JP2006287296A - 無線ip電話システムの制御方法 - Google Patents

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Kazunori Okada
和則 岡田
Takuhei Kamata
拓平 鎌田
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Abstract

【課題】例えば、大規模な災害時においては、個々のユーザの通信要求は全て必要に迫られており必ず使えるという可用性が重要になるが、実現は難しい。
【解決手段】無線IP電話端末によるアクセスポイントからのアクセスに対し、セッションレベルでの受け付け制御を行い、通信時間制限を含むアクセス管理を行う管理サーバを備え、管理サーバ1により通信要求があった時、無線区間の容量に空きがあるか否かを判断する第1の手順と、第1の手順で無線区間の容量に空きがないと判断した場合ユーザに送出を待たせる第2の手順と、第1の手順で無線区間の容量に空きがあると判断した場合セッションレベルで送出許可時間を制限する制御で、予め決めた送出許可時間だけ送出を許可する制御を行う第3の手順とを備え、また、第4の手順として、新しい通信要求を再送出待ちしている通信要求より優先して送出許可を与える手順を備えている。
【選択図】 図1

Description


本発明は、無線IP電話システムの制御方法に関する。

§1:従来例1
図9は従来例1の説明図である。以下、図9を参照しながら、非特許文献1を従来例1として説明する。
従来例1は、無線LAN向けVoIP携帯電話の将来性に関するものであり、「サービスはいつから使えるか、既存の携帯電話との違いは」と題して、無線LANアクセスサービスを利用して、VoIP(voice over IP )方式で通話できる携帯電話サービスがまもなく始まる。初期の携帯電話と同様、様々な課題があるが、多くは解決に向かっている。課題と将来性を検証するとの記載がある。
図9において、無線LANアクセスとは、街中に設置した無線LANアクセス・ポイントからインターネットへの接続を可能にしたサービスのことである。VoIPとは、voice over IP の略語であり、IPネットワーク上に音声を通すための技術の総称である。これは、音声をIPパケットに埋め込む手法、音声符号化方式、既存電話網とIP網との相互接続技術などを指す。
ローミングとは、無線LANアクセス事業者間で提携し、ユーザ認証情報を相互にやりとりできるようにして、一方のアクセス・ポイントを他方のユーザが利用できるようにすることである。ADSLとは、asymmetric digital sub-scriber line の略語であり、電話用銅線ケーブルを使う高速ディジタル伝送方式「xDSL」の中で、最も代表的な伝送技術である。
SIPとは、session initiation protocol の略語であり、IPネットワーク上で、電話の呼設定をするためのテキスト・ベースのアプリケーション層プロトコルのことである。これはRFC2543としてIETF標準になっている。
§2:従来例2
以下、特許文献1を従来例2として説明する。
従来例2は、無線IP電話機が無線LAN基地局を中継してIPネットワーク上の他のIP電話機との間で通話を実行するIP電話システム、並びにそのIP電話システムにおける無線IP電話機および無線LAN基地局に関するものである。
この発明では、無線IP電話機に使用する前に、各無線IP電話機網固有の端末IDに基づいて無線LAN基地局を介して電話番号管理サーバが認証を実行するようにして、各無線IP電話機を識別することができ、予め登録された無線IP電話機のみにローミングを許可する。
§3:従来例3
以下、特許文献2を従来例3として説明する。
従来例3は、IP電話システムの全データを経由させて公告情報を付加するサーバを設けることなく、IP電話に対する公告情報の付加を行うIP電話システムを提供するものである。
この接続装置、およびこれに対応した接続装置の制御方法によれば、アクセスポイントを提供する装置が、所定のタイミングにて音声情報格納手段に格納された音声情報である公告や公報などの告知情報を、クライアントに送信する。したがって、音声情報の通信に告知情報の付加を行うことができる。なお、通信システムの全データを経由させて告知情報を付加する特定のサーバを設ける必要もない。
§4:従来例4
以下、特許文献3を従来例4として説明する。
従来例4は、IP電話サービス提供者に多大な負担を強いることなく、無線IP電話機の通話エリアを拡大することを目的としたものである。この発明によれば、音声通話サービス提供システムJHでは、サービス提供者は、所定の加入料を支払った加入者に対し、許諾アクセスポイントおよび許諾ブロードバンド回線の余剰帯域を使用した音声通話サービスを提供する。
こうして許諾ブロードバンド回線の余剰帯域が第三者に使用された場合、許諾アクセスポイントの所有者や許諾ブロードバンド回線の回線契約者は、余剰帯域の使用量に応じた額のリベートをサービス提供者から受け取る。
日経コミュニケーション、8−19,2002,日経BP社発行,第90〜96頁,「無線LAN向けVoIP携帯電話の将来性」の欄を参照 S.garg and M.kappes."Admission Control for VoIP traffic in IEEE802.11Networks, "in Proc.IEEE GLOBECOM 2003,San Francisco,California.Dec.2003,vo16,pp 3514-3518. 特開2002−125069号公報 特開2004−134874号公報 特開2004−201045号公報

