JP2006277654A - 携帯端末装置、情報処理方法及び情報処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 検査現場における計測値の入力時点で、明らかな入力ミスや計測ミス等をチェックできるようにすると共に、事務所に戻ってから、再度、現場に点検に出向くといった無駄な手間や工数を回避できるようにする。
【解決手段】 計測対象設備5の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを入力するキーボード22及びスタイラスペン23と、ここで入力された測定項目をキーにして当該計測対象設備5の過去の計測値を検索する計測値検索手段と、この計測値検索手段によって検索された計測対象設備5の過去の計測値の存在有無に基づいて測定項目に係る入力判別時の閾値を取得する取得手段と、この取得手段により取得された閾値と今回の測定項目に係る計測値とを比較する比較手段と、この比較手段によって得られる比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する判別手段とを備えるものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電力事業や通信事業等に関連する電気設備の保守点検の際の計測業務を支援する点検時データ入力支援システムに適用して好適な携帯端末装置、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
詳しくは、電気設備を検査して得られる計測値を情報処理する場合に判別手段を備え、電気設備の測定項目をキーにして検索された当該電気設備の過去の計測値の存在有無に基づいて取得される、当該測定項目に係る入力判別時の閾値と今回の測定項目に係る計測値との比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別して、計測値の入力時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスや計測ミス等を検査現場でチェックできるようにすると共に、事務所に戻ってから、再度、現場に点検に出向くといった無駄な手間や工数を回避できるようにしたものである。
従来から、電力事業や通信事業等に関連する電気設備の保守点検に関しては、「制御通信関係設備点検指針」を規定して、その細部項目に基づいて巡視・点検業務を実行する場合が多い。例えば、マイクロ波多重無線回線設備において、その巡視・点検を必要とする関係設備は広範に渡り、無線装置から空中線施設、搬送端局装置、結合装置、交換装置、電源装置、データ伝送装置、系統保護伝送装置といったように、外観形状が異なることは、もちろん、その巡視・点検、測定項目によっては、目視確認困難なもの、例えば、機器の性能の判定などもあり、複雑かつ多様化しているのが現状である。上述の指針によると、電気設備にもよるが、点検は、5年に一回、巡回は2年に1回実施するようになされる。
一方で、これらの電気設備の検査に使用する計測機器は、多機能化しており、その操作性は、熟練者でないと理解することが難しい。特に、計測機器のレンジ、計測単位及び計測範囲を測定対象毎に調整する必要がある。その調整に手間を必要とし、その調整を間違わないように、再三チェックする必要がある。
通常、巡回点検員は、前回の測定記録を持ち歩かないが、前回の記録コピーを現場に持参し、前回の測定記録と今回の計測値とを比較しながら管理帳票に書き込んでいる。これにより、計測値の入力ミスを防止している。
この種の電気設備の検査に関して特許文献1には、携行可能な保守作業支援装置が開示されている。この保守作業支援装置によれば、各測定対象箇所毎に予め定められている規定値と各測定対象箇所の測定値とを比較する比較部と、比較結果に基づいて測定値が規定値の許容範囲内であるか否かを判別する判定部と、判別結果に応じて異常を表示する表示部とを備え、規定値の変更指示に従って、規定値を変更し、変更後の規定値と各測定対象箇所の測定値とを比較し、この比較結果に基づいて測定値が規定値の許容範囲外であると判別された場合に、表示部に異常を表示するようになされる。このように装置を構成すると、保守作業を担当する保守員の負担を軽減できると共に、保守作業現場で測定結果の合否判定を正確に行えるというものである。
特許文献2には、可搬型プラント巡視点検データ判定装置が開示されている。当該判定装置によれば、プラントの巡視点検の順序を画面に表示する表示入力部と、巡視点検順序に基づいて巡視点検データを入力する点検データ入出力手段と、予め用意された判定値と、巡視点検データとが比較され、この比較結果に基づいて巡視点検データが示す状態が正常か否かを判別する診断実行手段とを備え、診断実行手段は、表示入力部の画面に処理結果を表示するようになされる。このように装置を構成すると、プラント巡視点検時の巡視員の負担を軽減でき、しかも、設備異常の早期発見に支援できるというものである。
特許文献3には、点検支援システムが開示されている。この点検支援システムによれば、データ分析、蓄積管理可能な上位の端末装置と、巡視点検用の携行可能な携帯端末装置とを通信網で接続し、携帯端末装置には、光学式又は磁気式の読取装置が接続され、各点検対象物に付与した識別データを当該読取装置で読み取って携帯端末装置で識別できるようにした他に、上位の端末装置でも通信網を通じて識別できるようにしたものである。このようにシステムを構成すると、巡視点検時、迅速かつ確実に点検対象物のデータを入力できると共に精度良いデータを収集でき、補修点検を効率良く実行できるというものである。
特許文献4には、通信網の監視制御方式が開示されている。この監視制御方式によれば、通信網運用管理者の端末装置から制御コマンド及び作業の実施日時を含む制御情報を受信し、この制御情報を制御コマンド毎に整理して登録する。ここに登録された制御情報が有する作業の実施日時と、発生する日付及び時刻とを照合して一致した際に、該当する制御情報を実行情報として送出して通信網を遠隔制御すると供に、遠隔制御処理の結果を出力するようにしたものである。このようにシステムを構成すると、人間判断業務の低減並びに保守の迅速化及び的確化を図ることができると共に、効率的にデータ処理できるというものである。
ところで、従来例に係る電気設備の保守点検システムによれば、以下のような問題がある。
i.マイクロ波多重無線回線設備等の検査において、様々な計測機器を同行し、その計測機器の示す結果を管理帳票に書き込むことで、巡視・点検を実施している。しかし、計測機器の目盛りの読み違い、感度レベルの勘違いから、通常では、あり得ない数値を管理帳票に記録してしまう場合がある。
一般に、測定レンジ(測定範囲)の選択ミスを起こすことが少ないが、計測機器のメーターが示す目盛り(単位)を間違えて読むことがある。例えば、電流(A)、電圧(V)、電力(VA)、音(dB)、抵抗(Ω)、周波数(Hz)等に付加された、m(ミリ)、k(キロ)、M(メガ)を読み違えるというものである。
ii.現場での巡視・点検では、その間違いに気が付かず、事務所に戻って、パソコン端末に結果を入力するときになって、初めて、その測定結果の異常に気が付く場合がある。測定結果から明らかに、常識値よりも、逸脱していた場合に、再度、現地に赴いて再測定をしなければならず、無駄な手間や工数を費やすこととなる。
