JP2006287561A - 適応変調装置および適応変調方法 - Google Patents

適応変調装置および適応変調方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 適応変調方式とLDPC符号を組み合わせて優れた伝送誤り特性を実現することを可能とする。
【解決手段】 ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である変調方式をN種類(Nは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調器104と、該一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する4値LDPC符号器102とを備え、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、該Pは、前記各変調方式において、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれと、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれとの公倍数である、ことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、適応変調装置および適応変調方法に関する。
従来、低密度パリティ検査符号(Low-Density Parity-Check Codes、以下ではLDPC符号と称する)は、新世代のモバイルを対象とした無線方式に有力な符号の一つとして注目されている(例えば、非特許文献1参照)。LDPC符号は、シャノン限界に迫る誤り訂正能力を有するものとして知られている。LDPC符号の特長としては、例えば、復号アルゴリズムは本質的に並列アルゴリズムであるため、並列分散型ハードウェアに実装する場合に特に適している点がある。また、様々な符号長、符号化率の符号を容易に構成できる柔軟性を有する点が挙げられる。
和田山正著,"低密度パリティ検査符号とその復号法",トリケップス,2002年
しかし、受信信号の品質や送信する情報量等に応じて適切な変調方式を選択して用いる適応変調方式と、上述したLDPC符号とを組み合わせて、優れた伝送誤り特性を実現するための技術については、十分に検討されておらず検討課題となっている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、適応変調方式とLDPC符号を組み合わせて優れた伝送誤り特性を実現することのできる適応変調装置および適応変調方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る適応変調装置は、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である変調方式をN種類(Nは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調手段と、前記適応変調手段により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、前記各変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qであり、前記Pは、前記各変調方式1、2、・・・、Nにおいて変調シンボルに割り当てる2つの直交軸上のビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、qの公倍数である、ことを特徴とする。
本発明に係る適応変調装置は、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である第1変調方式をN種類(Nは1以上の整数)と、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立ではない第2変調方式をM種類(Mは1以上の整数)と備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調手段と、前記適応変調手段により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、前記各第1変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qであり、前記各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、前記Pは、前記各第1変調方式1、2、・・・、Nおよび前記各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、q、r、r、・・・、rの公倍数である、ことを特徴とする。
本発明に係る適応変調装置は、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立ではない変調方式をM種類(Mは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調手段と、前記適応変調手段により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、前記各変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、前記Pは、前記各変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数r、r、・・・、rの公倍数である、ことを特徴とする。
本発明に係る適応変調装置は、多値変調方式における変調シンボルに割り当てるビット数が、2つの直交軸のうちの一の直交軸上のビット数はp、もう一方の直交軸上のビット数はq、である多値変調手段と、前記多値変調手段で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、前記Pは、前記多値変調方式において変調シンボルに割り当てる2つの直交軸上のビット数p、qの最小公倍数である、ことを特徴とする。