(1) :例えば、地震等の災害時においては安否確認によるトラヒックが急増する。災害時の有効な通信手段として今後普及していくであろう高速無線アクセスポイントにおける無線IP電話やPDAなどでは、容量の面から全ての通信要求を満たす事が難しい。しかし、災害時におけるユーザの通信要求は必要性が高いため必ず公平になるべく多くの通信を実現することが重要であるが実現は難しい。
(2) :今後、地震などの大規模災害が起こった際には高速無線アクセスポイント等の資源が有限な無線区間では深刻な輻輳が起こり、IP電話によって通話ができなくなると予想される。大規模な災害時においては、個々のユーザの通信要求は全て必要に迫られており必ず使えるという可用性が重要になるが、実現は難しい。
(3) :前記従来例1乃至4及び非特許文献2には、本発明の内容(セッションレベルの通信時間制限等)に関しての記載はなく、本発明の参考文献程度の内容である。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、現在最も普及している高速無線アクセスポイントとしてIEEE802.11bを想定し、そこで受け付け制御を行いIP電話を呼レベルで考えた上で、高い可用性と公平性の向上のためのキューイング方法を実現させることを目的としている。
具体的には、セッションレベルの通信時間制限とそれに伴う再送出要求を含めた呼制御シーケンスおよび高い可用性と公平性のためのキューイング方法であるHAF(High Availability and Fairness)キューイングを実現させることを目的とする。

(1) :無線IP電話端末によるアクセスポイントからのアクセスに対し、セッションレベルでの受け付け制御を行い、無線IP電話に受け入れるIP電話のセッション数を管理する管理サーバを備えた無線IP電話システムの制御方法であって、前記アクセスによる通信要求があった時、前記管理サーバにより当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断し、空きがなければユーザに送出を待たせ、空きがある場合にのみ、予め決めた一定時間だけ送出を許可し、該一定時間経過後、通信を強制的に切断するセッション通信時間規制の制御を行うことを特徴とする。
(2) :無線IP電話端末によるアクセスポイントからのアクセスに対し、セッションレベルでの受け付け制御を行い、無線IP電話に受け入れるIP電話のセッション数を管理する管理サーバを備えた無線IP電話システムの制御方法であって、前記アクセスによる通信要求があった時、前記管理サーバにより当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断する第1の手順と、前記第1の手順で無線区間の容量に空きがないと判断した場合、送出許可はしないで、ユーザに送出を待たせる第2の手順と、前記第1の手順で無線区間の容量に空きがあると判断した場合、前記管理サーバにより、セッションレベルでの送出許可時間を制限する制御を行い、予め決めた送出許可時間だけ送出を許可し、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する制御を行う第3の手順とを備えていることを特徴とする。
(3) :前記(2) の無線IP電話システムの制御方法において、前記管理サーバにより、当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがなくて送出許可ができなかったアクセスを含め、再度、再送出要求を含めた呼制御シーケンスを実行することで、当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断する第4の手順と、前記第4の手順で無線区間の容量に空きがあれば、予め定めた送出許可時間だけ送出を許可し、前記送出許可時間経過後、強制的に通信を切断する第5の手順と、前記第4の手順で無線区間の容量に空きがなくて、予め定めた通信放棄時間に達したら、システムから消失させる制御を行う第6の手順とを備えていることを特徴とする。
(4) :前記(3) の無線IP電話システムの制御方法において、前記管理サーバにより、前記第4の手順で無線区間の容量に空きがあった場合、新しい通信要求があるか否かを判断する第7の手順と、前記第7の手順で新しい通信要求があれば、優先して新しい通信要求を受け付け送出を許可し、予め決めた送出許可時間だけ送出させ、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する第8の手順と、前記第7の手順で新しい通信要求がなければ、予め決めた送出許可時間だけ送出させ、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する第9の手順とを含むHAFキューイング制御を行うことを特徴とする。
(5) :前記(2) 乃至(4) の無線IP電話システムの制御方法において、前記手順で通信を強制的に切断する際、前記管理サーバにより、通信を切断されたユーザには、直ちに次の通信機会を与えるメッセージを送ることで、ユーザはシステムが待ち状態として動作中であることを伝える制御を行うことを特徴とする。
(6) :前記(2) 乃至(4) の無線IP電話システムの制御方法において、前記手順で通信を強制的に切断する前に、前記管理サーバにより、警告音を出してユーザに通信の切断をすることを知らせる制御を行い、その後、通信を強制的に切断する制御を行うことを特徴とする。
(作用)
図1は本発明の原理説明図である。以下、図1に基づいて本発明の作用を説明する。
(a) :前記(1) の作用
管理サーバ1は、アクセスによる通信要求があった時、当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断(設定情報テーブル4を検索して判断)し、空きがなければユーザに送出を待たせ、空きがある場合にのみ、予め決めた一定時間(設定情報テーブル4から検索する)だけ送出を許可し、該一定時間経過後、通信を強制的に切断するセッション通信時間規制の制御を行う。