iii.特許文献1に見られる携行可能な保守作業支援装置によれば、各測定対象箇所毎に予め定められた規定値と各測定対象箇所の測定値とを比較した結果、この比較結果に基づいて測定値が規定値の許容範囲外であると判別された場合に、表示部に異常を表示するようになされる。特許文献1は、各測定対象箇所毎に規定値を予め定め、それを保守作業支援装置毎に保持しておかなくてはならない。従って、測定対象箇所が増加すると、その分だけ規定値を保持しなくてはならず、規定値の検索抽出に多くの時間を要するおそれがある。
iv.特許文献2に見られる可搬型プラント巡視点検データ判定装置によれば、プラント巡視点検に関して、予め用意された判定値と、巡視点検データとが比較され、この比較結果に基づいて巡視点検データが正常でないと判別された場合に、その判別処理結果を画面表示するようになされる。特許文献2でも、各プラント毎に判定値を予め定め、それを当該判定装置毎に保持しておかなくてはならない。従って、プラントの巡視点検箇所が増加すると、その分だけ判定値を保持しなくてはならず、判定値の検索抽出に多くの時間を要するおそれがある。
v.特許文献3に見られる点検支援システムによれば、各点検対象物に付与した識別データを光学式又は磁気式の読取装置で読み取って携帯端末装置で識別するようになされる。しかし、アナログメータ方式の計測機器を使用して電圧、電流、抵抗等を測定して得た計測値は識別データした後でなければ、当該読取装置で読み取れない。
vi.特許文献4に見られる通信網の監視制御方式によれば、通信網運用管理者の端末装置から制御コマンド及び作業の実施日時を含む制御情報を受信し、この制御情報を制御コマンド毎に整理して登録するようになされる。しかし、特許文献1に見られる保守作業支援装置を応用して、「点検時データ入力支援システム」を構成しようとしたとき、測定値判定用の規定値を制御コマンド毎に整理して登録することができても、iiiに示した問題が依然として残る。
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、検査現場における計測値の入力時点で、明らかな入力ミスや計測ミス等をチェックできるようにすると共に、事務所に戻ってから、再度、現場に点検に出向くといった無駄な手間や工数を回避できるようにした携帯端末装置、情報処理方法及び情報処理システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決する本発明の携帯端末装置は、電気設備を検査して得られる計測値を情報処理する携帯端末装置であって、電気設備の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを入力する入力手段と、この入力手段によって入力された測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値を検索する検索手段と、この検索手段によって検索された電気設備の過去の計測値の存在有無に基づいて測定項目に係る入力判別時の閾値を取得する取得手段と、この取得手段により取得された閾値と今回の測定項目に係る計測値とを比較する比較手段と、この比較手段によって得られる比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する判別手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明に係る携帯端末装置によれば、電気設備を検査して得られる計測値を情報処理する場合に、入力手段は、電気設備の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを入力するように操作される。検索手段は、入力手段によって入力された測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値を検索する。
例えば、検索手段は、記憶手段に記憶された電気設備の過去の計測値を測定項目をキーにして検索する。取得手段は、検索手段によって検索された電気設備の過去の計測値の存在有無に基づいて測定項目に係る入力判別時の閾値を取得する。これを前提にして、比較手段は、取得手段により取得された閾値と今回の測定項目に係る計測値とを比較する。判別手段は、比較手段によって得られる比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する。例えば、判別手段は、測定項目に関して入力判別時の下限閾値及び上限閾値を設定し、下限閾値及び上限閾値から外れる計測値が入力された場合に、入力ミスと判断する。
従って、計測値判定用の閾値を瞬時に検索抽出できるので、電気設備の検査によって得られる計測値を入力した時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスを検査現場でチェックすることができ、事務所に戻った後に、初めて、入力ミスに気付くといった事態を防ぐことができる。
本発明に係る情報処理方法は、電気設備を検査して得られる計測値を情報処理する方法であって、電気設備の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを取得するステップと、測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値を検索するステップと、電気設備の過去の計測値が存在する場合は、測定項目に係る入力判別時の閾値を取得するステップと、閾値と今回の測定項目に係る計測値とを比較するステップと、比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別するステップとを有することを特徴とするものである。
本発明に係る情報処理方法によれば、電気設備を検査して得られる計測値を情報処理する場合に、計測値判定用の閾値を瞬時に検索抽出できるので、電気設備の検査によって得られる計測値を入力した時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスを検査現場でチェックすることができる。従って、事務所に戻った後に、初めて、入力ミスに気付くといった事態を防ぐことができる。
本発明に係る情報処理システムは、電気設備を検査して得られる計測値を情報処理するシステムであって、電気設備を検査して計測値を得る計測機器と、この計測機器から得られる電気設備の計測値を記録する携帯端末装置とを備え、携帯端末装置は、電気設備の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを入力する入力手段と、入力手段によって入力された測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値を検索する検索手段と、検索手段によって検索された電気設備の過去の計測値の存在有無に基づいて測定項目に係る入力判別時の閾値を取得する取得手段と、この取得手段により取得された閾値と今回の測定項目に係る計測値とを比較する比較手段と、この比較手段によって得られる比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する判別手段とを有することを特徴とするものである。
本発明に係る情報処理システムによれば、本発明に係る携帯端末装置及び情報処理方法が応用されるので、電気設備を検査して得られる計測値を情報処理する場合に、計測値判定用の閾値を瞬時に検索抽出できるので、電気設備の検査によって得られる計測値を入力した時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスを検査現場でチェックすることができる。従って、事務所に戻った後に、初めて、入力ミスに気付くといった事態を防ぐことができる。
