体92を経て脚部94に伝達される機械的振動の伝達量を抑制するようにしている。
特開平11−220835号公報(第2頁、第7−8図)
前述した従来技術による回転電気機械が備える,弾性支持板を有して固定子を弾性的に支持する固定子支持体による枠体92などに伝達される機械的振動の減衰構造は、回転子の回転に同期した固定子の円環状の機械的振動や,商用周波数の正弦波の多相交流電気により生成された磁界に起因する機械的振動などの、比較的に低い周波数帯域の機械的振動の減衰に対しては有効である。しかしながら、近年では、例えば、永久磁石の高性能化による永久磁石励磁の回転界磁型電動機の高出力化、および、半導体制御素子の高電圧・大電流化によるインバーターなどの半導体制御装置の高出力化により、永久磁石励磁の回転界磁型電動機と半導体制御装置とが組み合わされた、いわゆるブラシレスモータの高出力化が進展して広い分野で使用されるようになってきており、これに伴って、次記するようなことが問題点として新たに浮上してきて、その解決が課題になっている。
すなわち、例えば、ブラシレスモータでは半導体制御装置によって可変速運転されることが多いのであるが、この可変速運転に対処するために半導体制御装置は可変周波数運転を行うことになり、可変周波数運転時でも波形が正弦波化された電気をブラシレスモータに供給する必要から、そのキャリヤ周波数の高周波数化が進展している。そうして、高周波数化されたキャリヤ周波数を用いて生成された可変周波数の多相交流電気が入力されたブラシレスモータでは、その固定子には、前記した従来技術による回転電気機械の場合に発生していた磁界に加えて、この高周波数化されたキャリヤ周波数に従う周波数を含む磁界が発生する。ところが、従来技術の回転電気機械の機械的振動の減衰構造の中核である弾性支持板では、前記高周波数化されたキャリヤ周波数(例えば、5〜10kHzである。)に従う高周波数の機械的振動(前記5〜10kHzのキャリヤ周波数により発生する機械的振動の周波数は10〜20kHzである。)には追従できないので、このような高周波数の機械的振動の減衰には効果がない。
このために、このような高い周波数の機械的振動がブラシレスモータからその周辺部に伝達され、これ等の区域に存在する機械装置類を振動させる。このような高い周波数の機械的振動を受ける機械装置類には共振現象を発生することが多いために、この共振による機械的振動や騒音の発生が問題になることがしばしば発生する。また、高周波数領域の機械的振動の減衰能力が大きい防振ゴム装置を適用する方法も考えられるが、この方法はゴム材には老化という欠点があり,減衰能力の劣化や材料の硬化・軟化などが生じることで、機械的振動の長期間にわたる減衰効果を期待することができない。したがって、この発明の目的は、高周波数の機械的振動が固定子に発生してもその機械的振動の回転電気機械が設置される基礎部への伝達を長期間安定に抑制することが可能な回転電気機械を提供することにある。
この発明では前述の目的は、
1)固定子と、この固定子を保持する固定子用の枠体と、弾性支持板を有して前記枠体に前記固定子を弾性的に支持する固定子支持体と、少なくとも前記枠体の基礎部への据え付けに用いられる脚部とを備えた回転電気機械において、
前記固定子支持体と前記枠体との間および/または前記脚部と前記基礎部との間に、硬質プラスチックとほぼ同等以上の機械強度性能および制振性能を持つ材料で作製された制振体が介挿されて装着されること、または、
2)前記1項に記載の手段において、前記制振体の装着に用いられる締結体は、前記制振体が介挿される対象の前記固定子支持体と前記枠体および/または前記脚部と前記基礎部との間を相互に直接に締結しあうことのない構造を有するものであることにより達成される。
この発明による回転電気機械では、前記課題を解決するための手段の項で述べた構成とすることで、次記の効果を得られる。
(1)前記課題を解決するための手段の項の第(1)項による構成とし、制振体に、例えば、平板状の硬質プラスチック板を用いることで、統計的エネルギー解析法による内部損失係数を増加し結合損失係数が低減できることで、機械的振動の抑制効果を長期間安定に保持できる構造としながら、回転電気機械からその基礎部へ伝達される機械的振動の内、12kHz以上の高周波数域の機械的振動の振幅を、従来技術の場合に対してほぼ6dBあるいはそれを越えるレベルで低減することが可能になる。また、
