JP2006295143A - フィルム回路基板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度の回路基板を工程を増やすことなくかつ精度を維持して、枚葉の可撓性フィルム基板を連結して長尺化することによってリール・ツー・リールの製造装置に対応させる。さらに、連結による回路パターンのロス部分を低減させることができる回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】回路パターンが形成された可撓性フィルム回路基板用部材を2つ以上用いて、剥離方向に複数の可撓性フィルム基板1、2をつなぎ合わせるために、H型粘着テープ5や2枚の細い帯状粘着テープを用いる。また、可撓性フィルム基板の短辺側端部4を狭幅で重ね合わせ有機物層で固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子等を搭載する電子回路基板に用いられるフィルム回路基板の製造方法およびその製造装置に関する。
エレクトロニクス製品の軽量化、小型化に伴い、プリント回路基板のパターニングの高精度化が求められている。可撓性フィルム基板は、曲げることができるために三次元配線ができ、エレクトロニクス製品の小型化に適していることから需要が拡大している。
液晶ディスプレイパネルへのIC接続に用いられるCOF(Chip on Flex)技術は、比較的細幅の長尺ポリイミドフィルム基板を加工することで樹脂基板としては最高の微細パターンを得ることができるが、微細化の進展に関しては限界に近づきつつある。
微細化にはライン幅やライン間のスペース幅で表される指標と基板上のパターンの位置で表される指標がある。ライン幅やスペース幅に関しては、さらに微細化する方策があるが、後者の指標である位置精度は、回路基板とICなどの電子部品を接合する際の電極パッドと回路基板パターンとの位置合わせに係わり、ICの多ピン化の進展に従い、要求される精度に対応することが厳しくなってきている。
これに対して、近年、可撓性フィルム基板を補強板に貼り合わせ、寸法精度を維持することで、非常に微細な回路パターンを形成することが提案されている(特許文献1参照)。可撓性フィルム基板は、回路パターンが形成後、補強板から剥がされて使用される。前記提案は、主に枚葉型補強板を用いており、回路パターンが形成された可撓性フィルム基板も枚葉である。一方、現行のCOF技術においては、電子部品接続、テスト、LCDパネルとの接続など、回路パターンが形成された可撓性フィルム基板の取り扱いは、枚葉と長尺の両方のケースがあるが、長尺フィルムをリール・ツー・リールで取り扱うケースが多い。
長尺フィルムを使った回路基板製造装置の連続稼働を図るために、先行する長尺フィルム回路基板の末端に、新たな長尺フィルム回路基板の先端を接続する場合があり、先行する長尺フィルム回路基板末端と新たな長尺フィルム回路基板先端を粘着テープで貼り合わせてつなぎ合わせる。このとき、連結強度を大きくしその後の製造工程で変形や破損が発生しないように、つなぎ合わせ部分に認識マークを設けておき、加熱工程においては、つなぎ合わせ部分をスキップして粘着テープが熱によって剥がれないようにすることが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この技術では、つなぎ合わせ部分のみならずつなぎ合わせ部分前後のフィルム回路基板が無駄になるという問題がある。
また、先行する長尺フィルム回路基板の末端と新たな長尺フィルム回路基板の先端にそれぞれ凹部と凸部を形成し、凸部が凹部に挟み込まれるように突き合わせた後、凹部凸部を覆うように粘着テープを貼り合わせることが提案されている(特許文献3参照)。この技術によるとつなぎ合わせにより製品として使えなくなる部分は、前述の提案に比べて短くできるが、あらかじめつなぎ合わせ部に凹凸形状を形成しておく必要があり、金型等を用いた打ち抜き工程が付加される課題がある。
先行する長尺フィルム回路基板の末端とそれに続く長尺フィルム回路基板の先端のつなぎ合わせ以外に、長尺フィルム上に作製された回路パターン群に不良が集中して発生した場合、その部分を切り取り、切り取った部分の両側を連結することで、その後の工程の作業効率を低下させないようにすることがある。切り取った部分の両側端部を突き合わせて梯子型の連結用部材を貼り合わせて固定し、さらに、連結用部材に送り孔を穿孔するとともに連結用部材と長尺フィルム回路基板を同時にかしめて連結強度を高くする方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、この技術では、熱可塑性の連結用部材が必要であり、その後の工程において、樹脂モールドやはんだリフローなどの加熱工程がある場合には実施が難しい。
国際公開第03/009657号パンフレット(第2頁) 特開2000−25709号公報(第46段、第80段) 特開2005−45233号公報(第16段) 特開平4−127549号公報(第2頁)
本発明の目的は、上述の課題に鑑み、特に高精度の配線パターンを有する回路基板であって、リール・ツー・リール設備を最大限に利用し、かつ連結によるロスを低減することができる回路基板およびその製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)回路パターンが少なくとも片面に形成された可撓性フィルム基板を複数連結したフィルム回路基板であって、個々の可撓性フィルム基板の端部のうち短辺側の端部を互いにつなぎ合わせ、連結部の短辺側の端部および長辺側の両端部をH型粘着テープを用いて連結することを特徴とするフィルム回路基板である。
また本発明の別の態様は(2)回路パターンが少なくとも片面に形成された可撓性フィルム基板を複数連結したフィルム回路基板であって、個々の可撓性フィルム基板の端部のうち短い方の端部を互いにつなぎ合わせ、連結部の長辺側の両端部を粘着テープを用いて連結することを特徴とするフィルム回路基板である。
さらに本発明の別の態様は、(3)回路パターンが少なくとも片面に形成された可撓性フィルム基板を複数連結したフィルム回路基板であって、個々の可撓性フィルム基板の短辺方向側の端部を重ね合わせ、重ね合わせた部分に粘着層を介して連結することを特徴とするフィルム回路基板である。また、さらに粘着層を介して連結した重ね合わせた部分の可撓性フィルム基板上に回路パターンの一部が配置されていることを特徴とするフィルム回路基板である。
また、本発明は上記(1)〜(3)の回路基板を製造する方法であり、具体的には(4)枚葉型補強板に剥離可能な有機物層を介して、回路パターンを有する可撓性フィルム基板が貼り合わされた枚葉フィルム回路基板用部材を複数順次整列させ、隣りあう枚葉フィルム回路基板用部材にある回路パターンを有する可撓性フィルム基板のみを逐次つなぎ合わせ、枚葉フィルム回路基板用部材から、接続された回路パターンを有する可撓性フィルム基板を連続して剥離するフィルム回路基板の製造方法であって、前記回路パターンを有する可撓性フィルム基板の、短辺側の端部を互いにつなぎ合わせ、粘着テープを用いて、前記可撓性フィルム長辺側の両端部で貼り合わせるか、または、粘着テープを用いて、前記可撓性フィルム短辺側の端部および長辺側の両端部で貼り合わせ、連結することを特徴とするフィルム回路基板の製造方法であり、別の態様は、(5)枚葉型補強板に剥離可能な有機物層を介して、回路パターンを有する可撓性フィルム基板が貼り合わされた枚葉フィルム回路基板用部材を複数順次整列させ、隣りあう枚葉フィルム回路基板用部材にある回路パターンを有する可撓性フィルム基板のみを逐次つなぎ合わせ、枚葉フィルム回路基板用部材から、接続された回路パターンを有する可撓性フィルム基板を連続して剥離するフィルム回路基板の製造方法であって、前記回路パターンを有する可撓性フィルム基板の、互いの短辺側の端部を粘着層を介して重ね合わせ、連結することを特徴とするフィルム回路基板の製造方法である。
本発明によれば、枚葉可撓性フィルム基板を複数連結して長尺のフィルム回路基板にした際に、連結強度を大きく保ちつつ連結部分でのロスが低減できる。すなわち、連結による可撓性フィルム基板のロスを低減することができるだけでなく、フィルム回路基板に電子部品を接合するときに連結部を認識し空送りする時間ロスを低減でき、また、粘着テープ貼り合わせ以外の工程付加が不要である。
本発明のフィルム回路基板は、可撓性フィルム基板の少なくとも片面に回路パターンが形成されている。
可撓性フィルム基板としては、プラスチックフィルムを使用する。例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマーなどのフィルムを採用することができる。中でもポリイミドフィルムは、耐熱性に優れるとともに耐薬品性にも優れているので好適に採用される。また、低誘電損失など電気的特性が優れている点や低吸湿性の点で、液晶ポリマーが好適に採用される。可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも可能である。また、これらのフィルムが積層されていてもよい。
上記ガラス繊維補強樹脂板の樹脂としては、例えば、エポキシ、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、マレイミド(共)重合樹脂、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられる。
可撓性フィルム基板の厚さは、軽量化、小型化、あるいは微細なビアホール形成のためには薄い方が好ましく、一方、機械的強度を確保するためや平坦性を維持するためには厚い方が好ましい点から、4μmから125μmの範囲が好ましい。
可撓性フィルム基板上に形成される回路パターンは、抵抗値が小さい銅膜を主体として形成されていることが好ましく、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法など公知の技術が採用できる。さらに、はんだ接合のための錫めっき、金めっきを施したり、金属層保護のためのソルダーレジスト膜を形成することも適宜実施できる。
現行のリール・ツー・リール方式においては、長尺フィルム基板の不良個所を切り取り、切り取った両側端部を突き合わせて粘着テープを貼り合わせて固定し、さらに、貼り合わせた粘着テープに送り孔を穿孔する方法があるが、その場合15mmまたは24mmの粘着テープが標準的に採用されている。近年、コストダウンのために、1個のCOFパターンおよびパターン間の間隙は縮小されてきており、現在、標準的なパターンの繰り返し長さは23.75mm〜33.25mmであり、その内、各パターンの間隙は0.5mm〜4.75mmである。したがって、パターン間隔が縮小されている回路パターンを有する回路基板の場合、15mmまたは24mm幅の粘着テープにより連結すると、1個もしくは2個のパターンが連結のために使用されてしまう。