このようにすれば、管理サーバ1によりセッションレベルの通信時間制限を行う無線IP電話システムの制御方法が実現でき、高い可用性と公平性の向上が期待できる。
(b) :前記(2) の作用
第1の手順ではアクセスによる通信要求があった時、管理サーバ1により当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断(設定情報テーブル4を検索して判断)する。次に、第2の手順では前記第1の手順で無線区間の容量に空きがないと判断した場合、送出許可はしないで、ユーザに送出を待たせる制御を行う。
次に、第3の手順では前記第1の手順で無線区間の容量に空きがあると判断した場合、前記管理サーバにより、セッションレベルでの送出許可時間(設定情報テーブル4から検索する)を制限する制御を行い、予め決めた送出許可時間だけ送出を許可し、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する制御を行う。
このようにすれば、管理サーバによりセッションレベルの通信時間制限を行う無線IP電話システムの制御方法が実現でき、高い可用性と公平性の向上が期待できる。
(c) :前記(3) の作用
第4の手順では管理サーバ1により、当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがなくて送出許可ができなかったアクセスを含め、再度、再送出要求を含めた呼制御シーケンスを実行することで、当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断する。
次に、第5の手順では前記第4の手順で無線区間の容量に空きがあれば、予め定めた送出許可時間だけ送出を許可し、前記送出許可時間経過後、強制的に通信を切断する制御を行う。そして、第6の手順では前記第4の手順で無線区間の容量に空きがなくて、予め定めた通信放棄時間に達したら、システムから消失させる制御を行う。
このようにすれば、管理サーバは、セッションレベルの通信時間制限とそれに伴う再送出要求を含めた呼制御シーケンスを行うことができる。
(d) :前記(4) の作用
第7の手順では管理サーバ1により、前記第4の手順で無線区間の容量に空きがあった場合、新しい通信要求があるか否かを判断する。次に、第8の手順では前記第7の手順で新しい通信要求があれば、優先して新しい通信要求を受け付け送出を許可し、予め決めた送出許可時間だけ送出させ、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する制御を行う。そして、第9の手順では前記第7の手順で新しい通信要求がなければ、予め決めた送出許可時間だけ送出させ、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する制御を含むHAFキューイング制御を行う。
このようにすれば、セッションレベルの通信時間制限とそれに伴う再送出要求を含めた呼制御シーケンスおよびHAF(High Availability and Fairness)キューイングにより、高い可用性と公平性を持つ通信制御を実現させることができる。
(e) :前記(5) の作用
前記(2) 乃至(4) の無線IP電話システムの制御方法において、前記手順で通信を強制的に切断する際、前記管理サーバにより、通信を切断されたユーザには、直ちに次の通信機会を与えるメッセージを送ることで、ユーザはシステムが待ち状態として動作中であることを伝える制御を行う。
このようにすれば、ユーザがシステムの状態を知ることで、安心感を持つとともに、直ぐ掛けなおす再通信要求の発生を防ぐことができる。
(f) :前記(6) の作用
前記(2) 乃至(4) の無線IP電話システムの制御方法において、前記手順で通信を強制的に切断する前に、管理サーバ1により、警告音を出してユーザに通信の切断をすることを知らせる制御を行い、その後、通信を強制的に切断する制御を行う。
このようにすれば、ユーザの強制切断による不快感を減らすとともに、直ぐに掛けなおす再通信要求の発生を防ぐことができる。

(1) :呼量が多くなるに従って新しい通信要求は増えてくる事になる。従来例では、新しい通信要求が増加し、無線区間に空き容量がなく待ち状態の通信要求が出て来ると、特定の通信要求が長い時間通信することが影響し、新しい通信要求が受け入れられなくなる。受け入れた場合は、パケット損失が多く起こり、全体の通信品質が悪くなり、通話が出来ない状態になる。
しかし、本発明では、通信可能な数だけしか通信を行わせないため、通話ができる品質を保てる。セッション通信時間規制を加えることで、長い時間通信することを防ぎ、その分さらに多くの通信要求を通信させており、従来例に比べ、より可用性および公平性が高くなる。
(2) :従来例では、新しい通信要求も再送出された通信要求も同等に扱うので、呼量が増え新しい通信要求が増えたとしても、既に通信を行い再送出許可待ちになっている通信要求にも同等に通信機会を与えてしまっているために全く通信できない人が多くなる。
これに対して本発明は、HAFキューイングしているため、呼量が増え新しい通信要求が増えてくるにしたがって再送出許可待ちとなっている通信要求の通信機会を抑えており、システム側で公平に通信機会を与えている。
(3) :従来例では、所要通信時間を満たすまでの時間についてはセッション通信時間規制が行われていないので、ユーザは一回のサービスで通信所要時間を全て満たすことになる。ここで、呼量がアクセスポイントの容量を超えるとユーザはほとんど全ての場合、通信するまでにキューイングされる事となり、通信放棄時間に達するユーザが多くなり、それらのユーザは通信を諦めるので、多くのユーザが長い時間待たされた上に、結局通信できないことになる。
