JP2006282904A - 防曇塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】一液系塗料でありながら、低温での硬化性に優れ、良好な防曇性と密着性が発現されると共に、耐温水性に優れる防曇塗料組成物を提供する。
【解決手段】(a)4級アンモニウム基または3級アミノ基を有するビニル系単量体1〜10質量%、(b)ポリアルキレンオキシド基を有するビニル系単量体10〜50質量%、(c)カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するビニル系単量体1〜40質量%、および、(d)直鎖、分岐、環状アルキル基のいずれかを有するビニル系単量体であって、上記(a)成分、(b)成分および(c)成分とは異なるビニル系単量体30〜70質量%を含む単量体混合物の共重合体に、(e)金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物およびブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる硬化剤を添加してなる防曇塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、基材表面を親水化することによる防曇性、プラスチックなどの基材との密着性、および耐温水性に優れる一液系加熱硬化型防曇塗料組成物に関する。さらに詳しくは、車両用灯具におけるプラスチック製レンズなどの内部表面の塗装に有用な一液系加熱硬化型防曇塗料組成物に関する。
ポリメタクリレート樹脂やポリカーボネート樹脂は、透明性、成形性、耐熱性、耐衝撃性に優れている。特に、ガラスと比べると、軽量で、耐衝撃性に優れ、安価で成形加工が容易であるという利点を有しており、多くの分野で広く利用されている。具体的には、そのような性能を生かして、例えば、ヘッドランプレンズ、テールランプ、サイドカバーランプおよびグレージング材料等の自動車用途に多く用いられている。
しかしながら、合成樹脂材料は、一般に、高湿度環境下での急激な温度変化により水滴が付着し、曇りを生じ易い。例えば、高湿度環境下でヘッドランプやテールランプを点灯した場合、ランプのカバー内面と外面に急激な温度変化が生じ、内面に曇りが発生してしまうことがある。その結果、その部分の美観が損なわれ商品価値が低下し、或いは輝度が低下して安全上の障害となる場合がある。
この様な曇りを防ぐために、加熱硬化型防曇塗料組成物が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この塗料組成物を用いて良好な性能を有する塗膜を得るためには、120℃以上の高温で、30分以上の硬化時間という厳しい処理条件が必要である。したがって、省エネルギー化のために硬化温度を低下させた場合、塗料組成物の硬化が不十分となり、耐温水性が低下し易い。また、加熱硬化型防曇塗料組成物に触媒として酸性リン酸アルキルエステルを加えることにより、硬化温度を低下させるという提案もある(特許文献2参照)。しかし、何れも二液系塗料なので、塗装前に二液を配合する必要があり、また配合後のポットライフが短く、作業性が低い。
特開平6−212146号公報 特開2003−105255号公報
本発明の目的は、一液系塗料でありながら、低温での硬化性に優れ、良好な防曇性と密着性が発現されると共に、耐温水性に優れる防曇塗料組成物を提供することにある。
本発明は、(a)4級アンモニウム基または3級アミノ基を有するビニル系単量体1〜10質量%、(b)ポリアルキレンオキシド基を有するビニル系単量体10〜50質量%、(c)カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するビニル系単量体1〜40質量%、および、(d)直鎖、分岐、環状アルキル基のいずれかを有するビニル系単量体であって、上記(a)成分、(b)成分および(c)成分とは異なるビニル系単量体30〜70質量%を含む単量体混合物の共重合体に、(e)金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物およびブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる硬化剤を添加してなる防曇塗料組成物である。
本発明の防曇塗料組成物は、一液系塗料でありながら、低温での硬化性に優れている。また、基材表面を親水化することによる防曇性やプラスチックなどの基材との密着性も良好である。さらには、耐温水性にも優れている。したがって、本発明の防曇塗料組成物を、例えば、車両用灯具におけるプラスチック製レンズ内部表面などに塗装すると、高湿度環境化における曇りを防ぐことができ、輝度および美観を保持することが可能となる。
まず、共重合体を得る為の単量体混合物の(a)〜(d)成分について説明する。
本発明において、(a)成分は、4級アンモニウム基または3級アミノ基を有するビニル系単量体である。また、この(a)成分は、(b)〜(d)成分とは異なる成分であるから、ポリアルキレンオキシド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基の何れの基も持たない単量体である。