さらに、本発明では、短冊状の枚葉可撓性フィルム基板を連結して長尺フィルム基板にするため、各短冊毎に連結部があることになる。すなわち、現行の粘着テープによる貼り合わせ方法を適用するとさらに生産性低下が大きくなる。例えば、短冊状の枚葉可撓性フィルム基板1枚に20個の回路パターンが形成されている場合、上述した現行の粘着テープを用いると、前後の連結部にて、合計2〜4個の回路パターンが使用できなくなり、残りの回路パターンが全て良品であったとしても収率は80〜90%に低下することになる。これらの点より、本発明においても粘着テープ幅、あるいは各可撓性フィルム基板の重ね合わせ部分は4.75mm以下であることが好ましい。
本発明の一例について図1を用いて説明する。図1では、可撓性フィルム基板1および2がH型粘着テープ5によってフィルム基板の長辺側両端部分と短辺側端部にて貼り合わされ連結されている。3は送り孔、4は2枚の可撓性フィルム基板の突き合わせ部分(連結部)である。可撓性フィルム基板の長辺側方向を矢印8で示した。可撓性フィルム基板1および2には基板の長辺側両端部に送り孔が穿孔されており、H型粘着テープ5にも可撓性フィルム基板1の送り孔と同じ位置に送り孔が穿孔されている。可撓性フィルム基板1および2とH型粘着テープ5は、送り孔が穿孔された可撓性フィルム基板の長辺側両端部分で貼り合わされ、さらに、基板の短辺側端部にて貼り合わされている。短辺側端部の粘着テープの幅は、4.75mm以下が好ましい。長辺側両端部の粘着テープ幅は、製品となる回路パターン形成部分にかからない範囲であれば良いが、3mm〜4.5mmであることが送り孔の補強を兼ねる点で好ましい。これはフィルム基板搬送のために、フィルム幅両端に4.75mmピッチの送り孔が穿孔されており、送り孔配置のために、フィルム基板幅両端には、それぞれ3mm〜4.5mmずつの送り孔配置エリアが設けられていることによる。
連結部分が後の工程で外れないように、H型粘着テープにおいて長辺側両端部の連結に要する長さは、15mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがさらに好ましい。また、可撓性フィルム基板の裏表両面から粘着テープを貼り合わせ、連結することが好ましい。また、H型粘着テープにおいて短辺側の端部に相当する部分の幅(図1における符号5a)は上述したように4.75mm以下であることが回路パターンのロスを減少させられる点で好ましい。このようにすることにより、後工程で連結部がはずれず、かつ回路パターンや基板フィルムのロスが少ないフィルム回路基板を得ることができる。
本発明の別の一例を図2を用いて説明する。図2では、可撓性フィルム基板1および2が長辺側両端部にて粘着テープ6によって貼り合わされ連結されている。可撓性フィルム基板1には長辺側端部に送り孔が穿孔されており、粘着テープ6にも可撓性フィルム基板1の送り孔と同じ位置に送り孔が穿孔されている。長辺側両端部のみを使って連結しているので、回路パターンや基板フィルムのロスが全くなく、好ましい。一方、工程中に可撓性フィルム基板が曲げられてロール上を通過する際、可撓性フィルム基板の短辺側端部がロールから浮き上がり、搬送不良を起こす可能性があるので、可撓性フィルム基板のロール巻き付き角が鋭角にならないようにロールを配置したり、ロール径を選択することが好ましい。連結部分が後の工程ではずれないように、長辺側両端部の粘着テープの連結に要する長さは、15mm以上であることが好ましく、20mm以上であることがさらに好ましく、24mm以上であることが最も好ましい。可撓性フィルム基板の裏表両面から粘着テープを貼り合わせ、連結することが好ましい。
本発明で用いる粘着テープは、プラスチックフィルムと粘着剤層からなる。プラスチックフィルムは、後工程における耐熱性、耐薬品性を有するものであれば特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマーなどのフィルムを採用することができる。熱膨張係数差によるカールや剥がれが発生しにくいので可撓性フィルム基板と同じ基材を用いることが好ましい。寸法歪みを抑制するために、加熱なしに貼り合わせられる感圧性の粘着剤が好ましい。感圧性の粘着剤としては、シリコーンまたはアクリル系粘着剤が好適に採用でき、粘着剤の厚みは通常20〜40μmである。
粘着テープの送り孔は、可撓性フィルム基板との貼り合わせ後、穿孔してもよいし、あらかじめ送り孔が穿孔された粘着テープを可撓性フィルム基板の送り孔と位置合わせして貼り合わせてもよい。可撓性フィルム基板には、粘着テープ貼り合わせ前に送り孔が穿孔されており、また、本発明で用いる粘着テープは小面積なので貼り合わせ時に位置合わせが行われる。このとき、同時に可撓性フィルム基板の送り孔と粘着テープの送り孔とを位置合わせし貼り付けると、貼り合わせ後の穿孔が省け、好ましい。送り孔の穿孔方法としては、金型によるパンチングやレーザードリリングが採用できる。
本発明の別の一例について、図3、図10を用いて説明する。図3では、可撓性フィルム基板1および2が基板の短辺側端部を粘着層7を介して重ね合わせて連結されている。図3の符号10は、可撓性フィルム基板1側の回路パターンの最外部であるテストパッド、図3の符号11は、可撓性フィルム基板2側の回路パターンの最外部であるテストパッドである。図3(a)は正面図、図3(b)は断面図である。図3の例は、可撓性フィルム基板の重ね幅が可撓性フィルム基板1、2の回路パターン間隙に収まるように設計される。図10においても可撓性フィルム基板1、2が基板の短辺側端部を粘着層を介して重ね合わせて連結されているが、可撓性フィルム基板1側の回路パターンの最外部であるテストパッドが上記重ね合わせ部の上に配置される点で異なる。テストパッドは、電気テスト後、最終製品では切り離されるため、重ね合わせ部分に配置されることに支障はない。ただし、電気テストに支障がないようつなぎ合わせに配慮する。すなわち、粘着層を加熱、圧着してつなぎ合わせる場合は、熱、外力により、回路パターンが損傷しないようにする。また、熱が回路パターンを伝って電子部品との金属接合のための配線表面のめっき層を溶融、酸化させないことが求められる。重ねあわせ部分に配置された回路パターンの損傷、金属接合部分の配線表面のめっき層の溶融、酸化を防ぐ方法の具体例を後述する。回路パターン間隙が非常に狭くなった場合に、図10に示したつなぎ合わせ方法が好ましく用いられる。
上記の例では、重ね合わせ部の上に配置できる回路パターンをテストパッドとしたが、最終製品では切り離されて使用されない回路パターン部分であれば良い。なお、本態様における粘着層は、接着層としての機能を有していても良く、小さな面積で高い粘着・接着力を得ることができるものであり、かつ、貼り合わせ時の熱歪みを発生させにくいものが好ましい。また、貼り合わせに必要な時間が短いことも生産性を確保する上で大切な要件である。したがって、粘着層は、感圧性粘着剤の他、ホットメルト接着剤、光硬化型接着剤などが好適に採用できるが、高い粘着力・接着力を実現できる点で、ホットメルト接着剤、光硬化型接着剤が好ましい。
可撓性フィルム基板がポリイミドフィルム等で紫外線の透過率が低い場合、光硬化型接着剤には可視光硬化型を採用することができる他、図3(b)9に示したように紫外線を可撓性フィルム基板表面に平行に近い方向から照射することによって硬化を進めることができる。粘着層の厚みは、大きすぎると連結部分の段差が大きくなるため、張力を印加する必要が生じたり、裏面を真空吸着しても連結部前後の回路パターンの平坦性を損なうことから、不良の原因になる。一方、粘着層の厚みが小さすぎると充分な強度が得られない。従って、粘着層の厚みは、1μm〜20μmの範囲であることが好ましく、1.5μm〜15μmの範囲であることがさらに好ましい。粘着層の上にテストパッドを配置する場合は、電気テストの際のテストプローブの接触均一性を得やすくするため粘着層は薄い方が良く、5μm以下であることが好ましい。粘着層の供給形態としては、シート状、ペースト状が挙げられるが、加工工程を減らせる点や装置を簡略化できる点でペースト状の有機物をノズル等にて直接可撓性フィルム基板に塗布することが好ましい。
本発明に使用する枚葉補強板としては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸系ガラス、石英ガラスなどの無機ガラス類、アルミナ、窒化シリコン、ジルコニアなどのセラミックス、ステンレススチール、インバー合金、チタンなどの金属やガラス繊維補強樹脂を有する板など、線膨張係数や吸湿膨張係数が小さいものが好ましい。その中でも、適当な可撓性が得られやすい点で、無機ガラスと金属板が好ましい。さらに、耐熱性、耐薬品性に優れている点、大面積で表面平滑性が高く基板が安価に入手しやすい点、塑性変形しにくい点、搬送装置などとの接触によりパーティクルを発生しにくい点、絶縁体で電解めっきによる析出がない点、等により、無機ガラス類からなる板が特に好ましい。
補強板に厚みが小さいガラス基板を用いる場合、可撓性フィルム基板の膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦な載置台上に真空吸着したときにガラス基板が割れることがある。また、真空吸着・脱着で可撓性フィルム基板が変形することになり、位置精度の確保が難しくなる傾向がある。一方、厚みが大きいガラス基板では、剥離のために湾曲しにくくなる上に、肉厚ムラにより平坦性が低下したり、露光精度も低くなる。また、ロボット等によるハンドリング負荷が大きくなり素早い動作ができずに生産性が低下する要因になる他、運搬コストも増大する。これらの点から、ガラス基板の厚さは、0.3mmから1.1mmの範囲が好ましい。
補強板に厚みが小さい金属基板を用いる場合、可撓性フィルム基板の膨張・収縮力で反りやねじれが大きくなり、平坦な載置台上に真空吸着できなくなったり、金属基板の反りやねじれが発生する分だけ可撓性フィルム基板が変形することにより、所定の位置精度が確保できなくなる。また、折れがあるとその時点で不良品になる。一方、厚みが大きい金属基板では、肉厚ムラにより平坦性が低くなるとともに、剥離のための湾曲が行いにくくなり、露光精度も低下する。また、ロボット等によるハンドリング負荷が大きくなり、素早い動作ができなくなって生産性が低下する他、運搬コストも増大する。したがって、金属基板の厚さは、0.1mmから0.7mmの範囲が好ましい。
