JP2006288524A - 製品用バイアル瓶セット - Google Patents

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Abstract


【課題】放射性医薬品の製造装置に不可欠で重量物である遮蔽体(キャビネット)が大きく重くならないで済む放射性医薬品製造システムを得ることができる製品用バイアル瓶セットを提供することを目的とする。
【解決手段】クリーンルーム内で無塵、無菌環境を形成し放射線を遮蔽する遮蔽体であるキャビネット(3)に作業扉(26)(27)を設け、既に無菌処理された製品用バイアル瓶(20)群を供給する。すなわち、既に無菌状態でガラス瓶(201)にゴム栓(202)がなされアルミ枠(203a)が取り付けられて密封され、バイアルトレイ(9d)の上に配列され包装された製品用バイアル瓶(20)群を、遮蔽体内の所定位置へセットする。各製品用バイアル瓶(20)には、合成され予備調製され、計測が済んだ1製品分量の放射性医薬品が分注、充填され、その後に、間接容器(23)に組み込まれて搬出される。
【選択図】図7

Description

この発明は、サイクロトロンから送られる放射性同位元素をもとに、放射性医薬品原料を合成し測定し製品用バイアル瓶に充填して出荷する放射性医薬品製造システムに供給される製品用バイアル瓶セットに関する。
放射性医薬品製造は、サイクロトロンから送られる放射性同位元素をもとに、試薬などと呼ばれる医薬品原料とともに、合成装置により放射性医薬医薬品を合成し、必要な濃度に予備調製し、液量や放射能容量を測定し、医薬容器である製品用バイアル瓶に充填し、放射線の遮蔽材を有する間接容器に入れて出荷する。
製品用バイアル瓶セットは、医薬容器として必要な洗浄処理及び無菌処理が施されなければならない。
このとき、例えば図10に示すように、バイアル瓶の構成部品であるガラス瓶、ゴム栓、アルミ枠がそれぞれ洗浄処理され(同図S1)(同図S3)(同図S7)、滅菌処理(同図S2)(同図S4)(同図S8)が施される。そして、ガラス瓶に医薬品が充填され(同図S5)、ゴム栓が打栓され(同図S6)、アルミ枠が固定(カシメ)され(同図S9)、外観検査が行われ(同図S10)、放射線遮蔽材を有する間接容器へ組み込みがなされ(同図S11)、完成する(同図S12)。そして、
(1)従来の放射性医薬品製造装置では、放射性医薬品を充填する製品用バイアル瓶の洗浄装置を、製造装置の外郭を構成するキャビネットの一部に設ける。せっかく洗浄した製品用バイアル瓶が空気に触れて汚染するのを防止しなければならないからである。
(2)あるいは、他の従来の放射性医薬品製造装置では、洗浄,滅菌処理した栓なしのバイアル瓶及びゴム栓、アルミ枠を放射性医薬品製造装置へ搬入し、この栓なしのバイアル瓶へ薬液を充填し、その後に、ゴム栓をしてゴム栓の周囲を固定するアルミ枠を取り付けて密封され製品化する。
なお、バイアル瓶への充填装置(下記特許文献1参照)、同瓶からの抽出装置は存在する。
特開2001−99745
また、抽出装置に接続され1製品分量の医薬品を正確に分注する分注装置も存在する。
キャビネット(JIS K 3800-2000で定義される安全キャビネットのことをいう)は、外殻構造体(鉄板)の内側に遮蔽材(鉛板)が内張りされて構成される。通常は、工程毎に分割された複数個が独立して配置され、その間の放射性医薬品及び放射性医薬品原料の移動は、遮蔽容器に入れて移動する。
半減期の短い放射性医薬品を医療現場へ搬送するには、搬送時間を短くする必要があり、そのためには放射性医薬品の製造拠点を各地につくる必要がある。各地の製造拠点を実現するには、用地や設備のコストのために、拠点における放射性医薬品製造装置をコンパクトにする必要がある。特に、放射性医薬品の製造装置に不可欠で重量物である遮蔽体(キャビネット)が大きく重くならないようにしなければならない。
この発明は、以上の問題点を解決するために、放射性医薬品の製造装置に不可欠で重量物である遮蔽体(キャビネット)が大きく重くならないで済む放射性医薬品製造システムを得ることができる製品用バイアル瓶セットを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、第一発明は、クリーンルーム内で無塵、無菌環境を形成し放射線を遮蔽する遮蔽体を有するキャビネットで、このクリーンルームの外部に存在するサイクロトロンからチューブを介して内部へ送られる放射性同位元素をもとに放射性医薬品原料を合成し、この合成された1バルク分量の放射性医薬品原料の液容量と放射能量を計測し、前記計測が終わった放射性医薬品原料を抽出し、予備調製用の溶剤を供給して予備調製し、この予備調製後に1製品分量の放射性医薬品を分注し液容量と放射能量を検証計測し、前記クリーンルームに搬入された製品用バイアル瓶セットが前記キャビネットに供給され、この供給された製品用バイアル瓶セットへ前記1製品分量の放射性医薬品を分注して充填し、間接容器へ組み込み、この間接容器を前記無菌室の外へ搬出する放射性医薬品製造システムに供給される前記製品用バイアル瓶セットであって、
あらかじめ、無菌状態でガラス瓶にゴム栓で密封がなされキャップが付属されたアルミ枠が取り付けられ、輸送トレイの上に配列され包装された製品用バイアル瓶セットからなることを特徴とする放射性医薬品製造システムのための製品用バイアル瓶セットである。
第二発明は、前記輸送トレイは、前記製品用バイアル瓶同士の接触を防ぐために、前記製品用バイアル瓶を保持する複数の区画を形成していることを特徴とする放射性医薬品製造システムのための製品用バイアル瓶セットである。
第三発明は、前記製品用バイアル瓶が配列された輸送トレイの包装は、内側で行われる複数のクリーンパックを含んで、何重にも行われることを特徴とする放射性医薬品製造システムのための製品用バイアル瓶セットである。
[1]第一、第二、又は第三発明によれば、あらかじめ無菌状態でゴム栓(202)及びキャップ(203b)が付属されたアルミ枠(203a)がなされ包装された製品用バイアル瓶(20)セットが得られるので、放射性医薬品製造システムではこの最終包装を解き、所定位置へセットし放射性医薬品を充填することで、以下の(1)(2)の効果を得られる。
(1)従来技術(1)との比較においては、医薬容器としての製品用バイアル瓶の洗浄装置等の容器製造に関わる設備を遮蔽体(キャビネット)内部に設ける必要が無いので放射性医薬品製造システムの遮蔽体(キャビネット)をコンパクトにできる。
すなわち、従来技術(1)では洗浄装置等の容器製造に関わる設備を放射性医薬品製造拠点毎に設けねばならず、この容器製造に関わる設備から搬出される医薬容器は外部環境に触れると再び汚染するので、放射性医薬品が存在する無塵,無菌環境を形成する遮蔽体(キャビネット)内部に容器製造に関わる設備を設ける必要がある。一般的に容器製造に関わる設備は大規模になるので、重量物である遮蔽体(キャビネット)全体、つまり放射性医薬品製造システム全体も大型化してしまう。
これに対し、この発明は、容器製造に関わる設備を分離し、放射性医薬品製造拠点とは別の場所に集約でき、よって各放射性医薬品製造システムをコンパクトにできる。
(2)また、従来技術(2)では、容器製造に関わる設備を製造拠点に設ける必要はないものの、洗浄,滅菌処理し搬入したゴム栓なしのバイアル瓶へ薬液を充填し、その後に、ゴム栓をしてアルミ枠を取り付けて密封され製品化することになる場合に、その取付作業は、やはり放射性医薬品が存在する無塵、無菌環境内で行わなければならない。その作業に必要な装置や作業スペースが必要となり、重量物である遮蔽体(キャビネット)全体、つまり放射性医薬品製造システム全体も大型化してしまう。
