JP2006286617A - 薄膜電子源とその製造方法および薄膜電子源を用いた画像表示装置 - Google Patents

薄膜電子源とその製造方法および薄膜電子源を用いた画像表示装置 Download PDF

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太久夫 田村
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一史 宮田
Kazuhiro Fukuchi
一浩 福地
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Abstract

【課題】陽極酸化膜中の欠陥を低減し、高信頼性かつ長寿命の薄膜電子源とこの薄膜電
子源を用いた画像表示装置を提供する。
【解決手段】絶縁基板10上に第1の電極11と絶縁層12と第2の電極13とをこの
順に積層してなる薄膜電子源の上記絶縁層12を陽極酸化法によって形成し、該絶縁層中
に存在する欠陥数を3×1019個/cm3以下とした。
【選択図】図10

Description

本発明は、薄膜電子源とその製造方法およびこの薄膜電子源を用いた画像表示装置に関する。
薄膜電子源とは、電子源の一種であって、上部電極−電子加速層−下部電極の3種の薄膜を積層した基本構造を有する。この電子源は、上部電極と下部電極との間に電圧を印加して、上部電極の表面から真空中に電子を放出させる。
このような積層構造として、例えば、金属―絶縁体―金属を積層したMIM(Metal-Insulator-Metal)型構造、金属―絶縁体―半導体を積層したMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型構造、金属―絶縁体―半導体−金属型構造等がある。MIM型構造は、例えば特許文献1に開示され、金属―絶縁体―半導体型構造は、非特許文献1などに記載のMOS型構造として知られる。また、金属―絶縁体―半導体−金属型構造として、非特許文献2などに記載のHEED(高効率電子放出素子)、非特許文献3などに記載のEL薄膜(エレクトロルミネセンス薄膜)を半導体として用いた構造、及び非特許文献4などに記載のポーラスシリコンを半導体として用いた構造が報告されている。
薄膜電子源の動作原理を、MIM型構造を有する電子源(以下、MIM型薄膜電子源)を例に図1を用いて説明する。図1は、MIM型薄膜電子源の動作原理の説明図である。MIM型の薄膜電子源は、ガラス等の絶縁基板上に形成された第1の電極(以下、下部電極)11、下部電極11上に形成された絶縁層(電子加速層とも記される)12、及び絶縁層12を覆う第2の電極(以下、上部電極)13を備える。上部電極13と下部電極11との間に駆動電圧Vdを印加して、電子加速層である絶縁層12内に1〜10MV/cm程度の電界を発生させると、下部電極11中のフェルミ準位近傍の電子はトンネル現象により障壁を透過し、電子加速層12、上部電極13の伝導帯へ注入されてホットエレクトロンとなる。
これらのホットエレクトロンは電子加速層である絶縁層12及び上部電極13の内部で散乱されてエネルギーを損失するが、上部電極13の仕事関数φ以上のエネルギーを有する一部のホットエレクトロンは、真空20中に放出される。
他の薄膜電子源も、上述した積層構造で電子を加速し、当該積層構造を成す薄い上部電極(例えば、金属層)を通して真空中に電子を放出する点でMIM型薄膜電子源と共通している。このような薄膜電子源を、複数本の上部電極と、複数本の下部電極とを互いに交差(例えば、直交)させて、複数箇所にマトリクス状に配置すると、上部電極と下部電極とが交差する任意の場所から電子線を発生させることができる。従って、斯様な薄膜電子源のマトリクス状配置は、画像表示装置等に応用できる。
これまで、Au(金)−Al23(アルミナ)−Al(アルミニウム)の積層構造から成るMIM(Metal-Insulator-Metal)構造などで、電子放出が観測されている。複数の薄膜電子源を二次元的に配置して成る薄膜電子源アレイでは、各々の電子源に薄い上部電極を用いるため、これを画像表示装置などに適用するためには、通常、薄膜電子源の上部電極の給電線となる上部バス電極が薄膜電子源アレイに付加される。
特開平7−65710号公報 特開平10−294470号公報 K. Yokoo, et al, "Emission characteristics of metal-oxide-semiconductor electron tunneling cathode," J. Vac. Sci. Technol. B11 (2) pages 429-432 (1993) N. Negishi et al, "High Efficiency Electron-Emission in Pt/SiOx/Si/Al Structure," Jpn. J. Appl. Phys. vol. 36, Part 2, No. 7B, pages L939-L941 (1997) 岡本信治,「EL薄膜からの電子放出−薄膜冷陰極−」,応用物理,第63巻,第6号,592頁乃至595頁(1994年) 越田信義,「ポーラスシリコンの発光 −間接・直接遷移の枠を超えて−」,応用物理,第66巻,第5号,437頁乃至443頁(1997年)