本発明に係る適応変調方法は、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である変調方式をN種類(Nは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調過程と、前記適応変調過程により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化過程とを有し、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
前記各変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qであり、前記Pは、前記各変調方式1、2、・・・、Nにおいて変調シンボルに割り当てる2つの直交軸上のビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、qの公倍数である、ことを特徴とする。
本発明に係る適応変調方法は、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である第1変調方式をN種類(Nは1以上の整数)と、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立ではない第2変調方式をM種類(Mは1以上の整数)と備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調過程と、前記適応変調過程により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化過程とを有し、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、前記各第1変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qであり、前記各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、前記Pは、前記各第1変調方式1、2、・・・、Nおよび前記各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、q、r、r、・・・、rの公倍数である、ことを特徴とする。
本発明に係る適応変調方法は、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立ではない変調方式をM種類(Mは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調過程と、前記適応変調過程により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化過程とを有し、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、前記各変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、前記Pは、前記各変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数r、r、・・・、rの公倍数である、ことを特徴とする。
本発明に係る適応変調方法は、多値変調方式における変調シンボルに割り当てるビット数が、2つの直交軸のうちの一の直交軸上のビット数はp、もう一方の直交軸上のビット数はq、である多値変調過程と、前記多値変調過程で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、前記Pは、前記多値変調方式において変調シンボルに割り当てる2つの直交軸上のビット数p、qの最小公倍数である、ことを特徴とする。
本発明によれば、低密度パリティ検査符号(LDPC符号)の元として2のP乗を用いることができるので、誤り訂正性能が向上する。これにより、適応変調方式とLDPC符号を組み合わせて優れた伝送誤り特性を実現することが可能となる。
以下、図面を参照し、本発明の各実施形態について順次説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る適応変調装置を適用した無線通信システムの構成を示すブロック図である。
初めに、送信側の構成および動作を説明する。
図1において、4値LDPC符号器102は、入力された送信データを2ビットごとに組み分けし、一組の情報(2ビット)を4値の情報シンボル(以下、4値情報シンボルという)として扱い、LDPC符号化を行う。すなわち、4値情報シンボルを要素として構成した長さTの情報ベクトルを符号X、GF(4)上で構成したT行L列(L>T)の検査行列を符号Hで表すと、4値LDPC符号器102の出力データは、4値情報シンボルを要素とする長さLの符号ベクトルXHであり、L個の「4値の符号語シンボル」となる。
なお、上記GFはガロア体(Galois field)を意味し、GF(4)とは4つの要素からなる有限体のことを指す。例えば、普段使うバイナリとは、0と1から構成されており、GF(2)と表すことができる。GF(4)では、0,1,2,3から構成される。要素が有限で、かつ、すべての演算はこの有限体に閉じられねばならない。具体例を挙げれば、GF(2)では、0+0=0、0+1=1、1+1=0、となる。このような規則で設計することを、GF(4)上で行うものとして表現する。
4値LDPC符号器102の出力データであるL個の符号語シンボルは、適応変調器104に入力され、変調シンボルにマッピングされる。この例では、適応変調器104は、BPSK(Bi-Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)および16QAM(16-positions Quadrature Amplitude Modulation)の3種類の変調方式の中から、変調方式選択情報Aで指定される変調方式を選択して用いる。
図2には、本実施形態に係る変調シンボルのビットマッピング規則の例が示されている。
図2(a)には、変調方式としてBPSKが用いられる場合が示されている。この場合、符号語シンボルのビット毎に変調シンボルにマッピングされ、2L個の変調シンボルに変換される。
図2(b)には、変調方式としてQPSKが用いられる場合が示されている。この場合、符号語シンボルのビット毎に変調シンボルのI成分またはQ成分が確定し、最終的にL個の変調シンボルに変換される。