さらに、ゴム栓なしのバイアル瓶の内部をその取付作業を行う周辺の空気にさらすことになり、取付作業を行う周辺環境の管理レベルを高くしなければならない。
これに対し、この発明は、ゴム栓をしてアルミ枠を取り付ける作業を、放射性医薬品製造システム内で行う必要がなく、その作業に必要な装置や作業スペースが必要なく、したがって重量物である遮蔽体(キャビネット)全体、つまり放射性医薬品製造システム全体を大型化してしまうことを防げる。 また、バイアル瓶はゴム栓及びアルミ枠が設けられた状態で作業が行われ、バイアル瓶の内部を遮蔽体(キャビネット)内の空気にさらすことがなく、遮蔽体(キャビネット)内の無塵、無菌を含む環境管理が容易となる。
[2]第二、又は第三発明によれば、輸送トレイの複数の区画で製品用バイアル瓶を保持することで、製品用バイアル瓶同士の接触、ひいては破瓶を防ぐことができる。
[3]第三発明によれば、製品用バイアル瓶セットを、外部からクリーンルームを経て遮蔽体(キャビネット)へ搬入、供給する過程で、クリーン度が徐々に高くなる複数のゾーンを通過するたびに、包装を解くことで、表面汚染を防止できる。
この発明の実施形態を、図1から図9Eに示す。
まず、図2から図7において、実施形態に係る放射性医薬品製造システム(300)の中心となり、キャビネット(1,2,3)により形成される無塵,無菌環境内に設けられる装置を説明する。
(装置の全体概略)
図2に示すように、放射性医薬品を製造するために、製造スペースは、放射性医薬品及び放射性医薬品原料の飛散及びガス化による拡散に備え、取り扱う物質を外部へ漏らさない構造体、すなわちキャビネット(JIS K 3800-2000で定義される安全キャビネットのことをいう)(1,2,3)で囲われている。また、無塵、無菌環境とするために、空調装置(F1)により高いクリーン度(ISO基準のクラス100)が維持される。この無塵、無菌環境を形成するキャビネット(1,2,3)は、製造の各工程ごとに3つが設けられる。
すなわち、放射性医薬品原料を合成する際に必要な医薬品原料(試薬)を定量分注し供給する試薬装置(5)及び放射性医薬品原料を合成する合成装置(6)が配置された試薬合成キャビネット(1)、合成された放射性医薬品原料の1バルク分量(一度に合成される分量を1バルク分量という)の放射能量及び液量の計測などをおこなうバルク測定装置(7)などが配置されたバルクキャビネット(2)、1バルク分量の放射性医薬品原料を予備調製した後に1製品分量ごとに分注する分注装置(8)、分注した後に製品用バイアル瓶(20)への充填を連続して行う連続充填検査装置(9)、製品用バイアル瓶(20)を間接容器(23)へ組み込む間接容器製造装置(14)などが配置された製造キャビネット(3)である。なお、製造キャビネット(3)には、間接容器本体搬送台車(10)が固定される間接容器本体供給装置(11)や、間接容器蓋搬送台車(12)が固定される間接容器蓋供給装置(13)が連結される。
製品用バイアル瓶(20)が組み込まれた間接容器(23)は、キャビネット(1,2,3)、の外の製品梱包設備(21)で梱包される。
これらのキャビネット(1,2,3)は、よりクリーン度の低い(ISO基準のクラス10000)クリーンルーム内に配置される。作業員は、主にキャビネット(1,2,3)の外側のクリーンルーム内で作業を行う。
また、このクリーンルーム内には、バイアルパスユニット(4)が存在し、キャビネット(2,3)内へ供給される各容器(17),(18),(19),(20)がバイアルパスユニット(4)のチャンバー(4c)内で最終包装を解かれ、キャビネット(2,3)に連結して、各容器(17),(18),(19),(20)を供給する。
キャビネット(1,2,3)の空調状態は、内部の放射性物質を含む内部で取り扱う物質が外部に漏れないようにする必要上、陰圧である。バイアルパスユニット(4)のチャンバーの空調状態は、手作業中に発生する塵埃を速やかに外部に排出するために、陽圧である。
また、これらのキャビネット(1,2,3)が配置されるクリーンルームの外部に接して、供給する各容器(17),(18),(19),(20)の包装を中程度まで解くなどの準備作業をする部屋が設けられる。
また、これらのキャビネット(1,2,3)が配置されるクリーンルームの外部に、放射性同位元素(液体として)を製造する装置であるサイクロトロン(22)(図1参照)が、設けられる。このサイクロトロン(22)は、図示しない別の遮蔽体からなる部屋の中に配置される。製造された放射性同位元素は、床下ピット(347)にてチューブを介して送られる。
(キャビネット)
図6A、図6Bに示すように、キャビネット(1,2,3)は安全キャビネット(JIS K 3800-2000で定義される安全キャビネットのことをいう)の条件を備え、放射線を遮蔽する遮蔽材を有し、側面には、内部を見られる鉛ガラス窓(28)と、作業員の腕が入る左右の作業扉(26),(27)が設けられる。これらの鉛ガラス窓41と左右の作業扉(26),(27)の組は、各キャビネット(1,2,3)に所定間隔で設けられる。
(空調装置F1)
キャビネット(1,2,3)に備えられる空調装置F1(図5参照)には、HEPAフィルターが使用され、塵埃を除去し、庫内を清浄化する。また、ファンユニットを付属し空気の循環及び排気を行う。
(バイアルパスユニット(4))
各容器(17),(18),(19),(20)を各キャビネット(2,3)へ搬送し、内部で最終包装を解き、キャビネット(2,3)内へ手作業で挿入するためのもので、内部のクラス100のクリーン度を維持するために、バッテリー搭載にて、搬送途中もクリーン化用の空調装置(F2)を運転する。
すなわち図6C、図6Aに示すように、バイアルパスユニット(4)は、車輪(4a)によって移動できる台車(4b)の上に搭載された四角形のチャンバー(4c)を備え、このチャンバー(4c)内に包装された容器(17),(18),(19),(20)が入れられる。このチャンバー(4c)の上には、チャンバー(4c)内を陽圧のクリーンな状態に保つための空調装置(F2)を備えまた台車(4b)内部にはバッテリを含む空調装置(F2)の電気回路が収納される。
この空調装置(F2)は、室内の空気をファンによって吸い込み、フィルターによってクリーンな状態にしてチャンバー(4c)内に吹き出す。
チャンバー(4c)の前面はキャビネット(2,3)への接続のための連結筒(4d)が設けられ、先端には連結時に開く蓋(4e)が備えられる。この接続と蓋(4e)の開閉は手動で行われる。チャンバー(4c)の左右側面と背面はビニールカーテン(4f)が設けられ、作業員の手がある程度自由に入る。チャンバー(4c)の内部は陽圧であり、容器(17),(18),(19),(20)の包装を解く作業で発生する塵埃は、チャンバー(4c)内部より速やかに放出される。前記の機能により、多重包装されて搬入された製品用バイアル瓶(20)セットにて、最終包装を解いた後に、キャビネット(2,3)に直接連結することで滅菌、無塵を維持した状態で、且つ最小のスペースにて製品用バイアル瓶(20)セットを搬送及び供給することができる。
(バルク測定装置(7))
図2、図5に示すように、バルク測定装置(7)は、1バルク分量の放射性医薬品原料、あるいは予備調製された1製品分量の放射性医薬品が充填された容器(17),(19)を各計測器(7c),(7d)へ搬送し計測を行なう一連の装置を有する。さらには容器(17),(19)のチューブによる輸送を行うために、チューブに設けられた針による穿刺接続によって、各容器(17),(19)への充填や抽出を行う装置からなる。