本発明に係る携帯端末装置及び情報処理方法によれば、電気設備の測定項目をキーにして検索された当該電気設備の過去の計測値の存在有無に基づいて取得される、当該測定項目に係る入力判別時の閾値と今回の測定項目に係る計測値との比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する判別手段を備えるものである。
この構成によって、計測値判定用の閾値を瞬時に検索抽出できるので、電気設備の検査によって得られる計測値を入力した時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスを検査現場でチェックすることができる。従って、事務所に戻った後に、初めて、入力ミスに気付くといった事態を防ぐことができ、計測値を入力した時点で、計測ミスをチェックすることができる。これにより、その場で、電気設備を再検査することができ、しかも、事務所に戻ってから、再度、現場に点検に出向くといった無駄な手間や工数を回避することができる。
本発明に係る情報処理システムによれば、本発明に係る携帯端末装置及び情報処理方法が応用されるので、計測値判定用の閾値を瞬時に検索抽出することができる。従って、電気設備の検査によって得られる計測値を入力した時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスを検査現場でチェックすることができる。
また、事務所に戻った後に、初めて、入力ミスに気付くといった事態を防ぐことができる。従って、計測値を入力した時点で、計測ミスをチェックすることができ、その場で、電気設備を再検査することができる。しかも、事務所に戻ってから、再度、現場に点検に出向くといった無駄な手間や工数を回避することができる。
続いて、この発明に係る携帯端末装置、情報処理方法及び情報処理システムについて、図面を参照しながら説明をする。
図1は、実施例としての点検時データ入力支援システム1の構成例を示す図である。
この実施例では、通信制御機器などの計測対象設備(電気設備)を検査して得られる計測値を情報処理する場合に、今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する判別手段を備え、計測値入力時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスを検査現場でチェックできるようにしたものである。
図1は、実施例としての点検時データ入力支援システム1の構成例を示す図である。
この実施例では、通信制御機器などの計測対象設備(電気設備)を検査して得られる計測値を情報処理する場合に、今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する判別手段を備え、計測値入力時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスを検査現場でチェックできるようにしたものである。
図1に示す点検時データ入力支援システム1は、本発明に係る情報処理システムの一例であり、無線中継所や、各地電力所等における電源装置や通信制御機器等の計測対象設備(検査対象)を検査して得られる計測値を情報処理するシステムである。
このシステム1では、計測機器の一例となる電力テスタ8、計測結果管理システム10及び点検時データ入力支援機能付きの携帯端末装置100が具備される。電力テスタ8は、計測対象設備5を検査して計測値を得るように使用される。携帯端末装置100は、この電力テスタ8から得られる計測対象設備5の計測値を記録するように使用される。電力テスタ8及び携帯端末装置100は、巡回点検員3が無線中継所や各種電力所等に出向する際に携行するようになされる。
計測結果管理システム10は、情報処理装置の一例であり、計測対象設備5を検査して得た計測値を管理するシステムである。計測結果管理システム10にはデスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ(以下単にパソコンという)が使用される。
計測結果管理システム10には、図示しない登録手段(データベース)が設けられ、計測対象設備5を過去に検査して得た計測値が格納される。計測結果管理システム10は、モニタ11、キーボード12、マウス13、制御システム15を有して構成される。この例で、計測結果管理システム10は、携帯端末装置100と電気的に接続可能となされる。この際の接続方法は、有線方式や無線方式等いずれの方式を問わない。
計測結果管理システム10では、計測対象設備5の過去の計測値を測定項目と共に計測結果管理システム10から携帯端末装置100へ転送するようになされる。これは点検時データ入力支援システム1で過去の計測値を検索するためである。また、計測対象設備5で今回、計測して得た計測値は、測定項目と共に携帯端末装置100から計測結果管理システム10へ転送するようになされる。これは計測結果管理システム10で計測対象設備5を管理するためである。
電力テスタ8は、電圧(V)、電流(A)、電力(VA)、抵抗(Ω)、周波数(Hz)、温度(℃)及び音(dB)を測定できる多機能計測装置である。電力テスタ8は、本体ケース80、テスタ棒81a、81b、メーター82、マイクロフォン83、指針窓部84、計測対象切換スイッチ85、端子86a,86bを有している。電力テスタ8は、巡回点検員3が携行し易くするために軽量化されている。
本体ケース80の上部には、マイクロフォン83及び端子86a,86bが設けられる。マイクロフォン83は計測対象設備5の音(騒音)を測定する際に使用される。端子86a,86bには、テスタ棒81a、81bがリード線を介して接続される。テスタ棒81a、81bは、計測対象設備5の充電部に当接され、電圧や絶縁抵抗を測定する際に使用される。本体ケース80の上面には、指針窓部84及び計測対象切換スイッチ85が設けられる。指針窓部84には、アナログ式の多機能メーター82が設けられ、計測対象設備5の電圧、電流、電力、抵抗、周波数、温度及び音の大きさを表示するようになされる。もちろん、計測値を読み取る指針窓部84は、多機能メーター82に変えて、デジタル式の表示器を使用したものであってもよい。
巡回点検員3は、電力テスタ8を使用して得た計測値を現場で携帯端末装置100に入力するようになされる。携帯端末装置100は本体ケース20、表示手段21、データ入力手段31を有して構成される。データ入力手段31は、キーボード22及びスタイラスペン23から構成される。
キーボード22には、「0」〜「9」の数字キー、「#」キー、「*」キーの他に、小数点「.」キー、電圧(V)や、電流(A)、電力(VA)、抵抗(Ω)、周波数(Hz)、温度(℃)、音(dB)等の計測単位キーが設けられている。表示手段21には、例えば、液晶表示パネルとタッチパネルを組み合わせたものが使用される。スタイラスペン23は、表示手段21上で計測対象設備5の電圧や、電流、電力、抵抗、周波数、温度、音等の計測値を手入力する際に使用される。
この例で、携帯端末装置100に入力された計測対象設備5の計測値は、計測結果管理システム10に転送され、当該計測対象設備5が管理される。携帯端末装置100には、点検時のデータ入力ミスを防止するための管理機能(点検時データ入力ミス管理機能)が付加されている。この管理機能では、前回の記録コピーを現場に持参し、前回の測定記録と今回の計測値とを比較しながら管理帳票に書き込むといった人間的な改善対策を点検時データ入力支援システム1として取り扱うようになされる。
