JP2006282329A - 画像読取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステッピングモータを駆動源とする原稿搬送装置を備えたシートスルー方式の画像読取装置において、消費電力を抑えつつ、特定の駆動条件下で発生する原稿搬送速度の変動を低減して読取画像の劣化を防止する。
【解決手段】 原稿搬送用のステッピングモータの駆動条件(駆動電流と駆動周波数)が、原稿搬送速度の変動を発生するおそれのある条件(回転ムラ発生条件)に該当する場合であって(ステップS105:YES)、かつ、搬送中の原稿が、読取後ローラ突入区間もしくは分離ローラ離脱区間に位置する場合に(ステップS106:YESまたはステップS107:YES)、ステッピングモータの駆動電流値を変更する(ステップS108)。
【選択図】 図9

Description

本発明は、原稿を搬送しながらその画像を読み取る画像読取装置に関し、特に、その原稿搬送装置の改良に関する。
近年、原稿の画像を読み取る画像読取装置として、原稿を搬送装置により読取位置に搬送させながら、その原稿画像を読み取る、いわゆるシートスルー方式の画像読取装置が普及している。
このようなシートスルー方式の画像読取装置において、副走査方向(原稿搬送方向)における読取倍率を大きくするときはその倍率に応じて搬送速度を遅くし、反対に読取倍率を小さくするときには、搬送速度を速くするように構成されている(以下、原稿の搬送速度を変更して副走査方向の読取画像を変倍することを「速度変倍」という。)。また、主走査方向の読取倍率については、読み取った画像データの主走査方向における画素数を補間によって増加し、あるいは間引きにっよって減少させることにより変倍している。
このような原稿搬送装置の動力源のモータとしては、高精度な回転速度の制御が可能なステッピングモータが使用されるのが一般的である。ステッピングモータは、駆動パルスの周波数(駆動周波数)が大きくなるとそれに応じて回転速度も早くなるが、これに伴ってパルス幅が狭くなるので、回転トルクが小さくなる。そこで、従来から回転速度の増加に伴い各駆動パルスにおける電流(駆動電流)を大きくすることにより原稿搬送装置の駆動に必要な回転トルクを得るようになっている。そして、この場合における駆動電流は、省電力及びモータの過熱防止の観点から、脱調しない程度のトルクを発生させるに必要な最低限の値に設定されているのが一般的である。
特開平9−235039号公報 特開平11−196228号公報
ところが、速度変倍における読取倍率を変化させるべくステッピングモータの駆動周波数を変えると、特定の駆動電流と駆動周波数の組み合わせによっては、原稿搬送途中に速度変動が生じやすくなることが判明した。このように原稿搬送速度に変動が生じると、その読取画像の副走査方向において部分的な拡大・縮小率のばらつきが発生し、画像が劣化する。特にカラー原稿を読み取る場合には、わずかな搬送速度の変動が、色ずれとなって現れるため、画像の劣化が許容範囲を超える場合もある。
この問題を回避するため、例えば上記回転速度に応じて設定された駆動電流を一律に大きくして回転トルクに十分余裕を持たせればよいかも知れないが、そうすると消費電力が大きくなると共に、大量の原稿を連続して読み取る際に、ステッピングモータが過熱状態となり望ましくない。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、できるだけ消費電力を抑えつつ、特定の駆動条件下で発生する原稿搬送速度の変動を防止して読取画像の劣化を回避することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像読取装置は、ステッピングモータを駆動源とする原稿搬送手段により原稿を搬送しながらその画像を読み取る画像読取装置であって、原稿の読取条件を取得する搬送条件取得手段と、取得した原稿の読取条件に基づき前記ステッピングモータを駆動するための駆動周波数と駆動電流の組み合わせを決定する決定手段と、前記決定された駆動周波数と駆動電流の組み合わせが、原稿搬送速度の変動を発生するおそれのある駆動条件である場合に、原稿搬送時における負荷変動の生じるタイミングを含む所定の区間で前記決定された駆動電流を変更する駆動電流変更手段とを備えたことを特徴とする。
なお、本発明において「駆動電流を変更する」とは、直接、駆動電流を変更する場合のほか、印加する電圧を変更する場合も含められる。
ここで、前記原稿の読取条件は、少なくとも原稿の副走査方向の読取倍率を含み、また、さらには片面読取モードおよび両面読取モードを含んでもよい。
また、本発明は、前記原稿搬送速度の変動を発生するおそれのある駆動条件が、ステッピングモータの特性により、設定された駆動周波数における平均の回転速度Mと、当該平均の回転速度Mからの速度変動分の標準偏差σとの比をパーセンテージで表示した値をKとした場合に(K=(σ/M)×100)、Kの値が、1.0%を超える場合であることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記原稿搬送手段が、原稿の読取位置の下流側に原稿搬送ローラを備え、前記負荷変動の生じる区間は、原稿の先端が前記原稿搬送ローラのニップ部に突入するタイミングを含むことを特徴とする。
また、さらに本発明は、前記原稿搬送手段が、原稿トレイに載置された原稿束を1枚ずつ分離して送り出す原稿分離ローラを備え、前記負荷変動の生じる区間は、原稿の後端が前記原稿分離ローラのニップ部から離脱するタイミングを含むことを特徴とする。
また、本発明は、設定された各駆動電流に対して駆動周波数を変化させながら前記ステッピングモータを駆動し、当該ステッピングモータのコイルに実際に流れた電流を測定する測定手段と、前記測定された電流に基づき、他の駆動周波数域と比べて電流波形が変化している駆動周波数を検出する検出手段と、前記電流波形が変化している駆動周波数とそのときの設定された駆動電流を、原稿搬送速度の変動を発生するおそれのある駆動条件として記憶する記憶手段とを備え、前記駆動電流変更手段は、前記決定された駆動周波数と駆動電流の組み合わせが、前記記憶手段に記憶されている駆動条件に該当する場合に、稿搬送速度の変動を発生するおそれがあると判断し、前記原稿搬送時における負荷変動が生じる区間で前記決定された駆動電流を変更することを特徴としている。