本発明に用いられる、補強板と可撓性フィルム基板を貼りあわせるための剥離可能な有機物層としては、例えば、アクリル系またはウレタン系の再剥離剤と呼ばれる粘着剤を挙げることができる。可撓性フィルム基板加工中は十分な接着力があり、剥離時は容易に剥離でき、可撓性フィルム基板に歪みを生じさせないために、弱粘着から中粘着と呼ばれる領域の粘着力のものが好ましい。タック性があるシリコーン樹脂を使用することもできる。また、タック性があるエポキシ系樹脂を使用することも可能である。
剥離可能な有機物としては、低温領域で接着力、粘着力が減少するもの、紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものや加熱処理で接着力、粘着力が減少するものも好適に用いられる。これらの中でも紫外線照射によるものは、接着力、粘着力の変化が大きく好ましい。紫外線照射で接着力、粘着力が減少するものの例としては、2液架橋型のアクリル系粘着剤が挙げられる。また、低温領域で接着力、粘着力が減少するものの例としては、結晶状態と非結晶状態間を可逆的に変化するアクリル系粘着剤が挙げられ、好ましく使用される。
本発明で使用する剥離可能な有機物層の厚みは、薄くなると平面性が悪くなる他、膜厚のむらによる剥離力の強度むらが発生するため、0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。一方、剥離可能な有機物層の厚みが厚くなると有機物層の可撓性フィルム基板への投錨性がよくなるために粘着力が強くなる。従って、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。補強板上に剥離可能な有機物層を介して固定された可撓性フィルム基板上の回路パターンに電子部品を接合する場合は、回路パターンの厚み方向の変化を抑制するため、剥離可能な有機物層の厚みが5μm以下であることが好ましい。剥離可能な有機物層が厚いと電子部品を加熱圧接する際に、剥離可能な有機物層の変形量が大きく、接合部の回路パターンが沈み込み、配線回路の信頼性に問題が生じることがある。沈み込みが大きいときには、電子部品のエッジに回路パターンが接触して短絡を生じることがある。沈み込みは、配線回路の信頼性を確保するために6μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。
また剥離可能な有機物層と補強板との粘着力の方が、剥離可能な有機物層と可撓性フィルム基板との粘着力よりも大きいことが好ましい。このように両側の粘着力を制御する方法として、例えば、粘着剤の熟成を利用する方法がある。すなわち、粘着力を強くする側に粘着剤を塗布してから、空気を遮断した状態で所定の期間架橋を進行させることで、粘着力が低下した表面を得ることができる。
本発明の製造方法に好適に用いられる剥離装置の一例について、図4を用いて説明する。図4の剥離装置100は、枚葉型補強板に剥離可能な有機物層を介して可撓性フィルム基板が貼り付けられた可撓性フィルム回路基板用部材を支持して搬送する搬送装置と、可撓性フィルム回路基板用部材の補強板から可撓性フィルム基板を剥離する剥離ユニットと、複数の可撓性フィルム回路基板用部材を順次整列させる整列装置と、整列後に隣り合う可撓性フィルム回路基板用部材上の可撓性フィルム基板のみを逐次つなぎ合わせる接続装置と、可撓性フィルム回路基板用部材からつなぎ合わされた可撓性フィルム基板を剥離ユニットで連続して剥離し可撓性フィルム基板を回収する回収装置を備えている。
可撓性フィルム基板101を剥離可能な有機物層102を介して補強板103に貼り合わせた可撓性フィルム回路基板用部材104、補強板103を保持する載置台105、可撓性フィルム基板を沿わせて剥離する湾曲した支持体106、剥離した可撓性フィルム基板を巻き取る巻き取りロール107、巻き取りロール107にスペーサー108を供給するスペーサー供給ロール109、固定用部品110は支持体106表面との間で可撓性フィルム基板を挟み込み、支持体106の回転により可撓性フィルム基板に張力を加える。制御装置111は、載置台105の移動、支持体106、巻き取りロール107、接着テープ貼り合わせ機構などの回転を制御する。
剥離前に複数の可撓性フィルム基板101をつなぎ合わせるために、載置台105も複数個あることが好ましい。載置台105は支持体106の回転に合わせて、基台112上に設けられたレール113に沿って図中矢印114方向に移動し、可撓性フィルム基板を剥離する。載置台105の上面には吸引孔が配置されていて、図示していない真空源により、表面に載置された補強板103を吸着保持することができる。
図4に示した装置において、枚葉型補強板に剥離可能な有機物層を介して可撓性フィルム基板が貼り付けられた可撓性フィルム回路基板用部材を支持して搬送する搬送装置および複数の可撓性フィルム回路基板用部材を順次整列させる整列装置は、載置台105、レール113、載置台駆動源、制御装置を有する。可撓性フィルム回路基板用部材の補強板から可撓性フィルム基板を剥離する剥離ユニットは、支持体106と固定用部品110を有する。可撓性フィルム基板を回収する回収装置は、剥離した可撓性フィルム基板を巻き取る巻き取りロール107、巻き取りロール107にスペーサー108を供給するスペーサー供給ロール109、テンションロール115を有する。
整列後に隣り合う可撓性フィルム基板上の可撓性フィルム基板のみを逐次つなぎ合わせる接続装置について以下に説明する。整列させた可撓性フィルム回路基板用部材上の可撓性フィルム間を粘着テープ117でつなぎ合わせる。粘着テープ117は、真空ピックアップ121に保持され、位置合わせしてから、2枚の可撓性フィルム基板にまたがるように押しつけられ、2枚の可撓性フィルム基板を連結する。
また、粘着テープを可撓性フィルム基板の両面に貼り合わせる場合は、例えば、テンションロール115と巻き取りロール116との間に備えられた真空ピックアップ122とバックアップ盤123を用いて実施することができる。
支持体106の回転軸の自由度を回転のみにして、一方、載置台105で可撓性フィルム回路基板用部材104を図中矢印114方向に送ることにより、剥離を進行させることで、つなぎ合わせた後の可撓性フィルム基板101を回収する回収装置(巻き取りロール107、スペーサー供給ロール109、テンションロール115など)を簡素化し、装置をコンパクトにすることができる。本発明では、支持体106の回転軸を水平方向および垂直方向に固定し、補強板103を保持し水平方向に移動させることができる機構を備えていることが好ましい。
支持体106は軸116を介して、図示されない支持体106の回転角速度を測定するエンコーダ、支持体106に与えるトルクを制御する電磁クラッチ、回転モーターに結合されている。
支持体106の表面には吸着孔を配置して、真空源(図示されていない)により、可撓性フィルム基板101の接触する部分を吸着しても良い。このとき支持体106に設けられた吸着孔は支持体106と可撓性フィルム基板101の接触した部分が順次吸引される構成になっていることが好ましい。また、支持体106の表面の材質は特に限定されないが、プラスチックまたは、ゴム、発泡プラスチック等の弾性体であってクッション性を有することが好ましい。可撓性フィルム基板に傷がつくことを防止したり、弾性変形により可撓性フィルム基板上の回路パターンに接続された電子部品の高さ、あるいは可撓性フィルム基板のつなぎ合わせに用いられた粘着テープ117の高さを吸収して、これらのエッジで可撓性フィルム基板および回路パターンに折れが発生したりすることを防止できる。また、支持体106に電子部品に対応した凹部を形成加工した場合には、凹部のエッジによって可撓性フィルム基板に折れが発生しにくいなどの効果がある。
支持体106の表面が柔らかすぎると、可撓性フィルム基板の剥離が剥離進行方向に垂直な方向に対して均一に進行しにくくなる。電子部品が搭載されている場合や可撓性フィルム基板に搬送用の送り孔が設けられている場合に、弊害が起きやすい。すなわち、可撓性フィルム基板の剥離進行と垂直方向に張力ムラが発生しやすく、可撓性フィルム基板および回路パターンが歪み、位置精度が損なわれることがある。一方、支持体106の表面が硬すぎると、上記のように電子部品に対応した凹部を形成加工した場合に凹部のエッジによって可撓性フィルム基板に折れが発生しやすく、また、摩擦により回路パターンに傷がはいることがある。したがって、支持体106の表面の材質としては、JIS−A硬度30°から80°の弾性体が好ましい。
また、支持体6表面の材質として、シリコーン樹脂等のタック性を有するものは、剥離の進行に伴い可撓性フィルム基板の伸びが累積して、支持体106と可撓性フィルム基板101との間のずれ量が増加するのを防止できることから、剥離の進行に伴う剥離角の増加を抑制でき、好ましい。剥離角は、補強板103と剥離直後の可撓性フィルム基板101が成す角度であり、図5に示す角118である。タック性の目安としては支持体106から可撓性フィルム基板101を剥離するとき180°方向のピール強度が9.8N/m以下であることが好ましい。
可撓性フィルム基板101に接する支持体106の表面は剥離帯電による可撓性フィルム基板の帯電電位を抑制するために、制電性もしくは導電性であることが好ましい。帯電電位が大きくなると、放電が発生して回路パターンや電子部品を損傷するおそれがある。可撓性フィルム基板の剥離面とは反対の面に制電性あるいは導電性部材が接触していることによって、剥離面に発生する電荷が同じであっても電位を低くすることができるので、放電を防止できる。制電性材料としては、導電性材料を含有し、表面抵抗が1012Ω以下であるプラスチック、ゴム、発泡プラスチックなどが好ましい。
支持体106には、回路パターンが形成された可撓性フィルム基板101に許容される変形量と剥離性を勘案した曲率半径が与えられるが、部分的に異なる曲率半径が与えられていても良い。曲率半径が小さすぎると、金属で構成される回路パターンが塑性変形を起こしてカールが発生したり、電子部品の端部での応力低下効果が不十分になる。一方、曲率半径が大きすぎると、可撓性フィルム基板の剥離に使われる力よりも可撓性フィルム基板を引き延ばす方向の力が大きくなりすぎて、金属膜からなる回路パターンや可撓性フィルム基板の塑性変形の原因になる。したがって、少なくとも支持体106の可撓性フィルム基板101と接触する一部の曲率半径は、20mm以上、より好ましくは30mm以上、さらに好ましくは50mm以上である。また、少なくとも支持体106の可撓性フィルム基板101と接触する一部の曲率半径は、1000mm以下、より好ましくは800mm以下、さらに好ましくは700mm以下である。本発明において、曲率半径とは曲率を持つ部分と同じ曲率を持つ円の半径とする。
さらに、支持体106の回転と載置台105の水平移動は、図示されない回転モーターとリニアモーターにより、各々独立に行われ、補強板103から可撓性フィルム基板101を連続して剥離するように制御される。
