JP2006286506A - 電気コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロックが確実で長期にわたりロック機能を確保できるロック機構を有するコネクタを提供することを目的とする。
【解決手段】 ハウジング5に取りつけられた金属板6が相手コネクタ11との嵌合面を形成し、該金属板6の嵌合面の一部に曲状の有端な切り溝7を形成することによって、梁状の弾性梁部9を形成し、該弾性梁部9に相手コネクタ11との嵌合時のロック部10が形成されていることとする電気コネクタにおいて、曲状の切り溝7は、コネクタの嵌合方向で弾性梁部9の自由端が相手コネクタ11側に位置し基部がその反対側でコネクタの嵌合深さ範囲H外に位置するように形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気コネクタに関し、特に相手コネクタとの嵌合時のロック機構に関する。
この種のコネクタとしては、例えば、特許文献1に開示されているものが知られている。
特許文献1のコネクタは、ハウジングに金属シールドケースが取りつけられており、該ハウジングとシールドケースとの間に相手コネクタを受け入れる嵌合空間が前方に開放して形成されている。
上記シールドケースには、ロック片が設けられている。このロック片は、シールドケースの嵌合案内面の一部に、略U字状の一本の有端の切り溝を形成することにより、この切り溝の内方領域に片持ち梁状に形成されている。このロック片は、コネクタの嵌合方向にて、相手コネクタから離れる方に自由端を有するように延びており、その自由端が相対コネクタの対応部と係止し合うように屈曲された突起をなしている。
使用に際しては、相手コネクタが上記嵌合空間内に進入すると、相手コネクタの上記対応部が上記突起を押してロック片を弾性変位させてさらなる進入を可能とし、上記突起の位置を過ぎるとロック片が原形に復帰して上記突起で係止され、ロックがなされてコネクタの不用意な抜けが防止される。
特開2000−223215
特許文献1のコネクタでは、シールドケースに形成されたロック片は、一つのU字状切り溝によって、相手コネクタの嵌合が進行する方向に延びる片持ち梁状に形成されている。ロックに必要な撓み変位そしてあまり硬くないばね性を得るためには、ロック片は同方向に長いことが要求される。ロック片が短か過ぎると、片持ち梁における撓み角が過大となり金属疲労により早期にばね性を失うからである。しかしながら、コネクタは小寸法であることが求められ、特に、嵌合方向での小型化が求められると、上記ロック片のために確保できる部分の寸法は小さくなってしまう。このような実情のもとでは、特許文献1のロック片は自由端が相手コネクタの嵌合の進行方向に延びているので、該ロック片の長さは、コネクタの嵌合深さ範囲内で確保しなければならず、あまり大きくすることができないこととなる。
本発明は、このような事情を考慮しつつ、ロックに必要な十分な変位量を確保して、長期にわたりばね性が維持できるロック機構を有する電気コネクタを提供することを目的とする。
本発明に係る電気コネクタは、ハウジングに取りつけられた金属板が相手コネクタとの嵌合面を形成し、該金属板の嵌合面の一部に曲状の有端な切り溝を形成することによって、梁状の弾性梁部を形成し、該弾性梁部に相手コネクタとの嵌合時のロック部が形成されている。
かかる電気コネクタにおいて、本発明では、曲状の切り溝は、コネクタの嵌合方向で弾
性梁部の自由端が相手コネクタ側に位置し基部がその反対側でコネクタの嵌合深さ範囲外に位置するように形成されていることを特徴としている。
このような構成の本発明によると、弾性梁部の基部はコネクタの嵌合深さ範囲外にあってもよいので、コネクタを嵌合方法で大型化せずに、この上記嵌合深さ範囲外の部分をも利用して弾性梁部が長く形成でき、その結果、ロックのための撓み量を十分に確保できる。本発明において、上記弾性梁部を有するコネクタは、プラグ、レセプタクルのどちらの形式のコネクタであってもよい。
本発明において、弾性梁部のロック部は、例えば、嵌合案内面から突出する突起部として形成されているようにすることができる。これに対し、相手コネクタのロック部が突起部として形成されているときには、本発明のコネクタのロック部は、上記弾性梁部に形成され上記相手コネクタの突起部が係合する孔部とすることができる。
本発明において、弾性梁部は、例えば、コネクタの嵌合方向に延びる中央基準線を対称として略V字状もしくは略U字状をなしているように形成できる。
