図1は、本発明を適用した遠隔監視通報システム1の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
遠隔監視通報システム1は、所定の機器が取得したデータ(後述するデマンド値、温度値、電流値など)を、機器から離れた位置にいて、機器が設置された店舗や工場を管理しているユーザが監視可能なサービス(遠隔監視通報サービス)を提供するシステムである。
この遠隔監視通報システム1においては、通信網12に、監視通報装置11−1乃至11−Nおよび遠隔監視通報サーバ13が接続され、通信網14に、遠隔監視通報サーバ13およびクライアント端末装置15−1乃至15−Mが接続されている。
監視通報装置11−1は、例えば、“コンビニA店”に設けられている電力計(電力メータ)41−1(後述する図2)と接続するように設置され、所定の時間(例えば、30分間(後述するデマンド時限))が経過した場合、その電力計41−1から取り込んだ電力情報(パルス)に基づいて、その時間ごとの使用電力の平均値(平均使用電力値)であるデマンド値を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。
ここで、デマンド値とは、電力会社との取引に使用される、30分間(デマンド時限)における平均使用電力値である。一般的に、電力会社に支払う電気料金は、使用した電力量に応じて課金される電力量料金と、デマンド値によって更新される契約電力に応じて決定される基本料金とを加算した金額となる。すなわち、一度決定した契約電力を超えて電気を使用すると、契約超過金の支払いが必要になったり、契約料金のアップにつながることになるので、デマンド値を抑制することで、電気料金を軽減することになる。
また、監視通報装置11−1には、例えば、サーミスタなどの後述する温度センサ41−2も接続され、所定の時間(例えば、1分)が経過した場合、監視通報装置11−1は、その時刻における温度センサ41−2が測定した温度を示す値(温度値)を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。さらに、監視通報装置11−1には、例えば、漏電監視用の機器やセンサなどの後述する漏電センサ41−3も接続され、所定の時間(例えば、1分)が経過した場合、監視通報装置11−1は、その時刻における漏電センサ41−3が検知した漏洩電流を示す値(漏洩電流値)を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。
さらに、監視通報装置11−1は、自分自身の内部の温度を測定し、所定の時間(例えば、1分)が経過した場合、監視通報装置11−1は、その時刻における自分自身の内部の温度を示す値(内部温度値)を遠隔監視通報サーバ14宛に送信する。
監視通報装置11−2は、例えば、“コンビニB店”に設けられている電力計41−1と接続するように設置され、監視通報装置11−1と同様に、所定の時間(例えば、30分間(デマンド時限))が経過した場合、その電力計41−1から取り込んだ電力情報(パルス)に基づいて、デマンド値を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。
また、監視通報装置11−2には、監視通報装置11−1と同様に、温度センサ41−2および漏電センサ41−3も接続され、所定の時間(例えば、1分)が経過した場合、監視通報装置11−2は、その時刻における温度センサ41−2が測定した温度値を遠隔監視通報サーバ13宛に送信するとともに、漏電センサ41−3が検知した漏洩電流値を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。
さらに、監視通報装置11−2は、監視通報装置11−1と同様に、自分自身の内部の温度を測定し、所定の時間(例えば、1分)が経過した場合、監視通報装置11−2は、その時刻における内部温度値を遠隔監視通報サーバ14宛に送信する。
監視通報装置11−3(図示せず)乃至11−Nのそれぞれは、例えば、店舗、工場、または一般家庭などに設けられている電力会社の電力計41−1と接続するように設置され(監視通報装置11−Nは、例えば、“デパートZ店”に設けられている電力計41−1と接続するように設置され)、所定の時間(例えば、30分間(デマンド時限))が経過した場合、その電力計41−1から取り込んだ電力情報(パルス)に基づいて、デマンド値を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。
また、監視通報装置11−3(図示せず)乃至11−Nのそれぞれには、監視通報装置11−1と同様に、温度センサ41−2および漏電センサ41−3も接続され、所定の時間(例えば、1分)が経過した場合、監視通報装置11−3(図示せず)乃至11−Nのそれぞれは、その時刻における温度センサ41−2が測定した温度値を遠隔監視通報サーバ13宛に送信するとともに、漏電センサ41−3が検知した漏洩電流値を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。
さらに、監視通報装置11−1乃至11−Nのそれぞれは、通信網12を介して、遠隔監視通報サーバ13から送信されてくる、自分自身の設定に関する情報である監視通報設定情報を受信し、受信した監視通報設定情報を設定する。
ここで、監視通報設定情報とは、ユーザにより、監視通報装置11−1乃至11−Nのそれぞれに設定される、それぞれの装置で監視している情報(データ)を通報(通知)する間隔などの設定に関する情報である。具体的には、例えば、デマンド値を遠隔監視通報サーバ14に通報する間隔である“30分”が、監視通報設定情報として、ユーザにより設定される。
通信網12は、例えば、Dopa(ドゥーパ)通信回線(商標)で構成され、監視通報装置11−1乃至11−Nのいずれかと、遠隔監視通報サーバ13とを相互に通信させる。
例えば、通信網12は、監視通報装置11−1乃至11−Nのいずれかから供給されてくる、デマンド値、温度値、または漏洩電流値、または内部温度値のいずれかを遠隔監視通報サーバ13に伝送する。また、通信網12は、遠隔監視通報サーバ13から供給されてくる監視通報設定情報を、監視通報装置11−1乃至11−Nのいずれかに伝送する。
なお、通信網12は、Dopa通信回線に限定されず、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers , Inc.)802.11規格に準拠した無線LANによる無線の通信、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)などの光ファイバ網、衛星通信網、イーサーネット(商標)、LAN(Local Area Network)、またはインターネットなどの各種の専用または公衆回線網を利用して構成するようにしてもよい。
遠隔監視通報サーバ13は、WWW(World Wide Web)サーバおよびデータサーバであり、本発明の情報処理装置の一例である。