充填装置(7a)は、図3に示すようにバルク用容器(17)へ穿刺接続し、1バルク分量の放射性医薬品原料を充填し、合成装置(6)とチューブ(T3)で接続されている。
容器搬送装置(7b)は、図5に示すように、2軸の装置で容器(17),(19)の搬送を行なう。1軸(7b2)は、容器(17),(19)をチャックし、重量(溶液量)を計測する電子天秤(7c)、放射能量を計測する装置の1実施形態であるドーズキャリブレーター(7d)へ輸送する。他1軸(7b1)は前記ドーズキャリブレーター(7d)内にて容器(17),(19)を上下移動(最下点が計測上の規定位置)させる。
抽出装置(7e)は、バルク用容器(17)より1バルク分量の放射性医薬品原料を抽出するもので、チューブ(T6)で予備調製用容器(18)に接続される。
充填装置(7f)は、予備調製検証用容器(19)へ予備調製された1製品分量の放射性医薬品を充填するもので、チューブ(T9)、分注装置(8)、及びチューブT8を介して予備調製溶剤用容器(24)と接続される。
シールド搬送装置(7g)は、バルク用容器(17)を収納するバルク用遮蔽体(7h)、予備調製検証用バイアル瓶(19)を収納する予備調製検証用遮蔽体(7i)(図3参照)を、各充填装置(7a),(7f)、抽出装置(7e)の位置へ移動させる。及び、容器搬送装置(7b)のチャック位置への移動も行う。
分注装置(8)は、予備調製された放射性医薬品を分注、すなわち定量づつ抽出し圧送する。予備調製の補助機能も果たす。
(連続充填検査装置(9))
図2に示すように、連続充填検査装置(9)は、製品用バイアル瓶(20)へ予備調製された1製品分量の放射性医薬品を、連続的に充填し、その後に各製品用バイアル瓶(20)の計測及び検査を行う一連の装置である。
このうち、バイアル搬送装置(9a)は、製品用バイアル瓶(20)のバイアルトレイ(9d)を載せて移動するバイアルトレイ移動装置と、バイアルトレイ(9d)から製品用バイアル瓶(20)を1個毎バイアルコンベア(9b)へ搬送するバイアル搬送ロボットとを有する。またバイアルコンベア(9b)は製品用バイアル瓶(20)を充填位置(9c)へ移送する。
充填装置(9c)は、分注装置(8)とチューブ(T10)で接続されており、1製品分量の放射性医薬品を製品用バイアル瓶(20)へ充填する。
バイアルトレイ(9d)は、製品用バイアル瓶(20)を収納するトレイで、バイアルパスユニット(4)から手動にてバイアル搬送装置(9a)へ着脱する。
放射能量センサー(9e)は、充填された製品用バイアル瓶(20)の放射能量を計測する。
外観検査補助装置(9f)は、製品用バイアル瓶(20)の容器表面及び透明な容器を通して内部の放射性医薬品の外観の検査を行うための補助装置で、作業者が製造キャビネット(3)の外から遮蔽ガラス窓経由にて目視検査する。
(穿刺接続)
図2における各容器と充填装置、抽出装置、またはチューブとの接続は、穿刺接続によって行われる(図5参照)。穿刺接続は、容器のゴム栓に、チューブの先などに取り付けられた針が穿刺されて行われる。同時に、容器内部の空気を抜くための別の針も穿刺される。
(間接容器本体搬送台車(10))
図2、図4に示すように、間接容器本体搬送台車(10)は、複数の間接容器本体(23a)を収納し手動にて搬送する台車であり、間接容器本体供給装置(11)に位置決め固定され、間接容器本体供給装置(11)の一部として機能する。
(間接容器本体供給装置(11))
図2、図4に示すように、間接容器本体供給装置(11)は、間接容器本体(23a)を間接容器製造装置(14)へ1個毎に供給する一連の装置である。
このうち、台車固定装置(11a)は間接容器本体搬送台車(10)を位置決め固定するためのものである。本体搬送装置(11b)は、間接容器本体(23a)を間接容器本体搬送台車(10)より、1個毎にピックアップし本体供給コンベア(11c)へ移送する。本体供給コンベア(11c)は、製造キャビネット(3)内の間接容器製造装置(14)へ間接容器本体(23a)を搬送する。
(間接容器蓋搬送台車(12))
図2、図4に示すように、間接容器蓋搬送台車(12)は、間接容器蓋(23b)を収納し手動にて搬送する台車であり、間接容器蓋供給装置(13)に位置決め固定され、間接容器蓋供給装置(13)の一部として機能する。
(間接容器蓋供給装置(13))
図2、図4に示すように、間接容器蓋供給装置(13)は、間接容器蓋(23b)を間接容器製造装置(14)へ1個毎に供給する一連の装置である。
このうち、台車固定装置(13a)は、間接容器蓋搬送台車(12)を位置決め固定するためのものである。蓋搬送装置(13b)は間接容器蓋(23b)を間接容器蓋搬送台車(12)より、間接容器蓋(23b)を1個毎にピックアップし蓋供給コンベア(13c)へ移送する。蓋供給コンベア(13c)は、製造キャビネット(3)内の間接容器製造装置(14)へ間接容器蓋(23b)を搬送する。
(間接容器製造装置(14))
図2に示すように、間接容器製造装置(14)は、放射性医薬品が充填された製品用バイアル瓶(20)を間接容器(23)へ組み込み、間接容器(23)を組み立てる一連の装置である。
このうち、本体供給装置(14a)は、本体供給コンベア(11c)上の間接容器本体(23a)をピックアップし容器組立コンベア(14c)上に移送する。バイアル移送装置(14b)は、バイアルコンベア(9b)上の製品用バイアル瓶(20)をピックアップし容器組立コンベア(14c)上の間接容器本体(23a)に移送し挿入する。
容器組立コンベア(14c)は、間接容器(23)を搬送する。蓋供給装置(14d)は、蓋供給コンベア(13c)上の間接容器蓋(23b)をピックアップし容器組立コンベア(14c)上の間接容器本体(23a)に組み込む。
組立てられた間接容器(23)に関しては、間接容器内に遮蔽材(鉛)が入っていること、及び、間接容器本体(23a)と間接容器蓋(23b)が確実に閉まっていることを確認し、表示材料貼付装置(15)にて表示材料(16)を貼付して搬送装置(コンベア)(21a)へ排出する。
(容器)
この実施形態の放射性医薬品製造システムでは、放射性医薬品及び放射性医薬品原料を充填する容器として、複数の容器(17),(18),(19),(20),(24)が使われる。
すなわち、合成装置(6)にて製造された1バルク分量の放射性医薬品原料を充填するバルク用容器(17)、1バルク分量の放射性医薬品原料を予備調製する大きな容量の予備調製用容器(18)、予備調製結果を計測し検証するため、1製品分量を充填する、製品用バイアル瓶と同じ容量の予備調製検証用バ容器(19)、予備調製した放射性医薬品を充填し製品として出荷する製品用バイアル瓶(20)、予備調製の溶媒を入れる予備調製溶剤用容器(24)である。
(製品用バイアル瓶20の洗浄、滅菌、組立、包装及び梱包)
図7、図7(2)、図7(3)、図7(4)に示すように、製品用バイアル瓶(20)の洗浄、滅菌組み立て、及び製品用バイアル瓶(20)群の包装、梱包が、行われる。
まず、図7(2)、図7(3)に示すように、製品用バイアル瓶(20)の本体であるガラス瓶(201)、ゴム栓(202)などがそれぞれ準備(開梱 等)され(S1)(S2)、洗浄と滅菌処理が施される(S3)。そして、無塵、無菌状態でガラス瓶(201)にゴム栓がなされ(S4)、さらにキャップ(203b)が付いたアルミ枠(203a)が準備(開梱 等)(S5)され、組み付けられて密封され(S6)、再び滅菌処理される(S7)。そして外観検査で問題がないことが確かめられた後に(S8)、輸送トレイ(208)に配列される(S9)。
