JP2006279198A - 高周波線路−導波管変換器 - Google Patents

高周波線路−導波管変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】 変換効率が高く、変換特性のばらつきが小さい高周波線路−導波管変換器を提供すること。
【解決手段】 誘電体層1の上面に形成された線路導体3および線路導体3の一端部を取り囲むように形成された同一面接地導体層4から成る高周波線路2と、同一面接地導体層4に線路導体3と直交するように形成されたスロット5と、スロット5を取り囲むように誘電体層1の内部に配された複数のシールド導体7と、誘電体層1の下面側に配され、シールド導体7と電気的に接続された導波管6とを具備する高周波線路−導波管変換器であって、線路導体3の上側または下側に接地導体層を形成するとともに線路導体3と接地導体層との間隔を誘電体層1の外周側に比しスロットとの接合部近傍で狭くするか、あるいは線路導体3の上側における接合部近傍Xの直上のみまたは線路導体3の下側における接合部近傍Xの直下のみに接地導体層8を形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ波やミリ波の領域において使用される、高周波回路を形成するコプレーナ線路等の高周波線路を導波管に変換し、高周波回路とアンテナあるいは高周波回路間の接続を導波管を介して行なうことにより、システムの実装を容易に行なえる高周波線路−導波管変換器に関するものである。
近年、高度情報化時代を迎え、情報伝達に用いられる高周波信号は、1〜30GHzのマイクロ波領域から30〜300GHzのミリ波領域の周波数までを活用することが検討されており、例えば、車間レーダーのようなミリ波の高周波信号を用いた応用システムも提案されるようになっている。
このような高周波用のシステムにおいては、高周波信号の周波数が高いことにより、回路を構成する高周波線路における高周波信号の減衰が大きくなってしまうという問題点がある。例えば、高周波線路がマイクロストリップ線路構造である場合、誘電体基板における誘電体損は周波数に比例(誘電正接が周波数に独立のとき)して大きくなり、線路導体における導体損は周波数の平方根に比例して大きくなってしまうというものである。このことから、同じマイクロストリップ線路でも、使用する周波数が1GHzから10GHzに高くなると、誘電体損は10倍に、導体損は約3.2倍に大きくなってしまい、この損失を補うために低雑音,高効率,高利得の高価な高周波部品を多用することが必要になり、システムが高価になってしまうという問題点があった。
このようなマイクロストリップ線路構造の高周波線路に比較して、導波管では高周波信号の伝送損失は小さいことが知られている。例えば、26GHz〜40GHz帯に用いられる導波管WR−28の損失は40GHzで約0.005dB/cmであり、これはアルミナ基板を用いたマイクロストリップ線路の損失約1dB/cmよりも格段に小さい。これは、マイクロストリップ線路等による通常の高周波線路(一般にインピーダンスは50Ωで設計される)に比較して導波管のインピーダンスが大きく(周波数によって変化するが概略500Ωのオーダーで設計される)、通常の高周波線路では伝送される信号エネルギーに対して誘電体中を伝送する電界エネルギーの寄与が大きいのに対して、導波管ではその誘電体として誘電正接がほぼ0の空気を用いていること、相対的に小さい磁気エネルギーのもととなる導波管の管壁を流れる電流が小さくて良いこと、かつその電流が導波管の管壁の比較的広い面積に流れるため電気抵抗が小さくなり導体損が小さくなる構造になっていることによるものである。
また、導波管同士は通常、ねじで接続される。そのため着脱を容易に行なうことができる。例えば、高周波回路モジュールとアンテナとの接続に導波管を用いれば、組み立て前にそれぞれの導波管ポートを用いてそれぞれの検査を行ない、良品同士を組み合わせて高周波フロントエンドを組み立てることができ、その製造の歩留まりを上げることができる。これらのことから従来、特に伝送距離が長くなることが多い高周波回路モジュールとアンテナとの間の伝送に導波管を用いたフロントエンドが多く採用されてきた。
