JP2006289255A - 電磁誘導加熱蒸留装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱槽の上部に回収槽を設け、この加熱槽には混合液体に直接接触するように加熱部を設けてあり、回収槽の内面には冷却コイルが配設されている従来の蒸留装置は、回収槽の容積が大容量、高重量になるという課題があった。また、加熱部は混合液体に直接接触するように設けてあることから、加熱部の表面温度は部分的に設定温度以上に高くなって、引火性の強い混合液の加熱には不適当であったり、混合液体を加熱分解し変質させるという課題があった。
【解決手段】排出管の一部に排出管を直接冷却するように設けた冷却部と、加熱槽と離脱容易に設けられ混合液を非接触状態で加熱する加熱部に電磁誘導加熱ヒーターを設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】排出管の一部に排出管を直接冷却するように設けた冷却部と、加熱槽と離脱容易に設けられ混合液を非接触状態で加熱する加熱部に電磁誘導加熱ヒーターを設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液体の沸点を利用して油性成分や水等を含んだ混合液体を精製する装置に関するものである。
最近の工業製品の精密化に伴って、部品や製品の洗浄が欠かせないものとなり、多種類の洗浄液が多量に消費されるようになってきている。この洗浄などに使用された混合液には環境汚染を引き起こす成分も含まれることがあることから、この混合液は回収して精製し再利用することが求められてきている。
このような混合液の代表的な精製方法は、混合液の成分の沸点の差を利用するもので、油性成分や水等を含んだ混合液体を加熱槽に貯蔵し、この加熱槽に設けた加熱部によってその沸点まで加熱し、沸騰して発生した蒸気を回収槽に設けた冷却部に接触させ液化精製して回収するものである。
このような混合液の代表的な精製方法は、混合液の成分の沸点の差を利用するもので、油性成分や水等を含んだ混合液体を加熱槽に貯蔵し、この加熱槽に設けた加熱部によってその沸点まで加熱し、沸騰して発生した蒸気を回収槽に設けた冷却部に接触させ液化精製して回収するものである。
ところで、従来例の蒸留装置は第2図に示すように、加熱槽11の上部に回収槽12を設け、この加熱槽11には混合液体に直接接触するように加熱部13を設けてあり、回収槽12の内面には冷却コイル17が配設されている。この冷却コイル17には冷却水流入口14から冷却水が流入され、冷却水流出口15から流出される。この冷却コイル17に接触して液化された精製液は精製液吐出口16から吐出させ回収するのである。しかしながら、上記の蒸留装置では加熱槽11の上部に蒸気を貯留する回収槽12を一体化して設ける必要があり、装置全体が大型にならざるを得なく、多量の混合液を精製する必要がある工場などではその設置場所も制限されるという問題がった。また、発生した蒸気と冷却コイル17との接触面積が限られ液化効率も低いことから、精製液を液化させて回収するまでの時間が長く必要であるという問題があった。さらに、加熱部13は加熱槽11に貯蔵された混合液体に直接接触するように設けてあることから、混合液体の温度制御の精度が十分でなく、加熱部13の表面温度は部分的に設定温度以上に高くなって、引火性の強い混合液の加熱には不適当であったり、混合液体を加熱分解し変質させて回収効率を低下させたり、有害ガスを発生させたりするなどの問題もあった。
これらの問題を解決するために、貯留槽と、分離槽とを分離して別に設けることで装置の小型化を図ろうとする技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、混合液容器を加熱する加熱源として温水バスを用いて、急激な温度上昇を抑えようとする技術がある(例えば、特許文献2参照)。
ここで特許文献1のものは、貯留槽と、その内部に冷却部を設けた分離槽とを循環手段を連接して設け、液化した再生液を冷却部に貯蔵しようとするものである。また、特許文献2のものは、混合液容器の底部を温水バス中に浸漬し温水の熱を利用して混合液を間接的に加熱しようとするものである。
特開2002−370001号公報
特開2003−19401号公報
ここで特許文献1のものは、貯留槽と、その内部に冷却部を設けた分離槽とを循環手段を連接して設け、液化した再生液を冷却部に貯蔵しようとするものである。また、特許文献2のものは、混合液容器の底部を温水バス中に浸漬し温水の熱を利用して混合液を間接的に加熱しようとするものである。