上述した薄膜電子源の電子加速層である絶縁層として、陽極酸化膜が用いられる。薄膜電子源の下部電極(第1の電極)は、アルミニウム、又はアルミニウム合金により形成される。上記陽極酸化膜は、主として有機溶剤を含む溶液(化成溶液とも記される)に当該下部電極を浸すことにより形成される。そのため、生成された陽極酸化膜中には炭素などの不純物が混入する。陽極酸化膜に混入した不純物は、当該陽極酸化膜中で欠陥を形成する。このような欠陥の多い陽極酸化膜を電子加速層に用いると、電子加速層の絶縁性が損なわれるだけではなく、電子加速層に生じた欠陥部に電荷が注入されることにより、電子源の信頼性を損ね、さらには当該電子源の寿命劣化の原因となる。なお、特許文献2では、絶縁ゲイト型電界効果トランジスタのゲイト電極を覆う陽極酸化膜中の不純物の低減と、これによる当該電界効果トランジスタのターンオフ電流の低減とが論じられている。しかし、特許文献2は陽極酸化膜の絶縁性を論じるに留まり、上述した薄膜電子源の電子加速層としての陽極酸化膜の課題を示唆するに到らない。
本発明の目的は、陽極酸化膜中の欠陥を低減し、高信頼性かつ長寿命の薄膜電子源とこの薄膜電子源を用いた画像表示装置を提供することにある。
本発明の薄膜電子源は、絶縁基板上に第1の電極と、絶縁層と、第2の電極とをこの順に積層して成り、その上記絶縁層を陽極酸化法によって形成し、該絶縁層中に存在する欠陥数を3×1019個/cm3以下に抑えた。また、上記絶縁層は、5nmから15nmの厚さで形成するとよい。
本発明の薄膜電子源の製造方法は、絶縁基板上にアルミニウムもしくはアルミニウム合金層を成膜して第1の電極を形成し、第1の電極を次の条件で陽極酸化して、第1電極上に絶縁層を形成する。その条件は、第1電極、及び当該第1電極とともに上述した溶液(化成溶液)に浸漬される電極との間に電圧を印加する工程(陽極酸化工程)にて、当該電圧を0.15V/分以下の速度(昇圧速度)で上げる。上記電極間の印加電圧(化成電圧とも記される)を上昇させる過程にて、当該電極間に生じる電流の密度は0.01mA/cm2以下に抑え、この過程で当該印加電圧が到達する電圧値を3Vから9Vまでの範囲に設定する。
本発明の画像表示装置は、背面基板(画像表示パネルの背面を構成する)と前面基板(画像表示パネルの前面を構成する)、および背面基板と前面基板の周縁に介在して当該背面基板と当該前面基板とを所定間隔で対向させ且つこれらの間に形成される内部空間を所定の減圧状態(真空状態)に封止する枠(封止枠)とを備えている。背面基板は、絶縁基板上に一方向に延在し該一方向と交差する(例えば、直交する)他方向に並設され且つ該他方向に走査信号が順次印加される複数の走査信号配線と、上記他方向に延在し走査信号配線と交差する如く上記一方向に並設された複数の画像信号配線と、走査信号配線と前記画像信号配線との交差部毎に設けられた薄膜電子源と、走査信号配線に接続して前記薄膜電子源に電流を供給する給電電極とを有する。
この画像表示装置において、上記薄膜電子源は、例えば、上記下部電極(第1の電極)として機能する上記画像信号配線の上に積層され且つその電子放出領域となる一部分が他の部分より薄い薄膜部分(所謂電子源開口)を成す絶縁層と、走査信号配線に接続して上記薄膜部分を含む絶縁膜を被覆する上部電極(第2の電極)とを備える。この絶縁層は陽極酸化法によって形成され、その中に存在する欠陥数は3×1019個/cm3以下である。上記絶縁層は、5nmから15nmの厚さで形成される。
薄膜電子源の電子加速層を構成する絶縁層中の欠陥数が3×1019個/cm3以下であると、当該絶縁層での漏れ電流が低減し、高信頼性かつ長寿命の薄膜電子源や、これを備えた画像表示装置が実現される。
以下、本発明の実施の形態につき、実施例の図面を参照して詳細に説明する。
図2乃至図10の各々は、本発明の薄膜電子源の製法に係る要部平面図と要部断面図とを示す。図3は図2に続く工程での、図4は図3に続く工程での、・・・図10は図9に続く工程での、薄膜電子源やその形成途上における絶縁基板10の主面内での形状(平面構造)及び当該絶縁基板10の主面上での積層形状(断面構造)を夫々示す。はじめに、ガラスを好適とする絶縁基板10上に下部電極(第1の電極)用の金属膜を成膜する。下部電極の材料としては、その陽極酸化により良質の絶縁膜が形成できるアルミニウム(Al)やAl合金を用いる。本実施例では、下部電極層(図2の参照番号11,パターニング前)の材料として、ネオジウム(Nd)を2原子量%ドープしたAl−Nd合金を用いた。その成膜には、例えば、スパッタリング法を用いる。その膜厚は300nmとする(図2)。