このように読取条件に基づき決定された原稿搬送手段におけるステッピングモータの駆動周波数および駆動電流が、原稿搬送速度の変動を発生するおそれのある駆動条件である場合に、原稿搬送時における負荷変動の生じるタイミングを含む所定の区間で前記決定された駆動電流を変更することにより、原稿の搬送速度の変動を可及的に防止することができる。しかも、それ以外の駆動条件の場合には、初期設定されている駆動電流を変更する必要がないので、当該駆動電流を節電に対応した値に初期設定しておけば、ステッピングモータの過熱を防止できると共に消費電力の低減にも資する。
以下、本発明に係る画像読取装置の実施の形態を、デジタル式カラー複写機のイメージリーダ部に適用した場合を例にして説明する。
図1は、当該デジタル式カラー複写機(以下、単に「複写機」と言う。)10の概略構成を示す図である。
同図に示すように複写機10は、大きく分けて、原稿画像を読み取るイメージリーダ部12と、読み取った画像を記録シート上にプリントして再現するプリンタ部14とから構成される。
イメージリーダ部12は、固定光学系の一つであるシートスルー方式と移動光学系の一つであるスキャナ移動方式の両方で原稿画像の読取が可能なように構成されている。ここで、シートスルー方式は、光学系を静止(固定)させた状態で、原稿を移動させて読み取る方式である。スキャナ移動方式は、原稿は静止させた状態で、原稿面からの反射光をCCDセンサに導くミラーを原稿に対して移動させ、原稿読取位置からCCDセンサまでの光路長を常に一定に維持した状態で読み取る方式である。
イメージリーダ部12は、シートスルー方式を実現するための自動原稿搬送装置16を備えている。
自動原稿搬送装置16は、原稿給紙トレイ18にセットされた原稿束から原稿を1枚ずつ分離してシートスルー用プラテンガラス(以下、単に「プラテンガラス」という。)50の上面を通過させた後、原稿排紙トレイ22に排出するものである。
原稿給紙トレイ18にセットされた原稿束(不図示)における最上位の原稿は、ピックアップローラ24と捌きローラ25とによって原稿束から分離され、第1中間ローラ28を介してレジストローラ30まで搬送される。原稿は、ここで傾き(スキュー)が補正された後、当該レジストローラ30によってプラテンガラス50へと搬送される。プラテンガラス50を通過した原稿は、さらに、読取後ローラ32および第2中間ローラ34によって排出ローラ36へと搬送され、当該排出ローラ36によって、原稿排紙トレイ22へと排出される。
なお、上記した各ローラは、原稿搬送モータM1を動力源とし、歯車ギャーやベルトなどの動力伝達機構(不図示)を介して回転駆動され、この原稿搬送モータM1として、高精度の回転速度の制御が可能なステッピングモータが使用される。
また、分離ローラ25には、公知の電磁クラッチ(不図示)を介して動力が伝達される構成になっており、他のローラと独立して駆動・停止の制御が可能であって、これにより原稿搬送開始のタイミングが調整される。
シートスルー方式で原稿を読み取る場合には、スキャナ38は、プラテンガラス50下方の破線で示す位置(シートスルーポジション)に移動される。プラテンガラス50上面を通過する原稿は、当該シートスルーポジションで静止しているスキャナ38のランプ40によって照射される。原稿面からの反射光は、第1ミラー42、第2ミラー44および第3ミラー46により光路変更され、集光レンズ48によってCCDセンサ49の受光面で結像される。
CCDセンサ49は、原稿画像を読み取るための読取手段として機能するものであり、原稿画像の赤(R)、緑(G)、青(B)の色成分をそれぞれ読み取るため、副走査方向に所定間隔で配列された3本のCCDラインセンサからなり、原稿の反射光を受光すると、R、G,Bの画像信号を生成して、制御部77に送る。
この際、各色用のCCDラインセンサは、設定された原稿の搬送速度に応じて、所定時間遅延してその出力が読み出されることにより、同一画素のR,G,Bの濃度データを得るように構成されている。そのため、駆動モータの回転ムラに起因して原稿の搬送速度が変動すると同一画素の色成分のデータを読み取ることができず、読取画像に色ずれが発生することになる。
なお、シートスルー方式において、原稿の両面を読み取るモード(両面読取モード)を実行する場合には、図1において第1面を読み取った原稿の後端がA点を通過した直後に搬送路切換爪35の先端をソレノイドなどにより下方に向くように切り換えると共に、第2中間ローラ34,排出ローラ36の回転方向を逆転させ、原稿の後端を搬送路37に突入させてB点を経由して再びプラテン50方向に搬送することにより、原稿の表裏が反転して原稿の第2面を読み取ることができるようになっている。
一方、原稿を手置き用ガラス74に載置して読み取る場合には、自動原稿搬送装置16を上方に開放して、原稿を手置き用ガラス74上にセットする。この場合には、スキャナ38は、図1の矢印Aの方向に移動される。この際、第2ミラー44、第3ミラー46が対となって上記スキャナ38と同方向に、その移動速度の半分の速度で移動するようになっており、これにより原稿面から集光レンズ48までの距離(光路長)が常に一定に保たれて、原稿の反射光は、CCDセンサ49の受光面で結像される。なお、上記スキャナ38および第2ミラー44、第3ミラー46は、スキャンモータM2を動力源とし、図示しない動力伝達機構を介して走行駆動される。
制御部77は、上記イメージスキャナ部12の動作を制御すると共に、CCDラインセンサ49で読み取った画像データに所定のデータ処理を施して、画像メモリに格納し、さらに当該格納されたR,G,Bの画像データに基づいてプリンタ部14において転写紙上に画像を形成させる。