しかしながら、特開2002−370001号公報に記載された技術は、貯留槽と分離槽とを分離して別々の場所に設置でき、工場などのレイアウトに比較的自由度が確保できるものの、分離槽は蒸気を貯留するための空間が必要であり、冷却コイルを用いた冷却部を設けるための空間も必要となって、分離槽の容積が大容量、高重量になるという課題があった。
したがって、装置全体が大型にならざるを得なく、多量の混合液を精製する必要がある工場などでは、メンテナンスも煩雑で、その設置場所も制限されるという問題があった。また、発生した蒸気と冷却コイルとの接触面積が限られ液化効率も低いことから、精製液を液化させて回収するまでの時間が長く必要であるという課題があった。
したがって、装置全体が大型にならざるを得なく、多量の混合液を精製する必要がある工場などでは、メンテナンスも煩雑で、その設置場所も制限されるという問題があった。また、発生した蒸気と冷却コイルとの接触面積が限られ液化効率も低いことから、精製液を液化させて回収するまでの時間が長く必要であるという課題があった。
一方、加熱部が直接混合液に接触し過熱するのを改善するために、特開2003−19401号公報に記載された技術は、混合液が温水の温度以上になるのを防ぐことができ、引火性の強い液体を安全に再生しようとしたものであるが、温水バスの温度を保つために別の加熱源が必要となったり、温水の量を一定に保つ必要からその調節機構を別に設けるなど、装置の小型、軽量化の妨げになるという課題があった。さらに、混合液を間接的に加熱するため、混合液の温度調節には相当の時間が必要であるという課題もあった。
上記課題を解決するために本発明は、混合液を加熱して貯蔵する略密閉構造の加熱槽と、その一端が加熱槽に連通して設けられ気化した蒸気を排出し他端から精製液を吐出する精製液吐出口を備えた排出管と、排出管の一部に排出管を直接冷却するように設けた冷却部と、加熱槽と離脱容易に設けられ混合洗浄液を非接触状態で加熱する加熱部を備えたことを特徴とする。
また、冷却部は排出管に断面二重構造状に設けられ冷却水流入口と冷却水流出口が設けられていることを特徴とする。
つぎに、冷却部は排出管に冷却半導体素子が設けられていることを特徴とする。
さらに、加熱部は電磁誘導加熱ヒーターであることを特徴とする。
また、加熱部と冷却部は脱着容易であることを特徴とする。
また、冷却部は排出管に断面二重構造状に設けられ冷却水流入口と冷却水流出口が設けられていることを特徴とする。
つぎに、冷却部は排出管に冷却半導体素子が設けられていることを特徴とする。
さらに、加熱部は電磁誘導加熱ヒーターであることを特徴とする。
また、加熱部と冷却部は脱着容易であることを特徴とする。
このように本発明の電磁誘導加熱蒸留装置は、混合液を加熱して貯蔵する略密閉構造の加熱槽と、その一端が加熱槽に連通して設けられ気化した蒸気を排出し他端から精製液を吐出する精製液吐出口を備えた排出管と、排出管の一部に排出管を直接冷却するように設けた冷却部と、加熱槽と離脱容易に設けられ混合洗浄液を非接触状態で加熱する加熱部を備えているから、加熱槽の上部に蒸気を貯留する回収槽を一体化して設ける必要がなく、装置全体を小型軽量にすることができ、多量の混合液を精製する必要がある工場などでもその設置場所が制限されることなく、レイアウトに自由度を持たせることができる。さらに、加熱部と加熱槽を別々に清掃や修理することができ、メンテナンスが容易であるばかりでなく、数種類の加熱槽を一つの加熱部で共用することができ、設備コストを抑えることもできる。
また、冷却部は排出管に断面二重構造状に設けられ冷却水流入口と冷却水流出口が設けられていることから、発生した蒸気は冷却部を通過中に短時間に効率的に液化再生することができ、しかも、混合液の蒸気を貯留する空間も必要としないことから、装置全体を小型、軽量にすることができる。
また、設備構造を簡単にでき、制御が容易で、メンテナンスも簡素化できる。
さらに、加熱部は電磁誘導加熱ヒーターであることから、加熱槽に貯蔵された混合液体に直接接触することがなく、加熱部の表面温度は部分的に設定温度以上に高くなることもなく、混合液体を過熱により分解し変質させて回収効率を低下させたり、有害ガスを発生させたりすることなどを抑えることができる。また、混合液体の温度制御の精度を高くすることができ、引火性の強い混合液の加熱にも安全上適当である。