(2)前記課題を解決するための手段の項の第(2)項による構成とし、制振体に、例えば、平板状の硬質プラスチック板を用いることで、機械的振動の抑制効果を長期間安定に保持できる構造にするとの前記(1)項による効果をそのまま維持しながら、統計的エネルギー解析法による結合損失係数の値を前記(1)項による場合よりも小さくすることができることで、回転電気機械からその基礎部へ伝達される機械的振動の内、10kHzでの機械的振動の振幅はほぼ6dBあるいはそれを越えるレベルで、また、12kHz以上の高周波数域の機械的振動の振幅をほぼ12dBあるいはそれを越えるレベルで、いずれも従来技術の場合に対して低減することが可能になる。
以下この発明を実施するための最良の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1はこの発明の実施の形態の一例による回転電気機械の固定子を中心とする要部を示すその説明図であり、図2は図1に示した回転電気機械のA部の要部を示すその斜視図であり、図3は図2における要部のB−B断面図である。図4はこの発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の固定子の要部を示すその斜視図であり、図5は図4における要部のC−C断面図である。図6はこの発明による構成の機械的振動減衰効果の評価用の実験用モデルの概要を示すその説明図であり、図7は図6に例示した実験用モデルを用いて得られた測定結果例を示すグラフであり、(a)は水平方向振動に関する測定結果例を示し、(b)は垂直方向振動に関する測定結果例を示す。図8は各種材料と損失係数の関係の例を示す説明図である。図9はこの発明の実施の形態のさらに異なる例による回転電気機械を示すその斜視図であり、図10はこの発明の実施の形態のさらに異なる例による制振体を示すその断面図である。なお、以下の説明においては、図11に示した従来例の回転電気機械と同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。また、以後の説明に用いる図中には、図11で付した符号については極力代表的な符号のみを記すようにしている。
まず図1〜図3および図6〜図8を用いて、この発明による回転電気機械1を説明する。図1〜図3において、1は、図11に示した従来例による回転電気機械9に対して、固定子支持体95の支持部97が,枠体92の台座93に装着される部位の、支持部97と台座93との間のそれぞれに制振体2を介挿させて装着するようにしたこの発明による回転電気機械である。制振体2は、この事例の場合には、機械的振動のエネルギーを減衰できる性能(以降、制振性能と称する。)を持つ材料の一種である硬質プラスチック製の平板を用いて作製されている。この制振体2は、図3に示したように締結体である例えば鉄材製の六角ボルト21,21によって、支持部97と台座93の間に介挿されて装着されており、六角ボルト21が貫通される部位のそれぞれには貫通孔22が形成されている。
ところで、回転電気機械1のような回転電気機械では、固定子鉄心911およびこれと組み合わされる不図示の回転子鉄心のそれぞれの中心位置の間にずれが生じることは許されることではない。このことを考慮すると、固定子91で発生して脚部94から基礎部99へ伝達される機械的振動の抑制を行う制振体2などの制振体(以降、制振体2などのこの発明の回転電気機械に使用される制振体を総称する場合には、本制振体と称する。)に関しては、本制振体にゴム材を用いることは、前記したその老化現象の他に、機械的振動の減衰能力の大きなゴム材は一般に弾性に富んでおり,応力が加えられた場合の変形量が大きい材料であることも、その採用を避けなければならない理由になる。また、本制振体は大形で重量の重い場合が多い回転電気機械1の少なくとも固定子91の自重を受け止める必要があるので、そのための十分な機械的な強度性能を持つ必要があるし、また、貫通孔22の加工や、後記するように、ねじ孔加工が必要になる場合があるので、このような機械加工性も備えている必要ある。このために、発泡体,ハニカム構造の類の構造を持つ材料や、金属板とゴム・樹脂類などを貼り合わせた複合構成の材料なども本制振体用としては不適当である。