本発明において、金属板に形成された弾性梁部は、その領域がハウジングと接面する形態あるいは接面しない形態とされることがあるが、接面する形態の場合には、弾性梁部のロック部が弾性変位できるように、ハウジングは、少なくとも弾性梁部の長手方向で該弾性梁部の中央部とその近傍が金属板との接触面よりも没した没入部を有していることが望ましい。
本発明において、弾性梁部は、曲状の切り溝と並行する有端な補助切り溝もしくは補助窓部を形成することにより、上記切り溝と補助切り溝もしくは補助窓部との間の部分で両持ち梁として形成され、弾性梁部の長手方向中央近傍部に、相手コネクタの対応部と係止するロック部が形成されているようにすることができる。
このように構成することにより、弾性梁部を両持ち梁として形成して、梁の長さをさらに大きくできるので、必要な撓み量を確保できることに加え、両持ち梁の基部で反力が小さくなり、しかも強度が十分なものとなる。
本発明は、以上のように、弾性梁部がコネクタの嵌合深さを範囲外の領域も利用して形成されているので、コネクタの嵌合方向での寸法を十分に活用して弾性梁部を長く形成でき、その結果、ロック部での必要な撓み量を確保でき、かつ梁の両基部で荷重を支持するので強度が大きくなり、長期にわたりばね性を維持できる。
図1は、本発明の第一実施形態としてのコネクタ1の外観を示す斜視図、図2は相手コネクタ11との関係で示す断面図である。
本実施形態のコネクタ1は、コネクタ本体2とこれを保持する保持体3とを備えている。
コネクタ本体2は、端子4をハウジング5で保持し、これをカバー状の金属板6が包囲した形態となっている。上記コネクタ本体2は、前部(図にて左部)が相手コネクタ11との嵌合のために薄く形成された嵌合部を、そして、それよりも後方が上記保持体3により保持されるように厚く形成された被保持部をなしている。この被保持部では端子4の後端にケーブル(図示せず)が半田結線され、この結線部分をも含めて上記被保持部を上記
保持体3が覆うように取りつけられ、使用者が該保持体3を外面で摘むようにしてコネクタの挿抜操作がなされる。本実施形態では、上記保持体3は上下に分割された状態で合成樹脂の成形で作られた二部材3A,3Bから成り、上記コネクタ本体2に取りつけられたとき、ケース状をなして後端に通孔(図示せず)が形成されたガイド部3Cでケーブルは挿通案内される。
上記コネクタ本体2では、ハウジング5が合成樹脂等の電気絶縁材料で作られていて、一体成形により端子4を保持している。該端子4は、図2にて左右に細長い金属体で作られていて、前端近傍そして後部側で屈曲されている。該端子4は、図2にて紙面に対し直角方向で所定間隔をもって、複数設けられている。
端子4を保持するハウジング5は、既述のごとく、嵌合部をなす前部では肉薄にそして被保持部をなす後部では肉厚に形成されており、上記前部の下面に溝5Aそして上記後部の上面に溝5Bがそれぞれ端子4に対応する位置に形成されている。端子4は、上記溝5Aの底部で露出して相手コネクタと接触する接触部4Aを、上記溝5Bの底部で露出してケーブルの半田結線のための接続部4Bを形成している。上記接触部4Aでは、その最前端をなすごく短い部分はハウジング5内に埋没していて、端子の先端が直接相手コネクタと衝突することを防止している。一方、上記接続部4Bより後端側は、上記溝5Bに形成された段部5B1の下方に埋没されていて、ハウジング5による端子4の保持の強化を図っている。上記段部5B1には、外皮を伴うケーブル(図示せず)が配され、外皮が除去されて露呈することとなった芯線が上記溝5Bにおける接続部4Bの上に配され半田結線される。
上記端子4を保持するハウジング5は、上記前部の下面の溝5Aの領域を除いて、金属板6により周囲が覆われている。この金属板6は、図1によく見られるように、上記嵌合部をなす前部の上面が相手コネクタ11に対する嵌合面をなしており、この上面に、切り溝7が形成されている。この切り溝は、中央部に横方向(コネクタの幅方向)へ延びる部分と、そこから斜めに延びる部分とを有する略V字状をなしている。この切り溝7は、後端部は上記保持体3の前端部近傍にまで達していて、相手コネクタ11の嵌合深さ範囲Hよりもさらに後方に延びている。すなわち、切り溝7を上記嵌合深さ範囲H外にまで延びるように形成することにより、自由端が相手コネクタ側にそして基部がこれを反対側に位置する片持ち梁状の弾性梁部9を形成する。このように、上記弾性梁部9は、相手コネクタ11の嵌合深さ範囲Hとこの範囲外の領域とを利用して、長く形成されて、該弾性梁部9の前端部で必要かつ十分な撓み量を得ることができる。該弾性梁部9の前端中央部には金属板6の上面たる嵌合面より突出するロック部10が突起状に形成されている。