図4は、そのような高周波フロントエンドの構造を説明するための断面図である。図4によれば、フロントエンド30は、モジュール31とアンテナ32とが導波管部材33で接続されて構成されている。モジュール31は、導波管開口34を有する金属シャーシ35上に搭載されている。また、このフロントエンド30には、高周波線路としてのマイクロストリップ線路が形成されたマイクロストリップ基板36と、導波管開口部34および短絡終端部材37で構成される導波管とから成る高周波線路−導波管変換器38が構成されている。マイクロストリップ基板36のマイクロストリップ線路には、高周波部品が搭載された配線基板39がワイヤボンディングで接続されている。
このフロントエンド30における高周波線路−導波管変換器38は、短絡終端部材37の短絡終端面から高周波信号によって励起された電磁波の導波管内における波長(管内波長)の1/4の距離だけ離れた位置において、導波管の側面からマイクロストリップ基板36上に形成されたプローブ(線路導体は延設されているが接地導体は形成されていない部分)を信号波長の略1/4の長さ分挿入したタイプのものである。このプローブは導波管内でアンテナとして機能し、高周波信号を電磁波として導波管内に放射する。導波管内に放射された電磁波の半分は下方の導波管部材33に直接伝播し、もう半分は上方の短絡終端部材37側に伝播する。短絡終端部材37側に伝播した電磁波は短絡終端面で位相を反転させて全反射する。全反射した電磁波はプローブ部分まで戻ってきて、プローブから下方に直接放射される電磁波と合成される。このとき、短絡終端面で反射されてきた電磁波は、プローブと短絡終端面との間の距離を管内波長の1/4にしておけば、プローブから短絡終端面を経て再びプローブへ至る往復の光路長が1/2波長になり、プローブから直接放射される電磁波とは光路差により位相が逆になる。結局、短絡終端面で反射してきた電磁波は、短絡終端面で反射するときに位相が反転し、さらに光路差により位相が逆になって、プローブから直接下方に放射される電磁波と同位相になり、下方の導波管部材33へと伝播することになる。
このとき、プローブをアンテナとして機能させるには、その導波管内に挿入した長さを正確に伝送線路の波長の1/4にする必要があり、また、プローブから上方に放射されて短絡終端面で反射してきた電磁波の位相をプローブから下方に放射される電磁波の位相と同位相にするには、プローブと短絡終端面との間の距離を正確に管内波長の1/4にする必要がある。従って、アンテナとして機能するマイクロストリップ基板36の導波管内への挿入位置やマイクロストリップ基板36の位置と短絡終端部材37の短絡終端面の位置との関係によって特性が大きく変動することとなる。
この高周波線路−導波管変換器38は、金属シャーシ35上に配線基板39とともに組み立てにより構成されるので、各部材の位置ずれにより高周波線路−導波管変換器の変換損失が大きくなった場合に組み立て不良となり、用いた部材のすべてが無駄になってしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、誘電体基板の上面に形成されたマイクロストリップ線路および下面の接地導体層に形成されたアンテナとして機能するスロットを具備するマイクロストリップ−導波管変換が提案されている。この特許文献1で提案されたマイクロストリップ−導波管変換においては、スロットから導波管までの誘電体の厚さを高周波信号の信号波長の1/4にしている。これはスロットと導波管とのインピーダンスの違いを誘電体による1/4波長整合器で整合したものである。
この構成によれば、スロットから放射され誘電体による整合器と導波管との境界で反射した電磁波は、スロットが形成されている接地導体層で反射し、再び整合器と導波管との境界に戻ってくる。このとき整合器の厚さを信号波長の1/4にしておけば、境界で反射して再び戻ってきた電磁波(反射波)と、スロットから直接境界まで伝送してきた電磁波(直接波)との光路差が信号波長の1/2になり、反射波が接地導体層で反射する際に位相が反転していることから、境界では直接波と反射波が同位相になって強め合い、導波管へ伝送することになる。