これらを総合すると、本制振体に採用可能な材料は、単一材であってしかも回転電気機械の持つ重い自重による荷重に耐える強度性能を持ち、かつ、所要の機械加工性を備えたものである必要がある。単一材であってしかも制振性能を持つ材料については図8〔実用騒音・振動制御ハンドブック(株式会社エヌ・ティー・エス,2000年発行)の各種材料と損失係数の関係の例(常温,1kHz)の図に開示された各種材料の内から単一材のみを抜き出して示した。〕に例示したものがある。図8に示された単一材の中では、普通鋼板を除いたプラスチック,石膏ボードおよびMn−Cu合金が、その損失係数の値が普通鋼板の場合よりも1桁程度大きいことで、制振性能を持つ材料である。なお、Mn−Cu合金は金属製単一材としては制振性能が大きいことで、制振合金と呼ばれている合金群に属する金属材である。
発明者らは、本制振体の最適な構造や本制振体にとって適切な材料を選び出すために、統計的エネルギー解析法(以降、SEA法と称する。)の知見を応用した。この手法によれば、機械的振動が或る要素(以降、要素1と称する。)から次の要素(以降、要素2と称する。)に伝達される場合に、要素1から要素2に伝達される機械的振動の伝達エネルギーは、要素1の内部で発生する損失エネルギーの割合を表す内部損失係数と、要素1から要素2に伝達される伝達エネルギーの割合を表す結合損失係数とに大きく依存することが知られている。SEA法による内部損失係数は使用材料の損失係数と全く同一のものであることを踏まえて、発明者らは、本制振体では結合損失係数に着目して検討を行うと共に、図6に例示したような実験用モデルによる機械的振動減衰効果の評価実験を重ねることで本発明に至った。前記実験用モデルにより得られた測定結果例は図7に示す通りであるが、図7による結果を得た実験用モデル8の構成は次記の通りである。すなわち、実験用モデル8は、モデル固定子〔外径:320mm、肉厚:10mm、長さ(図6の紙面に直交する方向の寸法、以降も同様):100mm〕81、モデル板ばね体〔幅:60mm、肉厚:5mm、長さ:110mm〕82、モデル支持部〔アングル材の各幅:48mm、肉厚:8mm、長さ:60mm〕83、モデル制振体〔幅:50mm、肉厚:5mm、長さ:95mm〕84およびモデル台座〔幅:100、高さ:380mm、幅,高さの各肉厚:10mm、長さ:380mm〕85で構成され、使用材料はモデル制振体を除いて鉄材である。
モデル制振体84の使用材料は、図8に示した単一材の中から所要の強度性能と機械加工性を持ち、しかも市場から入手の容易なものとして、硬質プラスチックが選択されている。プラスチック材ではその柔軟の程度により分類する方法が一般的に用いられており、曲げ弾性率が定常状態で686MPa以上のものは硬質プラスチック、68.6MPa以下のものは軟質プラスチック、その中間のものは半硬質プラスチックと呼ばれている。発明者らは、モデル制振体84に硬質プラスチック材の中から、充填材・強化材などが含まれていない,いわゆる無垢材の硬質塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂を実験対象とした。これら3種類の硬質プラスチック材およびMn−Cu合金の市販品の強度性能などを、参考材料の一般構造用圧延鋼材と共に、本制振体に使用可能な材料例とその主な性能として表1に示した。表1に示した数値の出典は、プラスチック材については機械工学便覧 新版(財団法人 日本機械学会,昭和63年発行)のプラスチックの強度特性の表を主体とし、この表には曲げ弾性率の値が示されていなことから、硬質塩化ビニル樹脂材に関して、硬質塩化ビニル樹脂材メーカーが公表している自社製の硬質塩化ビニル樹脂材の強度性能を括弧で括って示した。表1に硬質塩化ビニル樹脂材について例示したように、硬質プラスチック材に関しては曲げ弾性率値は縦弾性率値と大略ではほぼ同等と推定することが可能のようである。
