JP2006281340A - ワイヤソー - Google Patents

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Ayanori Tanaka
文徳 田中
Yoji Niizawa
洋二 新澤
Yasunori Motomatsu
靖範 本松
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Noritake Co Ltd
Noritake Super Abrasive Co Ltd
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Noritake Co Ltd
Noritake Super Abrasive Co Ltd
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Abstract

【課題】ビーズの長手方向について均一に摩耗が進行し、振動や偏摩耗の発生を抑制することができるワイヤソーを提供する。
【解決手段】ワイヤソー1の進行方向側からビーズ3を見たときには、ビーズ3の前方端面7に砥粒6が固着されている。固着される砥粒6の集中度は、超砥粒層5の集中度の110%以上160%以下としている。また、ワイヤソー1の進行方向の反対側からビーズ3を見たときには、ビーズ3の後方端面8に砥粒6が固着されている。固着される砥粒6の集中度は、超砥粒層5の集中度の105%以上130%以下としている。ビーズ3の前方端面7から後方に向かって、砥粒3個から8個分の間隔を隔てた位置Aで、前方端面7と平行となるように、ビーズ3の断面に砥粒6が固着されている。この位置での砥粒の集中度は超砥粒層の集中度の110%以上160%以下としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、石材、コンクリート、建材、その他の切断を行なう際に用いられるワイヤソーに関する。
石材、コンクリート、建材、その他の切断を行なうに際して、超砥粒層を固着した円筒状のビーズが、スチールワイヤなどに数珠状に連なって多数個固定されたワイヤソーが用いられている。このようなワイヤソーは、ワイヤの端をつないでエンドレス状とし、張力を与えてプーリ駆動することにより、上記の被削材の切断などに使用される。
従来のワイヤソーにおいては、ビーズの形状は円柱形であり、このビーズの表面に砥粒が不規則または疎らに点在するように固着されている。ワイヤソーを用いた切断においては、ワイヤソーの進行方向に向かって前方端面に大きな負荷がかかるため、切断が進むに従って前方端面が大きく摩耗し、弾丸状の摩耗形状を呈するようになる。
このような摩耗形状となってしまうと、被削材へのビーズの食い込みが少なくなり、切れ味が低下する。また、切断時に振動が発生するとともに、偏摩耗の原因となり、寿命の低下につながる。
本発明者は、ビーズにかかる負荷を均等化し、ビーズの前方端面の摩耗を抑制して、ビーズの前方端面の形状を維持できるようにしたワイヤソーを発明し、その内容が特許文献1に記載されている。
特開平9−225736号公報
このワイヤソーは、ワイヤソーの進行方向に対して前方側から後方側に向かって漸次的または段階的に砥粒集中度を小さくし、あるいは金属結合材の硬質物質の含有率を漸次的または段階的に低くして、ワイヤソーの進行方向に対して前方側から後方側に向かってビーズの耐摩耗性を低下させることによって、前方端面の形状を維持することを意図したものである。
しかし、摩耗が進むにつれて、ビーズの前方側と後方側とでビーズの直径が異なるようになりやすく、このような形状となると、作用面が不確定となって振動が発生し、寿命低下の原因となる。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ビーズの長手方向について均一に摩耗が進行し、振動や偏摩耗の発生を抑制することができるワイヤソーを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明は、砥粒を結合材で結合した超砥粒層が円筒状台金の表面に形成され、断面が円形であるビーズがワイヤの長手方向に間隔を置いて配置されたワイヤソーにおいて、前記ビーズの前方端面に砥粒が固着され、この前方端面での砥粒の集中度が超砥粒層の集中度の110%以上160%以下であることを特徴とするワイヤソーである。