図2(c)には、変調方式として16QAMが用いられる場合が示されている。この場合、符号語シンボルの2ビット毎に変調シンボルのI成分またはQ成分が確定し、最終的にL/2個の変調シンボルに変換される。
なお、この例の説明では、どの変調方式が選択されようとも符号語シンボル数Lは変化しないものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、選択される変調方式と連動して、符号語シンボル数Lが変化するような方式であってもよい。
パイロット信号挿入器106は、適応変調器104から出力された変調シンボルを受け取り、一定の割合でパイロット信号を挿入する。パイロット信号は、受信側で既知の信号であり、一般的に変調シンボル系列で構成される。送信機108は、パイロット信号挿入器106から出力されたパイロット信号および変調シンボルを含む信号を無線送信する。送信機108は、帯域制限フィルタ、DAコンバータ、アップコンバータ、増幅器、送信アンテナなどから構成される。
次に、受信側の構成および動作を説明する。
受信機202は、受信アンテナで受信した信号から目的とする受信信号をベースバンド信号に変換し、さらにディジタル信号に変換する。
同期検波・復調器204は、既知の信号であるパイロット信号を測定することによって受信信号の位相回転量および基準レベルを知り、これにより同期検波を行う。また、同期検波・復調器204は、1つの受信信号点に対して、その変調方式の変調シンボルの中から送信側で送信しうる全ての変調シンボルを選択する。そして、各選択した変調シンボルに対して、送信側で送信された確からしさの情報をI軸およびQ軸に分けて算出する。
例えば、変調方式が16QAMである場合、図3に示されるように、I軸上の4つの基準信号点s 、s 、s 、s と、Q軸上の4つの基準信号点s 、s 、s 、s の8つの変調シンボル成分が存在する。それら8つの変調シンボル成分に対する確からしさの情報を、受信信号点xからの自乗距離に基づいて算出する。図3には、I軸上の各基準信号点s 、s 、s 、s と、受信信号点xのI軸成分xとの自乗距離d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)が示されている。同様に、Q軸上の各基準信号点s 、s 、s 、s と、受信信号点xのQ軸成分xとの自乗距離d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)が示されている。
4値尤度適合器206は、同期検波・復調器204が出力する変調シンボルの確からしさの情報に基づき、変調シンボルの確からしさを4値の符号語シンボルが送信された確からしさに適合させる。具体的には、変調方式がBPSKである場合には、2つの受信信号点から得られる1符号語シンボルの確からしさを求める。QPSKの場合には、1つの受信信号点から得られる1符号語シンボルの確からしさを求める。16QAMの場合には、1つの受信信号点から得られる2符号語シンボルの確からしさを求める。
本実施形態では、符号語シンボルの確からしさの情報の一例として、対数尤度LLを用いている。図4には、BPSK、QPSK、16QAMの変調方式ごとに、4値の符号語シンボルc0、c1、c2、c3の各対数尤度LL(c0)、LL(c1)、LL(c2)、LL(c3)の算出式が表形式で示されている。但し、図4において符号x’は符号xとは異なる受信信号点を意味する。図4に示されるように、対数尤度LL(c0)、LL(c1)、LL(c2)、LL(c3)は、上記した自乗距離d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)から算出される。つまり、同期検波・復調器204からは変調シンボルの確からしさの情報として自乗距離が出力される。
4値LDPC復号器208は、4値尤度適合器206から出力されたL個の「4値の符号語シンボル」の確からしさの情報に基づいて、4値LDPC符号を復号する。この複合処理には、例えば、サムプロダクトアルゴリズム(SPA)や、高速フーリエ変換(FFT)を用いたFFT−SPAなどの公知技術が利用可能である。
品質測定器210は、同期検波・復調器204の同期検波後の信号から、受信信号の品質を測定する。
変調方式選択器212は、その測定された受信信号品質に基づき、適切な変調方式を選択する。受信信号の品質が高い場合には16QAM、悪い場合にはBPSK、中間の品質ならばQPSKを選択する。そして、その選択した変調方式を示す変調方式選択情報Aを送信側に通知する。
なお、変調方式の選択方法は、本実施形態に限定されず、伝送路状態または要求される通信速度等に応じて選択するものであればよい。例えば、受信信号品質以外の要素、例えば情報ビット数(本実施形態では2Tビット)の大小、或いはそれらを総合して考慮し、変調方式を選択するようにしてもよい。
上述した第1実施形態では、ビットマッピング規則が2つの直交軸(I軸、Q軸)毎に独立である変調方式をN種類(Nは2以上の整数)備える。その各変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、I軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、Q軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qである。この条件において、LDPC符号の元は、「2のP乗=2」とする。但し、Pは、各変調方式1、2、・・・、Nにおいて変調シンボルに割り当てるI、Q軸上のビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、qの公倍数である。
具体的には、上述した第1実施形態の例では、3種類(N=3)の変調方式1(BPSK)、2(QPSK)、3(16QAM)を備える。BPSKにおいて変調シンボルに割り当てるI、Q軸上のビット数は(p,q)=(1,0)である。QPSKでは(p,q)=(1,1)、16QAMでは(p,q)=(2,2)である。各変調方式1、2、3において変調シンボルに割り当てるI、Q軸上のビット数p、p、p、q、q、qの最小公倍数は、「2」である。上述した第1実施形態の例では、LDPC符号の元は、その最小公倍数「2」を適用して、2の2乗=2=4としている。このことから、図1に示されるように、LDPC符号器、復号器として4値LDPC符号102、4値LDPC復号器208を備えている。同様に4値尤度適合器206を備えている。