このとき、図7(4)に示すように、輸送トレイ(208)に形成された複数の区画の凹部(208a)で製品用バイアル瓶(20)を保持する。すなわち、輸送トレイ(208)は、製品用バイアル瓶(20)同士の接触及び破瓶を防ぐために、前記製品用バイアル瓶(20)を保持する複数の凹部(208a)からなる区画を形成し、この凹部(208a)に各製品用バイアル瓶(20)が挿入される。
次に、図7に示すように、輸送トレイ(208)に配列された製品用バイアル瓶(20)群の包装、梱包は、5段階になされる。
すなわち、製品用バイアル瓶(20)を構成するガラス瓶(201)の口部に設けられたゴム栓(202)が露出し、穿刺による放射性医薬品の充填が行える医薬品充填環境が最終状態(同図(A))であり、この複数のバイアル瓶(20)が輸送トレイ(208)の上に配列されたのが第一段階(同図(B))である。
このようにバイアル瓶(20)が輸送トレイ(208)の上に配列され、前記ゴム栓(202)を固定しているアルミ枠(203a)にキャップ(203b)が付いた状態を第1の特殊なビニール袋からなるクリーンパック(204)で覆い(S10)(S11)、医薬品製造上の管理環境内で取り扱われるのが第二段階(同図(C))である。その上から更に、第2の特殊なビニール袋からなるクリーンパック(205)で覆い(S12)(S13)、資材としての管理環境内で取り扱われるのが第三段階(同図(D))である。なお、ここでいうクリーンパックは、内部のクリーン度(清浄度)が高く、この高い清浄度を維持できる袋をいう。
前記第三段階のものを複数トレイ分並べて第3のビニール(206)で覆い(S14)(S15)、一般の室内環境で扱われるのが第四段階(同図(E))である。これらが、複数重ねられて段ボール箱(207)に梱包され(S16)(S17)、室外の輸送空間で扱われるのが第五段階(同図(F))である。
このように、製品用バイアル瓶(20)が配列された輸送トレイ(208)を、第1及び第2のクリーンパック(204)(205)、さらにはビニール(206)、ダンボール箱(207)というように、何重にも包装、梱包することにより、製品用バイアル瓶(20)セットを、外部からクリーンルームを経て無塵、無菌環境内へ搬入、供給する過程で、クリーン度が徐々に高くなる複数のゾーンを通過するたびに、包装を解くことで、表面汚染を防止できる。この変化するクリーン度は、例えば、グレードD(クラス100000)からグレードA(クラス100)への段階である。
なお、キャップ(203b)は、ゴム栓の針刺通部分(表面)への異物が付着したり、接触したり、塵埃や異物等による汚染が生じるのを防止するためのものである。材質は、アルやプラスチックなどが用いられる。アルミ製の場合には、アルミ枠(203a)と一体で、バイアル瓶(20)に取り付けられる。使用時には、アルミ枠(203a)から切り離す(破壊する)ことで分離・除去される。プラスチック製の場合には、カシメやインサート成型等でアルミ枠と一体化し、アルミ製の場合と同様に、切り離す事で分離・除去する。共に分離後は元に戻らない。
バイアル単品で取り扱う際に汚染防止の効果を求めるものであり、医薬品製造上の適正環境下では必須ではなく、この実施形態では間接容器(23)に収納する事で、キャップ(203b)に求められる汚染防止の効果を間接容器にて果たす。
(装置のセット数)
図3に示すように、この実施形態では、チューブ(T1)、試薬装置(5)、チューブ(T2)、合成装置(6)、チューブ(T3)、チューブ(T8)、分注装置(8)、チューブ(T9)、チューブ(T10)、充填装置(9c)を1セット設けているが、一度に合成される分量を1バルクとし、そのバルク数に応じて複数セットを設けて、1バルクごとに切り換えて使用してもよい。
(間接容器23)
図4、図4(2)に示すように、間接容器(23)は、放射性医薬品用輸送用の容器であり、遮蔽材として鉛材が使用され、間接容器本体(23a)に、間接容器蓋(23b)がなされる。間接容器蓋(23b)には製品として出荷された後に、一度開封されると、開封の痕跡を明白に残すためのセキュリティー機構が設けられる。
このセキュリティー機構は、単に、間接容器本体(23a)と間接容器蓋(23b)との間にまたがって貼付けられるシール材やテープ材でもよい。
あるいは、間接容器蓋(23b)は、プラスチック製とし、縁部全周に帯状のセーフティーバンドを設け、開封の際にはこのセーフティーバンドを縁部から引き切ってのみ取り除くことができるセキュリティー機構としてもよい。このような技術として例えば、特許第3357464号に記載された技術がある。
(製品梱包設備(21))
製品梱包設備(21)は、製品用バイアル瓶(20)が組み込まれた間接容器(23)を、出荷箱に収納し梱包する。
(無塵、無菌環境を要す放射性医薬品製造工場、および医薬容器製造工場の概略説明)
次に、図1に示すように、この実施形態に係る放射性医薬品製造システム(300)を構成するキャビネット(1,2,3)は、クリーンルームである放射性医薬品製造室(332)内に収容されている。
このクリーンルーム(放射性医薬品製造室(332))は放射性医薬品製造工場(302)の建物の中に設けられる。そして、放射性医薬品製造システム(300)がある放射性医薬品製造工場(302)とは、全く別の場所に、例えば全国で1箇所に、製品用バイアル瓶セットである医薬容器を製造する医薬容器製造工場(301)が存在する。医薬容器製造工場(301)からは屋外輸送経路(303)を通って医薬容器が輸送され放射性医薬品製造工場(302)へ搬入される。
以下、医薬容器製造工場(301)と放射性医薬品製造工場(302)との説明を行う。
(1)医薬容器製造工場(301)
医薬容器製造工場(301)において、人員の入退出口(304)を入ると、玄関ホール(305)の奥に、施設内専用の下足及び作業衣(白衣 等)に着替える更衣室(306)があり、次の管理廊下(307)ヘ通じる。
管理廊下(307)は、クリーン度がクラス100,000程度のクリーン環境管理がなされ、人員・資材・製品が通過する。
管理廊下(307)から入室できる更衣室(308)は、製造に適した環境となるクリーンルーム専用の作業衣(無塵衣)及び専用靴を装着する場所である。その奥のエアーシャワー(309)では、作業者の付着塵埃を除去する。
医薬容器製造室(310)は、クラス10,000程度のクリーン環境管理がなされ、医薬容器の製造装置の運用に適した周辺環境となっている。
入出庫口(311)は、医薬容器を構成する資材及び完成した製品(医薬容器)の入出庫がなされる。この扉を入ると、除塵室(312)があり、資材の外周梱包材(ダンボール箱等)の除去を含む、付着塵埃の除去の予備作業を行う。この入出庫口(311)の屋内と野外の2つの扉は同時開放せず、クリーン環境の隔壁となる。除塵室(312)の奥のパスボックス(パスルーム)(313)は、資材(台車を含め)を、クリーンの高風圧で除塵する装置である。その奥の、前室(314)は、クリーン環境の隔壁であるが、資材の多重包装の内の一般環境対応包装の除去を行う。
管理廊下(307)を移送された資材は、パスボックス(315)より医薬容器製造室(310)に供給される。
医薬容器製造室(310)内の洗浄装置(316)は、医薬容器を構成する部品などの資材の洗浄を行う装置で、クラス100のクリーン環境管理される。また、滅菌装置(317)は、資材の滅菌を行う装置で、クラス100のクリーン環境管理される。医薬容器組立装置(318)は、医薬容器の組み立て及び一次包装を行う装置で、クラス100のクリーン環境管理される。