(a)成分の具体例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルグリシジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、(メタ)アクリロイルオキシジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルフォネート、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルグリシジルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルフォネート等の4級アンモニウム基を有するビニル系単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート等の3級アミノ基を有するビニル系単量体が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」および「(メタ)アクリレート」は、それぞれ、アクリロイルとメタクリロイル、アクリルとメタクリル、アクリレートとメタクリレートの総称である。
単量体混合物における(a)成分の含有比率は、防曇性の観点からは多い方が好ましく、密着性の観点からは少ない方が好ましい。これらの観点から、(a)成分の含有比率は、単量体混合物中1〜10質量%である。また、この範囲の下限値については、5質量%以上であることが好ましい。
本発明において、(b)成分は、ポリアルキレンオキシド基を有するビニル系単量体である。また、この(b)成分は、(a)、(c)および(d)成分とは異なる成分であるから、4級アンモニウム基、3級アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基の何れの基も持たない単量体である。
(b)成分の具体例としては、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレンオキシド基含有ビニル系単量体が挙げられる。
単量体混合物における(b)成分の含有比率は、防曇性の観点からは多い方が好ましく、密着性の観点からは少ない方が好ましい。これらの観点から、(b)成分の含有比率は単量体混合物中10〜50質量%である。この範囲の下限値については、20質量%以上であることがより好ましく、上限値については、40質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、(c)成分は、カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するビニル系単量体であり、硬化剤[(e)成分]との反応性に寄与する成分である。また、この(c)成分は、(a)、(b)および(d)成分とは異なる成分であるから、4級アンモニウム基、3級アミノ基、ポリアルキレンオキシド基の何れの基も持たない単量体である。
(c)成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルマレイン酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヘキサヒドロフタル酸、モノメチルマレート、モノブチルマレート、モノ2−エチルヘキシルマレート、モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン、無水イタコン酸、オクテニル無水コハク酸、ドデシル無水コハク酸等のカルボキシル基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート又は2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを1モル付加させたビニル系単量体[商品名プラクセルFA−1、商品名プラクセルFM−1等、ダイセル化学工業(株)製]等のヒドロキシル基含有ビニル系単量体;が挙げられる。
単量体混合物における(c)成分の含有比率は、耐温水性の観点からは多い方が好ましく、防曇性および密着性の観点からは少ない方が好ましい。これらの観点から、(c)成分の含有比率は単量体混合物中1〜40質量%である。この範囲の下限値については、5質量%以上であることがより好ましく、上限値については、20質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、(d)成分は、直鎖、分岐、環状アルキル基のいずれかを有するビニル系単量体である。また、この(d)成分は、(a)〜(c)成分とは異なる成分であるから、具体的には、4級アンモニウム基、3級アミノ基、ポリアルキレンオキシド基、カルボキシル基、ヒドロキシル基の何れの基も持たない単量体である。
(d)成分の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐状のアルキル基を有するビニル単量体;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリフリル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の環状アルキル基を有するビニル系単量体;が挙げられる。
