JP2006291677A - 免震装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 建物自体が軽量である木造建物等の免震装置に関し、限られた範囲内で大きな横揺れを吸収させ、かつ縦揺れや強風による縦方向にも全方向で対処できる免震装置の提供と、同様に既存の生活中の木造建物等についても容易に設置できる免震装置を提供する。
【解決手段】 布基礎天端と建物土台の間に装置を設置し、横揺れに付いては建物鉛直荷重を受ける支持ピン(8)を、円形で傾斜の付いた底板部(3)を滑らせる事と、超低弾性ゴムと鋼製板(5−a)の組み合わせで出来ている横揺れ吸収材(5)で対応し、縦方向の揺れには玉掛けワイヤー(9)を基礎部と柱を連結する事で対応させ、その基本構造の応用で既存建物の免震化も可能にする事を特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 布基礎天端と建物土台の間に装置を設置し、横揺れに付いては建物鉛直荷重を受ける支持ピン(8)を、円形で傾斜の付いた底板部(3)を滑らせる事と、超低弾性ゴムと鋼製板(5−a)の組み合わせで出来ている横揺れ吸収材(5)で対応し、縦方向の揺れには玉掛けワイヤー(9)を基礎部と柱を連結する事で対応させ、その基本構造の応用で既存建物の免震化も可能にする事を特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、地震による揺れから建物を保護する為に使用される免震装置である。
従来、地震による揺れから建物を保護する為に使用される免震装置は、規模の大きな建物には主に鋼板とゴムを交互に積層した免震装置が広く使用されている。しかし住宅建築の主なる木造建物などは、自重が軽い為に地震の横からの揺れと合わせて台風などの強風に対しての縦の対応も一緒に考慮する必要から、複数の装置を組み合わせて設置しなければならなかった。又一般的な布基礎で免震装置を設置するには揺れの大きな地震の揺れ巾を吸収できず、建物全体を平らな基礎で支えるベタ基礎と建物全体を受ける架台とを作り、その間に免震装置を挟む方法等が多い。これらの方法は各社独自の専門的知識と技術が必要となり広く木造住宅等の免震化を計るには門題があった。
一般的住宅である木造建築などの軽量建物を地震時に揺れを少なくする免震化の普及は、地震災害を最小限に抑えるためには緊急の課題である。しかし免震効果が期待できる装置が高価であったり、又設置が煩雑で特別な技術を要する等の条件では普及は難しいと思われる。設置法が簡単でかつ安全性信頼性が高く安い価格での装置の提供が課題となる。一方既存建物の免震化も災害対策上重要である。それには居住者が現状の生活を続けていながらの状態で、簡単に安く信頼性の高い免震装置を設置できる事が必要である。
本発明の免震装置は、上記問題点を解決するために案出されたものである。
請求項1の免震装置は、基礎コンクリート(11)上に固定されるベース板(2)と一体であり、底板部(3)内面が中央に向かって傾斜が有り、外周部に外周立ち上り(4)を有する基礎用免震部(1)と、当該内部に挟み込んで地震の横揺れを材料の特性を利用して吸収する横揺れ吸収材(5)と、建物構造物を最下部で支える土台(12)下面に嵌め込む形で取付け、その中央部から棒状に下に飛び出ている支持ピン(8)がある土台用免震部(7)とで構成され、通常支持ピン(8)は基礎用免震部の底板部(3)中央にあって建物の鉛直荷重を支え、地震で揺れが生じた場合は基礎用免震部の外周部立ち上り(4)の範囲内360度の方向で自由に滑って移動が可能であり、揺れが収まった際には傾斜が付いている為に元の位置に戻る事を特徴とする。