上述したように本実施形態によれば、LDPC符号の元として2のP乗を用いることができるので、誤り訂正性能が向上する。これにより、適応変調方式とLDPC符号を組み合わせて優れた伝送誤り特性を実現することが可能となる。
なお、上述した第1実施形態の例では、p、p、p、q、q、qの最小公倍数「2」を適用したが、それより大きい公倍数4、8、などを適用することにより、さらに誤り訂正性能を向上させることができる。ただし、Pが大きくなると、LDPC復号器の演算量が増大するので、符号特性と演算量の双方を考慮してPを定めることが肝要である。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係る適応変調装置を適用した無線通信システムの構成を示すブロック図である。この図5において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
第2実施形態では、上述した第1実施形態で用いた、ビットマッピング規則が2つの直交軸(I軸、Q軸)毎に独立である第1変調方式(例えばQPSK、16QAM)に加えて、さらに、ビットマッピング規則が2つの直交軸(I軸、Q軸)毎に独立ではない第2変調方式(例えば8PSK(8-Phase Shift Keying))を備える。
図5において、64値LDPC符号器112は、入力された送信データを6ビットごとに組み分けし、一組の情報(6ビット)を64値の情報シンボル(以下、64値情報シンボルという)として扱い、LDPC符号化を行う。すなわち、64値情報シンボルを要素として構成した長さTの情報ベクトルを符号X、GF(64)上で構成したT行L列(L>T)の検査行列を符号Hで表すと、64値LDPC符号器112の出力データは、4値情報シンボルを要素とする長さLの符号ベクトルXHであり、L個の「64値の符号語シンボル」となる。
適応変調器114は、QPSK、8PSKおよび16QAMの3種類の変調方式の中から、変調方式選択情報Aで指定される変調方式を選択して用い、LDPC符号器112から出力されたL個の符号語シンボルを変調シンボルにマッピングする。図6には、変調方式として8PSKが用いられる場合の変調シンボルのビットマッピング規則の例が示されている。なお、QPSKおよび16QAMについては上記図2に示されている。
変調方式としてQPSKが用いられる場合には、符号語シンボルのビット毎に変調シンボルのI成分またはQ成分が確定し、最終的に3L個の変調シンボルに変換される。
変調方式として8PSKが用いられる場合には、符号語シンボル毎に2個の変調シンボルが確定し、最終的に2L個の変調シンボルに変換される。
変調方式として16QAMが用いられ場合には、符号語シンボルの2ビット毎に変調シンボルのI成分またはQ成分が確定し、最終的に3L/2個の変調シンボルに変換される。
なお、この例の説明では、どの変調方式が選択されようとも符号語シンボル数Lは変化しないものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、選択される変調方式と連動して、符号語シンボル数Lが変化するような方式であってもよい。
変調方式選択器212は、品質測定器210による受信信号品質の測定結果に基づき、適切な変調方式を選択する。受信信号の品質が高い場合には16QAM、悪い場合にはQPSK、中間の品質ならば8PSKを選択する。そして、その選択した変調方式を示す変調方式選択情報Aを送信側に通知する。
なお、変調方式の選択方法は、本実施形態に限定されず、伝送路状態または要求される通信速度等に応じて選択するものであればよい。例えば、受信信号品質以外の要素、例えば情報ビット数(本実施形態では2Tビット)の大小、或いはそれらを総合して考慮し、変調方式を選択するようにしてもよい。
同期検波・復調器204は、1つの受信信号点に対して、その変調方式の変調シンボルの中から送信側で送信しうる全ての変調シンボルを選択し、各選択した変調シンボルに対して、送信側で送信された確からしさの情報を算出する。ここで、ビットマッピング規則が2つの直交軸(I軸、Q軸)で独立である変調方式(QPSKおよび16QAM)の場合には、上記第1実施形態と同様にI軸およびQ軸に分けて算出する。
一方、ビットマッピング規則が2つの直交軸(I軸、Q軸)で独立とならない8PSKの場合には、8個の変調シンボルs、s、s、s、s、s、s、sに対する8つの確からしさの情報を、受信信号点からの自乗距離に基づいて算出する。図7には、その例として、変調シンボルs、s、sについて、受信信号点xからの各自乗距離d(x,s)、d(x,s)、d(x,s)が示されている。
64値尤度適合器216は、同期検波・復調器204が出力する変調シンボルの確からしさの情報に基づき、変調シンボルの確からしさを64値の符号語シンボルが送信された確からしさに適合させる。具体的には、変調方式がQPSKである場合には、3つの受信信号点から得られる1符号語シンボルの確からしさを求める。8PSKの場合には、2つの受信信号点から得られる1符号語シンボルの確からしさを求める。16QAMの場合には、3つの受信信号点から得られる2符号語シンボルの確からしさを求める。
本実施形態では、符号語シンボルの確からしさの情報の一例として、対数尤度LLを用いている。図8には、QPSK、8PSK、16QAMの変調方式ごとに、64値のうち4つの符号語シンボルc0、c1、c2、c3の各対数尤度LL(c0)、LL(c1)、LL(c2)、LL(c3)の算出式が抜粋して表形式で示されている。但し、図8において符号x’は符号xとは異なる受信信号点を意味する。同期検波・復調器204からは変調シンボルの確からしさの情報として自乗距離が出力される。
64値LDPC復号器218は、64値尤度適合器216から出力されたL個の「64値の符号語シンボル」の確からしさの情報に基づいて、64値LDPC符号を復号する。