遠隔監視通報サーバ13は、例えば、遠隔監視通報システム1による所定のサービスを提供する事業者の“データセンタ”に設置され、通信網12を介して、監視通報装置11−1乃至11−Nのいずれかから送信されてくるデマンド値、温度値、漏洩電流値、および内部温度値を受信し、それぞれを蓄積する。
また、遠隔監視通報サーバ13は、クライアント端末装置15−1乃至15−Mのいずれかの要求に応じて、蓄積されたデマンド値、温度値、漏洩電流値、または内部温度値のいずれかに所定の処理(例えば、パケット化するパケット処理など)を施して、処理を施すことで得られた情報を、通信網14を介して、クライアント端末装置15−1乃至15−Mのいずれかに送信する。
さらに、遠隔監視通報サーバ13は、通信網12を介して、クライアント端末装置15−1乃至15−Mのいずれかから送信されてくる監視通報設定情報を、通信網12を介して、監視通報装置11−1乃至11−Nのいずれかに送信する。
通信網14は、例えば、インターネットであり、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの所定のプロトコルに従って、遠隔監視通報サーバ13およびクライアント端末装置15−1乃至15−Mのそれぞれを相互に通信させる。
クライアント端末装置15−1乃至15−Mは、例えば、PC(Personal Computer)、携帯電話機、またはPDA(Personal Digital Assistance)などの通信網14に接続可能な機器である。
クライアント端末装置15−1乃至15−Mのそれぞれは、通信網14を介して、通信網14に接続された遠隔監視通報サーバ13に様々なデータを送信するか、または遠隔監視通報サーバ13から送信されてくる様々なデータを受信する。
例えば、クライアント端末装置15−1乃至15−Mのそれぞれは、遠隔監視通報サーバ13に蓄積されている、デマンド値、温度値、漏洩電流値、または内部温度値に関する情報を取得するための要求を、通信網14を介して、遠隔監視通報サーバ13宛に送信した場合、その要求に応じて、通信網14を介して、遠隔監視通報サーバ13から送信されてくる、所定の処理が施されたデマンド値、温度値、漏洩電流値、または内部温度値に関する情報を受信する。
また、例えば、クライアント端末装置15−1乃至15−Mのそれぞれは、通信網14を介して、監視通報設定情報を遠隔監視通報サーバ13宛に送信する。
なお、図1で示される遠隔監視通報システム1の例においては、遠隔監視通報サーバ13が、1台設けられているが、機能ごとに複数のサーバを設けるようにしてもよい。また、通信網12と通信網14とは、同一のものでもよい。
以下、監視通報装置11−1乃至11−Nを個々に区別する必要がない場合、単に監視通報装置11と称する。また、クライアント端末装置15−1乃至15−Mを個々に区別する必要がない場合、単にクライアント端末装置15と称する。
図2は、監視通報装置11の構成例を示すブロック図である。
監視通報装置11は、入力インターフェイス31−1乃至31−J、入力部32、制御部33、記憶部34、および通信部35を含むように構成される。
入力インターフェイス31−1乃至31−Jは、いわゆる接続インターフェイスであり、様々な機器やセンサなどから入力されてくる信号を入力部32に供給する。
入力インターフェイス31−1には、例えば、店舗、工場、または一般家庭などに設けられている電力会社の電力計41−1が接続され、入力インターフェイス31−1は、電力計41−1から取り込んだデマンド値を示す信号を入力部32に供給する。入力インターフェイス31−2には、例えば、サーミスタなどの温度センサ41−2が接続され、入力インターフェイス31−2は、温度センサ41−2が測定した温度値を示す信号を入力部32に供給する。入力インターフェイス31−3には、例えば、漏電監視用の機器やセンサなどの漏電センサ41−3が接続され、入力インターフェイス31−3は、漏電センサ41−3が検知した漏洩電流値を示す信号を入力部32に供給する。
入力インターフェイス31−4(図示せず)乃至31−Jのそれぞれには、例えば、ガス漏れ、ドアの開閉、不法侵入者、または液面のレベルなどを検知する、センサ41−4(図示せず)乃至41−Jのそれぞれが接続され、入力インターフェイス31−4(図示せず)乃至31−Jのそれぞれは、それらのセンサが検知した信号を入力部32に供給する。
なお、入力インターフェイス31−4(図示せず)乃至31−Jのそれぞれには、電力計41−1、温度センサ41−2、および漏電センサ41−3が測定している場所とは異なる場所にある電力計、温度センサ、または漏電センサなどを接続することもできる。
入力部32は、入力インターフェイス31−1乃至31−Jのいずれかから、センサの検知した信号が供給されてきた場合、その信号を制御部33に供給する。例えば、入力部32は、入力インターフェイス31−1乃至31−3のいずれかから、デマンド値、温度値、または漏洩電流値を示す信号のいずれかが供給されてきた場合、それらを制御部33に供給する。
制御部33は、入力部32から信号が供給されてきた場合、記憶部34に記憶されている監視通報設定情報を基に、その信号を遠隔監視通報サーバ13に通知するか否かを判定する。制御部33は、信号を通知すると判定した場合、通信部35を制御して、通信網12に接続させ、遠隔監視通報サーバ13に、その信号を通知するパケットを遠隔監視通報サーバ13宛に送信させる。
例えば、制御部33は、入力部32からデマンド値を示す信号が供給されてきた場合、記憶部34に記憶されている監視通報設定情報を基に、前回デマント値を通知してから30分を経過したか否かを判定し、30分経過したと判定された場合、通信部35を制御して、通信網12に接続させ、デマンド値を通知するパケットを遠隔監視通報サーバ13宛に送信させる。
また、例えば、制御部33は、デマンド値の場合と同様に、入力部32から温度値または漏洩電流値を示す信号のいずれかが供給されてきた場合、記憶部34に記憶されている監視通報設定情報を基に、前回通知してから1分を経過したか否かを判定し、1分経過したと判定された場合、通信部35を制御して、通信網12に接続させ、温度値または漏洩電流値のいずれかを通知するパケットを遠隔監視通報サーバ13宛に送信させる。
さらに、制御部33は、通信網12を介して、遠隔監視通報サーバ13から送信されてくる監視通報設定情報を、記憶部34に記憶させて設定する。例えば、制御部33は、通信網12を介して、監視通報設定情報として遠隔監視通報サーバ13から送信されてくるデマンド値を遠隔監視通報サーバ13に通報する間隔である“30分”を、記憶部34に記憶させて設定する。
また、制御部33は、内部温度測定部35から供給されてくる監視通報装置11の内部温度値を、例えば、所定の時間が経過した場合、通信部35を制御して、通信網12を接続させ、その内部温度値を通知するパケットを遠隔監視通報サーバ13宛に送信させる。
以下、電力計41−1、温度センサ41−2、漏電センサ41−3、およびセンサ41−4乃至41−Nを個々に区別する必要がない場合、センサ41と称する。