剥離中の可撓性フィルム基板101と補強板104とのなす角である剥離角の範囲が1°以上80°以下であることが好ましい。剥離角が大きすぎると剥離点において可撓性フィルム基板に折れが発生することがあり、可撓性フィルム基板上に金属からなる回路パターンが形成されている場合は回路パターンに折れや変形が発生することがある。一方、剥離角が小さすぎると可撓性フィルム基板の剥離に使われる力よりも可撓性フィルム基板を引き延ばす方向の力が大きくなりすぎて金属膜からなる回路パターンや可撓性フィルム基板の塑性変形の原因になる。したがって、可撓性フィルム基板4から、可撓性フィルム基板を低応力で歪みなく剥離するための剥離角118の範囲は、好ましくは1°以上80°以下、より好ましくは2°以上70°以下、最も好ましくは5°以上60°以下である。
可撓性フィルム基板の先端は先行する可撓性フィルム基板の後端につなぎ合わされ、円筒形の支持体106に沿って走行し、補強板から剥離される。このとき、可撓性フィルム基板に張力を与えるために、可撓性フィルム基板は、剥離ユニットである支持体106と固定用部品110とに挟まれて把持され、軸116を中心として支持体106が回転する。固定用部品の代わりに支持体106内部からの真空吸着で支持体に固定することも可能である。固定用部品110は、可撓性フィルム基板を挟み込んでいる間は支持体と一緒に軸116を中心として回転するが、エアシリンダー(図示しない)によって支持体106から離されたときは、軸116を中心として自在に回転することができ、剥離される可撓性フィルム基板の所定の部分を把持することができる。つなぎ合わせる可撓性フィルム基板群の最初であって、先行する可撓性フィルム基板がない場合は、リードフィルムにつなぎ合わせる。リードフィルムの一端を巻き取りロール107に固定し、ロール115、支持体106を経て、反対側の一端を最初に剥離する可撓性フィルム基板の剥離開始端につなぎ合わせてから、剥離を開始することが好ましい。つなぎ合わせる可撓性フィルム基板群の最後にも適当な長さのリードフィルムを接続してから、巻き取りロール107に巻き取ることが好ましい。
軸116の中心から、支持体106がその表面で可撓性フィルム基板101に接触するまでの長さをRとすると、このRにエンコーダで観測された回転角速度を掛け合わせることにより、支持体106表面での回転周速度V1が算出される。支持体106表面での回転周速度V1を載置台106の水平移動速度V2よりも大きくし、かつ、V1はトルク制限機構により、支持体106に加わるトルクが所定の値を超えないようV2を下回らない範囲で制御することが好ましい。このように制御することで、可撓性フィルム基板の伸びによる剥離角の拡大を抑制し、かつ安定した剥離進行とすることと可撓性フィルム基板およびその上に形成された回路パターンの変形を抑制することができる。
V1、V2およびトルクの制御は、機械式、電子式もしくは、両者の組み合わせで可能である。機械式トルク制御方式としては、スリップリングと呼ばれる方式などを採用することができ、簡便な点で好ましい。電子式トルク制御方式としては、トルクセンサーとサーボモーターの組み合わせなどで実現することができ、制御の正確さや制御の自由度が高い点で好ましい。V1、V2の初期設定値は、V1/V2が1.01以上とすることが好ましい。トルク制限の設定値は、剥離の進行に伴う剥離角の増加防止に十分であり、かつ、金属からなる回路パターンや可撓性フィルム基板が塑性変形を起こさない範囲に設定され、可撓性フィルム基板の材質や幅、厚さにより、適宜選択される。以上、本装置では、V1/V2>1であることが好ましい。
さらに可撓性フィルム基板への作用張力を制限する制御を、制御装置111により、電磁クラッチを用いたトルク制御で行うことの他、支持体表面での回転周速度V1と載置台105の水平移動速度V2の速度制御で行うこともできる。ここでいう速度制御とは、まず電磁クラッチへの供給電圧を大きくして制限トルクを大きくすることで支持体106の回転が回転モーターの回転に対して滑らない状態にし、さらにV1/V2が1を越える適切な値になるように、回転モーターの回転速度とリニアモーターによる載置台105の水平移動速度V2を制御するものである。V1/V2が大きくなれば可撓性フィルム基板101への作用張力は大きくなるので、制限される張力の大きさになるようV1/V2を定める。速度制御、トルク制御のいずれを用いてもよいが、トルク制御の場合は、長時間の剥離の進行で可撓性フィルム基板101の伸びが累積してたるみが生じ、剥離角が増加するのを防止でき、常に回路パターンが形成された可撓性フィルム基板を低応力で剥離できるという特徴がある。V1とV2を独立して制御するために、可撓性フィルム回路基板用部材104は、載置台105bと支持体106とに挟み込まれているのではなく、支持体106と可撓性フィルム回路基板用部材104との間に、0.5〜5mmのギャップを設定しておくことが好ましい。
剥離前に複数の可撓性フィルム基板101をつなぎ合わせるために、載置台105は複数個あり、図4に示した載置台105a、105bのように、可撓性フィルム回路基板用部材104を搭載した状態で整列させることによって複数の可撓性フィルム回路基板用部材を順次整列させることができる。可撓性フィルム基板が剥離された補強板103cは図示されない移載手段で載置台から取り除かれる。補強板103cが取り除かれた載置台105cは、図示されない移動手段により、載置台105aの左側に移動され、新たな可撓性フィルム基板が搭載される。載置台105aに保持された可撓性フィルム基板の始端と載置台105bに保持された可撓性フィルム基板の終端を突き合わせた後、あるいは近接させて配置した後、粘着テープ117を保持し可撓性フィルム基板に押しつける手段を用いて2枚の可撓性フィルム基板をつなぎ合わせる。
可撓性フィルム回路基板用部材上の可撓性フィルム基板を逐次つなぎ合わせる接続装置の一例を図6に示す。図6は、可撓性フィルム基板の搬送方向に直角な方向の断面図である。粘着テープ117はあらかじめ所定の形状にカットされていて、シリコーン樹脂層をポリエステルフィルム上に設けた離型フィルム119に仮固定されている。離型フィルム119は真空吸着台120で裏側から吸着固定される。真空ピックアップ121で粘着テープ117を離型フィルム119から剥がし、真空ピックアップを可撓性フィルム基板101の上に移動し、可撓性フィルム基板に形成された送り孔やアライメントマークを画像認識して参照し、位置合わせする。次いで、粘着テープ117を2枚の可撓性フィルム基板にまたがるように押しつけることで、可撓性フィルム基板をつなぎ合わせる。粘着テープにあらかじめ送り孔が穿孔されている場合は、可撓性フィルム基板の送り孔と正確に位置合わせして貼り合わせる。
可撓性フィルム回路基板用部材104を保持、搬送する手段として載置台の代わりに、可撓性フィルム基板長辺側端部を上下から挟み込むコロやチャックを使用することもできる。
本発明において補強板と可撓性フィルム基板の剥離力は、剥離可能な有機物層を介して補強板と貼り合わせた1cm幅の可撓性フィルム基板を剥離するときの180°方向ピール強度で測定される。剥離力を測定するときの剥離速度は300mm/分とする。本発明において、上述の剥離角を最適な範囲内に制御するためには、剥離力が0.098N/mから98N/mの範囲であることが好ましい。
次に、上記の剥離装置を用いた可撓性フィルム基板の連結方法について図4および図6を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
可撓性フィルム回路基板用部材104を補強板103aを下側(つまり可撓性フィルム基板101aを上側)にして、移載手段(図示しない)により載置台105aに載置する。続いて、真空源(図示しない)を稼働させて、可撓性フィルム回路基板用部材104を載置台105a上に吸着保持する。可撓性フィルム基板101aは基板流れ方向(図中矢印114の方向)では補強板と同じ大きさである。また、補強板と載置台も基板流れ方向には同じ大きさである。先行する載置台105bに保持された可撓性フィルム基板101bも同様に基板流れ方向では補強板および載置台と同じ大きさである。載置台105aと載置台105bとを突き合わせることで、可撓性フィルム基板101aと可撓性フィルム基板101bの端辺も突き合わされるので、突き合わされた部分を粘着テープ117で固定し、2枚の可撓性フィルム基板をつなぎ合わせる。載置台105aと載置台105bとを突き合わせる代わりに、1mm以下の微小間隙を保って近接して配置しても良い。粘着テープはあらかじめ所定の形状に成型されており、真空ピックアップ121に保持して、可撓性フィルム基板の連結部分上空に移動させる。可撓性フィルム基板に形成された送り孔やアライメントマークを画像認識して参照し、位置合わせする。次いで、粘着テープ117を2枚の可撓性フィルム基板にまたがるように押しつけることで、可撓性フィルム基板をつなぎ合わせる。粘着テープにあらかじめ送り孔が穿孔されている場合は、可撓性フィルム基板の送り孔と正確に位置合わせして貼り合わせる。粘着テープにあらかじめ送り孔が穿孔されていない場合は、可撓性フィルム基板を粘着テープで連結して剥離後にパンチング等で可撓性フィルム基板の送り孔に合わせて粘着テープにも送り孔を穿孔する。
上記のように、可撓性フィルム基板の先端は先行する可撓性フィルム基板の後端につなぎ合わされ、円筒形の支持体106に沿って走行し、補強板から剥離される。このとき、可撓性フィルム基板に張力を与えるために、可撓性フィルム基板は、支持体106内部からの真空吸着で支持体に固定されたり、支持体106と固定用部品110とに挟まれて把持され、軸116を中心として支持体106が回転する。固定用部品110は、可撓性フィルム基板を挟み込んでいる間は支持体と一緒に軸116を中心として回転するが、エアシリンダー(図示しない)によって支持体106から離されたときは、軸116を中心として自在に回転することができ、剥離される可撓性フィルム基板の所定の部分を把持することができる。
つなぎ合わされてから剥離された可撓性フィルム基板は可撓性フィルム基板を回収する装置である巻き取りロール107に巻き取られる。可撓性フィルム基板上に形成された回路パターンやさらに回路パターンに接続された電子部品を傷つけないように、可撓性フィルム基板間には、スペーサー108が挟まれて巻き込まれる。スペーサーには、エンボス加工したプラスチックフィルムを用いることができる。