上記ロック部10の形成に伴い、上述のハウジング5の上面には、少なくとも上記ロック部10とその周辺の撓みを許容する没入部5Cが形成されている。
一方、上記コネクタ1が嵌合する相手コネクタ11は、本実施形態の場合、図2に見られるごとく、回路基板Pに取りつけられるコネクタである。このコネクタ11は、ハウジング12に端子13が保持されている。該ハウジング12には金属板ケース14が取りつけられていて、上記ハウジング12と金属板ケース14との間に、上述のコネクタ1の嵌合部を受入れる受入空間15を形成している。ハウジング12により保持されている端子13の接触部13Aは上記受入空間15の内方に山形に突出している。
上記金属板ケース14には、上述のコネクタ1との嵌合時にこのコネクタ1の上記ロック部10が係止するロック孔部16が形成されている。該ロック孔部16の下面縁部は上記ロック部10との係合を容易とするように若干のテーパ部16Aが形成されている。
また、上記コネクタ11の受入空間15の入口縁部をなす、上記金属板ケース14の入口縁部とハウジング12の入口縁部には、コネクタ1の導入を容易とするテーパ部14A,12Aが形成されている。
以上のごとく、本実施形態のコネクタは、次の要領で使用され、相手コネクタとのロックがなされる。
(1)ハウジング5に保持されている各端子4にケーブルを半田結線する。この半田結線は、金属板6が未だ取りつけられていない状態で行われ、先ず、端部で外皮が除去されたケーブルの芯線がハウジング5の溝5B内で端子4の接続部4Bの上に配され、外皮部分は段部5B1の上に配される。しかる後に、芯線は接続部4Bと半田結線される。
(2)次に、金属板6が上記ハウジング5を覆うように取りつけられてコネクタ本体2が完成する。一般に、金属板6は前方からハウジング5へ嵌着される。
(3)しかる後、上記コネクタ本体2へ保持体3を取りつける。この取りつけは、例えば、分割された保持体3の二部材3A,3Bで上記コネクタ本体2を挟持した状態で、上記二部材3A,3Bがねじ等で互いに固定される。
(4)かくして、使用者は、上記保持体3を摘んでコネクタ1を相手コネクタ11と嵌合位置にもたらし、コネクタ1の前部をなす嵌合部をコネクタ11へ挿入する。コネクタ1は相手コネクタ11との嵌合に伴い、ロック部10が相手コネクタの金属ケース14に圧せられて弾性梁部9が撓み変位し、該ロック部10が金属ケース14のロック孔16に到達したときに、上記撓み変位が開放され、上記ロック部10とロック孔部16とが互いに係止し合い、両コネクタ1,11の互いの抜けが防止される。
このような本実施形態のコネクタにあっては、右半分が金属カバー付きの平面図で左半分が金属板を省略してハウジングが露呈している状態での平面図を示している図3(A)に見られるごとく、上記切り溝7は、相手コネクタ11の嵌合深さ範囲Hよりもさらに該範囲の外にまで延ばせるので、それだけ弾性梁部9は基部から自由端までの長さが大きくなり、図3(B)に対比して示す従来のコネクタが自由端を本発明と反対側に有している故に弾性梁部を上記嵌合深さ範囲H内にしか設けることができないものに比し、十分な撓み量を確保できる。
本実施形態において、上記切り溝7は、嵌合部の幅方向のほぼ全域に亘って形成されており実線で示す溝よりも二点鎖線で示すようにさらに後方へ延ばすことができる。この二点鎖線で示す切り溝7は、金属板6が保持体3の内方にまで延びているので、この内方の部分にまで及ぶように延ばすことが可能である。このとき、切り溝7に対応する位置まで、弾性梁部9の自由端の撓みを許容する没入部5Cが延びている。
本発明は、図1そして図2の形態に限定されず、種々変更が可能である。すなわち、ロック部を有する片持梁状の弾性梁部9は、図4そして図5のように、いろいろな形態をとり得る。
例えば、切り溝7は、図4では円弧状にそして図5では四角形の三辺をなす形をなして、それぞれ弾性梁部9を形成している。この図4,図5の場合も、上記切り溝7はコネクタの嵌合深さ範囲H外にまで及んでいる。又、上記弾性梁部の形に適合して、該弾性梁部9の自由端側の撓みを許容する没入部5Cもその平面形状が決定されている。
また、図1ないし図5の例では、弾性梁部9は片持ち梁状に形成されていたが、さらに