Al−Nd合金の成膜後、ホト工程、エッチング工程によりAl−Nd合金膜(下部電極層)をパターニングして、ストライプ状の下部電極11を形成する。Al−Nd合金成膜のエッチングは、例えば燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液を用いたウェットエッチングで行われる(図3)。
次に、下部電極11(Al−Nd合金膜)の陽極酸化(陽極化成)により、その表面における電子放出部を制限し且つ当該下部電極11のエッジへの電界集中を防止する保護絶縁層14を形成し、その後、電子加速層である絶縁層12を形成する。まず、下部電極11上の電子放出部となる部分をレジスト膜25でマスクし、その表面の電子放出部とならない領域(下部電極の他の部分)を選択的に厚く陽極酸化して、保護絶縁層14を形成する(図4)。化成電圧を100Vとすれば、厚さ約140nmの保護絶縁層14が形成される。
次に、レジスト膜25を除去し、下部電極11の陽極酸化されていない残りの表面を陽極酸化する。この陽極酸化工程における化成電圧を、例えば6Vとすれば、下部電極11上に厚さ約10nmの電子加速層12(陽極酸化膜)が形成される(図5)。次に、保護絶縁層14や電子加速層(絶縁層12)の内部、又は電子加速層表面に存在する水分、不純物を昇華脱離させるために加熱処理を行う。
本実施例の薄膜電子源では、電子加速層である絶縁層12内にかかる電界強度が1〜10MV/cm程度である。電子加速層の膜厚を薄くした場合、これを挟む下部電極11及び上部電極13の間に印加される電圧を下げることが必要である。しかし、この印加電圧の下降に伴い、上部電極13の仕事関数φ以上のエネルギーを持って真空20中に放出されるホットエレクトロンの量が減少することになる。そのため、電子加速層(絶縁層)12の膜厚が過剰に薄くなると、これを備えた薄膜電子源は高効率な電子放出の役割を果たし難くなる。
一方、電子加速層の膜厚を厚くすると、下部電極11と上部電極13との間の印加電圧を上昇させることによって、必要な電界強度を得ることが可能である。この印加電圧の上昇に伴い、上部電極13の仕事関数φ以上のエネルギーを持つホットエレクトロンの量は増大することになるが、電子加速層(絶縁層)12の膜厚増加に伴い、これを通過する電子がこの中で散乱される量も増大してしまう。そのため、電子加速層(絶縁層)12の膜厚が過剰に厚くなるときも、これを備えた薄膜電子源は高効率な電子放出の役割を果たし難くなる。
従って、上記薄膜電子源の電子加速層(絶縁層12)の膜厚には最適な範囲が存在することになり、この膜厚範囲は5nm〜15nmであれば、当該薄膜電子源が高効率な電子源としての役割を果たすことが実験的に判明した。なお本実施例では絶縁層12を10nmの膜厚で形成した。下部電極11の陽極酸化により、その表面に膜厚:10nmの絶縁層12を形成するためには、当該陽極酸化おける化成電圧を6Vとすればよい。また、斯様な陽極酸化で、厚さ5nmの絶縁層12を形成するときは、当該化成電圧を3Vとし、厚さ15nmの絶縁層12を形成するときは、当該化成電圧を9Vとすることが推奨される。
図14は、本発明の実施例における薄膜電子源に用いる陽極酸化膜の化成プロファイルを示す図である。薄膜電子源の陽極酸化膜は、例えば、下部電極(第1電極)11、及び当該下部電極11とは異なる電極とを、化成溶液と呼ばれる液体に浸漬し、これらの電極間に電圧を印加することにより形成される。この「下部電極11とは異なる電極」とは、例えば、下部電極11が設けられた基材(絶縁基板10)に設けられない、言わば当該基材からみて外部電極として構成され、「陽極化成用陰極」とも呼ばれる。図14を参照して以降に論じられる電圧や電流(電流密度)は、下部電極(第1電極)11の陽極酸化において、この化成電極と当該下部電極11との間(以下、電極間)に印加され、又は流れるものであって、以下の説明にて、「電極間電圧」、又は「電極間電流」として夫々参照される。
図14において、一点鎖線51は、上記電極間電流の変化を、実線52は当該電極間電圧の変化を示す。時刻0分から点線55で示される時刻tに至るt分の間、上記電極間電圧52は点線53で示される所定の電圧(陽極化成電圧)に向けて上昇する一方、当該電極間電流51は点線54で示される一定の電流密度(酸化電流)に保たれる。電圧52の上昇は、時刻0分に開始され、時刻t分で陽極化成電圧(点線53)に到達することにより終了する。このt分の期間は、電極間電流51が一定に保たれることから、「定電流領域」とも呼ばれる。点線55で示される時刻(t)以降の期間において、電極間の電圧52は一定に保たれるため、この期間は「定電圧領域」とも呼ばれる。換言すれば、「定電圧領域」の期間にて、陽極化成用陰極と下部電極11(陽極酸化膜が形成される電極)との間には、上述した陽極化成電圧が印加される。「定電流領域」の期間にて一定に保たれた上記電極間の電流(電流密度)は、「定電圧領域」の期間の開始後、徐々に低下する。
