JP2006290679A - ガラス体製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】OH基含有が抑制されたフッ素元素添加のガラス体の製造方法を提供する。
【解決手段】炉心管11内において、多孔質ガラス体を脱水処理した後に、フッ素ガス雰囲気下で多孔質ガラス体を加熱処理して、フッ素元素が添加されたガラス体を製造する方法であって、脱水処理から加熱処理への過渡期において、炉心管11の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間の時間をTとし、この期間におけるガス総流量の変化量をΔFとし、炉心管11の容積をVとしたときに、「R=100×ΔF/(V・T)」なる式で表されるパラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)以下となるようにガス総流量を変化させ、炉心管11の内部を陽圧に維持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、炉心管内において、多孔質ガラス体を脱水処理した後に、フッ素ガス雰囲気下で前記多孔質ガラス体を加熱処理して、フッ素元素が添加されたガラス体を製造する方法に関するものである。
フッ素元素が添加されたガラス体の一例として、ホストガラスとしての石英ガラスにフッ素元素が添加されたクラッド領域を有する光ファイバや、このような光ファイバを製造する為の光ファイバ母材が挙げられる。クラッド部にフッ素元素が添加された光ファイバ母材は、コア部の周囲に多孔質ガラス体が堆積されたものを炉心管内に挿入し、この炉心管内において多孔質ガラス体を脱水処理し、その後に、炉心管内においてフッ素ガス雰囲気下で多孔質ガラス体を加熱処理して焼結・透明化することで製造される。この多孔質ガラス体が透明化されたものがクラッド部となる。
このような光ファイバ母材の製造の過程においてクラッド部にOH基が含有されると、この光ファイバ母材を線引して得られる光ファイバでは、波長1.38μm付近においてOH基に因る損失増加が生じる。そこで、特許文献1には、光ファイバ母材のクラッド部におけるOH基の含有を抑制すべく、上記の加熱処理の際に炉心管の内部を陽圧に維持して、炉心管の内部への外気の浸入を防止することが提案されている。
特開2004−307282号公報
しかしながら、本願発明者による知見によれば、加熱処理の際に炉心管の内部を陽圧に維持するようにしたとしても、炉内に大気を取り込むことがあり、そうなると光ファイバ母材のクラッド部におけるOH基含有を充分には抑制することができず、それ故、この光ファイバ母材を線引して得られる光ファイバでは波長1.38μm付近におけるOH基に因る損失が大きい場合がある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、OH基含有が更に抑制されたフッ素元素添加のガラス体を製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明に係るガラス体製造方法は、炉心管内において、多孔質ガラス体を脱水処理した後に、フッ素ガス雰囲気下で多孔質ガラス体を加熱処理して、フッ素元素が添加されたガラス体を製造する方法であって、脱水処理から加熱処理への過渡期において、炉心管の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間の時間をTとし、この期間におけるガス総流量の変化量をΔFとし、炉心管の容積をVとしたときに、「R=100×ΔF/(V・T)」なる式で表されるパラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)以下となるようにガス総流量を変化させ、炉心管の内部を陽圧に維持することを特徴とする。
フッ素ガスは水素原子を含まないことが好適であり、また、フッ素ガスはSiFを含むことが好適である。また、炉心管の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間において炉心管の内部の陽圧変動の中心を+60Pa以上+400Pa以下とするのが好適である。
本発明によれば、OH基含有が更に抑制されたフッ素元素添加のガラス体を製造することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
先ず、本実施形態に係るガラス体製造方法が適用される炉心管について説明する。多孔質ガラス体を脱水処理し更に加熱処理して光ファイバ母材(ガラス体)を製造する際には、広域溶融炉(図1)またはゾーン溶融炉(図5)が用いられる。