図2は、点検時データ入力支援システム1におけるデータ判別例を示す構成図である。
図2に示す点検時データ入力支援システム1では、巡回点検員3が携帯端末装置100を携行して設備点検場所に行くとき、及び、携帯端末装置100を携行して事務所に戻って来たときに、計測結果管理システム10と当該携帯端末装置100とを何らかの形態で情報交換するようになされる。情報交換形態は、通信ケーブル、無線、メモリ媒体等何でもよい。現実には、データ量、スピード、汎用性を考慮すると、メモリ媒体が適している。
図2に示す点検時データ入力支援システム1では、巡回点検員3が携帯端末装置100を携行して設備点検場所に行くとき、及び、携帯端末装置100を携行して事務所に戻って来たときに、計測結果管理システム10と当該携帯端末装置100とを何らかの形態で情報交換するようになされる。情報交換形態は、通信ケーブル、無線、メモリ媒体等何でもよい。現実には、データ量、スピード、汎用性を考慮すると、メモリ媒体が適している。
この例で、巡回点検員3が設備点検場所に行くときは、設備点検場所の制御通信機器等の過去の計測値データ(設備点検データ)を計測結果管理システム10から携帯端末装置100に転送するようになされる。計測結果管理システム10には、登録手段16が設けられ、各設備点検場所の制御通信機器等の過去の計測値データを記録したデータベースが構築されている。巡回点検員3は、点検時データ入力ミス管理機能付きの携帯端末装置100を持って設備点検場所に(電力所内にある設備管理室)に移動する。巡回点検員3が設備点検場所で制御通信設備を電力テスタ8で検査し、その検査結果を携帯端末装置100に入力する。
携帯端末装置100は、データ入力手段31、データ判別手段50、エラー情報出力手段36、データメモリ58及び計測値メモリ59を有して構成される。データメモリ58は第1の記憶手段の一例であり、計測対象設備5の過去の計測値を測定項目と共に記憶するようになされる。例えば、計測結果管理システム10からデータメモリ58には、計測対象設備5の過去の計測値に係るデータ(以下過去データという)D1’が転送され、測定項目と共に過去データD1’を格納するようになされる。これは点検時データ入力支援システム1で計測対象設備5の過去の計測値を検索するためである。
データ入力手段31は、計測対象設備5の測定項目と当該測定項目に係る計測値データ(以下今回データD1Tもいう)とを入力するように操作される。データ入力手段31には、点検時データ入力ミス管理機能が付加されている。データ判別手段50は、ソフトウエアから構成される計測値検索手段32、閾値取得手段33、計測値比較手段34、入力ミス判別手段35を有している。計測値検索手段32では、データ入力手段31によって入力された測定項目をキーにして当該計測対象設備5の過去の計測値が検索される。例えば、データメモリ58内を検索して、当該測定項目に係る計測対象設備5の過去データD1’を読み出すようになされる。
閾値取得手段33では、計測値検索手段32によって検索された計測対象設備5の過去の計測値の存在有無に基づいて測定項目に係る入力判別時の閾値が取得される。例えば、当該測定項目に係る計測対象設備5の過去データD1’から測定項目をキーにして当該過去の計測値入力時の許容下限値(下限閾値)及び許容上限値(上限閾値)を検索し、これらを読み出すようになされる。
計測値比較手段34では、閾値取得手段33により取得された許容下限値及び許容上限値と今回の測定項目に係る計測値とが比較される。例えば、今回の測定項目に係る計測値と許容下限値とが比較され、かつ、当該計測値と許容上限値とが各々比較される。つまり、当該計測値が許容下限値を下回るか、また、当該計測値が許容上限値を上回るかを検出する。この検出結果で当該計測値が許容下限値を上回り、かつ、許容上限値を下回るときは、当該計測値が許容範囲内に入っている場合である。これにより、ある測定項目の入力値が確定したタイミングで、今回データD1と過去データD1’とを比較し、その計測値が計測レンジ内に収まっているかを検出することができる。
入力ミス判別手段35では、計測値比較手段34によって得られる比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別するようになされる。このとき、入力ミス判別手段35は、測定項目に関して入力判別時に予め設定された、許容下限値及び許容上限値から外れる計測値が入力された場合に、入力ミスと判断する(点検時データ入力ミス管理機能)。
入力ミスと判断された測定項目及び計測値は、第2の記憶手段の一例となる計測値メモリ59に記憶するようになされる。例えば、計測値メモリ59内には、入力ミスデータベースが構築され、ログデータDLが登録される。ここにログデータDLとは、入力ミスと判断された測定項目及び計測値をいう。計測値メモリ59及びデータメモリ58にはハードディスク(HDD)が使用される。
エラー情報出力手段36では、入力ミスと判断された測定項目及び計測値等のエラー情報を出力するようになされる。例えば、エラー情報出力手段36は、当該測定項目及び計測値を再入力するように警告したり、入力ミスと判断された測定項目及び計測値をログデータDLとして格納するように警告する。これにより、設定された閾値以上に計測値がずれていた場合は、計測値の読み違いと判断し、巡回点検員3に対して再計測&再入力を促すことができる。
上述の計測値メモリ59には、入力ミスと判断された測定項目及び計測値の他に、計測対象設備5で今回、計測して得た計測値に係るデータ(以下今回データ又は計測値データという)D1が格納される。これと同時に、計測値メモリ59には今回のデータの一貫として入力ミスした箇所、その計測値を記憶する。
計測終了後、巡回点検員3は、携帯端末装置100を事務所に持ち帰り、○○設備点検場所の制御通信機器等の今回の測定で得た計測値データ(設備点検データ)D1を既存の計測結果管理システム10に登録する。この例で、入力ミスと判断された測定項目及び計測値を含む今回データD1が携帯端末装置100から計測結果管理システム10へ転送される。
図3は、携帯端末装置100の構成例を示すブロック図である。図3に示す携帯端末装置100は、システムバス51を有した制御システム30を備えており、点検時データ入力ミス管理機能が付加されている。システムバス51には、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、画像処理部54、CPU(Central Processing Unit;中央処理ユニット)55、EEPROM56、I/Oインターフェース57、データメモリ58、計測値メモリ59、音声処理部61及び通信処理部62が接続される。
ROM52には、当該携帯端末装置100を制御するためのシステムプログラムデータDPが格納される。RAM53は、ワークメモリとして使用され、例えば、システム起動時に制御コマンドやシステム起動プログラム等を一時記憶するようになされる。CPU55は電源がオンされると、ROM52からRAM53へシステムプログラムデータDPを読み出してシステムを起動し、キーボード22又はマウス23からの操作データD3に基づいて当該携帯端末装置の全体を制御するようになされる。
キーボード22及びスタイラスペン23は、図2に示したデータ入力手段31を構成し、計測対象設備5の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを入力するように操作される。キーボード22及びスタイラスペン23には、点検時データ入力ミス管理機能が付加されている。データメモリ58には、点検時データ入力ミス管理機能を実現するために、予め計測結果管理システム10から計測対象設備5の過去データD1’が転送され、測定項目と共に格納するようになされる。