図3は、遠隔監視通報サーバ13の構成例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)51は、ROM52に記憶されているプログラム、または、記録部58に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM53には、CPU51が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU51、ROM52、およびRAM53は、バス54を介して相互に接続されている。
CPU51にはまた、バス54を介して入出力インターフェイス55が接続されている。入出力インターフェイス55には、キーボード、マウスなどよりなる入力部56、ディスプレイなどよりなる出力部57が接続されている。CPU51は、入力部56から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU51は、処理の結果得られた画像や音声などを出力部57に出力する。
入出力インターフェイス55に接続されている記録部58は、例えば、ハードディスクなどで構成され、CPU51が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部59は、通信網12、通信網14、その他のネットワーク、または通信媒体を介して外部の装置と通信する。
また、通信部59を介してプログラムを取得し、記録部58に記録してもよい。
入出力インターフェイス55に接続されているドライブ60は、磁気ディスク71、光ディスク72、光磁気ディスク73、または半導体メモリ74などが装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部58に転送され、記録される。
なお、クライアント端末装置15は、遠隔監視通報サーバ13と同様に構成されるので、その記載および説明は省略する。また、遠隔監視通報サーバ13およびクライアント端末装置15は、図3に示した内部構造に限らず、必要に応じて、機能を追加したり削除したりすることは可能であり、その機能に対応した構成を持つことが可能である。
図4は、遠隔監視通報サーバ13の構成例を示す機能ブロック図である。
遠隔監視通報サーバ13は、監視通報装置11からのデータ(デマンド値、温度値、漏洩電流値、または内部温度値など)をデータベースとして内部に蓄積するとともに、監視通報装置11において取得されたデータが、予め設定された閾値(以下、警報レベルと称する)に達したとき(または達すると予想されたとき)に警報を送信する機能を提供するメインシステム111と、警報レベルを設定したり、メインシステム11に蓄積されているデータを取得して閲覧する機能をユーザに対して提供するサブシステム12とにより構成されている。
メインシステム111は、データ取得部121、デマンドDB(Data Base)122、通報制御部123、送信部124、サブシステムI/F(Inter Face)125により構成されている。また、サブシステムI/F125は、送受信部131を少なくとも有している。
メインシステム111の通報制御部123は、図3のCPU51に対応し、送信部124および送受信部131は、図3の通信部59に対応する。また、データ取得部121は、図3のCPU51および通信部59に対応し、デマンドDB122は、図3の記録部58に対応する。
サブシステム112は、端末送受信部151、機能選択部152、契約者DB153、表示制御部154Aおよび154B、送受信部155、およびデマンドサブDB156により構成されている。
サブシステム112の機能選択部152、並びに表示制御部154Aおよび154Bは、図3のCPU51に対応し、端末送受信部151および送受信部155は、図3の通信部59に対応し、契約者DB153およびデマンドサブDB156は、図3の記録部58に対応する。
データ取得部121は、所定の時間間隔(例えば、1分間隔または30分間隔)で、通信網12を介して監視通報装置11から送信されてくるデマンド値などのデータを受信(取得)し、デマンドDB122に記憶させる。この時間間隔は、監視通報設定情報として、データ取得部121から監視通報装置11に送信される。
なお、データ取得部121は、上述したように、例えば、デマンド値は、30分間隔、温度値は1分間隔などのように、データの種類に応じて異なる時間間隔で監視通報装置11からのデータを受信するが、全てのデータを同一の時間間隔で取得するようにしてもよい。
また、データ取得部121は、前回受信したデータと比較して、今回受信したデータに抜けがあると判定した場合には、監視通報装置11に対して、抜けのあるデータの再送を要求する(この処理をスロット再送要求処理と称する)。
い。
デマンドDB122は、データ取得部121から供給されるデマンド値を含む各種のデータを記憶する。なお、デマンドDB122に記憶されるデータの例については、図5を参照して後述する。
通報制御部123は、サブシステムI/F125から供給された監視通報装置11に対する警報レベルを記憶するとともに、デマンドDB122に記憶される(記憶されている)データが、警報レベルを超えていないか、または超えることが予想されないかを監視(判定)する。また、通報制御部123は、監視通報設定情報をデータ取得部121に供給する。
監視通報装置11で取得されたデータが警報レベルを超えている、または超えることが予想される場合、通報制御部123は、その旨のメール(以下、警報メールと称する)を、送信部124に送信させる。なお、警報メールの送信先としてのメールアドレスは、監視通報装置11に対応して予め登録されており、ユーザが操作するクライアント端末装置15であってもよいし、クライアント端末装置15と異なるその他の端末装置でもよい。
また、監視通報装置11で取得されたデータが警報レベルを超えるかどうかは、例えば、30分間隔で取得されるデマンド値の増加率や、警報レベルと取得されたデータとの差が所定パーセント以内であるかどうかなどから予想することができる。
送信部124は、通報制御部123の制御により、警報メールを指定のメールアドレスに送信して、ユーザに通知する。
サブシステムI/F125の送受信部131は、サブシステム112からのデータ要求コマンドを受信するとともに、そのデータ要求コマンドに応じてデマンドDB122からデータを読み出し、サブシステム112に送信する。送受信部131は、サブシステム112の送受信部155との間で、例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)により、データを送受信する。
サブシステム112は、所定のURL(Uniform Resource Locator)で表されるサイト(以下、デマンドデータ閲覧サイトと称する)において、監視通報装置11が取得するデータに対する警報レベルを設定する画面(警報レベル設定画面)や、デマンド値などのデータを閲覧する画面(データ閲覧画面)などをユーザに提供する。