また、冷却部は排出管に断面二重構造状に設けられ冷却水流入口と冷却水流出口が設けられていることから、発生した蒸気は冷却部を通過中に短時間に効率的に液化再生することができ、しかも、混合液の蒸気を貯留する空間も必要としないことから、装置全体を小型、軽量にすることができる。
また、設備構造を簡単にでき、制御が容易で、メンテナンスも簡素化できる。
さらに、加熱部は電磁誘導加熱ヒーターであることから、加熱槽に貯蔵された混合液体に直接接触することがなく、加熱部の表面温度は部分的に設定温度以上に高くなることもなく、混合液体を過熱により分解し変質させて回収効率を低下させたり、有害ガスを発生させたりすることなどを抑えることができる。また、混合液体の温度制御の精度を高くすることができ、引火性の強い混合液の加熱にも安全上適当である。
また、加熱部と冷却部は脱着容易であることから、装置全体を小型、軽量にすることができ、多量の混合液を精製する必要がある工場などでもその設置場所が制限されることなく、レイアウトに自由度を持たせることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明による電磁誘導加熱蒸留装置の構成図で、図2は従来例による蒸留装置の構成図を示す。図1および図2において、1は混合液を加熱して貯蔵する略密閉構造の加熱槽で、金属やセラミックスまたはプラスチックなどからなり、その底部は電磁誘導加熱が可能な材質で構成されている。2は排出管で、その一端が加熱槽1に連通して設けられ気化した蒸気を排出し、精製液吐出口5からは精製液を吐出する。3は加熱部で電磁誘導加熱ヒーターで構成されている。この加熱部3は加熱槽に貯蔵された混合液体に直接接触することがないため部分的な過熱により混合液を分解し変質させることがない。4は冷却部で、排出管2に断面二重構造状に設けられ冷却水流入口6と冷却水流出口7が設けられ、この流動する冷却水によって加熱槽1で発生した蒸気は排出管2を通過中に冷却され短時間に効率的に液化再生することができるのである。
つぎに、8は制御部でセンサー9から伝達されるセンサー情報に基づいて予め設定された所定の制御を実行する。このセンサー9には、混合液の液面に設けられた液面フロートセンサー(図示せず)、混合液の温度を感知する温度センサーA(同じく図示せず)が設けられている。10は温度センサーBで電磁誘導加熱ヒーター面に設けられている。
ここで、本発明による電磁誘導加熱蒸留装置の操作方法について説明する。
先ず、加熱槽1に混合液を所定量貯蔵する。液面フロートセンサーが混合液の水位を感知し制御部が所定範囲であることを認知してから温度センサーBを予め決められた混合液の管理温度に設定して電磁誘導加熱ヒーターの電源をONにする。そこで加熱槽1の混合液が加熱され沸点に達すると蒸気が発生し直ちに排出管2に流入しその内部を通過する。このとき冷却部4には蒸気を液化させるに十分に低い温度の冷水が流通しており、流入した蒸気は排出管2内で容易に液化し精製液吐出口5から精製液となって吐出するのである。
なお、ここでは排出管2を周囲から冷却するために冷水を使用しているが、この冷水に限られるものでなく、冷却効果のあるものであれば、気体や液体の種類は問わない。
先ず、加熱槽1に混合液を所定量貯蔵する。液面フロートセンサーが混合液の水位を感知し制御部が所定範囲であることを認知してから温度センサーBを予め決められた混合液の管理温度に設定して電磁誘導加熱ヒーターの電源をONにする。そこで加熱槽1の混合液が加熱され沸点に達すると蒸気が発生し直ちに排出管2に流入しその内部を通過する。このとき冷却部4には蒸気を液化させるに十分に低い温度の冷水が流通しており、流入した蒸気は排出管2内で容易に液化し精製液吐出口5から精製液となって吐出するのである。
なお、ここでは排出管2を周囲から冷却するために冷水を使用しているが、この冷水に限られるものでなく、冷却効果のあるものであれば、気体や液体の種類は問わない。
混合液の精製が進行して加熱槽1の混合液の残量が所定量以下になると液面フロートセンサーが感知信号を制御部8に送信し、制御部8は電磁誘導加熱ヒーターに指示してその電源を制御する。また、混合液の温度が何らかの原因で過熱状態になると電磁誘導加熱ヒーター面に設けられた温度センサーBがその温度を感知して制御部8に送信し、制御部8は電磁誘導加熱ヒーターに指示してその電源を制御して正常な温度になるよう制御することになる。一方、温度センサーAは、混合液内の油成分などの濃度の変化にしたがって共沸温度が変化する現象を利用して、所定濃度に達した温度を感知して制御部8に送信し、制御部8は電磁誘導加熱ヒーターに指示してその電源を制御するのである。