補強板103から剥がされた可撓性フィルム基板は、連結部分に粘着テープが貼られているが、剥離後から巻き取りロール107に至る間に、補強板との貼り合わせ面側にも同様に粘着テープを貼って、連結を確実にすることが好ましい。間欠的に搬送される連結された可撓性フィルム基板のつなぎ位置に、真空ピックアップ122で保持した粘着テープを貼り合わせる。このとき、真空ピックアップ122と可撓性フィルム基板を挟んで反対側に配置されたバックアップ盤123により、可撓性フィルム基板と粘着テープとを挟み込む。
先行して剥離されている可撓性フィルム基板がない場合は、ロール107からロール106を経て、図4の粘着テープ117位置に至るリードフィルムを用意して、最初の可撓性フィルム基板をリードフィルムにつなぎ合わせることができる。リードフィルムがあることで後工程でも取り扱いが容易になるので好ましい。
載置台105には、剥離可能な有機物層102の剥離力を低下させるために、内部または上部に加熱装置が付与されていることが好ましい。同じ目的で、支持体106に加熱装置が付与されていることが好ましい。十分に剥離力を低減するためには加熱温度は高温の方が好ましいが、加熱温度が高すぎると有機物層が変質して剥離後の可撓性フィルム基板101上に残存する有機物層を除去しにくくなるため、剥離可能な有機物層102の加熱温度は、30℃以上280℃以下であることが好ましい。
可撓性フィルム基板が剥離された補強板103cは図示されない移載手段で載置台から取り除かれる。補強板103cが取り除かれた載置台105cは、紙面に垂直な方向奥側に設置されたレールに沿って移動して、載置台105aの左側に置かれ、新たな可撓性フィルム回路基板用部材が搭載される。
図7は、剥離装置における連結部分の別の態様の概略図である。可撓性フィルム基板101aは、粘着層7を介して101bと連結されている。可撓性フィルム基板101aの搬送方向先頭部分は補強板103aからはみ出すように準備されている。可撓性フィルム基板の端部を連結に使用する長さ分、補強板から剥離した後、可撓性フィルム基板を剥離した部分の補強板を切断除去することで上記のような可撓性フィルム回路基板用部材104aを得ることができる。また、補強板に可撓性フィルム基板を貼り合わせる際に、可撓性フィルム基板を補強板よりも大きくしておき、可撓性フィルム基板の一端を補強板からはみ出して貼り合わせることによって上記のような可撓性フィルム回路基板用部材104aを得ることができる。
本発明の回路基板の製造方法を以下に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。厚さ1.1mmのソーダライムガラスに、スピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷などを用いて、剥離可能な有機物を塗布する。間欠的に送られてくる枚葉基板に均一に塗布するためには、ダイコーターの使用が好ましい。剥離可能な有機物塗布後、加熱乾燥や真空乾燥などにより乾燥し、厚みが2μmの剥離可能な有機物層を得る。塗布した剥離可能な有機物層上に、離型フィルム(ポリエステルフィルム上にシリコーン樹脂層を設けた)からなる空気遮断用フィルムを貼り合わせて1週間室温で放置する。この期間は、熟成と呼ばれ、剥離可能な有機物の架橋が進行して、徐々に粘着力が低下する。放置期間や保管温度は、所望の粘着力が得られるように選択される。空気遮断用フィルムを貼り合わせる代わりに、窒素雰囲気中や真空中で保管することもできる。剥離可能な有機物を長尺フィルム基体に塗布、乾燥後、補強板に転写することも可能である。
次に、可撓性フィルム基板である厚さ25μmのプラスチックフィルムを準備する。ガラス基板上の空気遮断用フィルムを剥がして、プラスチックフィルムをガラス基板に貼り合わせる。前述のように、プラスチックフィルムの片面または両面に金属層(貼り合わせ面においては回路パターンであってもよい)があらかじめ形成されていても良い。プラスチックフィルムあらかじめ所定の大きさのカットシートにしておいて貼り付けても良いし、長尺ロールから巻きだしながら、貼り付けと切断をしてもよい。このような貼り付け作業には、可撓面状体の面にプラスチックフィルムを保持してから、ガラス基板に押圧することで、低応力、高精度にプラスチックフィルムをガラス基板側にラミネートする方法が好適に採用できる。上記の方法に用いられるラミネート装置について図8を用いて説明する。
200はラミネート装置の概略正面図である。静電気帯電装置201で可撓性面状体202を帯電させ、プラスチックフィルム203を吸着させる。可撓性面状体202には可撓性の織物や薄膜状物が採用でき、枠体204に固定されている。また、静電気帯電装置201は基台205上の支柱206に支持されており、上下動機構(図示しない)によって、支柱206は、図8の左右に移動する枠体204や載置台207と静電気帯電装置201が干渉しないように動く。次に、剥離可能な有機物層208が塗布されたガラス基板209を真空吸着等で載置台207に保持する。スキージ210でプラスチックフィルム203を可撓性面状体202ごと剥離可能な有機物層208に押しつけ、プラスチックフィルム203をガラス基板209側に移し取る。スキージ210はスキージ保持体211に保持されており、移動や上下動が可能である。載置台207は、レール212、ガイド213、ナット214、ブラケット215、216、ボールねじ217、モーター218によって図の左右に移動できる。
プラスチックフィルムの貼り合わせ面とは反対側の面に金属層が設けられていない場合は、フルアディティブ法やセミアディティブ法で金属層を形成する。さらに必要に応じて金、ニッケル、錫などのめっきを施して、回路パターンを得る。
また、回路パターン形成において、プラスチックフィルムに接続孔を設けることができる。すなわち、貼り合わせ面側に設けた金属層との電気的接続を取るビアホールを設けたり、ボールグリッドアレイのボール設置用の孔を設けたりすることができる。接続孔の設け方としては、レーザー孔開けやケミカルエッチングを採用することができる。電気的接続を取る場合は、接続孔形成後、前述の回路パターン形成と同時にめっき法で孔内面を導体化することが好ましい。電気的接続をとるための接続孔は、直径が15μmから200μmが好ましい。ボール設置用の孔は、直径が50μmから800μmが好ましく、80μmから800μmがより好ましい。
必要に応じて、回路パターン上にソルダーレジスト層を形成する。ソルダーレジストとしては、感光性のソルダーレジストや熱硬化性のソルダーレジストが好ましい。その中でも、微細回路パターンに対しては感光性のソルダーレジストの採用がより好ましい。スピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷機などで回路パターン上に感光性ソルダーレジストを塗布し、乾燥させた後、所定のフォトマスクを介して紫外線露光をし、現像して、ソルダーレジストパターンを得る。次に100℃から200℃でキュアをする。
次いで形成した回路パターン上にICチップ、抵抗やコンデンサなどの電子部品を実装する。電子部品を搭載させる手段は、光学的位置検出機能と可動ステージなどの位置合わせ機能を有し、搭載精度を確保できる装置を用いて行うことが好ましい。
また、電子部品と回路基板との接続方法としては、回路基板の接続部に形成された錫、金、はんだなどの金属層と電子部品の接続部に形成された金やはんだなどの金属層とを加熱圧着し金属接合させる方法、回路基板の接続部の錫、金、はんだなどの金属層と電子部品の接続部に形成された金やはんだなどの金属層とを圧着しつつ回路基板と電子部品間に配置した異方導電性接着剤または非導電性接着剤を硬化させ、機械的に接合させる方法などが挙げられる。
回路パターンの保護や可撓性フィルム基板を歪みなく剥離するために、可撓性フィルム基板上の全面あるいは一部に保護層を形成することが好ましい。保護層を形成することによって、可撓性フィルム基板剥離の際の剥離角が大きくなり過ぎることを抑制する効果が得られるからである。可撓性フィルム基板上に保護層を設けて、可撓性フィルム基板を剥離した後、保護層を除去することでも同様の効果を得ることができる。保護層の形成はフィルム状の部材をラミネートしてもよいし、液状材料をコーティングしてもよい。保護層が液状の場合、スピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷機、カーテンコーターなどで可撓性フィルム基板上に溶液を塗布し、乾燥させる。さらに保護層は補強板から回路基板を剥離した後に水あるいは溶剤で溶解し除去してもよく、その機能を有する点でソルダーレジストであることが好ましい。
また、通常の回路パターンには、配線方向に偏りがあり、配線の長手方向が特定の方向にそろう分布となることが多い。このような場合には、配線の長手方向が多く並んだ方向とは直行する方向に剥離することが、フィルムの変形を低減することができ好ましい。
回路パターンと電子部品とを接続した後、本発明の剥離方法を用いて可撓性フィルム基板とガラス基板とを剥離することが、電子部品の接合精度を高くできる点で好ましい。
回路パターンを作製するときは、同一の回路パターンが2次元に繰り返し配置されたデザインを用いて加工を進め、可撓性フィルム基板剥離前に回路パターンが一次元に配列された短冊状に回路パターン付き可撓性フィルム基板を切り分けてから、可撓性フィルム基板をガラス基板から剥離することもできる。可撓性フィルム基板の切り分けには、レーザー、高圧水ジェットやカッターなどを用いることができる。ガラス基板も短冊状に切り分けてから剥離することは装置を小型化することができ、好ましい形態である。
本発明では、回路パターンに抵抗素子や容量素子を入れ込むことは適宜許される。また、可撓性フィルム基板の少なくとも一方の面に絶縁層と配線層を積層し、多層化することも可能である。
図4の装置を用いて可撓性フィルム基板をつなぎ合わせてから、補強板から剥離する。可撓性フィルム回路基板用部材104を補強板103を下側(つまり可撓性フィルム基板101aを上側)にして、移載手段(図示しない)により載置台105aに載置する。続いて、真空源(図示しない)を稼働させて、可撓性フィルム回路基板用部材104aを載置台105a上に吸着保持する。可撓性フィルム基板101aは基板流れ方向(図中矢印114の方向)では補強板と同じ大きさとし、また、補強板と載置台も基板流れ方向には同じ大きさとする。先行する載置台105bに保持された可撓性フィルム基板101bも同様に基板流れ方向では補強板および載置台と同じ大きさとする。載置台105aと載置台105bとを突き合わせることで、可撓性フィルム基板101aと可撓性フィルム基板101bの端辺も突き合わされるので、突き合わされた部分を可撓性フィルムベースの粘着テープ117で固定し、2枚の可撓性フィルム基板をつなぎ合わせる。可撓性フィルム回路基板用部材104は、図4右方向に搬送され、可撓性フィルム基板101は円筒形の支持体106に沿って走行し、補強板から剥離される。このとき、可撓性フィルム基板に張力を与えるために、可撓性フィルム基板は、支持体106と固定用部品110とに挟まれて把持され、軸116を中心として支持体106が回転する。