遠隔監視通報サービスを契約しているユーザには、サービス提供者(システム事業者)からユーザIDが発行されている。ユーザは、自分のクライアント端末装置15からデマンドデータ閲覧サイトにアクセスし、ディスプレイ上に表示された画面で、警報レベルの設定や、デマンド値のデータの閲覧の操作を行う。
ここで、クライアント端末装置15とサブシステム112(遠隔監視通報サーバ13)との間では、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)等で記述されたデータ(HTMLデータ)がHTTP等のプロトコルでやりとりされる。
サブシステム112の端末送受信部151は、クライアント端末装置15との間で、通信網14(図1)を介して、所定のデータを送受信する。例えば、端末送受信部151は、クライアント端末装置15のディスプレイ上に表示された画面において、ユーザが入力したユーザID(ユーザ識別情報)やパスワードなどの文字や、クリックなどの操作を表す情報(以下、まとめて操作情報と称する)を受信する。また、例えば、端末送受信部151は、クライアント端末装置15からの操作情報に応じて、後述する表示制御部154Aまたは154Bにより生成される表示制御情報をクライアント端末装置15に送信する。
機能選択部152は、端末送受信部151で受信されたユーザIDと同一のユーザIDを契約者DB153から検索し、ログインしてきたユーザの契約レベル(情報取得レベル)を判別する。また、機能選択部152は、ユーザの契約レベルに応じて、表示制御部154Aまたは154Bを選択し、起動させる(表示制御部154Aまたは154Bに処理を開始させる)。
契約者DB153は、遠隔監視通報サービスを契約しているユーザのユーザID、パスワード、そのユーザが管理する店舗に設置されている監視通報装置15(以下、単にユーザが管理する監視通報装置15と称する)を識別する装置ID、および契約レベルを記憶している。なお、監視通報装置15は、1つのユーザIDに対応して一意に決定される(ユーザIDと監視通報装置15は、1対1である)ものとする。
ここで、契約レベルとしては、2種類のレベルが用意されているものとする。一方の契約レベル(以下、デマンド閲覧契約Aと称する)は、ユーザが管理する監視通報装置11だけのデータを閲覧できるサービスが提供される契約であり、デマンド閲覧契約Aのユーザが閲覧できる画面(に対応する情報)は、表示制御部154Aにより生成される。
他方の契約レベル(以下、デマンド閲覧契約Bと称する)は、ユーザが管理する監視通報装置11のデータのほかに、他の監視通報装置11のデータも比較のために閲覧できるサービスが提供される契約であり、デマンド閲覧契約Bのユーザが閲覧できる画面(に対応する情報)は、表示制御部154Bにより生成される。
なお、デマンド閲覧契約Bの契約料(サービス使用料)は、デマンド閲覧契約Aの契約料よりも高く設定されている。
表示制御部154Aは、端末送受信部151を介してクライアント端末装置15から送信されてくるユーザの操作情報に応じて、クライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させる画面の情報(表示制御情報)を生成する。例えば、表示制御部154は、デマンドサブDB156から必要なデータを取得し、取得したデータについてのデータ閲覧画面を表示させる表示制御情報(第1のデマンド情報)を生成する。この表示制御情報により、クライアント端末装置15で起動されたWebブラウザ上に、データ閲覧画面が表示される。
表示制御部154Bは、端末送受信部151を介してクライアント端末装置15から送信されてくるユーザの操作情報に応じて、クライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させる画面の表示制御情報(第2のデマンド情報)を生成する。但し、表示制御部154Bが表示させることが可能なデータ閲覧画面は、ユーザIDに対応する監視通報装置11のデータと、それ以外の監視通報装置11のデータとの重ね合わせなどが可能であり、表示制御部154Aのそれと比べて高機能となされている。
送受信部155は、サブシステムI/F125の送受信部131との間で、所定時間ごとにHTTPによるデータの送受信を行い、デマンドDB122に記憶されていて、かつ、デマンドサブDB156に記憶されていないデータ(以下、適宜、差分データと称する)を受信して、デマンドサブDB156に記憶させる。
即ち、送受信部155は、サブシステム125の送受信部131に対して、データ要求コマンドを送信する。そして、送受信部155は、データ要求コマンドに応じて、送受信部131から送信されてくる差分データを受信して、デマンドサブDB156に記憶させる。
デマンドサブDB156は、送受信部155から供給される差分データを記憶する。従って、デマンドサブDB156には、時間差はあるものの、デマンドDB122と同一のデータが少なくとも記憶される。
以上のように構成されるメインシステム111では、監視通報装置11で取得され、送信されてきたデータがデマンドDB122に記憶される。通報制御部123は、監視通報装置11で取得されたデータが、設定された警報レベルを超えていないか(または超えることが予想されるか)どうかを監視し、警報レベルを超える(または超えることが予想される)と判定された場合、登録されているメールアドレスに警報メールを送信する。
サブシステム112は、遠隔監視通報サービスを契約しているユーザが、デマンドデータ閲覧サイトにログインした場合、ユーザが管理する監視通報装置11のデータを閲覧したり、警報レベルを設定する画面を提供する。
即ち、機能選択部152は、ログインされたときのユーザIDから、そのユーザの契約レベルが、デマンド閲覧契約AまたはBであるかを判定し、その契約レベルに応じた表示制御部154Aまたは154Bを起動させる。
送受信部155は、デマンドDB122に記憶されていて、かつ、デマンドサブDB156に記憶されていない差分データを送受信部131から受信して、デマンドサブDB156に記憶させる。
表示制御部154Aまたは154Bは、ユーザの操作(入力)に対応して、データ閲覧画面に必要なデータをデマンドサブDB156から取得し、表示制御情報を生成する。その生成された表示制御情報を、端末送受信部151がクライアント端末装置15に送信することより、クライアント端末装置15のディスプレイ(Webブラウザ)に、デマンド値等のデータを表示したデータ閲覧画面が表示される。
なお、サブシステムI/F125とサブシステム112との間、およびクライアント端末装置15とサブシステム112との間の通信は、例えば、HTTPによって行われる。
図5は、デマンドDB122に記憶されているデータ例を示している。
なお、図5に示すデータは、説明を簡単にするため、デマンド値の時間間隔に合わせた30分間隔で監視通報装置11から取得されたデータのみ示してある。
また、図5においては、監視通報装置11が備えるセンサの数は、アナログのセンサが8個(AI0乃至AI7)およびデジタルのセンサが4個(DI0乃至DI3)の計12個(J=12)となっている。