単量体混合物における(d)成分の含有比率は、密着性の観点からは多い方が好ましく、防曇性の観点からは少ない方が好ましい。これらの観点から、(d)成分の含有比率は単量体混合物中30〜70質量%である。この範囲の下限値については、40質量%以上であることがより好ましく、上限値については、60質量%以下であることがより好ましい。
本発明の防曇塗料組成物の主成分である共重合体は、上述した(a)〜(d)成分を含む単量体混合物を共重合反応させることにより得られる。この単量体混合物は、本発明の効果を妨げない範囲内であれば、必要に応じて(a)〜(d)成分以外の単量体を含んでいても良い。そのような単量体としては、例えば、(1)4級アンモニウム基または3級アミノ基、(2)ポリアルキレンオキシド基、(3)カルボキシル基またはヒドロキシル基の3種類の基のうちの少なくとも2種類の基を有するビニル系単量体が挙げられる。
(a)〜(d)成分を含む単量体混合物を共重合反応させて共重合体を得る方法は特に制限されず、従来より知られる各種の重合法を用いることができる。例えば、単量体混合物をラジカル重合開始剤の存在下に60〜180℃、より好ましくは75〜100℃の反応温度で、3〜12時間反応させることにより、共重合体が得られる。特に、生産性、作業性の点から、溶液重合が有利である。
重合開始剤としては、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ化合物や、過酸化ベンゾイル等の過酸化物が好ましい。重合開始剤の添加量は、単量体混合物100質量部に対して0.05〜10質量部であることが好ましい。
溶液重合に用いる有機溶剤としては、例えば、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコールエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;が好ましい。これらは一種単独でまたは2種以上を組合せて使用できる。
次に、本発明の防曇塗料組成物が含有する硬化剤[(e)成分]と、その他の任意の添加剤について説明する。
本発明において、(e)成分は、金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物およびブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる硬化剤である。このような(e)成分は、カルボキシル基およびヒドロキシル基との反応性を有する。したがって、(c)成分により導入された共重合体中のカルボキシル基およびヒドロキシル基と(e)成分とが反応することによって、防曇塗料組成物の塗膜が硬化する。
(e)成分の具体例としては、エチルアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、チタンアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセトネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノエチルアセトアセテート等の金属キレート化合物;アルミニウムイソプロピレート、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム−sec−ブチレート、アルミニウムエチレート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ジルコニウムノルマルプロピネート等の金属アルコキシド化合物;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類をブロック化させて得られるブロックイソシアネート化合物;が挙げられる。
防曇塗料組成物における(e)成分の添加量は、硬化性の観点からは多い方が好ましく、防曇性および密着性の観点からは少ない方が好ましい。具体的には、(c)成分によりに導入された共重合体中のカルボキシル基およびヒドロキシル基の含有量に応じて、(e)成分の添加量を適宜決定すればよい。
例えば、(c)成分を5質量%含む単量体混合物から得た共重合体100質量部に対して(e)成分を添加する場合は、(e)成分としてエチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートを使用するのであれば、その添加量は1〜5.3質量部が好ましい。
また、(c)成分を15質量%含む単量体混合物から得た共重合体100質量部に対して(e)成分を添加する場合は、(e)成分としてアルミニウムトリス(エチルアセテート)を使用するのであれば、その添加量は1.6〜24質量部が好ましい。
また、(c)成分を35質量%含む単量体混合物から得た共重合体100質量部に対して(e)成分を添加する場合は、(e)成分として市販のブロックイソシアネート化合物(商品名デュラネートMF−K60X、旭化成工業(株)製)を使用するのであれば、その添加量は5.5〜194質量部が好ましい。