また、セッション通信時間規制のみが行われる場合は、ユーザは通信所要時間を何回かにわけて満たすこととなるが、再送出許可のキューイングが行われるごとに通信放棄時間までキューイングされるため、その時間が合計され、負荷がアクセスポイントの容量を超えるあたりで所要通信時間を満たすまでの時間は急激に増加する。しかし、さらに高負荷になると二度、三度と再送出許可される事がなくなるので通信を完了するまでの時間は減少する。
これに対して本発明は、セッション通信時間規制が行われているため、呼量が少なく負荷が低い時にはセッション通信時間規制の効果として通信を完了するまでの待ち時間が少なくなる。また、呼量が増え負荷が高くなった時でもHAFキューイングを行う事で、再送出の機会が抑えられ、通信放棄時間まで達してしまい通信を諦めるユーザが多くなり、全体として通信を完了するまでの待ち時間が少なくなる。
(4) :従来例では、初めて話すまでの時間は、負荷が高くなるとキーイングされることが多くなり通信放棄時間に収束していく。また、通信時間規制を行うのみの場合は、呼量がアクセスポイントの容量を超えるまでは初めて話すまでの待ち時間は減少する。しかし、呼量がアクセスポイントの容量を超えると待ち時間はほとんど変わらず通信放棄時間に収束していく。
これに対して本発明は、セッション通信時間規制の効果があらわれており呼量がアクセスポイントの容量を超えるあたりまでは待ち時間はほぼ同様となっているが、これを超えてもHAFキューイングの効果により新しい通信要求の通信機会は確保され他の手法と比べて初めて通信するまでの時間が少なくなる。
(5) :通信時間規制のみの場合では、新しい通信要求と再送出された通信要求を平等に扱っているので送出許可されるまでの待ち時間が同等に扱われ、再送出を待っている平均待ち通信要求は多くなっていく。
これに対して本発明では、HAFキューイングを行うことにより、呼量が増え新しい通信要求が多くなるにしたがって、再送出された通信要求が送出待ちとなることが多くなる。それらが、長く待たされ通信放棄時間に到達することが多くなり逆に平均待ち通信要求は減少する。しかし、通信機会を全てのユーザに公平に与えるという面の公平性が高いものとなっている。
(6) :通信を強制的に切断する際、前記管理サーバにより、通信を切断されたユーザには、直ちに次の通信機会を与えるメッセージを送ることで、ユーザはシステムが待ち状態として動作中であることを伝える制御を行う。従って、ユーザがシステムの状態を知ることで、安心感を持つとともに、直ぐ掛けなおす再通信要求の発生を防ぐことができる。
(7) :通信を強制的に切断する前に、管理サーバ1により、警告音を出してユーザに通信の切断をすることを知らせる制御を行い、その後、通信を強制的に切断する制御を行う。従って、ユーザの強制切断による不快感を減らすとともに、直ぐに掛けなおす再通信要求の発生を防ぐことができる。
(8) :以上の通り、本発明によれば、セッションレベルの通信時間制限とそれに伴う再送出要求を含めた呼制御シーケンスおよびHAF(High Availability and Fairness)キューイングにより、高い可用性と公平性を持つ通信制御を実現させることができる。
§1:無線IP電話システムの制御方法の概要説明
(1) :例えば、地震等の災害時においては安否確認によるトラヒックが急増する。災害時の有効な通信手段として今後普及していくであろう高速無線アクセスポイントにおける無線IP電話やPDAなどでは、容量の面から全ての通信要求を満たす事が難しい。
しかし、災害時におけるユーザの通信要求は必要性が高いため必ず公平になるべく多くの通信を実現することが重要である。そこで、現在最も普及している高速無線アクセスポイントとしてIEEE802.11bを想定し、そこで受け付け制御を行いIP電話を呼レベルで考えた上で、高い可用性と公平性の向上のためのキューイング方式を提案する。
具体的には、セッションレベルの通信時間制限とそれに伴う再送出要求を含めた呼制御シーケンスおよび高い可用性と公平性のためのキューイング方法(又は方式)であるHAF(High Availability and Fairness)キューイングを提案し、そのトラヒック特性をシミュレーションによって評価した結果、本発明により所望の特性が得られることが示された。
(2) :地震などの大規模な災害が起こった際には、家族や友人等への安否確認により通信トラヒックが急増する。例えば、1995年に発生した阪神・淡路大震災では、地震当日の全国から兵庫県への固定電話は平常ピーク時の約50倍に達し、翌日も約20倍を記録した。
また、携帯電話が普及した2003年5月に発生した宮城県沖地震では、大きな被害は起こらなかったが東北地域の携帯電話から発信された地震直後から3時間後までの総通信トラヒックは通常時の約30倍と推定されている。
最近、ADSL等の広帯域通信の普及に伴いIP電話の利用が増えてきており、将来においては回線交換網による固定電話に取ってかわることが予想される。また、通信インフラの多様化に伴い高速無線アクセスポイントも普及してきており平成14年末における公共空間における高速無線アクセスポイント数が1624箇所であったのに比べ平成15年末には5350箇所へと急増している。また、インターネット利用者の高速無線アクセスポイント利用も増加している傾向にある。
このように、IP電話と高速無線アクセスポイントの普及によりこれら普及していくであろうサービスとして、携帯型IP電話やPDAなどにより無線アクセスポイントを介してIP電話を実現するものが挙げられる。
