JP2006282299A - 空気浮上式コンベヤベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】 ベルトの横剛性を最適化することにより、安定した走行状況を確保すると共に、耐久性を向上させた空気浮上式コンベヤベルトを提供する。
【解決手段】 縦糸と横糸とからなる複数枚の織布を補強芯体2として、この補強芯体2の上下にカバ−ゴム層3、4を積層させた帯状構造体からなり、コンベヤラインを構成するトラフ上を浮上させた状態で走行する空気浮上式コンベヤベルト1において、補強芯体2を構成する織布のうち、少なくとも1枚を低横剛性織布2bとし、この低横剛性織布2bの1枚あたりの幅方向の引張強度を0.5〜5N/mm・plyにした。
【選択図】 図2
【解決手段】 縦糸と横糸とからなる複数枚の織布を補強芯体2として、この補強芯体2の上下にカバ−ゴム層3、4を積層させた帯状構造体からなり、コンベヤラインを構成するトラフ上を浮上させた状態で走行する空気浮上式コンベヤベルト1において、補強芯体2を構成する織布のうち、少なくとも1枚を低横剛性織布2bとし、この低横剛性織布2bの1枚あたりの幅方向の引張強度を0.5〜5N/mm・plyにした。
【選択図】 図2
Description
この発明は空気浮上式コンベヤベルトに関し、さらに詳しくは、ベルトの横剛性を最適化することにより、安定した走行状況を確保すると共に、耐久性を向上させた空気浮上式コンベヤベルトに関する。
従来、図3に例示するように、トラフTに形成した吹き出し口Pから圧縮空気を吹き上げて、トラフT上のベルトBとトラフTとの間に空気層を形成し、ベルトBを浮上させた状態でベルトBにより搬送物Qを搬送するようにした空気浮上式コンベヤベルトが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のコンベヤベルトでは、ベルトの横剛性を如何に最適化するかが重要な課題となっている。すなわち、ベルトの強力を高めるために、ベルトに埋設する補強層の強度を高めるようにすると、ベルトの横剛性も高くなるので、無負荷状態での運転時には、図4に例示するように、ベルトB全体が浮上し、所謂トンネル現象と称する異常浮上が生じてしまう。
これにより、ベルトの両端部がトラフ面に圧接してベルトとトラフとの間に空気層が抱き込まれた状態になり、ベルトの両端部とトラフ面との接触が断続的に発生し、ベルト端部の摩耗や損傷に伴いベルトの耐久性が低下するという問題がある。さらに、ベルトの両端部とトラフ面との断続的接触により、安定した走行状況を保持することが難しくなると共に、コンベヤベルトのカバーゴムが摩擦により発熱してトラフ面にゴム質が付着する。このようにトラフ面にゴム質が付着すると、トラフ面とカバーゴムとの間に粘着が発生し、この粘着によりコンベヤの駆動力が増し、消費電力が増大してしまうという問題がある。この現象は、無負荷時のキャリア(搬送)側とリタ−ン側のベルトとの双方に多く見られ、ベルト端部とトラフ面との摩擦によるベルト端部の摩耗や損傷の発生と共に大きな障害となっていた。
この対策として、ベルトに埋設する補強層を簾コ−ドとし、横糸を縦糸に比して細く形成したり(例えば、特許文献2参照)、ベルトの上面側に幅方向に延びる低伸長材を配置し、下面側に幅方向に延びる高伸長材を配置するようにした(例えば、特許文献3参照)提案がある。しかしながら、これらの提案では、ある程度の改善は認められるものの、未だ充分な効果が得られず、いずれも充分な対策とはなり得なかった。
特開2001−294312号公報
特開2000−344320号公報
特開平11−334830号公報
この発明の目的は、上述するような従来の問題点を解消するもので、ベルトの横剛性を最適化することにより、安定した走行状況を確保すると共に、耐久性を向上させた空気浮上式コンベヤベルトを提供することにある。
上記目的を達成するためのこの発明の空気浮上式コンベヤベルトは、縦糸と横糸とからなる複数枚の織布を補強芯体として、該補強芯体の上下にカバ−ゴム層を積層させた帯状構造体からなり、コンベヤラインを構成するトラフ上を浮上させた状態で走行する空気浮上式コンベヤベルトにおいて、前記補強芯体を構成する織布のうち、少なくとも1枚を低横剛性織布とし、該低横剛性織布の1枚あたりの幅方向の引張強度を0.5〜5N/mm・plyにしたことを要旨とする。