デマンドDB122では、図5に示すように、1フィールド(1行)に、装置ID、データ作成日時、データ受信日時、アナログセンサのデータであるAI0乃至AI7、警報発生時刻、警報フラグ、スロット要求フラグ、内部温度値、電波強度、デジタルセンサのデータであるDI0乃至DI3、および読み出し日時が格納(記憶)され、その1フィールドのデータ(データ群)が、取得された時間ごとに(時系列に)、列方向(図面下方向に)に順次格納されている。
装置IDは、監視通報装置11を識別するユニークなIDである。例えば、装置IDとしては、監視通報装置11が通信網12を介して遠隔監視通報サーバ13と通信するときに使用される電話番号が採用される。
データ作成日時は、監視通報装置11の制御部33がセンサ41のデータを取得した日時を表す。換言すれば、データ作成日時は、監視通報装置11側でデータが取得された日時を表す。
これに対して、データ受信日時は、(遠隔監視通報サーバ13の)メインシステム111のデータ取得部121がセンサ41のデータを取得した日時を表す。換言すれば、データ受信日時は、遠隔監視通報サーバ13側でデータが取得された日時を表す。
AI0乃至AI7は、センサ41−1乃至41−8それぞれが取得したデータを表す。ここで、例えば、AI0は、漏電センサ41−3による検出値[mA]を表し、AI4は、温度センサ41−2による検出値[℃]を表し、AI7は、電力計41−1による検出値[kW]を表す。
なお、AI0乃至AI7は、実際には、13bitの2進数で表現されるようになされており、−9999乃至9999の範囲のデータを表すことが可能となされている。
警報発生時刻は、AI0乃至AI7いずれかのデータに対する警報(センサ警報)、停電の有無または停電継続中かどうかを表す警報(停電警報)、内部温度測定部36による内部温度値が規定値以上であることを表す警報(内部温度警報)、または、テスト用に設けられたスイッチが押されたことにより発せられた警報(スタートスイッチ警報)のうちのいずれかの警報が発生した場合の時刻を表す。なお、いずれの警報も発生されていない場合には、この項目には何も記録されない。
そして、警報発生時刻に続く警報フラグは、警報発生時刻に記録された時刻に発生した警報が、上述したセンサ警報、停電警報、内部温度警報、またはスタートスイッチ警報のいずれの警報であるかを表すフラグを表す。
スロット要求フラグは、そのフィールドに記憶されているデータが、スロット再送要求処理により得られたデータであるか否かを表すフラグである。例えば、スロット要求フラグの項目に“1”が記録されていた場合、そのデータは、スロット再送要求処理によって取得されたデータであることを表す。
内部温度は、監視通報装置11の内部温度測定部36の検出値(内部温度値)を表す。電波強度は、監視通報装置11が送信したときに使用したアンテナの本数を表す。
DI0乃至DI3は、センサ41−9乃至41−Jそれぞれが取得したデータを表す。例えば、DI0乃至DI3としては、ドアの開閉センサの0または1(デジタル出力)に対応するOFFまたはONが記録される。
読み出し日時は、そのフィールドのデータがサブシステム112に読み出されたときの時刻を表す。従って、まだサブシステム112に読み出されていないフィールドの読み出し日時の項目には、何も記録されない。一方、サブシステム112に読み出されているフィールドの読み出し日時の項目には、読み出されたときの日時が記録される。これにより、どこまでのフィールドのデータがサブシステム112に読み出されたか、即ち、デマンドサブDB156に記憶されているかどうかを判別することができる。
図6は、表示制御部154Aが、デマンド閲覧契約Aで遠隔監視通報サービスを契約しているユーザに対して表示させるデータ閲覧画面の例を示している。
図6に示すデータ閲覧画面201は、表示期間設定領域211、横スクロール領域212、およびグラフ表示領域213により構成されている。
表示期間設定領域211は、グラフ表示領域213に表示するグラフ(データの波形)の表示期間をユーザに入力させる(指定させる)領域である。即ち、ユーザは、表示期間設定領域211内のテキストボックスに数字を入力し、「日」または「時間」のラジオボタンを選択して「変更」ボタンを押下する。これにより、表示制御部154Aは、テキストボックスに入力された数字の日数または時間の期間のグラフをグラフ表示領域213に表示させる。
図6のデータ閲覧画面201では、表示期間設定領域211内のテキストボックスに「1」が入力され、「日」のラジオボタンが選択されているので、グラフ表示領域213には、3月21日の1日分のグラフが表示されている。
例えば、表示期間設定領域211内のテキストボックスに「3」が入力され、「日」のラジオボタンが選択されて、「変更」ボタンが押下された場合には、グラフ表示領域213には、3日分のグラフが表示されることになる。
横スクロール領域212は、グラフ表示領域213に表示するグラフを横方向(時間方向)にスクロールさせるための領域である。
最初のデータ閲覧画面201のグラフ表示領域213では、当日を含む表示期間設定領域211で設定された表示期間のグラフが表示される。
例えば、表示期間設定領域211において1日の表示期間が指定されており、現在の日付が3月22日である場合、最初に、3月22日の現在の時刻までのグラフが、グラフ表示領域213に表示される。
そして、3月22日のグラフがグラフ表示領域213に表示されている状態において、ユーザが横スクロール領域212のテキストボックスに数字を入力し、左矢印ボタン(「←」ボタン)を押下すると、1日分だけ日付の古い方向にグラフ表示領域213に表示するデータが変更される。即ち、グラフ表示領域213には、図6に示すように、3月21日の1日分のグラフが表示される。
換言すれば、横スクロール領域212において左矢印ボタンがユーザにより押下されると、表示制御部154Aは、テキストボックスに入力された数字の日数分、現在表示している日付よりも日付の古い方向(過去の方向)の表示に、グラフ表示領域213の表示を切り替える(変更する)。また、横スクロール領域212において右矢印ボタンがユーザにより押下されると、表示制御部154Aは、テキストボックスに入力された数字の日数分、現在表示している日付よりも日付の新しい方向(現在の日付に近い方向)の表示に、グラフ表示領域213の表示を切り替える(変更する)。なお、「現在」ボタンが押下された場合、表示制御部154Aは、現在の日付の表示にグラフ表示領域213の表示を切り替える(変更する)。
グラフ表示領域213は、表示期間設定領域211および横スクロール領域212で指定された表示期間および表示日の、ユーザIDに対応する管理通報装置11のデータの波形を表示する領域である。
図6に示すグラフ表示領域213では、監視通報装置11で取得された3種類のデータに対応する波形L1乃至L3が表示されている。
例えば、波形L1は、監視通報装置11の電力計41−1で取得されたデマンド値を表している。波形L2は、監視通報装置11の温度センサ41−2で取得された温度値を表している。波形L3は、監視通報装置11の漏電センサ41−3で取得された漏洩電流値を表している。