パスボックス(315)は、管理廊下(307)と医薬容器製造室(310)の間で資材及び製品を受け渡す中継ボックスである。パスボックス(319)は品質検査を行う抜き取り製品を医薬容器製造室(310)から品質検査室(321)へ受け渡す中継ボックスである。よって2つのパスボックスはクリーン環境を乱さない障壁となる。
管理廊下(307)に面して外側には梱包・保管室(320)が設けられ、運送(室外)対応までの梱包作業(箱詰め等)を行い、完成製品を一時保管する。
玄関ホール(305)の横には事務室(322)が設けられる。
(2)放射性医薬品製造工場(302)
放射性医薬品製造工場(302)において、人員の入退出口(323)を入ると、玄関ホール(324)の奥に、施設内専用の下足に履き替える下足室(325)が設けられ、更に奥に、施設内専用の作業衣(白衣 等)に着替える更衣室(326)があり、更に奥の汚染検査室(327)で、放射線汚染の検査(退出時)を行う。汚染検査室(327)に隣接して除洗室(328)が配置され、シャワー(水洗)などで、汚染が検出された際の除洗を行う。
汚染検査室(327)を出ると管理廊下(329)に続く。管理廊下(329)は、クラス100,000程度のクリーン環境管理され、人員・資材・製品が通過する。
管理廊下(329)に面する更衣室(330)では、放射性医薬品製造環境適応の作業衣(無塵衣)及び専用靴を装着(クリーン環境)する。その奥のエアーシャワー(331)では、作業者の付着塵埃が除去される。
放射性医薬品製造室(332)がこの実施形態で言うクリーンルームであり、クラス10,000程度のクリーン環境管理され、放射性医薬品の製造装置の運用に適した周辺環境となっている。
入出庫口(333)から資材・製品の入出庫が行われ、その奥の除塵室(334)で、資材の外周梱包材(ダンボール箱等)の除去を含む、付着塵埃の除去を行う。入出庫口(333)の屋内と野外の2つの扉は同時開放せず、クリーン環境の隔壁となる。除塵室(334)の奥のパスボックス(パスルーム)(335)は、資材(台車を含め)をクリーンの高風圧で除塵する装置である。
その更に奥の前室(336)は、クリーン環境の隔壁であるが、資材の一般環境対応包装の除去を行う。
管理廊下(329)に面するパスボックス(337)は、管理廊下(329)及び放射性医薬品製造室(332)の間で放射性医薬品及び放射性医薬品原料を充填する各容器や間接容器などの資材及び完成した製品を受け渡す中継ボックスであり、クリーン環境の隔壁となる。
この実施形態で言うクリーンルームとなる放射性医薬品製造室(332)内には、この実施形態に係る放射性医薬品製造システム(300)(図2参照)が収納され、放射性医薬品原料の合成から輸送容器(間接容器)の組み立ての一連の工程をクラス100のクリーン環境管理された中で行う。
管理廊下(329)を通った先の梱包室(339)は、輸送(室外)対応までの梱包作業(パレット積み等)を行う。
放射性医薬品製造室(332)の他のパスボックス(338)は、製品よりの抜き取りを行い、次の品質検査室(340)へ受け渡す中継ボックスで、クリーン環境の隔壁となる。
品質検査室(340)は、製品品質の検査を行う。
玄関ホール(324)には事務室(341)が隣接する。
前室(342)は、野外に対してのクリーン環境の隔離が主目的(クリーン環境)である。前室(342)の非常口(343)は、緊急避難や施設メンテナンスの際のみ開閉する扉である。
サイクロトロン電気室(344)は、サイクロトロン(22)を制御する電気制御盤や操作卓等を収納する。サイクロトロン室(345)は、サイクロトロン22を収納する、放射線遮蔽壁に囲まれた部屋であり、サイクロトロン(22)の準備およびメンテナンス等を行う場合は、移動遮蔽扉(346)を開閉し、サイクロトロン室(345)へ入退出する。床下ピット(347)は、サイクロトロン(22)と合成装置7(図3)を結び、放射性薬液の搬送を行う。
(全体製造フロー)
次に図8に示すように、図2の装置における放射性医薬品の製造工程は、9つに分けられる。
すなわち、まず、サイクロトロンで製造された放射性同位元素と、医薬品原料(試薬)とを基にして、放射性医薬品原料を1バルク分量合成する(S1)。次に、この1バルク分量の放射性医薬品原料の液容量および放射能量の計測を行う(S2)。そして、放射性医薬品原料の1バルク分量を必要な濃度に希釈し、予備調製する(S3)。予備調製後の放射性医薬品を一部分注して1製品分量とし、液量と放射能量を計測する(S4)。既に無菌処理され外部から搬入された製品用バイアル瓶セットが、供給される(S5)。供給された製品用バイアル瓶への放射性医薬品の1製品分量を連続充填し、放射能量を計測し、外観の検査を行う(S6)。そして、間接容器の本体と蓋が供給され(S7)(S8)、1製品分量の放射性医薬品が充填された製品用バイアル瓶を間接容器へ組み込み(S9)。
(詳細な製造フロー)
図8の全体フロー図の中に示される各ステップ(S)の詳細内容を、図9Aから図9Eに図示し、図2を参照して説明する。
各ステップの図において、左右中央に主幹工程を示し、右に副工程を示す。また、左には工程に必要な装置や資材を示し、左端には工程が行われるキャビネット名や外設機器を示す。矢印のうち、一点鎖線の矢印は放射性医薬品及び放射性医薬品原料などの液体がチューブ(T1)、(T2)、(T3)、(T4)、(T5)、(T6)、(T7)、(T8)、(T9)内をガスにより押し出されて搬送されることを示す。また、実線の矢印は容器(17,18,19,20,24)が搬送されることを示す。この一連の設備及び資材は、放射性医薬品製造工場(302)内のクリーンルームである放射性医薬品製造室(332)内に設けられる。
(S1)
S1では、サイクロトロン(22)で放射性同位元素を製造し、これをもとに医薬品原料(試薬)とともに、放射性医薬品原料を合成する。一度に合成される分量を1バルクという。
すなわち、別室に設置されたサイクロトロン(22)にて放射性同位元素を製造し(S11)、液体として、無塵及び無菌環境を形成する試薬合成キャビネット(1)の床下ピット(347)に配置されたチューブ(T1)(ステンレス製)を通して、試薬合成キャビネット(1)内の合成装置(6)へ配送する。また、試薬合成キャビネット(1)内に収納の試薬装置(5)にて、合成に必要な試薬を自動にて定量し、チューブ(T2)にて合成装置(6)へ配送する(S12)。そして、合成装置(6)にて、放射性同位元素と試薬を原料として、化学合成により放射性医薬品原料を合成する(S13)。
その間、バイアルパスユニット(4)を使用し、バルクキャビネット(2)内へバルク用容器(17)及び予備調製検証用容器(19)を所定位置(専用シールドの中)へ手で挿入する(S14)。尚、各容器(17)、(19)は移動式クリーンベンチ(4)内で最終包装から取り出す。
(S2)
S2では、合成完了後に、合成装置(6)に接続され、バルクキャビネット(2)内に配置されるバルク測定装置(7)の一部である充填装置(7a)へ接続されたチューブ(T3)を通して、合成された放射性医薬品原料の1バルク分がバルク用容器(17)へ充填(配送)し、液容量および放射能量の計測がされる(図5参照)。
すなわち、合成完了前に合成装置(6)からチューブ(T3)によって連通する充填装置(7a)のチューブ(T4)に設けられた針(7a1)(図5参照)を、バルク用容器(17)へ穿刺して接続する。放射性医薬品原料は、ガス圧送にてキャビネット(1,2),3間をチューブ(T3、T4)で搬送され、バルク用遮蔽体(7h)内に収納したバルク用容器(17)内に充填され(S21)、充填終了後は充填装置(7a)の駆動による接続流路である針(7a1)が外される。