この変換構造によれば、変換特性は整合器の厚さによって大きく変化することになるが、この場合、整合器は誘電体基板内に一体に構成されるので、変換特性のばらつきを小さくすることができる。また、誘電体基板のマイクロストリップ側をキャップで覆えば、導波管への変換と同時にマイクロストリップ側を気密封止することも可能になる。
国際公開第96/27913号パンフレット 特開2001−177312号公報
しかしながら、上記従来の高周波線路−導波管変換器では、高周波線路とスロットとの結合に異なる層間の電磁結合を用いている。この電磁結合は前述の整合器とともに変換作用の主要な役割を果たす。しかし、この電磁結合の特性はスロットの寸法とスタブ(高周波線路がスロットから突出している部分)の長さ、すなわち高周波線路とスロットとの相対的な位置関係により変化する。したがってこの構成では、変換特性はスロットの寸法とスタブの長さによって大きく変化することになり、高周波線路とスロットとが異なる層に配置されていることから、両者の相対的位置関係から決まるスタブの長さが変動しやすく、そのため変換特性が変化しやすいという問題点があった。
また、高周波線路とスロットでは伝送モードが異なるため、各伝送線路の特性インピーダンスが変化し、高周波線路とスロット間での反射損失が増加し、その結果、変換効率が劣化するという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、変換効率が高く、変換特性のばらつきが小さい高周波線路−導波管変換器を提供することにある。
本発明の高周波線路−導波管変換器は、誘電体層の上面に形成された線路導体および前記誘電体層の上面で前記線路導体の一端部を取り囲むように形成された同一面接地導体層から成る高周波線路と、前記同一面接地導体層に前記線路導体の前記一端部と直交するように形成されて前記線路導体と電磁的に結合されたスロットと、平面視で前記線路導体の前記一端部および前記スロットを取り囲むように前記誘電体層の側面または内部に配された複数のシールド導体と、前記誘電体層の下面側に開口を前記線路導体の前記一端部および前記スロットに対向させて配され、前記シールド導体と電気的に接続された導波管とを具備する高周波線路−導波管変換器であって、前記線路導体の上側または下側に接地導体層を形成するとともに前記線路導体と前記接地導体層との間隔を前記誘電体層の外周側に比し前記スロットとの接合部近傍で狭くするか、あるいは前記線路導体の上側における前記接合部近傍の直上のみまたは前記線路導体の下側における前記接合部近傍の直下のみに前記接地導体層を形成したことを特徴とする。
本発明の高周波線路−導波管変換器において、好ましくは、前記接合部近傍の長さをLとし、前記線路導体により伝送される高周波信号の実効波長をλとしたときに、λ/8≦L≦λ/4であることを特徴とする。
本発明の高周波線路−導波管変換器は、線路導体および同一面接地導体層から成る高周波線路と、線路導体の一端部と直交するように形成されたスロットと、平面視で線路導体の一端部およびスロットを取り囲む複数のシールド導体と、シールド導体と電気的に接続された導波管とを具備する高周波線路−導波管変換器であって、線路導体の上側または下側に接地導体層を形成するとともに線路導体と接地導体層との間隔を誘電体層の外周側に比しスロットとの接合部近傍で狭くするか、あるいは線路導体の上側における接合部近傍の直上のみまたは線路導体の下側における接合部近傍の直下のみに接地導体層を形成したことにより、誘電体層の上面に配された線路導体およびこの線路導体の一端部を取り囲むように同一面に配された同一面接地導体層から成る高周波線路と、同一面接地導体層に線路導体の一端部と直交するように形成されたスロットとを結合させることから、高周波線路とスロットとが同一面内に形成されることとなり、その結果、両者の相対的な位置関係が変動しにくく、スロットに対する高周波線路の突出部分であるスタブの長さのばらつきを小さくすることができるため、電磁結合の特性のばらつきを小さくすることができる。