また、ROM52、RAM53及びCPU55は、データ判別手段50を構成し、ソフトウエア上に計測値検索手段32、閾値取得手段33、計測値比較手段34、入力ミス判別手段35を構築する。CPU55では、キーボード22及びスタイラスペン23によって入力された測定項目をキーにして当該計測対象設備5の過去の計測値が検索される。例えば、データメモリ58内を検索して、当該測定項目に係る計測対象設備5の過去データD1’を読み出すようになされる。
CPU55では、データメモリ58内で検索した計測対象設備5の過去の計測値の存在有無に基づいて測定項目に係る入力判別時の閾値が取得される。例えば、当該測定項目に係る計測対象設備5の過去データD1’から過去の計測値の許容下限値(下限閾値)及び許容上限値(上限閾値)を読み出すようになされる。
CPU55では、過去データD1’から取得した許容下限値及び許容上限値と今回の測定項目に係る計測値とが比較される。例えば、今回の測定項目に係る計測値と許容下限値とが比較され、かつ、当該計測値と許容上限値とが各々比較される。つまり、当該計測値が許容下限値を下回るか、また、当該計測値が許容上限値を上回るかを検出する。この検出結果で当該計測値が許容下限値を上回り、かつ、許容上限値を下回るときは、当該計測値が許容範囲内に入っている場合である。
CPU55では、比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別するようになされる。このとき、CPU55は、測定項目に関して入力判別時に予め設定された、許容下限値及び許容上限値から外れる計測値が入力された場合に、入力ミスと判断する(点検時データ入力ミス管理機能)。
画像処理部54は、CPU55が入力ミスと判断した測定項目及び計測値を統計処理して、入力ミスを起こしやすい計測機器を特定するようになされる。CPU5は、ここで特定された計測機器の測定項目に係る入力判定時の閾値を前回よりも許容範囲を狭くするように設定する。これは、入力ミスを起こしやすい計測機器のデータ入力時の信頼性を向上させるためである。
EEPROM56には、画像処理部54で特定された入力ミスを起こしやすい計測機器のデータを記憶するようになされる。EEPROM56は、データが随時書込み消去可能で、電源を切られてもデータを保持可能な不揮発メモリである。EEPROM56は、入力ミスを起こしやすい計測機器のデータの他に、例えば、再入力を促す音声に係る音声ガイドデータD4が記録される。
計測値メモリ59には、入力ミスと判断された測定項目及び計測値(ログデータDL)の他に、計測対象設備5で今回、計測して得た計測値に係る今回データD1が格納される。計測値メモリ59及びデータメモリ58にはハードディスク(HDD)が使用される。
上述のI/Oインターフェース57には、表示手段21、キーボード22、スタイラスペン23、タッチパネル24が接続される。表示手段21には、計測結果管理システム10から取り込んだ計測結果管理ファイルが表示データD2基づいて表示される。表示手段21には、例えば、480×640画素のカラー用の液晶表示パネルとタッチパネルを組み合わせたものが使用される。タッチパネル24には、静電容量式又は抵抗膜式のものが使用される。
スタイラスペン23は、表示手段21上で計測対象設備5の電圧や、電流、電力、抵抗、周波数、温度、音等の計測値を手書き入力するとき、又は、測定項目を選択するとき、アイコン等を押下する際に使用される。キーボード22には、「0」〜「9」の数字キー、「#」キー、「*」キーの他に、小数点「.」キー、電圧(V)や、電流(A)、電力(VA)、抵抗(Ω)、周波数(Hz)、温度(℃)、音(dB)等の計測単位キーが設けられている。図示しないが、もちろん、電源キーや測定項目選択時の選択キーも含まれている。
上述のCPU55はエラー情報出力手段36を構成し、入力ミスと判断された測定項目及び計測値等のエラー情報を出力するようになされる。例えば、CPU55は、当該測定項目及び計測値を再入力するように音声処理部61を出力制御したり、入力ミスと判断された測定項目及び計測値を格納するように計測値メモリ59を書込み制御する。
音声処理部61にはスピーカー63が接続され、CPU55の出力制御に基づいて当該測定項目及び計測値を再入力するように警告案内をしたり、入力ミスと判断された測定項目及び計測値を格納するように警告案内する。警告案内は、例えば、EEPROM56から音声処理部61へ音声ガイドデータD4を読み出す。
音声処理部61は、音声ガイドデータD4をデジタル・アナログ変換して音声案内信号S4を出力する。スピーカー63は、音声案内信号S4を入力して、例えば、計測値を入力した時点で、「計測値が桁違いです。再入力願います」等の音声案内を拡声するようになされる。これにより、入力ミスと判断された測定項目に関して当該計測値の再入力を促すことができる。
通信処理部62は、計測結果管理システム10に接続され、当該携帯端末装置100に入力された計測対象設備5の計測値を転送する際に使用される。例えば、事務所に戻った後、携帯端末装置100と計測結果管理システム10と接続し、入力ミスと判断された測定項目及び計測値を含む今回データD1を通信処理部62を介して携帯端末装置100から計測結果管理システム10へ転送するようになされる。計測結果管理システム10では、測定項目及び計測値を含む今回データD1が記録(登録)され、当該計測対象設備5を管理するようになされる。
図4は、計測結果管理システム10における計測結果管理ファイルのデータ構造例を示す表図である。
図4に示すデータ構造例によれば、計測結果管理ファイルは階層構造を有している。第1階層には、計測対象設備5の設置場所コード、その名称、その住所、その装置一覧が記述される。この例では、設置場所コード「AB001」には、名称「○○電力所」が記述され、住所が○○県が記述される。同様にして、設置場所コード「AB002」には、名称「○○電力所」が記述され、住所が○○県が記述される。設置場所コード「BC001」には、名称「○×営業所」が記述され、住所が○×県が記述される。設置場所コード「ZZ009」には、名称「○△発電所」が記述され、住所が○△県が記述される。
図4に示すデータ構造例によれば、計測結果管理ファイルは階層構造を有している。第1階層には、計測対象設備5の設置場所コード、その名称、その住所、その装置一覧が記述される。この例では、設置場所コード「AB001」には、名称「○○電力所」が記述され、住所が○○県が記述される。同様にして、設置場所コード「AB002」には、名称「○○電力所」が記述され、住所が○○県が記述される。設置場所コード「BC001」には、名称「○×営業所」が記述され、住所が○×県が記述される。設置場所コード「ZZ009」には、名称「○△発電所」が記述され、住所が○△県が記述される。
設置場所コード「AB001」の装置一覧は、第2階層に記述される。第2階層には、計測対象設備5の設備コード、その名称、そのメーカ名、その設置年及び計測内容が記述される。この例では、設備コード「0001」には、名称「○○リレー」、メーカ名A社及び設置年**年**月が各々記述される。同様にして、設備コード「0002」には、名称「△○電源」、メーカ名B社及び設置年**年**月が各々記述される。設備コード「0003」には、名称「×××継電器」、メーカ名A社及び設置年**年**月が各々記述される。設備コード「9999」には、名称「第2○○リレー」、メーカ名D社及び設置年**年**月が各々記述される。