なお、グラフ表示領域213の横軸(の目盛)は、グラフを表示している日時を表し、縦軸の右側(の目盛)は、波形L2に対応する温度値を表し、縦軸の左側の上段または下段(の目盛)は、波形L3またはL1に対応する漏洩電流値またはデマンド値をそれぞれ表している。
以上のように、表示制御部154Aがユーザのクライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させるデータ閲覧画面201では、ユーザが管理する監視通報装置11のセンサ41で取得されたデータを波形として表示することができるようになっている。
図7は、表示制御部154Bが、デマンド閲覧契約Bで遠隔監視通報サービスを契約しているユーザに対して表示させるデータ閲覧画面の例を示している。
図7に示すデータ閲覧画面231は、タイトル領域241、計測データ設定領域242、比較データ設定領域243、グラフ表示領域244、および詳細データ表示領域245により構成されている。
タイトル領域241は、このデータ閲覧画面231が設定(指定)された1日内のデータを表示する画面であることを表すタイトル「日次データ」を表示する領域である。
なお、表示制御部154Bが表示するデータ閲覧画面としては、「日次データ」の他に、例えば、1週間内の日ごとのデータを表示する「週次データ」や、月内の日ごとのデータを表示する「月次データ」などが表示可能である。
計測データ設定領域242は、ユーザが管理する監視通報装置11の(電力計41−1で計測された)デマンド値をグラフ表示領域244に表示させる日付をユーザに入力させる(指定させる)領域である。計測データ設定領域242には、デフォルトとして、データ閲覧画面を操作している日(現在日)の日付が予め入力されており、それに伴い、グラフ表示領域244には、現在日の現在の時刻までに計測されたデマンド値のデータが表示されるようになっている。
また、ユーザが計測データ設定領域242のテキストボックスに年月日を入力して「移動」ボタンを押下した場合、グラフ表示領域244の表示が、テキストボックスで入力された日付のグラフに変更される。あるいは、ユーザが計測データ設定領域242の左矢印(「←」)または右矢印(「→」)ボタンを押下した場合、グラフ表示領域244の表示が、1日単位で古い方向または新しい方向の日付のグラフに変更される。
比較データ設定領域243は、グラフ表示領域244において、計測データ設定領域242で入力されたデマンド値のグラフと重ね合わせて比較表示させるデータ(比較データ)を指定する領域である。
比較データ設定領域243において、テキストボックス、左矢印ボタン、右矢印ボタン、および「移動」ボタンが操作(入力)されることにより、計測データ設定領域242と同様に、グラフ表示領域244に表示させる日付が指定される。
また、比較データ設定領域243において、「重ね合わせ」ボタンが押下されると、表示制御部154Bは、新たに比較データとして採用する監視通報装置11およびセンサ41−n(n=1乃至Nのいずれか)を指定するダイアログを表示させ、それにより指定された監視通報装置11およびセンサ41−nが、比較データ設定領域243内の「端末」欄および「CH」欄に表示される。
従って、比較データ設定領域243においては、ユーザは、自分が管理する監視通報装置11のデマンド値以外のデータを指定することや、自分が管理していない監視通報装置11のデマンド値または温度値などのデータを指定することが可能である。図7のデータ閲覧画面231の例では、コンビニB店の監視通報装置11−2の温度値(AI4)が指定されている。
グラフ表示領域244は、計測データ設定領域242および比較データ設定領域243で入力(指定)されたデータに対応するグラフを重ね合わせて表示する領域である。即ち、表示制御部154Bは、計測データ設定領域242で指定された日付の30分ごとのデマンド値(例えば、図7では、コンビニA点の2005年3月21日のデマンド値)を、図7に示すように、棒グラフで表示するとともに、比較データ設定領域243で指定された日付の指定された監視通報装置11の指定されたデータ(例えば、図7では、コンビニB点の2005年3月22日の温度値)を、折れ線グラフ(波形)でグラフ表示領域244に表示する。
なお、グラフ表示領域244の横軸(の目盛)は、1日内の時刻を表し、縦軸の右側(の目盛)は、折れ線グラフに対応する温度値を表し、縦軸の左側(の目盛)は、棒グラフに対応するデマンド値を表している。
詳細データ表示領域245は、グラフ表示領域244で表示されている棒グラフに対応する30分ごとのデマンド値を表示する領域である。なお、詳細データ表示領域245内の右側には、画面サイズの制約上、表示されていない時間帯のデマンド値を参照可能とするためのツールバーが表示されている。
以上のように、表示制御部154Bがユーザのクライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させるデータ閲覧画面231では、ユーザが管理する監視通報装置11のセンサ41で取得されたデマンド値と、その他のデータ(例えば、温度値)とを重ね合わせて表示したり、ユーザが管理する監視通報装置11のセンサで取得されたデマンド値と、他の監視通報装置11のデマンド値(またはその他のデータ)とを重ね合わせて表示することができるようになっている。
従って、表示制御部154Bは、表示制御部154Aが表示させるデータ閲覧画面201より、高機能、かつ、見易い画面を提供することができる。
次に、図8のフローチャートを参照して、遠隔監視サーバ13(メインシステム111およびサブシステム112)のデマンド表示制御処理を説明する。この処理では、ユーザが、端末送受信部151において、データ閲覧画面を表示させる処理を行うものとする。
遠隔監視通報サービスを契約しているユーザが、クライアント端末装置15から、デマンドデータ閲覧サイトにアクセスし、ユーザIDとパスワードを入力した場合、ステップS1において、サブシステム112の端末送受信部151は、入力されたユーザIDとパスワードを取得(受信)する。
ステップS2において、機能選択部152は、端末送受信部151で取得されたユーザIDと同一のユーザIDを契約者DB153から検索し、ログインしてきたユーザの契約レベルを判別する。
ステップS3において、機能選択部152は、ユーザの契約レベルに応じて、表示制御部154Aまたは154Bを選択し、起動させる。
ステップS4において、機能選択部152により起動された表示制御部154Aまたは154Bは、端末送受信部151を介してクライアント端末装置15から送信されてくるユーザの操作情報に応じて、クライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させる表示制御情報(HTMLデータ)を生成する。例えば、表示制御部154Bは、計測データ設定領域242で指定された日付のデマンド値をデマンドサブDB156から取得し、そのデータ閲覧画面を表示させる表示制御情報を生成する。