原稿給紙トレイ18には反射式の光電センサ181、182が設けられており、これらの検出結果に基づき制御部77で原稿のサイズが判定されるようになっている。
プリンタ部14は、上記原稿を読み取って得られた画像データにより変調駆動されたレーザダイオードにより感光体ドラムを露光走査して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーで現像した後、当該トナー像を用紙上に転写して画像を形成する公知の電子写真式のプリンタであり、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナー像を転写紙上に多重転写することによりフルカラー画像を形成する。
なお、プリンタ部14は、上記のような電子写真方式に限定されず、他の方式、たとえばインクジェット方式のカラープリンタなどであっても構わない。
複写機10においてモノクロ読取モードを実行する場合には、たとえばCCDラインセンサ49Rのみの出力を2値化処理してブラックの画像データとする。もっとも、ブラック読取専用のCCDラインセンサを上記R,G,B用のラインセンサとは別に設けても構わない。
複写機10は、その上面の操作しやすい位置に操作パネル120(図3)を備えている。操作パネル120には、コピー枚数を設定するためのテンキー、コピーを開始させるためのスタートキーなどのキー群の他、原稿の読取モード、読取倍率(拡大縮小率)などの入力を受付けるための設定画面やボタンおよび用紙切れや紙詰まりなどのメッセージを表示させるための液晶表示部が配されている。
なお、本実施の形態に係る複写機において設定される読取モードとして、原稿の片面のみを読み取る片面読取モードと原稿の両面を読み取る両面読取モードについて説明するが、他の例えば、厚紙の原稿を読み取る厚紙原稿読取モードなどを含んでもよい。
図2は、制御部77の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部77は、主な構成要素としてCPU771、画像処理部772、画像メモリ773、LD駆動部774、これらの各部の制御に必要なプログラム、特に変倍処理に際してイメージリーダ部の原稿搬送モータM1の速度の制御や電子変倍するためのプログラムなどが格納されたROM775、プログラム実行時のワークエリアとなるRAM776などを有する。
画像処理部772は、CCDセンサ49からの読取データを所定のタイミングでサンプリングして、適正レベルに増幅した後、R,G,Bのデジタルデータに変換し、各CCDラインセンサの感度ばらつきや光学系の特性による光量ばらつき等を補正するシェーディング補正処理を施す。このシェーディング補正されたR,G,Bのデジタルデータは、それぞれ1ライン(主走査ライン)単位で、同一画素のR,G,Bの画像データが対応して出力されるように原稿の搬送速度に応じた所定時間だけ遅延して出力される。
その後、上記R,G,Bの画像データに対して、公知の黒生成(BP)、下色除去(UCR)等の色補正処理を施し、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各再現色の濃度データを生成し、画像メモリ773に出力する。
画像メモリ773は、再現色ごとに容易されたフレームメモリに上記各色の濃度データを格納し、CPU771からアドレスを指示されて読出し要求を受けると、当該アドレスに格納されている各再現色のデータをLD駆動部774に送り、LD駆動部774は、このデータに基づきプリンタ部12におけるレーザダイオードを変調駆動させ、感光体ドラム上への露光走査が実行される。
CPU771は、ROM775の制御プログラムに基づいて、イメージリーダ部12、プリンタ部14などの各部の動作を制御し、円滑なコピー動作を実現する。また、操作パネル120を介して操作者によるキー入力等を受付けると共に、必要なメッセージ等を液晶表示部に表示させる。
なお、ステッピングモータからなる原稿搬送モータM1は、具体的には、図3に示すように公知のモータ駆動IC778を介してCPU771により駆動制御される。
すなわち、ROM774内部には、操作パネル120から入力された読取倍率に対応する回転速度で原稿搬送モータM1を駆動するためのパルスレート(モータの駆動周波数)の関係を示すテーブル(不図示)と、読取倍率と、原稿搬送モータM1に供給する駆動パルスの最高電流値(以下、単に「駆動電流」という。)との関係を示すテーブル(図4のテーブルT1参照)が予め格納されており、CPU771は当該テーブルを参照し、φ0〜φ4の出力端子からモータ駆動IC778に当該パルスレートに従った励磁信号を出力すると共に、D/A端子から駆動電流を決定するための基準電圧Vsをモータ駆動ICのVref入力端子に出力する。
モータ駆動IC778は、入力された基準電圧Vsに対応した駆動電流を有する駆動パルスを励磁信号と同期させてステッピングモータの各極に供給し、これにより原稿搬送モータM1が必要なトルクを維持しつつ、指定された読取倍率に応じた回転速度で回転駆動される。
なお、実際に原稿搬送モータM1に通電される電流は、抵抗R1により電圧に変換されて、CPU771のA/D端子に入力されており、この電圧値に基づきCPU771は、駆動電流が所定の値に維持されるようにフィードバック制御する。
背景技術でも述べたように、副走査方向の読取倍率に応じて原稿搬送装置16における原稿搬送速度が変更される。この際、ステッピングモータを駆動するためのパルスレートが変化することになるが、パルスレートが大きくなると各極に供給される駆動パルス幅が小さくなるので、回転トルクが小さくなる。そこで、通常は回転速度を上げるほど、すなわち読取倍率が低くなるほど、駆動電流を上げて一定以上のトルクを維持するようになっている。
図4は、読取倍率の範囲に応じて、片面読取モード時と両面読取モードのそれぞれについて設定される駆動電流の値の一例を示すテーブルT1であり、読取倍率の大きさに予めROM775に格納されている。