以上のように、加熱槽1内の混合液を電磁誘導加熱ヒーターで加熱することにより、温度制御が高精度、高速度になり、過熱、空焚きなどを未然に防ぐことができ、操作制御が容易で引火性の強い混合液の加熱にも安全な液体精製を実現することができる。
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものでなく、使用状況に応じてセンサー類を付加したり、混合液流通路を設けたり、排出管にバイパスなどを設けたりして、用いられる混合液の種類に応じて最適に設定することも本発明の範囲に含まれるものである。
1、11 加熱槽
2 排出口
3、13 加熱部
4 冷却部
5 精製液吐出口
6、14 冷却水流入口
7、15 冷却水流出口
8 制御部
9 センサー
10 温度センサーB
12 回収槽
16 精製液吐出口
17 冷却コイル
2 排出口
3、13 加熱部
4 冷却部
5 精製液吐出口
6、14 冷却水流入口
7、15 冷却水流出口
8 制御部
9 センサー
10 温度センサーB
12 回収槽
16 精製液吐出口
17 冷却コイル
Claims (4)
- 油成分などを含む混合液を加熱して気化させその後冷却して回収する蒸留装置であって、前記混合液を加熱して貯蔵する略密閉構造の加熱槽と、その一端が前記加熱槽に連通して設けられ気化した蒸気を排出し他端から精製液を吐出する精製液吐出口を備えた排出管と、前記排出管の一部に前記排出管を直接冷却するように設けた冷却部と、前記加熱槽と離脱容易に設けられ前記混合洗浄液を非接触状態で加熱する加熱部を備えたことを特徴とする電磁誘導加熱蒸留装置。
- 前記冷却部は前記排出管に断面二重構造状に設けられ冷却水流入口と冷却水流出口が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電磁誘導加熱蒸留装置。
- 前記加熱部は電磁誘導加熱ヒーターであることを特徴とする請求項1または2記載の電磁誘導加熱蒸留装置。
- 前記加熱部と前記冷却部は脱着容易であることを特徴とする請求項1、2または3記載の電磁誘導加熱蒸留装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005112951A JP2006289255A (ja) | 2005-04-11 | 2005-04-11 | 電磁誘導加熱蒸留装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005112951A JP2006289255A (ja) | 2005-04-11 | 2005-04-11 | 電磁誘導加熱蒸留装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006289255A true JP2006289255A (ja) | 2006-10-26 |
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ID=37410434
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005112951A Pending JP2006289255A (ja) | 2005-04-11 | 2005-04-11 | 電磁誘導加熱蒸留装置 |
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---|---|
JP (1) | JP2006289255A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010075783A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Komatsu Seiren Co Ltd | 揮発性有機化合物の回収方法及び回収装置 |
-
2005
- 2005-04-11 JP JP2005112951A patent/JP2006289255A/ja active Pending
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JP2010075783A (ja) * | 2008-09-24 | 2010-04-08 | Komatsu Seiren Co Ltd | 揮発性有機化合物の回収方法及び回収装置 |
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