そうして、発明者らが実験対象としたプラスチック材はプラスチック材の柔軟の程度による分類からはいずれも硬質プラスチック材であり、その引張強さ値は一般構造用圧延鋼材の引張強さ値に対して大略値でほぼ1割程度以上であり、本制振体に必要な機械加工性も持つことから、本制振体に使用可能な材料である。また、表1に示した制振合金の数値の出典は、制振合金材メーカーが公表している自社製の制振合金材の強度性能および損失係数(制振合金材メーカーが公表しているのは対数減衰率であるが、表1にはそれを損失係数に換算したうえでその概略値を示した。)である。表1に示した制振合金の引張強さ値は一般構造用圧延鋼材の引張強さ値に匹敵しており、制振合金材メーカーが公表しているところでは優れた機械加工性も持つことから、この材料も本制振体に使用可能な材料である。
Figure 2006296093
図7に示した測定結果例は、モデル制振体84の使用材料として表1に示した3種類の硬質プラスチック材を用いた場合の測定結果例であり、実験に供したモデル制振体84の構造は、モデル制振体84を装着しない従来例の回転電気機械9による構造の場合(図7に従来法として示す。)、この発明の回転電気機械1の機械的振動の抑制構造の図3による構造の場合(図7に図3法として示す。)、および、後記するこの発明の回転電気機械の機械的振動の抑制構造の図5による構造の場合(図7に図5法として示す。)の3種類の構造方法である。また、前記3種類の硬質プラスチック材については、図3法および図5法の両構造の場合に対して比較評価した。実験方法としては、市販の加振装置を用いてモデル固定子81に所定の周波数の機械的振動を与え、その際のモデル支持部83およびモデル台座85の、それぞれの水平方向振動および垂直方向振動(図6に、それぞれの水平方向振動をJ矢,L矢で、垂直方向振動をK矢,M矢で示す。)を市販の振動計により計測し、得られた計測結果を水平方向振動と垂直方向振動のそれぞれにつき、モデル台座85においての振動値データをモデル支持部83での振動値データで割り算することで振動比率値(dB)を求めた。なお、モデル固定子81に与えた周波数に関する値としては、モデル固定子81に与えた機械的振動の1/3オクターブバンド周波数値の、従来例の回転電気機械9のようなブラシレスモータでその低減が課題になっている10kHz以上の人の可聴域での高音域に関するデータを図7に示した。また、前記3種類の硬質プラスチック材のそれぞれの振動比率値(dB)については実質的に同一の実験結果が得られていることで、図7では一体のデータ値として扱っている。
図7を視察することにより、制振体2を用いたこの発明の回転電気機械1に関する図3法として示された実験データでは、少なくとも12kHz以上の高周波数の機械的振動に対して、大幅な振幅の低減効果が得られることが分かる。このことは、図1〜図3を用いて説明した回転電気機械1が持つ、硬質プラスチック材製の平板状の制振体2を、六角ボルト21,21によって支持部97と台座93の間に介挿して装着する機械的振動に対する減衰構造が、SEA法による内部損失係数を増加させながら結合損失係数を低減できることで、回転電気機械1,9などのような構造を持つ回転電気機械から基礎部99へ伝達する機械的振動の抑制に有効であることを実証するものである。そうして、この機械的振動の減衰構造では、老化現象を持つゴム材などは使用していないので、その機械的振動の抑制効果を長期間安定に保持することができる。