以上の現状を踏まえると今後、地震などの大規模災害が起こった際には高速無線アクセスポイント等の資源が有限な無線区間では深刻な輻輳が起こり、IP電話によって通話ができなくなると予想される。大規模な災害時においては、個々のユーザの通信要求は全て必要に迫られており必ず使えるという可用性が重要になる。
また、各通信要求に優先順位をつけることはできず、全ての通信要求に対して公平性のある処理をするべきである。
そこで、本発明では、高速無線アクセスポイントにおけるIP電話システムを対象として、例えば、災害時に高い可用性とユーザの公平性を向上させる方法(又は方式)を提案する。具体的には、セッションレベルの通信時間制限とそれに伴う送出許可を含めた呼制御シーケンスおよび高い可用性と公平性のためのキューイング方法(又は方式)であるHAF(High Availability and Fairness)キューイングを提案し、そのトラヒック特性評価を行う。
§2:想定するシステムと本発明の手法の概要
図2は想定するシステムを示す。災害時に無線IP電話等で多くの接続要求が起こり、それらを無制限に受け入れてしまうと現在、最も普及しているIEEE802.11bでは、CSMA/CAの特質により多くのパケット損失が起こり品質が低下して通信不能状態に陥ってしまう。
本発明の手法では、MAC層に注目しスループットを上げるのではなく、管理サーバ(SIPサーバ自体に管理サーバの機能を備えるか、又は、SIPサーバに接続された管理サーバ)によって無線IP電話に受け入れるIP電話のセッション数を管理する。
受け付け制御を用いて、受け入れるセッションに上限を設けることで、よりアプリケーションに近い部分での制御を行う。セッションの上限については、従来公知の非特許文献2に記載された受け付け制御によってセッション数を決定する。
無線区間にいるユーザからの通信はアクセスポイントとゲートウェイを通し、管理サーバ(又はSIPサーバに管理サーバの機能を持たせた装置)で全て管理する。ここで、セッションの上限を超えた場合には、管理サーバ側からユーザ側へ制御メッセージを送り通信要求は受け入れるが送出許可はしないでパケットの送出をさせない送出許可待ちキューイングを行う。また、受け付け制御した上でユーザに対して有効に資源を分配するためにセッション通信時間規制を行い、さらに、システムの可用性と公平性をより高めるためにHAFキューイングを適応する。
§3:管理サーバの説明
図3は管理サーバのブロック図である。この管理サーバは、図2に示したSIPサーバ自体に管理サーバの機能を持たせた装置(この装置を管理サーバと呼ぶ)、又は、SIPサーバにケーブル等で接続した管理サーバ(独立した装置)で構成する。以下、両者の管理サーバを、単に「管理サーバ」と呼ぶ。
図3に示したように、管理サーバ1には、管理制御部2と、送出許可時間自動設定部3と、設定情報テーブル(任意の記憶手段に格納したテーブル)4と、タイマ5と、カウンタ6と、無線区間空き容量情報自動設定部7等を備えている。
前記管理制御部2は、無線IP電話端末によるアクセスポイントからのアクセスに対し、セッションレベルでの受け付け制御を行い、無線IP電話に受け入れるIP電話のセッション数の管理や、管理サーバ内の各種制御や処理等を行うもの(プロセッサとプログラム等を含んで構成されたもの)である。
従って、この管理制御部2の管理制御により、セッションレベルの通信時間制限とそれに伴う再送出要求を含めた呼制御シーケンスおよび高い可用性と公平性のためのキューイング方法を実現させるものである。
送出許可時間自動設定部3は、外部から取り込んだ情報等に基づき送出許可時間を自動的に求め、その情報を設定情報テーブル4に設定するもの(プログラムとメモリ等を含むもの)である。設定情報テーブル4は、送出許可時間、通信所要時間、通信放棄時間、無線区間空き容量情報等の各種情報を設定するものである。
タイマ5とカウンタ6は、管理制御部2の管理制御において使用するものであり、タイマ5は時間の計測に用い、カウンタ6は各種データのカウント(例えば、セッション数のカウント)などに使用する。無線区間空き容量情報自動設定部7は、外部から取り込んだ情報等に基づき無線区間空き容量情報を自動的に求め、その情報を設定情報テーブル4に設定するもの(プログラムとメモリ等を含むもの)である。
§4:フローチャートによる処理の説明
(1) :処理概要
通信時間制御では、システム側でユーザの通信を制限し一定時間を経過すると停止メッセージにより警告音等を出してユーザに切断する事を知らせてから通信を強制的に止める。これによって特定ユーザの通信時間が長いために他のユーザが通信待ちになる時間を無くし、個々のユーザの可用性及び公平性を上げる。
ここで、ユーザは通信したい時間があるにも関わらず強制的に一定時間の通信に限られてしまうので再度通信したい要求があると考えられる。強制的に切断された通信要求を始めからの通信要求として受け付けるのでは、制御の面で効率が悪く、また、ユーザへの不快感と再呼の防止につながる。
そこで、通信を切断されたユーザにはシステム側から直ちに次の通信機会を与えるメッセージを送り、次の通信機会が回ってくるまで待たされることにする。更に、以下に説明するHAFキューイングを行う。
(2) :フローチャートによる詳細な説明
図4は処理フローチャートである。以下、図3を参照しながら、図4に基づいて、管理サーバの処理を説明する。なお、図4においてS1〜S11は各処理ステップを示す。
管理サーバ1は次のように処理を行う。先ず、任意のアクセスポイントから無線IP電話端末(例えば、無線IP電話機)によるアクセスで通信要求があると、管理制御部2は設定情報テーブル4から無線区間空き容量を検索することで、当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるかどうかを判断する(S1)。