上述した第2実施形態では、上記第1実施形態で備えた、ビットマッピング規則が2つの直交軸(I軸、Q軸)毎に独立である第1変調方式をN種類(Nは1以上の整数)と、さらに、ビットマッピング規則が2つの直交軸(I軸、Q軸)毎に独立ではない第2変調方式をM種類(Mは1以上の整数)備える。各第1変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、I軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、Q軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qである。各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rである。この条件において、LDPC符号の元は、「2のP乗=2」とする。但し、Pは、各第1変調方式1、2、・・・、Nおよび各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、q、r、r、・・・、rの公倍数である。
具体的には、上述した第2実施形態の例では、2種類(N=2)の第1変調方式1(QPSK)、2(16QAM)と、1種類(M=1)の第2変調方式(8PSK)を備える。QPSKにおいて変調シンボルに割り当てるI、Q軸上のビット数は(p,q)=(1,1)、16QAMでは(p,q)=(2,2)である。8PSKにおいて変調シンボルに割り当てるビット数は「r=3」である。それら3種類の変調方式において変調シンボルに割り当てるビット数p、p、q、q、rの最小公倍数は、「6」である。上述した第2実施形態の例では、LDPC符号の元は、その最小公倍数「6」を適用して、2の6乗=2=64としている。このことから、図5に示されるように、LDPC符号器、復号器として64値LDPC符号112、64値LDPC復号器218を備えている。同様に64値尤度適合器216を備えている。
上述したように本実施形態によれば、LDPC符号の元として2のP乗を用いることができるので、誤り訂正性能が向上する。これにより、適応変調方式とLDPC符号を組み合わせて優れた伝送誤り特性を実現することが可能となる。
なお、上述した第2実施形態の例では、p、p、q、q、rの最小公倍数「6」を適用したが、それより大きい公倍数12、18、などを適用することにより、さらに誤り訂正性能を向上させることができる。ただし、Pが大きくなると、LDPC復号器の演算量が増大するので、符号特性と演算量の双方を考慮してPを定めることが肝要である。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した第2実施形態で備えた、ビットマッピング規則が2つの直交軸(I軸、Q軸)毎に独立ではない第2変調方式のみをM種類(Mは2以上の整数)備えるようにしてもよい。この場合、各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、この条件において、LDPC符号の元は、「2のP乗=2」とする。但し、Pは、各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数r、r、・・・、rの公倍数である。このようにしても、LDPC符号の元として2のP乗を用いることができるので、誤り訂正性能が向上する。これにより、適応変調方式とLDPC符号を組み合わせて優れた伝送誤り特性を実現することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る適応変調装置を適用した無線通信システムの構成を示すブロック図である。 同実施形態に係る変調シンボルのビットマッピング規則の例である。 同実施形態に係る16QAMによる受信信号点からの自乗距離を説明するための図である。 同実施形態に係る対数尤度の算出式を示す図表である。 本発明の第2実施形態に係る適応変調装置を適用した無線通信システムの構成を示すブロック図である。 同実施形態に係る8PSKによる変調シンボルのビットマッピング規則の例である。 同実施形態に係る8PSKによる受信信号点からの自乗距離を説明するための図である。 同実施形態に係る対数尤度の算出式(抜粋)を示す図表である。
符号の説明
102…4値LDPC符号器、104,114…適応変調器、106…パイロット信号挿入器、108…送信機、112…64値LDPC符号器、202…受信機、204…同期検波・復調器、206…4値尤度適合器、208…4値LDPC復号器、210…品質測定器、212…変調方式選択器、216…64値尤度適合器、218…64値LDPC復号器

Claims (8)

  1. ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である変調方式をN種類(Nは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調手段と、
    前記適応変調手段により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、
    前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
    前記各変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qであり、
    前記Pは、前記各変調方式1、2、・・・、Nにおいて変調シンボルに割り当てる2つの直交軸上のビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、qの公倍数である、
    ことを特徴とする適応変調装置。
  2. ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である第1変調方式をN種類(Nは1以上の整数)と、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立ではない第2変調方式をM種類(Mは1以上の整数)と備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調手段と、
    前記適応変調手段により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、
    前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