さらに本発明の防曇塗料組成物には、必要に応じて、例えば、界面活性剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、抗菌剤、防カビ剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染料、顔料を添加しても良い。
本発明の防曇塗料組成物は、例えば、ディップ塗装、スプレー塗装、バーコーター塗装、フローコート、スピンコート、ロールコート等の塗装法に適している。塗装の際には、必要に応じて有機溶剤で希釈して粘度を調整してから使用しても良い。例えば、スプレー塗装の場合は、良好な塗膜外観を得るために25℃における塗料粘度を20mPa・s以下に調整することが好ましい。有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコールエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;が挙げられる。これらは一種単独でまたは2種以上を組合せて使用できる。
硬化塗膜の形成方法としては、例えば、上記塗装法にて塗装した後、20〜50℃の温度で1〜10分間乾燥させることにより塗膜中に含まれる有機溶剤を除去し、さらに60〜130℃の温度で5〜30分間加熱することにより塗膜を硬化させる方法などが好ましく、120℃よりも低い温度でも良好に硬化させることができる。
硬化後の塗膜の厚さは、塗膜外観および密着性の観点から、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、また30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
<重合例1>
攪拌装置、温度計、還流冷却器、滴下漏斗を装備した反応器(2L)に、プロピレングリコールモノメチルエーテル200gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80℃に昇温した。次いで、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド9g、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(商品名M230G、新中村化学工業(株)製)35g、シクロヘキシルメタクリレート50g、メタクリル酸6g、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1g、プロピレングリコールモノメチルエーテル200gからなる単量体混合溶液を、1時間かけて仕込んだ。そして1時間30分後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1gを追加し、さらに1時間30分間重合反応を行った。その後、さらに30分間かけて90℃に昇温し、さらに1時間30分間重合反応を行って、共重合体混合溶液を得た。
<重合例2〜14>
表1に示す使用原料の配合比に変更したこと以外は、重合例1と同様にして共重合体混合溶液を製造した。
Figure 2006282904
表1中の略号は以下の通りである。
「MAPTAC」:メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MRCユニテック(株)製)
「M230G」:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=23)(商品名M230G、新中村化学工業(株)製)
「MAA」:メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製)
「HEMA」:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製)
「CHMA」:シクロヘキシルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製)
「MMA」:メチルメタクリレート(三菱レイヨン(株)製)
「DMAA」:N,N−ジメチルアクリルアミド(興人(株)製)
「AIBN」:2,2'−アゾビスイソブチロニトリル
「PGM」:プロピレングリコールモノメチルエーテル(ダイセル化学工業(株)製)。
<実施例1>
硬化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)製)10g、安定化剤としてアセト酢酸エチル5g、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(商品名エマール10、花王(株)製)5gを、重合例1で得た共重合体混合溶液(固形分20質量%)500gに添加し、塗料組成物を得た。
これを、縦250mm×横125mm×厚さ3mmのポリカ−ボネ−ト樹脂板(以下「PC板」と略す、商品名レキサンLS−2、GE社製)に、硬化後の塗膜が3μmになるようにスプレ−塗装した。室温(20℃)で5分間乾燥させた後、乾燥機中70℃で15分間加熱して、硬化塗膜付PC板を得た。
<実施例2〜7および比較例1〜7>
実施例2〜7については表2、比較例1〜7については表3に示す使用原料の配合比に変更したこと以外は、実施例1と同様にして塗料組成物を調製し、硬化塗膜付PC板を得た。
<硬化塗膜付PC板の評価>
