JP2006283645A - 偏平マフラ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で重量増加を招かず、しかも剛性を確保して放射音の発生を低減することのできる超偏平化が可能な偏平マフラを提供する。
【解決手段】近接対向壁11eを有する偏平筒状のマフラシェル11の内部に、近接対向壁11eに内接させて排ガスの流通する入口パイプ12、出口パイプ13を挿入し、これらのパイプ12、13を近接対向壁11eに密着状態で固着することにより、該パイプを仕切壁として、マフラシェルの内部空間を複数の音響室に区画した。
【選択図】図1
【解決手段】近接対向壁11eを有する偏平筒状のマフラシェル11の内部に、近接対向壁11eに内接させて排ガスの流通する入口パイプ12、出口パイプ13を挿入し、これらのパイプ12、13を近接対向壁11eに密着状態で固着することにより、該パイプを仕切壁として、マフラシェルの内部空間を複数の音響室に区画した。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の排気系に使用する偏平マフラに関するものである。
内燃機関の排気系用マフラは、車両への装着性の向上を図る上でメリットがある等の理由により、偏平率がだんだんと大きくなる傾向にある。ところが、偏平率を増大させると、放射音の悪化が問題となるため、実際のところ、あまり大きな偏平化には無理があった。
従来、偏平化のための構造として多いのは、マフラシェルの内部に複数のバッフルを配置して複数の音響室を画成するもの、あるいは、プレス成形した半割シェルをパイプを挟むようにサンドイッチするもの等がある。後者の例は、特許文献1に記載がある。
実用新案登録第2525263号公報
ところで、偏平構造は、丸断面構造に比較して重量が増大する傾向があるが、複数のバッフルをマフラシェルの内部に配置して複数の音響室を画成するようにした場合、剛性を高めることはできるものの、一層の重量増加を来すことになり、車載する上で好ましくない。また、プレス成形した半割シェルをサンドイッチして接合する構造の場合、別に挿入するバッフルを省略できるため軽量化が可能であるが、剛性をあまり高くできず、放射音の発生を良好に低減することはできない。また、いずれの場合も、構造上の制約からパイプ径に迫るほどの超偏平化は無理であった。
本発明は、上記事情を考慮し、簡単な構造で重量増加を招かず、しかも剛性を確保して放射音の発生を低減することのできる超偏平化が可能な偏平マフラを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、近接対向壁を有する偏平なマフラシェルの内部に、前記近接対向壁に内接させて排ガスの流通するパイプを挿入し、このパイプを前記近接対向壁に密着状態で固着することにより、該パイプを仕切壁として、前記マフラシェルの内部空間を複数の音響室に区画したことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の偏平マフラであって、前記マフラシェルは、軸線方向の両端開口がエンドプレートによって閉塞された偏平筒状体よりなり、前記エンドプレートを貫通して前記パイプがマフラシェルの内部に挿入されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の偏平マフラであって、前記マフラシェルの近接対向壁に内接するパイプとして、外部から排ガスをマフラシェル内部に導入する入口パイプと、マフラシェル内部の排ガスを外部に導出する出口パイプとを、前記マフラシェルの内部に挿入したことを特徴とする。
請求項4の発明は、少なくとも請求項1〜3のいずれか一つに記載の偏平マフラであって、前記音響室として、分岐室、拡張室、レゾネータ室を設けたことを特徴とする。
請求項5の発明は、少なくとも請求項1〜4のいずれか一つに記載の偏平マフラであって、前記近接対向壁の間隔に合わせて、前記パイプの断面を楕円形としたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、マフラシェル内部に内接状態で挿入したパイプが仕切壁の機能を果たして、マフラシェル内部空間を複数の音響室に区画するので、パイプとは別にバッフルを設ける必要がなくなり、マフラ全体の軽量化が図れる。また、バッフルが不要であるから、マフラシェル内部を簡単な構造にすることができ、気流音や異音の発生を低減することができる。また、マフラシェルの近接対向壁をパイプに密着させるので、パイプ径に迫るほどのマフラシェルの超偏平化が可能である。