図1は、広域溶融炉10の断面図である。この図に示される広域溶融炉10は、炉心管11、上蓋12および炉13を主に備える。上蓋12は炉心管11の上壁の上に配置されている。炉13は炉心管11の側壁の周囲に配置されている。この炉13は、炉心管11の内部に挿入される多孔質ガラス体1の長手方向の長さと同程度の縦方向の寸法を有しており、多孔質ガラス体1の全体を加熱することができる。
炉心管11の底部にガス導入管14が設けられ、炉心管11の側壁の上部にガス排気管15が設けられている。上蓋12の側壁にガス導入管16およびガス排気管17が設けられている。ガス排気管15にはバルブ18が設けられている。このバルブ18の手前のガス排気管15上に設けられた圧力計19aは、ガス排気管15の内部の気圧を測定する。圧力計19bは、上蓋12の内部の気圧を測定する。圧力計19cは、炉心管11の内部のうち上壁付近の気圧を測定する。また、圧力計19dは、炉心管11の内部のうち底部付近の気圧を測定する。
脱水処理および加熱処理されるべき多孔質ガラス体1は、支持棒2が接続された状態で、炉心管11の内部に挿入される。このとき、支持棒2は、炉心管11の上壁および上蓋12の中央を貫いている。したがって、この支持棒2の周囲の間隙を通じて、外部空間と炉心管11の内部空間との間でガスの移動が可能となっている。また、炉心管11と上蓋12との間の間隙を通じても、外部空間と炉心管11の内部空間との間でガスの移動が可能な場合がある。
特許文献1に開示された発明では、炉心管11の内部を陽圧に維持して、炉心管11の内部への外気の浸入を防止しようとするものである。すなわち、ガス導入管14からのガス導入量を調整するとともに、バルブ18によりガス排気管15からのガス排気量を調整することにより、炉心管11の内部を陽圧に維持しようとする。また、ガス導入管16およびガス排気管17それぞれのガス流量を調整することにより、上蓋11の内部をも陽圧にして、支持棒2の周囲の間隙を通じた外部空間から炉心管11の内部空間への外気の侵入を阻止しようとする。
しかし、特許文献1に開示された発明では、このようにして炉心管11の内部を陽圧に維持しようとしても、炉心管11の内部に外気が侵入して、多孔質ガラス体1のクラッド部におけるOH基含有を充分には抑制することができず、それ故、この多孔質ガラス体1を加熱処理して製造された光ファイバ母材を線引して得られる光ファイバでは波長1.38μm付近におけるOH基に因る損失が大きい場合がある。このことについて図2および図3を用いて説明する。
図2および図3それぞれは、広域溶融炉10におけるガスの流れの様子を模式的に示す図である。図2は、ガス導入管14から炉心管11の内部に供給されるガスの総流量が一定である場合の炉心管11内部のガスの流れの様子を矢印で示している。一方、図3は、ガス導入管14から炉心管11の内部に供給されるガスの総流量が変動している場合の炉心管11内部のガスの流れの様子を矢印で示している。
図2に示されるように、供給ガス総流量が一定である場合には、ガス導入管14から炉心管11の内部に供給されたガスは、多孔質ガラス体1に沿って上昇し、炉心管11の側壁に沿って下降するように、炉心管11の内部を循環するとともに、一部がガス排気管15を経て外部へ排出される。これに対して、図3に示されるように、供給ガス総流量が変動している場合には、ガス導入管14から炉心管11の内部に供給されたガスは炉心管11の内部で流れが乱れて渦を巻くようになっていて、このことから、炉心管11の内部のうちガス排気管15取付け位置付近において局所的に負圧となる場合がある。
図4は、広域溶融炉10の各所における圧力変動を示す図である。同図(a),(b)には、炉心管11の内部に供給するガスの総流量の変化速度の時間変化を示されている。同図(c)には、ガス排気管15内部における圧力の時間変化A、炉心管11内部のうちガス導入管14取付け位置付近における圧力の時間変化B、および、炉心管11内部のうちガス排気管15取付け位置付近における圧力の時間変化C、それぞれ示されている。また、同図(d)には、炉心管11内部のうちガス排気管15取付け位置に対し反対側の付近における圧力の時間変化D、および、上蓋12内部における圧力の時間変化E、それぞれ示されている。
この図から判るように、炉心管11の内部に供給するガスの総流量の変化速度が大きい場合には、炉心管11の内部のうち上部において局所的に負圧となる。この部分が負圧になると、炉心管11と上蓋12との接合部等から炉心管11の内部へ外気が侵入してしまう。このことから、このように局所的に負圧となる部分ができないように、炉心管11の内部に供給するガスの総流量の変化速度を所定値以下とすればよいことが判る。