ステップS5において、端末送受信部151は、ログインしているユーザのクライアント端末装置15に、生成された表示生成情報を送信する。
ステップS6において、表示制御部154Aまたは154Bは、クライアント端末装置15のディスプレイ上に表示されたデータ閲覧画面201または231(の表示期間設定領域211、横スクロール領域212、計測データ設定領域242、または比較データ設定領域243)において、ユーザが表示期間、日付、またはデータの種類を変更する入力を行ったか否かを、クライアント端末装置15から送信されてくるユーザの操作情報に基づいて判定する。
ステップS6において、表示期間、日付、またはデータの種類が変更された場合、ステップS4に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
一方、ステップS6において、表示期間、日付、またはデータの種類が変更されない場合、処理を終了する。
次に、図9のフローチャートを参照して、デマンドDB122に記憶されていて、デマンドサブDB156にまだ記憶されていないデータをメインシステム111から取得するデマンドデータ送受信処理について説明する。なお、図9の処理は、図8のデマンド表示制御処理とは独立に(並行して)行われる。
初めに、ステップS20において、送受信部155は、予め設定された所定時間が経過したかどうかを判定し、所定時間が経過したと判定されるまで待機する。ここで、所定時間は、例えば、デマンド値の取得間隔と同一の30分とすることができる。
ステップS20において、所定時間が経過したと判定された場合、ステップS21に進み、送受信部155は、データ要求コマンドをサブシステムI/F125に送信する。
ステップS22において、サブシステムI/F125の送受信部131は、送受信部155からのデータ要求コマンドを受信する。
ステップS23において、送受信部131は、データ要求コマンドに応じて、まだサブシステム112に送信していないデータ(差分データ)をデマンドDB122から読み出す。即ち、送受信部131は、図5を参照して説明したように、読み出し日時の項目に、何も記録されていないフィールドのデータをデマンドDB122から読み出す。
ステップS24において、送受信部131は、読み出した差分データをサブシステム112の送受信部155に送信する。
ステップS25において、サブシステム112の送受信部155は、サブシステムI/F125から送信されてきた差分データを受信し、デマンドサブDB156に記憶させ、ステップS20に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
以上のように、遠隔監視通報サーバ13では、ユーザが、クライアント端末装置15からデマンドデータ閲覧サイトにアクセスしてユーザIDとパスワードを入力した場合、そのユーザの契約レベルに応じた(表示機能などがそれぞれ異なる)データ閲覧画面をユーザに提供することができる。即ち、ユーザの契約状況(課金状況)に応じて、遠隔監視通報サービスを容易に変更することが可能となり、多機能な遠隔監視通報システムを提供することができる。
なお、上述した例では、ユーザIDと監視通報装置11とが1対1で対応するものとして説明したが、ユーザは、複数の監視通報装置11を管理することも可能である。その場合には、例えば、ユーザIDに対応させて複数の装置IDを契約者DB153に記憶させておき、表示制御部154Aまたは154Bが表示するデータ閲覧画面においては、どの監視通報装置11のデータを表示させるかを指定させるようにすることができる。
また、遠隔監視通報サーバ13では、監視通報装置11からのデータをデマンドDB122に蓄積するとともに、取得されたデータが予め設定された警報レベルを超えていないか(超えることが予想されるか)どうかを監視し、警報レベルを超えると判定された場合、登録されているメールアドレスに警報メールを送信する機能と、遠隔監視通報サービスを契約しているユーザに対して、自分が管理している監視通報装置11のデータを閲覧させる機能および警報レベルを設定させる機能とを、それぞれメインシステム111とサブシステム112とに分離する構成とした。
これにより、例えば、負荷の大きな画面表示処理である、データ閲覧画面をクライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させる処理を、データを監視し、警報(メール)を発する処理から分離させることができるので、例えば、あるユーザが、大量のデータを使用したデータ閲覧画面を表示させて、データを閲覧しているために、メインシステム111で行われるべき、データを監視し、警報メールを発する処理がダウン(異常終了)して、データを取得し損ねたり、警報レベルに達した監視通報装置11を管理するユーザに警報が発せられない(または即座に発せられない)などの被害を回避することができる。即ち、信頼性の高い遠隔監視通報システム1を提供することができる。
また、メインシステム111とサブシステム112とが分離されているので、上述した例でサブシステム112が実現している、監視通報装置11のデータを閲覧したり、警報レベルを設定する機能とは別の新たな機能が必要となった場合、その新たな機能を追加するようにして開発された新サブシステムをサブシステム112と容易に交換すること(サブシステムのバージョンアップ)ができる。この場合においても、メインシステム111の処理に影響を及ぼすことがないので、メインシステム111が行う処理(データベースを蓄積し、警報を発する処理)の信頼性は確保される。なお、サブシステムI/F125を共用して、上述のサブシステム112と並列に新たな機能を有するサブシステムを実行させるようにすることも可能である。
図10は、図1の遠隔監視通報サーバ13のその他の構成例を示す機能ブロック図である。
なお、図10において、図4と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明を適宜省略する。即ち、図10においては、サブシステムI/F125にレベル判別部301およびデータ演算部302が新たに設けられている他は、図4と同様に構成されている。
表示制御部154Bは、図4における場合と同様に、端末送受信部151を介してクライアント端末装置15から送信されてくるユーザの操作情報に応じて、クライアント端末装置15のディスプレイ上に表示させる画面の表示制御情報(HTMLデータ)を生成する。ここで、表示制御部154Bは、後述するように、デマンドサブDB156に記憶されている付加データを、その他のデマンド値、温度値、漏洩電流値、または内部温度値などのデータと同様に画面に表示させる表示情報も生成することができる。
送受信部155は、データ要求コマンドをサブシステムI/F125の送受信部131に送信する。ここで、送受信部155は、データ要求コマンドに、ユーザの契約レベルを表す情報も含めて送受信部131に送信する。
また、送受信部155は、データ要求コマンドに応じて送信されてくる、デマンドDB122に記憶されていて、かつ、デマンドサブDB156に記憶されていないデータ(差分データ)および付加データを受信して、デマンドサブDB156に記憶させる。