また、パイプを近接対向壁に密着させた状態でマフラシェルと固着することによって、マフラシェルの剛性が大幅にアップするので、超偏平構造にしても放射音の発生を低減することができる。また、マフラシェルとパイプの密着によって剛性がアップする分だけ、マフラシェルの板厚やパイプの肉厚を減らすことができるので、それだけマフラ全体の重量軽減を図ることができる。また、偏平化すると重量増になりがちであるが、偏平化ゆえにマフラシェルの内部構造の設計バリエーションが多くなって、結果的に消音性能の向上により小型化が可能となるので、偏平化による重量増を打ち消すことができる。つまり、偏平化しない場合と重量的には大差のないマフラを提供することができる。
請求項2の発明によれば、マフラシェルを、両端開口がエンドプレートで閉塞された偏平筒状体で構成し、パイプをエンドプレートに貫通させてマフラシェルの内部に挿入しているので、プレス成形したケース半体をサンドイッチし接合してマフラシェルを作る場合(従来例)と違って、マフラシェルの内部構造の設計自由度を大きくとることができる。つまり、パイプの配置の仕方を変えるだけで、マフラシェルの内部に区画する音響室を自由に設計することができる。
請求項3の発明によれば、入口パイプ及び出口パイプをマフラシェル内部に適当に配置することによって、種々のバリエーションの音響室をマフラシェル内部に画成することができ、簡単な構造でありながら、消音性能の向上を容易に図ることができる。
請求項4の発明によれば、分岐室、拡張室、レゾネータ室という3つの異なる働きをなす部屋をマフラシェル内部に画成したので、コンパクトな構造でありながら、消音性能の一層の向上を図ることができる。
請求項5の発明によれば、音響性能を変えるためにパイプの断面積を適当に変化させる場合であっても、確実にパイプを近接対向壁に密着させることができる。即ち、パイプの断面積を適当に変化させたい場合、パイプの断面が円形のままであると、パイプの外径がマフラシェルの近接対向壁の内寸に合わないことで、パイプと近接対向壁の間に隙間ができたり、パイプの径が大きすぎてマフラシェル内に挿入できなかったりする可能性があるが、パイプの断面を近接対向壁の内寸に合うように楕円形にすることで、マフラシェルの近接対向壁に確実に密着させた状態でパイプをマフラシェル内に挿入することができる。従って、バッフルの代わりに音響室を画成することができる。例えば、パイプ径をマフラシェルの近接対向壁の間隔より小さくする場合は、パイプの断面を縦型の楕円形にして、近接対向壁に内接させる。また、パイプ径をマフラシェルの近接対向壁の間隔より大きくする場合は、パイプの断面を横型の楕円形にして、近接対向壁に内接させる。なお、パイプの断面を楕円形にしても、極端な偏平形状でなく、円形断面の場合と通路面積が変わらなければ、音響特性的にはあまり変わらないので問題はない。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1(a)は第1実施形態の偏平マフラ10の斜視図、(b)は(a)のIb−Ib矢視断面図である。
この偏平マフラ10は、周壁11aと両端エンドプレート11b、11cとを有する偏平筒状のマフラシェル11と、外部から排ガスをマフラシェル11の内部に導入する入口パイプ12と、マフラシェル11の内部の排ガスを外部に導出する出口パイプ13とを有する。
マフラシェル11の周壁11a上の近接対向壁11eは、入口パイプ12及び出口パイプ13の外径と同程度の小さい間隔で対向しており、それら近接対向壁11eに内接させて、入口パイプ12及び出口パイプ13が、各エンドプレート11b、11cを貫通してマフラシェル11の内部に挿入されている。
この場合、入口パイプ12はストレートパイプであり、入口端12aをマフラシェル11の外部、出口端12bをマフラシェル11の内部に位置させて、一方のエンドプレート11bを貫通した状態で、マフラシェル11の軸線に平行に配置されている。
また、出口パイプ13は、マフラシェル11の内部でU字状に曲がったものであり、入口端13aをマフラシェル11の内部、出口端13bをマフラシェル11の外部に位置させ、且つ、出口側のストレート管部を他方のエンドプレート11cに貫通させ、入口側及び出口側のストレート管部をマフラシェル11の軸線と平行にして配置されている。