請求項1の免震装置は、基礎コンクリート(11)上に固定されるベース板(2)と一体であり、底板部(3)内面が中央に向かって傾斜が有り、外周部に外周立ち上り(4)を有する基礎用免震部(1)と、当該内部に挟み込んで地震の横揺れを材料の特性を利用して吸収する横揺れ吸収材(5)と、建物構造物を最下部で支える土台(12)下面に嵌め込む形で取付け、その中央部から棒状に下に飛び出ている支持ピン(8)がある土台用免震部(7)とで構成され、通常支持ピン(8)は基礎用免震部の底板部(3)中央にあって建物の鉛直荷重を支え、地震で揺れが生じた場合は基礎用免震部の外周部立ち上り(4)の範囲内360度の方向で自由に滑って移動が可能であり、揺れが収まった際には傾斜が付いている為に元の位置に戻る事を特徴とする。
請求項2の免震装置は、請求項1に記載の免震装置において、横揺れ吸収材(5)の構造はリング状の鋼製板(5−a)によって複数層に仕切られており、各層には超低弾性ゴムの硬度を調整した物を充填し一体化して固め、基礎用免震部(1)の底板部(3)内面に接する各層は凹凸を付けて密着度を調整し、又外周立ち上り(4)に接する面は平らにして全面密着させ、超低弾性ゴムの粘着性と衝撃吸収性を利用して両面の外周立ち上り(4)の巾寸法より大きな揺れでも装置の範囲内で揺れを緩和して吸収できる事を特徴とする。
請求項3の免震装置は、請求項1及び請求項2に記載の免震装置において、基礎コンクリート部と建物構造物との接合部は支持ピン(8)を載せてあるだけの状態になるが、直下型地震の縦揺れや強風時の建物の浮き上がりに対応する為、基礎用免震部(1)の外周立ち上り(4)外部にフック(6)を設け、免震装置上部の建物柱(13)にはワイヤ−受け金物(9)を取付け、玉掛けワイヤー(10)の先端リング部をワイヤ−受け金物(9)付いている滑車(9−a)を跨がしてフック(6)に取付け、それを外部と内部の両面でやることにより建物の浮き上がりを防止でき、横揺れでの装置の移動に対しても各方向とも対応できる事を特徴とする。
請求項4の免震装置は、請求項1、請求項2及び請求項3に記載の免震装置において、既存建物の基礎コンクリートと既存建物土台の接合部を完全に切り離して隙間を開け、既存基礎用免震部(K−1)と既存土台用免震部(K−7)を横から差込み先端薄板部を現況に合わせて折り曲げて既存基礎及び既存土台に固定する事で、容易に既存建物の免震化が図れる事を特徴とする。
本発明は以下に記載される様な効果を奏する。
人間の生命及び財産を守るべき住居の地震対策としては、主に建物の耐震化と免震化があるが大きな揺れから生ずる災害を防ぐ為にはどうしても建物の免震化の必要性が高い。
(イ)本発明の免震装置は、一般的な木造住宅の布基礎の建物にも設置する事が可能であり、建物の揺れの範囲も実際の地震の揺れ巾より狭いスペースで吸収する事ができる事から、都市部で隣地との余裕のない狭小敷地の建物にも免震建築を作ることができる。
(ロ)本発明の免震装置は、取付ける場所により受ける建物の鉛直荷重が違っていても、同じ形状の免震装置を所定の間隔で基礎部と建物土台部との間に組込み、それぞれをボルトなどで固定するだけで済む事から、設置工法が簡単で特別な技術を必要としなくても免震建築を作る事ができる。
(ハ)本発明の免震装置は、地震の横揺れを360度の方向で対応する事ができ、揺れの小さい地震には上下免震装置接点部の横滑りで対応し、揺れの大きな地震には上下免震装置接点の中央部から大きく離れるに従って、単なる滑りから超低弾性ゴムの硬度を調整した物を充填して一体化して固めて作った横揺れ吸収材(5)の働きで、徐々に抵抗する滑りに変わり、限られてスペースの範囲の中で大きな揺れの地震にも対応できる免震建物を作る事ができる。
(ニ)本発明の免震装置は、基礎コンクリートに固定する基礎用免震部(1)と建物柱に付けるワイヤ−受け金物(9)とを玉掛けワイヤー(10)を使用して連結し、直下型地震などの際に生じる縦方向の突き上げや、台風などの強風時に生じる建物に対する縦方向の浮き上がり現象に対応する。玉掛けワイヤーを跨がす滑車(9−a)の働きで前後左右の移動にも支障が無く、横方向及び縦方向の両方向に対応できる免震建物を作る事ができる。
(ホ)本発明の免震装置は、小型軽量である為人力での設置が可能であり、個々の能力は小さいが設置した免震装置全体で機能する為に、設置した建物は大きな免震機能を持つ事ができる。