実施例および比較例で得た硬化塗膜付PC板について各物性を評価した。その結果を表2および表3に示す。各物性の評価は次のようにして行った。
(透明性)
・初期透明性
硬化塗膜付PC板の全光線透過率(%)を、ヘイズメーター(型式HM−65W、(株)村上色彩研究所製)を用いて測定した。
・耐温水試験後透明性
硬化塗膜付PC板を80℃の温水中に240時間浸漬し、水洗し、さらに20℃環境下で1時間以上冷却した後、その硬化塗膜付PC板の全光線透過率(%)を上記ヘイズメータを用いて測定した。
・耐湿試験後透明性
硬化塗膜付PC板を70℃、95%RHの環境下に1000時間放置し、次いで20℃環境下で1時間以上冷却した後、その硬化塗膜付PC板の全光線透過率(%)を上記ヘイズメータを用いて測定した。
(防曇性)
・初期防曇性
硬化塗膜付PC板を20℃環境下で1時間以上放置した後、その硬化塗膜に息を吹きかけて透明性を目視にて判断し、下記基準に基づき評価した。
「◎」:息を10秒間吹きかけても、曇りを生じない。
「○」:息を3秒間吹きかけても、曇りを生じない。
「×」:曇りを生じる。
・耐温水試験後防曇性
硬化塗膜付PC板を80℃の温水中に240時間浸漬し、水洗し、さらに20℃環境下で1時間以上乾燥した後、その硬化塗膜に息を吹きかけて透明性を目視にて判断し、上記と同じ基準に基づき評価した。
・耐湿試験後防曇性
硬化塗膜付PC板を70℃、95%RHの環境下に1000時間放置し、次いで20℃環境下で1時間以上乾燥した後、その硬化塗膜に息を吹きかけて透明性を目視にて判断し、上記と同じ基準に基づき評価した。
(密着性)
・初期密着性
硬化塗膜付PC板の硬化塗膜にカミソリで縦横それぞれ11本の傷を1mm間隔で入れて100個のます目を作り、次にセロハンテ−プ(巾25mm、ニチバン(株)製)をます目に対して圧着させて上方に急激にはがした際の外観を目視にて観察し、下記基準に基づき評価した。
「○」:剥離を生じない。
「×」:剥離を生じる。
・耐温水試験後密着性
硬化塗膜付PC板を80℃の温水中に2時間もしくは240時間浸漬し、水洗し、さらに20℃環境下で1時間以上乾燥した後、その硬化塗膜に対して上記密着性試験を行い、外観を目視にて観察し、下記基準に基づき評価した。
「◎」:240時間浸漬後の試験において剥離を生じない。
「○」:2時間浸漬後において剥離を生じない。
「×」:いずれの試験においても剥離を生じる。
・耐湿試験後密着性
硬化塗膜付PC板を70℃、95%RHの環境下に1000時間放置し、次いで20℃環境下で1時間以上乾燥した後、その硬化塗膜に対して上記密着性試験を行い、外観を目視にて観察し、下記基準に基づき評価した。
「○」:剥離を生じない。
「×」:剥離を生じる。
Figure 2006282904
Figure 2006282904
表2及び表3中の略号は以下の通りである。
「ALCH」:エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(商品名ALCH、川研ファインケミカル(株)製)
「ALCH−TR」:アルミニウムトリス(エチルアセテート)(商品名ALCH−TR、川研ファインケミカル(株)製)
「AIPD」:アルミニウムイソプロピレート(商品名AIPD、川研ファインケミカル(株)製)
「MF−K60X」:ブロックイソシアネート化合物(商品名デュラネートMF−K60X、旭化成工業(株)製)
「エマール10」:ラウリル硫酸ナトリウム(商品名エマール10、花王(株)製)
「コータミン24P」:ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名コータミン24P、花王(株)製)
「エマルゲン705」:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名エマルゲン705、花王(株)製)
本発明の防曇塗料組成物は、例えば、ヘッドランプレンズ、テールランプ、サイドカバーランプおよびグレージング材料といった自動車用途を中心とした樹脂部品の曇り防止の為に非常に有用である。

Claims (1)

  1. (a)4級アンモニウム基または3級アミノ基を有するビニル系単量体1〜10質量%、(b)ポリアルキレンオキシド基を有するビニル系単量体10〜50質量%、
    (c)カルボキシル基またはヒドロキシル基を有するビニル系単量体1〜40質量%、および、
    (d)直鎖、分岐、環状アルキル基のいずれかを有するビニル系単量体であって、上記(a)成分、(b)成分および(c)成分とは異なるビニル系単量体30〜70質量%
    を含む単量体混合物の共重合体に、
    (e)金属キレート化合物、金属アルコキシド化合物およびブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる硬化剤を添加してなる防曇塗料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI570228B (zh) * 2014-09-22 2017-02-11 日油股份有限公司 防霧劑組合物及使用該防霧劑組合物的防霧性產品

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