切断時に最も衝撃の大きい前方端面に砥粒を配置することにより、砥粒が耐摩耗材として作用するため、前方側が弾丸状に摩耗することを防止して、ビーズの前方端面の形状を維持することができる。そのため、ビーズの長手方向について均一に摩耗が進行し、振動や偏摩耗の発生を抑制することができる。
前方端面に固着される砥粒の集中度が超砥粒層の集中度の110%未満であると、ビーズ前方の端面形状が弾丸状になりやすくなって好ましくなく、160%を超えると、砥粒が被削材に食込みにくくなり、切れ味が悪く、振動を発生して好ましくない。ここで、超砥粒層の集中度とは、超砥粒層中に均等に含まれている砥粒の集中度のことをいう。
本発明においては、前記ビーズの後方端面に砥粒が固着され、この後方端面での砥粒の集中度が超砥粒層の集中度の105%以上130%以下であることを特徴とする。
後方端面に固着される砥粒の集中度が超砥粒層の集中度の105%未満であると、後方端面の角だれが発生して好ましくなく、130%を超えると、後方端面が硬めに作用するため好ましくない。
本発明においては、前記ビーズの前方端面から後方に向かって、砥粒3個から8個分の間隔を隔てた位置で、前方端面と平行となるように、ビーズの断面に砥粒が固着され、この位置での砥粒の集中度は超砥粒層の集中度の110%以上160%以下であることを特徴とする。
前方端面に砥粒を配置することに加えて、補強的手段として、ビーズの前方端面から後方に向かって、砥粒3個から8個分の間隔を隔てた位置で、前方端面と平行となるように、ビーズの断面に砥粒を固着することにより、ビーズの前方側半分での異常摩耗をさらに効果的に抑制することができる。
この位置に固着される砥粒の集中度は超砥粒層の集中度の110%未満であると、形状くずれを発生しやすくなって好ましくなく、160%を超えると、硬めに作用し振動を発生しやすくなるため好ましくない。
本発明によると、ビーズの長手方向について均一に摩耗が進行し、振動や偏摩耗の発生を抑制することができる。
以下に、本発明のワイヤソーをその実施の形態に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施の形態に係るワイヤソーを示す。図1(a)はワイヤソーの全体図であり、図1(b)はワイヤソーの進行方向側からビーズを見たときのビーズの拡大図であり、図1(c)はワイヤソーの進行方向に対して垂直な方向から見たときのビーズの拡大図である。また、図1(d)はワイヤソーの進行方向と反対側からビーズを見たときのビーズの拡大図である。
ワイヤソー1においては、ワイヤ2に円柱形のビーズ3が多数個固定されており、ワイヤ2にはゴム被覆がなされている。ビーズ3は、ビーズ台金4の外周に砥粒を結合材で結合した超砥粒層5を設けることによって形成されている。図1(b)、(c)に示すように、ワイヤソー1の進行方向側からビーズ3を見たときに、ビーズ3の前方端面7に砥粒6が固着されている。前方端面7に固着される砥粒6の集中度は、超砥粒層5の集中度の110%以上160%以下としている。
また、図1(c)、(d)に示すように、ワイヤソー1の進行方向の反対側からビーズ3を見たときに、超砥粒層5の後方端面8に砥粒6が固着されている。後方端面8に固着される砥粒6の集中度は、超砥粒層5の集中度の105%以上130%以下としている。
また、図1(c)に示すように、ビーズ3の前方端面7から後方に向かって、砥粒3個から8個分の間隔を隔てた位置Aで、前方端面7と平行となるように、超砥粒層5の断面に砥粒6が固着されている。この位置での砥粒6の集中度は超砥粒層5の集中度の110%以上160%以下としている。
以下に、具体的な試験例を示す。
図1に示す構造のワイヤソーを作製し、切断試験を行った。
作製したワイヤソーの超砥粒層の仕様を表1に示し、試験条件を表2に示す。
Figure 2006281340
Figure 2006281340