この場合、入口パイプ12は、マフラシェル11の幅方向の一端側に偏らせて配置してあり、出口パイプ13の入口端13a側は、マフラシェル11内において、マフラシェル11の幅方向の他端側に向けて曲がってUターンしている。そして、出口パイプ13の入口端13aは、入口パイプ12から遠い位置で、出口パイプ13が貫通した側のエンドプレート11cの内面に向けて適当な距離をあけて開口している。
そして、入口パイプ12及び出口パイプ13は、近接対向壁11eに密着させ状態で、スポット溶接またはロウ付け等の接合手段により固着され、これにより、入口パイプ12及び出口パイプ13が仕切壁となって、マフラシェル11の内部空間が複数の音響室(分岐室、拡張室、レゾネータ室等)に区画されている。
分岐室とは、分岐された行き止まりの管であり、音波はこの管内にて共鳴現象が生じ、管壁との摩擦により熱エネルギーに変換され減衰する特徴がある。拡張室とは、両端板に閉ざされた部屋であり、音波はこの端板で反射し減衰する特徴がある。レソネータ室とは、入口が絞られた部屋であり、特定の周波数で共鳴現象が生じ、管壁との摩擦により熱エネルギに変換され減衰する特徴がある。
なお、図1(b)において、Pで示す位置が固着位置である。固着は連続的に行う必要はなく、適当な間隔をおいて行っておけばよい。
図2は入口パイプ12と出口パイプ13のレイアウト例を示す。
(A−1)、(A−2)、(A−3)は出口パイプ13のマフラシェル11内での長さを長く延長した例を示している。
(B−1)、(B−2)、(B−3)は入口パイプ12のマフラシェル11内での長さを長く延長した例を示している。
(C−1)、(C−2)は出口パイプ13を2本設けて、実質的にマフラシェル11内での出口パイプ13の長さを長く延長した例を示している。
図3は入口パイプ12と出口パイプ13のレイアウトによって、音響室(分岐室B、拡張室K、レゾネータ室R)がどのように形成されるか、その例を示している。
図3(a)の偏平マフラ20Aでは、入口パイプ12はストレート管、出口パイプ13は1つのUターン部を有する曲がり管よりなる。出口パイプ13のUターン部分の内側に、入口部Raの面積の広いレゾネータ室Rが形成され、そのレゾネータ室Rの入口部Raが、出口パイプ13の入口端13a側のストレート管部とマフラシェル11との間の僅かな隙間Sを介して拡張室Kとつながっている。
図3(b)の偏平マフラ20Bでは、入口パイプ12はストレート管、出口パイプ13は2つのUターン部を有する曲がり管よりなる。出口パイプ13の出口端13b側のUターン部分の内側にレゾネータ室Rが形成され、そのレゾネータ室Rが、出口パイプ13の入口端13a側のストレート管部とマフラシェル11との間の僅かな隙間Sを介して分岐室Bとつながっている。
図3(c)の偏平マフラ20Cでは、出口パイプ13が2本平行にマフラシェル11内に挿入されており、マフラシェル11内で1本の出口パイプ13の入口端13a側が他方の出口パイプ13の入口端13aに接近する位置までL字状に曲がっている。そして、2本の出口パイプ13で囲んだ部分にレゾネータ室Rが形成されている。この場合は、両出口パイプ13の入口端13aの間の僅かな隙間を介して、レゾネータ室Rが他の音響室(拡張室K、分岐室B)と連通している。
図3(d)の偏平マフラ20Dでは、出口パイプ13と入口パイプ12が共にストレート管で構成され、2本のパイプ12、13がマフラシェル11内で平行にすれ違っている。この場合は、入口パイプ12の出口パイプ13側と反対側にレゾネータ室Rが形成され、レゾネータ室Rが、入口パイプ12の出口端12bとマフラシェル11との隙間でつながっている。
図3(e)の偏平マフラ20Eでは、出口パイプ13が2本平行にマフラシェル11内に挿入されており、マフラシェル11内で2本の出口パイプ13の入口端13a側が相手側の出口パイプ13の入口端13aに接近する位置までL字状に曲がっている。そして、2本の出口パイプ13で囲んだ部分にレゾネータ室Rが形成されている。この場合は、両出口パイプ13の入口端13aの間の僅かな隙間を介して、レゾネータ室Rが他の音響室(拡張室K)と連通している。