(ヘ)本発明の免震装置は、装置全体の基本構造を変える事無く、横から差し込むような仕様にするだけで既存の木造建物に取付ける事が可能であり、建物内で普段の生活をしながらその建物を免震建物に作り変える事ができる。
人間の生命及び財産を守るべき住居の地震対策としては、主に建物の耐震化と免震化があるが大きな揺れから生ずる災害を防ぐ為にはどうしても建物の免震化の必要性が高い。
(イ)本発明の免震装置は、一般的な木造住宅の布基礎の建物にも設置する事が可能であり、建物の揺れの範囲も実際の地震の揺れ巾より狭いスペースで吸収する事ができる事から、都市部で隣地との余裕のない狭小敷地の建物にも免震建築を作ることができる。
(ロ)本発明の免震装置は、取付ける場所により受ける建物の鉛直荷重が違っていても、同じ形状の免震装置を所定の間隔で基礎部と建物土台部との間に組込み、それぞれをボルトなどで固定するだけで済む事から、設置工法が簡単で特別な技術を必要としなくても免震建築を作る事ができる。
(ハ)本発明の免震装置は、地震の横揺れを360度の方向で対応する事ができ、揺れの小さい地震には上下免震装置接点部の横滑りで対応し、揺れの大きな地震には上下免震装置接点の中央部から大きく離れるに従って、単なる滑りから超低弾性ゴムの硬度を調整した物を充填して一体化して固めて作った横揺れ吸収材(5)の働きで、徐々に抵抗する滑りに変わり、限られてスペースの範囲の中で大きな揺れの地震にも対応できる免震建物を作る事ができる。
(ニ)本発明の免震装置は、基礎コンクリートに固定する基礎用免震部(1)と建物柱に付けるワイヤ−受け金物(9)とを玉掛けワイヤー(10)を使用して連結し、直下型地震などの際に生じる縦方向の突き上げや、台風などの強風時に生じる建物に対する縦方向の浮き上がり現象に対応する。玉掛けワイヤーを跨がす滑車(9−a)の働きで前後左右の移動にも支障が無く、横方向及び縦方向の両方向に対応できる免震建物を作る事ができる。
(ホ)本発明の免震装置は、小型軽量である為人力での設置が可能であり、個々の能力は小さいが設置した免震装置全体で機能する為に、設置した建物は大きな免震機能を持つ事ができる。
(ヘ)本発明の免震装置は、装置全体の基本構造を変える事無く、横から差し込むような仕様にするだけで既存の木造建物に取付ける事が可能であり、建物内で普段の生活をしながらその建物を免震建物に作り変える事ができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(イ)図1は本発明の実施形態に係る免震構造を示す斜視図である。
本発明は部品として4つに区分でき、この図ではその中の3つの区分を表している。第一に、基礎コンクリート(11)にアンカーボルト等で固定設置する基礎用免震部(1)、第二に基礎用免震部の中に嵌め込む横揺れ吸収材(5)、第三に建物構造体の最下部にある土台(12)に取付ける土台用免震部(7)である。
土台用免震部(7)の下部中央には支持ピン(8)が飛び出ており、基礎用免震部(1)の中央、及び横揺れ吸収材(5)の中央部に位置するように取付ける。
(ロ)図2は本発明を布基礎上に設置した状態の横断面図である。
基礎コンクリート(11)に固定した基礎用免震部(1)の底板部(3)は基礎巾よりも大きいサイズになっており、地震の揺れで基礎用免震部(1)が移動する場合、建物自重を支える支持ピン(8)が基礎巾から外れない範囲で最大限移動が可能であり外周部にはストッパーの役目をする外周立ち上り(4)がある。建物構造体の最下部にある土台(12)に取付ける土台用免震部(7)は下からはめ込み両側面から貫通ボルト又は木ネジ等で固定する。
(ハ)図3は本発明を布基礎上に設置した状態の平面図である。
基礎コンクリート(11)に固定した基礎用免震部(1)は基礎コンクリートにベース板(2)をアンカーボルト等で固定設置し、中央にある円形の外周立ち上り(4)の中に超低弾性ゴムと鋼製板を一体化して作った横揺れ吸収材(5)を嵌め込む。
(二)図4は本発明を布基礎上に設置した状態の縦断面図である。