充填後のバルク用容器(17)を、容器搬送装置(7b)にて搬送し、液容量を電子天秤(7c)にて計測し(S22)、再び容器搬送装置(7b)にて搬送し、放射能量を、放射能量計測装置の一実施形態であるドーズキャリブレーター(7d)にて計測する(S23)。
更に、バルク用容器(17)をシールド搬送装置(7g)にて搬送し、チューブ(T5)に設けられた針を穿刺することで抽出装置(7e)を介して抽出流路であるチューブ(T6)を接続し(S24)、バルク用容器17内の放射性医薬品原料を予備調製用容器(18)へ、キャビネット(2.3)間をチューブ(T5、T6)で、搬送する。
(S3)
S3では、1バルク分量を必要な濃度に希釈し、予備調製する。
あらかじめバイアルパスユニット(4)を使用し、製造キャビネット(3)内に予備調製用容器(18)及び製品用バイアル瓶(20)を指定位置(専用シールドの中)へ手で挿入する(S31)。尚、各容器は移動式クリーンベンチ(4)内で最終包装から取り出す。製品用バイアル瓶(20)はバイアルトレイ(9d)で供給する。
予備調製は、製造キャビネット(3)内の予備調製用容器(18)内で行う。まず、前述したようにバルク用容器(17)が穿刺により輸送用チューブ(T5、T6)を介して予備調製用容器(18)へ接続され(S32)、放射性医薬品原料は予備調製用容器(18)へ真空ポンプを接続して吸引される。放射性医薬品原料はこの吸引によりキャビネット(2,3)間をチューブ(T5、T6)で搬送され予備調製用容器(18)へ充填される(S33)。
次に、予備調製用容器(18)へ予備調製溶剤を充填する(S34)。すなわち、予備調製溶剤用容器(24)を製造キャビネット(3)内に入れ、予備調製用容器(18)へとチューブ(T7)で穿刺により接続し、前記と同様に予備調製用容器(18)へ真空ポンプにて吸引する。攪拌は、チューブ(T8)により接続される分注装置(8)を利用して行われ、予備調製用容器(18)に接続されている分注装置(8)により、予備調製用容器(18)内部の放射性医薬品原料を抽出したり戻したりすることで行われる。分注装置(8)は本来、製品用バイアル瓶(20)への薬液の分注に用いるものであるが、ここでは予備調製の攪拌に利用する。このようにして予備調製がなされる。
なお、後述する2次の調製において、充填する予備調製溶剤の液量は、計測結果により算出する。予備調製溶剤の供給は、真空ポンプによる吸引によって行われる。
(S4)
S4では、予備調製の検証は、前述したS2のバルク測定と同じ装置を兼用するためバルクキャビネット(2)にて行なう。すなわち、予備調製後の放射性医薬品を、分注装置(8)にて1製品分量を製品用バイアル瓶(20)と同じ容量の予備調製検証用容器(19)へ充填し、液量と放射能量を計測する。
まず、予備調製用容器(18)に接続された分注装置(8)からの輸送用チューブ(T9)を、バルクキャビネット(2)内の予備調製検証用容器(19)へ、穿刺接続する。そして、予備調製用容器(18)から1製品分量の予備調製済みの放射性医薬品を、予備調製検証用容器(19)へチューブ(T8、T9)内輸送にて分注(充填)する(S41)。
分注装置(8)は本来、製品用バイアル瓶(20)への放射性医薬品の分注に用いるものであるが、ここで、予備調製検証用容器(19)への充填に利用する。
充填が完了した後、予備調製検証用容器(19)を各測定器へ搬送して各計測をおこない予備調製の結果を検証する。すなわち、予備調製検証用容器(19)を容器搬送装置(7b)にて搬送し、電子天秤(7c)で液量を計測し(S42)、更に容器搬送装置(7b)にて搬送し、放射能量計測装置の一実施形態であるドーズキャリブレーター(7d)にて放射能量を計測する(S43)。
予備調製検証の結果でさらに調製を要する場合は、S34まで戻って、2次の調製を行う(S44)。
(S5)
S5では、既に無菌処理され外部から搬入された製品用バイアル瓶(20)セットが、製造キャビネット(3)内に供給される。
すなわち、図7で示したように、第五段階の梱包状態で準備室に運び込まれたバイアル瓶(20)セットは、ダンボールから出され、更に第3のビニール袋が除かれ、第三段階の状態でクリーンルームである放射性医薬品製造室(332)内に運び込まれる(S51)。その後に、放射性医薬品製造室(332)内で第2のビニール袋が除かれて第二段階となって、バイアルパスユニット(4)のチャンバー(4c)に入れられる。移動式クリーンベンチ(4)のチャンバー(4c)内で、手作業で第1のビニール袋が除かれた後に、輸送トレイ(208)の上から各バイアル瓶(20)がバイアルトレイ(9d)の上へ移され、キャップ(203b)が外され、これによりバイアル瓶(20)はバイアルトレイ(9d)上で、放射性医薬品の充填環境の最終状態となる(S52)。
そして、バイアルパスユニット(4)の連結筒(4d)が移動式キャビネット(4)の例えば右の作業扉(26)に連結される。バイアルトレイ(9d)上で医薬品充填環境となっているバイアル瓶(20)セットは、手作業で、連結筒(4d)を通り製造キャビネット(3)内の所定位置にセットされる(S53)。作業員Mの手は、バイアルパスユニット(4)のチャンバー(4c)の左右側面や背面のビニールカーテン(4f)からチャンバー(4c)内へ入れられ、また、製造キャビネット(3)の例えば左の作業扉(27)から入れられ、作業員Mは鉛ガラス窓(28)から製造キャビネット(3)内を見ながら作業する。
(S6)
S6では、製品用バイアル瓶(20)セットを準備し製造キャビネット(3)内のコンベアへ供給した後に、この製品用バイアル瓶(20)へ予備調製用容器(18)から予備調製済みの放射性医薬品を充填する。
すなわち連続充填検査装置(9)内のバイアル搬送装置(9a)にてバイアルトレイ(9d)上の製品用バイアル瓶(20)を1個づつ搬送して、バイアルコンベア(9b)にて所定位置へ移動し(S61)、充填装置(9c)へ穿刺接続する。そして予備調製済みの放射性医薬品を、分注装置(8)にて1製品分量を定量分注し、チューブ(T10)を介して充填装置(9c)により、製品用バイアル瓶(20)へ無菌濾過充填する。この充填を各製品用バイアル瓶(20)へ繰り返し連続して行う(S62)。
そして、充填された製品用バイアル瓶の充填放射能量を放射能量センサー(9e)にて計測して判定し(S63)、外観(薬液内の異物混入・色相・バイアル瓶の破損・バイアル瓶の貼付表示材料の状態 等)の検査を外観検査補助装置(9f)にて行う(S64)。
(S7)
S7では、間接容器本体の供給作業を行う。間接容器本体(23a)を間接容器本体搬送台車(10)を用いて手動で搬送し、製造キャビネット(3)内へ供給する(S71)。このとき間接容器本体搬送台車(10)は台車固定装置(11a)により間接容器本体供給装置(11)に固定する(S72)。そして、本体搬送装置(11b)により間接容器本体(23a)を搬送し、本体供給コンベア(11c)により移動する(S73)。
(S8)
S8では、間接容器蓋(23b)の供給作業を行う。間接容器蓋(23b)を間接容器蓋搬送台車(12)を用いて手動で搬送し、製造キャビネット(3)内へ供給する(S81)。このとき間接容器蓋搬送台車(12)は台車固定装置(13a)により間接容器蓋供給装置(13)に固定する(S82)。そして、蓋搬送装置(13b)により間接容器蓋(23b)を搬送し、蓋供給コンベア(13c)により移動する(S83)。
(S9)
S9では、所定の濃度に予備調製された放射性医薬品が充填された製品用バイアル瓶(20)を、放射線を遮蔽する遮蔽材からなる間接容器(23)に、挿入し組み込む。
