JP2006290809A - ミツバチに寄生するダニの駆除方法及び駆除剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 食品の安全性の上から薬剤散布が問題となる採蜜時も含めて、使用時期及び使用期間に限定されずに安全にミツバチに寄生するダニを駆除する方法を提供することである。
【解決手段】 天然素材であるため安全性の高いジャスミンの花をダニ駆除剤としてミツバチの巣箱内に収容することにより、ミツバチに寄生するダニを駆除する方法である。ジャスミンの花は、例えば乾燥したジャスミンの花またはジャスミンの花から抽出した香油の形態で用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 天然素材であるため安全性の高いジャスミンの花をダニ駆除剤としてミツバチの巣箱内に収容することにより、ミツバチに寄生するダニを駆除する方法である。ジャスミンの花は、例えば乾燥したジャスミンの花またはジャスミンの花から抽出した香油の形態で用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ミツバチに寄生するダニの駆除方法及び駆除剤に関する。
一般に、養蜂場ではミツバチを巣箱内において多数飼育している。多量の蜂蜜を採取する上で、ミツバチの衛生管理は重要であり、種々のミツバチ特有の疾病からミツバチを守るために、従来から種々の対策が講じられている。ミツバチ特有の疾病の一つに、ミツバチに寄生するダニによって引き起こされるバロア病(Varoosis、ミツバチへギイタダニ感染症)がある。
バロア病は、ミツバチへギイタダニ(Varroa jacobsoni)によるミツバチの感染症である。前記ダニの成虫はミツバチの体表に付着し吸血する他、前記ダニの繁殖はミツバチの巣箱内で行なわれ、母ダニが産卵し、孵化した子ダニがミツバチの蛹の体液を吸って成長し、親ダニとなって新たな巣箱に移ってまた繁殖を繰り返す、という被害の蔓延をもたらす。体液を吸われたミツバチは成長不全になり、小型化したり、正常な活動ができなくなり、甚だしい場合は巣箱内のミツバチが全滅する結果をもたらすこともある。
そこで、従来より、ミツバチのダニ駆除剤として、フルバリネートを主成分とする合成ダニ剤(商品名「アピスタン」)や最近では有機酸類を用いた弱化学剤あるいは植物由来成分(チモール)を配合した製品が利用されてきた(非特許文献1)。
社団法人日本養蜂はちみつ協会編、「ミツバチの疾病とその予防衛生対策」、社団法人日本養蜂はちみつ協会出版、2001年7月31日発行、p.20〜22。
社団法人日本養蜂はちみつ協会編、「ミツバチの疾病とその予防衛生対策」、社団法人日本養蜂はちみつ協会出版、2001年7月31日発行、p.20〜22。
前記ダニの卵の孵化は1週間から3ヶ月であり、気温などの環境により孵化日数が異なってくる。一方、現在使用されているダニ駆除用の薬品においては、その効果持続期間が6週間以内とされており、特に薬剤散布が採蜜時期と重なると使用できなくなるため、完全なる駆除は困難な状況にある。
すなわち、一般にダニは3〜4月頃に孵化するため、この時期に薬剤処理するのが好ましい。しかし、4月〜5月は採蜜時期にあたるため、食品の安全性の上から採蜜時に上記薬剤は使用できない。
また、上記の薬剤処理法では、当該薬剤に対する耐性を有するダニも現れているのが実情である。
従って、本発明の課題は、使用時期及び使用期間に限定されずに安全にミツバチに寄生するダニを駆除する方法を提供することである。
また、上記の薬剤処理法では、当該薬剤に対する耐性を有するダニも現れているのが実情である。
従って、本発明の課題は、使用時期及び使用期間に限定されずに安全にミツバチに寄生するダニを駆除する方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、天然素材であるジャスミンの花をダニの駆除剤として使用することにより、使用時期及び使用期間に限定されずに安全にミツバチに寄生するダニを駆除することができるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るミツバチに寄生するダニの駆除方法は、ジャスミンの花をミツバチの巣箱内に収容することを特徴とする。ここで、ジャスミンの花は乾燥したジャスミンの花またはジャスミンの花から抽出した香油であるのが好ましい。
また、本発明に係るダニの駆除剤は、ジャスミンの花からなることを特徴とする。