図2で説明の長手方向の断面図であるが、基礎コンクリート部と建物構造物との接合部は支持ピン(8)を載せてあるだけの状態になるが、直下型地震の縦揺れや強風時の建物の浮き上がりに対応する事が必要である。基礎用免震部(1)の外周立ち上り(4)外部にフック(6)を設け、免震装置上部の建物柱(13)にはワイヤー受け金物(9)を取付け、滑車(9−a)を跨がして玉掛けワイヤー(10)の先端リング部をフック(6)に取付け、それを外部と内部でやることにより建物の浮き上がりを防止でき、横揺れでの装置の移動に対しても対応できる。
(ホ)図5は本発明が横揺れを受け建物が右方向に移動した状態の平面図である。
図3で説明の免震装置が横揺れを受け基礎用免震部(1)が左方向に移動し、土台用免震部(7)が右方向に移動した状態を表しているが、360度どの方向の移動でも同じ状態になり建物全体に設置したこれらの免震装置は、どの位置に設置しても同じ応力で対応する為に設置した免震装置全体が一体となって作動する。
(ヘ)図6は本発明が横揺れを受け建物が移動した状態の縦断面図である。
図4で説明の免震装置が横揺れを受け基礎用免震部(1)が左右方向に移動し、土台用免震部(7)も左右方向に移動した状態を表している。縦方向の突き上げや、浮き上がり現象に対応する為の玉掛けワイヤー(10)はワイヤー受け金物(9)にある滑車(9−a)の働きで横揺れに応じて本来の働きを阻害しないで移動できる。
(ト)図7は本発明の一部品である横揺れ吸収材(5)の断面斜視図である。
基礎用免震部(1)の外周立ち上り(4)内に嵌め込む横揺れ吸収材(5)は円形の鋼製板(5−a)と超低弾性ゴムとを複数層に一体化して作った物であり、最中央側鋼製板より内部は空いており、この範囲内の支持ピン(8)の移動には抵抗を与えない為に小さい揺れでも吸収できる。最外周側には鋼製板が無く、超低弾性ゴムと外周立ち上り(4)内側とは密着させて横揺れ吸収材の粘着性も免震性能に活用する。複数層になっている各吸収材の内側層は軟度を高くし外側層に行く程軟度を低くして硬度を高くする等の調整をし、大きな揺れでも装置の移動可能範囲内で吸収できる。
(チ)図8は本発明の一部品である横揺れ吸収材(5)の拡大断面図である。
横揺れ吸収材(5)は超低弾性ゴムとリング状の鋼製板とを複数層にして一体化しており、使用する超低弾性ゴムは超軟質ゴムで固体と液体(ゲル)の性質を合わせ持つ材質(例えばゲルニック)で伸長性や粘着力が高く硬さも自由に設定できる。この横揺れ吸収材(5)の下の面は凹凸が付いており、底板部(3)との密着割合を粘着力が高いがゆえに急激な支持ピン(8)の移動で損傷を受けないよう粘着力を低下を計る為に調整してある。(リ)図9、図10は本発明の既存建物に使用する免震構造を示す斜視図及び設置した状態の横断面図である。
既存建物の基礎と土台の間に免震装置を設置する場合は、基礎と土台を繋いでいるアンカーボルト等の接続金物は切断し完全に縁を切る必要がある。又免震装置を設置する部分は、装置設置に必要な最低限の厚みのスペースを確保する必要があるが、新築用の免震装置をそのまま使用すると、より大きな欠き込みが必要になり基礎の強度も落ちて設置後の補修にも大きな手間が必要になる。この為に新築用の免震装置の基本を変えずにベース板と土台用免震部の一部を変更し、横から差込んで先端部の薄くなっている部分を既存基礎や土台の寸法に合わせて現場で折り曲げて取付けられるようになり、既存建物の外側からでも内側からでも設置する事が可能である。外部での雨水対策は巾広の水切り金物を付ける事などで対処できる。
(ヌ)図11、図12は本発明の一部品であるワイヤ−受け金物(9)取付けの姿図及び断面図である。
縦方向の突き上げや、浮き上がり現象に対応する為に取付けるワイヤー受け金物(9)は、免震装置の真上にある建物構造体柱面の内外部に木ビス等で固定されるが、その際基礎用免震部(1)にある二個のフック(6)に玉掛けワイヤー(10)の先端リング部をワイヤ−受け金物(9)に付いている滑車(9−a)を跨がして両端に取付け、玉掛けワイヤー(10)の遊びが無いような位置に固定する事で、前後左右のどの方向の移動にでも対応できる。
(イ)図1は本発明の実施形態に係る免震構造を示す斜視図である。