同テーブルT1に示すように比較的読取倍率が小さな範囲ほど、駆動電流を大きく設定して、一定以上のトルクを確保できるようになっている。なお、これら駆動電流値は、ステッピングモータによる消費電力を抑えるため、各読取倍率において脱調が生じない程度の適当な大きさに設定される。理解しやすいように、図4のテーブルT1では、読取倍率の大きさを3段階にしか分けていないが、さらに多段階に分けてそれぞれの読取倍率の範囲において適正な駆動電流値を設定するようにしてもよい。このテーブルT1に設定されている各読取倍率に対応した駆動電流は、通常の原稿搬送時の基準となるべき電流値なので、後に述べる変更駆動電流と区別するため、以下では「基準駆動電流」と呼ぶことにする。
なお、テーブルT1において、両面読取モードの方が、片面読取モードよりも基準駆動電流値が大きく設定されているのは、両面読取モードの方が、給紙路が複雑で、多くの駆動ローラに挟まれた状態で原稿が搬送されるため、原稿搬送モータにより大きな回転トルクが必要とされるからである。
上述のように脱調しない程度のトルクの余裕を有して基準駆動電流を設定しているにもかかわらず、特定の読取倍率に関して、特定のタイミング、具体的には原稿の先端が、読取後ローラ32のニップ部に突入するタイミングと原稿の後端が、分離ローラ25のニップ部から離脱するタイミングにおいて、大きな速度変動が発生し、読取画像が劣化することが判明した。
図5は、片面読取モード実行時において読取倍率が0.68倍に設定されているときの、原稿の搬送開始からの経過時間と、そのときに発生する原稿搬送モータM1の回転ムラの大きさとの関係を概略的に示すグラフである。
同図において、横軸は、原稿トレイ18に載置された原稿の搬送開始からの経過時間t(s)を示しており、縦軸には、回転ムラの程度を表す量として、当該パルスレートにおける平均の回転速度Mと、当該平均の回転速度Mからの速度変動分の標準偏差σとの比がパーセンテージで示されている。
図5のグラフに示すように、原稿先端部が読取後ローラ32のニップ部に突入した時刻t1と、原稿の後端部が分離ローラ25のニップ部から離脱した時刻t2において大きな回転ムラが発生している。
本願発明者の実験によれば、モノクロモードおいては、回転ムラが約2.50%を超えると画質の劣化が許容範囲を超えたが、カラーモードにおいては、それよりも小さな回転ムラでも色ずれが目立ち、その画質の劣化が許容範囲を超えることが判明した。図5では、タイミングt1、t2で生じた回転ムラのピークが1.0%を大きく超えるため、これが許容範囲を逸脱した画像劣化を惹起したものである。
しかし、このような原稿搬送時の特定のタイミングにおける画像劣化は、全ての読取倍率に対して生じるのではなく、特定の読取倍率についてのみ生じることが判明しており、その理由は次に述べる事実によるものと考えられる。
すなわち、ステッピングモータの一般的な特性として、供給される駆動電流ごとに特定の駆動周波数(パルスレート)において回転ムラが生じやすくなっている。図6は、駆動電流が2.0Aに設定された場合におけるパルスレートと回転ムラの大きさとの関係を示す図である。同図に示すようにパルスレートが一定の範囲(a2.0〜b2.0)の範囲において回転ムラが大きくなっている(以下、このように回転ムラが大きくなるパルスレートの範囲を「速度変動範囲」という。)。この速度変動範囲は、ステッピングモータの種類や仕様によって異なるが、本実施の形態においては、p2.0が約10000pps、q2.0が約11500ppsであった。
このような特定の速度変動範囲において回転ムラが大きくなる原因は次のように考えられる。つまり、ステッピングモータの特有の振動としてローラが1ステップ角の回転するごとに生じる、いわゆるステップ振動があるが、このステップ振動の大きさは、駆動電流の大きさと駆動周波数に依存しており、そしてこれらが特定の条件を満たすときに一種の共鳴現象を起こすと共に、ステータコイルに流れる電流波形が不安定になって、比較的大きな回転ムラを惹起するからであると考えられる(以下、この回転ムラが発生するときの駆動電流と駆動周波数の条件を「回転ムラ発生条件」という。)。
なお、ステッピングモータにおけるごく微小な回転ムラは、どのような駆動条件でも生じており、本発明で問題としている回転ムラは、負荷変動と相まって読取画像に許容範囲を超える影響を及ぼす回転ムラであって、具体的には、負荷変動がない場合において、σ/Mの値が1.0パーセントを超えるものを考えている。
上述のように速度変倍において読取倍率を変化させるべく駆動周波数を変えると、当該設定された駆動電流と駆動周波数の組み合わせが、上記回転ムラ発生条件を満たす範囲もしくはそれに近い範囲になる場合がある。このステッピングモータの駆動条件が上記回転ムラ発生条件を満たすだけでは、画像劣化までには至らないが、これに外的な負荷変動の要因が加わって画像劣化を惹起するものと考えられる。
図7は、1周期分の矩形状の駆動パルスをステッピングモータに供給したときのステータコイルを流れる電流の変化を示す概略図である。実線が通常の原稿搬送時の電流波形であり、破線は、駆動上演が回転ムラ発生条件に該当した電流波形が不安定になった状態を示す想像図である。
この図に示すように回転ムラが発生しやすい駆動条件下では、電流の立ち上がりが鈍くなり、ステッピングモータのトルクが低下するものと考えられるが、このような状態で、原稿搬送時に外的な負荷変動が加わると(特に、上記の読取後ローラ突入時と分離ローラ離脱時)、モータの回転がさらに不安定になり、図5のタイミングt1、t2において画像劣化を惹起するほど大きな回転ムラが発生してしまうと考えられるのである。