設備コード「0001」の計測内容は、第3階層に記述される。第3階層には、○○リレーの測定項目、その前回測定日、その前回測定値、その測定単位、許容上限値及び許容下限値が記述される。この例で、○○リレーの測定項目「電流」には、前回測定日「YYYYMMDD」が記述される。前回測定値には、「12.345」が記述され。その測定単位には「mA」が記述され、その許容上限値には、「15.000」が記述され、その許容下限値には「10.000」が記述される。
また、○○リレーの測定項目「電圧」には、前回測定日「YYYYMMDD」が記述される。前回測定値には、「0.12345」が記述され。その測定単位には「kV」が記述され、その許容上限値には、「0.13000」が記述され、その許容下限値には「0.11000」が記述される。
更に、○○リレーの測定項目「音」には、前回測定日「YYYYMMDD」が記述される。前回測定値には、「28.765」が記述され。その測定単位には「dB」が記述され、その許容上限値には、「30.000」が記述され、その許容下限値には「25.000」が記述される。このように計測結果管理ファイルのデータ構造例を階層構造とすることで、過去のデータを検索し易くするようになされている。
続いて、本発明に係る情報処理方法(点検時データ入力支援処理方法)について、携帯端末装置100における動作例を説明する。図5及び図6は、点検時データ入力支援システム1における携帯端末装置100の動作例(その1,2)を示すフローチャートである。
この実施例では、巡回点検員3が点検時データ入力ミス管理機能付きの携帯端末装置100を持って設備点検場所(○○電力所内にある設備管理室)に移動する。そして、計測対象設備5を電力テスタ8で検査して得られる計測値を情報処理する場合を例に挙げる。点検時データ入力支援システム1では、巡回点検員3が携帯端末装置100を携行して設備点検場所に行くとき、及び、携帯端末装置100を携行して事務所に戻って来たときに、計測結果管理システム10と当該携帯端末装置100との間で情報交換するようになされる。
CPU55は電源がオンされると、ROM52からRAM53へシステムプログラムデータDPを読み出してシステムを起動し、キーボード22又はマウス23からの操作データD3に基づいて当該携帯端末装置の全体を制御するようになされる。
これらを動作条件にして、CPU55は、図5に示すフローチャートのステップA1で計測対象設備5の過去の計測値と測定項目とを記憶(登録)する。例えば、計測結果管理システム10と携帯端末装置100とを通信処理部62や図示しない通信ケーブルを介して電気的に接続し、計測結果管理システム10から携帯端末装置100へ計測対象設備5の過去データD1’を転送して、当該計測結果管理システム10の登録手段16からデータメモリ58に計測対象設備5の過去データD1’を登録する。これは基準値を定めるためである。
図4に示した階層構造を有する計測結果管理ファイルがデータメモリ58に格納される。計測結果管理ファイルの第1階層で、設置場所コード欄には「AB001」が記述され、名称の欄には「○○電力所」が記述され、住所の欄には○○県が記述される。その第2階層で、設備コードの欄「0001」には、名称「○○リレー」、メーカ名A社及び設置年**年**月が各々記述される。同様にして、設備コード「0002」には、名称「△○電源」、メーカ名B社及び設置年**年**月が各々記述される。設備コード「0003」には、名称「×××継電器」、メーカ名A社及び設置年**年**月が各々記述される。設備コード「9999」には、名称「第2○○リレー」、メーカ名D社及び設置年**年**月が各々記述される。
その第3階層で設備コード「0001」の計測内容に関して、○○リレーの測定項目「電流」には、前回測定日「YYYYMMDD」が記述される。前回測定値には、「12.345」が記述され。その測定単位には「mA」が記述され、その許容上限値には、「15.000」が記述され、その許容下限値には「10.000」が記述される。また、○○リレーの測定項目「電圧」には、前回測定日「YYYYMMDD」が記述される。前回測定値には、「0.12345」が記述され。その測定単位には「kV」が記述され、その許容上限値には、「0.13000」が記述され、その許容下限値には「0.11000」が記述される。
更に、○○リレーの測定項目「音」には、前回測定日「YYYYMMDD」が記述される。前回測定値には、「28.765」が記述され。その測定単位には「dB」が記述され、その許容上限値には、「30.000」が記述され、その許容下限値には「25.000」が記述される。このような計測結果管理ファイルを登録した後、携帯端末装置100の電源を切っても、また、そのまま電源を入れておいても、どちらでもよい。計測結果管理ファイルはメモリ媒体で受け渡してもよい。
そして、巡回点検員3は点検時データ入力ミス管理機能付きの携帯端末装置100を持って設備点検場所(電力所内にある設備管理室)に移動する。巡回点検員3は制御通信設備を電力テスタ8で検査し、その検査結果を携帯端末装置100に入力する。携帯端末装置100の電源が切ってある場合は、ここで電源をオンしてシステムを立ち上げる。
CPU55は電源がオンされると、ROM52からRAM53へシステムプログラムデータDPを読み出してシステムを起動し、キーボード22又はマウス23からの操作データD3に基づいて当該携帯端末装置の全体を制御するようになされる。例えば、入力ミスを起こしやすい計測機器を特定するか否かの設定がなされる。また、特定された計測機器のデータ入力判定時の閾値を変更するか否かの設定がなされる。
その後、ステップA2で、CPU55は今回データD1となる計測対象設備5の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを取得する。このとき、表示手段21には、計測結果管理システム10から取り込んだ計測結果管理ファイルが表示データD2に基づいて表示される。巡回点検員3は、キーボード22及びスタイラスペン23を使用して、計測対象設備5の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを入力するようになされる。
例えば、巡回点検員3は、スタイラスペン23を使用して、表示手段21上で計測対象設備5の電圧や、電流、電力、抵抗、周波数、温度、音等の計測値を手書き入力したり、又は、とき、スタイラスペン23でアイコン等を押下して、測定項目を選択するようになされる。また、巡回点検員3は、キーボード22を操作して、「0」〜「9」の数字キーや小数点「.」キーを押下して、計測対象設備5の電圧(V)や、電流(A)、電力(VA)、抵抗(Ω)、周波数(Hz)、温度(℃)、音(dB)等を入力するようになされる。今回、計測対象設備5で計測して得た計測値に係る今回データD1が計測値メモリ59に格納される。
そして、ステップA3で、CPU55は、今回データD1の測定項目をキーにして当該計測対象設備5の過去データD1’を検索する。例えば、データメモリ58内を検索して、当該測定項目に係る計測対象設備5の過去データD1’を読み出すようになされる。
次に、ステップA4に移行してCPU55は、データメモリ58内から過去データD1’が読み出せたか否か(存在するか否か)により制御分岐する。過去データD1’が存在しない場合は、ステップA5〜A14をパスしてステップA16に移行する。