製造キャビネット(3)内に配置された間接容器製造装置(14)を構成する本体供給装置(14a)にて供給(S91)された間接容器本体(23a)へ、製品用バイアル瓶(20)をバイアル移送装置(14b)にて移送し挿入する(S92)。その後、容器組立コンベア(14c)にて移動し、蓋供給装置(14d)にて間接容器蓋(23b)を組込む(S93)。
組み立て完了品は製造キャビネット(3)の外側へ自動搬送され、表示材料貼付装置(15)にて間接容器(23)表面に表示材料(16)を貼付され(S94)、製品梱包設備(21)へ自動搬送される。
組立てられた間接容器(23)に関しては、間接容器内に遮蔽材(鉛)が入っていること、及び、間接容器本体(23a)と間接容器蓋(23b)が確実に閉まっていることを確認し、表示材料貼付装置(15)にて表示材料(16)を貼付して(S94)搬送装置(コンベア)(21a)へ排出する。
「実施形態の効果」
(1)従来技術(1)では洗浄装置等を含む医薬容器製造装置を放射性医薬品製造拠点毎に設けねばならず、この医薬容器製造装置から搬出される医薬容器は外部環境に触れると再び汚染するので、放射性医薬品が存在する無塵,無菌環境を形成する遮蔽体(キャビネット)内部に洗浄,滅菌装置を設ける必要がある。一般的に洗浄,滅菌装置は大規模になるので、重量物である遮蔽体(キャビネット)全体、つまり放射性医薬品製造システム(300)全体も大型化してしまう。
これに対し、この実施形態では、図示しない別の場所に医薬容器製造装置を集約でき、複数の本システムに必要な医薬容器の製造作業を分離し、製造拠点に設けられる本システムをコンパクトにできる。
(2)また、従来技術(2)では洗浄,滅菌装置を放射性医薬品製造システム内に設ける必要はないものの、洗浄,滅菌処理し搬入した栓なしのバイアル瓶へ薬液を充填し、その後に、ゴム栓をしてアルミの枠を取り付けて密封され製品化することになる場合に、その取付作業は、やはり放射性医薬品が存在する無塵,無菌環境内で行わなければならない。その作業に必要な装置や作業スペースが必要となり、重量物である遮蔽体(キャビネット)全体、つまり放射性医薬品製造システムも大型化してしまう。
さらに、栓なしのバイアル瓶の内部を装置内の空気にさらすことになり、装置内のクリーン度を高くしなければならない。
これに対し、この実施形態では、ゴム栓をしてアルミの枠を取り付ける作業を、放射性医薬品製造システム内で行う必要がない。よって、その作業に必要な装置や作業スペースが必要なく、したがって重量物である遮蔽体(キャビネット)全体、つまり放射性医薬品製造システム全体を大型化してしまうことを防げる。
また、バイアル瓶は栓が設けられた状態で充填作業などが行われ、バイアル瓶の内部を装置内の空気にさらすことがなく、装置内の無塵、無菌を含む環境管理が容易となる。
(3)更に、この実施形態の製品用バイアル瓶(20)のゴム栓(202)には穿刺の後が残るが、輸送容器である間接容器のセキュリティー機構によって密封されるので、改ざんを疑われる可能性は無くせる。
(3−2)輸送トレイ(208)の複数の区画の凹部(208a)で製品用バイアル瓶(20)を保持することで、製品用バイアル瓶(20)同士の接触、ひいては破瓶を防ぐことができる。
(3−3)製品用バイアル瓶(20)群が配列された輸送トレイ(208)を、第1及び第2のクリーンパック(204)、(205)、さらにはビニール(206)、ダンボール箱(207)というように、何重にも包装、梱包することにより、製品用バイアル瓶(20)群を、外部からクリーンルームを経てキャビネット(1,2,3)へ搬入、供給する過程で、クリーン度が徐々に高くなる複数のゾーンを通過するたびに、包装を解くことで、表面汚染を防止できる。
(4)ゴム栓には穿刺が行われるが、再封性は十分であることが、実験で証明されている(特開2001−99745)ので、液漏れなどの問題はない。
(5)所定期間、例えば一日内に放射性医薬品原料を合成するバルク回数分の各装置および各チューブを、あらかじめ遮蔽体の無菌室に準備し、バルク毎に切り換えて使用することで、各装置および各チューブの取り換えに伴うシステム運転の休止が無用になり、被曝の低減となり、運転の効率もよくなる。
(6)医薬容器のうち製品用バイアル瓶(20)を除く他のバルク用容器(17),予備調製用容器(18),予備調製検証用容器(19),予備調製溶剤用容器(24)に関しても、洗浄して閉じた容器を穿刺接続して用いることで、放射性医薬品製造システムの製造コストを安くできる。仮に、チューブと一体化した閉じた専用の容器を用いる場合には、この専用容器の開発費、さらに、充填装置、抽出装置、分注装置との接続装置の開発費が必要になってしまう。
(7)バルク測定装置(7)は予備調製測定装置を兼ねるので、バルク測定装置(7)とは別に予備調製測定装置を設ける場合にくらべ、装置の重複が避けられ、システムの製造コストを抑えられる。
すなわち、バルク用容器(17)と予備調製検証用容器(19)の液容量と放射能量を計測するのに、同じ電子天秤(7c)と、放射能量計測装置の一実施形態としてのドーズキャリブレーター(7d)と、容器搬送装置(7b)と、を兼用するので、装置コストが抑えられる。
(8)包装された製品用バイアル瓶(20)セットの最終包装を解くのに、遮蔽体に連結するバイアルパスユニット(4)を用いるので、例えば製造キャビネット(3)に接して、移動式クリーンベンチ(4)のチャンバー(4c)と同様に内部で手作業をするための作業室を設ける場合に比べ、放射性医薬品製造システムの大きさを小さくでき、機動性に優れ作業能率が上がる。
(9)予備調製時の攪拌は、予備調製用容器(18)へチューブ(T8)により接続される分注装置(8)を利用して溶液を抽出したり戻したりすることで行われるので、攪拌用の専用装置を用いる場合に比べ、装置の一部を省くことができ、システムの製造コストを抑えられる。
(10)予備調製用容器(18)から予備調製検証用容器(19)への輸送は、分注装置(8)を利用して行うので、この輸送用の専用装置を用いる場合に比べ、装置の一部を省くことができ、システムの製造コストを抑えられる。
(11)キャビネット(1,2,3)を複数個独立して配置する場合に比べ、キャビネット(1,2,3)を互いに隣接させることで、隣接する面における遮蔽材は無用になり、省略できる。あるいは、隣接する面における遮蔽材を薄くできるの。よって、キャビネット(1,2,3)の重量を軽くできる。
「他の実施形態」
(1) 以上の実施形態では、バルク毎にシステム運転を休止し、1セットの各装置および各チューブをあらためて搬入し準備するものであったが、他の実施形態では、バルク回数に対応した複数セットの各装置および各チューブをあらかじめ準備し接続しておくことで、バルク毎にこの接続を切り替えれば、運転を休止する必要がなくなる。
(2) 以上の実施形態では、バイアルパスユニット(4)が製造キャビネット(3)に連結されることで製品用バイアル瓶(20)セットが製造キャビネット(3)へ供給されたが、他の実施形態では、バイアルパスユニット(4)のチャンバー(4c)と同様に内部で手作業をするための作業室を、キャビネットに接して設けることで、供給を行うこともできる。
この場合に、作業者は、この作業室内へ、第二段階のバイアル瓶(20)セットを持ち込み、手作業で第1のビニール袋を除き、キャップ(203b)を外し、トレイ上で最終状態となったバイアル瓶(20)セットを、キャビネットの作業扉を開けて、キャビネット内の所定位置にセットする。この作業室は、バイアルパスユニット(4)のチャンバー(4c)と同様に、クリーン度はISO基準のクラス100で、空調状態は陽圧とする。