そこで、本実施の形態においては、予め図4のテーブルT1に定める駆動電流値ごとに速度変動範囲を求め、当該駆動電流と、それに対応する速度変動範囲(以下、「回転ムラ発生条件」という。)を示すテーブルT2(図8)をROM775内に格納しておき、原稿読取時の副走査方向の読取倍率が、上記回転ムラ発生条件を満たすような場合には、原稿搬送時の負荷変動が生じるタイミングを含む所定の区間で駆動電流を増加させて、テーブルT2の変更駆動電流値に変更することにより、回転トルクを上げると共に上記回転ムラ発生条件から脱するように制御している。なお、同テーブルT2において、例えば、a1.0、b1.0は、それぞれ駆動電流が1.0Aであるときの速度変動範囲の下限と上限をパルスレートで示すものである。これらの具体的な数値は、採用するステッピングモータの仕様やメーカーによって異なるので、本実施の形態では、記号による一般的な形で示している。また、変更駆動電流値は、初期設定駆動電流値よりも大きくて、しかもその変更駆動電流に対応する速度変動範囲が、基準駆動電流における速度変動範囲と異なる電流値が設定される。
図9は、片面読取モードが選択されている場合における制御部77で実施される駆動電流設定処理の内容を示すフローチャートである。
このフローチャートは、複写機10の全体の制御動作を示すメインルーチン(不図示)において、例えば、操作パネル120により片面読取モードが設定された後にスタートキーが押下されたときにサブルーチンとして実行されるものである。
まず、ステップS101において、CPU771は、現在設定されている読取倍率を取得する。ユーザが操作パネル120から入力した読取倍率の値が、RAM776に一時格納されるようになっており、CPU771がこの情報を読み取ることにより読取倍率が取得される。
なお、自動変倍機能(AMS)を有する複写機にあっては、出力すべき用紙サイズを入力すれば、この指定された用紙サイズと、上述の原稿検出センサ181、182の検出結果により制御部77で判定された原稿サイズとを比較して自動的に読取倍率が決定しうるので、この場合にはユーザによる読取倍率の入力は不要となる。
次に、現在設定されている読取モードの情報を取得する(ステップS102)。この情報も、ユーザが操作パネル120から入力し、その設定内容がRAM776に一時的に格納されており、これを参照することにより容易に入手できる。上述したように本例においては、この読取モードとして片面読取モードが設定されている。
そして、上記取得した読取倍率と読取モードに基づき原稿搬送モータM1の駆動条件を取得する(ステップS103)。すなわち、読取倍率と駆動周波数(パルスレート)の関係が不図示のテーブルに格納されており、このテーブルを参照して原稿搬送モータM1を駆動すべき駆動周波数を取得すると共に、読取倍率と読取モードに基づき、図4のテーブルT1を参照して設定すべき駆動電流値(基準駆動電流値)を取得する。
なお、駆動周波数とステッピングモータの回転数は比例関係にあるので、テーブルによらず所定の演算式に基づいて読取倍率から駆動周波数を求めることも可能である。
そして、原稿トレイ18上の原稿を送り出して原稿の搬送動作を開始する(ステップS104)。その際、まず、駆動条件(基準駆動電流値およびパルスレート)が、回転ムラ発生条件を満たすか否かを、図8のテーブルT2を参照して判定する(ステップS105)。
ここで、駆動条件が回転ムラ発生条件に該当しなければ(ステップS105:NO)、搬送速度が変動する可能性がないので、ステップS104で取得された基準駆動電流をそのまま駆動電流として設定する(ステップS109)。
反対に、駆動条件が回転ムラ発生条件に該当していれば(ステップS105:YES)、原稿の搬送状態が、負荷変動を発生するおそれのある状態にあるか否かを判断しながら駆動電流を設定する。
すなわち、原稿の先端が、読取後ローラ32のニップ部に突入するタイミングを含む所定の区間(読取後ローラ突入区間)にある状態か(ステップS106)、または、原稿の後端が分離ローラ25のニップ部から離脱するタイミングを含む所定の区間(分離ローラ離脱区間)である状態であるかを判定し(ステップS107)、そのどちらの区間でもない場合(ステップS106:NO、ステップS107:NO)には、もし回転ムラが発生したとしても許容範囲内のものと考えられるので、特に駆動電流を変更する必要はなくテーブルT1に基づく基準駆動電流値を駆動電流として設定する(ステップS109)。
一方、原稿の先端が、読取後ローラ突入区間か、あるいは、原稿の後端が分離ローラ離脱区間のいずれかにある場合には(ステップS106:YES、またはステップS106:NOおよびステップS107:YES)、原稿の搬送速度に変動が生じて読取画質が劣化するおそれがあるので、図8のテーブルT2から上記基準駆動電流に対応する変更駆動電流を読み出して、これを駆動電流として設定し、駆動条件が回転ムラ発生条件に該当しないように制御する(ステップS111)。(以下、「読取後ローラ突入区間」と「分離ローラ離脱区間」を「負荷変動発生区間」と総称する。)。
なお、搬送中の原稿が上記「負荷変動発生区間」にあるか否かの判断(ステップS106、S107)は、例えば次のようにして検出することができる。すなわち、原稿トレイ18における原稿サイズ検出センサ181、182により原稿のサイズがあらかじめ理解できるので、原稿を当該原稿トレイ18から送り出してからの原稿搬送モータM1の駆動パルス数をカウントし、このカウント数が、原稿サイズごとにあらかじめ設定された、上記読取後ローラ突入区間および分離ローラ離脱区間のそれぞれに該当するパルス数の上限と下限の範囲内であるか否かによって、上記ステップS108、ステップS109の判断をすることができる。また、特定のローラのニップ部付近に原稿の通過を検出するため光電センサなどの用紙検出手段を配設して、この検出位置を原稿が通過した後のパルス数あるいは経過時間に基づき、原稿の搬送状態を把握することも可能であろう。
次のステップS110で、原稿の搬送開始から所定時間経過したか否かを判定し、所定時間が経過していなければ(ステップS110:NO)、ステップS105に戻って上記ステップS109までの処理を繰り返す。所定時間が経過しておれば、原稿トレイ18上に次の原稿がまだあるか否かを確認し(ステップS110:YES、ステップS111)、次の原稿があれば、ステップS104に戻って、当該原稿の搬送を開始し、以下ステップS105〜S110までの駆動電流設定処理を実行する。原稿トレイ18上の原稿の有無は、例えばセンサ182の出力により判定できる。