その結果、管理制御部2は無線区間の容量に空きがなければユーザに送出を待たせる(S4)が、無線区間の容量に空きがあれば設定時間情報テーブル4を検索することで、予め決めた送出許可時間(例えば、T1)だけ送出を許可する(S2)。この場合、管理制御部2はタイマ5を使用して送出の経過時間を計測し、その計測時間と、設定時間情報テーブル4から検索した時間とを比較しながら前記制御を行う。
そして、管理制御部2は設定時間情報テーブル4の情報を検索することで、予め決めた通信所要時間(例えば、T2)を満たしているかどうかを判断し(S3)、予め決めた通信所要時間を満たしていれば通信完了とするが、通信所要時間を満たしていなければ、S4の処理へ移行する。
次に、再び、管理制御部2は設定情報テーブル4を検索することで、当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きが発生するかどうかを判断し(S5)、無線区間の容量に空きがなければ、設定時間情報テーブル4を検索することで、予め決めた通信放棄時間(例えば、T3)に達しているかどうかを判断する(S9)。
この場合にも、管理制御部2はタイマ5を使用して通信放棄の経過時間を計測し、その計測時間と、設定時間情報テーブル4から検索した時間とを比較しながら前記判断を行う。前記S9の判断で、予め決めた通信放棄時間に達していれば、システムから消失させる制御を行うが、予め決めた通信放棄時間に達していなければS5の処理へ移行する。
そして、前記S5の処理で無線区間の容量に空きがある場合は、新しい通信要求がないかどうかを判断し(S6)、新しい通信要求があれば、新しい通信要求を受け付け送出許可にし(S11)、予め決めた送出許可時間だけ送出させる(S7)。また、S6の処理で、新しい通信要求がない場合は予め決めた送出許可時間だけ送出させる(S7)。
次に、S7の処理後、管理制御部2は設定時間情報テーブル4を検索することで、予め決めた通信所要時間(例えば、T2)を満たしているかどうかを判断し(S8)、予め決めた通信所要時間を満たしていれば通信完了とするが、通信所要時間を満たしていなければ、S5の処理へ移行する。
(3) :HAFキューイングの説明
図5のA図にHAFキューイングのサーバでの処理を示す。HAFキューイングでは、新しく通信要求をしてきたユーザが最優先で通信できるようにする。再送出をしているユーザについては再送出をした回数により優先度が下がっていくものとする。これによって、多くのユーザが同じようにサービスを受けられるようにし公平性を高める。
§4:シミュレーションモデルと条件の説明
(1) :本発明では、無線IP電話において、MAC層ではなくよりアプリケーションに近い部分でのユーザにおける可用性及び公平性に焦点を当てている。そこで、シミュレーションではパケットレベルではなく呼レベルで評価を行うこととする。
IP電話の品質を評価する際にはパケット損失率が一つの項目として見られるが、公知文献に見られるようにIEEE802.11bにおいて、G.711のコーデックでVoIPを流した場合10数セッションならば品質に問題なく流すことができるとされている。
そこで、ここでは12セッションで受け付け制御を行い、パケットレベルでの評価ではなく呼レベルで評価を行っても問題がないとする。図5のB図にシミュレーション条件を示す。シミュレーションでは3つの手法を比較する。ここで、通信所要時間とは個々のユーザが所望している通信時間を意味し、セッション通信時間規制によって強制的に切断されても通信所要時間を満たしていなければ、ユーザは自分の通信したい内容が満足されるまで通信要求を送出し続けるものとする。また、個々のユーザの通信所要時間は平均120秒の指数分布に従う。
セッション通信規制時間は、システム側でユーザの通信時間を制限する時間とし、全てのユーザに対し30秒の一定時間で強制的に通話を終了させるものとする。通信放棄時間とは、送出の許可のキューイングされているユーザがキューへの挿入後サービスを受ける事を諦めてたシステムから消失してしまうまでの時間とし、ここでは600秒とする。
通常、CSMA/CAを使っている高速無線アクセスポイントでは回線という概念はないがここでは受け付け制御を行うことで1ユーザに対し1つの占有回線を割り当てるものとする。そして、呼量は携帯電話を基準に考え、呼損率が3%となる呼量を基準呼量とし、それを基準に正規化したもので表すこととする。以下、比較のため、手法1、2と本発明の手法について説明する。
(2) :手法1の説明
手法1(従来例)は、通信所要時間は平均120秒の指数分布に従うが、通信時間規制は行わない。通信時間規制を行わないのでユーザは自分の通信所要時間を使い果たすまでサービスを受ける事となり、通信できる時間は仮定である平均120秒の指数分布に従う事になる。
また、通信時間規制を行わないので再送出要求は存在しない事になり、HAFキューイングは行わない。但し、容量がなくて通信要求が始めから送出許可されない場合は、容量に空きがでるまでキューイングする。キューイング方式はFCFS(First Come First Serve)を用いる。
(3) :手法2の説明
手法2は、セッション通信時間規制を行う。セッション通信時間規制によって再送出要求が起こるので、ここでは、新しい通信要求と再送出要求の両方がアクセスポイント及びSIPサーバへ到着するがサーバ側で処理する際には受け付けた順番、すなわち、FCFSによりキューイングするものとする。また、他の手法と同様に通信放棄時間は600秒とする。
提案手法については前記の通りである。
§5:結果及び考察
(1) :図6のA図に、基本生起呼量と一回でも通信できた通信要求の関係を示す。呼量が多くなるに従って新しい通信要求は増えてくる事になる。手法1では、新しい通信要求が増加し、無線区間に空き容量がなく待ち状態の通信要求が出て来ると、特定の通信要求が長い時間通信することが影響し、新しい通信要求が受け入れられなくなる。