表1の発明品においては、ワイヤソー1の超砥粒層5の集中度は50としている。超砥粒層5の集中度が50であるというのは、ビーズ3の前方端面7に固着される砥粒6、ビーズ3の後方端面8に固着される砥粒6、およびAの位置の断面での砥粒6を含まずに、超砥粒層5全体に均一に含まれる砥粒の集中度が50であることを意味する。
発明品においては、集中度が50である超砥粒層5に対して、そのビーズ3の前方端面7に固着される砥粒6の集中度を65とし、ビーズ3の後方端面8に固着される砥粒6の集中度を60とし、Aの位置の断面での砥粒6の集中度を65としている。
従って、発明品では、ビーズ3の前方端面7に固着される砥粒6の集中度は、超砥粒層5の集中度の110%以上160%以下である130%であり、ビーズ3の後方端面8に固着される砥粒6の集中度は、超砥粒層5の集中度の105%以上130%以下である120%であり、Aの位置の断面での砥粒6の集中度は、超砥粒層5の集中度の110%以上160%以下である130%となっている。
試験後のビーズの摩耗形態を図2に示す。
図2は、従来品と、特許文献1に記載された構成を有するワイヤソー(比較品)と、発明品とについて、切断後のビーズの形状を示したものである。
従来品(a)は、ビーズ3の前方側での摩耗が激しく、前方側の径が小さくなっている。また、比較品(b)では、ビーズ3の前方側から後方側に向かってビーズ3の径が小さくなっている。これに対し、図2(c)に示す発明品では、ビーズ3の前方側と後方側とで摩耗が均等となり、ビーズ3の径が一定に保たれる。
試験中の切れ味の推移を図3に示す。図3における切れ味指数は、加工初期での切れ味を100として表したものである。発明品では、切断加工中において切れ味が良好に維持されているのに対して、従来品と比較品では、ビーズの摩耗が均等ではないために、加工が進むにつれて切れ味が低下している。
ビーズ3の前方端面7に固着される砥粒6の集中度が、超砥粒層5の集中度の110%未満であると、ビーズ3の摩耗形状は図2(a)に示すようになり、160%を超えると、ビーズ3の摩耗形状は図2(b)に示すようになる。また、ビーズ3の後方端面8に固着される砥粒6の集中度が、超砥粒層5の集中度の105%未満であると、ビーズ3の摩耗形状は図2(b)に示すようになり、130%を超えると、ビーズ3の摩耗形状は図2(a)に示すようになる。また、ビーズ3の前方端面7から後方に向かって、砥粒3個から8個分の間隔を隔てた位置Aで、前方端面7と平行となるように、超砥粒層5の断面に砥粒6を固着する際に、この位置での砥粒6の集中度が超砥粒層5の集中度の110%未満であると、ビーズ3の摩耗形状は図2(a)に示すようになり、以上160%を超えると、ビーズ3の摩耗形状は図2(b)に示すようになる。従って、それぞれのケースについての切れ味の推移は、図3に示すようになる。
本発明によると、ビーズの長手方向について均一に摩耗が進行し、振動や偏摩耗の発生を抑制することができるワイヤソーとして利用することができる。
本発明の実施の形態に係るワイヤソーを示す図である。 試験後のビーズの摩耗形態を示す図である。 試験中の切れ味の推移を示す図である。
符号の説明
1 ワイヤソー
2 ワイヤ
3 ビーズ
4 ビーズ台金
5 超砥粒層
6 砥粒
7 前方端面
8 後方端面

Claims (3)

  1. 砥粒を結合材で結合した超砥粒層が円筒状台金の表面に形成され、断面が円形であるビーズがワイヤの長手方向に間隔を置いて配置されたワイヤソーにおいて、前記ビーズの前方端面に砥粒が固着され、この前方端面での砥粒の集中度が超砥粒層の集中度の110%以上160%以下であることを特徴とするワイヤソー。
  2. 前記ビーズの後方端面に砥粒が固着され、この後方端面での砥粒の集中度が超砥粒層の集中度の105%以上130%以下であることを特徴とする請求項1記載のワイヤソー。
  3. 前記ビーズの前方端面から後方に向かって、砥粒3個から8個分の間隔を隔てた位置で、前方端面と平行となるように、ビーズの断面に砥粒が固着され、この位置での砥粒の集中度が超砥粒層の集中度の110%以上160%以下であることを特徴とする請求項1または2記載のワイヤソー。
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