図15は、本発明の実施例で作製した薄膜電子源の試料における上記絶縁層(電子加速層)12の陽極酸化条件を一覧した図である。4種類の試料における絶縁層12の陽極酸化条件(下部電極11の陽極酸化条件)は、次の条件A〜Dとして示されるが如く、互いに異なる。
条件A・・上記電極間電流密度:0.001mA/cm2、上記電極間電流密度の増加率:0.02V/分
条件B・・上記電極間電流密度:0.003mA/cm2、上記電極間電流密度の増加率:0.06V/分
条件C・・上記電極間電流密度:0.010mA/cm2、上記電極間電流密度の増加率:0.2V/分
条件D・・上記電極間電流密度:0.100mA/cm2、上記電極間電流密度の増加率:2V/分
これらの条件A、B、C、Dを図15に示した。
下部電極11の表面に形成された保護絶縁層14や電子加速層(絶縁層12)の内部、又は当該電子加速層の表面に存在する水分や不純物は、これらが形成された絶縁基板10の加熱処理で昇華脱離される。この加熱処理の図面による説明は割愛されているが、例えば、熱風ベーク炉、ホットプレート、及び赤外線ベーク炉などの加熱手段により行われる。また、加熱温度は、例えば150〜200℃の範囲で設定される。
次に、保護絶縁層14並びに電子加速層(絶縁層)12、及びこれらが形成された絶縁基板10の主面を覆うように第2保護絶縁層15、第1の金属層(上部バス電極)26、及び第2の金属層27を例えばスパッタリング法により順次成膜する。第2保護絶縁層15には、後述の工程で、上述した薄膜電子源の電子加速層12を露出するコンタクトホール(開口)が形成される。第2保護絶縁層15上に順次積層された第1の金属層26及び第2の金属層27は、後述の工程で上述した薄膜電子源の上部電極(第2の電極)13への給電線となる所謂上部バス電極膜に成形される。第2保護絶縁層15は、Si窒化物を用いて、膜厚100nmで形成した。
この第2保護絶縁層15は、陽極酸化で形成された保護絶縁層14にピンホールが生じた時、これを埋め、下部電極11と上部バス電極間の絶縁を保つ。第1の金属層(後述の上部バス電極)26の材料としてクロム(Cr)を、第2の金属層27の材料としてAl−Nd合金を夫々用いた。第1の金属層26の材料としては他にモリブデン(Mo)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ニオブ(Nb)などが、第2の金属層27の材料としては他にAl、銅(Cu)、Cr、Cr合金等が、夫々適用可能である。第1の金属層26は数10nmの膜厚で、第2の金属層27は数μmの膜厚で、夫々形成される(図6)。
続いて、ホトエッチング工程により第2の金属層27、及び第1の金属層26を、順次下部電極11(その延伸方向)と交差する(例えば、直交する)方向に延在する複数の線状パターンに成形する。下部電極11は、図3や図4の平面図に、縦方向に延在し且つ横方向に並設された複数のパターン(ストライプ)として示される。図6の平面図に示されるように、第2保護絶縁層15上に所謂ベタパターンとして形成された第1の金属層26及び第2の金属層27は、図7にて第2の金属層27が、図8にて第1の金属層26が、夫々横方向に延在し且つ縦方向に並設された複数のパターン(ストライプ)に成形される。第1の金属層26及び第2の金属層27は、エッチング溶液(エッチャント)を用いた湿式エッチングで図7及び図8に示すように成形される。エッチャントには、第1の金属層26のCrのエッチングに硝酸アンモニウムセリウム水溶液等を、第2の金属層27のAl−Nd合金のエッチングに、燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液等を夫々用いた(図7、図8)。
次に、第2保護絶縁層15のSiNをドライエッチングし、電子放出部を開口する(図9)。最後に、上部電極13の成膜を行う。この成膜には、例えばスパッタ成膜法を用いる。上部電極13は、例えばイリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)を順次積層して成る膜厚数nmの積層膜として形成される。本実施例では、当該積層膜の膜厚を5nmとした。成膜された薄い上部電極13は、第1の金属層26のCr膜、および第2の金属層27のAl−Nd膜と接触し、これらから成る上部バス電極膜から給電される構造となる(図10)。
図16は、本発明の実施例で作製した薄膜電子源の欠陥密度を測定する熱刺激電流測定装置の概略図である。そして、図17(a)は、図16に示される測定装置で観察される一般的な欠陥準位―欠陥密度のグラフを示し、図17(b)は本発明の実施例で作製した上述の4種類の薄膜電子源の試料(条件A〜D)を測定した結果を示す表である。図16において、真空チャンバー70内に設置した試料台71に試料72として、上述したプロセスで作製された薄膜電子源を置く。真空チャンバー70内は、真空ポンプ73で真空引きされる。また、図16に示される測定装置には、試料台71及び試料72を加熱する加熱装置75と冷却する冷却装置76とが設けてある。