本発明は部品として4つに区分でき、この図ではその中の3つの区分を表している。第一に、基礎コンクリート(11)にアンカーボルト等で固定設置する基礎用免震部(1)、第二に基礎用免震部の中に嵌め込む横揺れ吸収材(5)、第三に建物構造体の最下部にある土台(12)に取付ける土台用免震部(7)である。
土台用免震部(7)の下部中央には支持ピン(8)が飛び出ており、基礎用免震部(1)の中央、及び横揺れ吸収材(5)の中央部に位置するように取付ける。
(ロ)図2は本発明を布基礎上に設置した状態の横断面図である。
基礎コンクリート(11)に固定した基礎用免震部(1)の底板部(3)は基礎巾よりも大きいサイズになっており、地震の揺れで基礎用免震部(1)が移動する場合、建物自重を支える支持ピン(8)が基礎巾から外れない範囲で最大限移動が可能であり外周部にはストッパーの役目をする外周立ち上り(4)がある。建物構造体の最下部にある土台(12)に取付ける土台用免震部(7)は下からはめ込み両側面から貫通ボルト又は木ネジ等で固定する。
(ハ)図3は本発明を布基礎上に設置した状態の平面図である。
基礎コンクリート(11)に固定した基礎用免震部(1)は基礎コンクリートにベース板(2)をアンカーボルト等で固定設置し、中央にある円形の外周立ち上り(4)の中に超低弾性ゴムと鋼製板を一体化して作った横揺れ吸収材(5)を嵌め込む。
(二)図4は本発明を布基礎上に設置した状態の縦断面図である。
図2で説明の長手方向の断面図であるが、基礎コンクリート部と建物構造物との接合部は支持ピン(8)を載せてあるだけの状態になるが、直下型地震の縦揺れや強風時の建物の浮き上がりに対応する事が必要である。基礎用免震部(1)の外周立ち上り(4)外部にフック(6)を設け、免震装置上部の建物柱(13)にはワイヤー受け金物(9)を取付け、滑車(9−a)を跨がして玉掛けワイヤー(10)の先端リング部をフック(6)に取付け、それを外部と内部でやることにより建物の浮き上がりを防止でき、横揺れでの装置の移動に対しても対応できる。
(ホ)図5は本発明が横揺れを受け建物が右方向に移動した状態の平面図である。
図3で説明の免震装置が横揺れを受け基礎用免震部(1)が左方向に移動し、土台用免震部(7)が右方向に移動した状態を表しているが、360度どの方向の移動でも同じ状態になり建物全体に設置したこれらの免震装置は、どの位置に設置しても同じ応力で対応する為に設置した免震装置全体が一体となって作動する。
(ヘ)図6は本発明が横揺れを受け建物が移動した状態の縦断面図である。
図4で説明の免震装置が横揺れを受け基礎用免震部(1)が左右方向に移動し、土台用免震部(7)も左右方向に移動した状態を表している。縦方向の突き上げや、浮き上がり現象に対応する為の玉掛けワイヤー(10)はワイヤー受け金物(9)にある滑車(9−a)の働きで横揺れに応じて本来の働きを阻害しないで移動できる。
(ト)図7は本発明の一部品である横揺れ吸収材(5)の断面斜視図である。
基礎用免震部(1)の外周立ち上り(4)内に嵌め込む横揺れ吸収材(5)は円形の鋼製板(5−a)と超低弾性ゴムとを複数層に一体化して作った物であり、最中央側鋼製板より内部は空いており、この範囲内の支持ピン(8)の移動には抵抗を与えない為に小さい揺れでも吸収できる。最外周側には鋼製板が無く、超低弾性ゴムと外周立ち上り(4)内側とは密着させて横揺れ吸収材の粘着性も免震性能に活用する。複数層になっている各吸収材の内側層は軟度を高くし外側層に行く程軟度を低くして硬度を高くする等の調整をし、大きな揺れでも装置の移動可能範囲内で吸収できる。
(チ)図8は本発明の一部品である横揺れ吸収材(5)の拡大断面図である。
横揺れ吸収材(5)は超低弾性ゴムとリング状の鋼製板とを複数層にして一体化しており、使用する超低弾性ゴムは超軟質ゴムで固体と液体(ゲル)の性質を合わせ持つ材質(例えばゲルニック)で伸長性や粘着力が高く硬さも自由に設定できる。この横揺れ吸収材(5)の下の面は凹凸が付いており、底板部(3)との密着割合を粘着力が高いがゆえに急激な支持ピン(8)の移動で損傷を受けないよう粘着力を低下を計る為に調整してある。(リ)図9、図10は本発明の既存建物に使用する免震構造を示す斜視図及び設置した状態の横断面図である。