レベル判別部301は、送受信部131を介して、サブシステム112からのデータ要求コマンドを取得し、そこに含まれるユーザの契約レベルを表す情報から、ユーザの契約レベルを判別する。
また、レベル判別部301は、判別された契約レベルに応じて、付加データを演算する命令をデータ演算部302に供給し、その命令に応じて演算された演算結果(付加データ)をデータ演算部302から取得する。
データ演算部301は、レベル判別部301から供給される命令に従い、デマンドDB122に記憶されているデータを用いて所定の演算を行い、付加データを演算する。
例えば、データ演算部301は、監視通報装置11の1年前の同時期(同一期間)の同一データとの差分値を、付加データとして演算する。この付加データにより、ユーザは、店舗の今年のデマンド値が、去年と比べて大きいか(使いすぎか)どうかを容易に比較することができる。
さらに、例えば、データ演算部301は、監視通報装置11の過去6ヶ月のデマンド値のうちの最大値や分散値を、付加データとして取得する。この付加データにより、ユーザは、過去6ヶ月のデマンド値の実績値から、電力会社との最適な契約電力容量を予想することができる。
また、データ演算部301は、監視通報装置11が設置されている店舗(ユーザが管理している店舗)とほぼ同一面積を有する他の店舗に設置されている監視通報装置11のデマンド値との差分値を、付加データとして演算する。この付加データにより、ユーザは、同様の傾向を有すると予想される他の店舗のデマンド値と自分の店舗のデマンド値とを容易に比較することができる。
送受信部131は、データ要求コマンドに応じて差分データをデマンドDB122から読み出し、データ演算部302で演算された付加データとともに、サブシステム112(の送受信部155)に送信する。
次に、図11のフローチャートを参照して、図10に示す遠隔監視サーバ13のデマンドデータ送受信処理について説明する。
初めに、ステップS60において、送受信部155は、予め設定された所定時間が経過したかどうかを判定し、所定時間が経過したと判定されるまで待機する。ここで、所定時間は、例えば、デマンド値の取得間隔と同一の30分とされる。
ステップS60において、所定時間が経過したと判定された場合、ステップS61に進み、送受信部155は、ユーザの契約レベルを表す情報が含まれるデータ要求コマンドをサブシステムI/F125に送信する。
ステップS62において、サブシステムI/F125の送受信部131は、送受信部155からの、ユーザの契約レベルを表す情報が含まれるデータ要求コマンドを受信する。
ステップS63において、送受信部131は、データ要求コマンドに応じて、まだサブシステム112に送信していないデータ(差分データ)をデマンドDB122から読み出す。即ち、送受信部131は、図5を参照して説明したように、読み出し日時の項目に、何も記録されていないフィールドのデータをデマンドDB122から読み出す。
また、ステップS63において、レベル判別部301は、データ要求コマンドに含まれているユーザの契約レベルを表す情報に基づいて、ユーザの契約レベルを判別する。
ステップS64において、レベル判別部301は、判別された契約レベルに応じて、付加データを演算する命令をデータ演算部302に供給する。そして、データ演算部302は、デマンドDB122に記憶されているデータを用いて付加データを演算する。
ステップS65において、送受信部131は、データ要求コマンドに応じて、付加データとともに、読み出した差分データをサブシステム112の送受信部155に送信する。
ステップS66において、サブシステム112の送受信部155は、サブシステムI/F125から送信されてきた差分データおよび付加データを受信し、デマンドサブDB156に記憶させ、ステップS60に戻り、以下同様の処理が繰り返される。
図11のデマンドデータ送受信処理によれば、ユーザの契約レベルに応じた付加データもデマンドサブDB156に記憶される。従って、表示制御部154Bは、データ閲覧画面と同様に、デマンドサブDB156に記憶された付加データをグラフ化した画面を表示させる表示制御情報を生成することができる。または、表示制御部154Bは、データ閲覧画面に、付加データの内容も表示させる表示制御情報を生成することができる。
これにより、ユーザの契約レベルに応じて、提供するデータを差別化するとともに、付加価値の高いデータをユーザに提供することができる。従って、ユーザの契約状況(課金状況)に応じて、遠隔監視通報サービスの内容を容易に変更することが可能となり、多機能な遠隔監視通報システムを提供することができる。
なお、上述した実施の形態においては、メインシステム111の送信部124は、警報メールの送信のみを行うようにしたが、例えば、警報レベルを設定するデータを受信して、通報制御部123に供給する機能をさらに備えるようにすることができる。
また、上述した実施の形態では、遠隔監視通報サーバ13のメインシステム111が、監視通報装置11で取得されたデータが警報レベルを超えているか、または超えると予想されるかどうかを判定(監視)するようにしたが、監視通報装置11自身が、取得したデータについて警報レベルを超えているか、または超えると予想されるかどうかを判定し、メインシステム111は、監視通報装置11から送信されてくる、その旨の通知を、送信部124から送信(転送)するようにしてもよい。
また、メインシステム111のデータ演算部302を、サブシステム112内に設け、付加データをサブシステム112側で演算させるようにすることもできる。
なお、上述した実施の形態において、HTTPにより通信を行うとしたものは、HTTP以外のプロトコル(独自で取り決めたプロトコルも含む)で通信を行うようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、監視対象のデータ例として、デマンド値、温度値、漏洩電流値、または内部温度値を採用して説明したが、遠隔監視通報システム1では、一般の電力量、湿度、液体窒素や酢、酒などを貯蔵するタンクの残量データ(液面のレベル)、ガス漏れ、ドアの開閉、または不法侵入者など、その他の様々なデータを監視対象のデータとして適用することが可能である。
本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
1 遠隔監視通報システム, 11−1乃至11−N 監視通報装置, 13 遠隔監視通報サーバ(情報処理装置), 15−1乃至15−M クライアント端末装置, 111 メインシステム, 112 サブシステム, 121 データ取得部, 122 デマンドDB, 123 通報制御部, 124 送信部, 125 サブシステムI/F, 131 送受信部, 151 端末送受信部, 152 機能選択部, 153 契約者DB, 154A,154B 表示制御部, 155 送受信部, 156 デマンドサブDB, 301 レベル判別部, 302 データ演算部