次に、図4,図5を用いて、この発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の機械的振動の抑制構造を説明する。図2,図3に示したこの発明の回転電気機械1の持つ機械的振動の抑制構造と対比して説明すると、図4,図5により示した機械的振動の抑制構造は、図2,図3に示した機械的振動の抑制構造が制振体2を用いるのに対して、制振体3を用いることが異なっている。制振体3は前記制振体2と同一の硬質プラスチック製の平板を用いて作製されている。この制振体3は、図5に示したように、締結体である例えば鉄材製の六角ボルト31,31によって支持部97に装着されると共に、締結体である例えば鉄材製の六角ボルト33,33によって台座93に装着されることで、支持部97と台座93の間に介挿されて装着される。制振体3には六角ボルト31,31を締結する部位のそれぞれにねじ孔32が形成されると共に、六角ボルト33,33が貫通される部位のそれぞれには貫通孔34が形成されている。なお図5では、ねじ孔32は有底ねじ孔として示されているが、六角ボルト31の先端部と台座93との間に空間が形成されるならば、ねじ孔32は貫通ねじ孔であっても差し支えは無い。
すなわち、図2,図3に示した制振体2を用いるものでは、支持部97と台座93との間が六角ボルト31によって直接に接続されているのに対して、制振体3を用いるものでは、六角ボルト31および六角ボルト33のそれぞれは、支持部97と台座93との間を直接には接続していない。これにより、支持部97から制振体3に、および、制振体3から台座93に伝達される伝達エネルギーに関するそれぞれの結合損失係数を、制振体2を用いた場合に対して小さくすることができることで、その機械的振動の抑制構造の振動減衰能力を向上できる。図7を再度視察すると、制振体3を用いた場合の図5法として示された実験データでは、制振体2を用いた場合の図3法として示された実験データと対比して、10kHz以上の高周波数域の全ての周波数帯域において機械的振動の振幅が低減されていることが分かる。当然のことながら、従来法と対比すると、10kHz以上の全ての周波数帯域において機械的振動の振幅が大幅に低減されることが明らかである。そうして、この機械的振動の減衰構造では、老化現象を持つゴム材などは使用していないので、制振体2を用いた場合と同様に、その機械的振動の抑制効果を長期間安定に保持することができる。
次に、図9を用いて、この発明の実施の形態のさらに異なる例による回転電気機械の機械的振動の抑制構造を説明する。なお、以下の説明においては、図4,図5に示したこの発明による機械的振動の抑制構造と同一部分には同じ符号を付しその説明を省略する。図9において、1Aは、従来例の回転電気機械9の脚部94と不図示の基礎部(前記図1および図11に示した基礎部99と同一である。)との間のそれぞれに、制振体3を介挿して装着するようにしたこの発明による回転電気機械である。この図9に示した回転電気機械9の作図内容は、図11に示した内容とは異なり回転子部9Bも含めて示すようにしている。このために、不図示の固定子(前記図1および図11に示した固定子91と同一である。),枠体92および脚部94と、さらに、枠体92の軸長方向の両端部のそれぞれに設けられるエンドブラケット929を含む固定子部の全体を、固定子部9Aとして示すようにし、また、回転子部9Bは、不図示の固定子鉄心(前記図1および図11に示した固定子鉄心911と同一である。)と組み合わされる不図示の回転子鉄心部を有する回転子軸98を備えており、エンドブラケット929に回転自在に支持されている。
そうして、この事例の場合の制振体3は脚部94と基礎部との間に介挿されるので、図4,図5を用いて示した制振体3の場合とは異なり、六角ボルト31によって脚部94に装着されると共に、六角ボルト33によって基礎部に装着されることになる。しかしながら、回転電気機械1Aが備える制振体3が持つ機械的振動の振動減衰能力は、図4,図5に示した場合と基本的には同等であるので、図7に制振体3を用いた場合の図5法として示された実験データによる機械的振動の抑制効果を得ることができる。なお、図9に示した回転電気機械1Aでは、脚部94と基礎部との間に介挿される制振体として制振体3を用いるとして説明したが、回転電気機械1Aの仕様によっては、制振体として前記制振体2を用いることができることは勿論のことである。