既存建物の基礎と土台の間に免震装置を設置する場合は、基礎と土台を繋いでいるアンカーボルト等の接続金物は切断し完全に縁を切る必要がある。又免震装置を設置する部分は、装置設置に必要な最低限の厚みのスペースを確保する必要があるが、新築用の免震装置をそのまま使用すると、より大きな欠き込みが必要になり基礎の強度も落ちて設置後の補修にも大きな手間が必要になる。この為に新築用の免震装置の基本を変えずにベース板と土台用免震部の一部を変更し、横から差込んで先端部の薄くなっている部分を既存基礎や土台の寸法に合わせて現場で折り曲げて取付けられるようになり、既存建物の外側からでも内側からでも設置する事が可能である。外部での雨水対策は巾広の水切り金物を付ける事などで対処できる。
(ヌ)図11、図12は本発明の一部品であるワイヤ−受け金物(9)取付けの姿図及び断面図である。
縦方向の突き上げや、浮き上がり現象に対応する為に取付けるワイヤー受け金物(9)は、免震装置の真上にある建物構造体柱面の内外部に木ビス等で固定されるが、その際基礎用免震部(1)にある二個のフック(6)に玉掛けワイヤー(10)の先端リング部をワイヤ−受け金物(9)に付いている滑車(9−a)を跨がして両端に取付け、玉掛けワイヤー(10)の遊びが無いような位置に固定する事で、前後左右のどの方向の移動にでも対応できる。
新築建物に設置する場合、基礎コンクリート(11)の所定位置に埋め込んだアンカーボルトに基礎用免震部(1)のベース板(2)を固定する。建物構造体の柱のある位置の土台に土台用免震部(7)を取付け、支持ピン(8)が外周立ち上り(4)内に嵌め込んである横揺れ吸収材(5)中央部に位置するようにする。外周立ち上り(4)外に出ている二個のフック(6)に玉掛けワイヤー(10)の両端部リング部を引っ掛けるが、その際にワイヤー受け金物(9)の滑車(9−a)を通しておく必要がある。次に玉掛けワイヤー(10)を通したワイヤー受け金物(9)を玉掛けワイヤーの遊びが無いように持ち上げておいて柱面に木ネジ等で固定する。これを出来るだけ正面と裏面の両面に施工する事で所定の免震効果が得られる。
既存建物に設置する場合、既存の基礎コンクリートと建物を連結している金物は全て切断して完全に縁を切る必要がある。免震装置を設置する位置の基礎コンクリートを既存用免震装置の差し込める寸法で切り取り、外部又は内部の一方から免震装置を差込み、土台下面に既存土台用免震部(K−7)を密着させる状態で土台横面から取付け固定する。同様に既存基礎用免震部(K−1)も支持ピン(8)下面と底板部(3)中央部の隙間が無いようにしておいて基礎コンクリートに横面から打ち込みアンカーボルト(14)等で固定する。次に差込んだ反対面から切込んだ基礎コンクリートと既存基礎用免震部(K−1)下面との隙間に所定の強度を確保できる充填材を詰め込み、先端薄板部分を現場にて折り曲げコンクリート基礎の横面に同様に固定する。既存土台用免震部(K−7)も先端薄板部分を現場にて折り曲げ土台に取付け固定する。外周立ち上り(4)外に出ている二個のフック(6)に玉掛けワイヤー(10)の両端部リング部を引っ掛けるが、その際にワイヤー受け金物(9)の滑車(9−a)を通しておく必要がある。次に玉掛けワイヤー(10)を通したワイヤー受け金物(9)を玉掛けワイヤーの遊びが無いように持ち上げておいて柱面に木ネジ等で固定する。これを出来るだけ正面と裏面の両面に施工する事で所定の免震効果が得られる。
1 基礎用免震部
2 ベース板
3 底板部
4 外周立ち上り
5 横揺れ吸収材
5−a 鋼製板
6 フック
7 土台用免震部
8 支持ピン
9 ワイヤ−受け金物
9−a 滑車
10 玉掛けワイヤー
11 基礎コンクリート
12 土台
13 建物柱
14 打ち込みアンカーボルト
15 移動可能範囲
K−1 既存基礎用免震部
K−7 既存土台用免震部
2 ベース板
3 底板部
4 外周立ち上り