また、線路導体の上側または下側に接地導体層を形成するとともに線路導体と接地導体層との間隔を誘電体層の外周側に比しスロットとの接合部近傍で狭くするか、あるいは線路導体の上側における接合部近傍の直上のみまたは線路導体の下側における接合部近傍の直下のみに接地導体層を形成したことにより、この接合部近傍が高周波線路とスロットとのインピーダンス整合部として作用し、高周波線路とスロットとのインピーダンスの差を緩和することができる。よって、高周波線路とスロット間での反射損失を抑えることができ、高周波線路−導波管変換器の変換効率を高めることができる。
本発明の高周波線路−導波管変換器は、上記接合部近傍の長さをLとし、線路導体により伝送される高周波信号の実効波長をλとしたときに、λ/8≦L≦λ/4であることから、伝送される高周波信号の周波数帯域において、高周波線路とスロット間での反射損失を効果的に抑えることができ、更に変換効率を高めることができる。
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1(a)は本発明の高周波線路−導波管変換器の実施の形態の一例を示す平面透視図であり、図1(b)は図1(a)の高周波線路−導波管変換器のA−AA線における断面図である。また、図2(a)は本発明の高周波線路−導波管変換器の実施の形態の他の例を示す平面透視図であり、図2(b)は図2(a)の高周波線路−導波管変換器のB−BB線における断面図である。
これらの図において、1は誘電体層、2は高周波線路、3は線路導体、4は同一面接地導体層、5は同一面接地導体層4に形成されたスロット、6は導波管、7はシールド導体、8,8’は接地導体層、9は内部接地導体層である。
これら本発明の高周波線路−導波管変換器の例においては、誘電体層1と、誘電体層1の上面に配された線路導体3と、線路導体3の一端部を取り囲むように同一面(誘電体層1の上面)に配された同一面接地導体層4とによって高周波線路2としてのコプレーナ線路が形成されている。また、誘電体層1の上面の同一面接地導体層4には線路導体3の一端部と直交するように形成されたスロット5が配されており、高周波線路2の一端と電磁気的に結合されている。これにより、高周波線路2に伝送された高周波信号は、スロット5から、誘電体層1の下面側に開口を線路導体3の一端部およびスロット5に対向させて配され、下方に延びるように配置された導波管6内に電磁波として放射される。
誘電体層1の側面方向は、線路導体3の一端部およびスロット5を取り囲むようにして、図1の例に示すように誘電体層1の内部に配されたシールド導体7によりシールドされており、スロット5から誘電体層1に放射された電磁波および誘電体層1と導波管6との境界で反射した電磁波が漏れ出すことを防ぎ、変換効率が低下することを防止している。
また、高周波線路2とスロット5とが同一面内に形成されることとなり、その結果、両者の相対的な位置関係が変動しにくく、スロット5に対する高周波線路2の突出部分であるスタブの長さのばらつきを小さくすることができるため、電磁結合の特性のばらつきを小さくすることができる。
本発明では、線路導体3の上側に接地導体層8(以下、上側接地導体層8という)を形成するか、または図2に示すように線路導体3の下側に接地導体層8’(以下、下側接地導体層8’という)を形成し、さらに線路導体3と接地導体層8,8’との間隔を誘電体層1の外周側に比しスロット5との接合部近傍Xで狭くしている。これにより、高周波線路2とスロット5とのインピーダンス整合部を設けることにより、高周波線路2とスロット5間での反射損失を抑えることができ、アンテナの放射効率を高めることができる。
あるいは、図1に示すように線路導体3の上側における接合部近傍Xの直上のみに接地導体層8(上側接地導体層8)を形成するか、または線路導体3の下側における接合部近傍Xの直下のみに接地導体層8’(下側接地導体層8’)を形成してもよい。この構成によっても同様に高周波線路2とスロット5とのインピーダンス整合部を設けることにより、高周波線路2とスロット5間での反射損失を抑えることができ、アンテナの放射効率を高めることができる。
このような上側接地導体層8は、例えば、線路導体3の上面に積層した誘電体1’上に形成されたり、半円筒状の金属板等で線路導体3の上側を覆うようにして形成される。また、下側接地導体層8’は、例えば、誘電体層1の内層に形成される。