つなぎ合わされてから剥離された可撓性フィルム基板は巻き取りロール107に巻き取られる。可撓性フィルム基板上に形成された回路パターンやさらに回路パターンに接続された電子部品を傷つけないように、可撓性フィルム基板間には、スペーサー108が挟まれて巻き込まれる。
図10に示した重ね合わせ部に製品時には切り離される回路パターン部分(テストパッドなど)を配置してつなぎ合わせる場合、製品時に切り離される回路パターン部分であっても補強板の上で作製されることが好ましいので、回路パターンが形成された可撓性フィルムを補強板から剥離した後、つなぎ合わせることが好ましい。補強板から剥離した後、スプロケットホール基準またはアライメントマーク基準で短冊状基板をつなぎ合わせることができるが、図4の装置で粘着テープにて仮つなぎして、長尺化した後、仮つなぎ部分をトリミングして、つなぎ合わせることが自動化が容易で、タクトタイムの短縮がしやすく好ましい。ホットメルト接着剤などを用い加熱・圧着してつなぎ合わせる場合は、加熱・圧着ツールが回路パターンに直接当接しないことが回路パターンの損傷を防止するうえで好ましいため、図10矢印14で示した、つなぎあわせ部分に回路パターンがない方向から加熱・圧着ツールを可撓性フィルムに当接させることが好ましい。また、つなぎあわせ部分に回路パターンがない方向から加熱・圧着ツールを可撓性フィルムに当接させることにより、配線の熱伝導によって、電子部品との金属接合のための配線表面のめっき層を溶融、酸化させないことができる。加熱・圧着時間を10秒以下、好ましくは5秒以下にすることも熱伝導による該めっき層の溶融、酸化を防止するために効果がある。
図4の装置で粘着テープにて仮つなぎして、長尺化した後、仮つなぎ部分をトリミングして、つなぎ合わせる装置について、図11を用いて説明する。
図11に示すつなぎ装置400は、粘着テープ401で仮つなぎされた可撓性フィルム基板402の巻き出しロール403および巻き取りロール404と、可撓性フィルム基板402と同時に巻き出されるスペーサー405を巻き取るスペーサー巻取りロール406および巻き取られる可撓性フィルム基板402の間にスペーサー407を供給するスペーサー供給ロール408と、つなぎユニット409とを備えている。
仮つなぎされた可撓性フィルム基板は、この装置において、巻き出しロール403からつなぎユニット409へと供給される。可撓性フィルム基板と共に巻かれていたスペーサー405はスペーサー巻き取りロール406に巻き取られる。つなぎユニット409に搬送された可撓性フィルム基板402は、所定の形状に切断された後、つなぎ合わせられ、スペーサー供給ロール408から供給されるスペーサー407とともに巻き取りロール404に巻き取られる。なお、可撓性フィルム基板402には、つなぎのための接着層410が形成されている。また、回路パターンおよび接着層は、可撓性フィルム基板の吸着ステージ側にくるよう巻き出される。
本つなぎユニット409は、また、金型412a、412bと吸着ステージ413、414とを備えている。金型412a、412bは、可撓性フィルム基板を所定の位置で短辺に垂直な報告に直線状に切断する。
仮つなぎされた可撓性フィルム基板402は、このつなぎユニット409において、粘着テープ401が金型412a、412bの打ち抜き位置にくるように送られ、吸着ステージ413、414で吸着される。
この状態で、金型412a、412bで可撓性フィルム基板を所定形状に打ち抜く。その後、金型412aを退避させ、吸着アーム415、416にて打ち抜き位置前後の可撓性フィルム基板を保持する。吸着ステージ413、414の吸着を解除し、次いで、吸着アーム415、416にて可撓性フィルム基板を持ち上げる。2枚の可撓性フィルム基板をそれぞれ下流側に移動させ、回路パターンが配置された可撓性フィルム基板を図11下側として、上側に接着層が形成された可撓性フィルム基板を重ね合わせる。この状態で、加熱加圧手段417を移動させてきて、接着層410が設けられている位置に可撓性フィルム基板の上から押し当てる。このようにして、粘着テープ401が切断除去されて分離された2枚の可撓性フィルム基板がつなぎ合わせられる。
本発明は、特に接続ピッチが小さく、かつピン数が大きい大規模LSIの実装精度確保に効果が大きいため、LSIのパッケージ形態(実装形態)は特に限定されず、ベアチップ、ボールグリッドアレイタイプ等のいずれにも適用することができる。
本発明の製造方法で得られた回路基板の用途は特に限定されないが、好ましくは電子機器の配線板、ICパッケージ用インターポーザーなどに使用される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
可撓性フィルム基板として、厚さ25μmの長尺ポリイミドフィルム(“カプトン”100EN(商品名)東レデュポン(株)製)を準備した。長尺フィルム対応のリール・ツー・リール方式のスパッタ装置で、ポリイミドフィルム上に厚さ15nmのクロム:ニッケル=5:95(重量比)の合金膜と厚さ150nmの銅膜をこの順に積層した。
補強板である厚さ1.1mm、300×350mmのソーダライムガラスにダイコーターで、紫外線硬化型粘着剤“SKダイン”SW−22(綜研化学(株)製)と硬化剤L45(綜研化学(株)製)を100:3(重量比)で混合したものを塗布し、80℃で2分間乾燥した。乾燥後の剥離可能な有機物層厚みを2μmとした。次いで有機物層に、空気遮断用フィルム(ポリエステルフィルム上に離型容易なシリコーン樹脂層を設けたフィルム)を貼り合わせて1週間放置した。
金属層を設けたポリイミドフィルムを300×350mmに切り出した。上記空気遮断用フィルムを剥がしてから、図8に示したラミネーターで剥離可能な有機物層に金属層を設けたポリイミドフィルムを貼り合わせた。静電気帯電装置201でポリエステルメッシュからなる可撓性面状体202を帯電させ、ポリイミドフィルム203を吸着させた。次に、剥離可能な有機物層208が塗布されたガラス基板209を真空吸着で載置台207に保持した。スキージ210でポリイミドフィルム1を可撓性面状体202ごと剥離可能な有機物層208に押しつけ、ポリイミドフィルム203をガラス基板209側に移し取った。その後、ガラス基板側から紫外線を1000mJ/cm照射し、有機物層を硬化した。
銅膜上にポジ型フォトレジストをスピンコーターで塗布して80℃で10分間乾燥した。フォトレジストをフォトマスクを介して露光、現像して、めっき膜が不要な部分に厚さ12μmのフォトレジスト層を形成した。
テスト用フォトマスクパターンは以下に示す形状とした。19.3mm×2.5mmの長方形の二つの長辺上に、インナーリードとして、25μmピッチで、1辺あたり772個の配線(幅10μm、長さ5mm)を並べた。上記19.3mm×2.5mmの長方形と中心を同じくして38.6mm×20mmの長方形の二つの長辺に最外端が接するように、50μmピッチで一辺あたり772個の配線(幅25μm、長さ100μm)をアウターリードとして並べた。インナーリードとアウターリードを一対一で幅10μmの配線で結んだものを1ユニットとした。このユニットをガラス基板が300mm長さの方向に中心から等配、48mmピッチで6列を配置した。ガラス基板が350mm長さの方向には中心から等配、23.75mmピッチで14個を配置した。
次いで、上記銅膜を電極として厚さ8μmの銅層を硫酸銅めっき液中での電解めっきで形成した。フォトレジストをフォトレジスト剥離液で剥離し、続いて、過酸化水素−硫酸系水溶液によるソフトエッチングにてレジスト層の下にあった銅膜およびクロム−ニッケル合金膜を除去した。引き続き、銅めっき膜上に、無電解めっきで厚さ0.4μmの錫層を形成し、回路パターンを得た。
測長機SMIC−800(ソキア(株)製)にて、ポリイミドフィルム上のユニットについて、最外端インナーリードの幅方向中心間距離(設計値19.3mm)を測定したところ、全てのユニットにおいて、設計値に対して±1μm(0.005%)以内にあり、位置精度は非常に良好であった。
YAGレーザーを用いて300×350mmのポリイミドフィルムを48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分けると同時に、短冊の長辺側両端部に4.75mmピッチで1.981mm角の送り孔を穿孔した。短冊には、ユニットが1列に14個配置されており、332.5mmは14ユニット分の長さである。短冊状に切り分けられたポリイミドフィルムの短辺側端部では、アウターリード最外端よりも1.875mm外側にある。さらに、ポリイミドフィルムに合わせて、ガラス基板もガラススクライブ装置にて48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分け、300×350mmの基板から、6個の短冊状サンプルを得た。
続いて、図4に示した剥離装置で、ガラス基板からポリイミドフィルムを剥離した。支持体106の曲面の曲率半径は125mmで、支持体表面にはJIS−A硬度50°のシリコーンゴムを使用した。リードフィルムとして、厚さ25μm、幅48mmのポリイミドフィルムを準備した。最初に剥離する可撓性フィルム回路基板用部材104を載置台105に吸着させた。リードフィルムの一端を巻き取りロール107に固定し、ロール115、支持体106を経て、最初に剥離するポリイミドフィルムの剥離開始側一端に図1に示したH型粘着テープを用いて繋いだ。粘着テープに使用したポリイミドフィルムの厚みは25μmとした。H型粘着テープの長辺側(連結した際のポリイミドフィルムの長辺側。以下同様である。)両端部の幅は3mm、長さは27mmとした。H型粘着テープの長辺側両端部にはポリイミドフィルムに設けられた送り孔に合わせた送り孔をあらかじめ設けておき、ポリイミドフィルムに設けられた送り孔位置に合致するように貼り合わせた。H型粘着テープの長辺側両端部を繋ぐ部分の幅は2.5mmとした。可撓性フィルム回路基板用部材を搭載した載置台105を右方向に進め、軸116の直下にポリイミドフィルム101の剥離開始端部を位置決めした。固定用部品110と支持体106とでリードフィルムを挟み、固定した。載置台105の剥離時の右側移動速度を0.3m/分、支持体106の回転周速度を0.31m/分とし、また、ポリイミドフィルム101に加わる張力が160N/m以上になるときに支持体106の回転周速度が載置台の移動速度に向かって低下するよう制御しつつ、載置台105の右方向への移動と支持体106の左回転により、可撓性フィルム基板101を補強板102から100mm長さ分剥離して、動作を一度止めた。固定用部品110をリードフィルから離して、リードフィルムとポリイミドフィルム101のつなぎ位置に移動し、この部分を支持体106とで挟み、固定した。