(3) 以上の実施形態では、装置内で使用する容器として、バルク用容器(17),予備調製用容器(18),予備調製検証用容器(19),予備調製溶剤用容器(24)として穿刺接続して使用したが、他の実施形態では、チューブと一体化した専用の容器を用いることも可能である。
(4) 以上の実施形態では、バルク測定装置(7)は予備調製測定装置を兼ねるものであったが、他の実施形態では、バルク測定装置(7)とは別に予備調製測定装置を設けるものであってもよい。
(5)以上の実施形態では、予備調製時の攪拌は、分注装置(8)を利用して行ったが、他の実施形態では、攪拌用の専用装置を用いることもできる。
(6)以上の実施形態では、予備調製用容器(18)から予備調製検証用容器(19)への輸送は、分注装置(8)を利用して行ったが、他の実施形態では、輸送用の専用装置を用いることもできる。
(7)以上の実施形態では、キャビネット(1,2,3)を互いに隣接させることで、遮蔽材の一部を省略などしたが、他の実施形態では、キャビネット(1,2,3)を複数個独立して配置することも可能である。
(8)以上の実施形態では、放射性同位元素は、クリーンルームの外部に近接して存在するサイクロトロンから送られるものとして説明したが、他の実施形態で放射性同位元素の半減期が極端には短くない場合には、海外よりの輸入も含め、放射性医薬品製造装置の設置工場以外で製造された放射性物質を運び入れて原料とすることもありうる。
(9)以上の実施形態では、放射性同位元素は、液体であったが、他の実施形態では、気体や固体もあり得る。
この発明の一実施形態を示す放射性医薬品製造システムの全体図である。 図1の要部を示す拡大概略図である。 図2で、医薬などの液体がチューブ内をガスにより押し出されて搬送されることを示す配管図である。 図2で、放射性医薬品を入れる医薬容器、及び医薬容器を入れる間接容器が搬送される軌跡を示す平面図である。 図4で、製品用バイアル瓶(20)の処理と運搬の様子を示す模式図である。 図3でバルク測定装置(7)の一部を示す断面側面図である。 図2の実際を示す平面図である。 図6Aの正面図である。 図6Aに表されるバイアルパスユニット(4)の側面図である。 (A)(B)(C)(D)(E)(F)は、製品用バイアル瓶(20)の包装、梱包の段階を示す斜視図である。 製品用バイアル瓶(20)の洗浄、組立、包装及び梱包の作業を示すフロー図である。 製品用バイアル瓶(20)の組立を示すもので、(A)は組立後の全体斜視図、(B)は組立途中の分解図である。 製品用バイアル瓶(20)を輸送トレイ(208)に配列した状態を示す断面図である。 この発明の一実施形態を示す放射性医薬品製造システムの工程を示す全体フロー図である。 図8のステップ1と2を示す部分フロー図である。 図8のステップ3と4を示す部分フロー図である。 図8のステップ5と6を示す部分フロー図である。 図8のステップ7と8を示す部分フロー図である。 図8のステップ9を示す部分フロー図である。 従来技術を示すフロー図である。
符号の説明
1 試薬合成キャビネット 2 バルクキャビネット
3 製造キャビネット 4 バイアルパスユニット
4a 車輪 4b 台車
4c チャンバー 4d
連結筒
4e 蓋 4f ビニールカーテン
5 試薬装置 6 合成装置
7 バルク測定装置 7a 充填装置
7b 容器搬送装置 7c天秤
7d ドーズキャリブレーター 7e 抽出装置
7f 充填装置 7g シールド搬送装置
7h バルク用遮蔽体 7i 予備調製検証用遮蔽体
8 分注装置 9 連続充填検査装置
9a バイアル搬送装置 9b バイアルコンベア
9c 充填装置 9d バイアルトレイ
9e 放射能量センサー 9f 外観検査補助装置
9g 予備調製用遮蔽体 10 間接容器本体搬送台車
11 間接容器本体供給装置 11a 台車固定装置
11b 本体搬送装置 11c 本体供給コンベア
12 間接容器蓋搬送台車 13 間接容器蓋供給装置
13a 台車固定装置 13b 蓋搬送装置
13c 蓋供給コンベア 14 間接容器製造装置
14a 本体供給装置 14b バイアル移送装置
14c 容器組立コンベア 14d 蓋供給装置
15 表示材料貼付装置 16 表示材料
17 バルク用容器 18 予備調製用容器
19 予備調製検証用容器 20 製品用バイアル瓶
21 製品梱包設備 21a 搬送装置(コンベア)
22 サイクロトロン 23 間接容器
23a 間接容器本体 23b 間接容器蓋
24 予備調製溶剤用容器 25 HEPAフィルター
26 作業扉 27 作業扉
28 鉛ガラス窓
201 ガラス瓶 202 ゴム栓
203a アルミ枠 203b キャップ
204 クリーンパック 205 クリーンパック
206 ビニール袋 207 ダンボール箱
208 輸送トレイ 208a 区画の凹部
300 放射性医薬品製造システム 301 医薬容器製造工場
302 放射性医薬品製造工場
303 屋外輸送経路
304 入退出口
305 玄関ホール
306 更衣室 307 管理廊下
308 更衣室 309 エアーシャワー
310 医薬容器製造室 311 入出庫口
312 除塵室 313 パスボックス(パスルーム)
314 前室 315 パスボックス
316 洗浄装置 317 滅菌装置
318 医薬容器組立装置 319 パスボックス
320 梱包・保管室 321 品質検査室
322 事務室 323 入退出口
324 玄関ホール 325 下足室
326 更衣室 327 汚染検査室
328 除洗室 329 管理廊下
330 更衣室 331 エアーシャワー
332 放射性医薬品製造室 333 入出庫口
334 除塵室 335 パスボックス(パスルーム)
336 前室 337 パスボックス
338 パスボックス 339 梱包室
340 品質検査室 341 事務室
342 前室 343 非常口
344 サイクロトロン電気室 345 サイクロトロン室
346 移動遮蔽扉 347 床下ピット
F1 空調装置(キャビネット用) F2 空調装置(バイアルパスユニット用)
T1〜T10 チューブ

Claims (3)

  1. クリーンルーム内で無塵、無菌環境を形成し放射線を遮蔽するキャビネットで、このキャビネットの外部より供給された放射性同位元素をもとに放射性医薬品原料を合成し、この合成された1バルク分量の放射性医薬品原料の液容量と放射能量を計測し、前記計測が終わった放射性医薬品原料を抽出し、予備調製用の溶剤を供給して予備調製し、この予備調製後に1製品分量の放射性医薬品を分注し液容量と放射能量を検証計測し、前記クリーンルームに搬入された製品用バイアル瓶セットが前記キャビネットに供給され、この供給された製品用バイアル瓶セットへ前記1製品分量の放射性医薬品を分注して充填し、間接容器へ組み込み、この間接容器を前記キャビネットの外へ搬出する放射性医薬品製造システムに供給される前記製品用バイアル瓶セットであって、
    あらかじめ、無菌状態でガラス瓶にゴム栓で密封がなされキャップが付属されたアルミ枠が取り付けられ、輸送トレイの上に配列され包装された製品用バイアル瓶セットからなることを特徴とする放射性医薬品製造システムのための製品用バイアル瓶セット。
  2. 前記輸送トレイは、前記製品用バイアル瓶同士の接触を防ぐために、前記製品用バイアル瓶を保持する複数の区画を形成していることを特徴とする請求項1に記載の放射性医薬品製造システムのための製品用バイアル瓶セット。
  3. 前記製品用バイアル瓶が配列された輸送トレイの包装は、内側で行われる複数のクリーンパックを含んで、何重にも行われることを特徴とする請求項1、または2に記載の放射性医薬製造システムのための製品用バイアル瓶セット。
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