計測対象設備5の過去データD1’が存在する場合は、ステップA5に移行して、CPU55は過去データD1’から当該測定項目に係る入力判別時の閾値(=許容範囲)を取得する。例えば、当該測定項目に係る計測対象設備5の過去データD1’から、第3階層の測定項目をキーにして過去の計測値入力時の許容下限値(下限閾値)及び許容上限値(上限閾値)を検索し、これらを読み出すようになされる。図4に示した例によれば、設備コード「0001」の○○リレーの測定項目「電流」をキーにして、許容下限値=10.000mA、許容上限値=15.000mAが検索され、この許容下限値=10.000mA及び許容上限値=15.000mAがRAM53に保持される。
その後、ステップA6に移行してCPU55は、過去データD1’から取得した許容下限値及び許容上限値と今回の測定項目に係る計測値とを比較する。例えば、今回の測定項目に係る計測値と許容下限値とが比較され、かつ、当該計測値と許容上限値とが各々比較される。つまり、当該計測値が許容下限値を下回るか、また、当該計測値が許容上限値を上回るかを検出する。この検出結果で当該計測値が許容下限値を上回り、かつ、許容上限値を下回るときは、当該計測値が許容範囲内に入っている場合である。
図4に示した例によれば、設備コード「0001」の○○リレーの測定項目「電流」に関して、許容下限値に10.000mAが設定され、その許容上限値に15.000mAが設定され、この許容下限値=10.000mA及び許容上限値=15.000mAと今回の測定項目に係る○○リレーの計測値、例えば、13.555mAとが比較される。この例では○○リレーの計測値=13.555mAが閾値の許容範囲内に入っている。
そして、ステップA7でCPU55は、比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する。このとき、計測値が閾値の許容範囲内であるか否かに基づいて制御を分岐する。CPU55は、測定項目に関して入力判別時に予め設定された、許容下限値及び許容上限値から外れる計測値が入力された場合に、入力ミスと判断する(点検時データ入力ミス管理機能)。
入力ミスと判断した場合、CPU55はステップA8に移行して、当該入力ミスと判断した測定項目及び計測値をログデータDLとして記録するように計測値メモリ59を制御する。計測値メモリ59は、CPU55のメモリ制御を受けてログデータDLを入力ミスデータベースに登録する。
そして、ステップA9に移行して、CPU5は、入力ミスと判断された測定項目に関して当該計測値の再入力を促すようになされる。このとき、CPU55は、入力ミスと判断された測定項目及び計測値等のエラー情報をエラー情報出力手段36を利用して出力するようになされる。例えば、CPU55は、当該測定項目及び計測値を再入力するように音声処理部61を出力制御したり、入力ミスと判断された測定項目及び計測値を格納するように計測値メモリ59を書込み制御する。CPU55は、EEPROM56から音声処理部61へ音声ガイドデータD4を読み出す。音声処理部61は、音声ガイドデータD4をデジタル・アナログ変換して音声案内信号S4をスピーカー63に出力する。
スピーカー63は、音声案内信号S4を入力して、例えば、計測値を入力した時点で、「計測値が桁違いです。再入力願います」等の音声案内を拡声するようになされる。再入力の促し方法は、音声案内に限られることはなく、表示手段21に、「計測値が桁違いです。再入力願います」等の文字表示するようにしてもよい。これにより、入力ミスと判断された測定項目に関して当該計測値の再入力を促すことができる。
その後、ステップA10でCPU55は、入力ミスを起こしやすい計測機器を特定するか否かの設定に基づいて制御を分岐する。当該計測機器を特定する設定がなされている場合は、ステップA11に移行して,CPU55は、入力ミスと判断された測定項目及び計測値を統計処理する。このとき、画像処理部54では、CPU55が入力ミスと判断した測定項目及び計測値を統計処理して、入力ミスを起こしやすい計測機器を特定するようになされる。
そして、ステップA12に移行して,CPU55は、特定された入力ミスを起こしやすい計測機器を登録する。例えば、CPU55は、画像処理部54で特定された入力ミスを起こしやすい計測機器のデータをEEPROM56に記憶するようになされる。なお、ステップA10で入力ミスを起こしやすい計測機器を特定する設定がなされていない場合は、ステップA11〜A14をパスしてステップA16に移行する。
その後、ステップA13で、CPU55は、入力ミスを起こしやすい計測機器の閾値を変更するか否かの設定に基づいて制御を分岐する。当該計測機器の閾値を変更する設定がなされている場合は、ステップA14に移行して、CPU55は、閾値変更処理を実行する。例えば、先に特定された計測機器の測定項目に係る入力判定時の閾値を前回よりも許容範囲を狭くするように設定する。これは、入力ミスを起こしやすい計測機器のデータ入力時の信頼性を向上させるためである。
なお、上述のステップA7で計測値が閾値の許容範囲内である場合は、ステップA15に移行して、先のステップA2で得た計測対象設備5の測定項目と当該測定項目に係る計測値データ(今回データ)D1を計測値メモリ59に保存した後にステップA16に移行する。ステップA16で、CPU55は終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して、点検時データ入力支援処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップA2に戻って上述した処理を繰り返すようになされる。
計測終了後、巡回点検員3は、携帯端末装置100を事務所に持ち帰り、○○設備点検場所の制御通信機器等の今回の測定で得た計測値データ(今回データ)D1を既存の計測結果管理システム10に登録する。例えば、事務所に戻った後、携帯端末装置100と計測結果管理システム10と接続し、入力ミスと判断された測定項目及び計測値を含む今回データD1を通信処理部62を介して携帯端末装置100から計測結果管理システム10へ転送するようになされる。計測結果管理システム10では、測定項目及び計測値を含む今回データD1が記録(登録)され、当該計測対象設備5を管理するようになされる。
このように、実施例としての携帯端末装置及び情報処理方法によれば、計測対象設備5を検査して得られる計測値を点検時データ入力支援処理する場合に、CPU55は、計測対象設備5の測定項目をキーにして検索された当該計測対象設備5の過去データD1’から取得される、許容下限値及び許容上限値と今回の測定項目に係る計測値とを比較する。CPU55は、許容下限値及び許容上限値と今回の測定項目に係る計測値との比較結果に基づいて今回の測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する。この例では、測定項目に関して入力判別時の許容下限値及び許容上限値から外れる計測値が入力された場合に、入力ミスと判断するようになされる。
従って、計測値判定用の許容下限値及び許容上限値を瞬時に検索抽出できるので、計測対象設備5の検査によって得られる計測値を入力した時点で、適正な基準値範囲に収まらない、桁違いといった明らかな入力ミスを検査現場でチェックすることができる。これにより、事務所に戻った後に、初めて、入力ミスに気付くといった事態を防ぐことができ、計測値を入力した時点で、計測ミスを早期にチェックすることができる。従って、その場で、計測対象設備5を再検査することができ、しかも、事務所に戻ってから、再度、現場に点検に出向くといった無駄な手間や工数を回避することができる。