そして、本願発明者による鋭意研究の結果、炉心管11の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間の時間をTとし、この期間におけるガス総流量の変化量をΔFとし、炉心管11の容積をVとしたときに、ガス総流量(導入量)をガス排気量より多くし、「R=100×ΔF/(V・T)」なる式で表されるパラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)以下となるようにガス総流量を変化させて、炉心管11の内部を陽圧に維持するようにすればよいことが解明された。このように、パラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)以下となるようにガス総流量を変化させれば、炉心管11の内部における局所的な負圧部分の発生が防止されて、炉心管11の内部への外気の侵入が防止される。
これまで広域溶融炉について説明したが、ゾーン溶融炉についても同様である。図5は、ゾーン溶融炉20の断面図である。この図に示されるゾーン溶融炉20は、炉心管21、上蓋22および炉23を主に備える。上蓋22は炉心管21の上壁の上に配置されている。炉23は炉心管21の側壁の周囲に配置されている。この炉23は、炉心管21の内部に挿入される多孔質ガラス体1の長手方向の長さと比べると縦方向の寸法が短く、多孔質ガラス体1の長手方向の一部を加熱することができる。したがって、このゾーン溶融炉20では、多孔質ガラス体1を上下方向に移動させることにより、多孔質ガラス体1の全体が炉23により加熱される。
炉心管21の底部にガス導入管24が設けられ、炉心管21の側壁の上部にガス排気管25が設けられている。上蓋22の側壁にガス導入管26およびガス排気管27が設けられている。ガス排気管25にはバルブ28が設けられている。このバルブ28の手前のガス排気管25上に設けられた圧力計29aは、ガス排気管25の内部の気圧を測定する。圧力計29bは、上蓋22の内部の気圧を測定する。圧力計29cは、炉心管21の内部のうち上壁付近の気圧を測定する。また、圧力計29dは、炉心管21の内部のうち底部付近の気圧を測定する。
次に、本実施形態に係るガラス体製造方法(特に脱水処理および加熱処理)について説明する。ここで製造されるべきガラス体は、線引により光ファイバを製造するための光ファイバ母材であって、クラッド部に高濃度のフッ素元素が添加されたものであるとする。そのために、コア部の周囲に多孔質ガラス体が堆積された前駆体が用意される。この前駆体は例えばVAD(Vapor AxialDeposition)法やOVD(Outside VaporDeposition)法により製造される。また、この前駆体に対して脱水処理および加熱処理をするために、図1に示された広域溶融炉10が用いられるものとして以下に説明するが、図5に示されたゾーン溶融炉20が用いられる場合も同様である。
このような前駆体が炉心管11に挿入されて脱水処理が行われる。この脱水処理においては、ガス導入管14から炉心管11内部へ、脱水性ガス(例えば、Clや塩化チオニルSOCl、その他の脱水性ガス)、および、希釈ガス(O,N,H,Ar等の希ガス、脱水性ガスとの反応性が低いその他のガス)が投入される。場合によっては、キャリアガス(希釈ガスと同様のガス)が投入される場合もある。なお、キャリアガスは、脱水性液体状物質のバブリングガス、または、脱水性固体物質を昇華させたものをキャリアとして運ぶ目的で使用するガスを指す。希釈ガスは、脱水性ガスの濃度調整の目的で使用するガスを指す。
この脱水処理が終了した後、前駆体が炉心管11に挿入された状態のまま、加熱処理が行われる。この加熱処理においては、ガス導入管14から炉心管11内部へ、フッ素ガスの他に前記のような希釈ガスが投入され、場合によってはキャリアガスも投入されて、フッ素ガス雰囲気下で行われる。以下、この工程をフッ素添加工程という。その名のとおり、フッ素添加が主目的であるが、それと同時に行う透明化工程も含む。透明化工程も一般的にはフッ素ガス雰囲気下で行われる。
特許文献1に開示されているとおり、OH基含有量が少ないフッ素添加ガラス体を多孔質ガラス体から作製する工程では、常に炉心管11内を陽圧に保つことが必要である。また、ガス導入管16を通じて上蓋12内に希釈ガスやN等と同種の不活性ガスが導入されて、この上蓋12内部も陽圧に維持される。脱水工程とフッ素添加工程との間では、ガスの種類および総流量を大きく変えなければならないことがあり、また、ガス種の変更も必要である。