図3(f)の偏平マフラ20Fでは、出口パイプ13が2本平行にマフラシェル11内に挿入されており、マフラシェル11内で2本の出口パイプ13の入口端13a側が相手側の出口パイプ13に向けてL字状に曲がっており、両方の出口パイプ13の入口端13a側が平行にすれ違っている。そして、2本の出口パイプ13で囲んだ部分にレゾネータ室Rが形成されている。この場合は、2本の出口パイプ13の入口端13a側のすれ違い部分にできた僅かな隙間を介して、レゾネータ室Rが他の音響室(拡張室K)と連通している。
このように、入口パイプ12と出口パイプ13のレイアウトを適当に選ぶことによって、他種類の音響室(分岐室B、拡張室K、レゾネータ室R)のバリエーションを作り出すことができる。
以上の構成の偏平マフラ10、20A〜20Fでは、マフラシェル11内部に内接状態で挿入した入口パイプ12、出口パイプ13が仕切壁の機能を果たして、マフラシェル11の内部空間を複数の音響室(分岐室B、拡張室K、レゾネータ室R)に区画するので、入口パイプ12、出口パイプ13とは別にバッフルを設ける必要がなくなり、マフラ10全体の軽量化が図れる。また、バッフルが不要であるから、マフラシェル11内部を簡単な構造にすることができ、気流音や異音の発生を低減することができる。また、マフラシェル11の近接対向壁11eを入口パイプ12、出口パイプ13に密着させるので、入口パイプ12及び出口パイプ13のパイプ径に迫るほどのマフラシェル11の超偏平化が達成できる。
また、入口パイプ12及び出口パイプ13を近接対向壁11eに密着させた状態でマフラシェル11と固着することによって、マフラシェル11の剛性が大幅にアップするので、超偏平構造にしても放射音の発生を低減することができる。また、マフラシェル11と入口パイプ12及び出口パイプ13の密着によって剛性がアップする分だけ、マフラシェル11の板厚やパイプの肉厚を減らすことができるので、それだけマフラ10全体の重量軽減を図ることができる。
また、偏平化すると重量増になりがちであるが、偏平化ゆえにマフラシェル11の内部構造の設計バリエーションが多くなって、結果的に消音性能の向上により小型化が可能となるので、偏平化による重量増を打ち消すことが可能である。つまり、偏平化しない場合と重量的には大差のないマフラを提供することができる。
また、マフラシェル11を、両端開口がエンドプレート11b、11cで閉塞された偏平筒状体で構成し、入口パイプ12及び出口パイプ13をエンドプレート11b、11cに貫通させてマフラシェル11の内部に挿入しているので、従来例のように、プレス成形したケース半体をサンドイッチしてマフラシェルを作る場合と違って、マフラシェル11の内部構造の設計自由度を大きくとることができる。つまり、入口パイプ12及び出口パイプ13の配置の仕方を変えるだけで、マフラシェル11の内部に区画する音響室(分岐室B、拡張室K、レゾネータ室R)を自由に設計することができ、コンパクトな構造でありながら、消音性能の向上を容易に図ることができる。
図4は第2実施形態の偏平マフラ30Aの構成図である。この偏平マフラ30Aでは、両端をエンドプレート11b、11cで閉塞した偏平筒状のマフラシェル11の内部に、各エンドプレート11b、11cを貫通する形で、且つ、近接対向壁11eに内接させて、入口パイプ12及び出口パイプ13が挿入されている。
この場合、入口パイプ12と出口パイプ13は斜向かいの位置に配置され、マフラシェル11内の入口パイプ12の出口端12bの前面には、所定の間隔を開けて、入口パイプ12及び出口パイプ13と同径の仕切パイプ15が、入口パイプ12及び出口パイプ13と直交する関係で配置されている。この仕切パイプ15は、マフラシェル11の幅方向の一端から幅方向の略中間の位置までの長さに設定されている。
また、入口パイプ12側のエンドプレート11bの内面から他方のエンドプレート11cの内面近傍に向けて、入口パイプ12及び出口パイプ13よりも小断面(円形とした場合は細径)の別の仕切パイプ14が、入口パイプ12及び出口パイプ13と平行に設けられている。この仕切パイプ14は、断面が他のパイプ12、13、15より小さいが、マフラシェル11の近接対向壁11eの内寸に合わせて断面が楕円形とされ、それにより、長径部分の外周がマフラシェル11の近接対向壁11eに内接させられている。
また、この仕切パイプ14は、長手方向の途中の管壁に排ガスの脈動を低減するための小孔14aを有しており、その小孔14aからその内部に入った排ガスが、出口側のエンドプレート11cに近接した出口端14bから排出されるようになっている。