すなわち、本発明に係るミツバチに寄生するダニの駆除方法は、ジャスミンの花をミツバチの巣箱内に収容することを特徴とする。ここで、ジャスミンの花は乾燥したジャスミンの花またはジャスミンの花から抽出した香油であるのが好ましい。
また、本発明に係るダニの駆除剤は、ジャスミンの花からなることを特徴とする。
本発明によれば、ジャスミンをミツバチの巣箱内に収容することにより、ミツバチに寄生するダニを駆除でき、特にジャスミンが天然素材であるため安全であり、使用時期及び使用期間に限定されず、特に採蜜時にも使用できるという効果がある。
本発明の一実施形態を以下に詳細に示す。ミツバチに寄生するダニによって引き起こされる疾病としてバロア病が知られている。前記バロア病をもたらすダニは、一般に知られているイエダニ等ではなく、ミツバチの外部寄生生物であるミツバチへギイタダニであり、ミツバチに特有の感染症をもたらす。
本発明において前記ダニの駆除剤として使用するジャスミン(ソケイ;Jasminum officinale、オオバナソケイ;Jasminum grandiflorum、マツリカ;Jasminum sambac)は、主にユーラシアの熱帯地域に自生するモクセイ科ソケイ属の植物で、代表的な種であるソケイをはじめオオバナソケイ、マツリカ等の種類がある。上記の花からは、香油のエッセンスとなるジャスミン油がとれる。
本発明では、前記ダニの駆除剤の有効成分となるジャスミンの花として、マツリカ、ソケイ、キソケイ、ウンナンソケイ、オオバナソケイ、オウバイ等を用いることができる。上記ジャスミンの花を、生のままあるいは乾燥させたものを通気性のある袋の中に入れて使用することができる。前記袋は紙や織布や不織布等を使用してもよい。また、上記ジャスミンの花から抽出した精油を容器の中に入れて使用してもよい。あるいは、前記花を乾燥させ粉末にして使用することもできる。この場合、粉末がミツバチに付着するとミツバチが飛べなくなる恐れがあるので、粉が外にこぼれない、匂い袋等の通気性のある袋の中に入れて使用することが好ましい。前記袋は紙または織布もしくは不織布等を使用してもよい。
養蜂に使われているミツバチの巣箱は、通常、間口37.0cm、奥行48.6cm、深さ25.2cm(巣礎枠10枚収容)の統一規格のものがある。そして、ミツバチの数に応じて単箱の上に同形同大の継箱を2〜3段載せて使われる。ミツバチは、通常一つの巣礎枠に約2千匹、一つの単箱には約2万匹が収容できる。
乾燥したジャスミンの花は、前記袋などにパック詰めした形で使用することができる。巣箱内に収容するジャスミンの花の量は、特に限定されるものではなく、多量に用いてもミツバチへの影響等の安全上問題もない。好ましくは、1段の単箱一つに対して、前記ジャスミンの花3〜10gをひとつまたはいくつかに小分けした前記袋に入れ、巣箱の床の上に設置して使用するのがよい。前記袋等は巣箱内の壁や蓋などに吊るして使用することもできる。前記ジャスミンの花を広さ5〜15cm2、厚み1〜3cmの前記袋等に入れて1パックとし、巣箱の床の上に設置して使用するのが好ましい。1回の使用期間は1〜3ヶ月で、1〜3ヵ月毎に入替えて通年使用できる。
乾燥ジャスミンの花は、天然素材であるため安全性が高く、前記パックの取替えを2ヶ月毎連続して行うことにより年間を通して使用でき、特に蜂蜜を採集する期間でも使用できるので高い効果が期待できる。また、ジャスミンは天然物であるので、ダニの耐性も生じない。
また、駆除対象となるダニは、前記ミツバチへギイタダニの他に、ミツバチトゲダニ、ミツバチノドダニも含まれる。
乾燥ジャスミンの花約5gを広さ約10cm2、厚み約2cmの匂い袋に入れたもの1つを、約2万匹のミツバチが収容された単箱内の床の上に設置して使用した。設置後2〜3日で、ダニの成虫が巣箱内の床の上に落ちて死滅しているのを確認した。さらに、卵から次々と孵化してくるダニに対する駆除効果は、上記乾燥ジャスミンの花を巣箱内に設置してから2ヶ月間持続することが認められた。
Claims (3)
- ジャスミンの花をミツバチの巣箱内に収容することによる、ミツバチに寄生するダニの駆除方法。
- ジャスミンの花が、乾燥したジャスミンの花またはジャスミンの花から抽出した香油である請求項1に記載のダニの駆除剤。
- ジャスミンの花からなるミツバチに寄生するダニの駆除剤。
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