誘電体層1を形成する誘電体材料としては、酸化アルミニウム,窒化アルミニウム,窒化珪素,ムライト等を主成分とするセラミック材料,ガラス,あるいはガラスとセラミックフィラーとの混合物を焼成して形成されたガラスセラミック材料,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,四フッ化エチレン樹脂を始めとするフッ素系樹脂等の有機樹脂系材料,有機樹脂−セラミック(ガラスも含む)複合系材料等が用いられる。
線路導体3,同一面接地導体層4,貫通導体等から成るシールド導体7,接地導体層8,8’を形成する導体材料としては、タングステン,モリブデン,金,銀,銅等を主成分とするメタライズ、あるいは金,銀,銅,アルミニウム等を主成分とする金属箔等が用いられる。
特に、高周波線路−導波管変換器を、高周波部品を搭載する配線基板に内蔵する場合は、誘電体層1を形成する誘電体材料としては、誘電正接が小さく、かつ気密封止が可能であることが望ましい。特に望ましい誘電体材料としては、酸化アルミニウム,窒化アルミニウム,ガラスセラミック材料の群から選ばれる少なくとも1種の無機材料が挙げられる。このような硬質系材料で構成すれば、誘電正接が小さく、かつ搭載した高周波部品を気密に封止することができるので、搭載した高周波部品の信頼性を高める上で好ましい。この場合、導体材料としては、誘電体材料との同時焼成が可能なメタライズ導体を用いることが、気密封止性と生産性の上で望ましい。
本発明の高周波線路−導波管変換器は以下のようにして作製される。例えば誘電体材料に酸化アルミニウム質焼結体を用いる場合であれば、まず酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合してスラリー状にし、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法によりシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。また、タングステンやモリブデン等の高融点金属,酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウム,酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合してメタライズペーストを作製する。
次に、セラミックグリーンシートに、例えば打ち抜き法によりシールド導体7としての貫通導体を形成するための貫通孔を形成し、例えば印刷法により、その貫通孔にメタライズペーストを埋め込み、続いて線路導体3、スロット5を有する同一面接地導体層4の形状にメタライズペーストを印刷する。誘電体層1が複数の誘電体層の積層構造からなる場合には、これら導体が埋め込み,印刷されたセラミックグリーンシートを積層し、加圧して圧着し、高温(約1600℃)で焼成する。さらに、線路導体3、同一面接地導体層4等の表面に露出する導体の表面には、ニッケルめっきおよび金めっきを被着させる。
シールド導体7は線路導体3の一端部およびスロット5を取り囲むように誘電体層1の側面または内部に配され、同一面接地導体層4に電気的に接続されて接地される。
シールド導体7は、誘電体層1の内部に配された複数のシールド用貫通導体により構成するとよい。複数のシールド用貫通導体は線路導体3の一端部およびスロット5を取り囲むように誘電体層1内に配列されてシールド導体7を形成している。このときシールド用貫通導体は、不要な共振が発生しないように導波管6の開口に対してその内側に位置するように設置することが望ましい。このようにシールド導体7を複数のシールド用貫通導体で形成すると、誘電体層1のシールド導体7で囲まれた領域の形状を任意に設計することができるので、たとえば誘電体層1のシールド導体7で囲まれた領域に不要な共振が発生する場合に、シールド導体7の配置を調整して、不要共振を信号変換の帯域外にシフトさせることが可能となる。
シールド用貫通導体同士の隙間(Gで示す)は、信号波長の1/4未満にすることが望ましい。これは、信号波長の1/4未満とすることにより電磁波がシールド用貫通導体間の隙間から漏れにくくなるので、シールド効果を高めることができるからである。