この発明によれば、補強芯体を構成する織布のうち、少なくとも1枚を低横剛性織布とし、この低横剛性織布の1枚あたりの幅方向の引張強度を0.5〜5N/mm・plyにしたので、無負荷状態での運転時であっても、ベルトの異常浮上を防いで、ベルトの両端部がトラフ面に圧接することがなく、安定した走行状況を確保すると共に、ベルトの耐久性を向上させることができる。
以下、この発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(a)〜(d)はこの発明の実施形態による空気浮上式コンベヤベルトを示す断面図で、図2(a)〜(d)はこの発明の他の実施形態による空気浮上式コンベヤベルトを示す断面図である。
この発明の空気浮上式コンベヤベルト1は、縦糸と横糸とからなる複数枚の織布を補強芯体2として、この補強芯体2の上面に上カバ−ゴム層3を、下面に下カバ−ゴム層4をそれぞれ積層させた帯状構造体から構成されている。そして、この空気浮上式コンベヤベルト1は、図3に例示するように、コンベヤラインを構成するトラフT上を浮上させた状態で走行するようになっている。
そして、補強芯体2を構成する織布のうち、少なくとも1枚を低横剛性織布2bとし、この低横剛性織布2bの1枚あたりの幅方向の引張強度を0.5〜5N/mm・plyに設定している。
なお、図中2aは、従来使用されてきた平織の織布(以下、従来剛性織布2aという)により構成している。従来剛性織布2aの1枚あたりの幅方向の引張強度は、通例50〜100N/mm・plyに設定されている。
これにより、無負荷状態での運転時であっても、空気浮上式コンベヤベルト1の異常浮上を防いで、空気浮上式コンベヤベルト1の両端部がトラフ面に圧接することがなく、安定した走行状況を確保すると共に、空気浮上式コンベヤベルト1の耐久性を向上させることができる。
この発明において、低横剛性織布2bは、縦糸と横糸との材質、太さ、間隔及び/又は織構造などを適宜組合わせて構成し、この低横剛性織布2bの1枚あたりの幅方向の引張強度を0.5〜5N/mm・plyに調整するようにする。
この発明の実施形態による図1(a)〜(d)に示す空気浮上式コンベヤベルト1では、上カバ−ゴム層3の厚さを下カバ−ゴム層4の厚さに比して大きく形成している。そして、それぞれの空気浮上式コンベヤベルト1は、補強芯体2を構成する織布の形態及びその枚数を異にして、幅方向の剛性が長手方向の剛性に対して小さくなるように構成している。
すなわち、図1(a)の空気浮上式コンベヤベルト1では、補強芯体2を構成する織布を5枚とし、これら5枚の織布のうち、上面側の3枚の織布を従来剛性織布2aにより構成し、下面側の2枚の織布を低横剛性織布2bにより構成している。
また、図1(b)の空気浮上式コンベヤベルト1では、補強芯体2を構成する織布を4枚とし、これら4枚の織布のうち、上面側の2枚の織布を従来剛性織布2aにより構成し、下面側の2枚の織布を低横剛性織布2bにより構成している。
さらに、図1(c)の空気浮上式コンベヤベルト1では、補強芯体2を構成する織布を3枚とし、これら3枚の織布のうち、上面側の2枚の織布を従来剛性織布2aにより構成し、下面側の1枚の織布を低横剛性織布2bにより構成している。
さらに、図1(d)の空気浮上式コンベヤベルト1では、補強芯体2を構成する織布を2枚とし、これら2枚の織布のうち、上面側の織布を従来剛性織布2aにより構成し、下面側の織布を低横剛性織布2bにより構成している。
また、この発明の他の実施形態による図2(a)〜(d)に示す空気浮上式コンベヤベルト1では、上面のカバ−ゴム層3の厚さと下面のカバ−ゴム層4の厚さを同等に形成している。そして、それぞれの空気浮上式コンベヤベルト1は、図1(a)〜(d)に例示する空気浮上式コンベヤベルト1と同様に、幅方向の剛性が長手方向の剛性に対して小さくなるように、補強芯体2を構成する織布の形態及び織布の枚数を異にしている。
すなわち、図2(a)の空気浮上式コンベヤベルト1では、補強芯体2を構成する織布を5枚とし、これら5枚の織布のうち、上面側と下面側の織布を低横剛性織布2bとし、中央側の3枚の織布を従来剛性織布2aにより構成している。
また、図2(b)の空気浮上式コンベヤベルト1では、補強芯体2を構成する織布を4枚とし、これら4枚の織布のうち、上面側と下面側の織布2bを低横剛性織布とし、中央側の2枚の織布2aを従来剛性織布により構成している。
さらに、図2(c)の空気浮上式コンベヤベルト1では、補強芯体2を構成する織布を3枚とし、これら3枚の織布のうち、上面側と下面側の織布を低横剛性織布2bとし、中央の織布を従来剛性織布2aにより構成している。