真空チャンバー70内を加熱装置75で加熱して薄膜電子源(試料72)を熱刺激し、そのときの薄膜電子源における電流の変化を微小電流計74で測定する。薄膜電子源の陽極酸化膜の欠陥は、この電流の変化で評価される。即ち、陽極酸化膜の欠陥は、その欠陥準位における欠陥密度の値として、図17(a)の如く評価される。図17(b)は、上述した成膜条件A、B、C、Dで作製した4種類の薄膜電子源における欠陥密度を夫々示す。この結果から、成膜条件A、Bで作製した薄膜電子源は成膜条件C、Dで作製した薄膜電子源に比べて欠陥密度が大幅に小さいことが分る。
図18は、本発明の実施例で作製した薄膜電子源の寿命を測定する寿命評価装置の概略図である。薄膜電子源の寿命は、薄膜電子源の実際の駆動(画像表示動作)に用いる信号を薄膜電子源に印加して、当該薄膜電子源の電流変化を測定して評価される。図18において、薄膜電子源80に信号発生器81からパルス(駆動信号)が印加される。そのときに薄膜電子源に生じる電流を電流/電圧変換器82を通してオシロスコープ83で観察すると共に、パソコン84等に記録する。
一般的に、画像表示デバイスに用いる素子(電子源)としての薄膜電子源には、10000時間程度、またはそれ以上の寿命が要求される。薄膜電子源の寿命は、例えば上述したその測定において、当該薄膜電子源に生じる電流が、その初期電流(当該測定開始時に測定される)の50%以下となるまでの期間として定義される。本発明による画像表示装置の寿命測定では、その薄膜電子源に、0V〜10Vの範囲の電圧と約100μsec.(マイクロ秒)の時間幅を有するパルスを一秒間あたり60回繰り返して印加される。
本実施例での薄膜電子源(画像表示装置)の寿命評価試験では、当該パルスの電圧を、寿命評価の条件としては最も厳しい10Vに設定し、このパルスを連続的に薄膜電子源に印加した。本実施例での薄膜電子源の寿命測定は、その測定前(上記パルスの薄膜電子源への印加前)、及びその測定開始(当該パルスの薄膜電子源への連続印加の開始)から1時間後、10時間後、1000時間後、並びに1500時間後に当該薄膜電子源に流れる電流値を計測し、その初期電流値(当該測定前に計測された電流値)から当該計測された電流値を引いて電流減少値を算出する。薄膜電子源の寿命は、これらの電流減少値(例えば、上記測定前にて0V)を電圧印加時間に対して外挿して算出される上記測定開始から10000時間後の推定電流値として評価される。このようにして算出された薄膜電子源の10000時間の連続動作後における推定電流値が初期電流の50%以上であるものを良好な薄膜電子源と定義する。
4種類の薄膜電子源の各試料の寿命評価結果を図19に示す。図19から、条件A,Bで作製された試料は10000時間以上の寿命を達成することができたが、これらより欠陥密度の高い条件C,Dで作製された試料は10000時間の寿命を達成できなかった。
本発明で作製した薄膜電子源では、その電子加速層(電極間に挿入される)の薄膜中の欠陥量を低減することにより、その長寿命化、即ちその長期間に亘る良好な電子放出特性が実現された。
本実施例では、上述した薄膜電子源をマトリクス状に配置した薄膜電子源アレイ基板(背面基板)を用いて構成された画像表示装置(本発明による表示装置)と、その製造方法とが説明される。この画像表示装置は、実施例1に記した如き製造工程で得られた背面基板、即ち図10に示される薄膜電子源アレイ基板(図10)と、図11を参照して後述されるその主面に蛍光面および陽極が形成された蛍光面基板(以降、前面基板)とをスペーサを介し貼り合わせて形成される。
図11は、本発明の薄膜型電子源を用いた表示装置に用いられる前面基板を示す図である。前面基板の作製は以下のように行う。基板110には透光性のガラスなどを用いる。まず、画像表示装置で表示される画像のコントラストを上げる目的で、基板110の主面にブラックマトリクス120を形成する。ブラックマトリクス120は、PVA(ポリビニルアルコール)と重クロム酸ナトリウムとを混合した溶液を基板110に塗布し、その塗布物のブラックマトリクス120を形成したい部分以外に紫外線を照射して感光させた後、未感光部分を除去する。このようにしてPVAのパターンが形成された基板110の主面に黒鉛粉末を溶かした溶液を塗布し、PVAのパターンをリフトオフすることによりブラックマトリクス120が形成される。