撓みやすくするために、両持ち梁状とすることも可能である。
例えば、図6のごとく、図3で二点鎖線で示した切り溝7の内側に、これとほぼ平行する補助切り溝8を形成し、この両切り溝7,8間で両持ち梁状の弾性梁部9を得ることができる。この弾性梁部9は、二点鎖線で示されるごとくの切り溝7,8によって、左右両側の基部が保持体3の内部にまで延びていても良く、きわめて容易に撓むようになる。又、両持梁状であるので、強度も向上し、コネクタの繰り返し挿抜に十分に耐えるようになる。
さらには、図5に示された切り溝7をもつものにあっては、図7のごとく、上記の補助切り溝に代えて、内側に四角形をなす補助窓部8Aを形成することにより、上記切り溝7と該補助窓部8Aとの間に両持梁状の弾性梁部9を得ることができる。この場合も、図6の場合と同様に、二点鎖線で示されるごとくの切り溝7と補助窓部8Aによって、弾性梁部9の基部が保持体3の内部にまで延びるようにしてもよい。
図1ないし図7では、本発明がプラグコネクタに適用された例を示したが、本発明はこれに限らず、相手コネクタたるレセプタクルコネクタにも適用できる。この場合、レセプタクルコネクタにロック部としての突起が形成された弾性梁部が設けられるので、プラグコネクタの方はロック孔部が形成される。また、弾性梁部のロック部は突起とせずに孔部とすることもでき、その場合、相手コネクタにロック用の突起が設けられる。
本発明では、金属板の上記弾性梁部が形成される部位にハウジングが接面するときには、該弾性梁部のロック部の撓み変位を許容する没入部がハウジングに形成されるが、上記部位とハウジングとの間に空間、例えば、レセプタクルコネクタに弾性梁部を形成した場合等、相手コネクタの嵌入空間が形成されているときには、もともと、上記弾性梁部とハウジングの対応域は非接触なので、没入部は不要となる。
さらに、本発明において、上記弾性梁部は一つでなくとも複数設けてもよい。例えば、コネクタ嵌合方向に延びる中央基準線に対称に二つの弾性梁部を設けることとしてもよい。これにより、上記中央基準線に直角な、コネクタ幅方向での安定したロックを得られる。
本発明の一実施形態としてのコネクタの外観を示す斜視図である。 図1のコネクタと相手コネクタとを嵌合前の状態で示す断面図である。 図1のコネクタと従来のコネクタとを対比して嵌合部分を示す平面図で、(A)は図1のコネクタ、(B)は従来のコネクタである。 他の実施形態を示し、右半分は平面図、左半分は金属板を省略した平面図で示す。 さらに他の実施形態を示し、右半分は平面図、左半分は金属板を省略した平面図で示す。 さらに他の実施形態を示し、右半分は平面図、左半分は金属板を省略した平面図で示す。 さらに他の実施形態を示し、右半分は平面図、左半分は金属板を省略した平面図で示す。
符号の説明
1 コネクタ 8 補助切り溝
4 端子 8A 補助窓部
5 ハウジング 9 弾性梁部
5C 没入部 10 ロック部
6 金属板 11 相手コネクタ
7 切り溝 H 嵌合深さ範囲

Claims (5)

  1. ハウジングに取りつけられた金属板が相手コネクタとの嵌合面を形成し、該金属板の嵌合面の一部に曲状の有端な切り溝を形成することによって、梁状の弾性梁部を形成し、該弾性梁部に相手コネクタとの嵌合時のロック部が形成されていることとする電気コネクタにおいて、曲状の切り溝は、コネクタの嵌合方向で弾性梁部の自由端が相手コネクタ側に位置し基部がその反対側でコネクタの嵌合深さ範囲外に位置するように形成されていることを特徴とする電気コネクタ。
  2. 弾性梁部のロック部は嵌合面から突出する突起部として形成されていることとする請求項1に記載の電気コネクタ。
  3. 弾性梁部はコネクタの嵌合方向に延びる中央基準線を対称として略V字状もしくは略U字状をなしていることとする請求項1又は請求項2に記載の電気コネクタ。
  4. ハウジングは、弾性梁部と対面する壁面に、該弾性梁部の弾性撓みを許容する没入部を有していることとする請求項1に記載の電気コネクタ。
  5. 弾性梁部は、曲状の切り溝と並行する有端な補助切り溝もしくは補助窓部を形成することにより、上記切り溝と補助切り溝もしくは補助窓部との間の部分で両持ち梁として形成され、弾性梁部の長手方向中央近傍部に、相手コネクタの対応部と係止するロック部が形成されていることとする請求項1ないし請求項4のうちの一つに記載の電気コネクタ。

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