なお、ステップS110における「所定時間」は、前の原稿と次の原稿の用紙間隔が所定の大きさになるよう原稿サイズごとに予めROMなどに格納されている。もっとも時間の代わりに原稿搬送モータM1の搬送開始からの駆動パルス数をカウントし、所定パルス数となったか否かについて判定するようにしてもよい。また、分離ローラ25の下流側に光電センサなどの用紙検出手段を配置しておき、これによって先の原稿の後端を検出してから所定時間経過後、あるいは所定パルス数のカウント後に次の原稿を搬送するようにしても構わない。
そして、原稿トレイ18上に原稿がなくなれば(ステップS111:YES)、
これらの処理を終了し不図示のメインルーチンに戻る。
メインルーチンにおいては、上記フローチャートと並行して、当該決定された駆動電流値に基づき原稿搬送モータM1を駆動して原稿を搬送し、CCDセンサ49で画像を読み取る読取処理が実行される。
なお、両面読取モードが選択されている場合には、上記フローチャートにおいて、原稿を反転させて再度読取位置まで搬送する動作が追加され、原稿の両面を読み取るまで次の原稿を待機させる必要があるため、ステップS110における「所定時間」も長くなるよう変更されるが、駆動電流の設定処理としては、基本的に上記フローチャートと同じであるので、説明を省略する。
図10、図11は、それぞれ1枚の原稿を搬送する際の等倍時と特定の縮小倍率時における駆動電流の設定状態を示す概略図である。
本実施の形態では、例えば、片面読取モードで等倍率時においては、テーブルT1により駆動電流が、1.5Aに設定されるが、この際には回転ムラ発生条件に該当しないようになっており、図10に示すようにタイミングt1、t2においても駆動電流を変更する必要はなく1.5Aで一定に保たれる。しかし、同じ片面モードでも倍率が、例えば0.681倍のときに、その駆動条件が回転ムラ発生条件に該当するとすれば、図11の実線で示すようにタイミングt1、t2を含む所定区間w1、w2(負荷変動発生区間)において、駆動電流が「3.0A」に変更される。この区間は、それぞれ、タイミングt1、t2を含む所定範囲に設定される。
このように負荷変動発生区間としてある程度の幅があるのは、各ローラのニップ部は搬送方向に一定の幅があり、また、原稿の搬送ずれなどの諸事情を考慮して一定の安全率を設ける必要があるからである。
なお、両面読取モード実行時において、この負荷変動発生区間の幅は上記片面モード実行時の幅よりも大きく設定する方が望ましい。両面読取モード実行時の方が、原稿の搬送路が複雑で負荷変動の影響力が大きいと考えられるからである。図11の破線部は、両面読取モード時の駆動電流変更の一例として、読取倍率が、0.722倍に設定されている場合に回転ムラ発生条件に該当した場合の駆動電流の設定値の変化を示すものである。同図に示すように当該駆動条件で設定される基準駆動電流値2.5Aであり、変更駆動電流値3.5Aが適用されるべき負荷変動発生区間w3、w4の幅は、上記w1、w2よりも若干広めに設定されている(図11では、分かりやすいように各区間の幅をやや誇張して示している。)。
ここで、負荷変動発生区間の具体的な設定幅は、実験などにより画質に劣化が許容範囲内にあるように適当に設定されるが、節電のためには狭い方が望ましいのはいうまでもなく、等倍時における搬送速度において、タイミングt1、t2を挟んで、例えば±0.1秒〜0.3秒程度に相当する幅に設定される。また、図11では、タイミングt1、t2が丁度中間位置にくるように負荷変動発生区間w1〜w4を設定しているが、必ずしもその必要はない。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態においては、原稿搬送時に負荷変動が生じるタイミングとして、原稿の前端が読取後ローラ突入するタイミングと、原稿の後端が分離ローラを離脱するタイミングについてのみ上げたが、原稿搬送装置の駆動機構、搬送路長などの条件によっては、別のタイミングにおいて読取画像の劣化を惹起する負荷変動が生じる場合があるので、当該原稿搬送装置の種類に応じ、原稿の搬送状態が当該負荷変動のタイミングを含む所定区間にあるか否かを検出し、このときの駆動条件が回転ムラ発生条件を満たすときに、その間の駆動電流を変更するように制御すればよい。
(2)上記実施の形態においては、基準駆動電流値は、通常脱調が生じない程度のトルクの余裕を持たしつつ、消費電力が大きくならない最低の値に設定しているので、負荷変動発生区間における電流値(テーブルT2の変更駆動電流値)はそれよりも大きい値で、かつ、回転ムラ発生条件に該当しない範囲で最低の値に設定されるのが望ましい。もっとも、トルクにある程度余裕があるように基準駆動電流値が設定されている場合や、負荷が急激に小さくなるような負荷変動が生じる場合には変更駆動電流値を基準駆動電流値よりも小さく変更する可能性もあり得る。
(3)上記実施の形態においては、取得された読取モード・読取倍率から初期の駆動条件を基準駆動電流値に設定し、この駆動条件が回転ムラ発生条件に該当するか満たすか否かを判定した上で負荷変動発生区間における駆動電流を変更するようにしたが、駆動条件ごとにあらかじめ設定駆動電流のルックアップテーブル(LUT)(例えば、図10、図11に示すような駆動電流の変化をLUT化したもの)をROM内に格納しておき、このLUTを参照しながら駆動電流を制御するようにしてもよい。この場合には図9におけるステップS104の判定ステップは、不要であり、これに代えて当該駆動条件に対応するLUTの選択ステップが挿入される。
(4)上記実施の形態においては、原稿の読取モードとして片面読取モードと両面読取モードを考えたが、その他普通紙原稿読取モード・厚紙原稿読取モードなどの読取モードも加えてもよく、読取モードごとに、そのモードを実行するのに最適な基準駆動電流値が設定され、その基準駆動電流値ごとに回転ムラ発生条件および変更駆動電流値がそれぞれ予め求められてテーブルに格納される。
(5)なお、上記実施の形態において設定されている駆動電流の値はあくまでも一例であって、具体的な値は、使用するステッピングモータの仕様、駆動方法などによって、実験的に求められるものである。