最後に、図10を用いて、この発明の実施の形態のさらに異なる例による制振体を説明する。図10において、4は、制振体本体部41、接続部42,43を備えたこの発明による制振体であり、接続部42,43は、例えば、鉄材製で長方形状の平板状体である。接続部42は、例えば、図4,図9に示した締結体である六角ボルト31が締結される有底ねじ孔44を有し、接続部43は、例えば、接続部42と対向し合う側に接続部42とほぼ同一形状の突起部45を有すると共に、図4,図9に示した締結体である六角ボルト33が締結される貫通孔46を有している。制振体4は、制振体本体部41に例えば、充填剤類を含まない注型用のエポキシ樹脂材を使用し、接続部42と接続部43とを互いに対向させて保持した状態で前記注型用エポキシ樹脂材をモールディングすることで組立てられる。制振体4を前記制振体3と対比すると、制振体4の接続部42と接続部43との対向し合う部位には六角ボルトなどの締結体が存在せず、制振性能を持つエポキシ樹脂材で充填されているので、結合損失係数を制振体3の場合よりも低減することができることで、制振体4は制振体3よりもその機械的振動の振動減衰能力を向上できる。そうして、この制振体4は、前記制振体2や前記制振体3に置き換えて、前記回転電気機械1,1Aなどに使用することができる。
前述の説明では、この発明による回転電気機械1と回転電気機械1Aでは、支持部97と台座93の間,または脚部94と基礎部99との間のいずれかに、前記制振体2〜4を設置するとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、支持部97と台座93の間,および脚部94と基礎部99との間の両方に、前記制振体2〜4を設置するようにしてもよい。また、前述の説明では、制振体2〜4に用いる硬質プラスチックとほぼ同等以上の機械強度性能および制振性能を持つ材料は、いずれも無垢材の硬質塩化ビニル樹脂,アクリル樹脂およびエポキシ樹脂であるとしてきたが、これに限定されるものではなく、例えば、硬質プラスチックとほぼ同等以上の機械強度性能および制振性能を持つ材料であるとの条件を満足できる材料であるならば、いかなる種類のプラスチック材であっても、また、充填剤や強化材が用いられたプラスチック材であってもよく、さらには、制振合金材であってもよい。
この発明の実施の形態の一例による回転電気機械の固定子を中心とする要部を示すその説明図である。 図1に示した回転電気機械のA部の要部を示すその斜視図である。 図2における要部のB−B断面図である。 この発明の実施の形態の異なる例による回転電気機械の固定子の要部を示すその斜視図である。 図4における要部のC−C断面図である。 この発明による構成の機械的振動減衰効果の評価用の実験用モデルの概要を示すその説明図である。 図6に例示した実験用モデルを用いて得られた測定結果例を示すグラフであり、(a)は水平方向振動に関する測定結果例を示し、(b)は垂直方向振動に関する測定結果例を示す。 各種材料と損失係数の関係の例を示す説明図である。 この発明の実施の形態のさらに異なる例による回転電気機械を示すその斜視図である。 この発明の実施の形態のさらに異なる例による制振体を示すその断面図である。 従来例の回転電気機械の固定子を中心とする要部を示すその説明図である。
符号の説明
3 制振体
31 六角ボルト
32 ねじ孔
33 六角ボルト
34 貫通孔
93 台座
95 固定子支持体
97 支持部

Claims (2)

  1. 固定子と、この固定子を保持する固定子用の枠体と、弾性支持板を有して前記枠体に前記固定子を弾性的に支持する固定子支持体と、少なくとも前記枠体の基礎部への据え付けに用いられる脚部とを備えた回転電気機械において、
    前記固定子支持体と前記枠体との間および/または前記脚部と前記基礎部との間に、硬質プラスチックとほぼ同等以上の機械強度性能および制振性能を持つ材料で作製された制振体が介挿されて装着されることを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1に記載の回転電気機械において、前記制振体の装着に用いられる締結体は、前記制振体が介挿される対象の前記固定子支持体と前記枠体および/または前記脚部と前記基礎部との間を相互に直接に締結しあうことのない構造を有するものであることを特徴とする回転電気機械。
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