次に、赤色蛍光体層111を形成する。この蛍光体層は、蛍光体粒子にPVA(ポリビニルアルコール)と重クロム酸アンモニウムとを混合した水溶液を基板110上に塗布した後、当該蛍光体層を形成する部分に紫外線を照射して感光させ、未感光部分を流水で除去する。このようにして赤色蛍光体層111をパターン化する。赤色蛍光体層111のパターンは図11に示したようなストライプ状に形成される。同様にして、緑色蛍光体層112と青色蛍光体層113を形成する。これらの蛍光体層形成に用いられる蛍光体として、例えば赤色蛍光体層111にはY22S:Eu(P22−R)が、緑色蛍光体層112にはZnS:Cu,Al(P22−G)が、青色蛍光体層113にはZnS:Ag,Cl(P22−B)が推奨される。
次いで、上述したブラックマトリクス120及び蛍光体層111,112,113が形成された基板110の主面にニトロセルロースなどの膜によるフィルミングを施した後、基板110の主面全体にAlを,膜厚75nm程度で蒸着してメタルバック114を形成する。このメタルバック114が薄膜電子源(背面基板)から放出される電子を加速する加速電極、すなわち陽極となる。その後、基板110を大気中400℃程度に加熱して、フィルミング膜やPVAなどの有機物を加熱分解する。このようにして、表示側基板(前面基板)が完成する。なお、以降に論じる前面基板110及び背面基板10は、その基材である絶縁基板10、110のみならず、これらの主面に形成された薄膜等の構造物を含む。
このようにして作製した前面基板110と背面基板10とをスペーサ40を介し、夫々の周囲に配置された枠116を、フリットガラス115を用いて夫々の主面に封着する。この封着工程は、フリットガラスのペースト中に含まれる有機物のバインダを飛ばすため、またその雰囲気のガス置換などの設備や工程を省いて画像表示装置の生産コストを低減するため、大気中で行う。
図12は、本発明の薄膜電子源を用いた画像表示装置の断面を示す図である。この画像表示装置(以下、表示パネルとも記す)は、例えば、図10に示される背面基板の主面と図11に示される前面基板の主面とを、夫々におけるA−A’線同士、及びB−B’線同士を互いに合わせて対向させ、当該主面同士を上述した封着工程にて貼り合わせる。図12には、斯様にして貼り合わせた表示パネルのA−A'断面、及びB−B'断面に相当する部分を示す。前面基板110と背面基板10との間の距離は1〜5mm程度になるようにスペーサ40の高さは設定される。図12では、説明のため、R(赤)、G(緑)、B(青)に発光する蛍光体ドット毎にスペーサ40を立てているが、表示パネルの機械強度が耐える範囲でスペーサ40の枚数(設置密度)を減らしてもよい。例えば、スペーサは複数のドット毎に、大体1cm程度置きに立ててもよい。封着したパネルは、その背面基板10の主面と前面基板110の主面との間に形成された「空間」が10-7Torr程度の真空に排気された状態で、封じきられる。図13に、本発明による薄膜電子源を用いた画像表示装置の製造プロセス全体をまとめて示した。
表示パネルの真空封じ後、上述した「空間」に予め配置されたゲッター(ゲッター材)を活性化し、当該表示パネル内の真空を維持する。例えば、バリウム(Ba)を主成分とするゲッター材の場合、その高周波誘導加熱等によりゲッター膜を形成できる。また、ゲッター材として、ジルコニウム(Zr)を主成分とする非蒸発型ゲッターを用いてもよい。
本実施例の表示パネルでは、前面基板110と背面基板10とが、1〜5mm程度の比較的長い距離で隔てられるため、メタルバック114に印加する加速電圧を3〜6KVと比較的高い電圧に設定できる。したがって、本実施例の表示パネルの蛍光体層には、上述のように陰極線管(CRT)用の蛍光体を使用できる。
図20は、本発明の実施例2で作製した薄膜電子源を用いた画像表示装置の寿命を測定する寿命評価装置の概略図である。実施例1と同様に、画像表示装置(その薄膜電子源)の寿命は、薄膜電子源に、その実際の駆動(画像表示動作)に用いられ又はこれに類似する信号を印加したときの画像表示装置の輝度変化を測定した結果を以って評価される。すなわち、画像表示装置90に対して信号発生器91からパルスを印加し、輝度計観察部92と輝度計93で輝度を計測する。この計測結果は、パーソナルコンピュータ94等に記録される。
本実施例における画像表示装置の寿命評価は、実施例1で説明した薄膜電子源の寿命評価と同様に、その輝度が初期輝度の50%となった時点を画像表示装置の寿命と定義する。この初期輝度は、以下に述べる画像表示装置の寿命測定工程にて、当該工程が開始される前の画像表示装置の(例えば、その表示画面における)輝度として定義される。
本発明による画像表示装置の寿命測定では、上記信号発生器91から当該画像表示装置90に、0V〜10Vの範囲の電圧と約100μsec.の時間幅を有するパルスが一秒間あたり60回繰り返して印加される。本実施例では、当該パルスの電圧を、画像表示装置の寿命評価の条件としては最も厳しい10Vに設定し、このパルスを連続的に画像表示装置に印加した。本実施例での画像表示装置の寿命測定は、その測定前(それへの上記パルスの印加前)と、及びその測定開始(それへの当該パルスの連続印加の開始)から1時間後、10時間後、1000時間後、並びに1500時間後との各時点における当該画像表示装置90の(例えば、その表示画面における)輝度を計測し、その初期輝度から当該計測された輝度を引いて輝度減少値を算出する。