さらに、図2(d)の空気浮上式コンベヤベルト1では、補強芯体2を構成する織布を2枚とし、これら2枚の織布のうち、上面側の織布を従来剛性織布2aにより構成し、下面側の織布を低横剛性織布2bにより構成している。
上述する実施形態では、補強芯体2を構成する複数の織布を従来剛性織布2aと低横剛性織布2bとで構成し、その配置形態を図1(a)〜(d)及び図2(a)〜(d)に基づいて説明してきたが、従来剛性織布2aと低横剛性織布2bとの厚さ方向の配置及びこれらの枚数はこれに限定されるものではなく、種々の枚数及びそれらの組合せによる配置形態が許容される。
この発明において、図1(a)〜(d)に示す空気浮上式コンベヤベルト1は、リタ−ン側にベルト反転装置を備えたコンベヤラインに使用し、図2(a)〜(d)に示す空気浮上式コンベヤベルト1は、リタ−ン側にベルト反転装置を備えていないコンベヤラインに使用するようにするとよい。
すなわち、リタ−ン側にベルト反転装置を備えたコンベヤラインでは、リタ−ン側で空気浮上式コンベヤベルト1の湾曲形態が搬送側と同じ形態を保持するため、低横剛性織布を帯状構造体の厚さ方向の中央線より下側に配置した図1(a)〜(d)に示す空気浮上式コンベヤベルト1を使用するとよい。
これに対して、リタ−ン側にベルト反転装置を備えていないコンベヤラインでは、リタ−ン側で空気浮上式コンベヤベルト1の湾曲形態が搬送側とは逆転した形態となるため、低横剛性織布を帯状構造体の厚さ方向の中央線より上側及び下側に配置した図2(a)〜(d)に示す空気浮上式コンベヤベルト1を使用するとよい。
上述するように、この発明の空気浮上式コンベヤベルトは、補強芯体を構成する織布のうち、少なくとも1枚を低横剛性織布とし、この低横剛性織布の1枚あたりの幅方向の引張強度を0.5〜5N/mm・plyに設定することにより、安定した走行状況を確保すると共に、ベルトの耐久性を向上させるようにしたもので、特に高い強度を有する空気浮上式コンベヤベルトに好ましく適用される。
1 空気浮上式コンベヤベルト
2 補強芯体
2a 従来剛性織布
2b 低横剛性織布
3 上カバ−ゴム層
4 下カバ−ゴム層
2 補強芯体
2a 従来剛性織布
2b 低横剛性織布
3 上カバ−ゴム層
4 下カバ−ゴム層
Claims (3)
- 縦糸と横糸とからなる複数枚の織布を補強芯体として、該補強芯体の上下にカバ−ゴム層を積層させた帯状構造体からなり、コンベヤラインを構成するトラフ上を浮上させた状態で走行する空気浮上式コンベヤベルトにおいて、
前記補強芯体を構成する織布のうち、少なくとも1枚を低横剛性織布とし、該低横剛性織布の1枚あたりの幅方向の引張強度を0.5〜5N/mm・plyにした空気浮上式コンベヤベルト。 - 前記低横剛性織布を前記帯状構造体の厚さ方向の中央線より下側に配置し、該帯状構造体をリタ−ン側にベルト反転装置を備えた前記コンベヤラインに使用する請求項1に記載の空気浮上式コンベヤベルト。
- 前記低横剛性織布を前記帯状構造体の厚さ方向の中央線より上側及び下側に配置し、該帯状構造体をリタ−ン側にベルト反転装置を備えていない前記コンベヤラインに使用する請求項1に記載の空気浮上式コンベヤベルト。
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JP2005102291A JP2006282299A (ja) | 2005-03-31 | 2005-03-31 | 空気浮上式コンベヤベルト |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009274797A (ja) * | 2008-05-13 | 2009-11-26 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | コンベヤベルト |
CN108840104A (zh) * | 2018-05-03 | 2018-11-20 | 拓卡奔马机电科技有限公司 | 提高气浮输送裁片稳定性的方法及气浮输送装置 |
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2005
- 2005-03-31 JP JP2005102291A patent/JP2006282299A/ja active Pending
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