    前記各第1変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qであり、
    前記各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、
    前記Pは、前記各第1変調方式1、2、・・・、Nおよび前記各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、q、r、r、・・・、rの公倍数である、
    ことを特徴とする適応変調装置。
  3. ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立ではない変調方式をM種類(Mは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調手段と、
    前記適応変調手段により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、
    前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
    前記各変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、
    前記Pは、前記各変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数r、r、・・・、rの公倍数である、
    ことを特徴とする適応変調装置。
  4. 多値変調方式における変調シンボルに割り当てるビット数が、2つの直交軸のうちの一の直交軸上のビット数はp、もう一方の直交軸上のビット数はq、である多値変調手段と、
    前記多値変調手段で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、
    前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
    前記Pは、前記多値変調方式において変調シンボルに割り当てる2つの直交軸上のビット数p、qの最小公倍数である、
    ことを特徴とする適応変調装置。
  5. ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である変調方式をN種類(Nは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調過程と、
    前記適応変調過程により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化過程とを有し、
    前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
    前記各変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qであり、
    前記Pは、前記各変調方式1、2、・・・、Nにおいて変調シンボルに割り当てる2つの直交軸上のビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、qの公倍数である、
    ことを特徴とする適応変調方法。
  6. ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立である第1変調方式をN種類(Nは1以上の整数)と、ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立ではない第2変調方式をM種類(Mは1以上の整数)と備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調過程と、
    前記適応変調過程により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化過程とを有し、
    前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
    前記各第1変調方式1、2、・・・、Nにおいて、変調シンボルに割り当てる、一の直交軸上のビット数はそれぞれp、p、・・・、p、もう一方の直交軸上のビット数はそれぞれq、q、・・・、qであり、
    前記各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、
    前記Pは、前記各第1変調方式1、2、・・・、Nおよび前記各第2変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数p、p、・・・、p、q、q、・・・、q、r、r、・・・、rの公倍数である、
    ことを特徴とする適応変調方法。
  7. ビットマッピング規則が2つの直交軸毎に独立ではない変調方式をM種類(Mは2以上の整数)備え、前記変調方式の中から一の変調方式を適応的に選択して用いる適応変調過程と、
    前記適応変調過程により選択される一の変調方式で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化過程とを有し、
    前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
    前記各変調方式1、2、・・・、Mにおいて、変調シンボルに割り当てるビット数はそれぞれr、r、・・・、rであり、
    前記Pは、前記各変調方式1、2、・・・、Mにおいて変調シンボルに割り当てるビット数r、r、・・・、rの公倍数である、
    ことを特徴とする適応変調方法。
  8. 多値変調方式における変調シンボルに割り当てるビット数が、2つの直交軸のうちの一の直交軸上のビット数はp、もう一方の直交軸上のビット数はq、である多値変調過程と、
    前記多値変調過程で変調するデータ信号を低密度パリティ検査符号に符号化する符号化手段とを備え、
    前記低密度パリティ検査符号の元は2のP乗であり、
    前記Pは、前記多値変調方式において変調シンボルに割り当てる2つの直交軸上のビット数p、qの最小公倍数である、
    ことを特徴とする適応変調方法。


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