画像表示装置の寿命は、これらの輝度減少値(例えば、上記測定前にて0cd/cm2,cd:カンデラ)を当該画像表示装置への電圧印加時間(上記パルスの連続印加期間)に対して外挿して算出される上記測定開始から10000時間後の推定輝度として評価される。このようにして算出された画像表示装置の10000時間の連続動作後における推定輝度が初期輝度の50%以上であるものを良好な薄膜電子源と定義する。
実施例1で説明された互いに異なる条件(陽極酸化条件)で形成された電子加速層12を夫々有する4種類の薄膜電子源のいずれかを各々備えた画像表示装置(試料)に関し、これらの寿命評価結果を図21に示す。図21から、上記条件A,Bで作製された薄膜電子源を備える画像表示装置は10000時間以上の寿命を達成することができたが、上記条件C,Dで作製され且つ条件A,Bによる電子源より欠陥密度の高い薄膜電子源を備える画像表示装置は10000時間の寿命を達成できなかった。
本発明で作製した薄膜電子源を用いた画像表示装置では、当該薄膜電子源をなす薄膜(例えば、電極間に挿入される電子加速層)中の欠陥量を積極的に低減することにより、その長寿命化、即ちその長期間に亘る良好な画像表示品質の維持が実現された。
なお、本発明者らは、実施例1に述べた薄膜電子源、及び実施例2に述べた当該薄膜電子源を備えた画像表示装置の夫々の特性を更に向上すべく、当該薄膜電子源にて一対の電極間に挿入される絶縁層(電子加速層)12の検討を続けた。本発明者らは、当該絶縁層(以下、電子加速層)を当該一対の電極の一方を用いた陽極酸化工程で形成するとき、これに生じる欠陥の密度が、当該陽極酸化工程の開始時における化成電圧の上昇期間(上述した定電流領域)における「化成電圧の増分」及び「電流密度」の少なくとも一方を実施例1で述べた条件Aより低く抑えることで、更に低減されることを見出した。また、当該化成電圧の上昇期間にて、「化成電圧の増分」や「電流密度」の変動(誤差)を抑えることも電子加速層における欠陥密度の低減に有効であることも見出された。本発明者らは、斯様な陽極酸化条件の更なる調整で、電子加速層(陽極酸化膜)の欠陥密度が6×1017個/cm3まで低減できることを確認した。
陽極酸化で形成される当該電子加速層の欠陥密度を、この測定値より更に下げるには、上述した陽極酸化条件の他に、化成溶液の選定や陽極酸化後の電子加速層の熱処理等を検討することが推奨される。換言すれば、本発明による薄膜電子源の製造方法は、化成溶液の種類や電子加速層の熱処理条件に関係なく、その電子加速層の欠陥密度を少なくとも上述した測定値(6×1017個/cm3)まで低減させる。
薄膜電子源の電子加速層における欠陥密度は、これを用いた画像表示装置の産業的な利用価値からして、3×1019個/cm3以下であればよい。また、その値を更に8×1017個/cm3以下に抑えられれば、薄膜電子源の寿命は50000時間以上に延びると見積もられる。
薄膜電子源の動作原理を示す図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図2に続く図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図3に続く図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図4に続く図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図5に続く図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図6に続く図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図7に続く図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図8に続く図である。 本発明の薄膜電子源の製造方法を示す図9に続く図である。 本発明の薄膜電子源を用いた画像表示装置の前面基板を示す図である。 本発明の薄膜電子源を用いた表示装置の断面を示す図である。 本発明の画像表示装置の製造プロセスの全体をまとめて示す図である。 本発明の薄膜電子源に用いる陽極酸化膜の陽極酸化プロファイルを示す図である。 本発明の実施例で作製した薄膜電子源試料の陽極酸化条件を一覧にした図である。 本発明の実施例で作製した薄膜電子源の欠陥密度を測定する熱刺激電流測定装置概略図である。 図16の測定装置で観察される一般的な欠陥準位―欠陥密度グラフ(a)と本発明の実施例で作製した薄膜電子源試料を測定した結果を示す表(b)である。 薄膜電子源の寿命を評価する装置構成を示す図である。 本実施例で作製した薄膜電子源の駆動時間−電流の関係を示すグラフである;。 薄膜電子源を用いた画像表示装置の寿命を評価する装置構成を示す図である。 実施例1で作製した薄膜電子源を用いた画像表示装置の駆動時間−輝度の関係を示すグラフである。