5 横揺れ吸収材
5−a 鋼製板
6 フック
7 土台用免震部
8 支持ピン
9 ワイヤ−受け金物
9−a 滑車
10 玉掛けワイヤー
11 基礎コンクリート
12 土台
13 建物柱
14 打ち込みアンカーボルト
15 移動可能範囲
K−1 既存基礎用免震部
K−7 既存土台用免震部
Claims (4)
- 基礎コンクリート(11)上に固定されるベース板(2)と一体であり、底板部(3)内面が中央に向かって傾斜が有り、外周部に外周立ち上り(4)を有する基礎用免震部(1)と、当該内部に挟み込んで地震の横揺れを材料の特性を利用して吸収する横揺れ吸収材(5)と、建物構造物を最下部で支える土台(12)下面に嵌め込む形で取付け、その中央部から棒状に下に飛び出ている支持ピン(8)がある土台用免震部(7)とで構成され、通常支持ピン(8)は基礎用免震部の底板部(3)中央にあって建物の鉛直荷重を支え、地震で揺れが生じた場合は基礎用免震部の外周部立ち上り(4)の範囲内360度の方向で自由に滑って移動が可能であり、揺れが収まった際には傾斜が付いている為に元の位置に戻る事を特徴とする免震装置。
- 請求項1に記載の免震装置において、横揺れ吸収材(5)の構造はリング状の鋼製板(5−a)によって複数層に仕切られており、各層には超低弾性ゴムの硬度を調整した物を充填し一体化して固め、基礎用免震部(1)の底板部(3)内面に接する各層は凹凸を付けて密着度を調整し、又外周立ち上り(4)に接する面は平らにして全面密着させ、超低弾性ゴムの粘着性と衝撃吸収性を利用して両面の外周立ち上り(4)の巾寸法より大きな揺れでも装置の範囲内で揺れを緩和して吸収できる事を特徴とする免震装置。
- 請求項1及び請求項2に記載の免震装置において、基礎コンクリート部と建物構造物との接合部は支持ピン(8)を載せてあるだけの状態になるが、直下型地震の縦揺れや強風時の建物の浮き上がりに対応する為、基礎用免震部(1)の外周立ち上り(4)外部にフック(6)を設け、免震装置上部の建物柱(13)にはワイヤ−受け金物(9)を取付け、玉掛けワイヤー(10)の先端リング部をワイヤ−受け金物(9)に付いている滑車(9−a)を跨がしてフック(6)に取付け、それを外部と内部の両面でやることにより建物の浮き上がりを防止でき、横揺れでの装置の移動に対しても各方向とも対応できる事を特徴とする免震装置。
- 請求項1、請求項2及び請求項3に記載の免震装置において、既存建物の基礎コンクリートと既存建物土台の接合部を完全に切り離して隙間を開け、既存基礎用免震部(K−1)と既存土台用免震部(K−7)を横から差込み先端薄板部を現況に合わせて折り曲げて既存基礎及び既存土台に固定する事で、容易に既存建物の免震化が図れる事を特徴とする免震装置。
Priority Applications (1)
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JP2005137836A JP2006291677A (ja) | 2005-04-07 | 2005-04-07 | 免震装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107313527A (zh) * | 2017-07-28 | 2017-11-03 | 中国地震局工程力学研究所 | 基于弹性胶泥材料的抗冲击抗爆减隔震桩及其使用方法 |
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2005
- 2005-04-07 JP JP2005137836A patent/JP2006291677A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107313527A (zh) * | 2017-07-28 | 2017-11-03 | 中国地震局工程力学研究所 | 基于弹性胶泥材料的抗冲击抗爆减隔震桩及其使用方法 |
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