次に剥離する2枚目の可撓性フィルム回路基板用部材104を載置台105aに載せ、先行する載置台105bと突き合わせた。先行して剥離が開始されたポリイミドフィルムの後端と新しく供給されたポリイミドフィルムとの先端を上記のH型粘着テープ117にてつなぎ合わせた。ポリイミドフィルム上の回路パターンユニット間には3.75mmの間隙があるので、連結による回路パターンのロスはなかった。上記したのと同条件で、載置台105の剥離時の右側移動と支持体106の回転を再開して、1枚目のポリイミドフィルムのガラス基板からの剥離を完了し、さらに2枚目のポリイミドフィルムを100mm長さ分剥離してから、動作を止めた。以後、3枚目以降のポリイミドフィルムを2枚目のポリイミドフィルムと同様にして剥離した。剥離されたポリイミドフィルムを巻き取りロール107に巻き取った。ポリイミドフィルム間にはエンボス加工した幅48mmのスペーサー108を挟んだ。
剥離後の回路パターン付きポリイミドフィルムは折れやカールが見られず平坦性は良好であった。測長機SMIC−800にて、剥離後のポリイミドフィルム上のユニットについて、最外端インナーリードの幅方向中心間距離(設計値19.3mm)を測定したところ、全てのユニットにおいて、設計値に対して±1μm(0.005%)以内にあり、位置精度は非常に良好であった。
実施例2
実施例1と同様にして回路パターンを作製し、さらに、48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分けた。次いで、19.3mm×2.5mmの長方形の2つの長辺上にそれぞれ25μmピッチで772個の金めっきバンプ列を並べたICチップをフリップチップボンダーにて、ポリイミドフィルム上のインナーリードと金属接合した。このときICを吸着保持するツールを400℃に加熱し、ガラスを載せたステージの温度を180℃とし、1枚の短冊状サンプルあたり10ユニット全てに順次ICチップを接合した。支持体表面に厚さ3mmの制電性発泡ポリウレタンシートを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、短冊状サンプルのポリイミドフィルムをつなぎ合わせつつガラス基板から剥離した。
剥離後の回路パターン付きポリイミドフィルムは折れやカールが見られず平坦性は良好であった。測長機SMIC−800にて、剥離後のポリイミドフィルム上のユニットについて、最外端アウターリードの幅方向中心間距離(設計値38.6mm)を測定したところ、全てのユニットにおいて、設計値に対して±2μm(0.005%)以内にあり、位置精度は非常に良好であった。
実施例3
実施例1と同様にして回路パターンを作製し、さらに、48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分けた。H型粘着テープに代えて、全ての連結部における長辺側の両端部を各連結部毎に2枚の帯状粘着テープで連結した。帯状粘着テープは幅3mm長さ27mmであり、ポリイミドフィルムに設けられた送り孔に合わせた送り孔があらかじめ設けられており、ポリイミドフィルムに設けられた送り孔位置に合致するように貼り合わせた。実施例1と同様にして、短冊状サンプルのポリイミドフィルムをつなぎ合わせつつガラス基板から剥離した。
剥離後の回路パターン付きポリイミドフィルムは折れやカールが見られず平坦性は良好であった。測長機SMIC−800にて、剥離後のポリイミドフィルム上のユニットについて、最外端アウターリードの幅方向中心間距離(設計値38.6mm)を測定したところ、全てのユニットにおいて、設計値に対して±2μm(0.005%)以内にあり、位置精度は非常に良好であった。
実施例4
実施例1と同様にして回路パターンを作製した。実施例1に比べて、短冊の長辺側の一端を2.5mm延長し、48mm幅で335mm長さの短冊状に切り分けた。一方、ガラス基板は、1枚を除き、実施例1と同じ48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分け、ガラス基板の長手方向一端からポリイミドフィルムが2.5mmはみ出しているようにした。1枚は、ガラス基板の長さをポリイミドフィルムと同じ335mmにした。
図4に示した剥離装置で、ガラス基板からポリイミドフィルムを剥離した。支持体106の曲面の曲率半径は125mmで、支持体表面にはJIS−A硬度50°のシリコーンゴムを使用した。リードフィルムとして、厚さ25μm、幅48mmのポリイミドフィルムを準備した。長さ335mmのガラス基板がついた可撓性フィルム回路基板用部材104を最初に剥離装置にセットし、圧空によるシリンジ型ディスペンス機器(図示していない)にて、剥離開始端2.5mmの部分に光硬化型接着剤“ラックストラック”LCR0641(東亞合成(株)製)を塗布した。塗布幅は1.5mm、乾燥後の厚みを10μmとした。リードフィルムの一端を巻き取りロール107に固定し、ロール115、支持体106を経て、上記の光硬化型接着剤塗布部分にリードフィルムの一端を重ねて押しつけつつ、ガラス基板のポリイミドフィルム貼り合わせ側とは反対側から光を照射して硬化させた。
続いて、載置台105を右方向に進め、軸116の直下にポリイミドフィルム101の剥離開始端部を位置決めした。固定用部品110と支持体106とでリードフィルムを挟み、固定した。載置台105の剥離時の右側移動速度を0.3m/分、支持体106の回転周速度を0.31m/分とし、また、ポリイミドフィルム101に加わる張力が160N/m以上になるときに支持体106の回転周速度が載置台の移動速度に向かって低下するよう制御しつつ、載置台105の右方向への移動と支持体106の左回転により、ポリイミドフィルム101を補強板102から100mm長さ分剥離して、動作を一度止めた。固定用部品110をリードフィルから離して、リードフィルムとポリイミドフィルム101のつなぎ位置に移動し、この部分を支持体106とで挟み、固定した。ポリイミドフィルムの剥離方向後端の2.5mmの部分に光硬化型接着剤LCR0641(東亞合成(株)製)を塗布した。塗布幅は1.5mm、乾燥後の厚みを10μmとした。
次に剥離する2枚目の可撓性フィルム回路基板用部材104を載置台105aに載せ、先行する載置台105bと突き合わせた。このとき、2枚目の可撓性フィルム回路基板用部材のガラス基板からはみ出したポリイミドフィルムが、先行する可撓性フィルム回路基板用部材の光硬化型接着剤塗布部分に重なるようにし、重なった部分を押しつつ、ガラス基板のポリイミドフィルム貼り合わせ側とは反対側から光を照射して硬化させた。ポリイミドフィルム上の回路パターンユニット間には3.75mmの間隙があるので、連結による回路パターンのロスはなかった。上記したのと同条件で、載置台105の剥離時の右側移動と支持体106の回転を再開して、1枚目のポリイミドフィルムのガラス基板からの剥離を完了し、さらに2枚目のポリイミドフィルムを100mm長さ分剥離してから、動作を止めた。以後、3枚目以降のポリイミドフィルムを2枚目のポリイミドフィルムと同様にして連結して剥離した。剥離されたポリイミドフィルムを巻き取りロール107に巻き取った。ポリイミドフィルム間にはエンボス加工した幅48mmのスペーサー108を挟んだ。
剥離後の回路パターン付きポリイミドフィルムは折れやカールが見られず平坦性は良好であった。測長機SMIC−800にて、剥離後のポリイミドフィルム上のユニットについて、最外端インナーリードの幅方向中心間距離(設計値19.3mm)を測定したところ、全てのユニットにおいて、設計値に対して±1μm(0.005%)以内にあり、位置精度は非常に良好であった。
実施例5
テスト用フォトマスクパターンは以下に示す形状とした。19.3mm×2.5mmの長方形の二つの長辺上に、インナーリードとして、25μmピッチで、1辺あたり772個の配線(幅10μm、長さ5mm)を並べた。上記19.3mm×2.5mmの長方形と中心を同じくして38.6mm×21.05mmの長方形の二つの長辺に最外端が接するように、50μmピッチで一辺あたり772個の配線(幅50μm、長さ200μm)をアウターリードとして並べた。長方形の長辺の一つの側のアウターリードに接続して、さらに外側に二段千鳥配置にて幅50μm、長さ500μmのテストパッドを設けた。二段のテストパッド間は150μmの距離をとった。インナーリードとアウターリードを一対一で幅10μmの配線で結んだものを1ユニットとした。このユニットをガラス基板が300mm長さの方向に中心から等配、48mmピッチで6列を配置した。ガラス基板が350mm長さの方向には中心から等配、23.75mmピッチで14個を配置した。フォトマスクパターンを使用し、実施例1と同様にして回路パターンを作製した。
接着層のための樹脂を以下のようにして用意した。温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置および撹拌装置を付した反応釜に、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン24.9g(0.1mol)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル180.2g(0.9mol)をN,N−ジメチルアセトアミド2813gと共に仕込み、溶解させた後、3,3'、4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物291.3g(0.99mol)を添加し、室温で1時間、続いて70℃で5時間反応させて、15重量%のポリアミド酸溶液からなる接着剤を得た。
次いで、YAGレーザーを用いて、300×350mmのポリイミドフィルムを48mm幅で350mm長さの短冊状に切り分けると同時に短冊の長辺側両端部に4.75mmピッチで1.981mm角の送り孔を穿孔した。短冊には、ユニットが1列に14個配置されている。つなぎ合わせ部分にポリイミドフィルムの搬送方向に1mmの長さで、上記ポリアミド酸溶液からなる接着剤をディスペンサーで一直線状に塗布した。すなわち、最外端のユニットの内、テストパッドを設けなかった側が短冊の端部側にある方に、テストパッドを設けなかったアウターリードの最外端から短冊の長辺方向に1.85mm離れた部分を幅方向中心として、短冊の短辺と平行に幅1mmの粘着層を形成した。つまり、23.75mm長さのユニットの外側に接するように幅1mmの粘着層を設けた。その後、120℃で、10分間乾燥し、2μm厚の接着層を得た。