(6)また、上記実施の形態では、予め使用するステッピングモータについて、その回転ムラ発生条件に関するテーブルT1を作成して、これをROM775内に格納するようにしていたが、次のような方法によって複写機10において回転ムラ発生条件に関する簡易なテーブルを自動的に作成することもできる。
すなわち、上述したようにステッピングモータの駆動条件が、速度変動範囲を含む場合には、図7に示すように実際にステッピングモータのコイルに流れる駆動電流が実線から破線に示すように変化していると考えられる(以下、実際にステッピングモータのコイルを流れる電流を、「実電流」と呼び、供給する駆動パルスの設定された駆動電流値と区別する。)。
そこで、本変形例では、当該実電流をモニターして、その電流波形の変化の程度が所定以上なったと判断されるときに回転ムラ発生条件に該当していると推定して、回転ムラ発生条件のテーブルを作成するものである。
図12は、本変形例において制御部77で実行される回転ムラ発生条件のテーブル作成動作の一例を示すフローチャートであり、例えばユーザが、操作パネル120から所定の指示を入力することによって開始される。
なお、本変形例においても、読取モードとして片面読取モードと両面読取モードが用意され、読取倍率は0.5倍から4倍まで設定可能であり、その読取倍率に応じて、図4のテーブルT1に示す基準駆動電流が設定されるものとする。
制御部77は、まず、読取モードを片面読取モードに設定すると共に、駆動電流を1Aに設定する(ステップS201.S202)。そして原稿搬送モータM1の駆動を開始するが、この際、駆動周波数を当該読取モードにおいて設定された駆動電流に対応する読取倍率の範囲内で変化させながら、各駆動周波数における実電流を検出していく。現段階では、駆動電流が1Aであり、その対応する変倍範囲は2.0倍〜4.0倍(図4のテーブルT1参照)であり、この倍率に相当する範囲内で駆動周波数を変化させる。なお、駆動周波数を変化させる単位は、1ppsでなくてもよく、例えば100pps単位で変化させれば、検出時間を短縮できる。
この際、例えば同じ周波数の駆動パルスを10パルスを送るごとに駆動周波数を変化させていき、それぞれの同じ駆動パルスの例えば丁度中間の位置で実電流の値をサンプリングし、駆動周波数の同じもののサンプリング値の平均値を取って、当該駆動周波数における検出値とすれば、検出の精度が向上する。
このように検出された実電流に基づき、電流波形が他と異なる駆動周波数の有無を判定する(ステップS205)。
具体的に、例えば上記各駆動周波数において検出された実電流値をさらに平均し、この平均値より所定量以上(具体的には、要求される読取画像の精度に応じて、実験により求められるが、例えば、設定された駆動電流の20%以上)検出実電流が変化(低下)した場合に、電流波形が変化していると判断する。図7に示すように駆動パルスの中間位置における実電流値にある程度の差があれば、電流波形が異ると言えるからである。
そして、このような電流波形の変化が生じた場合には、回転ムラ発生条件に該当するとして、このときの駆動条件(駆動電流と駆動周波数)を不図示の不揮発性メモリに記憶する(ステップS205:YES、ステップS206)。
他と異なる電流波形がなければ、ステップS206をスキップする。
次に現在設定されている読取モードが両面読取モードか否かを判定し、両面読取モードでなければ(すなわち片面読取モードであれば)、H=2Aに設定し、駆動電流がH(2A)であるかを判断し(ステップS207:NO、ステップS208、S210)、そうでなければ、設定駆動電流を0.5A増加させてから(ステップS210:NO、ステップS211)、ステップS203に戻って、以下ステップS206までの検出動作を繰り返し、ステップS210において、駆動電流がH(2A)になった場合には、今度は読取モードを両面読取モードに設定すると共に、駆動電流を2Aに設定して(ステップS212:NO、ステップS213、S214)、ステップS203からステップS210の動作を繰り返して、両面読取モードにおける回転ムラ発生条件を検出する。
以上のようにして、片面読取モードについては1A〜2A,両面読取モードについては2A〜3Aに駆動電流を変化させ、それぞれの駆動電流において取り得る駆動周波数だけ変化させて、回転ムラ発生条件に該当する駆動条件が取得されたことになるので、これらの情報に基づき、図8のテーブルT2と同様な回転ムラ発生条件のテーブルを作成する(ステップS215)。
すなわち、回転ムラが発生した駆動条件のうち、駆動電流が同じものについての駆動周波数のデータに収集する。図6に示すように速度変動範囲は周波数が連続しているので、例えば、駆動周波数を200ppsずつ変化させていった場合に、基準駆動電流が2Aであるとき、パルスレートが、10200pps、10400pps、10600pps、10800ppsの際に実電流値が基準駆動電流値に達しなかった場合には、2A時における速度変動範囲は、少なくとも10200pps〜10800ppsと推定することができる。実際には、安全率を考慮して、当該求められた速度変動範囲に対して若干広めの範囲を速度変動範囲と定めてもよい。これらの処理を各駆動電流値について行って、図8と同様な回転ムラ発生条件のテーブルを作成することができる。この際、変更駆動電流は、基準駆動電流より1A程度高い値が機械的に設定される。経験的に駆動電流を1A増加すれば、速度変動範囲がその基準駆動電流における速度変動範囲と重なることはないからである。もっとも、この変更駆動電流値は、その基準駆動電流における速度変動範囲と重ならなければ、他の適当な値でも構わない。
上記のようにして作成されたテーブルを利用して、図9の駆動電流設定処理のステップS105の判断が実行される。
なお、図12のフローチャートにおいては、片面読取モードと両面読取モードに分けてそれぞれの駆動電流について変倍可能な範囲で駆動周波数を変化させて回転ムラ発生条件を検出したが、これを区別せず1A〜3Aの全ての駆動電流について、駆動周波数を0.5倍〜4倍に対応する範囲内で変化させるようにしても求めることができる。