この場合も、先の第1実施形態の偏平マフラ10と同様に、マフラシェル11の近接対向壁11eに内接させて、入口パイプ12及び出口パイプ13が配置されている。また、仕切パイプ14、15も近接対向壁11eに内接している。そして、入口パイプ12、出口パイプ13、仕切パイプ14、15は、近接対向壁11eに密着させられた状態で、スポット溶接またはロウ付け等の接合手段により固着され、これにより、各パイプ12、13、14、15が仕切壁となって、マフラシェル11の内部空間が複数の音響室(分岐室B、拡張室K、レゾネータ室R)に区画されている。
この実施形態の偏平マフラ30Aの場合も前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
図5は第3実施形態の偏平マフラ30Bの構成図である。この偏平マフラ30Bでは、両端をエンドプレート11b、11cで閉塞した偏平筒状のマフラシェル11の内部に、近接対向壁11eに内接させて、入口パイプ12及び2本の出口パイプ13が挿入されている。入口パイプ12はエンドプレート11bから挿入されているが、2本の出口パイプ13は、マフラシェル11の周壁11aの両側部を貫通してマフラシェル11内部に挿入され、両方の出口パイプ13の入口端13a同士が向かい合っている。また、出口パイプ13は、マフラシェル11の外部でL字形に湾曲している。
この場合、出口パイプ13は、円形断面とした場合、マフラシェル11の近接対向壁11eの内寸より外径が小さくなるものであるから、楕円形に変形させられて、長径方向の外周面を近接対向壁11eに内接させた状態で、マフラシェル11内に挿入されている。
また、入口パイプ12の脇には、楕円形断面の仕切パイプ19が入口パイプ12と平行に設けられており、その仕切パイプ19とマフラシェル11との間には、出口パイプ13の入口端13aと入口パイプ12の出口端12bの空間を二分するように多数の小孔18a付きのバッフル18が設けられている。この小孔18a付きバッフル18は、振動による脈動圧力を低減する目的で設けられている。
この場合も、先の第1実施形態の偏平マフラ10と同様に、マフラシェル11の近接対向壁11eに内接させて、入口パイプ12及び楕円断面の出口パイプ13が配置されている。また、楕円断面の仕切パイプ19も近接対向壁11eに内接している。そして、入口パイプ12、出口パイプ13、仕切パイプ19は、近接対向壁11eに密着させられた状態で、スポット溶接またはロウ付け等の接合手段により固着されている。また、バッフル18もマフラシェル11に固着されている。これにより、各パイプ12、13、19が仕切壁となって、マフラシェル11の内部空間が複数の音響室(分岐室B、拡張室K、レゾネータ室R)に区画されている。
この実施形態の偏平マフラ30Bの場合も前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
第2、第3実施形態のように、音響性能を変えるためにパイプ13、14、15、19の断面積を適当に変化させる場合であっても、確実にパイプ13、14、15、19をマフラシェル11の近接対向壁11eに密着させることができる。即ち、パイプ13、14、15、19の断面積を適当に変化させたい場合、パイプ13、14、15、19の断面が円形のままであると、パイプ13、14、15、19の外径がマフラシェル11の近接対向壁11eの内寸に合わないことで、パイプ13、14、15、19と近接対向壁11eの間に隙間ができたり、パイプ13、14、15、19の径が大きすぎてマフラシェル11内に挿入できなかったりする可能性があるが、パイプ13、14、15、19の断面を近接対向壁11eの内寸に合うように楕円形にすることで、マフラシェル11の近接対向壁11eに確実に密着させた状態でパイプ13、14、15、19をマフラシェル11内に挿入して密着状態で固着することができる。
従って、バッフルの代わりに音響室を画成することができる。例えば、パイプ径をマフラシェル11の近接対向壁11eの間隔より小さくする場合は、前記第2、第3実施形態のように、パイプ13、14、15、19の断面を縦型の楕円形にして、近接対向壁11eに内接させる。また、パイプ径をマフラシェル11の近接対向壁11eの間隔より大きくする場合は、パイプの断面を横型の楕円形にして、近接対向壁11eに内接させる。ここで、パイプの断面を楕円形にしても、極端な偏平形状でなく、且つ円形断面の場合と通路面積が変わらなければ、音響特性的にはあまり変わらないので問題はない。