さらにポリイミドフィルムに合わせて、ガラス基板もガラススクライブ装置にて48mm幅で350mm長さの短冊状に切り分け、300×350mmの基板から、6個の短冊状サンプルを得た。
続いて、H型テープの代わりに、送り孔が設けられていない幅15mmの帯状のテープを用いたことと長さ350mmの基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、図4に示した剥離装置で、ガラス基板からポリイミドフィルムを仮つなぎつつ剥離した。
その後、図11に示したつなぎ装置にて、次の(a)から(c)の手順を繰り返し、長尺フィルム回路基板を得た。
(a)仮つなぎ部分をはさんで、テストパッドが設けられた側のポリイミドフィルムをテストパッド最外端から0.2mmの距離にて直線状に切断した(23.75mmの1ユニット分の外形に相当)。もう一方のポリイミドフィルムは、幅1mmの接着層外端にて切断した(23.75mmの1ユニット分の外形に接着層が付加された長さに相当)。
(b)ポリイミドフィルムの搬送方向端部が、搬送方向に直交する方向の全幅で接着層を介して重なるように、分割された2枚のポリイミドフィルムを重ね合わせた。なお、全幅での重ね合わせは接着層の幅と同じ搬送方向に1mmとなるようにした。
(c)その後、加熱加圧手段を用いて接着層を加熱し、2枚のポリイミドフィルムを連結固定した。なお、加熱加圧手段のヘッドは、幅(搬送方向の長さ)1mmである。押圧は、温度350℃、圧力1N/mmで5秒間行った。
つなぎ合わせ後の回路パターン付きポリイミドフィルムは、つなぎ合わせにより使用できなくなる回路パターンがなく、また、折れやカールが見られず平坦性は良好であった。測長機SMIC−800にて、剥離後のポリイミドフィルム上のユニットについて、最外端インナーリードの幅方向中心間距離(設計値19.3mm)を測定したところ、全てのユニットにおいて、設計値に対して±1μm(0.005%)以内にあった。
得られた長尺フィルム回路基板のつなぎ合わせ部分には、テストパッドが配置されたが、損傷はなく、インナーリードの溶融や酸化もなかった。また、つなぎ合わせ部分を切り取り、連結強度を測定したところ、30Nであった。
比較例1
実施例1と同様にして、回路パターンを得、さらに、YAGレーザーを用いてポリイミドフィルムを48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分けた。ポリイミドフィルに合わせて、ガラス基板もガラススクライブ装置にて48mm幅で332.5mm長さの短冊状に切り分け、6個の短冊状サンプルを得た。
図9に示した剥離装置300を使用し、ガラス基板301から回路パターン付きポリイミドフィルム302を剥離した。基台303の上に、レール304、剥離ユニット305などが設けられた。支持体306の曲面の曲率半径は125mmで、JIS−A硬度50°のシリコーンゴムを使用した。載置台307にガラス基板が下面になるようにして可撓性フィルム回路基板用部材を置き、100hPaで真空吸着した。ポリイミドフィルム302の右端に、同材質、同幅のリードフィルムをポリイミドフィルムベースの幅24mmの粘着テープを用いてつなぎ合わせた。剥離ユニット305の支持体306の開始点Sがポリイミドフィルム302の図中右端よりやや右寄りに位置決めされるように、フレーム308の移動と支持体306の回転移動を行わせた。支持体306の位置決めが完了してから、載置台307を上昇させて、ポリイミドフィルム302の右端と支持体306を0.01MPaで押し当てた。次に、リードフィルムの一端を固定用部品309と支持体306との間で把持した。制御装置310にて、ポリイミドフィルムおよびリードフィルムに加わる最大張力が160N/mであるように制御しつつ、フレーム308を固定したまま、支持体306を図中矢印の方向に回転させポリイミドフィルム302を支持体306表面に密着させた。
フレーム308の剥離時の右側移動速度を0.3m/分、支持体306の回転周速度を0.31m/分とし、また、ポリイミドフィルムに加わる張力が160N/m以上になるときに支持体306の回転周速度がフレーム308の移動速度に向かって低下するよう制御しつつ、支持体306の左方向への移動と支持体306の左回転により、ポリイミドフィルム302をガラス基板301から剥離した。フレーム308をレール304上にて右方向に移動させ、載置台311の上に剥離後の回路パターン付きポリイミドフィルムを置いた。さらに移載手段(図示しない)によりポリイミドフィルムを次工程に送った。剥離後のポリイミドフィルムは、折れやカールが見られず平坦性は良好であった。しかしながら、実施例1においては作業開始時にリードフィルムを一回短冊状サンプルに接合すれば良いのに対して、比較例1では、短冊状サンプル1枚毎にリードフィルムを貼り合わせるとともに貼り合わせたリードフィルム端を固定用部品に導き固定する動作が必要であり、さらに、剥離した枚葉の可撓性フィルム基板を搬送する動作が必要となる。また、動作が複雑であることからタクトタイムの短縮が難しかった。
測長機SMIC−800にて、剥離後のポリイミドフィルム上のユニットについて、最外端インナーリードの幅方向中心間距離(設計値19.3mm)を測定したところ、全てのユニットにおいて、設計値に対して±1μm(0.005%)以内にあり、位置精度は良好であった。
続いて、手動スプライサー(東京精密(有)製)とポリイミドフィルムベースの幅24mmの粘着テープを用いて、6個の短冊状ポリイミドフィルムの短辺側端部を突き合わせてつなぎ合わせた。粘着テープにてポリイミドフィルムを両面でつなぎ合わせた後、手動スプライサーにて粘着テープに送り孔を穿孔した。短冊状ポリイミドフィルム上の回路パターンユニット間には3.75mmの間隙しかないので、連結により連結部前後の回路パターン上に粘着テープが貼り合わされ、二つの回路パターンが使えなくなった。また、ガラス基板からのポリイミドフィルム剥離とポリイミドフィルムつなぎ合わせを別工程としたため、工程が増加した。
粘着テープを用いた本発明の可撓性フィルム基板連結の概略図。 粘着テープを用いた本発明の別の可撓性フィルム基板連結の概略図。 本発明の別の可撓性フィルム基板連結の概略図 本発明の可撓性フィルム基板をつなぎ合わせて剥離する方法の概略図 本発明における剥離角を示した概略図 本発明の粘着テープ貼り合わせ手段の断面図 本発明の可撓性フィルム基板をつなぎ合わせて剥離する別の方法の概略図 ラミネート装置の概略正面図 比較例1の剥離方法の概略図 本発明の別の可撓性フィルム基板連結の概略図 本発明の別の可撓性フィルム基板連結方法の概略図
符号の説明
1、2、101、101a、101b、203、302、402 可撓性フィルム基板
3 送り孔
4 連結部
5、6、117 粘着テープ
5a 粘着テープ幅
7、410 接着層
8 可撓性フィルム基板長辺側方向
12、13 テストパッド
100、300 剥離装置
102、208 剥離可能な有機物層
103、103a、103b、103c、209、301 補強板
105、105a、105b、105c、207、307、311 載置台
106、306 支持体
107 巻き取りロール
108、405、407 スペーサー
110、309 固定用部品
113、212、304 レール
117、401 粘着テープ
118 剥離角
119 離型フィルム
120 吸着台
121、122 真空ピックアップ
123 バックアップ盤
200 ラミネート装置
201 静電気帯電装置
210 スキージ
217 ボールねじ
305 剥離ユニット
308 フレーム
400 つなぎ装置
412 金型
413、414 吸着ステージ
415、416 吸着アーム
417 加熱加圧手段

Claims (8)

  1. 回路パターンが少なくとも片面に形成された可撓性フィルム基板を複数連結したフィルム回路基板であって、個々の可撓性フィルム基板の端部のうち短辺側の端部を互いにつなぎ合わせ、連結部の短辺側の端部および長辺側の両端部をH型粘着テープを用いて連結することを特徴とするフィルム回路基板。
  2. 回路パターンが少なくとも片面に形成された可撓性フィルム基板を複数連結したフィルム回路基板であって、個々の可撓性フィルム基板の端部のうち短い方の端部を互いにつなぎ合わせ、連結部の長辺側の両端部を粘着テープを用いて連結することを特徴とするフィルム回路基板。
  3. 可撓性フィルム基板の端部のうち長辺側の端部および当該端部上にある粘着テープの両方に同じ位置の送り孔を有していることを特徴とする請求項1または2記載のフィルム回路基板。
  4. 回路パターンが少なくとも片面に形成された可撓性フィルム基板を複数連結したフィルム回路基板であって、個々の可撓性フィルム基板の短辺方向側の端部を重ね合わせ、重ね合わせた部分に粘着層を介して連結することを特徴とするフィルム回路基板。
  5. 重ね合わせた部分の可撓性フィルム基板上に回路パターンの一部が配置されていることを特徴とする請求項4記載のフィルム回路基板。
  6. 枚葉型補強板に剥離可能な有機物層を介して、回路パターンを有する可撓性フィルム基板が貼り合わされた枚葉フィルム回路基板用部材を複数順次整列させ、隣りあう枚葉フィルム回路基板用部材にある回路パターンを有する可撓性フィルム基板のみを逐次つなぎ合わせ、枚葉フィルム回路基板用部材から、接続された回路パターンを有する可撓性フィルム基板を連続して剥離するフィルム回路基板の製造方法であって、前記回路パターンを有する可撓性フィルム基板の、短辺側の端部を互いにつなぎ合わせ、粘着テープを用いて、前記可撓性フィルム長辺側の両端部で貼り合わせるか、または、粘着テープを用いて、前記可撓性フィルム短辺側の端部および長辺側の両端部で貼り合わせ、連結することを特徴とするフィルム回路基板の製造方法。
  7. 前記可撓性フィルム基板の長辺側両端部に搬送用ホールを有し、搬送用ホール上に貼り合わされた粘着テープは前記可撓性フィルムと同じ位置に搬送用ホールを有していることを特徴とする請求項6記載のフィルム回路基板の製造方法。
  8. 枚葉型補強板に剥離可能な有機物層を介して、回路パターンを有する可撓性フィルム基板が貼り合わされた枚葉フィルム回路基板用部材を複数順次整列させ、隣りあう枚葉フィルム回路基板用部材にある回路パターンを有する可撓性フィルム基板のみを逐次つなぎ合わせ、枚葉フィルム回路基板用部材から、接続された回路パターンを有する可撓性フィルム基板を連続して剥離するフィルム回路基板の製造方法であって、前記回路パターンを有する可撓性フィルム基板の、互いの短辺側の端部を粘着層を介して重ね合わせ、連結することを特徴とするフィルム回路基板の製造方法。
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