図6は、脱水処理および加熱処理における温度および投入ガスそれぞれの変化の一例を示すグラフである。この例では、脱水工程(HeおよびCl)を行った後、Cl投入を停止して、その代わりにSiFを投入する。Heについても流量を調節する。調節が完了した後、炉心管11内部のガス置換(同時に、多孔質ガラス体内へのSiFの拡散や炉内ガス雰囲気置換、F添加も起こる)を行った後に、SiF/He雰囲気下で焼結を行う。
この脱水工程とガス置換&F添加工程との間で、流量変化率が大きいと、炉心管11内部で気流の乱れが発生し、炉心管11内圧変動が起こり易い。この変動が生じたときに、炉心管11内部の圧力が大気圧よりも低くなる瞬間があると、炉心管11の接合部から外気を炉内に取り込んでしまう。これを防ぐために、炉接合部全箇所において負圧となる瞬間が無いように総流量を徐々に調整する必要がある。
そこで、その為に、炉心管11の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間の時間をTとし、この期間におけるガス総流量の変化量をΔFとし、炉心管11の容積をVとしたときに、「R=100×ΔF/(V・T)」なる式で表されるパラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)以下となるようにガス総流量を変化させて、炉心管11の内部を陽圧に維持する。ここで、炉心管11の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間とは、工程変更に関わるバルブ18の操作またはガス導入量の調整の開始時から完了時までの期間である。
例えば、炉心管11の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間の時間Tが10秒であり、この期間におけるガス総流量の変化量ΔFが11slmであり、炉心管11の容積Vが55L(リットル)であるとすると、パラメータRの値は2(%/分/秒)(=100%×11slm/55L)となる。
特に、フッ素濃度が3.5mol%より高いフッ素元素が添加された石英ガラス(すなわち、比屈折率差が−0.40%より小さい石英ガラス)を作製する際には、このパラメータRの絶対値を3.0(%/分/秒)以下とすることは有用である。何故なら、フッ素ガスは高価な場合がある為、コスト面から投入可能流量に限界があるからである。
F添加工程で用いられるフッ素ガスは、水素原子を含まず、1以上のフッ素原子を含む分子であるのが好適である。一般的にフッ素原子を有する分子を使用すればフッ素添加を行うことは可能である。しかし、フッ素ガス中に水素原子が分子内にあると、脱水工程でOH基を除去しても、再び多孔質ガラス体にOH基を含有させてしまうこととなり、好ましくない。特に使用に適しているガス分子は、CF、C、SF、SiFなどである。そのうちでもSiFをフッ素ガスが含むことが好適である。何故なら、SiFを用いれば、石英炉心管11へのダメージが少なく、炉心管11の劣化が遅くなる。特に、炉心管11と上蓋12との接合部での劣化を抑制することで、炉心管11の気密を維持することができる。
また、炉心管11の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間において、廃棄流量を調節して炉心管11の内部の陽圧変動の中心を+60Pa以上+400Pa以下とするのが好適である。パラメータRが最大値3.0(%/分/秒)である場合、炉心管11の内圧変動量が最も大きくなるが、その場合の内圧変動は最低でも±50Paある。したがって、+10Pa以上の陽圧でないと大気を炉心管11内に取り込んでしまうため、炉心管11の内部の陽圧変動の中心が+60Pa以下であることは好ましくない。また、炉心管11の内部の陽圧変動の中心が+400Pa以上であると、炉心管11内部の内圧が大きくなり、経時的に炉心管11が変形して、気密が悪くなり、外気を炉心管内に取り込むようになる危険がある。このことから、炉心管11の内部の陽圧変動の中心を+60Pa以上+400Pa以下とするのが好適である。
上記のように、パラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)以下となるようにガス総流量を変化させ、炉心管11の内部を陽圧に維持するとともに、炉心管11の内部の陽圧変動の中心を+60Pa以上+400Pa以下とするに際しては、炉心管11の内部の気圧をモニタすることが重要となる。そこで、圧力計19aによるガス排気管15内部の気圧のモニタ、圧力計19bによる上蓋12内部の気圧のモニタ、圧力計19cによる炉心管11内部のうち上壁付近の気圧のモニタ、および、圧力計19dによる炉心管11内部のうち底部付近の気圧のモニタ、の何れか1又は2以上が行われる。そして、このモニタ結果に基づいて炉心管11内部の気圧がバルブ18により調整される。