(7)駆動電流の制御は、定電流制御により電流そのものを制御する場合のほか、印加する電圧を制御する場合も含められるものであり、「駆動電流を変更する」とは、採用する駆動回路によって直接駆動電流を変更する場合と印加電圧を変更する場合が考えられる。
(8)上記実施の形態では、本発明の像読取装置を複写機に適用した場合の例を説明したが、スキャナ、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等のカラーの原稿画像を読み取ることが可能なシートスルー方式の画像読取装置一般に適用できる。
本発明は、ステッピングモータを駆動源とする原稿搬送装置を備えたシートスルー方式の画像読取装置に広く適用することができる。
本発明の実施の形態にかかるデジタル式カラー複写機10の概略構成を示す図である。 複写機10の制御部77の構成を示すブロック図である。 原稿搬送モータM1の駆動回路の構成を示すブロック図である。 読取倍率に応じて予め設定される駆動電流の値を片面読取モード、両面読取モードごとに示すテーブルである。 特定の駆動条件で原稿を搬送する場合における回転ムラが発生するタイミングを示す模式的に示すグラフである。 駆動電流が2.0A時における回転ムラが大きくなる駆動周波数の範囲(速度変動範囲)の一例を示すグラフである。 ステッピングモータのコイルに流れる電流の変化を示す概略図である。 駆動電流ごとに求められた速度変動範囲と、このときに変更すべき変更駆動電流値を示すテーブルである。 制御部で実行される駆動電流設定処理の内容を示すフローチャートである。 片面読取モードで読取倍率が1倍の場合における駆動電流値の変化を示すグラフである。 片面読取モードで読取倍率が0.681倍の場合および両面読取モードで読取倍率が0.722倍の場合における駆動電流値の変化を示すグラフである。 変形例における回転ムラ条件テーブル作成処理の内容を示すフローチャートである。
符号の説明
12 イメージリーダ部
14 プリンタ部
16 原稿搬送装置
49 CCDセンサ
77 制御部
120 操作パネル
771 CPU
772 画像処理部
773 画像メモリ部
774 LD駆動部
775 ROM
776 RAM
M1 原稿搬送モータ
M2 スキャナモータ

Claims (7)

  1. ステッピングモータを駆動源とする原稿搬送手段により原稿を搬送しながらその画像を読み取る画像読取装置であって、
    原稿の読取条件を取得する搬送条件取得手段と、
    取得した原稿の読取条件に基づき前記ステッピングモータを駆動するための駆動周波数と駆動電流の組み合わせを決定する決定手段と、
    前記決定された駆動周波数と駆動電流の組み合わせが、原稿搬送速度の変動を発生するおそれのある駆動条件である場合に、原稿搬送時における負荷変動が生じる区間で前記決定された駆動電流を変更する駆動電流変更手段と
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記原稿の読取条件は、少なくとも原稿の副走査方向の読取倍率を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記原稿の読取条件は、さらに片面読取モードおよび両面読取モードを含むことを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
  4. 前記原稿搬送速度の変動を発生するおそれのある駆動条件は、ステッピングモータの特性により、設定された駆動周波数における平均の回転速度Mと、当該平均の回転速度Mからの速度変動分の標準偏差σとの比をパーセンテージで表示した値をKとした場合に(K=(σ/M)×100)、Kの値が、1.0%を超える場合であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像読取装置。
  5. 前記原稿搬送手段は、原稿の読取位置の下流側に原稿搬送ローラを備え、前記負荷変動の生じる区間は、原稿の先端が前記原稿搬送ローラのニップ部に突入するタイミングを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像読取装置。
  6. 前記原稿搬送手段は、原稿トレイに載置された原稿束を1枚ずつ分離して送り出す原稿分離ローラを備え、前記負荷変動の生じる区間は、原稿の後端が前記原稿分離ローラのニップ部から離脱するタイミングを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像読取装置。
  7. 設定された各駆動電流に対して駆動周波数を変化させながら前記ステッピングモータを駆動し、当該ステッピングモータのコイルに実際に流れた電流を測定する測定手段と、
    前記測定された電流に基づき、他の駆動周波数域と比べて電流波形が変化している駆動周波数を検出する検出手段と、
    前記電流波形が変化している駆動周波数とそのときの設定された駆動電流を、原稿搬送速度の変動を発生するおそれのある駆動条件として記憶する記憶手段と
    を備え、
    前記駆動電流変更手段は、前記決定された駆動周波数と駆動電流の組み合わせが、前記記憶手段に記憶されている駆動条件に該当する場合に、稿搬送速度の変動を発生するおそれがあると判断し、前記原稿搬送時における負荷変動が生じる区間で前記決定された駆動電流を変更することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像読取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102645722A (zh) * 2012-03-30 2012-08-22 苏州怡信光电科技有限公司 影像测量仪的的变倍镜头

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