なお、シールド導体7を構成するシールド用貫通導体は、貫通孔の内壁に導体層が被着されたいわゆるスルーホール導体であってもよく、貫通孔の内部が導体で充填されたいわゆるビア導体であってもよい。
また、好ましくは、図1に示すように誘電体層1の内層に平面透視してスロット5と重なるとともに、スロット5と同じかスロット5よりも大きい開口が形成された内部接地導体層9を形成してもよい。これにより、線路導体3の接地電位をより強化することができ、伝送性をより向上できる。
導波管6の形状は特に制約はなく、例えば方形導波管として規格化されているWRシリーズを用いると、測定用校正キットが充実しているので種々の特性評価が容易になるが、使用する高周波信号の周波数に応じてシステムの小型軽量化のために導波管のカットオフが発生しない範囲で小型化した方形導波管を用いてもよい。また、円形導波管を用いてもよい。
導波管6は、金属で構成し、管内壁を電流による導体損低減や腐食防止のために金,銀等の貴金属で被覆するとよい。また、樹脂を必要な導波管形状に成型し、金属の場合と同様に管内壁を金,銀等の貴金属で被覆したものであってもよい。導波管6の高周波線路−導波管変換器への取り付けは、ろう材による接合やねじによる締め付け等によって行なわれる。
ろう材による接合によって導波管6を高周波線路−導波管変換器へ取り付けるためには、同一面接地導体層4およびシールド導体7と電気的に接続された導波管接続用導体を、取り付けられる導波管6の開口に合わせて形成しておくとよい。例えば、図1に示したように、誘電体層1の下面にシールド用貫通導体から成るシールド導体7と接続されたメタライズ層から成る導波管接続用導体10を形成しておくとよい。このような導波管接続用導体10を形成しておくと、導波管6を高周波線路−導波管変換器へ取り付けた際の導波管6とシールド導体7および同一面接地導体層4との電気的接続がより確実なものとなるので、信頼性の高い高周波線路−導波管変換器を構成することができる点で好ましいものとなる。
導波管接続用導体10は、前述の作製方法において、線路導体3、同一面接地導体層4および接地導体10の形成と同様に、導波管接続用導体10の形状にメタライズペーストを印刷することにより同時に形成すればよい。さらに、線路導体3や同一面接地導体層4等の表面に露出する導体と同様に、その表面にニッケルめっきおよび金めっきを被着させると、ろう材による接合の場合のろう材の濡れ性が向上するので、より好ましいものとなる。
また、図1に示すように、本発明の高周波線路−導波管変換器は、好ましくは、接合部近傍Xの長さをLとし、線路導体3により伝送される高周波信号の実効波長をλとしたときに、λ/8≦L≦λ/4であるのがよい。これにより、伝送される高周波信号の周波数帯域において、高周波線路2とスロット5間での反射損失を効果的に抑えることができ、更に高周波線路−導波管変換器の変換効率を高めることができる。
また、線路導体3の上側または下側に接地導体層8,8’を形成するとともに線路導体3と接地導体層8,8’との間隔を誘電体層1の外周側に比しスロット5との接合部近傍Xで狭くした場合、接合部近傍Xと接地導体層8,8’との間隔は、誘電体層1の外周側(図2の線路導体3の一端部のスロット5の外側に位置する部位における線路導体3の接合部近傍X以外の部位)と接地導体層8,8’との間隔の0.2〜0.8倍であるのがよい。0.2倍未満であると、間隔が急激に変化することにより高周波信号の伝播モードが乱れ、高周波線路2からスロット5への変換を妨げやすくなる。また、0.8倍を超えると、間隔の変化が小さいことから、インピーダンス整合部として機能しにくくなる。
本発明の高周波線路−導波管変換器の実施例を以下に説明する。
まず、比誘電率が8.6からなるアルミナセラミックスから成り、厚みが1.52mmの誘電体層1の上面に高周波線路2として特性インピーダンスが50Ωとなるような線路導体3および同一面接地導体層4を形成した。さらに、同一面接地導体層4に線路導体3に直交するように、線路導体3の線路方向の長さが0.1mm、線路導体3に直交する方向の長さが3.0mmのスロット5を形成した。