符号の説明
10・・・絶縁基板、
11・・・第1の電極(下部電極)、
12・・・絶縁層(電子加速層)、
13・・・第2の電極(上部電極)、
14・・・保護絶縁層、
15・・・第2保護絶縁層、
20・・・真空、
25・・・レジスト膜、
26・・・第1の金属層(上部バス電極)、
27・・・第2の金属層(上部バス電極)、
40・・・スペーサ、
110・・・面板、
111・・・赤色蛍光体、
112・・・緑色蛍光体、
113・・・青色蛍光体、
114・・・メタルバック、
115・・・フリットガラス、
116・・・枠。

Claims (12)

  1. 絶縁基板上に第1の電極と絶縁層と第2の電極とがこの順に積層された構造を有する薄膜電子源であって、
    前記絶縁層は陽極酸化法によって形成され、前記絶縁層中に存在する欠陥数が3×1019個/cm3以下であることを特徴とする薄膜電子源。
  2. 前記絶縁層の厚さが5nmから15nmであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜電子源。
  3. 前記第1の電極を構成する材料が、アルミニウムもしくはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜電子源。
  4. 前記絶縁層が陽極酸化法で得られるアルミニウムを含む酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜電子源。
  5. 前記第2の電極を構成する材料が、イリジウム、白金、金,銀,ニッケル膜もしくはこれらの2種以上の積層膜であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜電子源。
  6. 絶縁基板上に第1の電極と絶縁層と第2の電極とをこの順に積層した構造を有する薄膜電子源の製造方法であって、
    前記絶縁基板上にアルミニウムもしくはアルミニウム合金層を成膜して前記第1の電極を形成し、
    前記第1の電極に、電流密度0.01mA/cm2以下、且つ電圧昇圧速度0.15V/分以下であり、到達電圧が3Vから9Vである電界印加条件で陽極酸化して前記絶縁層を形成し、
    前記絶縁層を覆って前記第2の電極を形成することを特徴とする薄膜電子源の製造方法。
  7. 前記第2の電極として、イリジウム、白金、金,銀,ニッケル膜もしくはこれらの2種以上の積層膜を成膜することを特徴とする請求項6に記載の薄膜電子源の製造方法。
  8. 背面基板と前面基板、および前記背面基板と前記前面基板の周縁に介在して当該背面基板と前面基板が所定間隔で対向して形成する内部空間を所定の真空状態に封止する封止枠とを備えた画像表示装置であって、
    前記背面基板は、絶縁基板上に一方向に延在し該一方向と直交する他方向に並設されて前記他方向に走査信号が順次印加される複数の走査信号配線と、
    前記他方向に延在し前記走査信号配線に交差する如く前記一方向に並設された複数の画像信号配線と、
    前記走査信号配線と前記画像信号配線の各交差部に設けられた薄膜電子源と、
    前記走査信号配線に接続して前記薄膜電子源に電流を供給する給電電極とを形成した背面基板を有し、
    前記薄膜電子源は、下部電極となる第1の電極である前記画像信号配線の上に積層されて、電子放出領域となる薄膜部分を一部に有して電子源開口を形成する絶縁膜と、前記走査信号配線に接続して前記薄膜部分を含む前記絶縁膜を被覆する上部電極となる第2の電極から構成され、
    前記絶縁層は陽極酸化法によって形成され、前記絶縁層中に存在する欠陥数が3×1019個/cm3以下であることを特徴とする画像表示装置。
  9. 前記絶縁層の厚さが5nmから15nmであることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
  10. 前記第1の電極を構成する材料が、アルミニウムもしくはアルミニウム合金であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
  11. 前記絶縁層が陽極酸化法で得られるアルミニウムを含む酸化物であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
  12. 前記第2の電極を構成する材料が、イリジウム、白金、金,銀,ニッケル膜もしくはこれらの2種以上の積層膜であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。

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