圧力計19a〜19dのうちの何れか1つの圧力計のみが使用される場合には、その圧力計によるモニタ結果が一定となるように、バルブ18の開度を制御するようにすることが望ましい。このとき、例えばPID制御が好適に用いられる。ただし、圧力計19dによる炉心管11内部のうち底部付近の気圧のモニタのみでは、この炉下部が最上流であることから、他の3箇所(炉上流、上蓋内、排気管)より内圧が高くモニタされ、他では負圧になっていることがあり、これは望ましくない。そこで、十分に他の箇所との差圧の調査を行ってから、この部位で実施することが望ましい。
圧力計19a〜19dのうちの何れか2以上の圧力計が使用される場合には、例えば複数箇所のうちで最小の値を示した圧力計のモニタ値を常に該圧力計の指定値となるように、バルブ18の開度を調節するのが好ましい。なお、最小の値を示した圧力計が、上蓋12内部の気圧をモニタする圧力計19bである場合には、ガス導入管16を通じて上蓋12内に導入されるガスの流量が調整されてもよい。
図7は、ガス導入管14を通じて炉心管11内部に導入されるガスの流量の時間変化、および、炉心管11内部の最低圧力の時間変化、それぞれの例を示すグラフである。同図(a)〜(g)は、パラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)以下である場合を示し、同図(h)は、パラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)より大きい場合を示す。
同図(a)に示されるように、ガス流量調整の開示時から完了時まで多段階でガス流量が変化する場合には、炉心管11内部の最低圧力は、時間的な変動が大きいものの、陽圧に維持され得る。また、同図(b)〜(g)それぞれに示されるように、ガス流量調整の開示時から完了時まで直線的にガス流量が変化する場合、ガス流量調整の開示時から完了時まで直線より上に凸となる曲線でガス流量が変化する場合、および、ガス流量調整の開示時から完了時まで直線より下に凸となる曲線でガス流量が変化する場合、それぞれでは、炉心管11内部の最低圧力は、時間的な変動が比較的に小さく、陽圧に維持され得る。これに対して、同図(h)に示されるように、ガス流量が次の設定値まで一度に変更される場合には、炉心管11内部の最低圧力は、時間的な変動が非常に大きく、負圧になるときがある。
この図から判るように、できるだけ滑らかに流量調整をした方が、バルブ18の開度制御が容易に追従でき、設定内圧に速やかに復帰できるので、同図(b)〜(g)それぞれの流量変化望ましい。また、たとえ同図(a)〜(g)それぞれに示されるような流量変化の態様であっても、パラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)より大きくなる瞬間があるならば、炉心管11内部の最低圧力の変動が大きくなって、負圧になる事態が生じるため、OH損失増となる可能性がある。
図8は、炉心管11内部に供給するガスの総流量を変化させる期間における炉心管11内部の最低圧力と設定圧力との関係を示すグラフである。同図中には、パラメータRの値が2,3,5(%/分/秒)それぞれである場合について、炉心管11内部の最低圧力と設定圧力との関係が示されている。図9は、炉心管11内部に供給するガスの総流量を変化させる期間における炉心管11内部の最低圧力とパラメータRの値との関係を示すグラフである。同図は、設定圧力を+60Paとした場合が示されている。
ここでは、炉心管の容積Vが55Lである広域溶融炉を使用し、初めにHeガスとともに30mol%の塩素ガスを炉心管11内に投入した状態で2時間だけ維持し、この後にHeガスとともに50mol%のSiFをフッ素ガスとして投入してF添加を行った。この間の温度は1100℃であった。このときの投入順序は、Cl/HeにSiFを指定流量投入し、Clの流量をゼロとし、He流量を調整する、という3ステップで行われた。流量変更は、図7(b)に示された直線型で行った。また、流量制御は、圧力計19aによるガス排気管15内部の気圧のモニタ結果に基づいて行われた。
図8に示されるように、パラメータRの値が3(%/分/秒)であるときに、炉心管の最低内圧は、変動も安定し、設定内圧が60Pa以上で、低OH化の限界ラインである10%以上となる。パラメータRの値が2(%/分/秒)であるときには、最低内圧変動は更に安定している。一方、パラメータRの値が5(%/分/秒)である場合は、内圧変動が大きく変動して10Paラインを超える内圧領域は無い。パラメータRの値が4(%/分/秒)である場合も同様である。