図6はパイプをマフラシェルに密着させた本発明に係る偏平マフラ(本発明品)と、パイプをマフラシェルに密着させない比較例のマフラ(従来品)のレゾネータ効果の違いを示している。
レゾネータ効果は、レゾネータ容積およびレゾネータ室の入口の開口面積により支配されるが、本発明の偏平マフラによれば、十分に大きなレゾネータ効果が得られることが分かる。
図7はパイプをマフラシェルに密着させた本発明に係る偏平マフラ(本発明品)と、パイプをマフラシェルに密着させない比較例のマフラ(従来品)の放射音特性の違いを示している。この図にて分かるように、本発明に係る偏平マフラは、真円度55%の偏平マフラ以上に低い放射音特性を有しており、真円度が小さくても、シェルと内管を密着させることにより発生する放射音レベルは大幅に低減することが判明した。
なお、上述した各実施形態におけるマフラシェル11の近接対向壁11eは、単純な平板でもよいが、さらなる放射音低減が要求される場合は、板面にビードを設ける等の剛性アップ手段を講じるのがよい。
10、20A〜20F、30A、30B 偏平マフラ
11 マフラシェル
11b,11c エンドプレート
11e 近接対向壁
12 入口パイプ
13 出口パイプ
14 分岐パイプ
B 分岐室
K 拡張室
R レゾネータ室
11 マフラシェル
11b,11c エンドプレート
11e 近接対向壁
12 入口パイプ
13 出口パイプ
14 分岐パイプ
B 分岐室
K 拡張室
R レゾネータ室
Claims (5)
- 近接対向壁(11e)を有する偏平なマフラシェル(11)の内部に、前記近接対向壁(11e)に内接させて排ガスの流通するパイプ(12、13、14)を挿入し、このパイプ(12、13、14)を前記近接対向壁(11e)に密着状態で固着することにより、該パイプ(12、13、14)を仕切壁として、前記マフラシェル(11)の内部空間を複数の音響室(B、K、R)に区画した
ことを特徴とする偏平マフラ(10、20A〜20F、30A、30B)。 - 請求項1に記載の偏平マフラであって、
前記マフラシェル(11)は、軸線方向の両端開口がエンドプレート(11b、11c)によって閉塞された偏平筒状体よりなり、前記エンドプレート(11b、11c)を貫通して前記パイプ(12、13)がマフラシェル(11)の内部に挿入されている
ことを特徴とする偏平マフラ(10、20A〜20F、30A)。 - 請求項1または2に記載の偏平マフラであって、
前記マフラシェル(11)の近接対向壁(11e)に内接するパイプとして、外部から排ガスをマフラシェル(11)内部に導入する入口パイプ(12)と、マフラシェル(11)内部の排ガスを外部に導出する出口パイプ(13)とを、前記マフラシェル(11)の内部に挿入した
ことを特徴とする偏平パイプ(10、20A〜20F、30A、30B)。 - 少なくとも請求項1〜3のいずれか一つに記載の偏平マフラであって、
前記音響室として、分岐室(B)、拡張室(K)、レゾネータ室(R)を設けた
ことを特徴とする偏平マフラ(10、20A〜20F、30A)。 - 少なくとも請求項1〜4のいずれか一つに記載の偏平マフラであって、
前記近接対向壁(11e)の間隔に合わせて、前記パイプ(14)の断面を楕円形とした
ことを特徴とする偏平マフラ(30A)。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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FR2917122A1 (fr) | 2007-06-08 | 2008-12-12 | Faurecia Sys Echappement | Silencieux pour ligne d'echappement de vehicule automobile |
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2005
- 2005-03-31 JP JP2005103763A patent/JP2006283645A/ja active Pending
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