また、線路導体3とスロット5との接合部近傍Xおよびスロット5を覆うように、厚みが0.38mmの誘電体1’(図1参照)を積層し、その上面に上側接地導体層8を形成した。
ここで、接続する導波管6をWR−42(18GHz〜26.5GHz)に設定し、高周波3次元構造シミュレータ(Ansoft社製HFSS)を用いて24GHzを中心周波数として設計した。
その結果、24GHzにおける反射損失S11は-25dB以下であり、実用的な高周波モジュールを製作する上で十分に小さい反射損失であることが確認された。
次に、線路導体3と設置導体層10との重なり長さを0.3mm〜1.2mmの範囲で変化させた場合の反射損失S11を高周波3次元構造シミュレータ(Ansoft社製HFSS)を用いてシミュレーションした。
各試料における24GHzでの反射損失S11を図3に示す。
その結果、接合部近傍Xのインピーダンス整合部の長さをLとし、線路導体3により伝送される高周波信号の実効波長をλとしたときにλ/8≦L≦λ/4に相当する0.5mm〜1mmの範囲において、反射損失S11≦-10dBと高周波モジュールを製作する上で実用的な反射損失が得られることが確認された。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更を行なっても差し支えない。
例えば、図1では、線路導体3の上側に配した接地導体層8を接合部近傍Xの直上のみに形成した場合の例を示したが、誘電体層1の外周側の線路導体3の上側に接地導体層8を設けてもよく、その場合、誘電体層1の外周側の線路導体3の上側の接地導体層8と線路導体3との距離を接合部近傍Xの直上の接地導体層8と接合部近傍Xとの距離よりも大きくすればよい。
また、図1ではシールド導体7は複数の貫通導体の場合の例を示したが、誘電体層1を小さくし側面に導体層を形成したり、導波管6を高周波線路−導波管変換器側に延長することにより導波管6をシールド導体7としても構わない。
(a)は本発明の高周波線路−導波管変換器の実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は(a)の高周波線路−導波管変換器のA−AA線における断面図である。 (a)は本発明の高周波線路−導波管変換器の実施の形態の他の例を示す平面図であり、(b)は(a)の高周波線路−導波管変換器のB−BB線における断面図である。 本発明の実施例における高周波信号の反射損失S11の特性を示すグラフである。 従来の高周波線路−導波管変換器の断面図である。
符号の説明
1:誘電体層
2:高周波線路
3:線路導体
4:同一面接地導体層
5:スロット
6:導波管
7:シールド導体
8:接地導体層(上側接地導体層)
8’:接地導体層(下側接地導体層)

Claims (2)

  1. 誘電体層の上面に形成された線路導体および前記誘電体層の上面で前記線路導体の一端部を取り囲むように形成された同一面接地導体層から成る高周波線路と、前記同一面接地導体層に前記線路導体の前記一端部と直交するように形成されて前記線路導体と電磁的に結合されたスロットと、平面視で前記線路導体の前記一端部および前記スロットを取り囲むように前記誘電体層の側面または内部に配された複数のシールド導体と、前記誘電体層の下面側に開口を前記線路導体の前記一端部および前記スロットに対向させて配され、前記シールド導体と電気的に接続された導波管とを具備する高周波線路−導波管変換器であって、前記線路導体の上側または下側に接地導体層を形成するとともに前記線路導体と前記接地導体層との間隔を前記誘電体層の外周側に比し前記スロットとの接合部近傍で狭くするか、あるいは前記線路導体の上側における前記接合部近傍の直上のみまたは前記線路導体の下側における前記接合部近傍の直下のみに前記接地導体層を形成したことを特徴とする高周波線路−導波管変換器。
  2. 前記接合部近傍の長さをLとし、前記線路導体により伝送される高周波信号の実効波長をλとしたときに、λ/8≦L≦λ/4であることを特徴とする請求項1記載の高周波線路−導波管変換器。
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