これにより、手法2や本発明の手法に比べて一回でも通信要求が少なくなっている。手法2と本発明の手法においてはセッション通信時間規制を行う事で新しい通信要求が増えてきても多くの通信要求が通信要求をすることができることとなる。呼量が増え負荷が高くなっても多くの通信要求が少しでも通信できる点で可用性及び公平性があるという事ができる。
また、本発明の手法では、未通信要求を優先的にキューイングするHAFキューイングを行うことでセッション通信時間規制に加えてさらに多くの通信要求を通信させており、手法2と比べ、より可用性および公平性が高いという事がわかる。
(2) :図6のB図に、通信回数の平均を表す。通信回数の平均とは、セッション通信時間規制により生じる送出待ち通信要求が何回再送出して通信を完了したかどうかの平均値である。手法2では、新しい通信要求も再送出された通信要求も同等に扱うので、呼量が増え新しい通信要求が増えたとしても、既に通信を行い再送出許可待ちになっている通信要求に通信機会を与えてしまっているために減少が少ない。
本発明の手法では、HAFキューイングしているため、呼量が増え新しい通信要求が増えてくるに従って、再送出許可待ちとなっている通信要求の通信機会を抑えており、システム側で公平に通信機会を与えていることがわかる。
(3) :図7のC図に、通信を完了するまでにかかった時間を示す。通信を完了するまでの待ち時間とは、各ユーザの通信所要時間が全て満たされた通信を完了するまでにかかった時間である。
手法1では、セッション通信時間規制が行われていないので、ユーザは一回のサービスで通信所要時間を全て満たすことになる。ここで、呼量がアクセスポイントの容量を超えるとユーザはほとんど全ての場合、通信するまでにキューイングされる事となり、通信放棄時間に達するユーザが多くなり、それらのユーザは通信を諦めるので通信放棄時間に近づいていく。
手法2では、セッション通信時間規制が行われているため、ユーザは通信所要時間を何回かにわけて満たすこととなるが、再送出許可のキューイングが行われるごとに最大で600秒の通信放棄時間までキューイングされるため、その時間が合計され、負荷がアクセスポイントの容量を超えるあたりで急激に増加する。しかし、さらに高負荷になると二度、三度と再送出許可される事がなくなるので通信を完了するまでの時間は減少する。
本発明の手法では、セッション通信時間規制が行われているため、手法2と同様に呼量が少なく負荷が低い時にはセッション通信時間規制の効果として通信を完了するまでの待ち時間が少なくなっている。また、呼量が増え負荷が高くなった時でも待ち時間が少なくなっているのは、HAFキューイングを行う事で、再送出の機会が抑えられ、通信放棄時間まで達してしまい通信を諦めるユーザが多くなり、全体として通信を完了するまでの待ち時間が少なくなっていると考えられる。
(4) :図7のD図に初めて通信するまでにかかった時間を示す。初めて通信するまでにかかった時間とは、ユーザが初めてサービスを受けるまでにかかった時間を意味し、再送出の間にかかった時間は考慮しない。
手法1では負荷が高くなるとキーイングされることが多くなり通信放棄時間の600秒に収束していくことがわかる。手法2では通信時間規制を行っているので呼量がアクセスポイントの容量を超えるまでは手法1に比べて初めて話すまでの待ち時間は減少している。
しかし、呼量がアクセスポイントの容量を超えると待ち時間は手法1とほとんど変わらず通信放棄時間の600秒に収束していくことがわかる。本発明の手法では、手法2と同様にセッション通信時間規制の効果があらわれており呼量がアクセスポイントの容量を超えるあたりまでは待ち時間はほぼ同様となっているが、これを超えてもHAFキューイングの効果により新しい通信要求の通信機会は確保され他の手法と比べて初めて通信するまでの時間が少なくなっていることがわかる。
(5) :図8のE図に、平均待ち通信要求数を示す。平均待ち通信要求数とは、再送出許可が受け付けられず待機状態にされている通信要求数の平均を表している。手法2では新しい通信要求と再送出された通信要求を平等に扱っているので送出許可されるまでの待ち時間が同等に扱われ待っている通信要求が多くなっていく。
本発明の手法ではHAFキューイングを行うことにより、呼量が増え新しい通信要求が多くなるにしたがって、再送出された通信要求が送出待ちとなることが多くなる。それらが、通信放棄時間に到達することが多くなり平均待ち通信要求が減少する。これは再送出されたユーザにとっては通信放棄時間まで待たせる事が多いことを示している。しかし、通信機会を全てのユーザに公平に与えるという面の公平性が高いものとなっているといえる。
§6:その他の説明
(1) :本発明では、災害時などの通信要求が急激に増大した際の輻輳問題に対して、高い可用性と公平性を保つためのセッションレベルの通信時間制限とそれに伴う再送出要求を含めた呼制御シーケンスとHAFキューイング方法(又は方式)を提案した。
そして、そのトラヒック特性をシミュレーションで調べた結果、本発明の方式が一回の通信時間が短く、再送出出来る回数も少なくなるが、多くのユーザに通信機会を与える事ができ、また、初めて通信するまでの待ち時間も減少させることができることがわかった。これらは、高い可用性と公平性を示すものである。
災害が発生した場合、安否確認等のため、例え短い時間でも通信できる事の要望は高いと考えられる。全てのユーザに公平に通信機会を与える事が求められる。本発明の方式はその一つの手段として有効であるということがいえる。
(2) :前記の説明では、地震等の災害時においては安否確認によるトラヒックが急増する場合の例について説明したが、本発明はこのような例に限らず、他の同様な場合にも同様に適用可能である。例えば、各種のイベントや行事等でトラヒックが急増する場合等にも同様に適用可能である。