また、図9に示されるように、パラメータRの値が3(%/分/秒)以下であるときに、プロセス中最低炉内圧は、大気混入の限界ラインである+10Pa以上となる。このことから、パラメータRの値は3(%/分/秒)以下であることが望ましいことが判る。
図10は、実施例1〜12それぞれの諸元を纏めた図表である。ここでは、純石英ガラスからなるコア部の周囲に多孔質ガラス体が堆積された前駆体を用意し、この前駆体に対して脱水処理および加熱処理をして光ファイバ母材を製造し、この光ファイバ母材を線引して光ファイバを得た。この図表には、実施例1〜12それぞれについて、左から順に、使用した溶融炉の形式および炉心管の容量、脱水工程における使用ガス、ガス濃度、処理時間および処理温度、F添加工程におけるFガス種、Fガス濃度、処理時間および処理温度、脱水工程とF添加工程との間における流量変化速度R、使用圧力計および流量変更態様、焼結工程における昇温速度、維持温度および維持時間、クラッド部のF添加濃度、ならびに、光ファイバの波長1.38μm帯におけるOH基に因る損失増分、それぞれが示されている。
この図表から判るように、パラメータRの値が3(%/分/秒)以下である実施例1〜4,7〜11それぞれについては、光ファイバの波長1.38μm帯におけるOH基に因る損失増分は、0.11dB/km以下であって、充分に抑制されている。一方、パラメータRの値が3(%/分/秒)より大きい実施例5,6,12それぞれについては、光ファイバの波長1.38μm帯におけるOH基に因る損失増分は、0.4dB/km以上と大きい。
広域溶融炉10の断面図である。 広域溶融炉10におけるガスの流れの様子を模式的に示す図である。 広域溶融炉10におけるガスの流れの様子を模式的に示す図である。 広域溶融炉10の各所における圧力変動を示す図である。 ゾーン溶融炉20の断面図である。 脱水処理および加熱処理における温度および投入ガスそれぞれの変化の一例を示すグラフである。 ガス導入管14を通じて炉心管11内部に導入されるガスの流量の時間変化、および、炉心管11内部の最低圧力の時間変化、それぞれの例を示すグラフである。 炉心管11内部に供給するガスの総流量を変化させる期間における炉心管11内部の最低圧力と設定圧力との関係を示すグラフである。 炉心管11内部に供給するガスの総流量を変化させる期間における炉心管11内部の最低圧力とパラメータRの値との関係を示すグラフである。 実施例1〜12それぞれの諸元を纏めた図表である。
符号の説明
1…多孔質ガラス体、2…支持棒、10…広域溶融炉、11…炉心管、12…上蓋、13…炉、14…ガス導入管、15…ガス排気管、16…ガス導入管、17…ガス排気管、18…バルブ、19a〜19d…圧力計、20…ゾーン溶融炉、21…炉心管、22…上蓋、23…炉、24…ガス導入管、25…ガス排気管、26…ガス導入管、27…ガス排気管、28…バルブ、29a〜29d…圧力計。

Claims (4)

  1. 炉心管内において、多孔質ガラス体を脱水処理した後に、フッ素ガス雰囲気下で前記多孔質ガラス体を加熱処理して、フッ素元素が添加されたガラス体を製造する方法であって、
    前記脱水処理から前記加熱処理への過渡期において、前記炉心管の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間の時間をTとし、この期間におけるガス総流量の変化量をΔFとし、前記炉心管の容積をVとしたときに、「R=100×ΔF/(V・T)」なる式で表されるパラメータRの絶対値が3.0(%/分/秒)以下となるようにガス総流量を変化させ、
    前記炉心管の内部を陽圧に維持する、
    ことを特徴とするガラス体製造方法。
  2. 前記フッ素ガスが水素原子を含まないことを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。
  3. 前記フッ素ガスがSiFを含むことを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。
  4. 前記炉心管の内部に供給するガスの総流量を変化させる期間において前記炉心管の内部の陽圧変動の中心を+60Pa以上+400Pa以下とすることを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。

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