なお、入力ミスのログデータDLを統計処理することで、ミスを誘発する可能性の高いインターフェースを持つ計測機器を特定することが可能となる。入力ミスを起こしやすい計測機器が特定されると、社員のノウハウの共有化にもつながり、かつ、計測機器の改善にもつながる。
この発明は、電力事業や通信事業等に関連する計測対象設備の保守点検の際の計測業務を支援する点検時データ入力支援システムに適用して極めて好適である。
1・・・点検時データ入力支援システム、8・・・電力テスタ(計測機器)、10・・・計測結果管理システム、11・・・モニタ、12,22・・・キーボード、13・・・マウス、15,30・・・制御システム、16・・・登録手段、21・・・表示手段、23・・・スタイラスペン、31・・・データ入力手段、32・・・計測値検索手段(CPU)、33・・・閾値取得手段(CPU)、34・・・計測値比較手段(CPU)、35・・・入力ミス判別手段(CPU)、50・・・データ判別手段、55・・・CPU(制御手段)、56・・・EEPROM、58・・・データメモリ(第1の記憶手段)、59・・・計測値メモリ(第2の記憶手段)、100・・・携帯端末装置
Claims (15)
- 電気設備を検査して得られる計測値を情報処理する携帯端末装置であって、
前記電気設備の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された前記測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された前記電気設備の過去の計測値の存在有無に基づいて前記測定項目に係る入力判別時の閾値を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記閾値と今回の測定項目に係る計測値とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって得られる比較結果に基づいて今回の前記測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する判別手段とを備えることを特徴とする携帯端末装置。 - 前記電気設備の過去の計測値を前記測定項目と共に記憶する第1の記憶手段と、
前記入力ミスと判断された前記測定項目及び計測値を記憶する第2の記憶手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。 - 前記検索手段は、
前記測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値から入力判別時の下限閾値及び上限閾値を検索し、
前記判別手段は、
前記検索手段によって検索された前記測定項目に関する入力判別時の下限閾値及び上限閾値を設定し、
前記下限閾値及び上限閾値から外れる計測値が入力された場合に、入力ミスと判断することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。 - 前記判別手段は、
前記入力ミスと判断された前記測定項目に関して当該計測値の再入力を促すことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。 - 前記入力ミスと判断された前記測定項目及び計測値を統計処理して、入力ミスを起こしやすい計測機器を特定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
- 特定された前記計測機器の測定項目に係る入力判定時の閾値を前回よりも許容範囲を狭くするように設定する手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の携帯端末装置。
- 電気設備を検査して得られる計測値を情報処理する方法であって、
前記電気設備の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを取得するステップと、
前記測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値を検索するステップと、
前記電気設備の過去の計測値が存在する場合は、前記測定項目に係る入力判別時の閾値を取得するステップと、
前記閾値と今回の測定項目に係る計測値とを比較するステップと、
比較結果に基づいて今回の前記測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別するステップとを有することを特徴とする情報処理方法。 - 前記電気設備の過去の計測値を前記測定項目と共に記憶するステップを有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
- 前記測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値から入力判別時の下限閾値及び上限閾値を検索し、
検索された前記測定項目に関して入力判別時の下限閾値及び上限閾値を設定し、
前記下限閾値及び上限閾値から外れる計測値が入力された場合に、入力ミスと判断することを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。 - 前記入力ミスと判断された前記測定項目及び計測値を記録するステップを有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
- 前記入力ミスと判断された前記測定項目に関して当該計測値の再入力を促すステップを有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
- 前記入力ミスと判断された前記測定項目及び計測値を統計処理して、入力ミスを起こしやすい計測機器を特定するステップを有することを特徴とする請求項7に記載の情報処理方法。
- 特定された前記計測機器の測定項目に係る入力判定時の閾値を前回よりも許容範囲を狭くするように設定するステップを有することを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
- 電気設備を検査して得られる計測値を情報処理するシステムであって、
前記電気設備を検査して計測値を得る計測機器と、
前記計測機器から得られる前記電気設備の計測値を記録する携帯端末装置とを備え、
前記携帯端末装置は、
前記電気設備の測定項目と当該測定項目に係る計測値とを入力する入力手段と、
前記入力手段によって入力された前記測定項目をキーにして当該電気設備の過去の計測値を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された前記電気設備の過去の計測値の存在有無に基づいて前記測定項目に係る入力判別時の閾値を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記閾値と今回の測定項目に係る計測値とを比較する比較手段と、
前記比較手段によって得られる比較結果に基づいて今回の前記測定項目に係る計測値が入力ミスであるか否かを判別する判別手段とを有することを特徴とする情報処理システム。 - 前記携帯端末装置と電気的に接続可能な情報処理装置を備え、
前記電気設備の過去の計測値を前記測定項目と共に前記情報処理装置から携帯端末装置へ転送し、
前記電気設備の今回の計測値を前記測定項目と共に前記携帯端末装置から情報処理装置へ転送することを特徴とする請求項14に記載の情報処理システム。
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