本発明の原理説明図である。 実施の形態におけるシステムの説明図である。 実施の形態における管理サーバのブロック図である。 実施の形態における管理サーバの処理フローチャートである。 実施の形態におけるHAFキューイング方法の説明図(A図)及びシミュレーション条件の説明図(B図)である。 実施の形態における実験データの説明図(その1)であり、A図は一回でも通信できた通信要求、B図は通信回数の平均である。 実施の形態における実験データの説明図(その2)であり、C図は通信を完了するまでにかかった時間、D図は初めて通信するまでの時間である。 実施の形態における実験データの説明図(その3)であり、E図は平均待ち通信要求数である。 従来例1の説明図である。
符号の説明

1 管理サーバ
2 管理制御部
3 送出許可時間自動設定部
4 設定情報テーブル
5 タイマ
6 カウンタ
7 無線区間空き容量情報自動設定部

Claims (6)

  1. 無線IP電話端末によるアクセスポイントからのアクセスに対しセッションレベルでの受け付け制御を行い、無線IP電話に受け入れるIP電話のセッション数を管理する管理サーバを備えた無線IP電話システムの制御方法であって、
    前記アクセスによる通信要求があった時、前記管理サーバにより当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断し、空きがなければユーザに送出を待たせ、空きがある場合にのみ、予め決めた一定時間だけ送出を許可し、該一定時間経過後、通信を強制的に切断するセッション通信時間規制の制御を行うことを特徴とする無線IP電話システムの制御方法。
  2. 無線IP電話端末によるアクセスポイントからのアクセスに対しセッションレベルでの受け付け制御を行い、無線IP電話に受け入れるIP電話のセッション数を管理する管理サーバを備えた無線IP電話システムの制御方法であって、
    前記アクセスによる通信要求があった時、前記管理サーバにより当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断する第1の手順と、
    前記第1の手順で無線区間の容量に空きがないと判断した場合、送出許可はしないで、ユーザに送出を待たせる第2の手順と、
    前記第1の手順で無線区間の容量に空きがあると判断した場合、前記管理サーバにより、セッションレベルでの送出許可時間を制限する制御を行い、予め決めた送出許可時間だけ送出を許可し、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する制御を行う第3の手順とを備えていることを特徴とする無線IP電話システムの制御方法。
  3. 前記管理サーバにより、当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがなくて送出許可ができなかったアクセスを含め、再度、再送出要求を含めた呼制御シーケンスを実行することで、
    当該アクセスポイントの無線区間の容量に空きがあるか否かを判断する第4の手順と、 前記第4の手順で無線区間の容量に空きがあれば、予め定めた送出許可時間だけ送出を許可し、前記送出許可時間経過後、強制的に通信を切断する第5の手順と、
    前記第4の手順で無線区間の容量に空きがなくて、予め定めた通信放棄時間に達したら、システムから消失させる制御を行う第6の手順とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の無線IP電話システムの制御方法。
  4. 前記管理サーバにより、前記第4の手順で無線区間の容量に空きがあった場合、新しい通信要求があるか否かを判断する第7の手順と、
    前記第7の手順で新しい通信要求があれば、優先して新しい通信要求を受け付け送出を許可し、予め決めた送出許可時間だけ送出させ、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する第8の手順と、
    前記第7の手順で新しい通信要求がなければ、予め決めた送出許可時間だけ送出させ、該送出許可時間経過後、通信を強制的に切断する第9の手順とを含むHAFキューイング制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の無線IP電話システムの制御方法。
  5. 前記手順で通信を強制的に切断する際、前記管理サーバにより、通信を切断されたユーザには、直ちに次の通信機会を与えるメッセージを送ることで、ユーザはシステムが待ち状態として動作中であることを伝える制御を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の無線IP電話システムの制御方法。
  6. 前記手順で通信を強制的に切断する前に、前記管理サーバにより、警告音を出してユーザに通信の切断をすることを知らせる制御を行い、その後、通信を強制的に切断する制御を行うことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の無線IP電話システムの制御方法。
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JP2008219280A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 National Institute Of Information & Communication Technology 携帯ip電話輻輳制御方法

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